特許第6875272号(P6875272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875272
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】低減させた突出長を有する押圧留具
(51)【国際特許分類】
   E05C 3/10 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   E05C3/10
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-514448(P2017-514448)
(86)(22)【出願日】2016年7月12日
(65)【公表番号】特表2018-524494(P2018-524494A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】US2016041873
(87)【国際公開番号】WO2017011443
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2019年7月5日
(31)【優先権主張番号】62/192,264
(32)【優先日】2015年7月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507369567
【氏名又は名称】サウスコ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】リウ シヤオジュイン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ビー.ラングカンプ
(72)【発明者】
【氏名】ワーン ハイルゥ
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0105014(US,A1)
【文献】 米国特許第04878367(US,A)
【文献】 特表2001−518585(JP,A)
【文献】 米国特許第04583775(US,A)
【文献】 米国特許第04679835(US,A)
【文献】 米国特許第04671547(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠部材に関して板部材を固定するように形成された留具であって、前記留具が、
前記板部材への嵌合のために形成されたハウジングであって、長手軸線を有し、前記長手軸線に沿って穴の形状を定めるハウジングと、
前記長手軸線回りの回転のために前記ハウジングの前記穴内に取り付けられたキャップであって、前記キャップは、長手方向に延びる凹みの形状を定め、前記キャップは、前記長手軸線に沿って延びて前記キャップを回転するための駆動面を形成する駆動スタッドを具備し、前記キャップの前記凹みは、少なくとも部分的に前記駆動スタッド内に形状が定められる、キャップと、
前記ハウジングの前記穴内に前記長手軸線に沿って延びるシャフトであって、前記長手軸線回りの回転のために取り付けられ、さらに、前記キャップに関する軸線方向動作のために取り付けられるシャフトと、
前記長手軸線に沿って前記キャップから離れるように前記シャフトを付勢するように形成されたスプリングと、
前記シャフトと前記ハウジングとの間に挿入されたスリーブであって、第一細長穴の形状を定めるスリーブと、
前記シャフトと前記ハウジングとの間に挿入されたカムであって、前記長手軸線回りに前記スリーブに関して回転可能であり、第二細長穴の形状を定める前記カムと、
前記長手軸線に関して前記シャフトから半径方向外側へ延びるピンであって、前記第一細長穴内及び前記第二細長穴内へ延びるピンと、
前記シャフトに連結されたパウルであって、前記枠部材に掛かるように形成される前記パウルと、を具備する前記留具において、
前記第一細長穴及び前記第二細長穴は、前記パウルが前記枠部材に掛かる又は前記枠部材から外れるように、前記キャップが前記ハウジング内を回転させられるときの前記シャフトの前記回転及び前記軸線方向動作を案内するように形成される留具。
【請求項2】
前記キャップは、前記長手軸線に沿って延びて前記キャップを回転するための駆動面を形成する駆動開口の形状を定める請求項1に記載の留具。
【請求項3】
前記キャップの前記凹みは、前記キャップの半径方向において前記駆動開口と重なる請求項に記載の留具。
【請求項4】
前記キャップの前記凹みは、前記駆動開口から半径方向外側の位置へ延びる請求項に記載の留具。
【請求項5】
前記シャフトは、前記キャップの前記凹みに可動に受け入れられる案内部を有し、前記スプリングは、前記シャフトの前記案内部を取り囲むように位置させられる請求項1に記載の留具。
【請求項6】
前記スプリングは、前記シャフト及び前記キャップの対向面の間に延び、前記対向面に接する端部を有する請求項に記載の留具。
【請求項7】
前記キャップの前記対向面は、前記キャップの前記凹み内に形成される請求項に記載の留具。
【請求項8】
さらに、前記キャップの前記対向面の内側縁に隣接する環状突起を具備し、前記環状突起は、前記キャップの前記凹みの開口へ向けて延びる請求項に記載の留具。
【請求項9】
前記シャフトの前記案内部は、前記シャフトの前記対向面に隣接する広がり部を備える請求項に記載の留具。
【請求項10】
前記スプリングは、圧縮スプリング、波板スプリング、皿ばね、エラストマ材スプリング、及び、円錐スプリングから成る一団から選択された一つ以上の要素を備える請求項1に記載の留具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容がその全体において参照により本明細書に援用される2015年7月14日に出願された名称「低減させた突出長を有する押圧留具」の米国仮特許出願第62/192264号に対して優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、留具、特に、貯蔵区画をしっかり締めるために使用されることができ、このような区画内への留具の低減させた突出長を提供することができる押圧留具に関する。
