特許第6875312号(P6875312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875312
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】作業機システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/414 20060101AFI20210510BHJP
   G05B 19/409 20060101ALI20210510BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   G05B19/414 Q
   G05B19/409 C
   G05B19/418 Z
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-74502(P2018-74502)
(22)【出願日】2018年4月9日
(62)【分割の表示】特願2015-542446(P2015-542446)の分割
【原出願日】2013年10月17日
(65)【公開番号】特開2018-133099(P2018-133099A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2018年4月11日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100115646
【弁理士】
【氏名又は名称】東口 倫昭
(72)【発明者】
【氏名】小川 正
(72)【発明者】
【氏名】古川 和也
(72)【発明者】
【氏名】野田 宏樹
【審査官】 松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−317101(JP,A)
【文献】 特開2013−030641(JP,A)
【文献】 特開2007−310785(JP,A)
【文献】 特開2000−315103(JP,A)
【文献】 特開2000−322118(JP,A)
【文献】 特開平05−346811(JP,A)
【文献】 特開2008−197856(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0144404(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18 − 19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と、該制御装置に電気的に接続されるタッチパネルである操作盤と、を各々が有する複数の作業機と、
複数の該作業機を互いに電気的に接続するネットワークと、
を備える作業機システムであって、
前記制御装置および前記ネットワークのうち、少なくとも一方に、タッチパネルを有する無線端末を、無線で電気的に追加接続可能であり、
追加接続された該無線端末のタッチパネルの画面には、複数の前記作業機の各々が備える前記操作盤の全画面に表示されたもの毎に切り換えて、そのまま単一で遠隔表示可能であり、
該無線端末のタッチパネルの画面に切り換えてそのまま単一で遠隔表示された、複数の該作業機の各々が備える該操作盤の全画面に表示されたものは、作業者がタッチすることにより操作可能であり、
前記作業機システムは、複数の該作業機と、該ネットワークと、を有する生産ラインを複数備え、
該無線端末は、複数の該生産ラインの各々に対して無線で接続して共用化され使用されるものであり、複数の該生産ラインが備える複数の該作業機が備える該操作盤の全画面に表示されたもの毎に切り換えて、そのまま単一で遠隔表示可能であることを特徴とする作業機システム。
【請求項2】
前記無線端末のタッチパネルの画面には、複数の前記作業機の情報が一覧で表示された画面が、切り換えて表示され、
作業者が、該画面に一覧で表示された複数の該作業機の該情報のうち、所望の該作業機の該情報に触れることにより、
該情報に関連する該作業機の前記操作盤の全画面に表示されたものが、該無線端末のタッチパネルの画面にそのまま単一で遠隔表示される請求項1に記載の作業機システム。
【請求項3】
複数の前記生産ラインの各々は、前記無線端末が接続される電波エリアを設定可能であり、
複数の該生産ラインの複数の該電波エリアのうち、特定の該電波エリアに該無線端末が入っている場合に、該無線端末は特定の該電波エリアの該生産ラインに接続される請求項1または請求項2に記載の作業機システム。
【請求項4】
前記生産ラインを構成する複数の前記作業機の各々が備える前記操作盤は、前記制御装置および前記ネットワークのうち、少なくとも一方に無線で電気的に接続された状態で該作業機に対して着脱可能であり、
複数の該作業機の該操作盤は、各々が、該作業機に取り付けられた状態および該作業機から取り外された状態において、該操作盤の画面に、該操作盤以外の操作盤の全画面を遠隔表示し、
該操作盤の画面に遠隔表示した、該操作盤以外の操作盤の全画面に表示されたものに、作業者がタッチすることにより、該画面が操作可能である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の作業機システム。
