(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ノズルアセンブリを用いて基材上に流体を塗布する方法であって、前記ノズルアセンブリは、ともに固定される複数のプレートと、第1の流体を受け入れるように構成される第1の入口を有する第1の流体導管と、該第1の流体導管の下流に配置されるとともに該第1の流体導管と流体連通する第1の吐出オリフィスであって、前記第1の流体を概ね第1の方向に吐出するように構成される、第1の吐出オリフィスと、第2の流体を受け入れるように構成される第2の入口を有する第2の流体導管と、該第2の流体導管の下流に配置されるとともに該第2の流体導管と流体連通する第2の吐出オリフィスであって、第2の流体を、前記第1の方向と交差する概ね第2の方向に吐出するように構成される、第2の吐出オリフィスと、前記第2の導管の下流に配置されるとともに該第2の導管と流体連通する第3の吐出オリフィスであって、前記第2の流体を吐出して、前記第1の流体を振動又は揺動させるように構成される、第3の吐出オリフィスとを備え、該方法は、
前記ノズルアセンブリによって前記基材に対して連続的に供給することと、
前記第1の方向において、前記第1の流体を前記第1の吐出オリフィスから前記基材上に吐出することと、
前記第2の方向において、前記第2の流体を前記第2の吐出オリフィスから吐出して、前記第1の吐出オリフィスから吐出される前記第1の流体を、前記第1の吐出オリフィスにおいて断ち切ることと、
前記第2の流体を前記第3の吐出オリフィスから概ね前記第1の方向に吐出することと、
を含む、方法。
【背景技術】
【0001】
1つ以上の接着剤オリフィスを有するノズルを使用して、繊維化された(fiberized)接着剤を基材又は材料ストランドに塗布することができる。1つの可能な用途は、使い捨て衛生製品又は衛生物品の製造における用途であり得る。これらの製品は、通常、基材、例えば不織フィルム又は不織/フィルムラミネート材料と、接着剤によって基材に接合される別の構成部材とを備える。例えば、繊維化された接着剤は、おむつの製造において基材にウエストバンドを取り付けるために基材に塗布されるか、女性用衛生製品の製造において基材上の位置決め接着剤(positioning adhesive)として塗布されるか、又は衛生製品の構築において外殻にコアを固定するために塗布され得る。
【0002】
これらの物品又は製品は、基材をノズルに沿って流れ方向(machine direction)に供給することによって製造することができる。ノズルの接着剤オリフィスは、流れ方向に対して横断方向に、ノズルの幅を横切って配置することができる。したがって、接着剤は、基材の幅を横切って塗布することができる。さらに、ノズルは、ノズルの幅方向において接着剤オリフィスの間に配置される空気オリフィスを有することができる。吐出される空気は、個々の接着剤ファイバー又はストランドが基材に塗布される際に、これらの個々の接着剤ファイバー又はストランドを幅方向に振動させることができる。
【0003】
物品の製造中、基材上への接着剤の塗布を選択的に停止及び/又は開始することが望ましい場合がある。例えば、基材への接合が望まれない場所、又は基材から形成されることになる隣り合う部品又は製品を離隔するための場所のいずれかにギャップを設けるために、流れ方向において、基材上に接着剤の間欠塗布パターンを与えることが望ましい場合がある。
【0004】
接着剤の間欠塗布は、通常、ノズルへの接着剤の供給を制御することによって制御される。流れ方向において基材上の接着剤部分の間にギャップを設けるために、ノズルへの接着剤の供給を、例えば、計量ポンプの停止又はバルブの作動によって中断することができる。
【0005】
しかしながら、従来のシステムでは、基材上への接着剤の塗布を、望ましい位置において開始及び停止するように精密かつ正確に制御することは困難である。例えば、ノズルに残留した接着剤が、ノズルへの接着剤の供給が中断された後もノズルオリフィスから吐出され続け、結果として、基材への接着剤の過剰な塗布をもたらす可能性がある。これは、一般にオーバースプレーと称され、材料費の増加、及び接着剤が存在すべきでない製品領域の接着剤汚染を引き起こす。さらにまた、ギャップの位置決めを向上させるために基材のライン速度が減じられ、結果として、製造時間の増加をもたらす可能性がある。
【0006】