【背景技術】
【0003】
伝統的に、制限区域(例えば医療環境のような)における貯蔵区画は、中の物への不正な接近を防止するために、しっかり締められなければならない。留具は、このような区画への接近を対応する鍵を有する使用者に制限するために使用されても良い。
【0004】
環境又は意図された使用に依存して、多くの貯蔵区画は、利用可能空間の制限分を有する可能性があり、又は、この区画内の空間の実質的に全てをふさぐ物を貯蔵する可能性がある。これらの種類の区画のために、区画をしっかり締めるために使用される留具は、不必要に突出せず、又は、利用可能な制限空間に影響を及ぼさないことが有利である可能性がある。したがって、改良された機構及び装置が、良好な留具性能を維持する一方で、依然として利用可能な貯蔵空間に悪影響することなく、貯蔵区画をしっかり締めるために望まれる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様は、留具に関する。
【0006】
本発明の一態様により、留具は、枠部材に関して板部材を固定するように形成される。留具は、板部材への嵌合のために形成されたハウジングを備え、ハウジングは、長手軸線を有し、長手軸線に沿って穴の形状を定める。留具は、さらに、長手軸線回りの回転のためにハウジングの穴内に取り付けられたキャップを備え、キャップは長手方向に延びる凹みの形状を定める。留具には、さらに、ハウジングの穴内に長手軸線に沿って延びるシャフトが備えられ、シャフトは長手軸線回りの回転のために取り付けられ、シャフトは、さらに、キャップに関する軸線方向動作のために取り付けられ、シャフトは、キャップの凹みに可動に受け入れられる案内部を有する。留具のスプリングが、長手軸線に沿ってキャップから離れるようにシャフトを偏倚させるように形成され、留具のスリーブが、シャフトとハウジングとの間に挿入され、スリーブは第一細長穴の形状を定める。留具は、さらに、シャフトとハウジングとの間に挿入されたカムを備え、カムは長手軸線回りにスリーブに関して回転可能であり、カムは第二細長穴の形状を定める。ピンが長手軸線に関してシャフトから半径方向外側へ延びるように設けられ、ピンは第一及び第二細長穴内へ延びる。留具は、さらに、シャフトに連結されたパウルを備え、パウルは枠部材に掛かるように形成される。第一及び第二細長穴は、パウルが枠部材に掛かる又は枠部材から外れるように、キャップがハウジング内を回転させられるときのシャフトの回転及び軸線方向動作を案内するように形成される。
【0007】
キャップは、長手軸線に沿って延びてキャップを回転するための駆動面を形成する駆動スタッドを備えることができる。もしそうであるならば、キャップの凹みは、少なくとも部分的に駆動スタッド内に形状が定められることができる。
【0008】
キャップは、さらに、長手軸線に沿って延びてキャップを回転するための駆動面を形成する駆動開口の形状を定めることができる。もしそうであるならば、キャップの凹みは、キャップの半径方向において駆動開口と重なることができ、キャップの凹みは、駆動開口から半径方向外側の位置へ延びることができる。
【0009】
スプリングは、シャフトの案内部を取り囲むように位置させられることができ、スプリングは、シャフト及びキャップの対向面の間に延びることができ、これら対向面に接する端部を有する。キャップの対向面は、キャップの凹み内に形成されることができる。スプリングは、以下の要素、圧縮スプリング、波板スプリング、皿ばね、エラストマ材スプリング、及び、円錐スプリングの一つ以上を備えることができる。
【0010】
本発明は、添付図面に関して読まれるときに以下の詳細な記述から最も良く理解される。共通の慣例により、図面の様々な形体は比例尺でないことが強調される。それどころか、様々な形体の寸法は、明確化のために、恣意的に、拡大又は縮小されている可能性がある。図面には、以下の図が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の態様による枠部材に関して板部材を固定するために形成された好ましい留具を示す図である。
図2図1の留具の分解図である。
図2A図1の留具の構成要素の拡大分解図である。
図3A図1の留具の好ましいハウジングを示す図である。
図3B図1の留具の好ましいハウジングを示す図である。
図3C図1の留具の好ましいハウジングを示す図である。
図3D図1の留具の好ましいハウジングを示す図である。
図3E図1の留具の好ましいハウジングを示す図である。
図4A図1の留具の好ましいキャップを示す図である。
図4B図1の留具の好ましいキャップを示す図である。
図4C図1の留具の好ましいキャップを示す図である。
図4D図1の留具の好ましいキャップを示す図である。
図4E図1の留具の好ましいキャップを示す図である。
図5A図1の留具の好ましいシャフトを示す図である。
図5B図1の留具の好ましいシャフトを示す図である。
図5C図1の留具の好ましいシャフトを示す図である。
図5D図1の留具の好ましいシャフトを示す図である。
図5E図1の留具の好ましいシャフトを示す図である。
図6A】板部材及び枠部材と共に図1の留具の好ましい開動作の第一段階を示す図である。
図6B】板部材及び枠部材と共に図1の留具の好ましい開動作の第一段階を示す図である。
図6C】板部材及び枠部材と共に図1の留具の好ましい開動作の第一段階を示す図である。
