(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875392
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】長さ調節可能なコネクティングロッド
(51)【国際特許分類】
F16C 7/06 20060101AFI20210517BHJP
F02B 75/04 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
F16C7/06
F02B75/04
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-522736(P2018-522736)
(86)(22)【出願日】2016年11月7日
(65)【公表番号】特表2019-501338(P2019-501338A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】AT2016060103
(87)【国際公開番号】WO2017075646
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2019年11月5日
(31)【優先権主張番号】A50942/2015
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597083976
【氏名又は名称】アー・ファウ・エル・リスト・ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】AVL LIST GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】メルデ‐トゥツァイ,ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】ハルトヴィッヒ,ジークフリート
【審査官】
中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/055582(WO,A2)
【文献】
英国特許出願公開第02161580(GB,A)
【文献】
実開平02−093567(JP,U)
【文献】
特開昭64−087976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 3/00−9/06
F02B 75/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スモールエンドアイ(3)を備えた少なくとも一つの第一のロッド部(2)と、ビッグエンドアイ(5)を備えた少なくとも一つの第二のロッド部(4)とを有するピストン往復動機関用の長さ調節可能なコネクティングロッド(1)であって、
前記双方のロッド部(2,4)は前記コネクティングロッド(1)の長手軸(1a)の方向に互いに及び/又は入れ子状に伸縮摺動可能であり、その際、前記第二のロッド部(4)はガイドシリンダ(8)を有すると共に、前記第一のロッド部(2)は前記ガイドシリンダ(8)内を長手方向に摺動可能なピストンエレメント(7)と固定結合され、前記第二のロッド部(4)と前記ピストンエレメント(7)との間の前記ピストンエレメント(7)の第一のサイドに第一の高圧チャンバ(10)が配置形成されると共に、前記ピストンエレメント(7)の第二のサイドに第二の高圧チャンバ(12)が配置形成され、前記高圧チャンバ(10,12)はいずれも少なくとも一本のオイル流路(15,16)によって流体連通され、少なくとも一方の高圧チャンバ(10,12)を封止するために少なくとも一つのシーリングエレメント(22,24)が設けられるように構成したコネクティングロッドにおいて、
前記ピストンエレメント(7)が圧嵌め領域(30a)において締り嵌め(30)を経て前記第一のロッド部(2)と摩擦係止結合されていることを特徴とするコネクティングロッド。
【請求項2】
前記ピストンエレメント(7)の前記圧嵌め領域(30a)は、前記ピストンエレメント(7)の前記スモールエンドアイ(3)に向いた側の環状端部領域(7a)の内周面(27b)によって形成され、前記第一のロッド部(2)の前記圧嵌め領域(30b)は、前記第一のロッド部(2)の前記スモールエンドアイ(3)とは反対側の小径領域(23)の外周面(23a)によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項3】
前記第一のロッド部(2)と前記第二のロッド部(4)ないし前記第二のロッド部(4)に固定結合されたインサートスリーブ(33)との間の前記第二の高圧チャンバ(12)を封止するために、少なくとも一つの第二のシーリングエレメント(24)が前記ピストンエレメント(7)の前記圧嵌め領域(30a)に連続して、前記長手軸(1a)の方向の押圧力を受けないようにして、前記第一のロッド部(2)と前記ピストンエレメント(7)の間に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項4】
