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特許6875365電子地図における交差点を認識するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875365
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】電子地図における交差点を認識するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
   G09B29/00 Z
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-245183(P2018-245183)
(22)【出願日】2018年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-135544(P2019-135544A)
(43)【公開日】2019年8月15日
【審査請求日】2019年4月15日
(31)【優先権主張番号】201711482987.5
(32)【優先日】2017年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513224353
【氏名又は名称】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン,イーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ミャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヂォウ,ワン
(72)【発明者】
【氏名】ラン,シェンポン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥァン,シィォン
(72)【発明者】
【氏名】マー,チャンジェ
【審査官】 宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−115904(JP,A)
【文献】 特開2009−265400(JP,A)
【文献】 特開2013−225336(JP,A)
【文献】 特開平08−335264(JP,A)
【文献】 特開2010−008261(JP,A)
【文献】 特開2002−257578(JP,A)
【文献】 特開2009−115530(JP,A)
【文献】 特開2013−089143(JP,A)
【文献】 米国特許第09081383(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00 − 29/14
G01C 21/00 − 21/36
G08G 1/00 − 99/00
G06T 7/00 − 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元場面として構成することができるレーザー点群データを有する電子地図における交差点を自動的に認識するための、コンピュータにより実施される方法であって、
前記電子地図から道路境界線に関する境界線情報を抽出するステップと、
前記境界線情報に基づいて、前記電子地図の所定のサイズの任意の領域における道路境界線同士のトポロジ関係を生成するステップであって、前記トポロジ関係は、前記領域における道路境界線の数と、前記領域の道路境界線におけるペア道路境界線の数とを含む、トポロジ関係を生成するステップと、
前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップであって、前記交差点分布状況は、交差点の有無、または存在する交差点のタイプを含むステップと、
を含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記トポロジ関係は、前領域における道路境界線道路方向情報を含み、
前記ペア道路境界線の数は、
前記道路境界線における第1の道路境界線に対して、前記第1の道路境界線の道路方向情報に基づいて、前記第1の道路境界線との距離が一番短く、前記第1の道路境界線と同じ方向に位置する第2の道路境界線を確定し、
前記第1の道路境界線の接線と前記第2の道路境界線の接線との間の角度が所定の範囲内にあるか否かを確定し、
前記接線間の角度が所定の範囲内にあれば、前記ペア道路境界線の数を1つ増加させる、方法により確定するコンピュータにより実施される方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップは、
前記道路境界線の数が4つであり、前記ペア道路境界線の数が3つであると示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に合流交差点または分岐交差点のタイプの交差点が存在することを確定するステップを含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記方法は、
前記方向情報に基づいて、3つの前記ペア道路境界線から、前記交差点を目指すペア道路境界線の数を確定するステップと、
前記交差点を目指すペア道路境界線の数が1つであることに応じて、前記交差点が分岐交差点であると確定するステップと、
前記交差点を目指すペア道路境界線の数が2つであることに応じて、前記交差点が合流交差点であると確定するステップとを、
さらに含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項5】
請求項1において
前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップは、
前記道路境界線の数が3つであり、前記ペア道路境界線の数が3つであることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域にT字交差点のタイプの交差点が存在することを確定するステップを含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項6】
請求項1において
前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップは、