さらに、基材上における接着剤の全体として望ましい塗布パターンは、典型的には、精密に規定された横縁部(縁規定部)と、接着剤が開始及び終端する端部とを有する矩形である。従来のノズルでは、上述したように、接着剤の塗布が開始又は停止する端部を精密に制御することが困難なだけでなく、望ましい縁規定部を得るように接着剤の塗布を制御することも困難であり得る。例えば、単数又は複数の空気出口が接着剤出口から横方向に離間している従来のシステムでは、吐出される接着剤が空気によって押されて望ましい横縁部を通り越し、ここでもまた、結果としてオーバースプレーをもたらす可能性がある。
【0007】
さらに、従来のシステムでは、始動時、接着剤の吐出と接着剤を繊維化するのに十分な空気の吐出との間に遅延が存在し得る。したがって、始動時、繊維化されていない又は十分に繊維化されていない接着剤の液滴が、基材上に受け取られる場合がある。これは、「接着剤ストライクスルー(glue strike through)」と称され得る。基材上に受け取られた繊維化されていない液滴は、基材が機械に沿って供給される際に機械のローラーを汚染する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの正面図である。
【
図1B】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの側面図である。
【
図1C】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの斜視図である。
【
図3】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの拡大断面図である。
【
図4】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリにおける流体の流れを示す拡大断面図である。
【
図5】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの断面斜視図である。
【
図6】
図4のノズルアセンブリの別の断面斜視図である。
【
図7】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリにおける第1の吐出オリフィス及び第2の吐出オリフィスを示す拡大断面図である。
【
図8】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの分解図である。
【
図9】
図8に示すノズルアセンブリのプレートの拡大図である。
【
図10】
図8に示すノズルアセンブリのプレートの拡大図である。
【
図11】
図8に示すノズルアセンブリのプレートの拡大図である。
【
図12】本明細書に記載の一実施形態に係る第1の吐出オリフィス及び第2の吐出オリフィスを有するノズルプレートを示す図である。
【
図14】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの内部構成部材及び外部構成部材を示す、拡大された半透視図である。
【
図15】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの内部構成部材及び外部構成部材を示す、拡大された半透視図である。
【
図16】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの半透視図である。
【
図17】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリのモデリングを示す図である。
【
図18】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの部分透視図である。
【
図19】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリのモデリングを示す図である。
【
図20】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリの断面の数値流体力学(CFD)モデルである。
【
図21】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリのCFDモデルである。
【
図22】本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリのCFDモデルである。
【
図23】本明細書に記載の実施形態に係るノズルアセンブリによって流体が塗布された基材の例を示す図である。