図7A図6Aから6Cの開動作の第二段階を示す図である。
図7B図6Aから6Cの開動作の第二段階を示す図である。
図7C図6Aから6Cの開動作の第二段階を示す図である。
図8A図6Aから6Cの開動作の第三段階を示す図である。
図8B図6Aから6Cの開動作の第三段階を示す図である。
図8C図6Aから6Cの開動作の第三段階を示す図である。
図9A】本発明の態様による留具の好ましい代替キャップを示す図である。
図9B】本発明の態様による留具の好ましい代替キャップを示す図である。
図9C】本発明の態様による留具の好ましい代替キャップを示す図である。
図10A】本発明の態様による留具の好ましい代替シャフトを示す図である。
図10B】本発明の態様による留具の好ましい代替シャフトを示す図である。
図10C】本発明の態様による留具の好ましい代替シャフトを示す図である。
図11A】本発明の態様による留具の好ましい開動作の代替第一段階を示す図である。
図11B】本発明の態様による留具の好ましい開動作の代替第一段階を示す図である。
図12A図11A及び11Bの開動作の代替第二段階を示す図である。
図12B図11A及び11Bの開動作の代替第二段階を示す図である。
図13A】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替キャップを示す図である。
図13B】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替キャップを示す図である。
図13C】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替キャップを示す図である。
図13D】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替キャップを示す図である。
図13E】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替キャップを示す図である。
図14A】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替シャフトを示す図である。
図14B】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替シャフトを示す図である。
図14C】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替シャフトを示す図である。
図14D】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替シャフトを示す図である。
図14E】本発明の態様による留具のもう一つの好ましい代替シャフトを示す図である。
図15A】本発明の態様による留具の好ましい開動作のもう一つの代替第一段階を示す図である。
図15B】本発明の態様による留具の好ましい開動作のもう一つの代替第一段階を示す図である。
図16A図15A及び15Bの開動作の代替第二段階を示す図である。
図16B図15A及び15Bの開動作の代替第二段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明が特定の実施形態を参照して本明細書に図解及び記述されるけれども、本発明は、示された細部に限定されることが意図されない。むしろ、様々な変更が、請求の範囲の等価物の範囲及び限度内において本発明から逸脱することなく細部において成されても良い。
【0013】
本明細書に記述された好ましい留具は、これら留具が貯蔵区画内への留具の突出程度の減少のために設けられることができるように、このような区画のための伝統的な留具より低い形状を有し、利用可能な貯蔵空間への留具の影響を低減又は排除する。これらの実施形態は、概して、区画を開き又は閉じるために回転方向及び軸線方向に移動する留具のキャップ及びシャフトを組み込む。
【0014】
特定の留具の実施形態が本明細書に記述される一方で、開示された実施形態の構成要素は、本明細書に記述された利点を達成するために、当業者の一人には知られている任意の伝統的な留具へ組み込まれても良い。例えば、開示された実施形態の構成要素は、その内容がその全体において参照により本明細書に援用される米国特許第4583775号明細書に記述された留具へ組み込まれても良い。同様に、開示された留具は、区画内の物をしまい込むのに望ましい任意の種類の貯蔵区画を含む任意の構造に使用可能であっても良い。本留具は、好ましくは、枠部材へ取り付けられた板部材と共に使用されるための押圧留具である。このような押圧留具は、板部材が枠部材に関して留具を掛けない開位置から、板部材が枠部材に関して留具を掛ける掛け位置、及び、板部材及び枠部材が互いに対して押圧されるように板部材が枠部材に対して引き寄せられる固定位置への動作のために形成される。
【0015】
図面を参照すると、図1から8Cは、本発明の態様による好ましい留具100を図解する。留具100は、図6A、7A、及び、8Aに示されたように、枠部材20に関して板部材10を固定するように形成される。全体として、留具100は、ハウジング110、キャップ120、シャフト130、スプリング140、スリーブ150、カム160、ピン170、及び、パウル180を備える。留具100のさらなる詳細は、以下に記述される。
【0016】
ハウジング110は、留具100の構成要素を収納する。ハウジング110は、板部材10への嵌合のために形成される。好ましい実施形態において、ハウジング110は、板部材10の貫通穴内に適合するような大きさの本体部112を有する。ハウジング110は、さらに、本体部112の外面回りに周方向に延びるフランジ部114を備える。フランジ部114は、ハウジング110の本体部112が貫通穴内に受け入れられるときに、板部材10の内面又は外面に接する大きさである。