【請求項5】
複数の前記作業機は、ワークに対して所定の加工を施す同種の工作機械である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の作業機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、工作機械、電子部品実装機、スクリーン印刷機などの作業機を複数備える作業機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のCNC(Computer Numerical Control)工作機械と、ネットワークと、PC(Personal Computer)と、を備える管理システムが開示されている。CNC工作機械の操作パネル部には、複数の操作ボタンが配置されている。PCの画面には、複数の操作アイコンが表示されている。操作パネル部の操作ボタンと、PCの画面の操作アイコンと、は機能ごとに対応している。作業者は、PCの画面の操作アイコンを介して、CNC工作機械を遠隔操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−315103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同文献の管理システムによると、作業者がCNC工作機械を遠隔操作する際に、PCが必須だった。言い換えると、PCが無い場合、作業者は、所望のCNC工作機械を遠隔操作することができなかった。また、同文献には、所望のCNC工作機械の情報を、PCの画面に遠隔表示することに関する記載はない。
【0005】
また、特許文献1の管理システムの場合、CNC工作機械の操作パネル部の操作ボタンと、PCの画面の操作アイコンと、は機能ごとに対応しているだけである。このため、作業者は、CNC工作機械を遠隔操作する際に、PCの画面の複数の操作アイコンの中から、所望の操作に対応する操作アイコンを、探し出す必要があった。すなわち、CNC工作機械の直接操作および遠隔操作を円滑に行うためには、作業者は、CNC工作機械の操作パネル部の操作ボタンの配置、およびPCの画面の操作アイコンの配置の双方に、慣れる必要があった。
【0006】
そこで、本発明は、簡単に所望の作業機を遠隔操作可能であり、かつ所望の作業機の情報を遠隔表示可能な作業機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本発明の作業機システムは、制御装置と、該制御装置に電気的に接続されるタッチパネルと、を各々が有する複数の作業機と、複数の該作業機を互いに電気的に接続するネットワークと、を備える作業機システムであって、前記制御装置および前記ネットワークのうち、少なくとも一方に、タッチパネルを有する無線端末を、無線で電気的に追加接続可能であり、追加接続された該無線端末の該タッチパネルは、複数の前記作業機の各々の前記タッチパネルに表示される画面を、該画面毎に切り換えて表示可能であり、該無線端末の該タッチパネルに表示された該画面は、操作可能であることを特徴とする。
【0008】
本発明の作業機システムによると、無線端末と作業機との間で、通信を行うことができる。また、無線端末のタッチパネルに、所望の作業機(単一でも複数でもよい)のタッチパネルの画面を、そのまま表示することができる。このため、作業者は、無線端末のタッチパネルを介して、所望の作業機のタッチパネルの画面の情報を、視認することができる。また、作業者は、無線端末のタッチパネルを介して、所望の作業機のタッチパネルの画面を、操作することができる。このように、本構成によると、作業者は、無線端末のタッチパネルの画面を、あたかも作業機のタッチパネルの画面として、取り扱うことができる。
【0009】
このため、作業者は、簡単に、所望の作業機を、当該作業機以外の場所から操作することができる。すなわち、作業者は、簡単に、所望の作業機を遠隔操作することができる。また、作業者は、簡単に、所望の作業機の情報を、当該作業機以外の場所で視認することができる。すなわち、作業機システムは、簡単に、所望の作業機の情報を遠隔表示することができる。
【0010】
【0011】
(2)上記(1)の構成において、複数の前記作業機は、同種の作業機である構成とする方がよい。
【0012】
(3)上記(1)または(2)の構成において、前記無線端末の前記タッチパネルには、複数の前記作業機の名称が表示され、作業者が所望の該作業機の該名称に触れることにより、該名称に関連する該作業機の前記タッチパネルの画面が、該無線端末の該タッチパネルにそのまま表示される構成とする方がよい。
【0013】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、複数の前記作業機の各々の前記タッチパネルは、前記制御装置および前記ネットワークのうち、少なくとも一方に無線で電気的に接続された状態で前記作業機に対して着脱可能であり、複数の該タッチパネルは、各々が、該作業機に取り付けられた状態および該作業機から取り外された状態において、操作可能である構成とする方がよい。本構成によると、作業者は、タッチパネルを作業機から取り外して使用することができる。