前記道路境界線の数が4つであり、前記ペア道路境界線の数が4つであることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に十字交差点タイプの交差点が存在することを確定するステップを含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項7】
請求項1において
前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップは、
前記道路境界線の前記領域における開始点と終了点とが基本的に重なることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に環状交差点のタイプの交差点が存在することを確定するステップを含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項8】
請求項1において
前記電子地図から道路境界線に関する境界線情報を抽出するステップは、
前記電子地図における、3次元場面を再構成するためのレーザー点群データからジャンプポイントを確定するステップであって、前記ジャンプポイントのデータは、道路の高さのジャンプを示す、ステップと、
前記ジャンプポイントに基づいて、前記道路境界線を認識するステップとを含むコンピュータにより実施される方法。
【請求項9】
3次元場面として構成することができるレーザー点群データを有する電子地図における交差点を認識するための装置であって、
前記電子地図から道路境界線に関する境界線情報を抽出するように構築された境界線情報抽出モジュールと、
前記境界線情報に基づいて、前記電子地図の所定のサイズの任意の領域における道路境界線同士のトポロジ関係を生成するように構築されたトポロジ関係生成モジュールであって、前記トポロジ関係は、前記領域における道路境界線の数と、前記領域の道路境界線におけるペア道路境界線の数とを含む、トポロジ関係生成モジュールと、
前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するように構築された交差点分布状況確定モジュールであって、前記交差点分布状況は、交差点の有無、または存在する交差点のタイプを含むモジュールと、を含む電子地図における交差点を自動的に認識するための装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記トポロジ関係は、前領域における道路境界線道路方向情報を含み、
前記ペア道路境界線の数は、
前記道路境界線における第1の道路境界線について、前記第1の道路境界線の道路方向情報に基づいて、前記第1の道路境界線との距離が一番短く、前記第1の道路境界線と同じ方向に位置する第2の道路境界線を確定し、
前記第1の道路境界線の接線と前記第2の道路境界線の接線との間の角度が所定の範囲内にあるか否かを確定し、
前記接線間の角度が所定の範囲内にあれば、前記ペア道路境界線の数を1つ増加させる、方法により確定する電子地図における交差点を自動的に認識するための装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記交差点分布状況確定モジュールは、
前記道路境界線の数が4つであり、前記ペア道路境界線の数が3つであると示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に合流交差点または分岐交差点のタイプの交差点が存在することを確定するように、さらに構築された電子地図における交差点を自動的に認識するための装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記交差点分布状況確定モジュールは、
前記方向情報に基づいて、3つの前記ペア道路境界線から前記交差点を目指すペア道路境界線の数を確定し、
前記交差点を目指すペア道路境界線の数が1つであることに応じて、前記交差点が分岐交差点であると確定して、
前記交差点を目指すペア道路境界線の数が2つであることに応じて、前記交差点が合流交差点であると確定するように、さらに構築された電子地図における交差点を自動的に認識するための装置。
【請求項13】
請求項9において
前記交差点分布状況確定モジュールは、
前記道路境界線の数が3つであり、前記ペア道路境界線の数が3つであることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域にT字交差点のタイプの交差点が存在することを確定するように、さらに構築された電子地図における交差点を自動的に認識するための装置。
【請求項14】
請求項9において
前記交差点分布状況確定モジュールは、
前記道路境界線の数が4つであり、前記ペア道路境界線の数が4つであることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に十字交差点タイプの交差点が存在することを確定するように、さらに構築されたことを特徴と電子地図における交差点を自動的に認識するための装置。
【請求項15】
請求項9において
前記交差点分布状況確定モジュールは、
前記道路境界線が前記領域における開始点と終了点とが基本的に重なることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に環状交差点タイプの交差点が存在することを確定するように、さらに構築された電子地図における交差点を自動的に認識するための装置。
【請求項16】
請求項9において
前記境界線情報抽出モジュールは、
前記電子地図における、3次元場面を再構成するためのレーザー点群データからジャンプポイントを確定し、前記ジャンプポイントのデータは、道路の高さのジャンプを示し、
前記ジャンプポイントに基づいて、前記道路境界線を認識するように、さらに構築された電子地図における交差点を自動的に認識するための装置。
【請求項17】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶するための記憶装置とを含む機器であって、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行される場合、前記1つまたは複数のプロセッサが請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の方法を実現する、機器。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の方法を実現するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項19】
