(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記端末装置からの指示に基づき、前記通信部を介して、前記付与したポイントに応じた、前記鍛圧機械に関連するコンテンツを前記端末装置に提供する、請求項1に記載のサーバ装置。
前記制御部は、前記通信部を介して、前記交換された部品が前記鍛圧機械のメーカの部品であることを示す情報を受信したことを条件に、前記ユーザに対して前記ポイントを付与する処理を行なう、請求項1から4のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本実施の形態に係る通信システムについて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0045】
また、以下では、鍛圧機械の一種であるプレス機械を備える通信システムを説明する。詳しくは、鍛圧機械によって生産される製品として、プレス製品を例に挙げて説明する。なお、通信システムは、このような構成に限定されるものではなく、鍛造機械、プレスブレーキ、パンチプレス等の鍛圧機械を備える構成であればよい。
【0046】
<A.システム構成>
図1は、本実施の形態に係る通信システム1のシステム構成を説明するための図である。
図1に示すように、通信システム1は、ユーザ端末100と、プレス機械200と、サーバ装置300と、メーカ端末400とを備えている。
【0047】
なお、
図1においては、説明の便宜上、1台のユーザ端末100と、1台のプレス機械200と、1台のメーカ端末400とを記載しているが、各々の台数は1台に限定されるものではない。ユーザ端末は、典型的には、ユーザの数に応じた台数となる。また、一人のユーザが複数台のプレス機械200を所有する場合もある。
【0048】
(a1.ユーザサイド)
ユーザ端末100とプレス機械200とは、インターネット等のネットワーク900を介して、サーバ装置300に通信可能に接続される。
【0049】
ユーザ端末100は、プレス機械200のユーザによって使用される。ユーザ端末100は、典型的には、デスクトップ型のPC(Personal Computer)、ラップトップ型のPC、タブレット端末、または、スマートフォンである。ユーザ端末100は、通信機能を有する情報処理装置であれば、これらの機器に限定されるものではない。ユーザ端末100による通信は、無線通信であってもよいし、あるいは有線による通信であってもよい。ユーザ端末100の設置場所は、サーバ装置300と通信可能な場所であれば、特に限定されるものではない。
【0050】
プレス機械200は、金型に応じたプレス製品を生産する。プレス機械200は、少なくとも、本体フレーム201と、スライド202と、ベッド203と、ボルスタ204と、コントローラパネル205と、制御装置206とを備える。プレス機械200は、ユーザの工場内に施設される。また、プレス機械200は、稼働時間の情報および稼働回数の情報等に関する各種の情報を、サーバ装置300に送信する。
【0051】
なお、本実施の形態では、プレス機械200が順送り型のプレス機械で場合を例に挙げて説明する。ただし、プレス機械200は、順送り型のプレス機械に限定されるものではなく、トランスファー型のプレス機械等の他のプレス機械であってもよい。
【0052】
プレス機械200は、プレス製品の生産性を一定の基準以上に保つために、メンテナンスを受ける必要がある。このようなメンテナンスにおいては、通常、プレス機械200を構成する複数の部品のうちの少なくとも1つ以上の部品(たとえば、パッキン、潤滑油)の取り換えが行われる。生産性は、たとえば、品質面と、単位時間当たりの生産数量とで定義される。この場合、「生産性を一定の基準以上に保つ」とは、一定の基準以上の品質の製品を、単位時間あたりに一定の数量以上生産することに相当する。
【0053】
(a2.メーカサイド)
サーバ装置300は、プレス機械200に対するメンテナンスの情報を蓄積する。サーバ装置300は、メーカ所有の装置であってもよいし、第三者によって管理されているデータセンタに設置された装置であってもよい。なお、サーバ装置300は、国内に設置されていてもよいし、国外に設置されていてもよい。
【0054】
メーカ端末400は、専用のネットワークあるいはインターネット等の汎用のネットワークを介して、サーバ装置300と通信可能に接続される。メーカ端末400は、ユーザ端末100と同様、典型的には、デスクトップ型のPC、ラップトップ型のPC、タブレット端末、スマートフォン等の通信機能を有する端末である。
【0055】
メーカ端末400は、典型的には、プレス機械200のメンテナンスを行なうサービスマンによって利用される。また、メーカ端末400は、ある局面においては、サーバ装置300に対する所定のアクセス権限を有する者(たとえば、プレス機械200のメーカのシステム担当者)によって利用される。
【0056】
<B.データ>
図2は、サーバ装置300に記憶されている部品別ポイントデータ321の概略構成を表した図である。
図2に示すとおり、部品別ポイントデータ321は、交換重要度と、交換対象部品と、付与ポイントとが対応付けて記憶されている。
【0057】
交換重要度は、一例として、3つのレベルに区分される。
図2においては、レベルA、レベルB、レベルCの順に、プレス機械200を構成する部品を交換する重要性が低く設定されている。
【0058】
交換重要度が最も高いレベルA(高レベル)には、交換対象部品として、たとえば、サーボモータ、タイミングベルト、エンコーダ、制御装置、ボールスクリュー、ベアリングが対応付けられている。正確には、レベルAには、上記複数の交換対象部品の各々の識別情報(以下、「部品ID」とも称する)が対応付けられている。
【0059】
交換重要度がレベルAの次に高いレベルB(中レベル)には、交換対象部品として、たとえば、コントロールパネル内接点リレー、コントロールパネル内ヒューズ、サーボアンプ用バッテリ、制御装置用バッテリ、バルブが対応付けられている。正確には、レベルBには、上記複数の交換対象部品の各々の部品IDが対応付けられている。
【0060】
交換重要度が最も低いレベルC(低レベル)には、交換対象部品として、たとえば、潤滑油、パッキン、オイルエレメント、エアフィルタ、O−リング、ホース、グリルが対応付けられている。正確には、レベルCには、上記複数の交換対象部品の各々の部品IDが対応付けられている。
【0061】
次に、付与ポイントについて説明する。各レベルA〜Cには、指定期間内に部品を交換した場合に付与されるポイントと、指定期間後に部品を交換した場合に付与されるポイントとが対応付けて記憶されている。
【0062】
指定期間は、部品の交換時期を表しており、部品毎に設定されている。指定期間は、典型的には、日付で規定される。指定期間は、部品交換が行われる度に更新される。
【0063】
指定期間内のポイントに着目すると、レベルAには、レベルB,Cよりも高いポイントが対応付けられている。また、レベルBには、レベルCよりも高いポイントが対応付けられている。たとえば、レベルA,B,Cには、それぞれ、7000ポイント、2000ポイント、1000ポイントが対応付けられている。
【0064】
指定期間後のポイントに着目すると、指定期間内の場合と同様に、レベルAには、レベルB,Cよりも高いポイントが対応付けられている。また、レベルBには、レベルCよりも高いポイントが対応付けられている。さらに、指定期間後のポイントは、指定期間内のポイントよりも低い値に設定されている。たとえば、レベルA,B,Cには、それぞれ、3500ポイント、1000ポイント、500ポイントが対応付けられている。
【0065】
部品別ポイントデータ321における各付与ポイントは、プレス機械200のメーカによって予め設定される。各付与ポイントは、メーカのシステム担当者等による設定操作によって変更可能である。また、指定期間内のポイントおよび指定期間後のポイントのいずれか一方が上記設定操作により設定されると、他方が自動的に算出されるように、サーバ装置300を構成してもよい。たとえば、指定期間内のポイントが設定されると、当該ポイントの半分の値を指定期間後のポイントに設定するように、サーバ装置300を構成してもよい。
【0066】
このように、部品別ポイントデータ321には、プレス機械に対するメンテナンスにおいて交換され得る予め定められた複数の部品の各々について、プレス機械200のユーザに付与するポイントが記憶されている。詳しくは、部品別ポイントデータ321には、複数の部品の各々について、指定期間内のポイントと、指定期間後のポイントとが記憶されている。また、部品別ポイントデータ321においては、指定期間内と指定期間後とにおいて、交換重要度のレベルが高い部品ほど、大きなポイントが対応付けられている。
