特許第6875291号(P6875291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6875291圧縮空気を生成するための圧縮機、圧縮空気供給設備、空気圧システム、及び圧縮機の動作させるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875291
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】圧縮空気を生成するための圧縮機、圧縮空気供給設備、空気圧システム、及び圧縮機の動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 7/29 20160101AFI20210510BHJP
   H03K 17/16 20060101ALI20210510BHJP
   F04B 49/06 20060101ALI20210510BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20210510BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20210510BHJP
【FI】
   H02P7/29 B
   H03K17/16 M
   F04B49/06 341L
   H02K7/14 B
   H02K11/33
【請求項の数】28
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-553349(P2017-553349)
(86)(22)【出願日】2016年5月18日
(65)【公表番号】特表2018-524956(P2018-524956A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】EP2016000824
(87)【国際公開番号】WO2016192837
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】102015006711.7
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】596055475
【氏名又は名称】ヴアブコ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】WABCO GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(72)【発明者】
【氏名】アブデルファッター・モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ブライル・ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ゾーン・ローベルト
【審査官】 大島 等志
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102012024400(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 7/03−7/347
F04B 49/00−51/00
H02K 7/14
H02K 11/33
H03K 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動車の圧縮空気供給設備(1000)のために圧縮空気を生成するための、
−ブラシ付直流電気モータ(BDC電気モータ)としての電気モータ(500)と、
−前記電気モータ(500)によって駆動可能であるコンプレッサと、を有する圧縮機(400′)であって、
−制御装置(900,900′)が、前記電気モータ(500)の駆動電流(IB)を制限するように前記電気モータ(500)を制御するためにこの電気モータ(500)に割り当てられている当該圧縮機において、
−フライバック経路内の電気式の電流制限素子(902)が、前記制御装置(900,900′)に割り当てられていて、この電流制限素子(902)は、前記駆動電流(IB)を可変に制限するように構成されていて、
−スイッチング制御部(901)が、前記制御装置(900,900′)に割り当てられていて、このスイッチング制御部(900,900′)は、前記電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を可変にプリセットするように構成されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
−前記制御装置(900,900′)は、電子制御モジュール(910)を有し、この制御装置(900,900′)の電子制御モジュール(910)を用いることで、前記電気モータ(500)が、この電気モータ(500)の駆動電流(IB)を制限するために制御可能であり、
−前記電子制御モジュール(910)が、制御器(911)と実行可能なプログラムモジュール(912)とを有する結果、この電子制御モジュール(910)は、前記駆動電流(IB)を時間可変に制限するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記電子制御モジュール(910)は、前記駆動電流(IB)を制限する閾値電流(IB)を時間可変にプリセットするように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記電気式の電流制限素子(902)は、フライバック経路内にフライバックダイオード(D)及び電力トランジスタ(FET)、即ち内蔵されたフライホイールダイオードを有するMOSFETを備えることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記制御装置(900,900′)と前記スイッチング制御部(901)とが、調整及び/又は制御ループ内で結合されていて、前記制御装置(900,900′)と前記スイッチング制御部(901)とから成る前記調整及び/又は制御ループは、
−前記電気モータ(500)に対する駆動電流及び/又は駆動電圧を、前記制御装置(900,900′)及び/又は前記電気モータ(500)から前記スイッチング制御部(901)内に入力し、
−前記オン期間(t_ON)及び/又は前記オフ期間(t_OFF)を、制御信号によって、前記スイッチング制御部(901)から、前記制御装置(900,900′)及び/又は前記電気モータ(500)に出力するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項6】
ライバック経路内の前記電流制限素子(902)は、前記電気モータ(500)に対して並列に接続されていて、
−前記駆動電流及び/又は駆動電圧の実際値を、前記制御装置(900,900′)及び/又は前記スイッチング制御部(901)に出力するように、及び/又は
−前記制御装置(900,900′)の目標値にしたがう、即ち制御信号にしたがう駆動電流及び/又は駆動電圧を、前記スイッチング制御部(901)から前記制御装置(900,900′)及び/又は前記電気モータ(500)に入力するように、この電流制限素子(902)は構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記スイッチング制御部(901)は、前記オン期間(t_ON)及び/又は前記オフ期間(t_OFF)を、
−変数として、しかし一定に、又は
−変数として且つ動的に変更可能にプリセットするように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項8】
前記スイッチング制御部(901)は、
−前記電気モータ(500)用の駆動電流を、I_max=30Aの最大限界電流未満の値に保持するように、及び/又は
−前記電気モータ(500)用の駆動電流の勾配を、G_max=300A/sの電流の最大限界勾配未満の値に保持するように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項9】
スイッチング制御部(901)は、
−フライバック経路内の前記電流制限素子(902)中の、(40℃〜100℃の)周囲温度に対する相対温度上昇を、40℃未満の値に保持するように、及び/又は
−フライバック経路内の前記電流制限素子中の接合温度を、180℃未満に保持するように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項10】
前記スイッチング制御部(901)は、前記オン期間(t_ON)及び/又は前記オフ期間(t_OFF)を、1000μs未満に保持するように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項11】
前記コンプレッサは、少なくとも1つの第1の圧縮段(401)と1つの第2の圧縮段(402)とを有する二段式コンプレッサ(400)であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項12】
前記プログラムモジュール(912)は、前記駆動電流(IB)を制限するために、閾値電流(IS)の少なくとも1つの閾値電流限界関数(GF)を時間(t)の関数としてプリセットするように構成されていて、
−制御器(911)が、前記電気モータ(500)の駆動エネルギー、即ち前記電気モータ(500)の駆動電圧(UB)を遮断するように構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項13】
前記駆動電流(IB)が、前記少なくとも1つの閾値電流制限関数(GF)の前記閾値電流(IS)に達したか否かを検査するように、前記駆動電流(IB)が、前記少なくとも1つの閾値電流制限関数(GF)の前記閾値電流(IS)に達した場合に、駆動エネルギーを遮断するように、電子制御モジュール(910)、解析ユニット(930)及び/又はアクチュエータ(940)が構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項14】
前記制御装置(900,900′)に割り当てられた前記スイッチング制御部(901)を用いて前記電気モータ(500)に対する前記オン期間(t_ON)及び/又は前記オフ期間(t_OFF)にしたがって前記駆動エネルギーを可変に遮断することが可能であることを特徴とする請求項12又は13に記載の圧縮機。
【請求項15】
電子制御モジュール(910)は、ソフトスタート(CSS)及び/又はソフトエンドを制御するために構成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項16】
