特許第6875324号(P6875324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許68753243次元の物体を付加製造する装置を動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875324
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】3次元の物体を付加製造する装置を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/16 20060101AFI20210510BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20210510BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20210510BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20210510BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20210510BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20210510BHJP
   B23K 15/00 20060101ALI20210510BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20210510BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B22F3/16
   B33Y50/02
   B29C64/153
   B29C64/393
   B23K26/34
   B23K26/21 Z
   B23K15/00 501Z
   B22F3/105
   B28B1/30
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-93403(P2018-93403)
(22)【出願日】2018年5月15日
(65)【公開番号】特開2019-73794(P2019-73794A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2018年5月15日
(31)【優先権主張番号】17196455.4
(32)【優先日】2017年10月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506154834
【氏名又は名称】ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・ピルツヴェーガー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・リッペルト
【審査官】 池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0054121(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0199911(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/198885(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/16
B22F 3/105
B23K 15/00
B23K 26/21
B23K 26/34
B28B 1/30
B29C 64/153
B29C 64/393
B33Y 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギービーム(4)によって固化することができる造形材料(3)の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体(2)を付加製造する装置(1)を動作させる方法であって、
前記装置(1)の少なくとも1つのプロセスパラメータが、機械で実施される判定ルーチンに基づいて自動的に繰返し判定され、前記少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータが記憶され、少なくとも1つの評価基準に関して自動的に評価され、
前記少なくとも1つのプロセスパラメータは、前記装置(1)の現在の較正状態を導出するための主要な性能パラメータを含み、
前記主要な性能パラメータは、前記装置(1)上で実行される製造工程に直接影響を与え、
前記少なくとも1つの評価基準は、前記少なくとも1つのプロセスパラメータの少なくとも1カ月の期間に亘る長期的挙動の較正状態に関し、
前記自動的の繰返し判定は、少なくとも1つの開始パラメータに応じて実行され、
前記少なくとも1つの開始パラメータは、前記装置(1)の現在及び/又は将来の作業負荷を含み、
前記作業負荷が、前記装置(1)が最大能力まで作業していない負荷である、
方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの評価基準は、環境温度及び/又は環境湿度を含む、1年の1つ以上の季節に亘る気候変化に関する環境影響を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータに応じて、少なくとも1つのプロセスパラメータが調整される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの開始パラメータは、以下のパラメータ、すなわち