【0067】
以下、交換重要度のレベル分けに用いる生産性指標について説明する。
図3は、プレス機械200によるプレス製品の生産に関する生産性指標を説明するための図である。
図3に示すとおり、生産性指標は、大区分として2つの指標P,Qに分類される。1つ目の指標Pは、部品を交換しなければプレス機械200が停止してしまうことである。第2の目の指標Qは、部品を交換しなくてもプレス機械200が停止しないことである。
【0068】
指標Pは、停止したプレス機械200の復旧に要する時間に応じて、さらに複数の小区分に分類される。指標Pに含まれる指標P1は、プレス機械200の復旧にかなり時間かかるものである。指標Pに含まれる指標P2は、プレス機械200の復旧にあまり時間がかからないものである。典型的には、過去の作業実績等を考慮し、指標Pに該当する各部品がいずれの小区分に属するのかが決定される。
【0069】
本実施の形態では、指標P1に該当する部品の交換重要度を、部品別ポイントデータ321(
図2参照)におけるレベルAに設定している。また、指標P2に該当する部品の交換重要度を、レベルBに設定している。さらに、指標Qに該当する部品の交換重要度を、レベルCに設定している。詳しくは、メーカのシステム担当者等は、このような生産性指標を考慮して、部品別ポイントデータ321を構築する。
【0070】
このように、部品別ポイントデータ321には、プレス機械200に対するメンテナンスにおいて交換され得る予め定められた複数の部品の各々について、プレス製品の生産に関する生産性指標に基づいたポイントが記憶されている。
【0071】
<C.サーバ装置300の処理の概要>
サーバ装置300は、上述したように、部品別ポイントデータ321を記憶している。サーバ装置300は、部品別ポイントデータ321を用いて、以下の処理を行なう。
【0072】
(1)サーバ装置300は、ユーザ端末100またはメーカ端末400から部品の交換がなされたことを表す通知を受信すると、当該交換された部品についての生産性指標に基づいたポイントをプレス機械200のユーザに対して付与する処理を行なう。
【0073】
このような構成によれば、プレス機械200のユーザは、プレス機械200の部品を交換すれば、当該交換された部品についての生産性指標に基づいたポイントを獲得することができる。たとえば、ユーザは、指標P1の部品(たとえば、サーボモータ)を交換すると、指標P1に応じたポイントを獲得することができる。この場合、ユーザは、一例として7000ポイントを獲得できる。また、ユーザは、指標P2の部品(たとえば、コントロールパネル内の接点リレー)を交換すると、指標P2に応じたポイントを獲得することができる。この場合、ユーザは、一例として2000ポイントを獲得できる。したがって、サーバ装置300は、ユーザに対して、生産性指標に応じた部品交換の契機付けを与えることができる。
【0074】
(2)サーバ装置300は、指定期間内(交換時期迄)に部品が交換された場合には、指定期間を過ぎて部品が交換された場合よりも高いポイントを付与する処理を行なう。
【0075】
このような構成によれば、ユーザは、指定期間内に部品を交換した方が指定期間後に部品を交換した場合よりも、多くのポイントを獲得することができる。したがって、サーバ装置300は、ユーザに対して、指定期間内に部品の交換を行わせる契機付けを与えることができる。
【0076】
(3)サーバ装置300は、上述したように、生産性指標として、指標Pと、指標Qとを記憶している。指標Pに対応付けられたポイントは、指標Qに対応付けられたポイントよりも高い。なお、指標Pは、上述したように、部品を交換しなければプレス機械200が停止することである。指標Qは、部品を交換しなくてもプレス機械200が停止しないことである。
【0077】
このような構成によれば、サーバ装置300は、交換しなければプレス機械が停止する部品を交換した場合には、交換しなくてもプレス機械が停止しない部品を交換した場合よりも、多くのポイントをユーザに付与する。したがって、サーバ装置300によれば、指標Pに対応付けられたポイントと指標Qに対応付けられたポイントとが同じ場合に比べて、交換しなければプレス機械が停止する部品(指標Pに該当する部品)を交換しようとする強い契機付けを、ユーザに与えることができる。したがって、サーバ装置300は、指標Pに対応付けられたポイントと指標Qに対応付けられたポイントとが同じ場合に比べて、プレス製品の生産性を高めることが可能となる。
【0078】
(4)サーバ装置300は、上述したように、復旧に要する時間が長い指標P1に、復旧に要する時間が短い指標P2よりも高いポイントが対応付けて記憶している。
【0079】
このような構成によれば、サーバ装置300は、指標P1に対応付けられた部品を交換した場合には、指標P2に対応付けられた部品を交換した場合よりも、多くのポイントを付与する。それゆえ、サーバ装置300は、ユーザに対して、指標P2に対応付けられた部品よりも指標P1に対応付けられた部品を積極的に交換しようとする契機付けを与えることができる。したがって、サーバ装置300によれば、指標P1に対応付けられたポイントと指標P2に対応付けられたポイントとが同じ場合に比べて、プレス製品の生産性を高めることが可能となる。
【0080】
なお、サーバ装置300の他の処理の詳細については、後述する。
【0081】
<D.機能的構成>
図4は、通信システム1を構成する各機器の機能的構成を説明するためのブロック図である。
図4に示すとおり、ユーザ端末100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、操作部140と、表示部150とを有する。サーバ装置300は、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、操作部340と、表示部350とを有する。メーカ端末400は、制御部410と、記憶部420と、通信部430と、操作部440と、表示部450とを有する。
【0082】
なお、各制御部110,310,410は、各装置のプロセッサ(
図15参照)あるいはプロセスモジュールが、メモリに格納されたプログラムを実行することに基づき実現される機能ブロックである。また、各記憶部120,320,420は、メモリあるいはメモリモジュールに対応する。通信部130,330,430は、通信インターフェイスに対応する。操作部140,340,440は、ハードウェアキーおよびソフトウェアキーに対応する。表示部150,350,450は、モニタに対応する。
【0083】
(d1.ユーザ端末100)
ユーザ端末100には、Webブラウザがインストールされている。ユーザ端末100は、サーバ装置300との間でWebブラウザを用いた通信を行なうことができる。たとえば、ユーザ端末100は、Webブラウザによって、サーバ装置300で生成されたコンテンツを表示することができる(
図13参照)。これにより、ユーザ端末100のユーザは、コンテンツを閲覧できる。
【0084】
また、ユーザ端末100には、サーバ装置300との通信を目的として作成されたアプリケーションソフトウェア(以下、「専用のアプリケーションソフトウェア」と称する)がインストールされている。専用のアプリケーションソフトウェアは、典型的には、プレス機械200のメーカによって提供される。ユーザ端末100は、当該専用のアプリケーションソフトウェアを用いて、サーバ装置300に格納されているコンテンツのダウンロードおよびダウンロードされたコンテンツの表示等を実行できる(
図12参照)。これにより、ユーザ端末100のユーザは、コンテンツの取得および閲覧ができる。
【0085】
ユーザ端末100は、コンテンツを表示させる処理を行なう場合、Webブラウザを使ってもよいし、専用のアプリケーションソフトを使ってもよい。いずれかを用いるかは、ユーザ端末100のユーザ操作に基づき決定される。このように、コンテンツは、ダウンロードまたはWebページによって、ユーザ端末100のユーザに提供される。
【0086】
なお、上記においては、ユーザ端末100がWebブラウザと専用のアプリケーションソフトウェアとの両方を備える構成を例に挙げたが、これに限定されず、ユーザ端末100は、Webブラウザおよび専用のアプリケーションソフトウェアの少なくとも一方を備えていれば、コンテンツを表示することができる。
【0087】
以下、ユーザ端末100を構成する各機能ブロックにおいて実行される処理について説明する。
【0088】