時間可変に制限されたオフ駆動電流(IB)の時間制限された時間フェーズがプリセットされているように、電子制御モジュール(910)は、ソフトオフを制御するためにさらに構成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項17】
電子式の前記制御装置(900)は、第1の調整ユニット(921)をさらに有し、この第1の調整ユニット(921)は、目標電流としての前記閾値電流(IS)のプリセットの下で、前記電気モータの駆動電流(IB)を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項18】
電子式の前記制御装置(900)は、第2の調整ユニット(922)を有する調整モジュール(920)をさらに有し、この第2の調整ユニット(922)は、前記駆動電流(IB)の関数として前記電気モータ(500)の回転数(nK)を調整するように構成されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項19】
調整ユニットは、前記電気モータ(500)の回転数の変動を前記駆動電流(IB)の関数として、PWM特性曲線(PWM)によって制限するように構成されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の圧縮機。
【請求項20】
空気圧装置(1020)、即ち自動車のエアサスペンション装置を作動させるための圧縮空気供給設備(1000)において、当該圧縮空気供給設備(1000)は、
−圧縮空気を生成するために請求項1〜19のいずれか1項に記載の圧縮機(400′)と、ブラシ付直流電気モータ(BDC電気モータ)としての電気モータ(500)と、コンプレッサ(400)とを有する圧縮空気供給部(1)と、
−空気圧装置(1001)に対する圧縮空気コネクタ(2)と、
−周囲に対する排気コネクタ(3)と、
−圧縮空気供給部(1)と圧縮空気コネクタ(2)との間の、空気乾燥機(180)と分離弁とを有する第1の空気圧式連結部と、
−前記圧縮空気コネクタ(2)と前記排気コネクタ(3)との間の第2の空気圧式連結部と、を備える当該圧縮空気供給設備。
【請求項21】
請求項20に記載の圧縮空気供給設備(1000)と空気圧装置(1001)とを有する空気圧システムにおいて、
空気圧装置(1001)は、エアサスペンション装置として構成されていて、この空気圧装置(1001)は、1つのギャラリ(610)と、このギャラリ(610)に空気圧式に連結されている、蛇腹及び/又はメモリ(1011,1012,1013,1014,1015)並びに前記蛇腹及び/又は前記メモリの前方に配置している方向弁(1111,1112,1113,1114,1115)を有する少なくとも1つの分岐配管(601,602,603,604,605)とを備える当該空気圧システム。
【請求項22】
自動車の圧縮空気供給設備用の圧縮空気を生成するために、請求項1〜19のいずれか1項に記載の圧縮機(400′)内で、ブラシ付直流電気モータ(BDC電気モータ)としての電気モータを駆動させるための方法であって、
−前記圧縮機(400′)が、電気モータ(500)とこの電気モータ(500)によって作動されるコンプレッサ(400)とを有し、
−制御装置(900,900′)が、前記電気モータ(500)の駆動電流を制限するようにこの電気モータ(500)を制御するためにこの電気モータ(500)に割り当てられている当該方法において、
−フライバック経路内の電流制限素子(902)が、前記制御装置(900,900′)に割り当てられていて、駆動電流(IB)が、この電流制限素子(902)によって可変に制限され、
−スイッチング制御部(901)が、前記制御装置(900,900′)に割り当てられていて、前記電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)が、スイッチング制御部(901)によって可変にプリセットされることを特徴とする方法。
【請求項23】
−前記電気モータ(500)に対する前記オン期間(t_ON)は、前記駆動電流が制限されるようにプリセットされ、及び/又は
−前記電気モータ(500)に対する前記オフ期間(t_OFF)は、フライバック経路内の前記電流制限素子(902)の熱吸収が制限されるようにプリセットされることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記電気モータ(500)が、電子制御モジュール(910)によって制御され、前記電気モータ(500)の駆動電流(IB)が、この電子制御モジュール(910)によって制限され、前記駆動電流(IB)を制限する閾値電流(IS)が、制御器(911)と実行可能なプログラムモジュール(912)とを有する前記電子制御モジュール(910)によって時間可変にプリセットされることを特徴とする請求項22〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
−閾値電流(IS)の少なくとも1つの閾値電流制限関数(GF)が、時間(t)の関数として、実行可能なプログラムモジュール(912)によって前記駆動電流(IB)を制限するためにプリセットされ、前記駆動電流(IB)が、前記少なくとも1つの閾値電流制限関数(GF)の前記閾値電流(IB)に達する場合に、前記電気モータ(500)の駆動、即ち前記電気モータ(500)の駆動電圧(UB)が、制御器(911)によって遮断され、及び/又は
−駆動エネルギーが、制御装置(900,900′)に割り当てられたスイッチング制御部(901)を用いて、電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)にしたがって可変に遮断されることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
イッチング制御部(901)を用いることで、
−前記電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)が、可変に且つ前記電気モータ(500)に対する駆動電流及び/又は駆動電圧に依存してプリセットされることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
イッチング制御部(901)を用いることで、前記電気モータ(500)に対する駆動電流及び/又は駆動電圧に依存して、
−前記オン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)が、直接前記電気モータ(500)に可変にプリセットされ、及び/又は
−最初に前記該制御装置(900,900′)に可変にプリセットされ、即ち前記制御装置(900,900′)によって補正され、前記電気モータにプリセットされることを特徴とする請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
イッチング制御部(901)を用いることで、
−オフ期間(t_OFF)が、減少する値によって、すなわち前記電気モータ(500)の増大する駆動期間によって、及び/又は前記電気モータ(500)用の増大する駆動電流/駆動電圧に対して、変数として、しかし一定にプリセットされ、及び/又は
−オン期間(t_ON)が、増大する値によって、すなわち前記電気モータ(500)の増大する駆動期間によって、及び/又は、前記電気モータ(500)の駆動の開始の直後の前記電気モータ(500)に対する駆動電流及び/又は駆動電圧の減少する値に対して、変数として、しかし一定にプリセットされることを特徴とする請求項22〜27のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による圧縮機に関する。さらに、本発明は、圧縮空気設備及び空気圧システム並びに圧縮機を動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭に述べた形式の圧縮機は、多数の用途で、特に、自動車の圧縮空気供給設備用の圧縮空気を生成する分野において適していることが実証されている。この場合、圧縮機が、ブラシ付直流電気モータの形の電気モータと、この電気モータにより駆動することが可能なコンプレッサとを備えている。ここで、そのように呼ばれているブラシ付直流電気モータ(BDCモータ)は、様々な理由からブラシレス直流電気モータ(BLDCモータ)に比べて、特に、自動車の圧縮空気供給設備の上記の用途において適していることが実証されている。
【0003】
BLDCモータは、ブラシ付直流電気モータに配備された転流用ブラシを備えた機械式整流子を電気回路により置き換えた直流モータの1つの構造形式である。BLDCモータは、換気扇、フロッピーディスクドライブの駆動部、コンプレッサ、ビデオレコーダ、模型飛行機及びそれらと同等の物などの比較的小さい負荷が加わる機械を動作させるのに適しているが、負荷要件が高い自動車用途において様々な欠点が明らかになっており、特に、ブラシ付直流電気モータの方が、基本的に信頼性と負荷適合性に関する要件が高い用途では何れにせよ、より有利な変化形態であることが分かっている。他方、一般的にコンプレッサ用リレーにより制御され、直流ブラシモータを用いて駆動されるコンプレッサは、その電力消費量が大きいために、始動及び停止時、場合によっては、負荷条件が変化する形の動作時において様々な欠点を有する。
【0004】
このような欠点を何れにせよ根本的に取り除くため、例えば、国際公開第2010/045993号パンフレットでは、自動車の給気ユニットのコンプレッサを駆動する電気モータが規定されており、当該電気モータは、電気モータを制御するための少なくとも1つの半導体スイッチを備えている。当該半導体スイッチと、当該電気モータとは、パルス幅変調された電圧を用いて制御装置によって制御される。当該電気モータの回転数が、この電圧のパルスデューティー比によって制御され得る。これにより、例えば、当該電気モータのソフトスタートが可能である。当該半導体スイッチのセンサ出力部が、測定配線を介して制御装置に接続されている。当該センサ出力部は、当該半導体スイッチと当該電気モータとに通電する電流に比例する電流信号を出力するために使用される。当該電気モータの回転数と当該コンプレッサによって生成されたる圧力とが、当該電流信号に基づいて当該制御装置内で算出される。この場合、半導体スイッチが、当該電気モータのブラシホルダ内に組み込まれている。
【0005】
このような解決策は、比較的経費がかかり、例えば、交直両用モータに関する独国特許第2758309号明細書に開示されているように、制御トランジスタに基づくタイマ素子を用いて構成されている場合でも、当該解決策は、一般的にサイリスタに基づくソフトスタート回路に比べて何れにせよ有益であることが既に分かっている。
【0006】