− 前記少なくとも1つのプロセスパラメータの2つの自動判定間の時間間隔に関する、毎日又は毎週又は毎月の時間パラメータ、
− 少なくとも1つのプロセスステップに応じた、製造プロセスの開始及び/若しくは終了時、並びに/又は工具の変更時において生じる事象パラメータ、及び/又は、
− 作業員入力、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセスパラメータは、以下のパラメータ、すなわち
− スポットサイズ及び/又は走査速度及び/又はビーム出力及び/又は波長及び/又は焦点距離及び/又は位置決め精度、を含む照射パラメータ、
− 前記装置(1)の少なくとも1つの構成要素、特に搬送デバイス(7)の移動速度、及び/又は、
− 特に前記搬送デバイス(7)の位置決め精度、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータ及び少なくとも1つの参照パラメータに応じて、前記装置(1)の較正状態が評価される、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセスパラメータ及び/又は前記少なくとも1つの評価された較正状態は、記憶ユニット(9)内に記憶される、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記較正状態は、所定の時間期間にわたって、特に1カ月及び/又は1年にわたって記憶及び評価され、前記所定の期間における前記少なくとも1つのプロセスパラメータの変化及び/又は前記較正状態の変化が評価される、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記時間期間の対応する部分内で評価される少なくとも2つの較正状態、特に前記時間期間の同じ週若しくは月に評価される少なくとも2つの較正状態が比較され、及び/又は、前記時間期間の対応する部分内で判定される少なくとも2つのプロセスパラメータ、特に前記時間期間の同じ週若しくは月に判定される少なくとも2つのプロセスパラメータが比較され、その際、変化情報が生成される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
判定すべき前記少なくとも1つのプロセスパラメータ及び/又は調整すべき前記少なくとも1つのプロセスパラメータ及び/又は前記少なくとも1つの開始パラメータを規定する少なくとも1つのプリセットを含む、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
前記プリセットは、前記少なくとも1つのプロセスパラメータに対する少なくとも1つの許容限界を規定する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
複数のプリセットが提供され、製造プロセスに応じて、特に製造すべき前記物体(2)に応じて、プリセットを選択することができる、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
− 前記開始パラメータに基づいて前記判定ルーチン及び/又は較正ルーチンを開始するステップと、
− 前記装置(1)を判定モードに自動的に設定するステップと、
− 少なくとも1つのプロセスパラメータを判定するステップと、
− 前記少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータを記憶するステップと、
− 較正状態を評価するステップと、
− 前記較正状態に応じて少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するステップと、を含む、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
エネルギービーム(4)によって固化することができる造形材料(3)の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体(2)を付加製造する装置(1)であって、少なくとも1つの開始パラメータに応じて、前記装置(1)の少なくとも1つのプロセスパラメータを自動的に繰り返し判定するように適合された制御ユニットにより特徴付けられ、前記制御ユニットは、前記少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータをデータ記憶部内に記憶するように適合され、且つ/又は前記制御ユニットは、少なくとも1つの評価基準に関して前記少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータを評価するように適合され、かつ前記少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータの評価に応じて、前記少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するように適合され、
前記少なくとも1つのプロセスパラメータは、前記装置(1)の現在の較正状態を導出するための主要な性能パラメータを含み、