制御部110は、ユーザ端末100の全体の動作を制御する。制御部110は、記憶部120と、通信部130と、操作部140と、表示部150とに接続されている。記憶部120は、ユーザ端末100のオペレーティングシステム、Webブラウザおよび上述した専用のアプリケーションソフトウェアを含む各種のアプリケーションプログラム、および各種のデータを記憶している。
【0089】
通信部130は、ネットワーク900を介してサーバ装置300と通信するためのインターフェイスである。操作部140は、プレス機械200のユーザによる入力操作を受け付ける。
【0090】
操作部140は、ある局面において、部品の交換がなされたことをサーバ装置300に通知するための入力を受け付ける。詳しくは、操作部140は、交換された部品がプレス機械200のメーカの部品であることを示す情報の入力を受け付ける。典型的には、操作部140は、プレス機械200のメーカによって指定された情報の入力を受け付ける。たとえば、操作部140は、上記指定された情報として、プレス機械200のメーカによって付与された工事番号の入力を受け付ける。このような情報の入力は、上述した専用のアプリケーションソフトウェアまたはWebブラウザによって実現される。
【0091】
制御部110は、操作部140を介して受け付けた情報(たとえば、工事番号)を、通信部130を介してサーバ装置300に送信する。また、制御部110は、サーバ装置300によって提供されるWebページを表示部150に表示させるために、通信部130を介して、サーバ装置300から画面データを取得する。
【0092】
制御部110は、専用のアプリケーションソフトウェアを用いる場合、ある局面において、通信部130を介して、サーバ装置300に格納されたコンテンツをサーバ装置300から取得する。コンテンツの取得に関して説明すれば以下のとおりである。
【0093】
プレス機械200のユーザは、獲得したポイントを利用することでコンテンツを取得できる。詳しくは、プレス機械200のユーザは、ユーザ端末100を用いてポイントを使用する操作を行なうことにより、ユーザ端末100は、サーバ装置300からコンテンツを取得(具体的には、ダウンロード)することができる。より詳しくは、コンテンツ毎に取得に必要なポイントが定められている。それゆえ、プレス機械200のユーザは、使用するポイントに応じたコンテンツをサーバ装置300から取得できる。
【0094】
また、制御部110は、Webブラウザを用いる場合、ある局面において、通信部130を介して、サーバ装置300で生成されたHTMLファイルをサーバ装置300から受信する。当該HTMLファイルは、コンテンツをWebページで表示させるファイルである。プレス機械200のユーザは、Webブラウザを用いる場合、使用するポイントに応じたコンテンツを含むWebページを閲覧可能となる。
【0095】
表示部150は、制御部110の指示に基づき、各種の画面を表示する。たとえば、表示部150は、ダウンロードされたコンテンツ、あるいはコンテンツを含むWebページを表示する。
【0096】
また、プレス機械200のユーザは、総保有ポイントの全部または一部のポイントを、コンテンツの取得または閲覧に充てる代わりに、部品の交換費用に充当することができる。
【0097】
ところで、上記においては、ユーザ端末100が、操作部140を介して、交換された部品が鍛圧機械のメーカの部品であることを示す情報(たとえば、工事番号)を受け付け、サーバ装置300が当該情報を受信する構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。
【0098】
サーバ装置300は、たとえばRFID等を用いて取得された情報(詳しくは、上述した、交換された部品が鍛圧機械のメーカの部品であることを示す情報)を、RFIDリーダおよびユーザ端末100を介して受信してもよい。
【0099】
(d2.サーバ装置300)
次に、サーバ装置300を構成する各機能ブロックにおいて実行される処理について説明する。
【0100】
制御部310は、サーバ装置300の全体の動作を制御する。制御部310は、記憶部320と、通信部330と、操作部340と、表示部350とに接続されている。
【0101】
記憶部320は、サーバ装置300のオペレーティングシステム、各種のプログラム、および各種のデータを記憶している。記憶部320は、部品別ポイントデータ321(
図2参照)と、ユーザ別データ322とを記憶している。ユーザ別データ322には、プレス機械のユーザ別に、付与したポイント(ユーザが獲得したポイント)、総保有ポイント、累計稼働時間、累計稼働回数等の各種の情報が記憶されている。
【0102】
記憶部320は、プレス機械の機種別にコンテンツをさらに記憶している。典型的には、記憶部320は、プレス機械に関連するコンテンツを、プレス機械の機種別に記憶している。たとえば、記憶部320は、
図1に示したプレス機械200について、プレス機械200に関連する複数のコンテンツを記憶している。さらに、各コンテンツには、取得または閲覧に必要なポイントを示す情報が関連付けられている。
【0103】
通信部330は、ユーザ端末100およびメーカ端末400と通信するためのインターフェイスである。操作部340は、サーバ装置300のユーザ(たとえば、システム担当者)による入力操作を受け付ける。
【0104】
制御部310は、ある局面において、通信部330を介してユーザ端末100から部品の交換がなされたことを表す通知を受信する。制御部110は、当該通知を受信すると、部品別ポイントデータ321を参照して、当該交換された部品についての生産性指標に基づいたポイントをプレス機械200のユーザに対して付与する処理を行なう。具体的には、制御部310は、ユーザ別データ322における総保有ポイント等のデータ更新を行なう。詳しくは、制御部310は、生産性指標に基づいたポイントの付与の際、上述したとおり、指定期間内(交換時期迄)に部品が交換された場合には、指定期間を過ぎて部品が交換された場合よりも高いポイントを付与する処理を行なう。
【0105】
また、制御部310は、ユーザ別データ322の更新を行なうと、通信部330を介して、更新後のデータに基づく画面(Webページ等)をユーザ端末100の表示部150に表示させるための画面データをユーザ端末100に送信する。これによれば、プレス機械200のユーザは、この度の部品交換により獲得したポイント、当該獲得したポイントが加算された後の総保有ポイント等をユーザ端末100を用いて確認することができる。
【0106】
また、制御部310は、専用のアプリケーションソフトウェアを用いる場合、ポイントを利用したコンテンツの取得要求を受け付けると、当該コンテンツに対応付けられたポイントが総保有ポイント以下であることを条件に、当該コンテンツをユーザ端末100に送信する。このような構成によれば、ユーザは、コンテンツを取得したい場合には、積極的にポイントを獲得するようになる。したがって、サーバ装置300によれば、部品の交換を促進させることができる。
【0107】
一方、制御部310は、Webブラウザを用いる場合、ポイントを利用したコンテンツの表示要求を受け付けると、当該コンテンツに対応付けられたポイントが総保有ポイント以下であることを条件に、当該コンテンツを表示するためのHTMLデータをユーザ端末100に送信する。この場合も、専用のアプリケーションソフトウェアを用いる場合と同様に、部品の交換を促進させることができる。
【0108】
プレス機械200のユーザが、総保有ポイントの全部または一部のポイントを、プレス機械200の部品の交換費用に充当する場合、制御部310で行われる処理を説明すると、以下のとおりである。
【0109】
制御部310は、通信部330を介して、ユーザ端末100から部品の交換依頼を受け付ける。制御部310は、部品の交換に要する基準額から使用するポイントに応じた金額を差し引いた額を、部品の交換に要する費用として、ユーザ端末100に通知する。このような構成によれば、プレス機械200のユーザは、部品の交換の際に獲得したポイントを使用できるようになる。したがって、サーバ装置300によれば、部品の交換の際にポイントが使用できない構成に比べて、部品の交換を促進させることができる。
【0110】
(d3.メーカ端末400)
通信システム1においては、プレス機械200のユーザの代わりにプレス機械200のメーカのサービスマンが、プレス機械200の部品を交換したことをサーバ装置300に通知することも可能である。このような局面では、メーカ端末400は、ユーザ端末100の代わりに、部品の交換がなされたことをサーバ装置300に通知するための入力を受け付ける。以下、メーカ端末400を構成する各機能ブロックにおいて実行される処理について説明する。
【0111】