【0017】
好適な実施形態において、ハウジング110は、ナット102を使用して板部材10に嵌合する。ナット102は、板部材10がフランジ部114とナット102との間でつかまれるように、本体部112の外面に形成されたねじ部115にねじ込まれるようになっている。ワッシャ104が、留具100と板部材10との適当な固定を形成するために、板部材10とナット102との間に追加されても良い。追加的に、ガスケット(図示せず)が、液体又はほこりのような外部要素から区画内を守るために、板部材10とハウジング110のフランジ部114との間に追加されても良い。留具100を板部材10へ固定するための区画内におけるナット102の使用は、留具100の板部材10からの不正な取り外しを望ましく防止する。
【0018】
択一的に又は追加的に、ハウジング110は、例えば、板部材10の貫通穴内への本体部112の摩擦又はねじ込み取り付け、又は、板部材10の面へのフランジ部114の接着を含む任意の他の手段によって板部材10に嵌合しても良い。例えば、ネジのような固定具は、取り付け形状に分類することができるように、使用されることができる。なお、さらに、ハウジング110の一部又は全部は、板部材10と一体又は単一体として形成されても良い。
【0019】
ハウジング110の本体部112は、長手軸線に沿って延びる。図6C、7C,及び、8Cに示されたように、長手軸線は、概して、板部材10の平面に対して直交方向に延びる。それにもかかわらず、長手軸線は板部材10に関して斜めの角度で延びても良く、長手軸線の方向は限定されることが意図されないことが、本明細書の記述から理解されるであろう。
【0020】
ハウジング110の本体部112は、さらに、長手軸線に沿って延びる穴116の形状を自身に定める。穴116は、以下に記述されるように、留具100の構成要素を収納するような大きさである。
【0021】
ハウジング110は、さらに、図3Aから3Eに示されたように、少なくとも一つの表示部118を備えても良い。表示部118は、留具の鍵状構成要素の回転開始又は終了位置を使用者へ示すために設けられても良い。好ましい実施形態において、表示部118は、キャップ120の対応表示部125と整列されるときに、キャップ120が非回転(締め又は固定)位置にあることを使用者に示す切欠きである。留具は、板部材が枠部材に関して留具を掛けない開位置から、板部材が枠部材に関して留具を掛ける掛け位置、及び、板部材及び枠部材が互いに対して押圧されるように板部材が枠部材に対して引き寄せられる固定位置へ移動可能である。
【0022】
キャップ120は、ハウジング110の穴116内に少なくとも部分的に取り付けられる。キャップ120は、ハウジング110に固定されず、それにより、長手軸線回りにハウジング110に関して回転することができる。図4Aから4Eに示されたように、キャップ120は、ハウジング110内のキャップ120の妨げられない回転を可能とするために、円形状を有しても良い。
【0023】
キャップ120は、ハウジング110に関する軸線方向動作を防止されても良い。好ましい実施形態において、キャップ120は、保持部121を備える。保持部121は、キャップ120の外面を取り囲む割りリングとして形成されても良い。保持部121は、キャップ120の周囲外面に沿って形成された溝123、及び、ハウジング110の周囲内面に沿って形成された対応溝113内に収納される。保持部121は、溝113及び123内に収容されるときに、本体部112によって形状が定められた穴116から出るキャップ120の軸線方向動作を防止する。
【0024】
好適な実施形態において、Oリング106のようなガスケットが、液体又はほこりのような外部要素から本体部112の内部を守るためにハウジング110とキャップ120との間に追加されても良い。キャップ120及びハウジング110の少なくとも一方は、キャップ120とハウジング110との間のガスケットの収納のために環状溝又は面を備えても良い。
【0025】
キャップ120は、図4Aから4Eに示されたように、自身の上面に少なくとも一つの駆動面122を備える。駆動面122は、使用者がキャップ120を例えば鍵部材によって駆動又は回転することを可能とするために、キャップ120がハウジング110内に取り付けられるときに接近可能である。駆動面122は、鍵部材(図示せず)の形状に対応する形状で形成されても良い。この形態において、キャップ120は、駆動面122に嵌合するための対応鍵部材なしには、容易にハウジング110に関して回転させられることができない。
【0026】
キャップ120は、さらに、少なくとも一つの長手方向に延びる凹み124を備える。凹み124は、駆動面122の反対側のキャップ120の下面に形成される。凹み124は、以下に記述されるように、シャフト130の一部とつながるように形成される。
【0027】
一実施形態において、キャップ120は、長手軸線に沿ってキャップ120の上面から延びる駆動スタッド126を具備する。駆動スタッド126は、キャップ120を回転するための駆動面122を形成しても良い。この実施形態において、凹み124は、ハウジング110の半径方向において駆動スタッド126と重なる。言い換えれば、凹み124は、駆動スタッド126内に少なくとも部分的に形状が定められる。
【0028】
択一的に又は追加的に、キャップ120は、長手軸線に沿ってキャップ120の上面内へ延びる駆動開口128を具備する。駆動開口128もまた、キャップ120を回転するための駆動面122を形成しても良い。この実施形態において、凹み124は、ハウジング110の半径方向において駆動開口128と重なる。言い換えれば、凹み124は、駆動開口128から半径方向外側又は半径方向内側のいずれかである位置へ長手方向に延びる。
