特許第6875331号(P6875331)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6875331光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875331
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20210510BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20210510BHJP
   G02B 1/02 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   G02B5/02 C
   F21V5/00 100
   F21V5/00 610
   G02B1/02
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-138292(P2018-138292)
(22)【出願日】2018年7月24日
(65)【公開番号】特開2019-101407(P2019-101407A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2018年7月24日
【審判番号】不服2020-9599(P2020-9599/J1)
【審判請求日】2020年7月8日
(31)【優先権主張番号】106142483
(32)【優先日】2017年12月5日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514173696
【氏名又は名称】國家中山科學研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】阮 建龍
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 士哲
(72)【発明者】
【氏名】郭 養國
【合議体】
【審判長】 里村 利光
【審判官】 井亀 諭
【審判官】 井口 猶二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−36995(JP,A)
【文献】 特開2017−83692(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/32609(WO,A1)
【文献】 特開2017−32609(JP,A)
【文献】 特開2013−102216(JP,A)
【文献】 特開2014−30980(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/084491(WO,A1)
【文献】 特開平9−54058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空ナノ構造を有し、光均一性を向上させるための光学レンズの製作方法であって、
(a)レンズの表面において、多結晶系シード層を形成し;
(b)前記多結晶系シード層において、ランダムに配列される複数のナノ柱構造を成長させ;
(c)前記ナノ柱構造の成長がないシード層を除去して、その下のレンズの表面を露出させ;
(d)前記複数のナノ柱構造及び前記レンズの表面の露出した部分において、スパッタリングによりセラミック材料層を形成し;及び
(e)前記複数のナノ柱構造を除去し、ランダムに配列される複数の中空ナノ柱構造を有するセラミック材料層を形成するステップを含む、製作方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製作方法であって、
ステップ(a)におけるレンズの材料は、石英、二酸化ケイ素、窒化アルミニウム、及びダイヤモンドのうちの1つである、製作方法。
【請求項3】
請求項1に記載の製作方法であって、
ステップ(a)における多結晶系シード層の材料は、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、アルミニウム・ガリウム添加酸化亜鉛(AGZO)、及び酸化インジウム・スズ(ITO)のうちの1つである、製作方法。
【請求項4】
請求項1に記載の製作方法であって、
ステップ(b)におけるナノ柱構造の材料は、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、及びアルミニウム・ガリウム添加酸化亜鉛(AGZO)のうちの1つである、製作方法。
【請求項5】
請求項1又は4に記載の製作方法であって、
ステップ(b)におけるナノ柱構造の高さは、1μm〜2μmの間にあり、幅は、100nm〜200nmの間にある、製作方法。
【請求項6】
請求項1に記載の製作方法であって、
ステップ(b)では、水熱法により、ランダムに配列される前記複数のナノ柱構造を形成する、製作方法。
【請求項7】
請求項1に記載の製作方法であって、
ステップ(b)では、水熱法により、濃度が20mM〜30mMであるヘキサメチレンテトラミン(Hexamethylenetetramine、C6H12N4)の溶液、及び、濃度が20mM〜30mMである硝酸亜鉛六水和物(Zinc Nitrate Hexahydrate、Zn(NO3)2・6H2O)の溶液を採用し、プロセス温度が80℃〜90℃であり、且つナノ柱成長時間が4時間〜6時間であるという条件で、ランダムに配列される複数の酸化亜鉛(ZnO)ナノ柱構造を形成する、製作方法。
【請求項8】
請求項1に記載の製作方法であって、
ステップ(c)では、酸液によるエッチングを用いて、前記シード層を除去する、製作方法。
【請求項9】
請求項1に記載の製作方法であって、