コンピュータプログラムであって、
プロセッサにより実行されると、請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の方法を実現するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に電子地図の技術分野に関し、より具体的に、電子地図における交差点を認識するための方法、装置、およびコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子地図(特に、高精度地図)は、多くの方面でユーザに大きな利便性を提供している。例えば、電子地図により提供される位置照会、自動ナビゲーション、また自律走行機能は、現在および将来でも切り替えできないものであるだろう。
【0003】
しかしながら、高精度地図の適用範囲の増加に伴い、地図生成作業は、各種の収集情報の認識に対してより高い要求を提出している。現在、地図メーカーでは、主にレーザー点群に基づいて道路モデルを構築する。つまり、レーザーセンサを利用して、物体の表面から返送されたレーザーを感知して、関連の点群データを収集する。大量の点群データ中の道路分岐点の位置、タイプは、人為的に表記しなければならないので、生成効率が相対的に低く、ミスや欠落の可能性が存在する。また、機械学習手法を用いて交差点を認識する技術が既に存在するが、これらの技術も、人為的に大量のサンプルに対して表記を進行しなければならないので、同様に効率が低く、精度を確保できないという問題が存在する。
【0004】
したがって、精度を確保する前提下、効率を向上させるための電子地図における交差点に認識を行う技術が要求される。
【発明の概要】
【0005】
本発明の例示的実施形態によれば、電子地図における交差点を認識するための方法を提供する。
【0006】
第一の局面として、電子地図における交差点を認識するための方法を提供する。当該方法は、前記電子地図から道路境界線に関する境界線情報を取得するステップと、前記境界線情報に基づいて、前記電子地図の所定のサイズの領域における道路境界線同士のトポロジ関係を確定するステップと、前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップと、を含む。
【0007】
一部の実施形態において、前記トポロジ関係は、少なくとも前記領域における道路境界線の数と、前記道路境界線におけるペア道路境界線の数とを含み、前記道路境界線は、道路方向情報を含み、前記ペア道路境界線の数は、前記道路境界線における第1の道路境界線に対して、前記第1の道路境界線の道路方向情報に基づいて、前記第1の道路境界線との距離が一番短く、前記第1の道路境界線と同じ方向に位置する第2の道路境界線を確定し、前記第1の道路境界線の接線と前記第2の道路境界線の接線との間の角度が所定の範囲内にあるか否かを確定し、前記接線間の角度が所定の範囲内にあれば、前記ペア道路境界線の数を1つ増加させる、方法により確定する。
【0008】
一部の実施形態において、前記トポロジ関係は、少なくとも前記領域における道路境界線の数と、前記道路境界線におけるペア道路境界線の数を含み、前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップは、前記道路境界線の数が4つであり、前記ペア道路境界線の数が3つであると示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に合流交差点または分岐交差点のタイプの交差点が存在することを確定するステップを含む。
【0009】
一部の実施形態において、前記道路境界線は、方向情報を含み、前記方法は、前記方向情報に基づいて、3つの前記ペア道路境界線から、前記交差点を目指すペア道路境界線の数を確定するステップと、前記交差点を目指すペア道路境界線の数が1つであることに応じて、前記交差点が分岐交差点であると確定するステップと、前記交差点を目指すペア道路境界線の数が2つであることに応じて、前記交差点が合流交差点であると確定するステップとを、さらに含む。
【0010】
一部の実施形態において、前記トポロジ関係は、少なくとも前記領域における道路境界線の数と、前記道路境界線におけるペア道路境界線の数とを含み、前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップは、前記道路境界線の数が3つであり、前記ペア道路境界線の数が3つであることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域にT字交差点のタイプの交差点が存在することを確定するステップを含む。
【0011】
一部の実施形態において、前記トポロジ関係は、少なくとも前記領域における道路境界線の数と、前記道路境界線におけるペア道路境界線の数とを含み、前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップは、前記道路境界線の数が4つであり、前記ペア道路境界線の数が4つであることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に十字交差点タイプの交差点が存在することを確定するステップを含む。
【0012】
一部の実施形態において、前記トポロジ関係は、少なくとも前記領域における道路境界線の数と、前記道路境界線におけるペア道路境界線の数とを含み、前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するステップは、前記道路境界線の前記領域における開始点と終了点とが基本的に重なることを示す前記トポロジ関係に応じて、前記領域に環状交差点のタイプの交差点が存在することを確定するステップを含む。
【0013】
一部の実施形態において、前記トポロジ関係は、少なくとも前記領域における道路境界線の数と、前記道路境界線におけるペア道路境界線の数とを含み、前記電子地図から道路境界線に関する境界線情報を取得するステップは、前記電子地図を作成するためのレーザー点群データからジャンプポイントを確定するステップであって、前記ジャンプポイントのデータは、道路の高さのジャンプを示す、ステップと、前記ジャンプポイントに基づいて、前記道路境界線を認識するステップとを含む。