制御部410は、メーカ端末400の全体の動作を制御する。制御部410は、記憶部420と、通信部430と、操作部440と、表示部450とに接続されている。記憶部420は、メーカ端末400のオペレーティングシステム、各種のアプリケーションプログラム、および各種のデータを記憶している。
【0112】
通信部430は、サーバ装置300と通信するためのインターフェイスである。操作部440は、プレス機械200のメーカのサービスマンによる入力操作を受け付ける。
【0113】
サービスマンがプレス機械200の部品を交換したことをサーバ装置300に通知する局面では、制御部410が、操作部440を介して、プレス機械200のメーカによって指定された情報の入力を受け付ける。たとえば、制御部410は、操作部440を介して、プレス機械200のメーカによって付与された工事番号の入力を受け付ける。この場合には、制御部410は、操作部440を介して受け付けた情報(たとえば、工事番号)を、通信部430を介してサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、ユーザ端末100から同様の情報(たとえば、工事番号)を受信したときと同様の処理を行なう。
【0114】
<E.ユーザインターフェイス>
次に、ユーザ端末100において表示される画面の典型例と、メーカ端末400において表示される画面の典型例とを、
図5〜
図10を参照して説明する。詳しくは、プレス機械200のユーザが、ユーザ端末100に対して、プレス機械200のメーカによって指定された情報として工事番号を入力する場合を例に挙げて説明する。なお、
図5〜8,10は、Webブラウザを用いたときの画面(具体的には、Webページ)を表しており、
図9は、専用のアプリケーションを用いたときの画面を表している。
【0115】
また、サーバ装置300は、プレス機械200以外の他の種類のプレス機械に関する情報を収集することが可能である。さらに、サーバ装置300は、プレス機械以外の工作機械に関する情報を収集することも可能である。したがって、以下に示すユーザインターフェイスのうちには、機械種類、機械種別等の機械を特定するための各種の情報が含まれている。
【0116】
(e1.ポイント設定画面)
図5は、メーカ端末400の表示部450に表示されたポイント設定画面を表した図である。ポイント設定画面は、プレス機械200のメーカのシステム担当者が、交換対象部品に付与するポイントを設定するために利用される。ポイント設定画面は、
図2に示した部品別ポイントデータ321の詳細をユーザインターフェイスとして視覚的に表したものである。以下、ポイント設定画面について詳しく説明する。
【0117】
図5に示すとおり、ポイント設定画面は、複数の表示欄4551〜4555を有している。メーカ端末400は、表示欄4551に機械種別を表示する。メーカ端末400は、表示欄4552にメーカ名を表示する。メーカ端末400は、表示欄4553に機種コードを表示する。メーカ端末400は、表示欄4554に型式を表示する。メーカ端末400は、表示欄4555に機種名称を表示する。このように、ポイント設定画面は、ポイントを設定する機械を一意に特定する情報を含んでいる。
【0118】
また、ポイント設定画面は、保守点検情報の詳細情報を含んでいる。具体的には、ポイント設定画面は、複数のデータ列4561〜4564,4567,4568を有している。各々のデータ列に含まれるデータは、他の複数のデータ列に含まれるデータと関連付けられている。
【0119】
データ列4561は、保守項目(交換対象部品を表した項目)を表している。データ列4562は、当該交換対象部品の部品IDを表している。データ列4563は、規定の稼働時間または既定の稼働回数を交換対象部品毎に表している。データ列4564は、データ列4563に含まれる各情報の単位を表している。データ列4567は、設定されている現在のポイントを交換対象部品毎に表している。
【0120】
データ列4568は、部品の交換重要度を交換対象部品毎に表している。詳しくは、データ列4568は、交換重要度が最も高いレベルAに対応する部品(指標P1に対応する部品)を、3つの星マークで表している。また、データ列4568は、レベルAの次に高いレベルBに対応する部品(指標P2に対応する部品)を、2つの星マークで表している。さらに、データ列4568は、最も交換重要度が低いレベルCに対応する部品(指標Qに対応する部品)を、1つの星マークで表している。
【0121】
さらに、ポイント設定画面は、複数の異なるオブジェクト4565,4566,4559を有する。オブジェクト4565,4566,4559は、ユーザによるクリック操作によって選択可能に構成されている。オブジェクト4565,4566は、それぞれ、交換対象部品毎に設けられている。
【0122】
鉛筆の形をした複数のオブジェクト4565の各々は、対応するデータ列4561〜4564,4567,4568の内容を変更するために用いられる。ゴミ箱の形をした複数のオブジェクト4566の各々は、対応するデータ列4561〜4564,4567,4568の内容を一度に消去(一行を削除)するために用いられる。オブジェクト4559は、保守点検情報を追加するための指令を受け付ける。メーカ端末400のユーザ(典型的には、システム担当者)によってオブジェクト4559を選択されると、新規の行が追加される。
【0123】
データ列4567は、メーカ端末400のシステム担当者等によって入力される。詳しくは、データ列4567に示された設定ポイントは、メーカ端末400のシステム担当者によって決定される。より詳しくは、当該設定ポイントは、プレス機械200を構成する複数の部品の各々についてのプレス機械200の生産性指標(
図3参照)を考慮して決定される。
【0124】
データ列4568は、交換重要度に応じた星マークを表示するために用いられる。データ列4568は、典型的には、データ列4567と同様に、メーカ端末400のシステム担当者等によって入力される。なお、データ列4568は、設定ポイントの大きさに基づいて自動的に入力される構成であってもよい。
【0125】
メーカ端末400は、サーバ装置300から受信した各種の情報に基づき、他のデータ列4563,4564等のデータを表示する。なお、ポイント設定画面に、指定期間後に部品を交換した際にユーザに付与するポイントを入力および表示するためのデータ列を設けてもよい。
【0126】
上記のようにメーカ端末400が表示部450にポイント設定画面を表示するため、メーカ端末400のシステム担当者等は、交換対象となる部品毎に、当該部品を交換した際にプレス機械200のユーザに付与するポイントを設定および変更することが可能となる。詳しくは、メーカ端末400のシステム担当者等は、プレス機械200を構成する複数の部品について、プレス機械の生産性指標に基づいたポイントをサーバ装置300に記憶させることが可能となる。
【0127】
(e2.ポイント確認および交換実績登録用画面)
図6は、ユーザ端末100の表示部150に表示されたポイント確認および交換実績登録用のユーザ操作画面を表した図である。
図6に示すユーザ操作画面は、プレス機械200のユーザが、自身が保有しているポイントを確認するため、および部品の交換の実績をサーバ装置300に登録するために利用される。以下、ユーザ操作画面について詳しく説明する。
【0128】
図6に示すとおり、ユーザ操作画面は、表示欄1501〜1506を有する。ユーザ端末100は、表示欄1501に機械の設置場所を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1502に機械の機械名を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1503に機械種別を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1504に機種名を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1505に型式を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1506に機種番号を表示する。このように、ユーザ操作画面は、機械を一意に特定する情報を含んでいる。
【0129】
また、ユーザ操作画面は、表示欄1511〜1514,1519,1541を有する。ユーザ端末100は、表示欄1511に機械の累計通電時間を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1512に機械の累計稼働時間を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1513に機械の累計稼働回数を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1514にサーバ装置300との最新の通信時刻を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1519に後述するリセット操作をユーザが行なった時刻を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1541にユーザの総保有ポイントを表示する。すなわち、ユーザ端末100は、表示欄1541はユーザが現在利用可能な獲得ポイントの合計値を表示する。