【0029】
キャップ120の凹み124と駆動面122との間の重なりは、留具100の突出長を低くするのに有利である。以下に明らかにされるように、凹み124は、留具100を開く間においてシャフト130の軸線方向動作の方向を定めるために設けられる。凹み124と駆動面122との間の半径方向の重なり(駆動スタッド126及び駆動開口128の少なくとも一方によって定められる)を形成することによって、キャップ120の全高H(図4Cに示される)及びシャフト130の長さの少なくとも一方は、減少させられる可能性があり、留具100の全突出長P(図6Cに示される)は低くされる可能性がある。好ましくは、留具100は、板部材の外面(ハウジング110の本体部112の外面回りに周方向に延びるフランジ部114の底縁に一致する)からネジ182の基部へ測定される約30mm以下の全突出長Pを有する。伝統的な留具は、約40mmの突出長Pを有している可能性がある。この突出長Pは、例えば、本発明の好ましい実施形態により約30mmに低減されることができる。
【0030】
図面に図解された実施形態は、留具の本体上へのパウルの取付位置がネジ182及びハウジング110により長手方向位置に固定される固定把持式である。言い換えれば、パウルの位置は、この実施形態において使用者によって容易に調節されることができない。調節可能な把持特徴を有するもう一つの実施形態において、留具の本体上へのパウルの取付位置は、例えば、使用者の選択位置にパウルの位置を拘束するためのナットを使用して調節されることができる。調節可能な把持特徴を有する伝統的な留具は、例えば約64mmのより長い突出長Pを有する可能性がある。この突出長Pは、例えば、本発明の好ましい実施形態により約54mmへ低減されることができる。言い換えれば、突出長Pは、伝統的な留具形状と比較して、様々な留具形状にとって約10mm又はそれ以上までだけ低減されることができる。
【0031】
図6A、7A、及び、8Aに示されたように、板部材20及びガスケット(図示せず)が、板部材20と、ハウジング110の本体部112の外面回りに周方向に延びるフランジ部114の底縁との間に位置させられる。板部材20及びガスケットは、図6C、7C、及び、8Cに示されておらず、その代わりに、隙間は、別のやり方で、板部材20及びガスケットによって占領されるであろう空間を示す。
【0032】
キャップ120は、さらに、少なくとも一つの表示部125を備えても良い。表示部125は、ハウジング110に関するキャップ120の回転位置を使用者へ表示するために設けられても良い。好ましい実施形態において、表示部125は、キャップ120が非回転(締り)位置にあるときを使用者へ表示するために、ハウジング110上の対応表示部118と整列するように位置させられる切欠きである。
【0033】
シャフト130は、ハウジング110の穴116内に少なくとも部分的に取り付けられる。シャフト130は、ハウジング110の長手軸線に沿って延びる。シャフト130は、ハウジング110及びキャップ120に関して長手軸線回りに回転可能であるように取り付けられる。図5Aから5Eに示されたように、シャフト130は、ハウジング110内でのシャフト130の妨げられない回転を可能とするために円形状を有しても良い。
【0034】
シャフト130は、ハウジング110及びキャップ120に関して軸線方向に可動であるように取り付けられる。好ましい実施形態において、シャフト130は、案内部132を備える。案内部132は、キャップ120へ向かって軸線方向にシャフト130から上方向に延びる。案内部132は、キャップ120の凹み124内に受け入れられる大きさである。凹み124内への案内部132の滑り嵌合は、キャップ120に関するシャフト130の軸線方向動作を定める。
【0035】
シャフト130は、さらに、貫通穴134を備える。貫通穴は、シャフト130の本体を半径方向に通って延びる。貫通穴は、さらに詳細に以下に記述されるように、シャフト130を通過するピン170を収納するように形成される。
【0036】
シャフト130は、さらに、自身の下側端部にねじ凹み136を備える。ねじ凹み136は、さらに詳細に以下に記述されるように、パウル180を固定するためのネジ182を収納するような大きさである。
【0037】
スプリング140は、長手軸線に沿ってキャップ120から離すようシャフト130を偏倚させるように形成される。好ましい実施形態において、スプリング140は、シャフト130の案内部132を取り囲むように位置させられる圧縮スプリングである。スプリングは、圧縮スプリング、波板スプリング、皿ばね、エラストマ材スプリング、及び、円錐スプリングのような要素の一つ又は多数を備えることができる。スプリング140は、シャフト130上の対向面138へキャップ120の面127から延び、各面127及び138に接する端部を有する。好ましい実施形態において、キャップ120の面127は、キャップ120の全高Hを低減又はさらに低減するために、凹み124内に形状が定められる。
【0038】
スリーブ150が、ハウジング110とシャフト130との間に挿入されて穴116内に位置させられる。スリーブ150は、こうして、シャフト130が位置させられる穴の形状を定める。
【0039】
スリーブ150は、ハウジング110に関するスリーブ150の回転を防止するようにハウジング110内に取り付けられる。好ましい実施形態において、スリーブ150は、ハウジング110の鍵形体119と噛み合うように位置させられる一つ以上の鍵形体152を備える。鍵形体152及び119は、本明細書の記述から当業者の一人にはわかる爪部、突起、凹み、又は、任意の他の回転止め構造であっても良い。択一的に、スリーブ150の全て又は一部は、ハウジング110と一体に又は単一体として形成されても良い。