【0014】
第二の局面として、電子地図における交差点を認識するための装置を提供する。当該装置は、前記電子地図から道路境界線に関する境界線情報を取得するように構築された境界線情報取得モジュールと、前記境界線情報に基づいて、前記電子地図の所定のサイズの領域における道路境界線同士のトポロジ関係を確定するように構築されたトポロジ関係確定モジュールと、前記トポロジ関係に基づいて、前記領域における交差点分布状況を確定するように構築された交差点分布状況確定モジュールと、を含む。
【0015】
第三の局面として、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムを記憶するための記憶装置とを含む機器であって、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行される場合、前記1つまたは複数のプロセッサが第一の局面に記載の方法を実現する、機器を提供する。
【0016】
第四の局面として、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、第一の局面に記載の方法を実現するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0017】
発明の内容の部分で説明した内容は、本発明の実施形態のポイントまたは重要な特徴を限定しようとするものではなく、本発明の範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。本発明の他の特徴は、下の説明を介して容易に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の図面による非限定的な実施例についての詳細な説明を読み、参照することにより、本発明の他の特徴、目的及び利点がより明らかになる。
【0019】
図1図1は、本発明の複数の実施形態を実現可能な例示的な環境の概略図を示す。
図2図2は、本発明の実施形態に係る電子地図における交差点を認識するためのプロセスのフローチャートを示す。
図3図3は、本発明の一部の実施形態に係る道路境界線に関する境界線情報を取得する概略図を示す。
図4A図4Aは、本発明の一部の実施形態に係る合流交差点と分岐交差点の道路境界線のトポロジ関係図を示す。
図4B図4Bは、本発明の一部の実施形態に係る合流交差点と分岐交差点の道路境界線のトポロジ関係図を示す。
図5図5は、本発明の一部の実施形態に係るT字交差点の道路境界線のトポロジ関係図を示す。
図6図6は、本発明の一部の実施形態に係る十字交差点の道路境界線のトポロジ関係図を示す。
図7図7は、本発明の一部の実施形態に係る環状交差点の道路境界線のトポロジ関係図を示す。
図8図8は、本発明の一部の実施形態に係る通常の道路(交差点がない)の道路境界線のトポロジ関係図を示す。
図9図9は、本発明の実施形態に係る電子地図における交差点を認識するための装置のブロックの概略図を示す。
図10図10は、本発明の複数の実施形態を実施可能なコンピューティング機器のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、説明の詳細を参照しながら本発明の様々な実施形態及び態様を説明し、図面には、上記様々な実施形態が示される。以下の説明及び図面は、本発明を例示するためのものであり、限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の様々な実施形態を全面的に理解するために、多くの特定の詳細を説明する。ところが、いくつかの場合には、本発明の実施形態に対する簡単な説明を提供するために、周知又は従来技術の詳細について説明していない。
【0021】
本発明の実施形態を説明することにおいて、用語「含む」及び似ている用語は、開放的な「含む」に理解すべきである。つまり、「...を含むが、これらに限定されない」と理解すべきである。用語「に基づいて」は、「少なくとも部分的に...に基づいて」と理解すべきである。用語「一実施形態」または「当該実施形態」は、「少なくとも一つの実施形態」として理解すべきである。用語「第1」、「第2」などは、異なるか、同じ対象物を示す可能性もある。以下、他の明確な定義と暗黙的定義を含める可能性もある。
【0022】
前述したように、電子地図における交差点とそのタイプを認識するために、従来の方案では、人為的な方法を介して、または大量のサンプルの製作と大量のトレーニングが必要な深層学習方法により、このような認識を実現する。これらの方案は、正確性、コストなどの面ですべて欠陥が存在する。例えば、人為的な方法と深層学習方法は、すべて非常に強い人為的な要素を含み、誤った表記を招く可能性が非常に高い。人為的な要素を最大限に制御して、各種の交差点を正確に認識することができるが、時間と人件費の面への投資が大きすぎるので、実際の応用において、これを実行不可能になる。
【0023】
また、人為的に交差点を認識し、または深層学習により交差点を認識する思想は、すべて交差点自体を直接的な認識対象物とみなし、画像、またはレーザー点群から各種のタイプの交差点を直接に認識するものである。また、交差点のタイプ(合流交差点、分岐交差点、T字交差点、十字交差点、環状交差点など)が多様で、道路の材質(セメント、アスファルト)、道路の色(白、土色、黒)、道路幅も異なるので、認識する時、様々な状況を考える必要がある。深層学習方法を使用しても、大量のサンプルを製作して、大量のトレーニングを進行しなければならない点は同じであり、これにより、生成効率が低下するのみならず、正確な呼び出し確率を確保することもできない。
【0024】
全体的に、本発明の実施形態によれば、電子地図における交差点を認識するための技術的方案を提出する。当該実施形態において、従来の技術のように交差点自体に対して認識操作を進行するのではなく、電子地図の中の所定の領域における道路境界線を抽出し、道路境界線同士のトポロジ関係に基づいて交差点分布状況を推定する。電子地図がレーザー点群技術により生成された高精度地図である場合、本方法は、まず、車両搭載型レーザー点群ステッチで作成した3次元場面から道路情報を抽出し、道路情報から道路境界線情報を抽出することができる。これにより、所定の範囲内の道路境界線同士のトポロジ関係を取得することができる。交差点のタイプが異なることに従って、その交差点に接続された道路境界線同士のトポロジ関係も異なる。したがって、本方法は、このような原理を利用して、交差点分布状況を認識する。