【0130】
さらに、ユーザ操作画面は、保守点検情報の詳細情報を含んでいる。具体的には、ユーザ操作画面は、複数のデータ列1531〜1536を有している。各々のデータ列に含まれるデータは、他の複数のデータ列に含まれるデータと関連付けられている。
【0131】
データ列1531は、保守項目(交換対象部品を表した項目)を表している。データ列1532は、規定の稼働時間または既定の稼働回数を交換対象部品毎に表している。データ列1533は、現在の稼働時間または現在の稼働回数を交換対象部品毎に表している。データ列1534は、直近に部品交換を行なった日付(前回実施日)を交換対象部品毎に表している。データ列1535は、規定の稼働時間から現在の稼働時間を差し引いた時間(残存時間)または規定の稼働回数から現在の稼働回数を差し引いた回数(残存回数)を、交換対象部品毎に表している。データ列1536は、交換対象部品毎の獲得ポイントを表している。
【0132】
さらに、ユーザ操作画面は、オブジェクト1537,1538,1542,1543を有している。オブジェクト1537,1538,1542,1543は、ユーザによるクリック操作によって選択可能に構成されている。また、オブジェクト1537,1538は、それぞれ、交換対象部品毎に設けられている。
【0133】
各オブジェクト1537は、交換対象部品に関連付けられたデータをリセットするために用いられる。詳しくは、各オブジェクト1537は、自身と同じ行のデータをリセットするために用いられる。具体的には、各オブジェクト1537は、データ列1533における対応する行のデータを、0時間または0回に設定するために用いられる。詳細については後述するが、ユーザは、上記リセットを実際に実行するためには、工事番号を入力する必要がある。なお、上記リセット処理によって、当該部品の使用期間がサーバ装置300によって算出される。
【0134】
各オブジェクト1538は、交換対象部品の交換履歴を表示させるために用いられる。詳しくは、各オブジェクト1538は、自身と同じ行に示された交換対象部品の交換履歴を表示させるために用いられる。
【0135】
オブジェクト1542は、ユーザ操作画面をCSV(comma-separated values)ファイルとして、サーバ装置300からユーザ端末100にダウンロードさせるために用いられる。オブジェクト1543は、ユーザ操作画面を図示しないプリンタに印刷させるために用いられる。
【0136】
上記のようにユーザ端末100が表示部150に
図6に示したユーザ操作画面を表示するため、プレス機械200のユーザは、部品別に獲得できるポイント、総保有ポイント等を確認することができる。
【0137】
図7は、リセットの実行を受け付けるポップアップ画面を説明するための図である。ユーザによってオブジェクト1537が選択されると、ユーザ端末100は、
図7に示すとおり、ポップアップ画面1550を
図6に示したユーザ操作画面に重畳した形式で表示部150に表示する。
【0138】
ポップアップ画面1550は、入力欄1551と、チェックボックス1552と、オブジェクト1553,1554と有する。入力欄1551は、プレス機械200のメーカによって指定された情報としての工事番号の入力を受け付ける。
【0139】
ユーザ端末100は、工事番号が入力欄1551に入力された後にオブジェクト1553を選択するユーザ操作を受け付けた場合、当該入力された工事番号をサーバ装置300に送信する。
【0140】
ユーザ端末100は、工事番号が入力欄1551に入力された後にオブジェクト1554を選択するユーザ操作を受け付けた場合、当該入力された工事番号をサーバ装置300に送信することなく、ポップアップ画面1550を非表示とする。
【0141】
ところで、工事番号がサーバ装置300に送信された後は、サーバ装置300は、当該工事番号の認証を行なう。サーバ装置300は、認証に成功した場合、交換した部品に対応付けられたポイントをユーザに対して付与する処理を行なう。サーバ装置300は、認証に失敗した場合、ポイントをユーザに対して付与する処理は行わない。
【0142】
なお、部品の交換がプレス機械200の突発的な故障に基づく場合には、ユーザは、チェックボックス1552のチェックを外したうえで、OKと表示されたオブジェクト1553を選択することが求められる。
【0143】
チェックボックス1552は、プレス機械200のメーカが、部品の寿命を詳しく知るために設けられている。詳しくは、以下のとおりである。突発的な故障に基づく部品交換によって得られた部品の寿命データと、通常の経年劣化に基づく部品交換によって得られた部品の寿命データとを区別しなければ、メーカは当該部品の正確な寿命は知ることができない。そこで、サーバ装置300が両者を区別できるようにするために、ユーザ端末100は、突発故障の場合にはチェックボックス1552におけるチェックを外すようにユーザに対して要求する。
【0144】
上記のようにサーバ装置300で認証が行われるため、プレス機械200のユーザは、プレス機械200のメーカによって指定された工事番号を入力しない限り、ポイントの獲得できない。したがって、このような構成によれば、プレス機械200のメーカを通して購入した部品をプレス機械に取り付けてもらえる可能性を高めることができる。
【0145】
図8は、メーカ端末400の表示部450に表示されたポイント確認および交換実績登録用のメーカ操作画面を表した図である。
図8に示すメーカ操作画面は、プレス機械200のメーカのサービスマンが、部品交換を行なったユーザが保有しているポイントを確認するため、および当該部品の交換の実績をサーバ装置300に登録するために利用される。以下、メーカ操作画面について説明する。
【0146】
図8に示すとおり、メーカ操作画面は、
図6に示したユーザ操作画面と同様に、表示欄1501〜1506を有する。また、メーカ操作画面は、ユーザ操作画面と同様に、表示欄1511〜1514,1519,1541を有する。さらに、メーカ操作画面は、ユーザ操作画面と同様に、保守点検情報の詳細情報を含んでいる。具体的には、メーカ操作画面は、ユーザ操作画面と同様に、複数のデータ列1531〜1536を有している。また、メーカ操作画面は、ユーザ操作画面と同様に、複数の異なるオブジェクト1537,1538,1542,1543を有する。
【0147】
メーカ操作画面は、複数のチェックボックス欄4539を備える点で、ユーザ操作画面とは異なる。チェックボックス欄4539は、
図7に示したチェックボックス1552と同様、プレス機械200のメーカが部品の寿命を詳しく知るために設けられている。メーカのサービスマンは、部品交換が突発的な故障に基づくものである場合、交換部品に対応したチェックボックスに表示されたチェックを外すための操作を行なう。
【0148】
上述したように、突発的な故障に基づく部品交換によって算出された部品の寿命データと、通常の経年劣化に基づく部品交換によって算出された部品の寿命データとを区別しなければ、メーカは当該部品の正確な寿命は知ることができない。そこで、チェックボックス欄4539における各チェックボックスを利用することにより、サーバ装置300は、両者を区別可能となる。
【0149】
チェックボックスのチェックを外した場合、あるいはチェックを外す必要のなかった場合には、その後、当該交換された部品に対応したリセットを表すオブジェクト1537を選択する操作がサービスマンによって行われる。
【0150】
なお、メーカ端末400は、リセットを表すオブジェクト1537が選択された場合には、工事番号を入力するポップアップ画像を表示部450に表示してもよいし、あるいは当該ポップアップ画像を表示しなくてもよい。
【0151】
上記の構成によれば、メーカ端末400を用いて、プレス機械200部品交換の実績をユーザ毎に登録することができる。また、上記構成によれば、メーカ端末400を用いることにより、ユーザに対して、交換された部品に応じたポイントを付与することができる。さらに、上記構成によれば、サーバ装置300は、交換された部品の寿命データを精度よく算出することができる。
【0152】
(e3.コンテンツ選択画面)
図9は、プレス機械200のユーザによって利用されるコンテンツ選択画面を表した図である。具体的には、