【
図24】本明細書に記載の実施形態に係るノズルアセンブリによって流体が塗布された基材の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は種々の形態の実施形態が可能であるが、1つ以上の実施形態が図面に示されるとともに以下で記載される。本開示は単なる例示とみなされ、また、本開示を記載又は図示されているいかなる特定の実施形態に限定することも意図していないことが理解される。
【0014】
図1A、
図1B及び
図1Cは、本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリ10の正面図、側面図及び斜視図を示している。
図2〜
図7は、本明細書に記載の実施形態に係るノズルアセンブリ10又はノズルアセンブリ10の一部の異なる断面図を示している。
図8は、本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリ10の分解図であり、
図9〜
図11は、
図8に示す特徴部の拡大図である。
図1〜
図11を参照すると、本明細書に記載の実施形態に係るノズルアセンブリ10は、基材上に流体を吐出するように構成されており、概して、ともに固定される複数のプレート12と、第1の入口16を有する第1の流体導管14と、1つ以上の第1の吐出オリフィス18と、第2の入口22(
図8)を有する第2の流体導管20と、1つ以上の第2の吐出オリフィス24と、1つ以上の第3の吐出オリフィス25(
図9)とを備える。
【0015】
第1の流体導管(又はプレナム)14及び第1の入口16は、第1の流体供給部(図示せず)から第1の流体F1を収納するように構成される。1つ以上の第1の吐出オリフィスは、第1の流体導管14の下流に配置されるとともに第1の流体導管14と流体連通し、第1の流体導管14から第1の流体F1を収納するようになっている。第2の流体導管(又はプレナム)20及び第2の入口22は、第2の流体供給部(図示せず)から第2の流体F2を収納するように構成される。1つ以上の第2の吐出オリフィス24は、第2の流体導管20の下流に配置されるとともに第2の流体導管20と流体連通し、第2の流体導管20から第2の流体F2を収納するようになっている。また、1つ以上の第3の吐出オリフィス25も、第2の流体導管20の下流に配置されるとともに第2の流体導管20と流体連通し、第2の流体導管22から第2の流体F2を収納するようになっている。
【0016】
各第1の吐出オリフィス18は、第1の流体F1(
図4)を概ね第1の方向D1に吐出するように構成される。各第2の吐出オリフィス24は、第2の流体F2(
図4)を、第1の方向D1と交差する概ね第2の方向D2に吐出するように構成される。各第3の吐出オリフィス25は、第2の流体F2を、様々な角度で概ね第1の方向D1に吐出するように構成される。1つ以上の第2の吐出オリフィス24は、本明細書において「バリアオリフィス」と称される場合もあり、1つ以上の第3の吐出オリフィス25は、本明細書において「スプレーオリフィス」と称される場合もある。1つの実施形態において、1つ以上の第2の吐出オリフィス24から吐出される第2の流体F2は、それぞれの1つ以上の第1の吐出オリフィス22から吐出される第1の流体F1を断ち切るエアナイフとして作用することができ、1つ以上の第3の吐出オリフィス25から吐出される第2の流体F2は、基材上への塗布時に、第1の流体F1を振動又は揺動させるように作用することができる。第1の流体F1は、ホットメルト接着剤とすることができ、第2の流体F2は、空気とすることができる。また、1つ以上の第2のオリフィス24又は第3のオリフィス25から吐出される空気は、1つ以上の第1のオリフィス18から接着剤が吐出される際に、接着剤を伸長させて、接着剤を繊維化することができる。
【0017】
1つの実施形態において、ノズルアセンブリ10は、複数のプレート12によって形成される積層プレートノズル(LPN)である。第1の流体導管14及び第2の流体導管20は、複数のプレート12のうちの1つ以上のプレートを通って延びる。1つの実施形態において、第2の流体導管20は、複数のプレート12の各プレートに延びていてもよい。複数のプレート12は、前面プレート26と、後面プレート28と、前面プレート26及び後面プレート28の間に配置される複数の積層ノズルプレート30とを含むことができる。第1の入口16及び第2の入口22は、後面プレート28に形成することができる。第1の入口16は、第1の流体F1を第1の流体導管14内に収納するように構成され、第2の入口22は、第2の流体F2を第2の流体導管20内に収納するように構成される。