前記主要な性能パラメータは、前記装置(1)上で実行される製造工程に直接影響を与え、
前記少なくとも1つの評価基準は、前記少なくとも1つのプロセスパラメータの少なくとも1カ月の期間に亘る長期的挙動の較正状態に関し、
前記自動的の繰返し判定は、少なくとも1つの開始パラメータに応じて実行され、
前記少なくとも1つの開始パラメータは、前記装置(1)の現在及び/又は将来の作業負荷を含み、
前記作業負荷が、前記装置(1)が最大能力まで作業していない負荷である、
装置。
【請求項15】
前記装置(1)は、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法を実行するように適合される、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体を付加製造(積層造形)する装置を動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような方法は、概して、従来技術で知られており、付加製造装置を動作させるために使用され、造形平面上で、すなわち装置のプロセスチャンバ内に配置された造形材料の表面上で少なくとも1つのエネルギービーム、たとえばレーザビームを案内して、造形平面内に配置された造形材料を照射し、それによって固化する。複数の造形材料層を連続して照射及び固化することによって、3次元の物体を造形することができる。
【0003】
さらに、プロセスパラメータ、たとえばエネルギービームの焦点位置や又はエネルギービームを介して造形材料内で使われたエネルギーは、たとえば事前定義された時間間隔で較正(calibrate)されなければならないことが、従来技術から知られている。付加製造装置を較正するために、典型的には、工場作業員(プラントオペレータ)が、エネルギービームの焦点位置などのそれぞれのプロセスパラメータを測定し、そのプロセスパラメータが所定の区間内にあるかどうか、又は所定の値に整合するかどうかを検証する。作業員によって実行される検証プロセスの結果に応じて、作業員は、付加製造装置の適切な較正状態が満たされるように、プロセスパラメータ又はそのプロセスパラメータに影響する装置の他のパラメータをそれぞれ調整する必要がある。
【0004】
したがって、この方法では、知られている従来技術に関して記載されているように、装置の作業員が較正ルーチンを実行する必要がある。装置を較正した後、特に少なくとも1つのプロセスパラメータを調整した後、較正ルーチンを実行することによってプロセスパラメータの元の値が上書きされ、したがって元の値が失われる。したがって、特に製造プロセスに対して繰返し生じる影響に関する経時的な較正状態の評価は可能でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、3次元の物体を付加製造する装置を動作させる改善された方法、特に少なくとも1つのプロセスパラメータの挙動の自動的にされる評価及び少なくとも1つのプロセスパラメータの自動的にされる較正を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の装置によって本発明で実現される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に準拠する。
【0007】
本明細書に記載する方法は、エネルギービームによって固化することができる粉末状の造形材料(「造形材料」)の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体、たとえば技術的構成要素を付加製造する装置を動作させる方法である。それぞれの造形材料は、金属、セラミック、又はポリマーの粉末とすることができる。それぞれのエネルギービームは、レーザビーム又は電子ビームとすることができる。それぞれの装置は、たとえば、選択的レーザ焼結装置、選択的レーザ溶融装置、又は選択的電子ビーム溶融装置とすることができる。
【0008】
それぞれの装置は、その動作中に使用される複数の機能ユニットを備えることができる。例示的な機能ユニットには、プロセスチャンバや、プロセスチャンバ内に配置された造形材料層を少なくとも1つのエネルギービームで選択的に照射するように適合された照射デバイスや、及び、所与の流動特性、たとえば所与の流動プロファイル、流速などでプロセスチャンバを通って少なくとも部分的に流れるガス状流体流を生成するように適合された流れ生成デバイスが挙げられる。ガス状流体流は、プロセスチャンバを通って流れる間に、固化されていない粒状の造形材料、特に装置の動作中に生成される煙又は煙残留物で充填することが可能である。ガス状流体流は、典型的には不活性であり、すなわち典型的には、不活性ガス、たとえばアルゴン、窒素、二酸化炭素などの流れである。
【0009】
本発明は、装置の少なくとも1つのプロセスパラメータ、特に主要な性能パラメータが、機械で実施される判定ルーチンに基づいて自動的に繰返し判定され、少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータが記憶され、少なくとも1つの評価基準に関して自動的に評価されるという概念に基づいている。プロセスパラメータは、特に「主要な性能パラメータ」、すなわち付加製造装置の現在の較正状態をそこから導出することができるパラメータとすることができる。そのような主要な性能パラメータは、装置上で実行される製造プロセスに直接影響することができる。それぞれの主要な性能パラメータの例については後述する。