【0014】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、複数の前記作業機と、前記ネットワークと、を有する複数の生産ラインを備え、複数の該生産ラインは、各々、電波エリアを設定可能であり、所望の該生産ラインの該電波エリアに前記無線端末が入っている場合、該無線端末は該生産ラインに無線で電気的に接続されている構成とする方がよい。本構成によると、作業者は、生産ラインごとに、簡単に、所望の作業機を遠隔操作することができる。また、作業機システムは、生産ラインごとに、簡単に、所望の作業機の情報を遠隔表示することができる。
【0015】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記無線端末の前記タッチパネルに表示された前記画面の操作は、前記作業機のプログラム編集、設定編集、カウンタリセットのうち少なくとも一つである構成とする方がよい。
【0016】
ここで、「プログラム編集」には、例えば、プログラムの追加や削除、特定のプログラムデータの変更などが含まれる。また、「設定編集」には、例えば、システムパラメータの変更、加工プログラムで使用する変数の変更、加工精度をコントロールするパラメータの変更などが含まれる。また、「カウンタリセット」には、例えば、ワーク加工数カウンタのリセット、工具寿命カウンタのリセット、生産管理用のカウンタのリセットなどが含まれる。本構成によると、作業者は、任意の作業機のタッチパネルの画面を介して、他の作業機のプログラム編集、設定編集、カウンタリセットを行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、簡単に所望の作業機を遠隔操作可能であり、かつ所望の作業機の情報を遠隔表示可能な作業機システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の作業機システムの一実施形態である作業機システムの全体図である。
図2図2は、無線端末のタッチパネルの画面の切換図である。
図3図3は、無線親機設定画面である。
図4図4は、制御装置設定画面である。
図5図5は、一覧表示画面である。
図6図6は、詳細表示画面である。
図7図7は、プログラム表示画面である。
図8図8は、プログラム編集画面である。
図9図9は、入力画面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の作業機システムの実施の形態について説明する。
【0020】
<作業機システムの構成>
まず、本実施形態の作業機システムの構成について説明する。図1に、本実施形態の作業機システムの全体図を示す。図1に示すように、本実施形態の作業機システム1は、三つの生産ライン9a〜9cと、無線端末4と、を備えている。
【0021】
生産ライン9aは、六つの作業機2と、ネットワーク3と、を備えている。作業機2は、CNC工作機械である。六つの作業機2は、各々、生産ライン9aを流れるワーク(図略)に対して、段階的に所定の加工を施している。作業機2は、制御装置20と、操作盤21と、を備えている。制御装置20は、作業機2を制御している。操作盤21は、制御装置20に、無線で電気的に接続されている。操作盤21は、作業機(具体的には、作業機のハウジング)に対して、着脱可能である。操作盤21は、タッチパネル210を備えている。作業者は、タッチパネル210を介して、作業機2の情報を視認することができる。また、作業者は、タッチパネル210を介して、作業機2を操作することができる。
【0022】
ネットワーク3は、有線LAN(Local Area Network)である。六つの作業機2は、ネットワーク3を介して、互いに電気的に接続されている。ネットワーク3は、無線親機(図略)を備えている。無線親機は、無線LANアクセスポイントである。無線親機は、無線LANと、有線LANと、の接続機能を有している。生産ライン9b、9cの構成は、作業機2の配置数が異なる点以外、生産ライン9aの構成と同様である。
【0023】
無線端末4は、タブレットPCである。無線端末4は、無線子機(図略)を備えている。無線端末4は、三つの生産ライン9a〜9c(具体的には、三つのネットワーク3)の各々に対して、無線LANを介して、電気的に接続可能である。すなわち、無線端末4は、三つの生産ライン9a〜9cに対して、共用化されている。無線端末4は、タッチパネル40を備えている。
【0024】
<作業機システムの画面>
次に、本実施形態の作業機システムの画面について説明する。本実施形態の作業機システム1によると、無線端末4のタッチパネル40に、任意の生産ライン9a〜9c(単一でも複数でもよい)の任意の作業機2(単一でも複数でもよい)のタッチパネル210の画面を、そのまま表示することができる。このため、作業者は、タッチパネル40を介して、任意のタッチパネル210の画面の情報(つまり任意の作業機2の情報)を視認することができる。また、作業者は、タッチパネル40を介して、任意のタッチパネル210の画面(つまり任意の作業機2の画面)を操作することができる。