ステップ(d)におけるセラミック材料層は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、二酸化チタン(TiO2)、炭化ケイ素(SiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、及び炭化タングステン(WC)のうちの1つである、製作方法。
【請求項10】
請求項1に記載の製作方法であって、
ステップ(e)では、酸液によるエッチングを用いて、前記複数のナノ柱構造を除去する、製作方法。
【請求項11】
請求項8又は10に記載の製作方法であって、
前記酸液は、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸又はそれらからなるグループのうちの1つである、製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次光学レンズの製作方法に関し、特に、光均一性を向上できる中空ナノ構造(hollow nanostructure)の二次光学レンズ(secondary optical lens)の製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UV(紫外線)LED(発光ダイオード)は、エピタキシャル技術及び素子構造の面において挑戦があり、また、パッケージング及びレンズの材料の選択や設計の面においても多くの考慮がある。例えば、(1)有効な放熱メカニズムに頼ってLEDの機能及び寿命を確保しなければならないが、従来のLED放熱技術(例えば、放熱基板、接着材、各種の放熱フィンの設計)は、UV LEDの分野においてもう適用することができず;(2)パッケージング及びレンズの材料がUV照射下で分解して変質し、従来のLEDのパッケージング材料(例えば、エポキシ(epoxy)樹脂)がすべて使えず、黄変の問題により、照度、色温度などの光学的性質が悪い方に変わってしまう。よって、パッケージング用の接着材及びレンズの材料の選択の善し悪しは、UV-LED素子の発光効率及び使用寿命に直接影響を与えることができる。一般的には、パッケージング用の接着材の透光率が高く、屈折率が高く、熱安定性が良く、流動性が良く、吹き付けがしやすいことを要する。また、UV-LEDのパッケージングの信頼性を向上させるために、低吸湿性、低応力、耐候性、環境にやさしいなどの特性も要求される。
【0003】
UV-LEDのレンズのパッケージングについて、石英ガラスは、高い透過率(95%に達することができる)を有し、シリカゲルは、その次(約90%)であり、また、エポキシ樹脂の紫外線の透過率は、波長が短くなるにつれて急遽に下がる。ガラス材料は、熱加工の温度がかなり高いため、エピタキシャル領域の密封に適せず、レンズのパッケージングのみに適する。高発光効率及び高信頼性のパッケージング構造を得るために、パッケージング用の接着材及びレンズの材料の選択は、高い紫外線透過率、整合が良好な屈折率、抗紫外線、抗黄変、高い耐熱能力、良好な熱応力などの特性を考慮しなければならない。
【0004】
発光ダイオード(LED)に関するエピタキシャルプロセス技術の進化及び成熟に伴い、発光ダイオードは、多様化する応用のニーズを満たすようになっている。各種の応用のフィールドでは、その点光源の特徴により、光学レンズと組み合わせて理想の光形状(light shape)を得る必要があり、高パワーの発光ダイオードの応用分野では、特に、このようにしなければならない。高パワーのLEDの照明用の部品(パッツ)は、照明製品になる前に、通常、光学設計を2回行う必要がある。LEDチップをLED光電部品としてパッケージングする時に、まず、LEDの出光角度、光強度、光束(luminous flux)の大小、光強度の分布、色温度の範囲や分布などの問題を解決するために、光学設計を1回行う必要があり、これは、いわゆる一次光学設計(primary optical design)である。二次光学設計(secondary optical design)とは、高パワーのLED照明について言えば、一般的に高パワーのLEDが一次光学レンズ(primary optical lens)を有し、発光角度が約120度であるため、一次光学レンズを通過した後の光を再びもう1つの光学レンズ(即ち、二次光学レンズ(secondary optical lens))を通過させることで、その光学性能を変えることである。一次光学設計の目的は、LEDチップが発した光の取り出し量をできるだけ増やすことにあり、二次光学設計の目的は、ランプシステム全体が発した光が設計のニーズを満たし得るようにさせることにあり、高機能の二次光学レンズとの組み合わせにより、LED光源の明るさや、出光角度及び照度均一性の不足を補償し、LED電球の使用数量を減らすことができる。
【0005】
また、微細構造の概念が既にLEDの上下流工程に幅広く用いられており、主な概念は、光が微細構造に当たった時に、微細構造の形状により光の全反射が破壊されて乱反射又は反射が生じることである。上流のダイ(die)の工程では、微細構造パターン化サファイア基板は、光取り出し効率の向上及びエピタキシャル成長による欠陥の低減を実現することができ、下流のパッケージングの工程では、LEDランプの、バットウィング(batwing)型又は集光型の光源としての応用を達成するために、いまのところ、多くのメーカーが二次光学微細構造の拡散フィルム又は二次光学微細構造のレンズを採用している。微細構造の光学フィルムの加工形式としては、一般的に、光学レベルのアクリル(acrylic)板(PMMA)上でV溝加工(Vcut)を行う形式があり、V-cutの角度、サイズ、及び配列方式を変えることで、光の出力方向及び均一性を調整及び制御し、異なる応用に基づいて、平行光、集光又は発散光の効果を達成することができる。LED点光源の光均一性が良くない問題を解決するために、従来のやり方は、アクリルフィルム内に拡散粒子を添加することで、光源からの光の散乱確率を増加させ、また、特殊設計の微細構造の拡散フィルムと一緒に用いることで、応用範囲内でのLED光源の出射角度及び均一性の制御及び調整を実現し得るが、このような二次光学微細構造のパッケージングの欠点は、体積が非常に大きいことにある。