【0010】
したがって、3次元の物体を付加製造する装置を動作させる方法は、装置の少なくとも1つのプロセスパラメータが自動的に判定されることを提案する。したがって、少なくとも1つのプロセスパラメータの判定は、機械で実施される判定ルーチンに基づいて自動的に繰返し実行される。したがって、機械で実施される判定ルーチンに応じて、装置は、たとえばエネルギービームの焦点位置などの少なくとも1つのプロセスパラメータに対して、較正手順を自動的に実行する。したがって、付加製造装置の作業員が判定ルーチン又は較正ルーチンをそれぞれ実行又は開始する必要はない。代わりに、装置自体が、判定ルーチンを自動的に実行して、少なくとも1つのプロセスパラメータを判定する。
【0011】
さらに、本出願全体にわたって記載する方法は、少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータが記憶され、少なくとも1つの評価基準に対して自動的に評価されることを提案する。少なくとも1つのプロセスパラメータを判定することによって生成される情報は、自動的に記憶される。したがって、判定された元のプロセスパラメータは、装置を較正することによって単に上書きされるのではなく、したがって失われるのではなく、判定されたプロセスパラメータは、プロセスパラメータが調整される前に自動的に記憶される。これにより、較正ルーチンが実行される前の付加製造装置の状態の評価が可能になる。特に、少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータの評価は、後述するように、少なくとも1つの評価基準に関して実行される。
【0012】
少なくとも1つの評価基準は、少なくとも1つのプロセスパラメータの長期的挙動及び/又は装置の較正状態に関連することができる。したがって、少なくとも1つのプロセスパラメータの判定から、較正状態を導出することができ、付加製造装置は、較正状態が自動的に判定及び記憶されるように制御される。特に、判定されたプロセスパラメータは、後述するように、対応するプロセスパラメータの所定の値、たとえばエネルギービームの焦点位置、又は様々な他の主要な性能パラメータの所定の値と比較される。少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータから評価される較正状態に応じて、たとえば制御ユニットを介して、対応する判定されたプロセスパラメータに関して付加製造装置を較正する必要があるかどうか、又は判定されたプロセスパラメータが所定の区間内、たとえば許容区間内にあるかどうかを決定することができる。
【0013】
したがって、装置の作業員は、たとえばビーム出力を測定するなど、プロセスパラメータを手動で判定し、判定されたプロセスパラメータを事前定義された値と比較し、次に必要な場合、判定されたプロセスパラメータを調整することによって、較正ルーチンを開始及び実行する必要がない。代わりに、記載の実施形態による方法が実行される付加製造装置は、プロセスパラメータを自動的に繰返し判定し、判定結果に基づいて較正状態を評価するように適合される。したがって、較正状態に応じて、それぞれのプロセスパラメータを調整することができる。
【0014】
加えて、少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータの自動的にされる記憶により、少なくとも1つのプロセスパラメータの長期的挙動の評価が可能になる。言い換えれば、少なくとも1つのプロセスパラメータが経時的に、特に長期にわたって変化するかどうか、及びどのように変化するかを評価することができる。少なくとも1つのプロセスパラメータの長期的挙動の評価により、所定の時間期間、たとえば1カ月や又は1年間における温度及び/又は湿度の変化などの周囲の影響の作用の判定が可能になる。したがって、較正ルーチンを改善するために、製造装置に与える影響を考慮に入れることができる。たとえば繰返し生じる周囲の影響を補償することによって、較正ルーチンをそれに応じて適合することができる。
【0015】
それぞれ少なくとも1つのプロセスパラメータの較正状態又は長期的挙動の自動評価の別の態様は、製造プロセスに対する影響を識別することができ、たとえば適合又は除去することができることである。たとえば、1年のうちの異なる時季における気候変化、特に夏季の温度及び湿度の上昇などの変化する周囲パラメータは、プロセスチャンバにおける周囲条件に影響し、したがって製造プロセスに影響する可能性がある。記憶されて自動的に評価される関連するプロセスパラメータを自動的に繰返し判定することによって、温度及び/又は湿度の上昇などのそれらの影響が製造プロセスに与える作用を識別することが可能である。したがって、周囲条件のそれぞれの変化を考慮に入れることができるように、較正ルーチンを調整することが可能であり、したがって付加製造装置は、この例ではプロセスチャンバ内又はプロセスチャンバ周辺の温度及び/又は湿度をそれに応じて調整することによって、製造プロセスに対する作用を補償するように、適宜に調整することができる。
【0016】