それにも関わらず、特に国際公開第2010/045993号パンフレットの基本的に肯定的なアプローチを超える、特に電気モータの駆動電流の制限に関して、圧縮空気を生成するための圧縮機の動作が、さらに改良可能であることが分かった。
【0007】
圧縮空気を生成するための圧縮器用のブラシ付直流電気モータとしての電気モータを駆動させるための改良された思想が、独国特許出願公開第102012024400号明細書に記載されている。当該電気モータが、この電気モータの駆動電流を制限するために制御装置の電子制御モジュールによって制御される。この場合、この電子制御モジュールは、制御器と実行可能なプログラムモジュールとを有し、当該駆動電流を制限する閾値電流を時間可変にプリセットするように構成されている。
【0008】
基本的に、上記の電気モータのオン又はオフと組み合わせた閾値電流のプリセットは、ブラシ付直流電気モータのドライブ制御で好まれる方式である。基本的に、当該電気モータのランプが、対応するPWM特性曲線によって可変に又は一定にプリセットされ得る。
【0009】
さらに、しかしながら、このような方法は、周囲条件に依存してコンプレッサの動特性を制限し得ることが分かっている。さらに、この方法自体は有益であるものの、当該閾値電流の動作ランプの一定又は動的な制御によって確定される、制御装置又は同様な制御装置内の電力散逸、特に電流制限素子内の電力散逸、特にフライバック経路内の電力散逸は、改善され得ないことが分かっている。
【0010】
冒頭で述べた圧縮機の場合、上記の動作の欠点を回避することが望ましい。特に、圧縮機の動特性の制限を可能な限り減らすこと、及び、それにもかかわらず、制御装置又は同様な制御装置内の電力散逸、特に電流制限素子内の電力散逸、特にフライバック経路内の電力散逸をオン・オフ特性によって少なく保つことが望ましい。当該圧縮機の制御を比較的簡単に、すなわち低コストに構成すること自体も望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2010/045993号パンフレット
【特許文献2】独国特許第2758309号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102012024400号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明の課題は、電子制御装置を用いて電気モータの駆動電流を制限するために設けられている制御部が改良されている、特に自動車に圧縮空気を供給するための装置及び方法を提供することにある。特に、当該制御部は、一般的に圧縮機の動作モードを改良するために、特にソフトスタート、停止動作及び/又は定格動作を実現するために仕様設計されなければならない。特に定格動作の場合、コンプレッサの回転数制御が可能である必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
当該装置に関する課題は、請求項1に記載の圧縮機を用いる発明によって解決される。
【0014】
冒頭で述べた種類の圧縮機は、特に自動車の圧縮空気供給設備のために圧縮空気を生成するために、
−ブラシ付直流電気モータ(BDC電気モータ)として電気モータを有し、
−当該電気モータによって駆動可能であるコンプレッサを有する。この場合、
−制御装置が、当該電気モータの駆動電流を制限するように当該電気モータを制御するためにこの電気モータに割り当てられている。
【0015】
本発明は、基本的に、電気モータが、この電気モータの駆動電流を制限するために制御装置によって有益に制御されなければならないという思想に基づく。
【0016】
この場合、本発明の思想は、ブラシ付直流電気モータとしての電気モータが基本的に非常に有益であることに基づく。このことは、特に自動車の圧縮空気供給設備に対して、すなわち特に当該圧縮空気供給設備の圧縮空気供給部内で圧縮空気を生成するために圧縮機を使用する場合に非常に有益であることが実証されている。したがって、基本的に有益な方法では、本発明の思想は、例えば国際公開第2010/045993号パンフレットに記載されているようなリレー駆動部に関連する欠点がさらに排除されているブラシ付直流電気モータ(BDCモータ)の駆動に基づく。
【0017】
本発明によれば、請求項1の特徴事項に記載の特徴がさらに提唱されている。すなわち、
−−特にフライバック経路内の−電気式の電流制限素子が、当該制御装置に割り当てられていて、この電流制限素子は、駆動電流(IB)を可変に制限するように構成されていて、
−スイッチング制御部が、当該制御装置に割り当てられていて、このスイッチング制御部は、当該電気モータに対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を可変にプリセットするように構成されていることがさらに提唱されている。特に、PWM制御のようにオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を有するが、PWM制御とは違ってオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を可変にプリセットする制御が実行される。
【0018】
さらに留意すべきは、技術的な観点から、確かに、特に制御装置が、電流を制限するものの、ここと以下とでは特にフライバック経路内の電流制限素子を電流制限素子と呼ぶ点である。
【0019】
本発明の思想は、請求項21に記載の圧縮空気供給設備と請求項22に記載の空気圧システムとにも基づく。
【0020】
方法に関する課題は、ブラシ付直流電気モータ(BDCモータ)としての電気モータによって圧縮機を駆動させるための方法を用いた請求項23に記載の特徴にしたがう発明によって解決される。
【0021】
制御装置が、電気モータの駆動電流を制限するためにこの電気モータに割り当てられている。換言すると、例えば、時間に依存しない駆動電流の制限だけが、当該ブラシ付直流電気モータの時間遷移する駆動に対して提供されない。
【0022】
本発明によれば、
−−特にフライバック経路内の−電気式の電流制限素子が、当該制御装置に割り当てられていて、駆動電流(IB)が、当該制御装置又は当該フライバック経路によって可変に制限され、
−スイッチング制御部(901)が、当該制御装置(900,900′)に割り当てられていて、当該電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)が、当該制御装置(900,900′)又は当該スイッチング制御部(901)によって可変にプリセットされる。当該プリセットは、好ましくはオンランプ及び/又はオフランプに対して適用されることが提唱されている。
【0023】
制御要素用の電気モータの駆動電流又は駆動電圧の振幅及びランプが、−特にフライバック経路内の−電気式の電流制限素子によって制限され得ることを、本発明は確認した。当該電流制限素子は、当該制御装置の過負荷又は破壊を阻止するために有益である。電流制限素子、特にフライバック経路内の特にフライバック回路が存在しないと、特にターンオフエネルギーが非常に高くなり得る。特にフライバック回路内の−特にフライバック経路内の−当該電気式の電流制限素子内の吸収すべきエネルギーが減少されるように、すなわち当該構成要素の破壊が阻止されるように、フライバック電流(t_OFF)の期間が調整され得ることに、本発明はさらに寄与する。基本的に、当該調整は、電子制御モジュールによってプリセットされる駆動電流の制限に加えて、又は場合によっては電子制御モジュールによってプリセットされる駆動電流の制限の代わりに実行され得る。
【0024】
したがって、スイッチング制御部が、本発明の思想による制御装置に割り当てられている。オン期間が、このスイッチング制御部によって可変にプリセットされ得る。当該制御装置は、当該オン期間によって、電気モータの特に起動時の駆動電流の振幅及び/又はランプを有益に可変にプリセットし得る。
【0025】
−特にフライバック経路内の−電流制限素子によるエネルギー散逸が、追加の又は代わりのプリセットされているオフ期間によって有益に少なく保持され得ることを、本発明はさらに確認した。したがって、圧縮機を駆動させるための電気モータの動特性が、制御装置によって比較的僅かに制限され、他方では当該エネルギー散逸が少なく保持される。
【0026】
したがって、制御装置とスイッチング制御部とを組み合わせた本発明の思想は、相反する利点同士の葛藤を解消する、すなわち一方では、特に起動挙動時の駆動電流と当該駆動電流のランプとを少なく保持できる利点と、他方では、それにもかかわらず、非常に高いエネルギー散逸によって負担をかけない又は過渡に負担をかけない比較的良好な構成要素を提供できる利点との葛藤を解消する。本発明の思想は、プリセットされているオフ期間によって−特にフライバック経路内の−電流制限素子に制御された、すなわち調整された負荷をかけることである。
【0027】
したがって、本発明の思想は、オン期間とオフ期間との目的に適合し且つ適切な仕様設計又は制御に基づく。したがって、一定にPWM制御された駆動電流の制御によって、過剰なエネルギー散逸と動特性の制限が引き起こされると、圧縮機が妨害される。−特にフライバック経路内の−電流制限素子の仕様設計は、その特別な用途を考慮して、過剰寸法を回避しつつ適切に実行され得る。
【0028】
本発明の好適なその他の構成は、従属請求項に記載されていて、上記の思想を課題の範囲内で且つその他の利点に関して実現できる好適な可能性が詳しく記載されている。
【0029】
当該思想のその他の構成は、
−−特にフライバック経路内の−当該電流制限素子のエネルギー散逸、特に熱吸収が十分に制限されるように、当該電気モータに対するオフ期間(t_OFF))がプリセットされることを提唱する。
【0030】
好ましくは独立した電気経路内の−特にフライバック経路内の−当該電気式の電流制限素子は、フライバックダイオード(D)及び電力トランジスタ(FET)、特に内蔵されたフライホイールダイオードを有するMOSFETを備える。当該トランジスタは、逆バイアス時に、特にフライバック経路内の当該電流制限素子を遮断するために、すなわち当該ダイオードを保護するために非常に有益であることが実証されている。
【0031】