【0006】
一般的に言えば、発光ダイオードは、通常、パッケージング時に一次光学設計を行うことがあり、標準レンズは、円錐形レンズであり、これらのレンズは、多くは、内部全反射に頼り、そのため、TIR(Total Internal Reflection)レンズと称される。通常、TIRレンズは、軸対称の設計であり、1つの綺麗な円形の光スポット(light spot)を提供することができ、また、複数のLEDを組み合せてレンズアレイを形成することができ、一つのLEDだけで且つスタンドと組み合わせることで、取り付けや光制御を便利にすることもできる。均一な光スポットを必要とする場合、通常、一次光学設計だけで達成することができず、2回目の光学設計(即ち、二次光学設計)を行わなければならない。よって、応用上では、特殊構造のランプシェード又は二次光学レンズを設計することで、LED光源が発した光をより均一に集光させることができ、また、このような特殊構造を用いることにより、従来の集光構造の体積をより小さくすることもできる。しかし、ランプシェード又は二次光学レンズの設計によって得られた特殊構造により、製作過程では工程が複雑になり、射出成形の方式で製作効率を向上させる必要がある。また、波長が比較的短い光子について言えば、一般的な射出成形に用いる材料が使えず、何故なら、波長が短いため、例えば、紫外線などは、材料に対して破壊性があるからである。よって、二次光学設計によるランプシェード又はレンズは、使用時間の増加に伴って次第に脆化して効かなくなる恐れがある。
【0007】
従って、今のところ、この分野では、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法を提供することが望ましい。これにより、上述のようなLED点光源の光均一性が良くない問題を解決し、二次光学レンズの抗紫外線、抗黄変、耐用寿命などの特性を向上させることができ、また、従来のランプシェード及び二次光学レンズの特殊構造の材料を取り替え、構造の製作プロセスを1つの有効な技術に単純化(簡略化)することで、価格が安く、光散乱能力を有し、且つ光スポットを均一化することができる、中空ナノ構造を有する二次光学レンズを提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の従来技術における欠点に鑑み、本発明の主な目的は、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法を提供することにある。光源の光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズを製造するプロセスにおいて、透明度が高い材料のレンズの表面にランダムに配列されるセラミック中空ナノ柱構造を作ることにより、光源からの光を有効に散乱させることができる新たな特殊構造を提供し、光源の照度が不均一な問題を解決し、二次光学特殊構造の材料の耐久性を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法が提供され、該製作方法は、(a)レンズの表面において、多結晶系シード層を形成し;(b)前記多結晶系シード層において、ランダムに配列される複数のナノ柱構造を成長させ;(c)前記ナノ柱構造の成長が無いシード層を除去して、その下のレンズの表面を露出させ;(d)前記複数のナノ柱構造及び前記レンズの表面の露出した部分において、スパッタリング(sputter deposition)によりセラミック材料層を形成し;及び、(e)前記複数のナノ柱構造を除去し、ランダムに配列される複数の中空ナノ柱構造を有するセラミック材料層を残すステップを含む。
【0010】
また、ステップ(a)におけるレンズは、透明度が高い材料であり、前記レンズは、石英、二酸化ケイ素、窒化アルミニウム、及びダイヤモンドのうちの1つであっても良い。前記多結晶系シード層は、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、アルミニウム・ガリウム添加酸化亜鉛(AGZO)、及び酸化インジウム・スズ(ITO)のうちの1つであっても良い。本発明は、多結晶系シード層を採用することにより、後続のランダムに配列されるナノ柱構造材料の成長に有利である。
【0011】
また、ステップ(b)におけるナノ柱構造は、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、及びアルミニウム・ガリウム添加酸化亜鉛(AGZO)のうちの1つであっても良い。前記ナノ柱構造の高さは、1μm〜2μmの間にあり、幅は、100nm〜200nmの間にある。
【0012】
また、ステップ(b)では、水熱法(hydrothermal method)により、ランダムに配列される前記複数のナノ柱構造を形成する(成長させる)ことができる。そのうち、酸化亜鉛(ZnO)ナノ柱の製作方法では、濃度が20mM〜30mMであるヘキサメチレンテトラミン(Hexamethylenetetramine、C6H12N4)の溶液、及び、濃度が20mM〜30mMである硝酸亜鉛六水和物(Zinc Nitrate Hexahydrate、Zn(NO3)2・6H2O)の溶液を採用し、プロセス温度が80℃〜90℃であり、ナノ柱成長時間が4時間〜6時間である。
【0013】