自動の繰返し判定は、少なくとも1つの開始パラメータに応じて実行することができる。したがって、少なくとも1つの開始パラメータは、機械で実施される判定ルーチンがいつ実行されるかを規定する。少なくとも1つの開始パラメータは、付加製造装置の記憶ユニット内に記憶することができ、たとえば記憶ユニットは、制御ユニットに割り当てることができる。さらに、複数の開始パラメータを規定することができ、複数の開始パラメータのうちの少なくとも1つが満たされた場合、判定ルーチンが実行される。例示的な開始パラメータ又は少なくとも1つの開始パラメータが含むことができるパラメータについては後述する。
【0017】
別法又は追加として、少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータに応じて、少なくとも1つのプロセスパラメータを調整することが可能である。したがって、それぞれのプロセスパラメータは、プロセスパラメータの現在判定された値に応じて調整することができ、たとえば、判定されたプロセスパラメータが事前定義された区間内にない場合、又は事前定義された値が満たされていない場合、調整が必要であり得る。当然ながら、たとえば判定されたプロセスパラメータが別のプロセスパラメータに依存する場合、プロセスパラメータを間接的に調整することも可能である。判定されたプロセスパラメータに影響する他のプロセスパラメータを調整することによって、他のプロセスパラメータに応じたところの判定されたプロセスパラメータを間接的に調整することが可能である。
【0018】
少なくとも1つの開始パラメータは、以下のパラメータ、すなわち
− 特に少なくとも1つのプロセスパラメータの2つの自動判定(自動的にされる判定)間の時間間隔に関する、好ましくは毎日又は毎週又は毎月の時間パラメータ、
− 特に少なくとも1つのプロセスステップに応じた、好ましくは製造プロセスの開始及び/若しくは終了時、並びに/又は工具の変更時における事象パラメータ、
− 装置の現在及び/又は将来の作業負荷、
− 作業員入力、
のうちの少なくとも1つとすることができ、又はそれを含むことができる。
【0019】
したがって、開始パラメータは、時間パラメータを含むことができ、プロセスパラメータの自動判定は、設定された時間パラメータに応じて、たとえば最後の自動判定から事前定義された時間が経過した後に、繰り返される。このパラメータは、特に、少なくとも1つのプロセスパラメータの2つの自動判定間の時間間隔に関連することができる。言い換えれば、時間パラメータは、2つの自動判定間の時間間隔を規定する。時間パラメータは、自動判定が毎日又は毎週又は毎月実行されるように設定することができる。
【0020】
さらに、少なくとも1つの開始パラメータは、事象パラメータとすることができ、又はそれを含むことができる。したがって、自動判定は、事象に応じて実行されるか、又は事前定義された状況が生じた場合に実行される。特に、事象パラメータは、少なくとも1つのプロセスステップに依存することができる。したがって、たとえば事前定義されたプロセスステップの開始前又は終了後に付加製造装置が実行された場合、自動判定ルーチンを実行することができる。好ましくは、工具の変更を使用して、判定ルーチンを開始することができる。この実施形態により、特定のプロセスステップが終了した場合、又は特定のプロセスステップが開始される前に、少なくとも1つの関連するプロセスパラメータの自動判定及び/又は付加製造装置の自動的にされる較正が可能になる。特に、付加製造装置の工具が変更された後、関連するプロセスパラメータが自動的に判定され、付加製造装置は、上述したように較正される。
【0021】
事象パラメータは、装置の現在及び/又は将来の作業負荷をさらに含むことができる。これにより、判定ルーチン及び/又は較正ルーチンを低作業負荷の期間内に実行することが可能になる。したがって、装置の現在及び/又は将来の作業負荷を判定して、判定ルーチンを実行するには現在の作業負荷が高すぎるかどうかを決定することができる。したがって、現在及び/又は将来の作業負荷は、装置が最大能力まで作業していない判定ルーチンを実行するウィンドウが検索されるように、評価することができる。別法として、少なくとも1つのプロセスステップの優先度を判定することができ、判定ルーチンを実行するか否かの決定は、判定された優先度に基づいて行うことができる。この実施形態によれば、高作業負荷の時間内に判定ルーチンを実行することを回避することができ、代わりに、装置が最大能力まで作業していないとき、たとえば装置が遊休状態にあるときはいつでも、判定ルーチンを実行することができる。特に、判定ルーチンは、夜間若しくは週末に、又は事前定義された予定に応じて実行することができる。当然ながら、工場作業員が、たとえば、上述したように、少なくとも1つのプロセスパラメータが判定及び評価されるところの判定ルーチンを実行する日を規定することによって、開始パラメータを規定することも可能である。
【0022】
少なくとも1つのプロセスパラメータは、以下のパラメータ、すなわち
− 照射パラメータ、特にビームパラメータ、好ましくはスポットサイズ及び/又は走査速度及び/又はビーム出力及び/又は波長及び/又は焦点距離及び/又は位置決め精度、
− 装置の少なくとも1つの構成要素、特に搬送デバイスの移動速度、
− 特に搬送デバイスの位置決め精度、
のうちの(少なくとも)1つとすることができ、又はそれらのうちの1つを少なくとも含むことができる。
【0023】