図9は、上述した専用のアプリケーションソフトウェを利用したときのコンテンツ選択画面を表している。
【0153】
コンテンツ選択画面は、総保有ポイントに応じたコンテンツを取得する際に、当該ユーザによって利用される。プレス機械200のユーザがコンテンツを取得するためにサーバ装置300にログインすると、ユーザ端末100は、
図9に示すようなコンテンツ選択画面を表示部150に表示させる。
【0154】
コンテンツ選択画面は、コンテンツ情報1590と、ユーザ設定情報1560と、オブジェクト1581,1589とを有する。なお、
図9に示すコンテンツ選択画面は、タブ1521がアクティブの状態となっている場合を表している。以下では、まず、ユーザ設定情報1560について説明する。次いで、コンテンツ情報1590について説明する。
【0155】
ユーザ設定情報1560は、ユーザ操作によって登録された情報を表している。ユーザ設定情報1560は、プレス機械200に関する機械情報1560Aと、プレス機械200の制御装置206に含まれる通信装置に関する装置情報1560Bと、位置情報1560Cとを有する。なお、ユーザは、タブ1522を選択することにより、ユーザ設定情報1560の登録内容を変更できる。
【0156】
機械情報1560Aは、表示欄1561〜1568を有する。ユーザ端末100は、表示欄1561に機械種別を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1562に機種名を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1563に機種番号を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1564にSIMのシリアル番号を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1565に顧客名を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1566に機械の所在地を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1567に機械の製造年月日を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1568にサーバ装置300との通信開始年月日を表示する。
【0157】
装置情報1560Bは、表示欄1570,1571を有する。ユーザ端末100は、表示欄1570にユーザ端末100の端末分類を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1571にユーザ端末100のIPアドレスを表示する。
【0158】
位置情報1560Cは、表示欄1574〜1579を有する。ユーザ端末100は、表示欄1574に機械のユーザが所在する国名を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1575に機械のユーザが所在する地域名を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1576に機械のユーザの所在地の緯度および経度を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1577に機械が設置されている国名を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1578に機械が設置されている地域名を表示する。ユーザ端末100は、表示欄1579に機械の設置位置の緯度および経度を表示する。
【0159】
オブジェクト1581は、ユーザが機械の所在地を地図で表示させたい場合に選択される。ユーザがオブジェクト1581を選択すると、地図のアプリケーションが実行され、機械の所在地を表すマークが地図上に表示される。
【0160】
コンテンツ情報1590は、
図9の機械情報1560Aに示された機械(プレス機械200)に関連するコンテンツをサーバ装置300から取得するために利用される。コンテンツ情報1590は、複数のデータ列1591,1592と、チェックボックス欄1593とを有する。
【0161】
データ列1591は、プレス機械200に関連する複数のコンテンツの名称を表している。
図9には、コンテンツの一例として、プレス製品毎の量産マスタ波形情報、プレス製品毎の比較荷重情報、プレス機械毎の期間負荷モニタ情報が示されている。
【0162】
データ列1592は、コンテンツの提供の可否を表している。詳しくは、データ列1592は、プレス機械200のユーザが自身の総保有ポイントでコンテンツを取得できるか否かを、コンテンツ毎に表している。
【0163】
たとえば、プレス製品毎の量産マスタ波形情報は、総保有ポイント以下のポイントで獲得できるコンテンツであるため、データ列1592には、当該コンテンツを提供可能である旨が記されている。また、プレス製品毎の比較荷重情報は、総保有ポイント以下のポイントで獲得できるコンテンツであるため、データ列1592には、当該コンテンツを提供可能である旨が記されている。一方、プレス機械毎の期間負荷モニタ情報は、総保有ポイント以下のポイントで獲得できないコンテンツであるため、データ列1592には、当該コンテンツを提供不可能である旨が記されている。
【0164】
チェックボックス欄1593は、チェックボックスをコンテンツ毎に有している。プレス機械200のユーザは、チェックボックスにチェックを入れることによって、提供可能な状態にあるコンテンツから取得したいコンテンツを選択することが可能となる。
【0165】
なお、プレス機械毎の期間負荷モニタ情報は上記のように獲得できないコンテンツである。それゆえ、
図9に示すコンテンツ選択画面においては、当該コンテンツに対応するチェックボックスにおいてはチェックが付けられない設定となっている。
【0166】
チェックボックスにチェックが入っている状態で、プレス機械200のユーザがオブジェクト1589を選択することにより、チェックが入ったコンテンツのダウンロードが開始される。
【0167】
図10は、プレス機械200のユーザによって利用される他のコンテンツ選択画面を表した図である。具体的には、
図10は、Webブラウザを利用したときのコンテンツ選択が画面を表している。
【0168】
コンテンツ選択画面は、上述したように、総保有ポイントに応じたコンテンツをユーザが閲覧する際に、当該ユーザによって利用される。プレス機械200のユーザがコンテンツを閲覧するためにサーバ装置300にログインすると、ユーザ端末100は、
図10に示すようなコンテンツ選択画面を表示部150に表示させる。
【0169】
図10のコンテンツ選択画面は、コンテンツ情報1590およびオブジェクト1589の各々の代わりに、コンテンツ情報1590Aおよびオブジェクト1589Aを有する点において、
図9に示したコンテンツ選択画面とは異なる。なお、その他の構成は、
図9のコンテンツ選択画面と同じであるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0170】
コンテンツ情報1590Aは、
図10の機械情報1560Aに示された機械(プレス機械200)に関連するコンテンツをユーザが閲覧するために利用される。コンテンツ情報1590Aは、複数のデータ列1591,1592Aと、チェックボックス欄1593とを有する。
【0171】
データ列1592Aは、コンテンツの表示の可否を表している。詳しくは、データ列1592Aは、プレス機械200のユーザが自身の総保有ポイントでコンテンツを表示させることが可能か否かを、コンテンツ毎に表している。
【0172】
チェックボックスにチェックが入っている状態で、プレス機械200のユーザがオブジェクト1589Aを選択することにより、ユーザ端末100は、サーバ装置300との通信により、チェックが入ったコンテンツを表示するためのWebページを表示する。このような構成によれば、ユーザ端末100のユーザは、Webブラウザを用いてコンテンツを表示させることにより、日々のプレス作業に基づく最新のデータを確認することが可能となる。
【0173】
(e4.コンテンツ)
サーバ装置300からダウンロードされるコンテンツおよびWebページによって閲覧可能なコンテンツとしては、ユーザが生産管理あるいは保全において有用なソフトウェアが準備されている。たとえば、コンテンツとして、複数のプレス製品に関する荷重の情報が挙げられる。詳しくは、プレス製品毎にトータルの平均荷重とトータルの最大荷重とを含む、プレス製品毎の比較荷重の情報が挙げられる。
【0174】
<F.制御構造>