すなわち、−特にフライバック経路内の−電流制限素子が、主に電力トランジスタとフライバックダイオードとを有するか、又はこの電力トランジスタとこのフライバックダイオードとから成ることが有益であることが実証されている。この電流制限素子は、例えば、直列に接続されたフライバックダイオードを有する電力トランジスタとして構成され得る。場合によってはこの電力トランジスタにさらに並列に接続された、そのフライホイールダイオードに対して逆向きに配線されている基板ダイオードが、結果として逆バイアス時の遮断を起こさせない。この電流制限素子は、図5の場合のように構成されてもよい。制限すべき一般的な100アンペアの駆動電流の場合、電力散逸を100ワット未満に制限し、他方では、構成要素の加熱を全ての構造部品に対して100℃未満に保持するためには、約3mΩの抵抗の電力トランジスタが適している。当該フライホイールダイオードと組み合わせた当該電力トランジスタが、この電流制限素子を逆電圧から保護するために有益であることが実証されている。
【0032】
したがって、下記の駆動の遮断に関しては、制御装置に割り当てられたスイッチング制御部を用いて電気モータに対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)にしたがって駆動エネルギーを可変に遮断することができる。
【0033】
本発明の方法に関しては、電気モータに対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)が、好ましくはスイッチング制御部によって、可変に且つ当該電気モータ(500)に対する駆動電流及び/又は駆動電圧に応じてプリセットされる。
【0034】
このため、好ましくは圧縮機に関連して、当該制御装置と当該スイッチング制御部とが、調整及び/又は制御ループ内で結合され得る。
【0035】
特に、当該制御装置と当該スイッチング制御部とから成る当該調整及び/又は制御ループは、
−当該電気モータに対する駆動電流及び/又は駆動電圧を、特に当該制御装置及び/又は当該電気モータから当該スイッチング制御部内に入力するように、
−当該オン期間(t_ON)及び/又は当該オフ期間(t_OFF)を、特に制御信号によって、当該スイッチング制御部から特に当該制御装置及び/又は当該電気モータに出力するように構成されている。
【0036】
好ましくは、特にスイッチング制御部を用いることで、オン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)が、電気モータに対する駆動電流及び/又は駆動電圧に依存して、
−直接当該電気モータに可変にプリセットされ、及び/又は
−最初に当該制御装置に可変にプリセットされ、特に当該制御装置によって補正され、特に当該電気モータにプリセットされる。
【0037】
さらに、圧縮機に関しては、
−駆動電流及び/又は駆動電圧の実際値を、制御装置及び/又はスイッチング制御部に出力するように、及び/又は
−当該制御装置の目標値にしたがう、特に制御信号にしたがう駆動電流及び/又は駆動電圧を、当該スイッチング制御部から当該制御装置及び/又は当該電気モータ(500)に入力するように、−特にフライバック経路内の−電流制限素子が、電気モータに対して並列に接続され得る。
【0038】
特に、スイッチング制御部は、オン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を、
−変数として、しかし一定に、又は
−変数として且つ動的に変更可能にプリセットするように構成され得る。
【0039】
特にスイッチング制御部を用いることで、特に、
−オフ期間(t_OFF)が、減少する値によって、すなわち電気モータの増大する駆動期間によって、及び/又は当該電気モータ用の増大する駆動電流/駆動電圧に対して、変数として、しかし一定にプリセットされ得、及び/又は
−オン期間(t_ON)が、増大する値によって、すなわち当該電気モータの増大する駆動期間によって、及び/又は、特に当該電気モータ(500)の駆動の開始の直後の当該電気モータ(500)用の増大する駆動期間に対して、変数として、しかし一定にプリセットされ得る。
【0040】
一般に、スイッチング制御部(901)は、
−電気モータ(500)用の駆動電流を、I_max=30Aの最大スタート電流未満の値に保持するように、及び/又は
−電気モータ(500)用の駆動電流の勾配を、G_max=300A/sの電流の最大限界勾配未満の値に保持するように構成されていることが有益であると実証されている。
【0041】
一般に、スイッチング制御部(901)は、
−−特にフライバック経路内の−電流制限素子中の相対温度上昇を、40℃未満、特に35℃未満、特に20℃未満の値に保持するように、及び/又は
−絶対温度を、140℃未満、特に130℃未満の値に保持し、及び/又は−特にフライバック経路内の−接合温度を、180℃未満、特に170℃未満に保持するように構成されていることも有益であると実証されている。
【0042】
一般に、スイッチング制御部は、オン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を、1000μs未満、特に800μs未満、600μs未満、400μs未満及び/又は200μs未満に保持するように構成されていることが有益であると実証されている。
【0043】
別の構成によれば、特に、電気モータに対するオン期間(t_ON)は、駆動電流が制限されるようにプリセットされる。
【0044】
さらに、本発明では、−特に(CSS、コンプレッサソフトスタート)とも呼ばれるソフトスタートのために適する−電子制御モジュールがさらに改良され得ることが認識されている。特に、当該電子制御モジュール(CSS制御モジュール)は、論理部を有する構成要素を備えるマイクロコントローラ等のような制御器と、実行可能なプログラムモジュールとを有する。
【0045】
好ましくは、制御装置は、電子制御モジュールを有する。この場合、この制御装置の電子制御モジュール(910)を用いることで、電気モータが、この電気モータの駆動電流(IB)を制限するために制御可能である。この場合、
−当該電子制御モジュールは、制御器と実行可能なプログラムモジュールとを有する。この場合、この電子制御モジュールは、当該駆動電流を時間可変に制限するように構成されている。
【0046】
したがって、電子制御モジュールは、例えば、駆動電流を制限する閾値電流(IS)を時間可変にプリセットするように構成され得る。
【0047】
したがって、好ましくは、駆動電流制限が、時間の関数として様々にプリセットされ得る。特に、互いに異なる第1閾値電流と第2閾値電流とがプリセットされ得る。したがって、本発明の思想は、最大閾値電流のプリセットを可能にするだけではなくて、−当該駆動電流を制限する閾値電流の時間可変なプリセットによって−当該駆動電流に対する勾配のプリセットもさらに可能にする。
【0048】
ブラシ付直流電気モータ(BDCモータ)に基づく本発明のこの別の構成の思想は、ブラシ付直流電気モータ(BDCモータ)の優位性と利点とを保持しつつ、このブラシ付直流電気モータの駆動電流を改良された方法で制限することを可能にする。当該駆動電流の絶対値の制限だけではなくて、その勾配の制限も、本発明の当該思想に基づいて有益に可能である。
【0049】
当該電子制御モジュールに関しては、特に独国特許出願公開第102012024400号明細書を参照のこと。本出願明細書には、この電子制御モジュールの内容が、引用によって完全に記載されている。
【0050】
本発明の特に好適な別の構成が、図面に基づいて説明されている実施の形態に記載されている。当該別の構成では、当該思想にしたがって、コンプレッサ用リレーが、マイクロコントローラによって制御される半導体スイッチと置換されていることが提唱されている。当該コンプレッサの起動要求時に、当該コンプレッサの許容消費電力が、このマイクロコントローラ内に格納されたプログラムモジュールによって制限される。スタート電流のピークとスタート電流の勾配(dI/dt)との双方が制御されるように、起動要求時の当該許容電力が、時間的に変更され得る。このことは、当該半導体スイッチの速い制御によって実行される。
【0051】
コンプレッサの停止要求時でも、当該コンプレッサの許容停止電流勾配が、マイクロコントローラ内に格納されたプログラムモジュールによって制限され得る。このことも、半導体スイッチの速い制御によって実行され得る。
【0052】
マイクロコントローラ内に格納されたプログラムモジュールによれば、(作動しているコンプレッサの)オン過程の終了後でも、負荷に依存する、特に圧力に依存する回転数の変化が、最小限にされ得るように、コンプレッサの電力消費が、可変なパルスデューティー比又は可変な周波数を用いたPWM制御によって制御され得る。
【0053】
駆動電流を制限する閾値電流を時間可変にプリセットするように、制御モジュールが、当該思想に基づいて構成され得る。特に好適な別の構成の範囲内では、プログラムモジュールは、当該駆動電流を制限するために、当該閾値電流の少なくとも1つの閾値電流限界関数を時間の関数としてプリセットするように構成されている。これにより、当該駆動電流を包絡線よりも下に正確に保持することが非常に良好に可能である。好ましくは、当該包絡線は、主に閾値電流限界関数によってプリセットされる。これにより、一般に、電気モータの駆動が、特に駆動電流及び/又は駆動電圧のような駆動エネルギーの供給を制限するために、さらに改良された方法で達成され得ることが、当該別の構成で認識されている。
【0054】
別の構成では、特に、電気モータの駆動−特に駆動エネルギーの供給、すなわち、特に駆動電流及び/又は駆動電圧を遮断するように、特に繰り返し短期間に遮断するように、制御器が構成されていることが提唱されている。このため、特に好ましくは、当該電気モータの駆動電圧が遮断され得る。特に、当該駆動電流が、少なくとも1つの閾値電流限界関数の閾値電流に達する場合に、特に上回るか又は下回る場合に、当該駆動が遮断され、−特に駆動エネルギーの供給が遮断され、すなわち、特に駆動電流及び/又は駆動電圧−が遮断される。例えば、コンプレッサを作動させるための当該電気モータの許容駆動電流が、プリセットされている時間関数にしたがって開始値から終了値まで増加され得るか又は減少され得る。
【0055】
好ましくは、スタート電流ピーク、及び/又は割り当てられたスタート時間区間及び/又は停止時間区間のフェーズ長、及び/又はスタート電流勾配が、本発明の思想に基づいて適切に制御され得る。これに加えて又はこの代わりに、このことは、停止電流ピークと停止電流勾配とに対しても成立する。別の構成では、特に、当該駆動電流の制限にもかかわらず、当該コンプレッサのスタート性能及び/又は停止性能が低下しないか又は大幅に低下しないことが可能である。このことは、主に、当該駆動電流を制限する閾値電流が時間可変にプリセットされるという事実に基づく。改良された停止挙動に関しては、特に、音響的にうるさくないコンプレッサの停止が達成可能である。
【0056】