上述したように、付加製造装置のプロセスパラメータ、特に主要な性能パラメータは、付加製造装置上で製造されている少なくとも1つの3次元の物体の製造プロセスに(直接)影響するパラメータである。判定ルーチン及び較正ルーチンを使用することで、関連するプロセスパラメータが事前定義された区間内にあること、又は事前定義された値を受け入れることを保証することができる。
【0024】
プロセスパラメータは、たとえば照射パラメータ、特にビームパラメータ、好ましくはエネルギービームのスポットサイズ及び/又は走査速度及び/又はビーム出力及び/又は波長及び/又は焦点距離及び/又は位置決め精度とすることができる。したがって、照射パラメータは、概して、造形材料の照射に関するし、特にたとえば制御ユニットによって制御可能な照射デバイスのパラメータに関する。装置のそれぞれの照射デバイスは、エネルギービームを生成し、エネルギービームを造形平面上へ案内するそれぞれの手段を備える。照射パラメータの少なくとも1つを制御することによって、製造プロセスに直接影響することができる。
【0025】
プロセスパラメータはまた、装置の少なくとも1つの構成要素、特に搬送デバイスの移動速度を含むことができ、又はそれに関することができる。搬送デバイスは、固化されていない造形材料及び製造プロセス中にすでに造形された物体を搬送するために使用される。言い換えれば、搬送デバイスは、3次元の物体が製造される粉末床を搬送する。さらに、エネルギービーム又は搬送デバイスの位置決め精度を自動的に判定することができる。装置の構成要素の移動速度又は位置決め精度を判定することによって、製造プロセスに関する結論を出すことができる。製造プロセス中に物体の事前定義された品質が満たされていることを確実にするために、関連するパラメータ、特に主要な性能パラメータを満たさなければならず、又はそのようなパラメータは、事前定義された区間内の値を受け入れなければならない。
【0026】
少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータ及び少なくとも1つの参照パラメータに応じて、較正状態の評価を実行することができる。したがって、装置の較正状態を評価するために、少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータ及び少なくとも1つの参照パラメータを比較することができ、判定されたプロセスパラメータと(事前定義された)参照パラメータとの間の差を判定することができる。判定されたプロセスパラメータと参照パラメータとの間の判定された差が、事前定義された(閾)値を超過する場合、装置の較正が必要である。したがって、装置のこの較正状態を「未較正」と呼ぶことができる。また、判定されたプロセスパラメータとその参照パラメータとの間の判定された差が、事前定義された(閾)値を下回る場合、特に判定されたプロセスパラメータが参照パラメータに整合する場合、装置の較正は必要なく、判定されたプロセスパラメータを調整する必要はない。装置のこの対応する較正状態を「較正済み」と呼ぶことができる。
【0027】
評価された較正状態は、所定の時間期間にわたって、特に1カ月及び/又は1年にわたって記憶及び評価することができ、所定の期間における少なくとも1つのプロセスパラメータ及び/又は較正状態の変化を評価することができる。この実施形態によれば、較正状態の変化及び/又は少なくとも1つのプロセスパラメータの変化を所定の時間間隔にわたって監視することが可能である。したがって、較正状態は、たとえば付加製造装置に割り当てられた記憶ユニット内に記憶される。したがって、たとえば所定のプロセスパラメータに関する較正状態に関する付加製造装置の挙動を、所定の時間期間にわたって、特に1カ月及び/又は1年にわたって評価することができる。
【0028】
経時的な較正状態の変化、特に少なくとも1つのプロセスパラメータが対応する参照パラメータからどれだけ逸脱するかは、付加製造プロセス又は付加製造装置がそれぞれどれだけ安定しているかを示し、これを使用して、判定ルーチンを繰り返さなければならない時間間隔又は日付を規定することができる。
【0029】
さらに、時間期間の対応する部分内で評価される少なくとも2つの較正状態、特に時間期間の同じ週若しくは月に評価される少なくとも2つの較正状態、及び/又は時間期間の対応する部分内で判定される少なくとも2つのプロセスパラメータ、特に時間期間の同じ週若しくは月に判定される少なくとも2つのプロセスパラメータが比較され、変化情報が生成される。したがって、たとえば対応する時間期間の開始及び終了時に、2つの較正状態を評価することができ、且つ/又は2つのプロセスパラメータを判定することができる。当然ながら、少なくとも2つの較正状態が評価され又はプロセスパラメータが判定される時間期間の他の部分を規定することも可能である。
【0030】
同じ時間期間内の少なくとも2つの較正状態又は同じ時間期間内に判定された少なくとも2つのプロセスパラメータを比較することによって、変化情報を生成することができる。変化情報は、所定の時間期間における付加製造装置の挙動又はその少なくとも1つのプロセスパラメータに関連することができる。したがって、変化情報は、装置が安定して動作しているかどうか、又はプロセスパラメータの調整、特に装置の較正を必要とする較正状態及び/若しくは少なくとも1つのプロセスパラメータの変化が生じているかどうか、を含み、又はこれらを変化情報から導出することができる。
【0031】