また、ステップ(c)では、酸液によるエッチングを用いて、前記シード層を除去することができる。そのうち、前記酸液は、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、又は、それらからなるグループのうちの1つである。
【0014】
また、ステップ(d)におけるセラミック材料層は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、二酸化チタン(TiO2)、炭化ケイ素(SiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、及び炭化タングステン(WC)のうちの1つである。
【0015】
また、ステップ(e)では、酸液によるエッチングを用いて、前記複数のナノ柱構造を除去することができる。そのうち、前記酸液は、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、又は、それらからなるグループのうちの1つである。
【0016】
本発明は、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法を提供し、このような製作方法により、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズを形成することができ、ランダムに配列されるセラミック中空ナノ構造の使用により、従来技術における、複雑で且つ高価な工程及び二次光学特殊構造の材料の耐久性の問題を有効に解決することができる。
【0017】
以上の概要及び以下の詳細な説明と図面は、すべて、本発明が所定の目的を達成するために採用する方式、手段、及び機能をさらに説明するためのものである。また、本発明の他の目的及び利点については、後続の説明及び図面において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法のフローチャートである。
図2】実施例における光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法のフローチャートである。
図3】実施例において390nmの光源からの光が3つの垂直なAlN中空ナノ柱構造を通過するときのシミュレーション結果である。
図4】実施例において390nmの光源からの光が3つの垂直なAlNソリッドナノ柱構造を通過するときのシミュレーション結果である。
図5】実施例において390nmの光源からの光が0度(垂直)及び傾斜30度のシングル(1つの)AlN中空ナノ柱構造をそれぞれ通過するときのシミュレーション結果である。
図6】実施例において390nmの光源からの光が傾斜45度及び傾斜60度のシングル(1つの)AlN中空ナノ柱構造をそれぞれ通過するときのシミュレーション結果である。
図7】実施例において390nm光源からの光が0度(垂直)、傾斜30度、及び傾斜60度のシングル(1つの)AlN中空ナノ柱構造を統合したものを通過するときの総合的なシミュレーション結果である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明を実施するための好適な形態を詳細に説明する。なお、このような実施形態は、例示に過ぎず、本発明を限定するものでない。
【0020】
本発明は、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法を提供する。この方法は、レンズの表面においてランダムに配列されるセラミック中空ナノ構造を形成する。簡単な方法を提供し、光源からの光を有効に散乱させることができる新たな特殊構造を製作することにより、光源の照度が不均一な問題を解決することができる。
【0021】
図1は、本発明の光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法のフローチャートである。図1に示すように、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法は、(a)レンズの表面において、多結晶系シード層を形成するステップS101;(b)前記多結晶系シード層において、ランダムに配列される複数のナノ柱構造を生成させるステップS102;(c)前記ナノ柱構造の成長がないシード層を除去して、その下のレンズの表面を露出させるステップS103;(d)前記複数のナノ柱構造及び前記レンズの表面の露出した部分において、スパッタリングによりセラミック材料層を形成するステップS104;及び、(e)前記複数のナノ柱構造を除去し、ランダムに配列される複数の中空ナノ柱構造を有するセラミック材料層を残すスッテプS105を含む。
<実施例>
図2は、本発明の実施例における光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法のフローチャートである。この製作方法は、次のようなスッテプを含む。
【0022】
(a)レンズ1の表面2において、多結晶系シード層3を形成し、前記レンズ1は、透明度が高い材料であり、前記レンズ1は、石英、二酸化ケイ素、窒化アルミニウム、及びダイヤモンドのうちの1つであり、前記多結晶系シード層3は、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、アルミニウム・ガリウム添加酸化亜鉛(AGZO)、及び酸化インジウム・スズ(ITO)のうちの1つであっても良く;