【0040】
スリーブ150は、一対の細長穴154の形状を定める。細長穴154は、自身にピン170を受け入れて、各細長穴154に沿うピン170の軸線方向及び周方向の少なくも一方の動作を可能にするような大きさである。好ましい実施形態において、スリーブ150及びカム160の拡大分解図を示す図2Aを参照すると、各細長穴154は、ハウジング110の長手方向又は軸線方向に延びる第一部分154Aと、ハウジング110の周方向に延びる第二部分154Bとを備えるL形状を有する。各細長穴154の第一部分154A及び第二部分154Bは、より詳細に以下に記述されるように、留具100の開又は閉動作中にハウジング110内のシャフト130の動作を案内する。
【0041】
カム160は、スリーブ150とシャフト130との間に挿入されてスリーブ150の穴内に位置させられる。カム160は、長手軸線回りにスリーブ150に関して回転可能であるようにスリーブ150内に取り付けられる。特に、カム160は、キャップ120と共に回転可能であるように取り付けられる。好ましい実施形態において、カム160は、キャップ120の下面の鍵形体129と噛み合うように位置させられた一つ以上の鍵形体162を備える。鍵形体162及び129は、本明細書の記述から当業者の一人にはわかる爪部、突起、凹み、又は、任意の他の回転止め構造であっても良い。
【0042】
カム160は、一対の細長穴164の形状を定める。細長穴164は、自身にピン170を受け入れて、各細長穴164に沿うピン170の軸線方向及び周方向の少なくも一方の動作を可能にするような大きさである。好ましい実施形態において、各細長穴164は、キャップ120近傍の第一位置と、キャップ120から離れるように第一位置から軸線方向に間隔を置かれる第二位置との間をカム160の周囲外面回りを螺旋状に曲げられる。細長穴154と共に、細長穴164は、より詳細に以下に記述されるように、留具100の開又は閉動作中にハウジング110内のシャフト130の動作を案内する。
【0043】
カム160はスリーブ150内に位置させられるように記述される一方で、本発明はそのように限定されないことが理解されるであろう。カム160は、択一的に、本発明の範囲から逸脱することなく、スリーブ150がカム160とシャフト130との間に挿入されるように、スリーブ150の外側に位置させられることができる。
【0044】
追加的に、カム160はキャップ120とは別の構成要素であるように記述される一方で、本発明はそのように限定されないことが理解されるであろう。択一的に、カム160の全て又は一部は、キャップ120と一体に又は単一体として形成されることができる。このような構造は、留具100の全突出長Pをさらに最小化するために望まれる可能性がある。
【0045】
ピン170は、ハウジング110の長手又は軸線方向に関してシャフト130から半径方向外側へ延びる。ピン170は、シャフト130に形成された穴内に拘束され、細長穴154及び164により受け入れられる。その結果として、シャフト130は、ピン170の細長穴154及び164との嵌合によって定められる通路内において回転方向又は軸線方向に移動を制限される。
【0046】
好ましい実施形態において、ピン170は、シャフト130の貫通穴134を通り直径方向に延びる筒状柱部材である。この柱部材は、シャフト130の両側で直径方向に相対するピン170を形成するのに充分な長さを有する。この実施形態において、スリーブ150及びカム160は、それぞれ、自身の両側に一対の直径方向に相対する細長穴154及び164を備えても良い。したがって、留具100の動作が単一の細長穴154,164及びピン170に関して本明細書に記述される一方で、一つ、二つ、又は、それより多い各細長穴及びピンが本発明の範囲から逸脱することなく使用されても良いことは、当業者の一人には理解されるであろう。
【0047】
パウル180は、シャフト130に連結される。好ましい実施形態において、パウル180は、ねじ凹み136に嵌合するネジ182を介してシャフト130の下側端部へしっかりと連結される。ワッシャ184が、パウル180のシャフト130への適当な締め付けを形成するために、ネジ182とパウル180との間に追加されても良い。
【0048】
パウル180は、閉位置と開位置との間を移動可能である。パウル180は、シャフト130の回転及び軸線方向動作によって、閉位置と開位置との間を動かされる。図6Aに示された閉位置において、パウル180は、枠部材20に掛かり、枠部材20に関して板部材10を固定する。図8Aに示された開位置において、パウル180は、枠部材20から離され、枠部材20に関する板部材10の相対動作を可能とする。
【0049】
留具100の好ましい動作が、図6Aから8Cに関して以下に記述される。以下の記述から明らかであるように、細長穴154及び164は、パウル180が枠部材20に掛かる又は枠部材から外れるように、キャップ120がハウジング110内で回転させられるときのシャフト130の回転及び軸線方向動作を案内するように形成される。
【0050】
図6Aから6Cは、閉位置の留具100を示す。図6Aに示されたように、パウル180は、閉位置において枠部材20に掛かるように回転させられる。図6Bに示されたように、表示部118及び125は整列され、使用者に、キャップ120が非回転(締り)位置にあることを表示する。図6Cに示されたように、案内部132がキャップ120の凹み124内に完全に受け入れられ、スプリング140が完全に圧縮されると共に、シャフト130は軸線方向最上位置にある。
【0051】