【0018】
図3〜
図8に示すように、特に
図7を参照すると、1つ以上の第1の吐出オリフィス18のうちの第1の吐出オリフィス18は、第1の流体F1を、ノズルアセンブリ10から実質的に離れる概ね第1の方向D1に吐出するように構成される。1つの実施形態において、第1の吐出オリフィス18は、第1の方向D1に延びる第1の軸A1を有する。1つ以上の第2の吐出オリフィス24のうちの第2の吐出オリフィス24は、第2の流体F2を、第1の方向D1と交差する概ね第2の方向D2に吐出するように構成される。第2の吐出オリフィス24は、第2の方向D2に延びる第2の軸A2を有することができる。
【0019】
1つの実施形態において、第1の方向D1は、第2の方向D2に対しておおよそ80度〜100度の角度、好ましくは約90度の角度をなすことができる。同様に、第1の軸A1と第2の軸A2とは、互いに対しておおよそ80度〜100度、好ましくは約90度の角度をなすことができる。
【0020】
また、
図4及び
図7に示すように、例えば、第2の吐出オリフィス24は、第2の流体F2を少なくとも一部、第1の吐出オリフィス18内に吐出することができる。例えば、第2の吐出オリフィス24は、第2の流体F2の少なくとも一部を第1の吐出オリフィス18内に吐出することができるような幅、例えば直径を有する。
図7を参照すると、1つの実施形態において、第2の吐出オリフィス24の中心線、すなわち第2の軸A2は、第1の方向D1に沿って、第1の吐出オリフィス18の端部32に対応するように配置される。したがって、第2の吐出オリフィス24から吐出される流体は、第2の軸A2の片側34において、第1の吐出オリフィス18内に吐出することができる。しかしながら、本開示は、この構成に限定されないことが理解される。例えば、第2の吐出オリフィスから延びる偏心した線、すなわち非軸線を、第1の吐出オリフィス18の端部32と位置合わせしてもよい。第1の吐出オリフィス18の端部32は、複数のプレートのうちの、第1の吐出オリフィス18にすぐ隣接する1つのプレートの端部によって、一部を画定することができる。1つの実施形態において、この1つのプレートの端部は、第1の角度αに形成されるエッジ部を含む。角度αは、好ましくは約90度であるが、他の角度も想定される。エッジ部は、第1の吐出オリフィス18から吐出される繊維化された接着剤ストランドの断ち切り又は分離を援助するナイフエッジ部としての役割を果たすことができる。
【0021】
図8は、本明細書に記載の一実施形態に係る複数のプレート12の個々のプレートを示す、ノズルアセンブリ10の分解図である。
図9〜
図11は、
図8に示すプレートの拡大図を示している。
図8〜
図11を参照すると、後面プレート28は、それぞれの供給源(図示せず)から第1の流体F1及び第2の流体F2を収納するために、第1の入口16及び第2の入口22を有することができる。
【0022】
また、1つの実施形態において、第1の流体導管14は、リザーバー部36と、第1のディバイダー部38と、1つ以上の(正:one or more)第1の吐出オリフィス18とを有する。第1のディバイダー部38は、第1の流体導管14を複数の第1の流路(paths)39に分岐させ、各第1の流路39は、それぞれの第1の吐出オリフィス18と流体連通する。したがって、第1の流体F1は、第1の入口16を介して第1の流体導管14内に収納することができる。例えば、第1の流体F1は、第1の入口16からリザーバー部36内に、そしてリザーバー部36から第1のディバイダー部38内に収納することができる。次に、第1の流体F1は、第1のディバイダー部38において複数の第1の流路39に流れ、その後、それぞれの第1の吐出オリフィス18に流れることができる。しかしながら、リザーバー36及び/又は第1のディバイダー部38は、他の実施形態において組み合わせるか又は省いてもよいことが理解される。例えば、第1の入口26は、1つ以上の第1の吐出オリフィス18に直接流れてもよい。
【0023】
図10及び
