【実施例】
【0034】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
【0035】
(実施例1)
(基紙1の作製)
ECF漂白したLBKP(白色度85%)100部をフリーネス400mlに叩解してパルプスラリーとし、このパルプスラリーに、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1部と、硫酸バンド2部とを添加し、表層紙料を調製した。雑誌古紙パルプ(白色度55%)100部のスラリーに、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)2部を添加し、表下層紙料を調整した。なおこれらの紙料には填料を添加しなかった。これらの紙料を角型手抄き装置を用いて2層を抄き合せを行い、表層中の炭酸カルシウムが0%、表層の坪量50g/m
2、表下層の坪量90g/m
2とし、原紙坪量140g/m
2の基紙1を作成した。
【0036】
(下塗り塗工液の調製)
顔料としてカオリン(ケーシーエス:イメリスミネラルズジャパン社製)80部及び湿式重質炭酸カルシウム(カービタル90:イメリスミネラルズジャパン社製)20部と接着剤としてSBR(スチレン-ブタジエンゴム)系ラテックス(B−1541:旭化成ケミカル社製)を11部及び尿素リン酸エステル化澱粉3部からなる下塗り塗工液を調整した。
【0037】
(上塗り塗工液の調製)
顔料としてカオリン(カオファイン90:白石カルシウム社製)80部及び湿式重質炭酸カルシウム(カービタル90:イメリスミネラルズジャパン社製)20部と接着剤としてSBR(スチレン-ブタジエンゴム)系ラテックス(B−1541:旭化成ケミカル社製)を15部からなる下塗り塗工液を調整した。
【0038】
(塗工紙の作製)
基紙1の表層側に、下塗り塗工液を塗工量が固形分換算で10g/m
2になるようにメイヤーバーにて塗工、乾燥した。その後、下塗り塗工層上へ上塗り塗工液を塗工量が固形分換算で10g/m
2になるようにメイヤーバーにて塗工、乾燥した。その後、カレンダー処理としてハードニップカレンダー処理を行い、坪量が160g/m
2の塗工紙を作成した。
【0039】
(UVインキの印刷)
基紙1の上に塗工層を設けた表面に、RI展色機にてUVインキの墨を展色し、その直後にUV照射機により展色インキをUV硬化させ、有色インキ層を形成した。
【0040】
(炭酸ガスレーザーマーキング)
有色インキ層を形成した塗工紙の有色インキ層部分に、波長10600nm、出力30Wの炭酸ガスレーザーマーカー(LP−430U:パナソニックデバイスSUNX社製)を用いて、スキャン速度が4000mm/秒、出力100%(30W)とスキャン速度が6000mm/秒、出力100%(30W)の2条件にてバーコードをマーキングした。
【0041】
(実施例2)
実施例1において、下塗り塗工液のカオリンを100部、湿式重質炭酸カルシウムを0部に変更し、上塗り塗工液のカオリンを100部、湿式重質炭酸カルシウムを0部に変更した以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0042】
(実施例3)
実施例1において、下塗り塗工液のカオリンを60部、湿式重質炭酸カルシウムを40部に変更し、上塗り塗工液のカオリンを60部、湿式重質炭酸カルシウムを40部に変更した以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0043】
(実施例4)
実施例1において、下塗り塗工液のカオリンを80部、湿式重質炭酸カルシウムを20部に変更し、上塗り塗工液のカオリンを40部、湿式重質炭酸カルシウムを60部に変更した以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0044】
(実施例5)
実施例1において、下塗り塗工液のカオリンを40部、湿式重質炭酸カルシウムを60部に変更し、上塗り塗工液のカオリンを80部、湿式重質炭酸カルシウムを20部に変更した以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0045】
(実施例6)
実施例2において、下塗り塗工液を塗工しない以外は、実施例2と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0046】
(実施例7)
実施例3において、表層紙料に更に填料として湿式重質炭酸カルシウム(カービタル90:イメリスミネラルズジャパン社製)を表層100部に対して1部含有するように添加し、表層中の炭酸カルシウムを0%とした以外は、実施例3と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0047】
(実施例8)