【0025】
本発明において、用語「トポロジ関係」は、位相幾何学的原理を満足する各空間データ間の相互関係を指し、データ上で、主に道路境界線の方向と数などの情報を表示するためのものである。「トポロジ関係」は、道路境界線の具体的な位置と、具体的な長さを考慮するのではなく、単にそれらの間の相対的な指向と数を考慮するので、コンピューティング・リソースを節約することができる。
【0026】
本発明の実施形態において、電子地図から道路境界線情報を抽出した後、道路境界線同士のトポロジ関係を生成し、続いてそのトポロジ関係に基づいて交差点のタイプを認識するので、電子地図は、現在まだ使用されている2次元地図であっても、将来的に広く応用される3次元高精度地図であってもよい。付加的にまたは選択的に、本発明の方法は、道路境界線を検出して間接的に交差点分布状況を認識するので、他の任意の電子地図に適用することができる。
【0027】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0028】
図1は、本発明の複数の実施形態を実現可能な例示的環境100の概略図を示す。この例示的環境100は、車両搭載型レーザー点群から場面の3次元再構成を行って取得したものである。例えば、レーザー点群装置を備える収集オブジェクト(図示せず)は、例示的環境100中の道路で走行する。レーザー点群装置は、所定の範囲(例えば、400メートルの半径の範囲)内の環境情報をフレームの単位で記録する。当該環境情報は、建物情報103と道路情報101を含むことができるが、これに限定されない。レーザー点群装置による環境情報の収集作業が完了した後、地図メーカーは、これらの環境情報の集合に基づいて、レーザー点群ステッチを進めすることにより、場面の3次元再構成を完成し、これにより図1に示された例示的環境の立体図を取得することができる。
【0029】
上述したように、従来の技術では、人為的な方法または深層学習方法で交差点101が存在するか否か及びその具体的なタイプを認識する。実際に再構成された3次元場面は大量の交差点101を含むので、交差点101を認識する作業量は非常に大きくなる。上述した問題およびその他の潜在的な問題や欠陥を少なくとも部分的に解決するために、本発明の複数の実施形態は、新規の交差点認識方法を提供する。この案は、主に2つの部分に分けられる。一つの部分は、道路境界線の境界線情報を取得する具体的な方法であり、他の一つの部分は、道路境界線のトポロジ関係と交差点のタイプの対応関係を構築することである。
【0030】
本発明の主要な思想は、所定の範囲内の道路境界線のトポロジ関係に基づいて交差点の具体的な配置状況を認識するものである。以下、図2を参照して、電子地図における交差点を認識するプロセスについて詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態に係る電子地図における交差点を認識するためのプロセス200のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、プロセス200は、下に図10に図示された機器により実現されることができる。
【0031】
ブロック210において、電子地図から道路境界線に関する境界線情報を取得する。一部の実施形態において、まず、電子地図の例示的環境100から道路に関する道路情報を取得し、続いてその道路情報から道路境界線に関する境界線情報を取得することができる。選択的にまたは付加的に、電子地図の例示的環境100から道路境界線に関する境界線情報を直接に取得することができる。
【0032】
理解の便宜のために、図3は、本発明の一部の実施形態に係る道路境界線に関する境界線情報を取得する概略図を例示的に示す。図3に示すように、特徴300は、レーザー点群装置を備える収集オブジェクトの進行方向の断面に垂直され、その進行方向は、図面用紙に進入する方向である。特徴300に図示された断面は、道路303とその道路303の両側に位置する道路境界線301を含む。複数の特徴300の集合は、上述したように、3次元場面に再構成された後、当該場面(または対応するレーザー点群)から道路境界線301に関する境界線情報を取得する。
【0033】
一部の実施形態において、電子地図の3次元場面を再構成するためのレーザー点群からジャンプポイントを確定することができ、ジャンプポイントのデータは、道路の高さのジャンプを示すためのものである。図3に示すように、図3では、相応のアルゴリズムを使用して、急ジャンプ高さ305を検出することによりジャンプポイントを検出することができる。現在の都市において、車両が走行する道路はすべて平坦な道路なので、道路にジャンプポイントが存在することが検出される場合は、対応するジャンプポイントが道路境界線の構成要素であると初歩的に判断することができる。これは、現在の図形認識方法で道路境界線を検出することと比較して、より正確で簡単で効率的である。選択的にまたは付加的に、例えば、累積合計(Cusum)アルゴリズムまたは適応閾値アルゴリズムなどのアルゴリズムを使用して、イメージからのジャンプポイント305を検出することにより、ジャンプポイントの収集過程を簡略化することができる。また、道路の点群内で成長アルゴリズムを使用することができる。つまり、レーザー点群装置を備える収集オブジェクトが配置された平地を基準に上に成長する。その成長過程で道路点群を取得することができる。すべての高さのジャンプポイント(道路境界線のポイント)は、候補として選択されることができる。この方法により、検出されたジャンプポイント305は、抽出しようとする道路境界線の一つのポイントとして使用することができる。
【0034】