図11を参照すると、1つの実施形態において、第2の流体導管20は、上部40と、接続部42と、下部44と、第2のディバイダー部46と、1つ以上の第2の吐出オリフィス24と、1つ以上の第3の吐出オリフィス25とを有する。第2のディバイダー部46は、第2の流体導管20を複数の第2の流路47に分岐させ、各第2の流路47は、バリアオリフィス24及びスプレーオリフィス25と流体連通するとともに、第2の流体F2をバリアオリフィス24及びスプレーオリフィス25に方向付けるように構成される。したがって、第2の流体F2は、第2の入口22を介して第2の流体導管20内に収納することができる。第2の流体F2は、第2の入口22から上部40内に、上部40から接続部42内に、そして接続部42から下部44内に収納することができる。第2のディバイダー部46及び複数の第2の流路47は、下部44から第2の流体F2を収納することができる。「上」及び「下」という用語は、
図8に示す相対的な方位を示すものであり、上部及び下部の位置をそれぞれノズルアセンブリの上部及び下部に限定しないことが理解される。さらに、上述した第2の入口22と1つ以上の第2の吐出オリフィス24との間の第2の流体導管20の異なる部分、例えば第2のディバイダー部46は、他の実施形態において省くか又は組み合わせてもよいことが理解される。
【0024】
図8〜
図11を参照すると、1つの実施形態において、上部40は、ノズルアセンブリ10の厚さを貫いて接続部42まで延びる。上部40は、第2の流体F2が後面プレート28から前面プレート26に向かう方向に流れることを可能にするように構成される。接続部42は、上部40を下部44に対して流体接続する。接続部42は、ノズルアセンブリ10に形成される締結穴48の周囲に延びるような形状とすることができる。下部44は、第2の流体F2が、前面プレート26から後面プレート28に向かう方向において、第2のディバイダー部46及び/又は1つ以上の第2の吐出オリフィス24内に流れることを可能にするように構成される。
【0025】
図12は、本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリ10の一部を示す斜視図であり、
図13は、第1の吐出オリフィス18、第2の吐出オリフィス24及び第3の吐出オリフィス25を示す、
図12の一部の拡大図である。
図8〜
図13を参照すると、ノズルアセンブリ10は、対応する第3の吐出オリフィス25によって離間した複数のオリフィスチップ50も備えることができる。1つの実施形態において、各第1の吐出オリフィス18及び第2の吐出オリフィス24は、対応するオリフィスチップ50に配置される。
【0026】
図14及び
図15は、本明細書に記載の一実施形態に係るノズルアセンブリ10の一部の内部構成部材及び外部構成部材を示す半透視図である。
図14及び
図15に示すように、第2の流体導管20は、第2のディバイダー部46において複数の第2の流路47に分岐することができる。各第2の流路47は、1つ以上のバリアオリフィス、すなわち第2のオリフィス24と、1つ以上のスプレーオリフィス、すなわち第3のオリフィス25とにそれぞれ空気を方向付けるように構成されるバリアアーム部47a及びスプレーアーム部47bを含むことができる。
【0027】
図3〜
図11を再度参照すると、上述したように、ノズルアセンブリ10は、前面プレート26と、後面プレート28と、前面プレート26及び後面プレート28の間に配置される積層ノズルプレート30とを含む複数のプレート12を備える。1つの実施形態において、
図8〜
図11に示すように、例えば、ノズルアセンブリ10は、第1の積層ノズルプレート101と、第2の積層ノズルプレート102と、第3の積層ノズルプレート103と、第4の積層ノズルプレート104と、第5の積層ノズルプレート105と、第6の積層ノズルプレート106と、第7の積層ノズルプレート107と、第8の積層ノズルプレート108と、第9の積層ノズルプレート109と、第10の積層ノズルプレート110とを備えることができる。
【0028】
図8〜
図11を更に参照すると、例えば、第1の流体導管14は、第1の積層ノズルプレート101、第2の積層ノズルプレート102、第3の積層ノズルプレート103及び第4の積層ノズルプレート104に延びることができる。1つの実施形態において、第1のリザーバー部36は、第1の積層ノズルプレート101及び第2の積層ノズルプレート102に形成することができ、第1のディバイダー部38は、第3の積層ノズルプレート103及び第4の積層ノズルプレート104に形成することができる。1つ以上の第1の吐出オリフィス18は、第5の積層ノズルプレート105に形成することができる。1つの実施形態において、1つ以上の第1の吐出オリフィス18は、第5の積層ノズルプレート105等の、第1の共通の単一積層ノズルプレートに形成される。さらに、