ここで、以下において、同じく部分的に図示された従来技術と比較した図面に基づき、本発明の実施例を説明する。この図面は、必ずしも実施例を縮尺通りに図示しておらず、むしろ説明に役立つ場合、図面は、模式的な形及び/又は僅かに変形した形で図示されている。図面から直接認識できる教えの補足に関しては、関連する従来技術を参照されたい。この場合、実施構成の形状及び細部に関して、本発明の普遍的な考えから逸脱することなく、多様な修正及び変更を実施できることを考慮されたい。本明細書、図面及び請求項に開示された本発明の特徴は、個別的にも任意に組み合わせても、本発明の改善構成にとって重要である場合がある。さらに、本明細書、図面及び/又は請求項に開示された特徴の中の少なくとも2つの全ての組合せが本発明の範囲内に含まれる。本発明の普遍的な考えは、以下において図示して説明する有利な実施構成の正確な形状又は細部に限定されないか、又は請求項で権利を主張した対象と比べて限定された対象に限定されない。ここで示した大きさの範囲では、当該の限界内に有る値も限界値として開示されており、任意に採用して権利を主張することができる。本発明のさらに別の利点、特徴及び詳細は、以下における有利な実施例の記述から、並びに図面に基づき明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】自動車の圧縮空気供給設備用の圧縮空気を生成する圧縮機のコンプレッサの動作時における、ブラシ付直流電気モータの形に構成された電気モータの駆動電流に関する時間関数として、電流を制限しない場合の起動電流特性を図解する起動電流の推移例を図示したグラフである。
図2図3に詳しく図示された圧縮空気供給設備の特に有利な構造形式の模式図である。
図3】ブラシ付直流電気モータの形の電気モータを用いて圧縮空気を生成する圧縮機を備えた圧縮空気供給部を有し、この実施構成では、さらに、二段式コンプレッサを有する圧縮空気供給設備を備えた特に有利な空気圧システムの接続図である。
図4A】電子制御装置が、特に、電子制御モジュール、調整モジュール及び解析ユニットを有する、図2の圧縮空気供給設備の圧縮空気供給部のために配備された圧縮機の構成図である。
図4B図4Aに図示された圧縮機用の電子制御装置のシステム構成図である。
図4C図4Aに図示された圧縮機用の修正された電子制御装置の詳細なシステム構成図である。
図5】制御調整ループ内のスイッチング制御部901に接続されている制御装置900用の回路図であり、この制御装置900は、基本的には、電気モータ用の駆動電流の振幅及びランプを可変にプリセットするように、この制御装置900に基づいて構成されていて、さらに、一方ではフライバック経路と組み合わせてこのプリセットを守り、他方ではフライバック経路でのエネルギー損失を僅かに抑えるように、このスイッチング制御部901に基づいて構成されている。
図6図5に示されているような制御装置900を有する調整スイッチングループ内で、電気モータに対するオン期間t_ON及び/又はオフ期間t_OFFをプリセットするためのスイッチング制御部901の基本的な機能系統図である。
図7】4つの時間区間に対して仕様設計されている可変なPWM制御によって得られる、制御装置によってプリセットされている電流ランプによるコンプレッサの始動の一例を示す。しかしながら、この場合、さらに、フライバック経路内のエネルギー損失を可能な限り僅かに抑えるため、さらに、制御装置と制御調整ループ内のスイッチング制御部901との本発明の接続が、オン期間と、特にオフ期間とを可変にプリセットする。その結果、オフ期間が、電気モータの起動ランプ内で駆動電流の増大と共に短くなる。
図8】電気モータに対するエンドフェーズ(ランプダウン)中の本発明のオフ期間に依存するフライバック経路内の温度上昇に関してシミュレートされた二次元グラフである。
図9】温度上昇の同様なグラフを電気モータのスタートフェーズ(ランプアップ)中のオフ期間の関数として示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、場合によっては、空気供給システム、特に、圧縮空気供給部の別のコンポーネント又は一般的に別の自動車システムに不利に作用する可能性の有る約80アンペアの比較的高い電流レベルIB−Maxを有する、電流を制限しない場合の特徴的な起動電流特性をその始動に関して示す。通常コンプレッサ用リレーによって制御され、直流ブラシ付モータを用いて駆動されるコンプレッサは、その電力消費量のために、始動時及び停止時において、場合によっては、変化する負荷条件下の動作時においても、多様な欠点を呈し得る。
【0059】
これらの欠点は、特に、自動車の車載電気回路及びコンプレッサ電源供給回路の安全設計にも悪影響を及ぼし得る。それどころか、起動の瞬間におけるコンプレッサ電源供給配線を介した無理な電圧降下は、その結果として電力消費を引き起し、それによりコンプレッサの起動性能に悪影響を及ぼし得る。
【0060】
この起動電流特性例のグラフが図1に図示されている。例えば、乗用車のエアースプリング用電気駆動式コンプレッサの電力消費量は、通常120Aまでの電流レベルIB−Maxの起動電流において180W〜400Wとなる。図1に図示されている通りの高い起動電流時には、コンプレッサのスタート能力を低下させる高い電圧降下が生じる。このため、それを補償するためには、通常コンプレッサ電源供給線は、それに対応する横断面積を持たなければならない。さらに、安全設計は、誤り無く作動するコンプレッサの起動電流に耐えることができなければならない。しかし、特に、自動車の車載電気回路への作用に関して、スタータ用バッテリの消耗時に、通常発電機がリレーを用いたコンプレッサの始動時における急峻な電流上昇に対応できないことを理解すべきである。その結果、自動車に短時間の電圧不足が生じ、このことが、さらに、別のシステムの機能障害を引き起こし得る。この場合、既に、コンプレッサ駆動電流の制限のためにコンプレッサを停止する前にギャラリ換気を行なうことが特に有利であると分かっている。
【0061】
これに対して、ブラシ付直流電気モータが、コンプレッサを動作させるためにリレーによって停止されると、例えば、約25〜30Aの所要電流の急激な低下が、バッテリの消耗時に車載電気回路の望ましくない影響を引き起こす。このことは、最悪の場合正に別のシステムの機能障害を引き起こす短期間の過電圧を非常に高い確率で発生させ得る。
【0062】
その上、特に、二段式コンプレッサの場合、コンプレッサの負荷・回転数特性が回転数とコンプレッサの逆圧への依存性を示すことが挙げられる。コンプレッサが動作している時の回転数の変化は、目立った音を発生させ得る。特に、第1及び第2の圧縮段を有する二段式コンプレッサは、一段式コンプレッサと比べて、関連する圧力範囲内において、例えば、図10と11に図示されている通り、一層明らかに目立つ回転数依存性を示す。そのことは、一段式コンプレッサでも確かに基本的に存在するが、二段式コンプレッサほど明らかではなく、そのため、特に、二段式コンプレッサでは、以下において説明する回転数制御の使用が有利であることが分かった。
【0063】
前述した目立った事象又は問題を解決するために、少なくとも1つのソフト起動(CSS:コンプレッサ・ソフト・スタート)に切り換える電子制御装置900によって、コンプレッサを動作、停止させる。このような電子回路は、コンプレッサの直ぐ近くに取り付けられており、図2では、例えば、圧縮空気供給設備と一緒に示されている。先ずは、図2を参照すると、その図は、この場合(図示されていない)乗用車のエアースプリング設備の形の空気圧装置1001に供給するために設計された圧縮空気供給設備1000を模式図(A)で示されていて、この(図示されていない)空気圧装置1001は、別途図3の接続図により説明する。先ずは図2を(図3の一部も)さらに参照すると、この圧縮空気供給設備1000は、圧縮機400を駆動する電気モータ500を有し、ここでは、圧縮機400は、複式圧縮機として構成されている。圧縮すべき空気は、圧縮機400に供給されて圧縮された後、圧縮空気として空気圧主配管200に供給される。同じく、空気圧主配管200には、乾燥容器140の部屋の中に直に形成された乾燥床で圧縮空気を乾燥させる役割を果たす、乾燥容器140を備えた空気乾燥機100が接続している。
【0064】
この空気圧主配管200は、別の空気圧配管600を介して、全体として圧縮空気供給部1を圧縮機400から空気圧装置1001のギャラリ610への圧縮空気コネクタ2と接続している。この空気圧主配管200には、図2でその筐体の後に見えるバルブ装置300も空気圧により接続している。ここでは、このバルブ装置300は、電磁弁の形の制御弁320により切り換えることができる切換可能な方向制御弁装置310を備えている。このバルブ装置300には、ブースタ弁330も統合されている。このブースタ弁330(ここでは、2/2ブースタ弁)と電磁弁(ここでは、3/2電磁方向制御弁)の形の制御弁320は、ここでは、複式ブロック、すなわち、二重弁として構成されている。ここでは、この二重弁は、弁装置300の方向制御弁装置310に統合されている。
【0065】
全体として、構造ユニットとしての空気乾燥機100、弁装置300及び空気圧主配管200を用いて、モジュール方式で組み立てることができる電気モータ500と二段式圧縮機400を備えた圧縮空気供給設備1000が構成される。詳しくは、図2から明らかな通り、電気モータ500と圧縮機400を備えた筐体装置Gが実現されており、この圧縮機400は、中央の単体ブロックとしての役割を果たしている。特に、ここでは、この圧縮機400は、特に有利には、二段式圧縮機として構成されている。この筐体装置Gには、空気乾燥機100と弁装置300を対向する側に取り付けることができる。特に、乾燥機100と弁装置300は、交換可能な形で筐体装置Gに取り付けることができる。図2から識別できる筐体装置Gは、一方で電気モータ500、圧縮機400及び空気乾燥機100をほぼU字形状に取り付けている。この弁装置300は、このU字形状の配置構成に基づき取り付けられている。この筐体装置Gは、弁装置300をモジュール方式で取り付けることが可能な、弁装置300の方を向いたコネクタ面A1を有する。この筐体装置Gは、空気乾燥機装置100をモジュール方式で取り付けることが可能な、空気乾燥機装置100の方を向いたコネクタ面A2を有する。これらのコネクタ面A1とコネクタ面A2は、互いにコネクタ間隔を開けて配置されており、圧縮機400の単体ブロックの大部分は、このコネクタ間隔内に収容されている。空気乾燥機100と弁装置300の上記のコンポーネントのモジュール式配置構成のために、一方の乾燥機能と他方の圧縮空気制御機能の機能形態が空間的に切り離されている。これらの機能形態は、必要に応じて詳細に設計でき、場合によっては、置き換えでき、置き換えによって別個に変更できる。
【0066】