【0025】
また、本実施形態の作業機システム1によると、任意の作業機2のタッチパネル210に、任意の生産ライン9a〜9c(単一でも複数でもよい)の他の作業機2(単一でも複数でもよい)のタッチパネル210の画面を、そのまま表示することができる。このため、作業者は、任意のタッチパネル210を介して、他のタッチパネル210の画面の情報(つまり他の作業機2の情報)を視認することができる。また、作業者は、任意のタッチパネル210を介して、他のタッチパネル210の画面(つまり他の作業機2の画面)を操作することができる。
【0026】
以下、無線端末4のタッチパネル40に、生産ライン9aの任意の作業機2のタッチパネル210の画面を表示する場合について説明する。なお、任意の作業機2のタッチパネル210に、他の作業機2のタッチパネル210の画面を表示する場合も、同様である。
【0027】
まず、設定画面を切換表示する場合について説明する。図2に、無線端末のタッチパネルの画面の切換図を示す。図3に、無線親機設定画面を示す。図4に、制御装置設定画面を示す。図2に示すように、無線端末4のタッチパネル40には、図3に示す無線親機設定画面S1と、図4に示す制御装置設定画面S2と、を切り換えて表示可能である。無線親機設定画面S1、制御装置設定画面S2は、各々、本発明の「画面」に概念に含まれる。
【0028】
図3に示すように、無線親機設定画面S1には、図1に示す生産ライン9a〜9cごとに、ネットワークアドレスS10と、ライン名称S11と、パスワードS12と、制御装置数(つまり作業機数)S13と、閉ボタンS14と、が表示されている。作業者は、無線親機設定画面S1を介して、無線端末4を任意の生産ライン9a〜9c(ネットワーク3)に、接続することができる。また、作業者は、無線親機設定画面S1を介して、生産ライン9a〜9cに対する無線端末4の接続情報を、視認することができる。作業者が閉ボタンS14にタッチすることにより、図3に示す無線親機設定画面S1を、図4に示す制御装置設定画面S2に、切り換えることができる。
【0029】
図4に示すように、制御装置設定画面S2には、図1に示す生産ライン9aの六つの作業機2の制御装置20のうち、上流側(左側)から三つの作業機2の制御装置20の設定が表示されている。具体的には、制御装置20ごとに、ネットワークアドレスS20と、制御装置名称S21と、表示IDS22と、が表示されている。なお、「表示ID」とは、後述する図5に示す一覧表示画面S3における、各制御装置20の配置場所のことである。作業者は、制御装置設定画面S2を介して、任意の制御装置20の設定(例えば、表示IDの変更、一覧表示画面S3に表示する制御装置20の選択など)を行うことができる。また、作業者は、制御装置設定画面S2を介して、制御装置20の設定を、視認することができる。作業者が閉ボタンS23にタッチすることにより、図4に示す制御装置設定画面S2を、図3に示す無線親機設定画面S1に、切り換えることができる。
【0030】
次に、表示画面を切換表示する場合について説明する。図5に、一覧表示画面を示す。図6に、詳細表示画面を示す。図7に、プログラム表示画面を示す。図2に示すように、無線端末4のタッチパネル40には、図5に示す一覧表示画面S3と、図6に示す詳細表示画面S4と、図7に示すプログラム表示画面S5と、を切り換えて表示可能である。一覧表示画面S3、詳細表示画面S4、プログラム表示画面S5は、各々、本発明の「画面」の概念に含まれる。
【0031】
図5に示すように、一覧表示画面S3には、図1に示す生産ライン9aの六つの作業機2の情報が、一覧形式(2行×3列)で表示されている。すなわち、一覧表示画面S3には、六つの作業機欄S30が表示されている。作業機欄S30には、作業機2の稼働率、ワーク加工用の工具の寿命到達時刻が表示されている。また、作業機欄S30には、作業機2の状態に応じて、稼働マークS31、警告マークS32、異常停止マークS33が、適宜、表示される。稼働マークS31は、作業機2が稼働中であることを意味する。警告マークS32は、作業機2がメンテナンス時期等であり、稼働はしているものの軽度の異常があることを意味する。異常停止マークS33は、作業機2に重度の異常があり、かつ作業機2が停止中であることを意味する。作業者が詳細ボタンS34にタッチすることにより、図5に示す一覧表示画面S3を、図6に示す詳細表示画面S4に、切り換えることができる。作業者が所望の作業機欄S30にタッチすることにより、図5に示す一覧表示画面S3を、所望の作業機2の、図7に示すプログラム表示画面S5に、切り換えることができる。
【0032】