この段階において、留具100を開くために、使用者は、キャップ120の駆動面122に鍵を嵌合して、回転し始める。キャップ120の回転は、例えば鍵形体162及び129のために、カム160の対応回転を引き起こす。カム160が回転すると、カム160の螺旋状細長穴164は、軸線方向及び周方向にピン170へ力を加える。L形状細長穴154の第一部分は、軸線方向においてピン170の動作を許容し、周方向においてピン170の動作を防止する。その結果として、閉位置からのキャップ120及びカム160の回転は、ピン170及びそれに対応してシャフト130が、キャップ120から離れるように軸線方向にだけ移動することを引き起こす(スプリング140からの偏倚力の下で)。シャフト130のこの軸線方向動作は、パウル180を軸線方向下側へ及び枠部材20から離れるように動かす。ピン170の軸線方向動作は、ピン170がL形状細長穴154の第二部分に達するまで進行する。
【0052】
図7Aから7Cは、ピン170がL形状細長穴154の第二部分に達した後の開位置と閉位置との間の位置の留具100を示す。カム160が回転を続けると、カム160の螺旋状細長穴164は、軸線方向及び周方向においてピン170へ力を加え続ける。L形状細長穴154の第二部分は、さらに、軸線方向におけるピン170の動作を防止するが、周方向におけるピン170の動作を許容する。その結果として、キャップ120及びカム160の連続回転は、ピン170及びそれに対応してシャフト130が、回転又は周方向においてだけ動くことを引き起こす。シャフト130のこの回転動作は、パウル180を枠部材20から離れるよう回転方向に動かす。図7A及び7Bに示されたように、パウル180は、枠部材20から離れるよう開位置へ向けて回転し始めている。図7Bに示されたように、表示部118及び125は、キャップ120が閉位置から反時計回りに回転させられているので、もはや整列しない。図7Cに示されたように、スプリング140が完全に伸びていると共に、シャフト130は、軸線方向最下位置にある。シャフト130は回転し始めており、図7Cに示されたピン170の断面は僅かに楕円形状である。
【0053】
図7Aから7C(及び本明細書の他の部分)の好ましい実施形態は、キャップの反時計回りの回転を描く一方で、本明細書に記述された動作が択一的にキャップの時計回りの回転で実施されても良いことは、理解されるであろう。
【0054】
図8Aから8Cは、ピン170がL形状細長穴154の第二部分の端部に達する後の開位置の留具100を示す。キャップ120及びカム160の回転は、ピン170が細長穴154の端部に達して、シャフト130のピン170のさらなる回転動作が不可能となるまで続けられても良い。図8A及び8Bに示されたように、パウル180は、完全に回転させられており、枠部材20に掛かることができない。図8Bに示されたように、キャップ120の完全な回転は、表示部118及び125の間の相違によって示されるように、閉位置から約180°を構成する。しかしながら、完全開放と閉位置との間の回転間隔が任意の所望の間隔であって良いことは、理解されるであろう。図8Cに示されたように、シャフト130は、完全に回転させられ、図8Cに示されたピン170の断面は楕円形状である(断面が筒状ピンの側壁を通過するときに)。
【0055】
代替キャップ220が、図9Aから9Cに図解される。キャップ220は、以下に明らかにされる以外は、キャップ120に関して上で明らかにされた構造又は特徴の全てを含んでも良い。
【0056】
キャップ220もまた、キャップ220の下面に形成された少なくとも一つの長手方向に延びる凹み124を備える。凹み124は、スプリング140を支持する面127を自身に備える。キャップ120の面127は、キャップ120の全高Hを低減又はさらに低減するために、凹み124内に形状が定められる。
【0057】
面127は、図9Bに示されたように、自身の内側縁部に環状突起227を備える。突起227は、凹み124の開口へ向けて延びる。突起227は、面127に対するスプリング140の適当な収容を助成する可能性がある。追加的に、突起227は、案内部132が凹み124内で側面方向にずれること、及び、案内部132がスプリング140に接触すること、及び、案内部132がスプリング140に干渉すること、の少なくとも一つを防止する可能性がある。
【0058】
キャップ220もまた、図9Cに示されたように、キャップ220の下面に鍵形体229を備える。鍵形体229は、カム160上の鍵形体162に噛み合う。鍵形体129とは異なり、鍵形体229は、キャップ220の周囲までは延びない。鍵形体229は、カム160がキャップ220より狭く、噛み合う鍵形体162がキャップ220の周囲から半径方向内側に設置されるために、キャップ220の周囲前で終端しても良い。
【0059】
代替シャフト230が図10Aから10Cに図解される。シャフト230は、以下に明らかにされる以外は、シャフト130に関して上に明らかにされた構造又は特徴の全てを含んでも良い。
【0060】
シャフト230は、図10Bに示されたように、シャフト130から上方向に延びる案内部132を備える。案内部132は、キャップ220へ向かって軸線方向に延びる。案内部132は、キャップ220の凹み124内に受け入られる大きさである。凹み124内及び突起227の内側への案内部132の滑り嵌合は、キャップ220に関するシャフト230の軸線方向動作の方向を定める。
【0061】
シャフト230は、スプリング140が案内部132を取り囲むときに、スプリング140を支持する面138を備える。案内部132は、さらに、図10Cに示されたように、面138に隣接する広がり部238を備える。広がり部238は、面138に対してスプリング140の適当な収容を助成する可能性がある。追加的に、広がり部238は、スプリング140が案内部132に隣接して側面方向にずれることを防止する可能性がある。