図13〜
図15に最もよく示されているように、1つの実施形態において、第1の吐出オリフィス18は、互いに同一平面上にあることができる。例えば、第1の吐出オリフィス18は、第1の吐出オリフィス18が形成される積層ノズルプレートによって規定される平面に延びることができる。
【0029】
図8〜
図15を参照すると、1つの実施形態において、第2の流体導管20は、第1の積層ノズルプレート101〜第10の積層ノズルプレート110のそれぞれに延びることができる。第2の流体導管20は、前面プレート26に更に延びることができる。例えば、上部40は、第1の積層ノズルプレート101〜第10の積層ノズルプレート110に延びることができる。接続部42は、前面プレート26に形成することができ、上部40から第2の流体F2を収納するように構成される。
図8及び
図11に示すように、接続部42は、横断チャネル56に接続された2つのレッグ部54を含むことにより、締結穴48の周囲に延びるような形状とすることができる。2つのレッグ部54は、上部40から第2の流体F2を受け取って、第2の流体F2を横断チャネル56に方向付けるように構成される。
【0030】
下部44は、第9の積層ノズルプレート109及び第10の積層ノズルプレート110に形成することができ、接続部42の横断チャネル56から第2の流体F2を収納するように構成される。第2の流路47を含む第2のディバイダー部46は、第7の積層ノズルプレート107及び第8の積層ノズルプレート108に形成することができ、下部44から第2の流体F2を収納するように構成される。1つ以上の第2の吐出オリフィス24は、第6の積層ノズルプレート106に形成することができる。1つ以上の第2の吐出オリフィス24は、第2のディバイダー部46から第2の流体F2を収納するように構成される。1つ以上の第3の吐出オリフィス25は、第4の積層ノズルプレート104、第5の積層ノズルプレート105及び第6の積層ノズルプレート106に形成することができ、第2のディバイダー部46から第2の流体F2を収納するように構成される。
【0031】
1つの実施形態において、1つ以上の第2の吐出オリフィス24は、第6の積層ノズルプレート106等の、第1の共通の単一積層ノズルプレートとは異なる第2の共通の単一積層ノズルプレートに形成される。第1の共通の単一積層ノズルプレートにおいて、1つ以上の第1の吐出オリフィス18は、開放端部を有する複数のスロットによって形成され、各スロットは、第1の吐出オリフィス18に対応する。
図3〜
図8を参照すると、スロット又はオリフィス18は、ノズルアセンブリの厚さ方向「t」の両側で、すぐ隣接するプレートによって境界を定められる(
図5)。さらに、1つの実施形態において、第2の吐出オリフィス24は、互いに同一平面上にあることができる。例えば、第2の吐出オリフィス24は、第2の吐出オリフィス24が形成される積層ノズルプレートによって規定される平面に延びることができる。
【0032】
1つ以上の第3の吐出オリフィス25は、積層ノズルプレートのうちの1つ以上に形成することができる。例えば、1つの実施形態において、1つ以上の第3の吐出オリフィス25のそれぞれは、別の隣接するノズルプレートとともに、1つ以上の第1の吐出オリフィス18及び1つ以上の第2の吐出オリフィス24がそれぞれ形成される第1の共通ノズルプレート及び第2の共通ノズルプレートに形成することができる。第3の吐出オリフィス25は、ノズルアセンブリ10の幅方向「w」において位置合わせすることができる。1つ以上の第3の吐出オリフィス25は、厚さ方向「t」の両側で、すぐ隣接するプレートによって境界を定めることができる。また、1つ以上の第3の吐出オリフィス25は、ノズルアセンブリ10の内部の位置からノズルアセンブリ10の外縁部に向かう方向に進むと幅が増大するように、略三角形にして形成することができる。さらに、1つの実施形態において、第3の吐出オリフィス25は、互いに同一平面上にあることができる。例えば、第3の吐出オリフィス25は、第3の吐出オリフィス25が形成される積層ノズルプレートのうちの1つ以上によって規定される平面に延びることができる。
【0033】