さらに、ジャンプポイント305の集合を道路境界線301に関する境界線情報と見なすことにより、道路境界線情報の取得を実現することができる。一部の実施形態において、所定のアルゴリズムで抽出した高ジャンプポイント(道路境界線のポイント)をベクトル化して、道路境界線の曲線をフィッティングする。このような曲線フィッティング処理により、道路境界線を代表することができないジャンプポイント(例えば、道路上の雑貨、非定期突起など)を除去することができる。一部の実施形態において、alpha−shapeアルゴリズムを使用して高ジャンプポイントの集合をベクトル化して、誤検出されたり干渉されるジャンプポイントを削除することができる。他のいくつかの実施形態において、その後のステップで対(ペア)を成す道路境界線を認識するために、ジャンプポイントと道路の相対的な位置を認識して、道路境界線の内側と外側を確定することで、左側の道路境界線(「第1の道路境界線」とも呼ばれる)であるか、それとも右側道路境界線(「第2の道路境界線」とも呼ばれる)であるかを区別することができる。上述した方法により、所定の範囲内のすべての道路境界線を取得することができる。電子地図を検出対象物と考えている従来の方法と比較し、道路境界線を検出対象物とみなすことは、コンピューティング・リソースを大々的に節約することができる。
【0035】
また、道路境界線に関する境界線情報を取得した以降、各道路境界線のトポロジ関係を生成し、以下のような様々な方式に従って、トポロジ関係に基づいて、交差点の具体的な配置方式を判定することができる。一部の実施形態において、当該トポロジ関係は、道路境界線の数とペアを成す道路境界線(ペア道路境界線)の数を含むことができる。異なるタイプの交差点の関連道路境界線は基本的に異なる道路境界線の数とペアを成す道路境界線の数とを備えるので、十分にこれらの道路境界線の数とペア道路境界線の数に関連するトポロジ関係を認識して、交差点の具体的な配置方式を確定することができる。選択的にまたは付加的に、当該トポロジ関係は、道路境界線の数、ペア道路境界線の数及び交差点を指向するペア道路境界線の数を含むことにより、トポロジ関係が似る特定の交差点のタイプを更に区別することができる。以下、道路境界線のトポロジ関係と交差点のタイプとの対応関係の構築について詳細に説明する。
【0036】
戻って再び図2を参照すると、ブロック220において、境界線情報に基づいて電子地図の例示的環境100の所定のサイズの領域101内の道路境界線同士のトポロジ関係を確定する。一部の実施形態において、当該トポロジ関係は、領域101中の道路境界線の数と道路境界線の中のペア道路境界線の数を含むことができる。選択的にまたは付加的に、当該トポロジ関係は、交差点を目指すペア道路境界線の数をさらに含むことができる。
【0037】
理解の便宜のために、図4A図8を結びつけて、道路境界線の各トポロジ関係と対応する交差点のタイプを説明する。図4A図8に図示されたトポロジ関係は、すべて例示的なものであることに注意しなければならない。本発明で必要とされる請求の範囲内の他の修正および変形は、すべて本発明に説明された交差点の具体的な配置方式を認識する技術に適用することもできる。
【0038】
図4Aおよび図4Bは、それぞれ本発明の一部の実施形態に係る合流交差点400と分岐交差点400’の道路境界線のトポロジ関係図を示す。図4Aは、取得した4本の道路境界線401、402、403、404を示し、図4Bは、取得した4本の道路境界線401’、402’、403’と404’を示す。また、双方向の矢印で示すように、図4Aは、道路境界線のマッチング関係412、414、434を示し、図4Bは、道路境界線のマッチング関係41’、414’、434’を示す。すなわち、図4A図4Bには、いずれも3つのペア道路境界線が存在する。つまり、トポロジ関係により道路境界線の数が4つ、ペア道路境界線の数が3つであることが指示される場合、その領域に合流交差点または分岐交差点タイプの交差点(400または400’)が存在することを確定することができる。この方法により、交差点のタイプを自動的に認識し、地図生成効率を向上させ、非常に強力な普遍性を有する。
【0039】
本発明の実施形態によれば、道路境界線の数の確定は、画像処理(例えば、エッジ検出、輪郭検出など)、人為的コメント、先行知識および/または任意の適切な方法に基づいて実現することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、下記のような方法で地図の所定の領域に存在するペア道路境界線の数を確定することができる。まず、領域におけるこれらの道路境界線のうちの左側の道路境界線(または図4A中の401のように、「第1の道路境界線」と呼ばれる)において、道路方向情報(例えば、各道路境界線の矢印で示す)に基づいて、所定の範囲内で左の道路境界線との距離が一番短い右側の道路境界線(または図4A中の402のように、「第2の道路境界線」と呼ばれる)を確定し、または、領域におけるこれらの道路境界線のうちの右側の道路境界線において、道路方向情報に基づいて、対応する右側の道路境界線との距離が一番短い左側の道路境界線を確定することができる。また、当該左側の道路境界線とその右側の道路境界線は、同じ方向に位置する。これらのスデップを使用して、並列2車線(中間の仕切りが存在する)とガードレールがない双方向車線の誤認識を基本的に避けることができる。
【0041】
続いて、当該左側の道路境界線とその右側の道路境界線が、基本的に接線平行か、または所定の距離内で互いに平行かを確定しなければならない。一部の実施形態において、当該左側の道路境界線の接線とその右側の道路境界線の接線との間の角度が所定の範囲内にあるか否かを確定することができる。その左側の道路境界線とその右側の道路境界線の接線の角度が所定の範囲内にある場合、1対の道路境界線を認識し、これにより、プログラムのペア道路境界線の数を1つ増加させる。一部の実施形態において、当該角度の所定の範囲は、0°〜30°であってもよい。必要に応じて、当該角度の所定の範囲は、0°〜20°であってもよい。付加的に、当該角度の所定の範囲は、0°〜10°または0°〜5°であってもよい。これらのステップを使用して、同じ道に該当しない2つの道路境界線(例えば、図4A中の中間の2本の境界線402、403、および図4B中の中間の2本の境界線402’、403’の誤認識を基本的に避けことができる。
【0042】