図2は、ブラケットとして表すこともできるサスペンション700内における圧縮空気供給設備1000の例として挙げた構造実現形態を示す。このサスペンション700は、電気モータ500用の駆動電流IBを制限する閾値電流ISを時間的に変化する形で規定するように構成された電子制御装置900,900′を保持している。スイッチング制御部901が、この制御装置900,900′に付設されている。このスイッチング制御部901は、電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を可変にプリセットするように構成されている。それ以外に、このサスペンション700は、圧縮空気供給設備1000を支持するスプリング支持部710のシステムと、サスペンション700を自動車の構造部分に取り付けるための同じく緩衝式固定コネクタ720とを備えている。
【0067】
図3は、前述した形式の圧縮空気供給設備1000とエアースプリング設備の形の空気圧装置1001を備えた空気圧式圧縮空気供給システム1002の空気圧接続図である。この圧縮空気供給設備1000の接続図には、筐体モジュール(ここでは、電気モータ500、コンプレッサ400及び制御装置900を備えた筐体装置Gの一部としての上記のサスペンション700)内に、圧縮機400′も図示されている。スイッチング制御部901が、この制御装置900,900′に付設されている。このスイッチング制御部901は、電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を可変にプリセットするように構成されている。さらに、(空気乾燥機100の)乾燥モジュール100′と、(ブースタ弁330を備え、この場合、制御弁320の形の逃がし弁も備えた)ブースタ弁筐体モジュール330′と、例えば、方向制御弁装置310、すなわち、電磁弁の形の制御弁320により切換可能な方向制御弁装置310の弁筐体モジュール310′におけるフランジ301の形の空気分配モジュール301′とが表示されている。制御ユニットとして機能する弁装置300は、上記のフランジ301により圧縮空気供給設備1000の別のモジュール式ユニットにモジュール方式により組立可能な形で比較的簡単に取り付けることができる。
【0068】
この圧縮空気供給設備1000は、空気圧装置1001を動作させる役割を果たす。このため、この圧縮空気供給設備1000は、前述した圧縮空気供給部1と空気圧装置1001への圧縮空気コネクタ2を有する。この場合、圧縮空気供給部1は、空気供給部0と、この空気供給部0の前に配置されたフィルタ部品0.1と、この空気供給部0の後に配置された、電気モータ500により駆動される圧縮機400(ここでは、第1の圧縮段401と第2の圧縮段402から成る複式空気圧縮機)と、空気圧主配管200において乾燥容器140を備えた空気乾燥機100と接続する圧縮空気供給部1のコネクタとから構成されている。
【0069】
空気乾燥機100の1つの部屋か、さもなければ複数の部屋が設けられ得る。例えば、空気圧主配管200において直列接続された第1の乾燥段と第2の乾燥段を形成する空気乾燥機100の第1の部屋と第2の部屋を配備することができる。ここでは、空気供給部0とその前に配置されたフィルタ部品0.1は、排気コネクタ3により一体化されている。
【0070】
図3に図示された実施構成では、分岐配管230が、圧縮空気供給部1において空気圧主配管200から分岐して、排気コネクタ3とその後に接続されたフィルタ部品0.1への排気配管240に接続している。この空気圧主配管200は、別の空気圧配管600を備えた空気圧装置1001にまで延びる第1の空気圧接続部の唯一の空気圧配管である。この空気圧主配管200は、空気圧により圧縮空気供給部1と圧縮空気コネクタ2を接続しており、空気圧主配管200には、空気乾燥機100と、さらに、圧縮空気コネクタ2の方向には、解放可能な逆止め弁311及び第1の絞り弁331とが配置されている。この空気圧を解放可能な逆止め弁311と圧縮空気コネクタ2の間には、第1の絞り弁331が配置されている。方向制御弁装置310の一部として、解放可能な逆止め弁311の外に、制御可能な排気弁312が、排気配管240において第2の絞り弁332と直列に接続する形で配置されている。この第1の絞り弁331と空気圧を解放可能な逆止め弁311の直列構成は、空気圧主配管200における空気乾燥機100と空気圧装置1001への圧縮空気コネクタ2の間に配置されている。第2の絞り弁332の公称幅は、第1の絞り弁331の公称幅を上回る。
【0071】
さらに、この圧縮空気供給設備1000は、上記の空気圧主配管200、排気コネクタ3、フィルタ部品0.1及び消音器の中の1つ以上と空気圧により接続された第2の空気圧接続部、すなわち、前述した排気配管240を備えている。
【0072】
この排気弁312は、ここでは、空気圧を解放可能な逆止め弁311とは別の方向制御弁として構成されており、排気配管240により構成される第2の空気圧接続部内に配置されている。この制御可能な排気弁312は、間接的に切り換えられるリレー弁として構成された、3/2方向制御電磁弁の形の前述した制御弁320を備えた弁装置300の一部である。この制御弁320は、制御弁320のコイル322への電圧信号及び/又は電流信号の形で制御線321を介して伝えることが可能な制御信号により制御される。この制御により、制御弁320は、図3に図示された電流が流れていない位置から空気圧的に開かれた電流が流れている位置に移行することができ、この位置では、制御圧は、空気圧制御配管250を介して空気圧主配管200からリレー弁としての制御可能な排気弁312の空気圧制御部にまで伝わる。電流が流れていない位置では、空気圧主配管200は、解放可能な逆止め弁311により閉じられている。この制御可能な排気弁312は、ここでは、さらに、圧力制限部313を備えている。この圧力制限部313は、空気圧制御配管を介して排気弁312の前で、具体的には、分岐配管230と排気弁312の間で圧力を抜いて、その圧力が、閾値圧力を上回った場合に、調整可能なスプリング315の力に対抗して排気弁312のピストン314を弁座から引き上げる、すなわち、この制御可能な排気弁312は、制御弁320により制御されなくても開いた位置に移行する。このようにして、意図しない高過ぎる圧力が空気圧システム1000内に発生することを防止している。
【0073】
この制御弁320は、ここでの閉じられた状態では、制御配管250を切り離して、別の排気配管260を介して排気コネクタ3への排気配管240と空気圧により接続されている。言い換えると、図3に図示された制御弁320の閉じられた位置では、方向制御弁装置310、特に、排気弁312と制御弁320の間に有る制御配管250の配管区間251は、制御弁320と排気コネクタ3の間の別の排気配管260と接続されている。そのために、この別の排気配管260は、別の分岐コネクタ261により別の排気配管240と接続している。この分岐配管230と別の排気配管240は、分岐コネクタ261を介して排気コネクタ3に通じている。
【0074】
特に、空気圧主配管200又は別の空気圧配管600から空気圧制御配管250を介して流れて来た制御圧が圧縮空気コネクタ2に生じた場合、この制御弁320により、ピストン314に圧力を加えて排気弁312を開くことができる。この制御弁320を開いた状態に移行させることは、排気弁312を開くだけでなく、解放可能な逆止め弁311も解放させることとなる。言い換えると、電磁弁装置300の制御弁320は、逆止め弁311と共に逆止め弁311と別個に配備された排気弁312も制御する役割を果たしている。そのことは、開いた位置への制御弁320の切換時に空気乾燥機100の空気圧を両側に開くこととなる。この圧縮空気供給設備1000が占めることができる別の動作位置は、動作中に空気圧装置1001の排気と同時に空気乾燥機100の起動のために使用することができる。図3に図示された圧縮空気供給設備1000の動作位置は、貫流方向に逆止め弁311を貫流させて、特に、空気圧主配管200と別の空気圧配管600を介して空気圧装置1001に空気を充填する役割を果たす。
【0075】
この場合、図3のエアースプリング設備の形の空気圧装置1001は、詳しく図示されていない乗用車の各車輪に対応付けられた、自動車のエアースプリングを構成する四個の所謂蛇腹1011,1012,1013,1014を有する。さらに、このエアースプリング設備は、蛇腹1011,1012,1013,1014に速く供給できる圧縮空気を溜める蓄圧器1015を有する。各蛇腹1011〜1014には、それぞれギャラリ610から分岐するスプリング分岐配管601,602,603,604において、それぞれ蛇腹1011〜1014と共に構成されるエアースプリングを開閉するための車高調整弁としての役割を果たす電磁弁1111,1112,1113,1114がそれぞれ前置されている。これらのスプリング分岐配管601〜604における電磁弁1111〜1114は、2/2方向制御弁として構成されている。蓄圧器分岐配管605において、蓄圧器1015に対して、別の2/2方向制御弁の形の電磁弁1115が圧力補償弁として前置されている。これらの電磁弁1111〜1114は、スプリング・蓄圧器分岐配管601〜604又は605を用いて、共通の集積配管、すなわち、前述したギャラリ610とその次の別の空気圧配管600とに接続されている。このギャラリ610は、空気圧配管600を介して圧縮空気供給設備1000の圧縮空気コネクタ2と空気圧により接続している。ここでは、電磁弁1111〜1115は、5個の弁から成る弁ブロック1010として配置されている。これらの電磁弁は、図2では電流が流れていない状態で図示されており、この場合、電磁弁1111〜1115は、電流が流れていない閉じた電磁弁として構成されている。ここでは図示されていない別の修正実施構成は、これらの電磁弁の別の構成を実現することができ、弁ブロック1010の範囲内で、より少ない電磁弁を使用することもできる。
【0076】