図13を参照すると、第1の共通の単一プレートに形成される1つ以上の第1の吐出オリフィス18の各第1の吐出オリフィス18は、ノズルアセンブリ10の幅方向「w」において位置合わせすることができる。同様に、別の共通の単一プレートに形成される1つ以上の第2の吐出オリフィス24の各第2の吐出オリフィス24は、ノズルアセンブリ10の幅方向「w」において位置合わせすることができる。さらに、各第1の吐出オリフィス18は、ノズルアセンブリ10の厚さ方向「t」において、対応する第2の吐出オリフィス24と位置合わせすることができる。1つの実施形態において、1つ以上の第1の吐出オリフィス18は、1つ以上の第2の吐出オリフィス24が配置される積層ノズルプレートにすぐ隣接するとともに、その積層ノズルプレートに当接する積層ノズルプレートに配置される。
【0034】
図1、
図2及び
図8〜
図11を参照すると、例えば、ノズルアセンブリ10は、1つ以上の締結穴48も有する。締結穴48は、複数のプレート12の各プレートを通って延びることができる。各締結穴48は、例えば、ボルト、ねじ等の締結具58を受けて、プレートの間で流体が漏れないようにノズルアセンブリを密封又は実質的に密封するように、複数のプレート12をともに密接に固定するように構成される。また、ノズルアセンブリ10は、1つ以上の機械締結穴又はスロット60を有し、各機械締結穴又はスロット60は、例えば、ボルト、ねじ等の別の締結具(図示せず)を受けて、ノズルアセンブリ10を流体塗布装置又は流体塗布機(図示せず)のアプリケーターヘッドに固定するように構成される。機械締結穴60は、複数のプレート12の各プレートを通って延びることができる。
【0035】
本開示は、上記の例に限定されないことが理解される。例えば、後面プレート28及び前面プレート26の間の積層ノズルプレート30は、追加の積層プレート又はより少数の積層プレートを備えてもよい。例えば、ノズルアセンブリ10は、3つ以上の積層ノズルプレートによって形成してもよい。
【0036】
図16及び
図18は、ノズルアセンブリ10の異なる半透視図を示しており、
図17及び
図19は、それぞれ
図16及び
図18のノズルアセンブリに関連付けられる数値流体力学(「CFD」)モデル及び試験結果のグラフを示している。
図1A、
図1C、
図8〜
図11及び
図16〜
図18を参照すると、例えば、ノズルアセンブリ10は、略凸円弧領域又は凸縁領域62を有することができる。凸縁領域62は、複数のプレート12のうちの1つ以上のプレートに形成される凸縁部によって形成することができる。1つの実施形態において、第1の吐出オリフィス18、第2の吐出オリフィス24及び第3の吐出オリフィス25は、概ね凸縁領域62に沿って配置することができる。また、第1の流体導管14及び第2の流体導管20の、凸縁領域62よりも内方に位置する部分も、実質的に凸円弧状の経路に沿って配置することができる。さらにまた、オリフィスチップ50の末端部を、概ね凸縁領域62に沿って配置することができる。1つの実施形態において、
図16及び
図17に示すように、例えば、各第1の吐出オリフィス18は、円弧状縁部62におおよそ90度で交差することができる。「概ね第1の方向に」という用語は、1つ以上の第1の流体の吐出オリフィス18が凸縁領域62に沿って配置されることから生じ得る、第1の流体F1の吐出方向のいかなる差も含むことが理解される。
【0037】
図20〜
図22は、上記の実施形態において記載されたノズルアセンブリからの第2の流体F2の流れの特徴を示す、異なるCFDモデルである。例えば、
図20は、1つ以上の第2の吐出オリフィス24からの第2の流体F2の流れを示すCFDモデルであり、
図21は、1つ以上の第3の吐出オリフィス25からの第2の流体F2の流れを示すCFDモデルである。
図23及び
図24は、本明細書に記載のノズルアセンブリ10によって達成される基材S上の第1の流体F1の塗布パターンPを示している。
図23及び
図24に示すように、空気等の第2の流体F2を用いて第1の流体F1を断ち切ることによって、基材S上の塗布領域の間にギャップGを設けることができる。例えば、第2の流体F2は、第1の吐出オリフィス18において第1の流体F1を断ち切るエアナイフとして作用することができる。所望のパターン、例えば矩形パターンでの、基材S上への第1の流体F1の塗布は、1つ以上の第2のオリフィス24及び第3のオリフィス25から吐出される第2の流体F2によって部分的に制御することができる。
【0038】