(f1.シーケンスチャート)
図11は、プレス機械200の部品の交換が行われた後に通信システム1において実行される処理の流れを説明するためのシーケンスチャートである。
図11を参照して、シーケンスSQ1において、ユーザ端末100およびサーバ装置300は、ユーザ端末100がサーバ装置300にログインするための処理を実行する。
【0175】
シーケンスSQ2において、ユーザ端末100は、ユーザから、交換した部品の工事番号の入力を受け付ける。具体的には、ユーザ端末100は、
図7に示したポップアップ画面1550の入力欄1551に対する工事番号の入力を受け付ける。シーケンスSQ3において、ユーザ端末100は、入力された工事番号をサーバ装置300に送信するための送信操作を受け付ける。具体的には、
図7に示したオブジェクト1553の選択操作を受け付ける。
【0176】
シーケンスSQ4において、ユーザ端末100は、入力された工事番号をサーバ装置300に送信する。シーケンスSQ5において、サーバ装置300は、部品別ポイントデータ321を参照して、ポイントの算出を行なう。詳しくは、サーバ装置300は、上述したように、サーバ装置300は、交換された部品についての生産性指標に基づいたポイントをプレス機械200のユーザに対して付与する処理を行なう。
【0177】
シーケンスSQ6において、サーバ装置300は、総保有ポイントの更新処理を行なう。具体的には、サーバ装置300は、既存の総保有ポイントに対して、算出されたポイントを加える処理を行なうことにより、新たな総保有ポイントを算出する。
【0178】
シーケンスSQ7において、サーバ装置300は、算出されたポイントと、更新後の総保有ポイントを、ユーザ端末100に通知する。シーケンスSQ8において、ユーザ端末100は、付与されたポイント(獲得ポイント)と、更新後の総保有ポイントとを含んだ情報を表示部150に表示する。
【0179】
図12は、ポイント用いてコンテンツを取得する際に通信システム1において実行される処理の流れを説明するためのシーケンスチャートである。詳しくは、
図12は、ユーザ端末100が、上述した専用のアプリケーションソフトウェアを用いてコンテンツをサーバ装置300からダウンロードする際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0180】
図12を参照して、シーケンスSQ101において、ユーザ端末100およびサーバ装置300は、ユーザ端末100がサーバ装置300にログインするための処理を実行する。
【0181】
シーケンスSQ102において、ユーザ端末100は、予め定められたユーザ操作に基づき、コンテンツ取得要求の信号をサーバ装置300に送信する。シーケンスSQ103において、サーバ装置300は、プレス機械200のユーザの総保有ポイントに基づき、当該ユーザに提供可能なコンテンツを抽出する。シーケンスSQ104において、サーバ装置300は、抽出されたコンテンツのうちからユーザにコンテンツを選択させるため、コンテンツ選択画面データを生成する。
【0182】
シーケンスSQ105において、サーバ装置300は、生成されたコンテンツ選択画面データをユーザ端末100に送信する。シーケンスSQ106において、ユーザ端末100は、ユーザからコンテンツの選択操作を受け付ける。具体的には、ユーザ端末100は、
図9に示したコンテンツ選択画面において、チェックボックス欄1593への入力操作と、オブジェクト1589の選択操作を受け付ける。
【0183】
シーケンスSQ107において、ユーザ端末100は、選択されたコンテンツの識別情報をサーバ装置300に送信する。シーケンスSQ108において、サーバ装置300は、ユーザ端末100から受信した識別情報で特定されるコンテンツ(ユーザに選択されたコンテンツ)を、ユーザ端末100に送信する。シーケンスSQ109において、ユーザ端末100は、サーバ装置300から受信したコンテンツを表示部150に表示する。
【0184】
図12においては、ユーザ端末100が、上述した専用のアプリケーションソフトウェアを用いてコンテンツをサーバ装置300から取得(詳しくは、ダウンロード)する場合を例に挙げて説明した。以下では、ユーザ端末100が、上述したWebブラウザを用いてコンテンツ(詳しくは、Webページ)を表示する場合における処理の流れについて説明する。
【0185】
図13は、ポイント用いてコンテンツをWebページ上で表示する際に通信システム1において実行される処理の流れを説明するためのシーケンスチャートである。
図13に示すとおり、シーケンスSQ201において、ユーザ端末100およびサーバ装置300は、ユーザ端末100がサーバ装置300にログインするための処理を実行する。
【0186】
シーケンスSQ202において、ユーザ端末100は、ユーザの指示に基づき、表示されているWebページ上で、コンテンツの表示要求(詳しくは、コンテンツを表示するためのWebページの取得要求)をサーバ装置300に送る。
【0187】
シーケンスSQ203において、サーバ装置300は、プレス機械200のユーザの総保有ポイントに基づき、当該ユーザに提供可能なコンテンツを選択する。シーケンスSQ204において、サーバ装置300は、選択されたコンテンツをユーザ端末100で表示させるためのHTML(HyperText Markup Language)ファイルを生成する。
【0188】
シーケンスSQ205において、サーバ装置300はHTMLファイルをユーザ端末100に送信する。シーケンスSQ206において、ユーザ端末100は、HTMLファイルのレイアウト解析を行ない、Webページを表示する。
【0189】
また、ユーザ端末100のユーザがWebページ上に表示させるコンテンツを選択できるようにWebページを生成するように、サーバ装置300を構成してもよい。なお、サーバ装置300は、HTML以外のマークアップ言語でWebページを作成してもよい。
【0190】
(f2.フローチャート)
図14は、ユーザ端末100で実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図14を参照して、ステップS1において、サーバ装置300は、ユーザ端末100から、交換された部品の工事番号を受信する。ステップS2において、サーバ装置300は、部品交換が指定期間内に行われたか否かを判断する。
【0191】
指定期間内に部品交換が行われたと判断された場合(ステップS2においてYES)、サーバ装置300は、ステップS3において、
図2に示した部品別ポイントデータ321を参照し、交換した部品に対応付けられた、指定期間内のポイントを読み出す。指定期間内に部品交換が行われていないと判断された場合(ステップS2においてNO)、ステップS7において、サーバ装置300は、部品別ポイントデータ321を参照し、交換した部品に対応付けられた、指定期間後のポイントを読み出す。
【0192】
ステップS4において、サーバ装置300は、読出したポイント(付与ポイント)を現在の総保有ポイントに加算することにより、総保有ポイントを更新する。ステップS5において、サーバ装置300は、当該交換した部品についての指定期間を更新する。たとえば、サーバ装置300は、現在の日付に、所定の日数を加えることにより、次の指定期間を算出する。あるいは、サーバ装置300が、部品を交換した日にちを受け付けた場合には、当該部品を交換した日付に、所定の日数を加えることにより、次の指定期間を算出する。
【0193】
ステップS6において、サーバ装置300は、この度の部品交換によりユーザに付与したポイントと、更新後の総保有ポイントとを、ユーザ端末100に通知する。
【0194】
<G.ハードウェア構成>
図15は、サーバ装置300のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図15を参照して、サーバ装置300は、プロセッサ301と、メモリ302と、通信インターフェイス303と、操作キー304と、モニタ305と、リーダライタ306とを備える。メモリ302は、典型的には、ROM3021と、RAM3022と、HDD(Hard Disc)323とを含む。リーダライタ306は、記憶媒体としてのメモリカード700からプログラムを含む各種のデータを読み出したり、メモリカード700にデータを書き込んだりする。
【0195】
プロセッサ301は、
図4における制御部310に対応する。より詳しくは、プロセッサ301がメモリ302に格納されたプログラムを実行することにより、制御部310が実現される。メモリ302は、
図4における記憶部320に対応する。通信インターフェイス303は、
図4における通信部330に対応する。
【0196】