前記第二のシーリングエレメント(24)が前記ピストンエレメント(7)及び/又は前記第二のロッド部(2)に対して前記長手軸(1a)の方向に所定の遊びを有することを特徴とする、請求項3に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項5】
前記ピストンエレメント(7)は第一のピストン部(17)と第二のピストン部(27)を有し、前記第一のピストン部(17)が前記第一の高圧チャンバ(10)に接し、前記第二のピストン部(27)が前記第二の高圧チャンバ(12)に接していることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項6】
前記第二のピストン部(27)は前記ピストンエレメント(7)の前記圧嵌め領域(30a)を形成することを特徴とする、請求項5に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項7】
前記第一のピストン部(17)は前記第一のロッド部(2)にねじ継ぎされていることを特徴とする、請求項5又は6に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項8】
前記第一のピストン部(17)は、前記第一のロッド部(2)の雄ねじ(20)と螺合する雌ねじ(19)を具備した止まり穴(18)を有することを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項9】
前記第一のピストン部(17)と前記第二のピストン部(27)は、環状接触面(17a,27a)によって、前記長手軸(1a)の方向に互いに結合されていることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項10】
前記環状接触面(17a,27a)は、前記長手軸(1a)に対して垂直をなして配置されていることを特徴とする、請求項9に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項11】
ピストンエレメント(7)とガイドシリンダ(8)との間の前記第一の高圧チャンバ(10)を封止するために、少なくとも一つの第一のシーリングエレメント(22)が少なくとも一方の接触面(17a,27a)に連続して、前記長手軸(1a)の方向の押圧力を受けないようにして、前記第一のピストン部(17)と前記第二のピストン部(27)の間に配置されていることを特徴とする、請求項9又は10に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項12】
ピストンエレメント(7)とガイドシリンダ(8)との間の前記第一の高圧チャンバ(10)を封止するために配置された第一のシーリングエレメント(22)は、前記第一のピストン部(17)及び/又は前記第二のピストン部(27)に対して前記長手軸(1a)の方向に所定の遊びを有することを特徴とする、請求項5から11のいずれか一項に記載のコネクティングロッド(1)。
【請求項13】
前記ピストン往復動機関は、内燃機関であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のコネクティングロッド(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スモールエンドアイを備えた少なくとも一つの第一のロッド部と、ビッグエンドアイを備えた少なくとも一つの第二のロッド部とを有するピストン往復動機関用、特に内燃機関用の長さ調節可能なコネクティングロッドであって、当該双方のロッド部は当該コネクティングロッドの長手軸の方向に互いに及び/又は入れ子状に伸縮摺動可能であり、その際、当該第二のロッド部はガイドシリンダを有すると共に、当該第一のロッド部は該ガイドシリンダ内を長手方向に摺動可能なピストンエレメントと固定結合され、当該第二のロッド部と当該ピストンエレメントとの間の当該ピストンエレメントの第一のサイドに第一の高圧チャンバが配置形成されると共に、当該ピストンエレメントの第二のサイドに第二の高圧チャンバが配置形成され、該高圧チャンバはいずれも少なくとも一本のオイル流路によって流体連通され、少なくとも一方の高圧チャンバを封止するために少なくとも一つのシールエレメントが設けられるように構成したコネクティングロッドに関する。
【背景技術】
【0002】