この方法は、判定すべき少なくとも1つのプロセスパラメータ及び/又は調整すべき少なくとも1つのプロセスパラメータ及び/又は少なくとも1つの開始パラメータを規定する少なくとも1つのプリセット(preset)を提供することができるようにさらに改善することができる。この実施形態によれば、プリセットは、判定ルーチン及び/又は較正ルーチンのいくつかのパラメータを規定し、プリセットは、どのプロセスパラメータが判定されるかを規定する。
【0032】
さらに、プリセットは、たとえば許容値を規定することによって、又はそれぞれプロセスパラメータの調整若しくは装置の較正が必要であると見なすには超過しなければならない判定されたプロセスパラメータと対応する参照パラメータとの間の差を規定することによって、判定されたプロセスパラメータを調整しなければならないか否かを規定することができる。追加又は別法として、プリセットは、少なくとも1つの開始パラメータに関する情報を規定することができ、又はそれを含むことができる。したがって、開始パラメータは、プリセットを介して設定することができる。好ましくは、複数のプリセットが提供され、特に異なる物体を製造する異なる製造装置又は異なる製造プロセスに対して、異なるプリセットを選択することができる。
【0033】
プリセットは、少なくとも1つのプロセスパラメータに対する少なくとも1つの許容限界、特に異なるプロセスパラメータに対する異なる許容限界をさらに規定することができる。したがって、判定されたプロセスパラメータと対応する参照パラメータとの間の差は、所定の許容限界を下回る値を受け入れなければならない。この差が少なくとも1つのプロセスパラメータに対する許容限界を超過する場合、較正ルーチンを実行しなければならない。好ましくは、プリセットは、規格又は標準によって規定される情報を含み、特に許容限界は、規格内で規定される特定の値、たとえば許容限界に基づいて、判定ルーチン及び較正ルーチン内で実施することができる。
【0034】
この方法の別の実施形態によれば、複数のプリセットが提供され、製造プロセスに応じて、特に製造すべき物体に応じて、プリセットを選択することができる。したがって、異なる物体の製造のために、異なる基準が、たとえば異なるプロセスパラメータに対して異なる許容限界を適用することができる。したがって、造形された物体の特定の品質要件に準拠することを確実にするために、所定のプロセスパラメータがそれに応じて調整されること、すなわち装置の所定の較正状態が満たされることを確実にするように、付加製造装置上で製造しなければならない物体に応じて、プロセスを選択することができる。
【0035】
この方法は、好ましくは、
− 開始パラメータに基づいて較正ルーチンを開始するステップと、
− 装置を較正モードに自動的に設定するステップと、
− 少なくとも1つのプロセスパラメータを判定するステップと、
− 少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータを記憶するステップと、
− 較正状態を評価するステップと、
− 較正状態に応じて少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するステップ、とを含む。
【0036】
したがって、判定ルーチン及び/又は較正ルーチンは、開始パラメータに基づいて開始される。上述したように、様々な開始パラメータを規定及び監視することができる。たとえば、開始パラメータは、所定の時間間隔を含むことができ、又は事象に基づいてトリガすることができる。
【0037】
開始パラメータがトリガされた後、3次元の物体を付加製造する装置は、判定モードに自動的に設定される。この判定モードで、まず、少なくとも1つのプロセスパラメータ、特に主要な性能パラメータが自動的に判定される。判定されたプロセスパラメータは、たとえば付加製造装置の記憶ユニット内に記憶される。
【0038】
記憶されている判定されたプロセスパラメータに基づいて、付加製造装置(又は照射デバイスなどの付加製造装置の少なくとも1つの構成要素)の較正状態が評価される。必要な場合、少なくとも1つのプロセスパラメータが較正状態に応じて調整される。したがって、それぞれのプロセスパラメータが事前定義された値又は事前定義された区間内の値を受け入れることを保証することができる。
【0039】
さらに、本発明は、エネルギービームによって固化することができる造形材料の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体を付加製造する装置に関し、少なくとも1つの開始パラメータに応じて、装置の少なくとも1つのプロセスパラメータ、特に主要な性能パラメータを自動的に判定するように適合された制御ユニットが設けられ、制御ユニットは、少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータを記憶ユニット内に記憶するように適合され、且つ/又は制御ユニットは、少なくとも1つの判定されたプロセスパラメータに応じて、少なくとも1つのプロセスパラメータを調整するように適合される。
【0040】
当然ながら、本発明の方法に関して説明したすべての詳細、利点、及び特徴は、本発明の装置に完全に移行可能である。特に、本発明の方法は、本発明の装置上で実行することができる。
【0041】