この空気圧装置1001に空気を充填するために、蛇腹1011〜1014の前に配置された電磁弁1111〜1114及び/又は蓄圧器1015の前に配置された電磁弁1115は、開いた位置に切り換えられる。それにも関わらず、空気圧装置1001において、電磁弁1111〜1114又は11115の開いた位置では(及び閉じた位置でも)、この場合、逆止め弁311が解放されていないために、圧縮空気供給設備1000から切り離された空気圧装置1001の動作位置も可能である。言い換えると、逆止め弁311が閉じられている場合、電磁弁1111〜1114を任意に開閉することができ、そのため、空気圧装置1001の独立した動作が可能である。特に、(例えば、自動車のオフロード動作への)蛇腹1011〜1015の切換により、圧縮空気供給設備1000に圧力を加えること無く、蓄圧器1015から蛇腹1011〜1015への空気の充填又はギャラリ610を介した空気圧装置1001の圧力測定を行なうことができる。特に、空気乾燥機100は、逆止め弁311が圧縮空気コネクタ2から圧縮空気供給部1への空気の流れを阻止し、制御弁320が閉じているために、不必要に圧縮空気を加えられることから保護されている。有利な手法では、空気乾燥機100に圧縮空気を加えることは、空気圧装置1001の如何なる動作位置でも有利ではない。むしろ、空気乾燥機設備100の効果的で速い起動のためには、専ら圧縮空気コネクタ2から圧縮空気供給部1への空気圧装置1001の排気時に、(逆止め弁311を解放することにより)それを実施するのが有利である。そのために、前述した通り、制御弁320を開いた位置に切り換えて、それにより、排気弁312を開くとともに、逆止め弁311を解放する。空気圧装置1001の排気は、第1の絞り弁331と解放された逆止め弁311により空気乾燥機100を起動して、次に第2の絞り弁332と排気コネクタ3に対して開いた排気弁312により行なわれる。言い換えると、逆止め弁311を解放する操作と同時に、排気弁312を開く操作のために、例えば、段付きピストンとして実現できる、制御弁320によって空気圧により制御可能な制御ピストン314が配備されている。
【0077】
図4Aは、圧縮機400′を構成する第1の圧縮段401及び第2の圧縮段402を備えた二段式コンプレッサ400と電気モータ500の模式図を図示している。図4Bから明らかな通り、電気モータ500は、マイクロコントローラの形の制御器911と実行可能なコンピュータプログラム製品を備えたプログラムモジュール912とを備えた電子制御モジュール910を有する、図3に初めて図示されている制御装置900により駆動される。このプログラムモジュールは、制御モジュール910のメモリ913に保存することができる。さらに、この制御装置900は、駆動電流を調整するための第1の調整モジュール921とコンプレッサ用モータMの回転数を調整する第2の調整モジュール922とを有する。さらに、この制御装置900は、電気モータ500の駆動電流の時間的な推移からコンプレッサ用モータM又はコンプレッサ400の実際の回転数nK−ISTを算出するように構成された解析ユニット930を有する。スイッチング制御部901が、この制御装置900,900′に付設されている。このスイッチング制御部901は、電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を可変にプリセットするように構成されている。
【0078】
上記の制御装置900のユニットとモジュールを列挙した例は、特に、最終的なものではなく、むしろ制御装置900は、コンプレッサ400、特に、コンプレッサ用モータMの制御及び/又は調整を目的とするさらに別の制御ユニット、調整ユニット及び解析ユニットを備えることができる。さらに、図4Bに図示されたモジュールとユニットのグループ分けは、単なる例であり、制御・調整ユニット900の原理を図解することを意図している。
【0079】
制御装置900′の別の変化形態例が、図4Cに図示されている。同様に、スイッチング制御部901が、この制御装置900′に付設されている。このスイッチング制御部901は、電気モータ(500)に対するオン期間(t_ON)及び/又はオフ期間(t_OFF)を可変にプリセットするように構成されている。この制御装置は、図4Bの上記の制御・調整装置900と同様に、マイクロコントローラ又はそれと同等の物などの制御器911、プログラムモジュール912及びメモリ913を備えた上記の制御モジュール910を有する。さらに、この制御・調整装置900′の調整モジュール920は、コンプレッサ用モータMのスタートフェーズのための調整ユニット921を有する。特に、この調整ユニット921は、駆動電流IBの起動電流、すなわち、スタートフェーズAnPにおける駆動電流IBを調整するように構成されている。さらに、この調整モジュール920は、負荷フェーズLaPのための調整ユニット922を有する。特に、この調整ユニット922は、コンプレッサ用モータMの回転数nKを調整するように構成されている。さらに、調整モジュール920は、終了又はエンドフェーズAusPのための調整ユニット923を有する。特に、この調整ユニット923は、駆動電流IBの停止電流、すなわち、エンドフェーズAusPにおける駆動電流IBを調整するように構成されている。
【0080】
さらに、この解析ユニット930は、コンプレッサ用モータMのパラメータの実際値を検出するように構成されている。特に、この解析ユニット930は、コンプレッサ用モータMに対する実際値要求を切り換えるように構成された入力モジュール931を有する。別の入力モジュール932が、コンプレッサ用モータMの駆動電流IBの実際値を受信するように構成されている。別の入力モジュール933は、コンプレッサ用モータMの駆動電圧の値、特に、駆動電圧UBの実際値を受信するように構成されている。
【0081】
さらに、図4Cの制御・調整装置900′は、アクチュエータを切り換えるための切換ユニット940を有し、このユニット940は、それに適した数の半導体スイッチを備えている。特に、上記のマイクロコントローラ及び/又はアクチュエータの半導体スイッチの形の制御器911は、1つ以上のMOSFETモジュールに基づき構成することができる。
【0082】
制御及び/又は調整装置900,900′の機能が、場合によっては調整モジュール920と協働するように、主に(特に、制御器911の機能と実行可能なプログラムモジュール912の機能とを管理する)制御モジュール910と解析ユニット930とに組み込まれている。制御器11上で実行するために実装されているような制御モジュール910の機能は、主に3つのカテゴリー、すなわちスタートフェーズAnP、負荷フェーズLaP及びエンドフェーズAusPのための機能から成る。
【0083】
エンドフェーズAusPには、このエンドフェーズAusPにおける停止閾値電流のための機能が存在する。
【0084】
特にスタートフェーズAnP及びエンドフェーズAusP中に、異なる複数の時間区間が設けられ得る。これらの異なる時間区間の電流ランプ及び閾値電流、すなわちオン・オフ制限関数GFが、駆動電流IBに割り当てられている。一例に関しては、独国特許出願公開第102012024400号明細書を参照のこと。
【0085】
図5は、図2及び図3並びに図4a、図4b及び図4cに既に図式で示されているような、スイッチング制御部901(コントローラ)に結合している制御装置900(ホストシステムドライバ)の詳しい回路図である。したがって、電源501に接続されている電気モータ500を制御するための装置が、駆動電流IBを制御する。この図5は、制御装置900,900′とスイッチング制御部901との上記の接続を示す。さらに、当該制御装置は、フライバック経路902内にパワートランジスタFERとフライバックダイオードDとを有する。当該トランジスタでは、逆バイアス時に、特にフライバック経路内の電流制限素子を遮断すること、すなわち当該ダイオードを保護することが有益である。これに関しては、確かに、特に制御装置900,900′が、電流を技術的に制限するものの、ここと以下とでは、特にフライバック経路902内の電流制限要素を電流制限要素と呼ぶ点に留意すべきである。
【0086】
電気モータ500を制御するためには、一方では、電気モータ500の可能な限り速い起動を保証するように、駆動電流IBを十分に大きくしなければならず、他方では、図1に示された最大駆動電流IB−Maxと駆動電流IBの起動ランプ(ランプアップ)とが高すぎてはならず、又は急峻しすぎてはならないことがすぐに分かる。しかしながら、当該起動中のこの電力消費は、電気モータの特性とフランジを介して固定された圧縮機とに直接に依存し、直接の起動時に影響され得ない。図7による要求にかなった電力消費を得るためには、本発明の解決策が必要である。
【0087】
本発明から分かるように、この実施の形態では、駆動電流IBをオン期間t_ONの関数としてモデル化するように、制御装置900,900′が構成されている。このための一例が、下記の図7に示されている。
【0088】
駆動電流IBが、その制御及び調整に関連して遮断すると、当該遮断に関連する駆動電流IBに対する電磁誘導作用に起因して、電流が、その遮断プロセス中に過度に上昇し得る。この電流の過度な上昇は、フライバック経路902によって、すなわちパワートランジスタFETと組み合わせて設けられているフライバックダイオードDによって持ち堪えられなければならない、すなわち抵抗熱に変換されなければならない。ここでは損失エネルギーと呼ばれる当該損失は、いずれにしても高すぎてはならない。
【0089】
他方では、フライバック経路902は、予測される損失エネルギーに合わせて仕様設計される必要がある。本発明は、この損失エネルギーが駆動電流IBのモデル化によってオフ期間t_OFFの関数として適切にモデル化され得ることを確認した。その結果、一方では、フライバック経路902の適切な仕様設計と、当該損失エネルギーの減少とが可能である。1つの実施の形態のこの例では、駆動電流IB(t_OFF)が、当該フライバック経路に通電する損失電流として記号で示されている。
【0090】
オン期間t_ON及びオフ期間t_OFFが、制御装置900,900′とスイッチング制御部901との結合から成る制御部の制御調整ループR900内に調整変数として記号で示されている。
【0091】
本発明の思想によれば、駆動電流IBに対する測定値及び駆動電圧UBに対する測定値が、実際の値IB_IST及びUB_ISTとしてスイッチング制御部901に供給されることが、この実施の形態で提唱されている。このスイッチング制御部901は、当該実際の値IB_IST及びUB_ISTに応じて、オン期間t_ONとオフ期間t_OFFとを設定する動的に変化可能な制御信号CSを決定する。
【0092】
基本的には、この制御信号CSは、通電される駆動電流IB_ISTと印加される駆動電圧UB_ISTとに応じて、完全に動的にモデル化され得る。しかしながら、オン期間t_ONとオフ期間t_OFFとが、所定の期間に対して変数として、しかし一定にプリセットされてもよい。
【0093】
基本的には、例えばスタートフェーズ(ランプアップ)中に、オン期間を、モータ500のための増大すべき駆動電流のプリセット可能なランプに対して、増大する値を用いて変数として一定にプリセットし、オフ期間t_OFFを、通電される駆動電流IBの関数として動的に可変にモデル化すると、有益であることが実証されている。換言すると、例えば図7に示されているように、例えばオン期間t_ONの線形な増大が、モータ500のランプアップに対して設定される。その結果、閾値電流制限関数が、モータ500を起動させるための線形特性として得られる。このため、フライバック経路902が調整されている。同時に、余分な電流ピークが、抵抗熱としてこのフライバック経路902内で散逸され得る。さらに、駆動電流IB(t_OFF)が、オフ期間の関数としてこのフライバック経路内で制限され得る。その結果、このフライバック経路902内の散逸エネルギーが制限される。