(b)前記多結晶系シード層3上で、ランダムに配列される複数のナノ柱構造4を成長させ、前記ナノ柱構造4は、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、及びアルミニウム・ガリウム添加酸化亜鉛(AGZO)のうちの1つであり、前記ナノ柱構造4の高さは、1μm〜2μmの間にあり、幅は、100nm〜200nmの間にあり、また、水熱法により、ランダムに配列される前記複数のナノ柱構造4を製作することができ、ここで、酸化亜鉛(ZnO)のナノ柱の製作方法では、濃度が20mM〜30mMである(好ましくは、25mMである)ヘキサメチレンテトラミン(Hexamethylenetetramine、C6H12N4)の溶液、及び、濃度が20mM〜30mMである(好ましくは、25mMである)硝酸亜鉛六水和物(Zinc Nitrate Hexahydrate、Zn(NO3)2・6H2O)の溶液を採用し、プロセス温度が80℃〜90℃であり、ナノ柱成長時間が4時間〜6時間であり;
(c)前記ナノ柱構造4の成長がないシード層3を除去して、その下のレンズの表面2を露出させ、ここで、酸液によるエッチングを用いて、前記シード層3を除去することができ、前記酸液は、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、又は、それらからなるグループのうちの1つであっても良く;
(d)前記複数のナノ柱構造4及び前記レンズの表面2の露出した部分において、スパッタリングによりセラミック材料層5を形成し、前記セラミック材料層5は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、二酸化チタン(TiO2)、炭化ケイ素(SiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、及び炭化タングステン(WC)のうちの1つであっても良く;
(e)前記複数のナノ柱構造4を除去し、ランダムに配列される複数の中空ナノ柱構造を有するセラミック材料層5を残し、ここで、酸液によるエッチングを用いて、前記ナノ柱構造4を除去することができ、前記酸液は、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、又は、それらからなるグループのうちの1つであってもよい。
【0023】
本発明の実施例における製作方法より完成された光均一性を向上できる二次光学レンズは、レンズ1、レンズの表面2、及び、ランダムに配列される中空ナノ構造層5を含む。また、図2に示すように、光源6をさらに設置することもでき、本実施例では、光源6は、点光源であり、好ましくは、発光ダイオードである。
【0024】
図3は、本発明の実施例において390nmの光源からの光が3つの垂直なAlN中空(hollow)ナノ柱構造を通過するときのシミュレーション結果であり、図4は、本発明の実施例において390nmの光源からの光が3つの垂直なAlNソリッド(solid)ナノ柱構造を通過するときのシミュレーション結果である。両者を比較すれば分かるように、集中した光は、3つの垂直なAlN中空ナノ柱構造を通過した後に、遠い方へ均一に発散することができるが、集中した光は、3つの垂直なAlNソリッドナノ柱構造を通過した後に、均一に発散することができず、光均一性が不足している。図5及び図6は、それぞれ、本発明の実施例において、390nmの光源からの光が、0度(垂直)、及び、傾斜30度、傾斜45度、傾斜60度のシングル(single)AlN中空ナノ柱構造を通過するときのシミュレーション結果である。比較すれば分かるように、図5に示すように、垂直な(0度)中空ナノ柱を通過した後の光は、散乱されているが、認識可能な対称的且つ均一な分布をまだ有し、全体的に規則的な、垂直な形態の中空ナノ柱を二次光学特殊構造とすれば、散乱後の光均一性が制限される。傾斜30度の場合(図5参照)、元々集中した光は、サイド側に導かれており、且つ対称性がない。また、傾斜45度及び傾斜60度の場合(図6参照)、光は、サイド側に散乱される傾向があり、特に傾斜60度の場合は、より明らかである。これに対して、ランダムに配列される中空ナノ柱構造を製作したときに、図7のような光散乱現象(図7は、本発明の実施例において390nmの光源からの光が、0度(垂直)、傾斜30度、及び傾斜60度のシングルAlN中空ナノ柱構造を統合したものを通過するときの総合的なシミュレーション結果を示す図である)を生じさせることができ、散乱後の光分布の均一性は、図3の垂直な中空ナノ柱の場合に比べ、明らかに向上している。また、中空ナノ柱が配列される無作為度(degree of randomness)が大きいほど、光源からの光の均一性が高い。
【0025】
本発明は、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズの製作方法を提供し、上述の実施例の説明により、本発明は、透明度が高い材料を用いてレンズとし、レンズの表面において多結晶系シード層を形成し、多結晶系シード層においてランダムに配列されるナノ柱構造を成長させ、そして、スパッタリングにより抗酸性セラミック材料を形成した後に、エッチングによりランダムに配列される中空ナノ構造を巧妙に製作し、最後には、点光源の前方に設置することにより、ライトフィールド(light field)を均一化することができる。よって、本発明は、光均一性を向上できる中空ナノ構造の二次光学レンズを提供し、従来技術における、複雑で且つ高価な工程及び二次光学特殊構造の材料の耐久性の問題を有効に解決し、また、二次光学素子の製作に直接適用することができるため、その応用分野がより広くなることは間違いない。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変更は本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0027】
S101〜S105 ステップ
1 レンズ
2 レンズの表面
3 多結晶系シード層
4 ランダムに配列されるナノ柱構造
5 セラミック材料層
6 光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7