オーストリア国特許発明第514071号明細書は、相互に入れ子状に伸縮摺動可能な第一と第二のロッド部を有する長さ調節可能なコネクティングロッドを備えた内燃機関を開示している。その際、上記第二のロッド部は、上記第一のロッド部によって形成されたガイドシリンダ内をガイドされる段付きピストンとして形成されたピストンエレメントを有している。該ピストンエレメントは、その相反する端面で、上記第一と第二のロッド部の間に配置された高圧チャンバにそれぞれ接している。上記高圧チャンバにオイルを再充填しあるいは同所からオイルを排出すると共に、上記コネクティングロッドの長さ調節のために、該コネクティングロッドには制御弁が設けられている。当該高圧チャンバを封止するために、上記ピストンエレメントと上記ガイドシリンダとの間ならびに上記第二のロッド部と上記第一のロッド部に固定結合されたインサートスリーブとの間に、それぞれ、一つのシールエレメント−例えばOリング−が配置されている。しかしながら、この場合、上記ガイドシリンダないしインサートスリーブの内側面に沿った軸方向摺動運動により、上記シールエレメントは軸方向に押し潰されると共に、それに伴う上記シールエレメントの強度の摩耗が生じ得ることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】オーストリア国特許発明第514071号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述した短所を回避すると共に、できるだけシンプル、コンパクトかつ高信頼度の方途により、上記双方のロッド部の間の低摩耗封止を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、本発明により、当該ピストンエレメントが圧嵌め領域において締り嵌めを経て当該第一のロッド部と摩擦係止結合されることによって達成される。
【0006】
好ましくは、当該ピストンエレメントの当該圧嵌め領域は、当該ピストンエレメントの当該スモールエンドアイに向いた側の環状端部領域の内周面によって形成され、当該第一のロッド部の当該圧嵌め領域は、当該第一のロッド部の当該スモールエンドアイとは反対側の小径領域の外周面によって形成されている。当該環状端部領域の当該内周面の当該内径は−組付け前において−少なくとも当該ピストンエレメントの当該圧嵌め領域において、当該小径領域の当該外周面の当該外径よりも小さく形成されている。こうした締り嵌めにより、組付け後に、当該ピストンエレメントと当該第一のロッド部との間の−通常の運転中に不可脱の−摩擦係止結合が生ずる。こうした締り嵌めによって、当該ピストンエレメントと当該第一のロッド部とが−当該第二のシールエレメントの負荷除去のために−互いに支保し合う半径方向ショルダーの形成を不要とすることができる。この種の半径方向ショルダーが設けられれば、半径方向に比較的大きなスペース需要が不可避とされることになり、これは、翻って、当該コネクティングロッドの当該構造サイズと当該重量を大幅に増加させるという短所をもたらすことになろう。これに反して、本発明による解決方法によれば、当該コネクティングロッドの当該サイズとその重量をできるだけ小さく抑えることが可能である。
【0007】
本発明の一実施態様において、当該第一のロッド部と当該第二のロッド部ないし当該第二のロッド部に固定結合されたインサートスリーブとの間の当該第二の高圧チャンバを封止するために、少なくとも一つの第二のシールエレメントが当該ピストンエレメントの当該圧嵌め領域に連続して、当該長手軸の方向の押圧力を受けないようにして、当該第一のロッド部と当該ピストンエレメントとの間に配置されている。当該第二のシールエレメントないしシーリングエレメントの軸方向押し潰しの排除をさらに補助すべく、当該第二のシールエレメントが当該ピストンエレメント及び/又は当該第二のロッド部に対して当該長手軸の方向に所定の遊びを有しているのが好適である。
【0008】
本発明の好ましい実施形態において、当該ピストンエレメントは第一のピストン部と第二のピストン部を有し、その際、当該第一のピストン部は当該第一の高圧チャンバに接し、当該第二のピストン部は当該第二の高圧チャンバに接し、好ましくは当該第二のピストン部は当該ピストンエレメントの当該圧嵌め領域を形成する。
【0009】
当該締り嵌めは、当該第二のピストン部の質量力が当該第一のロッド部に伝達され得るように選択されている。
【0010】
本発明の有利な実施形態は、当該第一のピストン部が当該第一のロッド部とねじ継ぎされるように形成され、その際、好ましくは、当該第一のピストン部は、当該第一のロッド部の雄ねじと螺合する雌ねじを具備した止まり穴を有する。したがって、当該第一の高圧チャンバに接する当該第一のピストン部は袋ナットと同様に形成され、当該スモールエンドアイとは反対の側から当該第一のロッド部に螺嵌されている。
【0011】
当該第一のピストン部が、袋ナットと同様に、雌ねじを具備した止まり穴を有することにより、ねじ継手のねじを介した内部漏れを防止することができる。これに代えて、基本的に、従来のナットによる実施形態も可能であるが−ただし、その場合には該ナットのために、前述した漏れに対処すべく付加的なシールエレメントが設けられる。
【0012】