【0094】
すなわち、制御信号CSは、オフ期間t_OFFとオン期間t_ONとを組み合わせることによって、モータ500のリミッタ電流ランプを可能な限り高い電流振幅で、且つ同時に比較的速く立ち上げようとする要求と、それにもかかわらず可能な限り少ないエネルギーをフライバック経路902内で散逸させようとする要求との間の妥協点を示す。
【0095】
ここでは、図5に好適な実施の形態に基づいて説明されているように、本発明の思想は、適切であることが実証されていて、特に当該フライバック経路内の構成要素の目的にあった仕様設計を可能にする。その結果、過剰寸法が回避され、したがってコスト削減に活かせられ得る。
【0096】
図6は、スイッチング制御部901内で結合された、調整ループR900内の可変であるが一定のプリセット値としてのオン期間t_ONの複数の関数の省略符号で示された組み合わせと、当該制御調整ループR900内の動的に可変な変数としての、駆動電流に依存するオフ期間t_OFFの構成とを例として示す。さらに、オン期間t_ONは、駆動電流に依存する構成として動的に可変な変数で使用されてもよい。
【0097】
制御信号CSは、電気モータ500用の制御装置900,900′に伝送され、この電気モータ500のオン・オフ特性を−言わば時間変数のPWM信号として−決定する。特にモータ500の動作モードが、この方法によって最適化され得る。すなわち、モータ500が、最適なスタート速度で始動するように、オン期間t_ONが、最適に設定され得る。つまり、駆動電流IBの対応する電流ランプ及び電流振幅が、限界許容値の範囲内にある。
【0098】
さらに、フライバック経路902内のエネルギー散逸が、オフ期間t_OFFの構成によって当該構成要素の仕様の限界まで増大され得る。したがって、図5と共に図6に示されたアルゴリズムが、相いれない比較的それほど過剰でない寸法であり、それ故に費用のかからない構成要素を組み込もうとする要求と、それにもかかわらず電流振幅及び勾配を十分に制限しようとする要求とを保証する。
【0099】
図7は、ランプアップフェーズに対する測定の実例、すなわち上記による電気モータ500の起動を示す。さらに、図7は、アンペアを単位とする駆動電流IBを、秒を単位とする時間tの関数として示す。まず、GRADによって示された駆動電流IBに対するスタート包絡線E(IB)の勾配、すなわちこの勾配の閾値電流制限関数GFが認識可能である。
【0100】
駆動電流IB自体が、時間の関数として連続する複数の振幅ピークを示す。これらの振幅ピークは、上記のスタート包絡線E(IB)によって示され得、このスタート包絡線E(IB)の下に存在し、さらに上記のランプGRADに追従する。
【0101】
下記の方法は、複数のオン期間t_ONを規定する。これらのオン期間t_ONは、駆動電流IBの関数として、この例では、好ましくは4つの時間フェーズAnP1,AnP2,AnP3及びAnP4によって可変に動的に規定されていて予め設定されている。特に、駆動電流IBが、オン期間t_ON中にスイッチング制御部901によって、すなわち制御装置900内の制御モジュール910の既に説明したプログラムモジュール912と制御器911とによって、連続して取得されるか又はフィードバック測定され、制御信号CSに結合される。これに関しては、独国特許出願公開第102012024400号明細書−特に、当該明細書の図5図9に示されているような例示された方法−を参照のこと。降下する電流を伴う負荷フェーズLaPが、スタートフェーズAnP4後に続く。この負荷フェーズLaPでは、電気モータ500が、定格運転状態にある。
【0102】
オフ期間t_OFFが、駆動電流IBの関数として4つの時間フェーズAnP1,AnP2,AnP3及びAnP4におけるスタートフェーズ(ランプアップフェーズ)中に可変に動的に変更可能である。特に好ましくは、複数のオフ期間又はそれぞれのオフ期間t_OFFが実行される。これらのオフ期間又はそれぞれのオフ期間t_OFFは、適切に発生する駆動電流IBの値を有する時間フェーズAnP1,AnP2,AnP3及びAnP4に割り当てられる。その結果、散逸エネルギーが、それぞれの時間フェーズAnP1,AnP2,AnP3及びAnP4ごとに可能な限り少なく、且つそれぞれの場合においてフライバック経路で使用される構成要素の負荷限界値の下に保持される。したがって、フライバック経路902の過熱又はこのフライバック経路902内の当該構成要素の故障が確実に回避される。このフライバック経路902は、電流限界を守るためにこのフライバック経路902の機能を実現させる、すなわち長期間にわたって保証する。
【0103】
具体的に言うと、電気モータの駆動電流IBが、800μsの第1のスタート時間区間AnP1内に依然として比較的小さく、30A〜40Aの範囲内にある。ここでは、30Aの比較的小さいスタート電流で、且つ上記の300A/s未満の電流勾配の場合に、t_OFF=800μsの比較的長いオフ期間が可能である。したがって、基本的には、オフ期間t_OFFは、変数fixとしてモデル化され得、例えば800μsの値に設定され得る。
【0104】
同様に、別のスタート時間区間AnP2,AnP3及びAnP4内でも、オフ期間t_OFFの適合された減少値が、変数として、しかし一定に設定されるか、又は駆動電流の関数として可変に動的に適合される。駆動電流が、70Aまで増大する場合、当該減少値は、第2のスタート時間区間AnP2内で600μsであり、第3のAnP3内で400μsであり、第4のAnP4内で200μsである。さらに、オフ期間t_OFFのこの延長は、フライバック経路902内のエネルギー散逸を減少させる。回転数制御の場合には、降下する電流の場合にも、当該フライバック経路の負荷を可能な限り小さく維持するため、オフ期間t_OFFのこの値が、200μsに等しく保持される。
【0105】
図8は、温度上昇の計算の第1の例を、ランプダウンフェーズ中の、すなわち電気モータと対応する制御部とのオフ過程中のオフ期間t_OFFの関数として示す。変化が、1000μsを中心とした時間範囲内で認識可能である場合でも、当該エネルギー散逸が、非常に大きく増大することなしに、フライバック経路内のエネルギー散逸が、200μsと800μsとの間のオフ期間t_OFFの図示された領域内で制御される。
【0106】
いずれにしても、フライバック経路902内の全ての構成要素の温度上昇は、40度ケルビンを超えていない。その結果、周囲温度が80℃の場合に、FET又はダイオード内で予測される最大温度は、例えば130℃である。FETのスイッチング過程中の最大温度は、最大で175℃であり、超えられない。
【0107】
図9の上の領域は、ミリ秒を単位とするランプGRADを関数として示し、フライバック経路902内の温度上昇を、ミリ秒を単位とするオフ期間t_OFFの関数として示す。
【0108】
300A/s未満の電流ランプの制御範囲内と、t_OFF=200〜800μsの制御可能なオフ期間の範囲内(すなわち、図7の例に対して)とでは、35ケルビンの下の理論的な温度上昇だけが認識可能である。その結果、周囲温度が80℃の場合に、構成要素(FET又はダイオードD)内で予測される最大温度は、最高で125℃である。FET又はダイオードに対する175℃の最大スイッチング過程温度は超えられない。
【0109】
したがって、制御装置900,900′とスイッチング制御部901との制御調整ループによる電気モータ500の運転が、特に圧縮機のコンプレッサの動作に対する動的に可変なPWM制御と電気モータの誘導性負荷の制限とを、すなわち特に始動時の当該圧縮機の動特性を最適化しつつ、同時に散逸性のエネルギー損失を回避しつつ最終的に可能にすることを、図7に例示され、図8及び図9で実証された結果は示す。当該思想は、フライバック経路内の適切に仕様設計された構成要素が過度に過剰に寸法決めされる必要なしに、当該構成要素の持続し且つ長期間にわたる使用を可能にする。その結果、全体として、電気モータ500と圧縮機400,400′とに対する著しいコストの削減と効率的な寸法取りとが達成され得る。
【符号の説明】
【0110】
0 空気供給部
0.1 フィルタ部品
1 圧縮空気供給部
2 圧縮空気コネクタ
3 排気コネクタ
100 空気乾燥機
100′ 乾燥モジュール
140 乾燥容器
180 空気乾燥機
200 空気圧主配管
230 分岐配管
240 排気配管
250 空気圧制御配管
251 配管区間
260 排気配管
261 分岐コネクタ
300 弁装置
301 フランジ
301′ 空気配分モジュール
310 方向制御弁装置
310′ 弁筐体モジュール
311 逆止め弁
312 排気弁
313 圧力制限部
314 ピストン
315 スプリング
320 電磁弁、制御弁
321 制御線
322 コイル
330 ブースタ弁
330′ ブースタ弁筐体モジュール
331 第1の絞り弁
332 第2の絞り弁
400 コンプレッサ
400′ 圧縮機
401 第1の圧縮段
402 第2の圧縮段
500 電気モータ
600 空気圧配管
601,602,603,604 スプリング分岐配管
605 蓄圧器分岐配管
610 ギャラリ
700 サスペンション
710 スプリング支持部
720 固定コネクタ
900,900′ 制御装置、調整装置
901 スイッチング制御部
902 電流制限素子(フライバック経路)
910 制御モジュール
911 制御器
912 プログラムモジュール
913 メモリ
920 調整モジュール
921 第1の調整ユニット
922 第2の調整ユニット
923 第3の調整ユニット
930 解析ユニット
931,932,933 入力モジュール
940 アクチュエータ
1000 圧縮空気供給設備
1001 空気圧装置
1002 圧縮空気供給システム
1010 弁ブロック
1011,1012,1013,1014 4つの蛇腹
1015 蓄圧器
1111,1112,1113,1114 電磁弁
A1,A2 コネクタ面、コネクタ側面
AnP スタートフェーズ
AnP1 第1のスタート時間区間
AnP2 第2のスタート時間区間
AnP3 第3のスタート時間区間
AnP4 第4のスタート時間区間
LaP 負荷フェーズ
AusP エンドフェーズ
G 筐体装置
GF 閾値電流制限関数
Grad 勾配
IB 駆動電流
E(IB) 包絡線
M コンプレッサ用モータ、電気モータ
CS 制御信号
UB 駆動電圧
t 時間
t_ON オン期間
t_OFF オフ期間
PWM PWM特性曲線
R 制御ループ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9