実施例1において、スキャン速度が4000mm/秒、出力80%(24W)及びスキャン速度が6000mm/秒、出力60%(18W)とした以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0048】
(比較例1)
実施例1において、下塗り塗工液のカオリンを0部、湿式重質炭酸カルシウムを100部に変更し、上塗り塗工液のカオリンを0部、湿式重質炭酸カルシウムを100部に変更した以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0049】
(比較例2)
実施例1において、下塗り塗工液のカオリンを0部、湿式重質炭酸カルシウムを100部に変更し、上塗り塗工液のカオリンを100部、湿式重質炭酸カルシウムを0部に変更した以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0050】
(比較例3)
実施例1において、下塗り塗工液のカオリンを100部、湿式重質炭酸カルシウムを0部に変更し、上塗り塗工液のカオリンを0部、湿式重質炭酸カルシウムを100部に変更した以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0051】
(比較例4)
実施例1において、下塗り塗工液のカオリンを50部、湿式重質炭酸カルシウムを50部に変更し、上塗り塗工液のカオリンを50部、湿式重質炭酸カルシウムを50部に変更した以外は、実施例1と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0052】
(比較例5)
比較例3において、下塗り塗工液を塗工しない以外は、比較例3と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0053】
(比較例6)
(基紙2の作製)
ECF漂白したLBKP(白色度85%)100部をフリーネス400mlに叩解してパルプスラリーとし、このパルプスラリーに、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1部と、硫酸バンド2部とを添加し、表層紙料を調製した。ECF漂白したLBKP(白色度85%)100部をフリーネス400mlに叩解してパルプスラリーとし、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1部を添加し、表下層紙料を調整した。これらの紙料を角型手抄き装置を用いて2層を抄き合せを行い、表層中の炭酸カルシウムが0%、表層の坪量50g/m
2、表下層の坪量90g/m
2とし、原紙坪量140g/m
2の基紙を作成した。
【0054】
比較例4において、基紙1を基紙2に変更した以外は、比較例4と同様にして炭酸ガスレーザーマーキングを行った。
【0055】
各実施例及び比較例で得られたレーザーマーキング物について、次に示す評価法に基づいて試験を行った。結果を表1に示す。
【0056】
(1)焦げ評価
塗工紙表面の、炭酸ガスレーザーマーカー(LP−430U:パナソニックデバイスSUNX社製)にて有色インキ層がバーコード状に除去された部分を目視にて観察し、9段階で評価した。
9:焦げがほとんど認められない(実用レベル)。
8:薄い焦げが極僅かに発生するが、良好である(実用レベル)。
7:薄い焦げが僅かに発生するが、良好である(実用レベル)。
6:薄い焦げが多少発生するが、良好である(実用レベル)。
5:薄茶色の焦げがエッジ部にのみ発生するが、良好である(実用上下限レベル)。
4:薄茶色の焦げが多少発生し、使用に耐えない(実用上不可レベル)。
3:薄茶色の焦げが発生し、使用に耐えない(実用上不可レベル)。
2:こげ茶色の焦げが発生し、使用に耐えない(実用上不可レベル)。
1:こげ茶黒の焦げが酷く発生し、使用に耐えない(実用上不可レベル)。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
表1、2から明らかなように、実施例1〜7で得られた塗工紙上に有色インキ層を形成し、レーザーマーキングした部分の焦げ評価は実用範囲のものであった(実施例1〜8)。実施例3と実施例7を比較すると、表層中の炭酸カルシウム含有量が少ない塗工紙を用いて炭酸ガスレーザーでマーキングした方が、焦げ評価は良好であった。
【0060】
これに対して比較例1〜6で得られた塗工紙上に有色インキ層を形成し、レーザーマーキングした部分の焦げ評価は、塗工層中の炭酸カルシウム含有量が多すぎるため、炭酸ガスレーザーで基紙が焦げ易くなり、レーザーマーキングした部分の焦げ評価は劣るものであった。また、比較例6で得られた塗工紙上に有色インキ層を形成し、レーザーマーキングした部分の焦げ評価は、古紙原料を使用しないアイボリー想定の塗工紙であっても塗工層中の炭酸カルシウム有量が多すぎるため、炭酸ガスレーザーで基紙が焦げ易くなり、レーザーマーキングした部分の焦げ評価は劣るものであった。