図6に示すように、詳細表示画面S4には、図5に示す一覧表示画面S3の内容が、表形式で表示されている。すなわち、詳細表示画面S4には、制御装置20ごとに、制御装置名称S40と、異常停止マークS41と、警告マークS42と、稼働マークS43と、稼働率S44と、寿命到達時刻S45と、サイクルタイムS46と、リストボタンS47と、が表示されている。各データは、制御装置20ごと(つまり作業機2ごと)に、昇順または降順に並び替えることができる。作業者がリストボタンS47にタッチすることにより、図6に示す詳細表示画面S4を、図5に示す一覧表示画面S3に、切り換えることができる。作業者が所望の制御装置名称S40にタッチすることにより、図6に示す詳細表示画面S4を、所望の作業機2の、図7に示すプログラム表示画面S5に、切り換えることができる。
【0033】
図7に示すように、プログラム表示画面S5には、任意の制御装置20に格納されているプログラムS50と、編集ボタンS51と、ホームボタンS52と、が表示されている。作業者がホームボタンS52にタッチすることにより、図7に示すプログラム表示画面S5を、一つ前の画面(図5に示す一覧表示画面S3または図6に示す詳細表示画面S4)に、切り換えることができる。
【0034】
次に、操作画面を切換表示する場合について説明する。図8に、プログラム編集画面を示す。図9に、入力画面を示す。図2に示すように、無線端末4のタッチパネル40には、図8に示すプログラム編集画面S6と、図9に示す入力画面S7と、を切り換えて表示可能である。プログラム編集画面S6、入力画面S7は、各々、本発明の「画面」の概念に含まれる。作業者が図7に示す編集ボタンS51にタッチすることにより、図7に示すプログラム表示画面S5を、図8に示すプログラム編集画面S6に、切り換えることができる。
【0035】
図8に示すように、プログラム編集画面S6には、プログラムS60と、保存ボタンS61と、キーボード表示ボタンS62と、が表示されている。作業者が図8に示すキーボード表示ボタンS62にタッチすることにより、図8に示すプログラム編集画面S6を、図9に示す入力画面S7に、切り換えることができる。図9に示すように、入力画面S7には、プログラムS70と、キーボードS71と、入力欄S72と、挿入ボタンS73と、閉ボタンS74と、が表示されている。
【0036】
プログラムS60、S70の編集は、以下の手順で行われる。まず、作業者が、図9に示すプログラムS70の編集希望データ(本例では、図9に点線枠で囲む「X−50」)にタッチする。当該タッチにより、編集希望データは、編集可能な状態になる。次に、作業者が、編集希望データの更新内容(本例では、「X−30」)を、キーボードS71を用いて、入力欄S72に入力する。続いて、作業者が、挿入ボタンS73にタッチする。当該タッチにより、プログラムS70の編集希望データが、「X−50」から「X−30」に、書き換えられる。その後、作業者が閉ボタンS74にタッチすることにより、図9に示す入力画面S7を、図8に示すプログラム編集画面S6に、切り換える。最後に、作業者が図8に示す保存ボタンS61にタッチすることにより、編集後のプログラムS60が制御装置20に格納される。
【0037】
<作用効果>
次に、本実施形態の作業機システムの作用効果について説明する。本実施形態の作業機システム1によると、図1図2に示すように、無線端末4のタッチパネル40に、所望の作業機2の操作盤21のタッチパネル210の画面S1〜S7を、そのまま表示することができる。このため、作業者は、無線端末4のタッチパネル40を介して、所望の作業機2のタッチパネル210の画面S1〜S7の情報を、視認することができる。また、作業者は、無線端末4のタッチパネル40を介して、所望の作業機2のタッチパネル210の画面S1〜S7を、操作することができる。
【0038】
このように、本実施形態の作業機システム1によると、作業者は、無線端末4のタッチパネル40の画面S1〜S7を、あたかも所望の作業機2のタッチパネル210の画面S1〜S7として、取り扱うことができる。このため、作業者は、簡単に、所望の作業機2を遠隔操作することができる。例えば、図8図9に示すプログラムS60、S70の編集、設定の編集、ワーク加工数カウンタのリセット、工具寿命カウンタのリセットなどを、操作対象である作業機2から離れた場所で、簡単に、実行することができる。また、作業機システム1は、簡単に、所望の作業機2の情報を遠隔表示することができる。
【0039】
同様に、本実施形態の作業機システム1によると、任意の作業機2の操作盤21のタッチパネル210に、他の作業機2の操作盤21のタッチパネル210の画面S1〜S7を、そのまま表示することができる。このため、作業者は、任意の作業機2のタッチパネル210を介して、他の作業機2のタッチパネル210の画面S1〜S7の情報を、視認することができる。また、作業者は、任意の作業機2のタッチパネル210を介して、他の作業機2のタッチパネル210の画面S1〜S7を、操作することができる。
【0040】
また、本実施形態の作業機システム1によると、図1に示すように、作業者は、生産ライン9a〜9cごとに、簡単に、所望の作業機2を遠隔操作することができる。また、作業機システム1は、生産ライン9a〜9cごとに、簡単に、所望の作業機2の情報を遠隔表示することができる。
【0041】
また、本実施形態の作業機システム1によると、図1に示す操作盤21つまりタッチパネル210は、作業機2に対して、着脱可能である。このため、作業者は、ちょうど無線端末4のように、操作盤21を作業機2から取り外して使用することができる。