本発明の例示的な実施形態について、図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の付加製造装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
唯一の図は、エネルギービーム4によって固化することができる造形材料3の層を連続して層ごとに選択的に照射及び固化することによって3次元の物体2を付加製造(積層造形)する装置1を示す。エネルギービーム4は、エネルギービーム4を生成して造形平面6上へ案内するように適合された照射デバイス5によって生成される。言い換えれば、エネルギービーム4は、造形平面6上で案内することができ、それにより、造形平面6内に配置された造形材料3を、エネルギービーム4を介して直接照射することができる。この図に示す製造プロセス内ですでに造形されている物体2、並びに固化されていない造形材料3又は造形平面6内に新たに塗布された造形材料3は、搬送デバイス7、たとえば造形板によって搬送される。搬送デバイス7は、造形平面6に対して可動であり、それにより物体2が連続して層ごとに造形される間、搬送デバイス7を連続して下げて、造形平面6内に造形材料3の新しい層を塗布することを可能にすることができる。
【0044】
照射デバイス5は、機械で実施される判定ルーチンに応じて付加製造装置1の様々なプロセスパラメータを自動的に繰返し判定するように適合された制御ユニット8を介して制御され、特に制御ユニット8は、照射デバイス5に関するプロセスパラメータを判定(決定)するように適合される。プロセスパラメータは、たとえば、エネルギービーム4のエネルギー、造形平面6上のエネルギービーム4のスポットサイズ、エネルギービーム4の位置決め精度、エネルギービーム4の焦点位置、及び搬送デバイス7の位置決め精度などの主要な性能パラメータとすることができる。当然ながら、個々のプロセスパラメータは、単なる例示であり、制御ユニット8によって制御される装置1によって実行される付加製造プロセスに影響する任意のプロセスパラメータを使用することができる。
【0045】
制御ユニット8は、判定されたプロセスパラメータを(データ)記憶ユニット9内にさらに自動的に記憶する。制御ユニット8を介して判定されたプロセスパラメータは、評価基準に関してさらに評価することができる。この図に示す実施形態では、第1の評価基準は、装置1の較正状態である。装置1の較正状態を評価するために、判定されたプロセスパラメータは、たとえば記憶ユニット9内に記憶されている所定の参照プロセスパラメータと比較される。所定のプロセスパラメータと参照プロセスパラメータとの間の比較が異なり、事前定義された(閾)値を超過した場合、特にこの差が許容限界を上回る場合、装置1の較正が必要であり、プロセスパラメータが自動的に記憶され、たとえば記憶ユニット9内に記憶される。したがって、少なくとも対応するプロセスパラメータに関する較正を実行することができる。次に、この較正状態もまた、記憶ユニット9に記憶することができる。
【0046】
装置1を較正するために、対応するプロセスパラメータは、対応するプロセスパラメータが許容限界内の値を受け入れるように調整される。特に、プロセスパラメータは、対応する参照パラメータに設定することができる。
【0047】
加えて、判定されたプロセスパラメータは、長期的挙動に対して評価することができる。したがって、判定されたプロセスパラメータが経時的に変化したかどうか、又はどれだけ変化したかを評価することができる。したがって、プロセスパラメータを自動的に繰返し判定して記憶ユニット9内に記憶するべき時間期間を規定することができる。事前定義された時間期間は、1週間、1カ月、1年であってよく、規定された期間における少なくとも1つのプロセスパラメータの変化及び/又は較正状態の変化を評価することができる。特に、同じ時間期間内に判定された複数の判定されたプロセスパラメータを比較することによって、変化情報を生成することができる。また、同じ時間期間の複数の判定された較正状態を比較することによって、較正状態に対する変化情報を生成することも可能である。したがって、プロセスパラメータと較正状態との両方の経時的な挙動を評価することができ、たとえば統計的に評価することができる。また、時間期間中に変化する製造プロセスに対するたとえば周囲パラメータの特定の作用を導出することがさらに可能である。
【0048】
さらに、判定ルーチン及び/又は較正ルーチンをどのように実行しなければならないかに関する命令を含む複数のプリセットを、たとえば制御ユニット8又は記憶ユニット9内に規定及び記憶することができる。特に、プリセットを介して、判定ルーチン及び較正ルーチンがいつ実行されるべきかを設定することができる。プリセットは、判定ルーチン及び較正ルーチンが開始されるべき日付又は事象を規定する開始パラメータを含むことができる。各プリセットは、それぞれのプロセスパラメータに対する許容限界をさらに含み又は設定することができる。
【0049】
造形すべき物体2に応じて、特にどの物体2が現在製造装置1内で造形されているかに応じて、作業員を介して、及び/又は制御ユニット8を介して自動的に、異なるプリセットを選択することができる。したがって、異なる物体2を製造するとき、異なるプリセットが適用される。
【符号の説明】
【0050】
1 装置
2 物体
3 (3次元の)造形材料
4 エネルギービーム
5 照射デバイス
6 造形平面
7 搬送デバイス
8 制御ユニット
9 記憶ユニット
図1