好適には、当該第一のピストン部と当該第二のピストン部は、好ましくは当該長手軸に対して垂直をなして配置された環状の接触面により、当該長手軸の方向に互いに結合されている。その際、特に好ましくは、ピストンエレメントとガイドシリンダとの間の当該第一の高圧チャンバを封止するために、少なくとも一つの第一のシールエレメントないしシーリングエレメントが少なくとも一方の接触面に連続して、当該長手軸の方向の押圧力を受けないようにして、当該第一のピストン部と当該第二のピストン部の間に配置されている。その際、好ましくは、当該第一のシーリングエレメントは、当該第一のピストン部及び/又は当該第二のピストン部に対して、当該長手軸の方向に所定の遊びを有する。これにより、当該第一のシーリングエレメントの軸方向押し潰しが高信頼度で回避されることになる。
【0013】
当該組付けにあたり、当該圧嵌め領域を有する当該第二のピストン部は、当該第一のピストン部が当該第一のロッド部にねじ継ぎ固定されることにより、当該第一のロッド部の当該圧嵌め領域と締り嵌めされる。その際、当該第一のピストン部の当該雌ねじと当該第一のロット部の当該雄ねじによって形成されるねじ継ぎのプレストレス力により、締り嵌めによってもたらされる抵抗力は比較的容易に克服可能である。
【0014】
以下、図面によって示した、本発明を限定するものではない実施例を参照して、本発明を詳細に説明する。各図は以下を概略的に示す図である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明によるコネクティングロッドの第一の切替えポジションにおける縦断面を概略的に示す図である。
【
図2】第二の切替えポジションにおける上記コネクティングロッドの縦断面を概略的に示す図である。
【
図3】上記コネクティングロッドの組付けステップの縦断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び
図2には、それぞれ、上記コネクティングロッド1の半分側のみが示されている。
【0017】
図1及び
図2は、それぞれ、詳細不図示のピストンと連結するためのスモールエンドアイ3を有する上側の第一のロッド部2と、詳細不図示のクランクシャフトと連結するためのビッグエンドベアリング5aを形成するビッグエンドアイ5を有する下側の第二のロッド部4とからなる二体式のコネクティングロッド1を示している。上記第一のロッド部2は、上記第二のロッド部4に対して、繰り出された位置と引き込まれた位置との間で、上記コネクティングロッド1の長手軸1aの方向に、エンドストッパ6によって制限された領域分だけの調節が可能である。上記上側の第一のロッド部2には、基本的に円筒状のピストンエレメント7が固定取付けされている。
【0018】
上記コネクティングロッド1の上記第一のロッド部2と上記第二のロッド部4は、圧力方向に油圧式に連結され、反対方向にはエンドストッパ6によって機械的に運動が制限されている。ここで、圧力方向とは、ピストンルーム内の燃焼力が図中不図示のピストンに作用する方向を意味している。ここで、油圧式連結とは、上記コネクティングロッド1がどのように調節されていてもそれぞれ別の場所に配置された油圧クッションが上記第二のロッド部4に対して上記第一のロッド部2を支保することとして理解される。
【0019】
段付きピストンとして形成された上記ピストンエレメント7は、上記コネクティングロッド1の上記下側の第二のロッド部4のガイドシリンダ8内を軸方向(上記コネクティングロッド1の上記長手軸1aの方向)に摺動式にガイドされており、その際、
図2に示した、上記双方のロッド部2,4が繰り出された位置において、上記ビッグエンドアイ5側を向いた上記ピストンエレメント7の第一の端面9と上記第二のロッド部4ないし上記ガイドシリンダ8との間に第一の高圧チャンバ10が形成される。さらに、上記双方のロッド部2,4が引き込まれた位置において、上記スモールエンドアイ3側を向いた上記ピストンエレメント7の第二の端面11と上記第二のロッド部4との間に第二の高圧チャンバ12が形成される。図示実施例において、上記第二の高圧チャンバ12は、上記第二の端面11と上記第二のロッド部4の一部としてのインサートスリーブ33との間に形成される。
【0020】
段付きピストンとしては、一般に、異なった大きさの作用面を有するピストン−本実施例において、“両面作用ピストン”−が理解されることとし、その際、一方の作用面(ここでは、上記第二の高圧チャンバ12の方向を向いた作用面)は環状面として形成され、他方の作用面は円形面として形成されている。作用面が相違していることにより、異なった圧力比を実現することができる。
【0021】
上記円形の第一の端面9と第二の端面11は、上記高圧チャンバ10,12内に誘導される加圧された作動媒体例えばエンジンオイルのための圧力作用面を形成する。
【0022】