上記の実施形態では、第1の流体F1は、1つ以上の第1の吐出オリフィス18から概ね第1の方向D1に吐出することができ、第2の流体F2は、1つ以上の第2の吐出オリフィス24から概ね第2の方向D2に吐出することができる。また、第2の流体F2を、1つ以上の第3の吐出オリフィス25から様々な角度にわたって、概ねノズルアセンブリから離れる方向に、例えば、概ね第1の方向D1に吐出して、第1の流体F1が基材Sに塗布される際に第1の流体F1を振動又は揺動させることができる。第1の流体F1は、例えば、ホットメルト接着剤とすることができる。ホットメルト接着剤は、第1の吐出オリフィス18からストランド又はファイバーとして吐出することができる。第2の流体F2は、例えば、空気とすることができ、基材上へのホットメルト接着剤の塗布を停止することが望まれる場合に、1つ以上の第2のオリフィス24から吐出されてホットメルト接着剤のストランド又はファイバーを断ち切るエアナイフとして作用することができる。1つ以上の第2の吐出オリフィス24は、第2の流体F2がそれぞれの1つ以上の第1の吐出オリフィス18に直接流れ込むことを可能にすることができる。すなわち、上記の実施形態では、第1の吐出オリフィス18及び第2の吐出オリフィス24は、互いに直接流体接続することができる。第2の方向D2は、基材Sの移動と同じ方向又は反対の方向とすることができる。
【0039】
したがって、第1の流体F1のファイバー又はストランドは、1つ以上の第2の吐出オリフィス24のそれぞれにおいて吐出される空気によって、1つ以上の第1の吐出オリフィス18のそれぞれにおいて断ち切る又は分離することができ、基材上へのファイバー又はストランドの塗布を正確に制御することができる。さらに、望まれるときに、ストランド又はファイバーを第1の吐出オリフィスにおいて断ち切ることによって、基材上への第1の流体F1のオーバースプレーを低減又は排除することができ、接着剤が存在しないことを意図される製品領域上に接着剤が塗布されることも低減又は排除することができる。さらにまた、基材上への第1の流体F1の塗布の停止及び/又は開始を正確に制御することによって、従来のシステムと比較して増大したライン速度で、基材をノズルアセンブリ10に通過させて供給することができる。
【0040】
また、始動時に、1つ以上の第2の吐出オリフィス24及び/又は第3の吐出オリフィス25から吐出される第2の流体F2は、第1の流体F1(最初は液滴又は小液滴の形態)に作用して、第1の流体F1を伸長又は繊維化することができる。したがって、始動時に、基材S上の望ましくないほど大きい第1の流体F1の液滴を減少させることができる。さらにまた、1つ以上の第2のオリフィス24から吐出される第2の流体F2は、吐出される(正:discharged)第1の流体F1を、流れ方向、すなわち基材の移動方向に、又は移動方向とは実質的に反対の方向に移動させる。したがって、吐出される第1の流体の横方向の移動を制限することによって、基材S上の第1の流体F1の塗布パターンの横縁規定部を改善することができる。
【0041】
上述した実施形態に係るノズルアセンブリを使用して基材に第1の流体を塗布する方法は、基材Sをノズルアセンブリ10に通過させて連続的に供給することと、第1の流体F1を1つ以上の第1の吐出オリフィス18から第1の方向D1に吐出することとを含む。本方法は、第2の流体F2を1つ以上の第2の吐出オリフィス24から第2の方向に吐出して、第1の流体F1を1つ以上の第1の吐出オリフィス18の端部において断ち切ることを更に含む。また、第2の流体を1つ以上の第3のオリフィス25から概ね基材に向かう方向に吐出して、第1の流体を振動又は揺動させることができる。本方法は、第1の流体F1を1つ以上の第1の吐出オリフィス18から基材S上に吐出して、基材上に第1の流体の間欠塗布パターンPをもたらすことを更に含むことができる。
【0042】
本明細書において参照された全ての特許は、本開示の文章中でそれ自体が具体的に示されていようとなかろうと、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0043】
本開示において、数量が特定されていない語は、単数及び複数の双方を含むように解釈される。逆に、複数の部材(items)への任意の言及は、適切な場合には単数を含むものとする。
【0044】
上記から、本発明の新規の概念の真の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更及び変形をなすことができることが分かるであろう。図示の特定の実施形態に対する限定は全く意図されておらず、推論されるべきでもないことを理解されたい。本開示は、添付の特許請求の範囲によって、特許請求の範囲の範囲内に入る全ての変更をカバーすることを意図する。