【0062】
代替開動作の段階が図11Aから12Bに図解されている。図11A及び11Bは、閉位置の留具を示す。図11Aに示されたように、表示部118及び125は整列され、使用者にキャップ220が非回転(締り)位置にあることを表示する。図11Bに示されたように、案内部132は突起227の内側においてキャップ220の凹み124内に完全に受け入られ、スプリング140は完全に圧縮されると共に、シャフト230は軸線方向最上位置にある。
【0063】
図12A及び12Bは、開位置と閉位置との間の位置の留具を示す。キャップ220の連続回転は、ピン170及びそれに対応してシャフト230が回転方向又は周方向にだけ移動することを引き起こす。シャフト230のこの回転動作はパウル180を動かす。図12Aに示されたように、表示部118及び125は、キャップ220が閉位置から反時計回りに回転させられているので、もはや整列されない。図12Bに示されたように、スプリング140が完全に伸ばされると共に、シャフト230は軸線方向最下位置にある。突起227は、案内部132の先端より下側に突出し、それにより、案内部132が凹み124内で側面方向にずれることを防止する。同様に、広がり部238は、スプリング140が案内部132に隣接して側面方向にずれることを防止する。
【0064】
もう一つの代替キャップ320が、図13Aから13Eに図解される。キャップ320は、以下に明らかにされる以外は、キャップ120及びキャップ220の少なくとも一方に関して上に明らかにされた構造又は特徴の全てを含んでも良い。
【0065】
キャップ320は、図13Aから13Eに示されたように、自身の上面に少なくとも一つの駆動面322を備える。駆動面322は、使用者が、例えば六角形の鍵によってキャップ320を駆動又は回転することを可能とするために設けられる。この実施形態において、キャップ320は、長手軸線に沿ってキャップ320の上面内へ延びる駆動開口328を具備する。駆動開口328は、キャップ320を回転するための駆動面322を形成する。
【0066】
キャップ320もまた、キャップ320の下面に形成された少なくとも一つの長手方向に延びる凹み124を備える。この実施形態において、ハウジングの半径方向において凹み124と駆動開口328との間の重なりは存在しない。言い換えれば、凹み124は、駆動開口328から半径方向外側又は半径方向内側のいずれかの位置へ長手方向に延びる。
【0067】
もう一つの代替シャフト330が図14Aから14Eに図解される。シャフト330は、以下に明らかにされる以外は、シャフト130及びシャフト230の少なくとも一方に関して上に明らかにされた構造又は特徴の全てを含んでも良い。
【0068】
シャフト330は、図14A、14C、及び、14Eに示されたように、シャフト130から上方向に延びる案内部を備えていない。その位置において、シャフト230は、スプリング140が所定位置にあるときにスプリング140を支持する円板形状面338を備える。
【0069】
もう一つの代替開動作の段階が図15から16に図解される。図15及び15は、閉位置の留具を示す。図15に示されたように、表示部118及び125は整列され、使用者にキャップ320が非回転(締り)位置にあることを表示する。図15Bに示されたように、スプリング140は凹み124の上面とシャフト330の面338との間で完全に圧縮されると共に、シャフト330は軸線方向最上位置にある。
【0070】
図16A及び16Bは、開位置と閉位置との間の位置の留具を示す。キャップ320は、例えば、駆動開口328内への六角形の鍵の挿入によって回転させられる。キャップ320の回転は、ピン170及びそれに対応してシャフト330が回転方向又は周方向にだけ移動することを引き起こす。シャフト330のこの回転動作はパウル180を動かす。図16Aに示されたように、表示部118及び125は、キャップ320が閉位置から反時計回りに回転させられているので、もはや整列されない。図16Bに示されたように、スプリング140が凹み124の上面とシャフト330の面338との間で完全に伸ばされると共に、シャフト330は軸線方向最下位置にある。
【0071】
以前に注記したように、本明細書に記述された好ましい留具は、囲い空間内において留具により占領される領域を低減するように、囲い空間のための伝統的な留具に比較して低い突出長を有することができる。例えば、好ましい押圧留具が貯蔵区画に関して使用されるときに、これら留具は、このような区画内への留具の突出程度の低減を提供することができ、こうして、利用可能な貯蔵空間への留具の影響を低減又は排除する。
【0072】
本発明の好適な態様により、留具の突出程度のこの低減は、他の性能的利点に妥協することなく達成される。例えば、本発明は、同時に、(1)伝統的な押圧留具に比較して留具のパウルの同じ引き上げ量又はストローク、(2)伝統的な押圧留具に比較して同じ感触の及び滑らかな動作、及び、(3)伝統的な押圧留具に比較して同じ押圧力の少なくとも一つ又は全てを維持する一方で、伝統的な押圧留具に比較して留具の突出程度を低減することを可能とする。
【0073】
本発明の好適な実施形態が本明細書に図示及び記述されている一方で、このような実施形態が例としてだけ提供されることは理解されるであろう。多数の変形、変更、及び、置換は、本発明の精神から逸脱することなく当業者に見出されるであろう。したがって、添付された請求の範囲は、本発明の精神及び範囲内に属するような全てのこのような変形を網羅することが意図される。
図1
図2
図2A
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図15A
図15B
図16A
図16B