【0042】
また、本実施形態の作業機システム1によると、図5に示すように、生産ライン9aに属する全ての作業機2の情報を、単一の一覧表示画面S3に並置することができる。このため、作業者は、各作業機2の状態を視認しやすい。また、作業者は、複数の作業機2同士の状態を比較しやすい。
【0043】
また、本実施形態の作業機システム1によると、図6の詳細表示画面S4に示すように、生産ライン9aに属する全ての作業機2の情報を、表形式で表示することができる。このため、作業者は、各作業機2の状態を視認しやすい。また、作業者は、複数の作業機2同士の状態を比較しやすい。
【0044】
また、本実施形態の作業機システム1によると、作業者が、図6の詳細表示画面S4の各データを、昇順または降順に並び替えることができる。このため、作業者は、各作業機2の状態を視認しやすい。また、作業者は、複数の作業機2同士の状態を比較しやすい。
【0045】
また、本実施形態の作業機システム1によると、図1に示すように、生産ライン9a〜9cのネットワーク3に無線親機が配置されている。一方、無線端末4に無線子機が配置されている。このため、無線端末4を保有する作業者は、接続したい生産ライン9a〜9cを、自由に選択することができる。また、図3に示す設定を予め行うことにより、無線端末4を保有する作業者が、所望の生産ライン9a〜9cの電波エリアに入っただけで、自動的に、無線端末4と、所望の生産ライン9a〜9cと、を接続することができる。また、自動的に、所望の生産ライン9a〜9cのデータを、無線端末4に収集することができる。
【0046】
<その他>
以上、本発明の作業機システムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0047】
図1に示す無線端末4の種類は特に限定しない。例えば、PC、タブレットPC、ノートPC、スマートフォン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などであってもよい。無線端末4は、携帯性に優れるモバイル端末(タブレットPC、ノートPC、スマートフォン、携帯電話、PDAなど)である方がよい。無線子機のタイプは特に限定しない。USB(Universal Serial Bus)タイプ、カードタイプ、イーサネット(登録商標)コンバータタイプなどであってもよい。
【0048】
作業機2の種類は特に限定しない。ワークを加工する工作機械(マシニングセンタ、旋盤、フライス盤、ボール盤、ミーリングセル)、基板にはんだを印刷するスクリーン印刷機、基板に電子部品を実装する電子部品実装機などであってもよい。また、単一の生産ライン9a〜9c内における複数の作業機の種類の異同は特に限定しない。単一の生産ライン9a〜9cに、同種の作業機2が配置されていてもよい。単一の生産ライン9a〜9cに、異種の作業機2が配置されていてもよい。生産ライン9a〜9cの配置数は、単一でも複数でもよい。
【0049】
また、図1に示すネットワーク3の少なくとも一部を、無線接続してもよい。こうすると、ネットワーク3の全てが有線接続である場合と比較して、作業機2のレイアウトの自由度が高くなる。また、作業機2の配置数の増減が容易である。
【0050】
また、図5の一覧表示画面S3、図6の詳細表示画面S4における制御装置20(つまり作業機2)の表示数は特に限定しない。生産ライン9a〜9cに属する全ての制御装置20を表示してもよい。また、生産ライン9a〜9cに属する一部の制御装置20だけを表示してもよい。また、図1に示す無線端末4と作業機2とが、ネットワーク3を介さずに、電気的に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1:作業機システム、2:作業機、3:ネットワーク、4:無線端末、9a〜9c:生産ライン、20:制御装置、21:操作盤、40:タッチパネル、210:タッチパネル、S1:無線親機設定画面(画面)、S10:ネットワークアドレス、S11:ライン名称、S12:パスワード、S13:制御装置数、S14:閉ボタン、S2:制御装置設定画面(画面)、S20:ネットワークアドレス、S21:制御装置名称、S22:表示ID、S23:閉ボタン、S3:一覧表示画面(画面)、S30:作業機欄、S31:稼働マーク、S32:警告マーク、S33:異常停止マーク、S34:詳細ボタン、S4:詳細表示画面(画面)、S40:制御装置名称、S41:異常停止マーク、S42:警告マーク、S43:稼働マーク、S44:稼働率、S45:寿命到達時刻、S46:サイクルタイム、S47:リストボタン、S5:プログラム表示画面(画面)、S50:プログラム、S51:編集ボタン、S52:ホームボタン、S6:プログラム編集画面(画面)、S60:プログラム、S61:保存ボタン、S62:キーボード表示ボタン、S7:入力画面(画面)、S70:プログラム、S71:キーボード、S72:入力欄、S73:挿入ボタン、S74:閉ボタン。
図1
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図9