上述したように、図4Aおよび図4Bに示されるトポロジ関係に基づいて、その領域に合流交差点または分岐交差点のタイプの交差点が存在することを認識することができる。具体的に合流交差点や分岐交差点については、以下のような方法で認識を行うことができる。一部の実施形態において、図中の各道路境界線の矢印で示すように、各道路境界線は、方向情報を備えることができる。図4Aに示すように、交差点400を指向するペア道路境界線の数が1つ存在する場合、交差点400を分岐交差点と確定する。また、図4Bに示すように、交差点400’を指向するペア道路境界線の数が2つに達した場合、交差点400’を合流交差点と確定する。これらのステップを使用して、合流交差点と分岐交差点の認識を混乱させることを基本的に避けことができる。
【0043】
図5は、本発明の一部の実施形態に係るT字交差点500の道路境界線のトポロジ関係図を示す。図5には、取得した3本の道路境界線501、502、503が存在する。また、双方向の矢印で示すように、3つのマッチング関係512、513、523が存在し、すなわち、図5には、3つのペア道路境界線がさらに存在する。つまり、トポロジ関係により道路境界線の数が3つ、ペア道路境界線の数が3つであることが指示される場合、その領域にT字交差点のタイプの交差点500が存在すると確定することができる。
【0044】
図6は、本発明の一部の実施形態に係る十字交差点600の道路境界線のトポロジ関係図を示す。図4A図4B及び図5の認識方式と同様に、図6には、4本の道路境界線601、602、603、604が存在する。また、双方向の矢印で示すように、4つのマッチング関係612、623、634、614が存在し、すなわち、図6には、4つのペア道路境界線がさらに存在する。つまり、トポロジ関係により道路境界線の数が4つ、ペア道路境界線の数が4つであることが指示される場合、その領域に十字交差点タイプの交差点600が存在すると確定することができる。
【0045】
図7は、本発明の一部の実施形態に係る環状交差点700の道路境界線のトポロジ関係図を示す。図4A図6の認識方法と相違し、図7には1本の閉鎖的な道路境界線704が存在する。1本の閉鎖的な道路境界線704が認識される場合、交差点700が存在すると判定し、当該交差点700にラウンドアバウト704が存在すると判定する。一部の実施形態において、トポロジ関係により道路境界線の領域における開始点と終了点が基本的に重ねると指示される場合、例えば開始点と終了点のベクトル差が所定の範囲内にある場合、領域にラウンドアバウト(環形交差点)のタイプの交差点700が存在すると確定する。
【0046】
一部の実施形態において、異なるタイプの環状交差点700が存在することができる。たとえば、3道の環状交差点が存在する。図7に示すように、3本の道路境界線701、702、703が存在する。また、双方向の矢印で示すように、6つのマッチング関係712、713、714、723、724、734が存在する。すなわち、図7には、6つのペア道路境界線がさらに存在する。つまり、トポロジ関係により道路境界線の数が3つ、ペア道路境界線の数が6であることが指示される場合、その領域に3本の環状交差点タイプの交差点700が存在すると確定することができる。選択的にまたは付加的に、4本の環状交差点(図示せず)、5本の環状交差点(図示せず)、6本の環状交差点(図示せず)などの他の環状交差点にも相応のトポロジ関係が存在し、本発明では、これに対する繰り返される説明を省略する。
【0047】
図8は、本発明の一部の実施形態に係る通常の道路800(交差点がない)の道路境界線のトポロジ関係図を示す。図4A図7と明確に異なり、図8には、ただ2つの道路境界線801、802が存在し、双方向の矢印で示すように、当該2つの道路境界線は、一対の道路境界線812である。つまり、トポロジ関係により道路境界線の数が2つであり、ペア道路境界線の数が1つであることが指示される場合、その領域に交差点が存在しないことを確定することができる。
【0048】
戻って、続いて図2を参照すると、ブロック230において、トポロジ関係に基づいて、領域101における交差点分布状況を確定する。図4A図8を参照して説明したように、一部の実施形態において、下記のような並列判定を介して交差点分布状況を認識する。つまり、トポロジ関係により道路境界線の数が4つ、ペア道路境界線の数が3つであることが指示される場合、領域に合流交差点400または分岐交差点400’のタイプの交差点が存在すると確定し、または、トポロジ関係により道路境界線の数が3つ、ペア道路境界線の数が3つであることが指示される場合、領域にT字交差点500タイプの交差点が存在すると確定し、または、トポロジ関係により道路境界線の数が4つ、ペア道路境界線の数が4つであることが指示される場合、領域に十字交差点600タイプの交差点が存在すると確定し、または、トポロジ関係により道境界線の領域における開始点と終了点が基本的に重ねることが指示される場合、領域に環状交差点700のタイプの交差点が存在すると確定する。選択的にまたは付加的に、前述したトポロジ関係以外のトポロジ関係になる場合、その領域に交差点が存在しないと判定する。
【0049】
本明細書に提出された道路境界線のトポロジ関係(つまり、交差点に接続されている各道路境界線同士の位置と方向の関係)は、上述した実施形態で議論された道路境界線の数と、ペア道路境界線の数と、ペア道路境界線との交差点の相対的な方向とを含むだけでなく、他のトポロジ関係も含む。つまり、上述した実施形態で議論されたトポロジ関係以外の他の道路関係を利用して、交差点の認識を行うこともできる。トポロジ関係から道路境界線の具体的な位置、具体的な長さと角度を考慮していないが、現実の中の交差点は、すべて異なり、限られたいくつかのタイプに完全に分類することができるので、道路境界線のトポロジ関係に基づいて交差点のタイプを認識する本発明の技術は、各種の交差点に適用されることができ、普遍性が強い特徴を備える。
【0050】
図9は、本発明の実施形態に係る電子地図における交差点を認識するための装置のブロック概略図を示す。図9に示すように、装置900は、、電子地図から道路境界線に関する境界線情報を取得するように構築された境界線情報取得モジュール910と、境界線情報に基づいて電子地図の所定のサイズの領域内の道路境界線同士のトポロジ関係を確定するように構築されたトポロジ関係確定モジュール920と、トポロジ関係に基づいて、領域における交差点分布状況を確定するように構築された交差点分布状況確定モジュール930を含む。
【0051】