プロセッサ301は、メモリ302に格納されたプログラムを実行する。RAM3022は、各種のプログラム、プロセッサ301によるプログラムの実行により生成されたデータ、およびユーザによって入力されたデータを一時的に格納する。ROM3021は、不揮発性の記憶媒体であり、典型的には、BIOS(Basic Input Output System)およびファームウェアを格納している。HDD3023は、OS(Operating System)、各種のアプリケーションプログラム等を記憶している。
【0197】
メモリ302に格納されるプログラム等のソフトウェアは、メモリカード、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、メモリカードリーダライタ、その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、インターフェイスを介してダウンロードされた後、RAM3022に一旦格納される。そのソフトウェアは、プロセッサ301によってRAM3022から読み出され、さらにHDD3023に実行可能なプログラムの形式で格納される。プロセッサ301は、そのプログラムを実行する。
【0198】
同図に示されるサーバ装置300を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、メモリ302、メモリカード、その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。
【0199】
なお、記録媒体は、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、CD(Compact Disc)−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られない。たとえば、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体であって、搬送波等の一時的な媒体を含まない。
【0200】
さらに、ここでいうプログラムとは、プロセッサ301により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0201】
なお、ユーザ端末100とメーカ端末400とは、サーバ装置300と同様なハードウェア構成を有するため、ここでは、ユーザ端末100とメーカ端末400とのハードウェア構成の説明は繰り返さない。
【0202】
<H.変形例>
(h1.第1の変形例)
通信システムをユーザサイドでクローズした構成としてもよい。つまり、メーカ端末400等が外部からアクセスできように、通信システムを構成してもよい。以下、具体的に説明する。
【0203】
図16は、通信システムの変形例である通信システム1Aを説明するための図である。
図16に示すように、通信システム1Aは、ユーザサイドにおけるローカルネットワークとして構成される。通信システム1Aは、ユーザ端末100Aと、プレス機械200と、サーバ装置300Aとを備える。
【0204】
サーバ装置300Aは、外部のネットワーク900(
図1参照)を介さずに、ローカルネットワーク900Aを介してユーザ端末100Aおよびプレス機械200に接続される点を除けば、サーバ装置300と同様の構成を有する。
【0205】
ユーザ端末100Aは、少なくとも上述した専用のアプリケーションソフトウェアを有している点および外部のネットワーク900(
図1参照)を介さずにサーバ装置300Aとローカルネットワーク900Aで接続される点を除けば、ユーザ端末100と同様の構成を有する。詳しくは、ユーザ端末100Aは、上記の専用のアプリケーションソフトウェアを介して、サーバ装置300Aからコンテンツをダウンロードすることになる。あるいは、ユーザ端末100Aは、Webブラウザによって、コンテンツを含むWebページを表示することになる。
【0206】
このような通信システム1Aにおいて、サーバ装置300Aは、ユーザ端末100Aから部品の交換がなされたことを表す通知を受信すると、当該交換された部品についての生産性指標に基づいたポイントをプレス機械200のユーザに対して付与する処理を行なう。このような構成によれば、サーバ装置300と同様に、サーバ装置300Aは、ユーザに対して、生産性指標に応じた部品交換の契機付けを与えることができる。
【0207】
(h2.第2の変形例)
プレス機械200に、サーバ装置300における機能を搭載してもよい。具体的には、
図2に示した部品別ポイントデータ321を記憶しており、かつ、部品交換に基づいてユーザにポイントを付与するように、プレス機械200を構成してもよい。なお、メーカ端末400は、ネットワーク900を介して、サーバ機能を有するプレス機械200に接続される。この場合、プレス機械200は、以下のような構成を有すると言える。
【0208】
プレス機械200は、制御部と、記憶部とを備える。プレス機械200の記憶部は、プレス機械200に対するメンテナンスにおいて交換され得る予め定められた複数の部品の各々について、プレス製品の生産に関する生産性指標に基づいたポイントを記憶している。プレス機械200の制御部は、プレス機械200における部品の交換がなされたことを表す通知を受け付けると、交換された部品についての生産性指標に基づいたポイントをプレス機械のユーザに対して付与する処理を行なう。
【0209】
なお、プレス機械200における部品の交換がなされたことを表す通知は、たとえば、ユーザ端末100からプレス機械200に対して送られる。
【0210】
このような構成のプレス機械200によれば、上述したサーバ装置300と同様に、プレス機械200のユーザは、プレス機械200の部品を交換すれば、当該交換された部品についての生産性指標に基づいたポイントを獲得することができる。したがって、プレス機械200は、ユーザに対して、生産性指標に応じた部品交換の契機付けを与えることができる。
【0211】
なお、プレス機械200がサーバ機能を有する場合においても、上記の第1の変形例で示したように、通信システムをユーザサイドでクローズしてもよい。
【0212】
(h3.第3の変形例)
プレス機械に、ユーザ端末100の機能を搭載してもよい。具体的には、ブラウザ機能および上述した専用のアプリケーションソフトウェアを有しており、かつ、ユーザ端末100との間で行われた通信と同様の通信をサーバ装置300との間で行なうように、プレス機械200を構成してもよい。この場合、プレス機械200は、以下のような構成を有すると言える。
【0213】
プレス機械200は、制御部と、表示部と、サーバ装置300と通信するための通信部とを備える。プレス機械200の制御部は、プレス機械200に対するメンテナンスにおいて部品が交換されたことに基づきプレス機械200のユーザに対して付与されたポイントを、プレス機械200の通信部を介して、サーバ装置300から取得する。また、プレス機械200の制御部は、上記取得されたポイントを、プレス機械200の表示部に表示させる。上記のポイントは、交換された部品に対応付けられた、プレス製品の生産に関する生産性指標に基づき予め設定されている。
【0214】
(h4.第4の変形例)
上記においては、プレス機械200の部品が交換されたことに基づきポイントをプレス機械200のユーザに付与する構成を説明した。この処理を、部品の交換を伴わないメンテナンスに対しても適用できる。たとえば、部品に対する点検作業のみが行われた場合であっても、生産性指標に基づいたポイントをユーザに付与してもよい。この場合、サーバ装置300は、以下のような構成を有すると言える。
【0215】
サーバ装置300の記憶部320は、プレス機械においてメンテナンスされ得る予め定められた複数の部品の各々について、プレス製品の生産に関する生産性指標に基づいたポイントを記憶している。制御部310は、通信部330を介してユーザ端末100からプレス機械200において部品のメンテナンスがなされたことを表す通知を受信すると、前記メンテナンスがなされた部品についての生産性指標に基づいたポイントをプレス機械200のユーザに対して付与する処理を行なう。
【0216】
このような構成であっても、サーバ装置300は、ユーザに対して、生産性指標に応じた部品交換の契機付けを与えることができる。
【0217】
また、上記においては、プレス機械200に着目して説明を行なったが、上述したように、プレス機械以外の他の鍛圧機械(鍛造機械、プレスブレーキ、パンチプレス、切断機等)にも適用可能である。なお、切断機の一例として、熱切断機(たとえば、プラズマ切断機、レーザ切断機)が挙げられる。
【0218】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。