上記第一の高圧チャンバ10と上記第二の高圧チャンバ12は、オイル流路15,16を経て、選択的に上記第一の高圧チャンバ10又は上記第二の高圧チャンバ12にオイル圧力を印加する、例えば、シンプルな切替え弁として形成された詳細不図示の制御弁と連結されている。高圧チャンバ10,12へのオイルの供給は本発明の一部をなすものではなく−それは、例えば、オーストリア国特許発明第514071号明細書の開示と同様な方法で行なうことができる。
【0023】
上記第一の高圧チャンバ10の当該容積は、上記第二のロッド部4の当該シャフト部4a内に螺挿された、上記ピストンエレメント7の最大可能ストロークを決定するインサートスリーブ33によって制限されている。このインサートスリーブ33の長さに応じて、上記の長さ調節可能なコネクティングロッド1のロッド長さの調節範囲ΔLを任意に設定することが可能である。
【0024】
図から明らかとなるように、上記ピストンエレメント7は第一のピストン部17と第二のピストン部27から構成されている。その際、当該第一のピストン部17は上記第一の高圧チャンバ10に接し、上記第二のピストン部27は上記第二の高圧チャンバ12に接している。
【0025】
上記第一のピストン部17は、上記スモールエンドアイ3とは反対側の端部2aで、上記第一のロッド部2にねじ継ぎされている。その際、上記第一のピストン部17は、上記第一のロッド部2の雄ねじ20と螺合する雌ねじ19を具備した止まり穴18を有している。したがって、雌ねじ19と雄ねじ20は、ピストンエレメント7と上記第一のロッド部2との間のねじ継手21を形成する。したがって、上記第一のピストン部17は袋ナットと同様に形成され、上記スモールエンドアイ3とは反対の側から上記第一のロッド部2に螺嵌されている。上記第一のピストン部17を袋ナットと同様に形成することにより、ねじ継手21のねじを介した内部漏れを防止することができる。
【0026】
上記ピストンエレメント7の上記第一のピストン部17と上記第二のピストン部27は、環状の接触面17a,27aによって上記長手軸1aの方向に互いに結合ないし互いに接触しており、当該接触面17a,27aは、本実施例において、上記コネクティングロッド1の上記長手軸1aに対して垂直をなして延びるように配置されている。第一のシールエレメント22は上記第二のピストン部27の当該接触面27aに連続して、上記長手軸1aの方向の押圧力を受けないようにして、上記第一のピストン部17と上記第二のピストン部27の間に配置されている。軸方向の押圧力を受けないようにした当該配置は、上記第一のピストン部17及び/又は上記第二のピストン部27に対する上記第一のシールエレメント22の上記長手軸1aの方向の所定の遊びによって達成される。これにより、上記第一のシールエレメント22の強度な摩耗がもたらされることとなる、上記長手軸の方向における上記第一のシールエレメント22の押し潰しを排除することができる。
【0027】
上記ピストンエレメント7の上記第二のピストン部27は、その圧嵌め領域30aにおいて締り嵌め30を経て、上記第一のロッド部2の対応する圧嵌め領域30bと摩擦係止結合されている。第二のシールエレメント24は上記圧嵌め領域30a,30bに連続して、上記長手軸1aの方向の押圧力を受けないようにして、上記第一のロッド部2と上記第二のピストン部27との間に配置されている。
【0028】
上記ピストンエレメント7の圧嵌め領域30aは、上記ピストンエレメント7の上記スモールエンドアイ3に向いた側の環状端部領域7aの内周面27bによって形成され、上記第一のロッド部2の圧嵌め領域30bは、上記第一のロッド部2の上記スモールエンドアイ3を含んだ区域に連続する、上記スモールエンドアイ3とは反対側の上記第一のロッド部2の小径領域23の外周面23aによって形成される。上記の環状端部領域7aの上記内周面27bの当該内径dは、組付け前に、少なくとも上記ピストンエレメント7の上記圧嵌め領域30aにおいて、上記第一のロッド部2の上記小径領域23の上記外周面23aの当該外径Dよりも小さく形成されている。こうした締り嵌め30により、組付け後に、上記ピストンエレメント7と上記第一のロッド部2との間の−通常の運転中に不可脱の−摩擦係止結合が生ずる。本発明による上記解決方法により、上記コネクティングロッド1の当該サイズ及び当該重量をできるだけ小さく抑えることが可能になる。上記締り嵌め30は、上記ピストンエレメント7の上記第二のピストン部27の当該質量力が上記第一のロッド部2に伝達され得るように選択されている。
【0029】
図3は、上記第一のロッド部2への上記ピストンエレメント7の当該組付けを示している。その際、当該圧嵌め領域30aを有する上記第二のピストン部27は、上記第一のピストン部17が上記第一のロッド部2とねじ継ぎ固定されることにより、上記第一のロッド部2の上記圧嵌め領域30bと締り嵌めされる。締り嵌め30によってもたらされる抵抗力は、ねじ継手21の当該プレストレス力により比較的容易に克服することが可能である。