図10は、本発明の複数の実施形態を実施することができるコンピューティング機器1000のブロック図を示す。機器1000は、図11の点群データを処理するための装置1100を実現するのに使用することができる。図示されたように、機器1000は、中央処理ユニット1001(CPU)を含み、CPU1001は、読み取り専用メモリ1002(ROM)に記憶されたコンピュータプログラム指令、または記憶ユニット1008からランダムアクセスメモリ1003(RAM)にロードされたコンピュータプログラム指令に基づいて、各種の適切な動作と処理を実行することができる。RAM1003には、機器1000の動作に必要な各種のプログラムやデータが記憶されることができる。CPU1001、ROM1002とRAM1003、バス1004を介して互いに接続される。入力/出力(I/O)インターフェース1005もバス1004に接続される。
【0052】
機器1000中のI/Oインタフェース1005に接続されている複数の部品として、キーボード、マウスなどの入力ユニット1006と、様々なタイプの表示装置、スピーカーなどの出力ユニット1007と、磁気ディスク、コンパクトディスクなどの記憶ユニット1008と、LANカード、モデム、無線通信トランシーバなどの通信ユニット1009が含まれる。通信ユニット1009は、機器1000がインターネットなどのコンピュータネットワークおよび/または各種の電気通信網を介して他の機器と情報/データを交換することを可能にする。
【0053】
中央処理ユニット1001は、前述した各方法と処理、例えば、方法500および/または方法900を実行する。例えば、いくつかのの実施形態において、方法500および/または方法900は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されることができ、これは機械可読媒体(例えば、記憶ユニット1008)に含まれている。一部の実施形態において、コンピュータプログラムの一部または全部は、ROM1002、および/または通信ユニット1009を経由して機器1000上にロードおよび/またはインストールすることができる。コンピュータプログラムは、RAM1003にロードされてCPU1001により実行される場合、前述した方法500および/または方法900の1つまたは複数のステップを実行することができる。選択可能に、その他の実施形態において、CPU1001は、ギターの任意の適切な方法で(例えば、ファームウェアの助けを借りて)方法500および/または方法900を実行するように構築することができる。
【0054】
本明細書に説明されて複数の機能は、少なくとも部分的に1つまたは複数のハードウェアロジック部材で実行することができる。例えば、使用可能な模式的なタイプのハードウェアロジック部材は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、オンデマンド標準製品(ASSP)、システム−オン−チップシステム(SOC)、複合プログラマブルロジック素子(CPLD)などを含むが、これに限定されない。
【0055】
本発明の方法を実施するためのプログラムコードは、1つまたは複数のプログラマブル言語の任意の組み合わせを利用してプログラミングすることができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、オンデマンドコンピュータ又はその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサまたは制御装置に提供されることができ、プログラムコードがプロセッサまたは制御装置により実行される場合には、フローチャート、および/またはブロック図に規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは、完全に機械上で実行されるか、部分的に機械上で実行されるか、独立したソフトウェアパッケージとして部分的に機械上で実行されて、部分的にリモートマシン上で実行されたり、または完全にリモートマシンまたはサービスで実行されることができる。
【0056】
本発明の文脈において、機械可読媒体は、あるタイプの媒体であることができ、コマンドを実行するシステム、装置又は機器によって使用されるか、またはコマンドの実行システム、装置または機器と組み合わせて使用されるプログラムを含むまたは記憶することができる。機械可読媒体は、機械可読信号媒体または機械可読記憶媒体であることができる。機械可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線または半導体システム、装置、または機器、または前述した内容の任意の適切な組み合わせを含むことができるが、これに限定されない。機械可読記憶媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤベースの電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去およびプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、光学ストレージ装置、磁気記憶装置、または前述した内容の任意の適切な組み合わせを含むことができるが、これに限定されない。
【0057】
また、特定の順序を利用して、各操作ウルルル説明したが、これはこのような操作が図示された特定の順序またはシーケンスで実行されることを要求したり、目的の結果を実現するために図示されたすべての操作が実行されることを要求すると理解してはならない。一定の環境において、マルチタスクと並列処理は、有利であることができる。同様に、上記説明に様々な具体的な実現の詳細が含まれているが、これらは本発明の範囲の限定と解釈してはならない。別の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、組み合わせの方法で単一の実現に実現されることができる。逆に、単一のの実現のコンテキストで説明された各種の特徴も個別にまたは任意の適切なサブ組み合わせの方法で複数の実現に実現されることもできる。
【0058】
構造の特徴および/または方法のロジックの動作に固有の言語を使用して本主題を説明したが、特許請求の範囲に限定された主題は、必ずしも前述した特定の特徴または動作に限定されるべきではないことを理解すべきである。逆に、前述した特定の特徴または動作は、単に特許請求の範囲を実現する例示的形式である。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10