(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記多官能性マイケルドナー、及び前記多官能性マイケルアクセプターが、2つの別個の成分に別個に提供され、第1の成分が、前記マイケルドナー及び前記レオロジー調整剤から構成され、第2の成分が、前記マイケルアクセプター及びレオロジー調整剤から構成され、前記触媒が、前記第1の成分、第2の成分、またはこれらの両方の成分のいずれかにおいて提供される、請求項1に記載の方法。
前記多官能性マイケル付加ドナーまたは多官能性マイケル付加アクセプターのうちの少なくとも1つが、3の平均官能価を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
付加製造方法は、以下の構成材料、混合される多官能性マイケルドナー、多官能性マイケルアクセプター、レオロジー調整剤及び触媒を使用し、マイケルドナーとマイケルアクセプターを反応させて、マイケル付加化合物を形成する。マイケル付加化合物は、下記にさらに記載される、マイケルドナー及びアクセプターの平均官能価次第で、熱可塑性であっても、熱硬化性であってもよい。マイケル付加化合物は、熱硬化性が望ましい。
【0011】
構成材料は、1成分または多成分(2成分以上)として提供することができる。材料は、1成分または2つの別個の成分として提供されることが一般的である。構成材料が、1成分として提供される場合、潜在性触媒を使用することができ、それは、外部から適用される因子、例えば熱、電磁放射線または機械的せん断力などによって活性化することができる。実例として、望ましくは、構成材料が、(吐出されるまで別個に)2成分として提供される場合、マイケルアクセプター及びドナーは、吐出直前に混合の際に互いに反応して、所望の付加製造部品を形成する。構成材料が、2成分(すなわち、第1の材料及び第2の材料)で供給される場合、第1の材料は、マイケルドナー及びレオロジー調整剤を典型的に含有し、第2の材料は、マイケルアクセプター及びレオロジー調整剤を含有する。レオロジー調整剤は、第1及び第2の材料のそれぞれにおいて、異なっていても、同じであってもよい。触媒は、第1及び第2の材料のうちの1つまたは両方に存在することができるが、触媒は、第1及び第2の材料のうちの1つのみに含まれるのが好ましく、触媒は、マイケルドナーを有する材料に含まれるのが好ましい。
【0012】
マイケル付加反応は、マイケルドナーと称され得る求核剤の、マイケルアクセプターと称され得る求電子剤への添加を含む。マイケルドナーは、多官能性マイケルドナーである。いくつかの実施形態において、マイケルドナーは、アセトアセテート化合物、例えば多官能性アセトアセテート化合物であり得る。マイケルアクセプターは、多官能性アクリレート化合物であってもよい。いくつかの実施形態において、マイケル付加化合物は、多官能性アクリレート化合物と多官能性マイケルドナーとの反応生成物である。
【0013】
多官能性マイケルアクセプターは、アクリレート化合物であってもよい。本明細書で使用される場合、「アクリレート」としては、アクリレート及び(メタ)アクリレートが挙げられる。理論に縛られるわけではないが、本開示の目的のため、マイケルアクセプター官能価は、カルボニル(「エノン」基)またはニトロ基への、脂肪族炭素−炭素二重またはα三重結合を有する活性化アルケンを指す。多官能性アクリレート化合物は、2のマイケルアクセプター官能価〜10のマイケルアクセプター官能価を有することができる。例えば、多官能性アクリレート化合物は、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のマイケルアクセプター官能価を有することができる。
【0014】
多官能性アクリレート化合物の例としては、ビスフェノールAエポキシジアクリレート、ビスフェノールAグリセローレート(1グリセロール/フェノール)ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリル化ポリエステルオリゴマー、ビスフェノールAジアクリレート、アクリル化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、アクリル化脂肪族ウレタンオリゴマー、アクリル化芳香族ウレタンオリゴマー、アクリル化ポリエステルオリゴマー、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の1つ以上の実施形態は、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジグリシジルエーテルビスフェノール−Aのジアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及びシクロヘキサンジメタノールジアクリレート、及びこれらの組み合わせの群から選択される多官能性アクリレート化合物を提供する。
【0015】
マイケル付加化合物は、多官能性マイケルアクセプターと多官能性マイケルドナーとの反応生成物である。理論に縛られるわけではないが、本開示の目的のため、マイケルドナー官能価は、マイケル付加触媒の存在下において、カルボアニオンを形成する基であり、カルボアニオンは、マイケルアクセプター基の炭素−炭素二重結合または三重結合と反応して、マイケルアクセプター基への炭素−炭素結合を形成する。
【0016】
多官能性マイケルドナーは、アルコール、例えばメタノール、エタノール、第3級ブタノール、及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのエステルであってもよい。エステルは、アセト酢酸エステル、シアノ酢酸エステル、マロン酸エステル、またはこれらの組み合わせ、他のエステルであり得る。エステルの例としては、tert−ブチル3−オキソブチレート、多価アルコール、例えばエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、グリセロール、ジペンタエリスリトール、ジ−トリメチロールプロパン、グルコース、イソソルビド、ブチルエチルプロパンジオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、またはポリエステルアミドポリオール由来のエステル、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。多官能性マイケルドナーは、多官能性アセトアセテート化合物であり得る。いくつかの実施形態において、多官能性アセトアセテート化合物は、メタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、エタノールイソソルビド、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジメチロールプロパン、ジ−ペンタエリスリトール、ジ−ペンタエリスリトール、プロポキシル化単糖類、トリメチロールエタン由来のアセトアセテート、及びこれらの組み合わせの群から選択される。
【0017】
多官能性マイケルアクセプター及び多官能性マイケル付加ドナーは、例えば、多官能性マイケルアクセプター官能価対マイケルドナー官能価のモルが、1/3〜3の範囲のような、任意の有用なモル比において、反応することができる。多官能性マイケルアクセプター及び多官能性マイケル付加ドナーは、多官能性マイケルアクセプター官能価のモル対マイケルドナー官能価のモルが、例えば1/2、3/4、7/8、9/8、5/4、2のような上記範囲内の任意の比において、反応することができる。比は、例えば、3/4〜5/4の比などの、ほぼ化学量論的であることが望ましい。
【0018】
官能性混合物に含めるために、特定の多官能性マイケルドナー及び特定の多官能性マイケルアクセプターを選択することにおいて、官能価を考慮することが望ましい。2の官能価を有するマイケルドナーと、2の官能価を有するマイケルアクセプターを反応させると、熱可塑性性質を有する直鎖状分子構造をもたらすと一般に考えられる。分岐状及び/または架橋分子構造を作り出すことが望ましく、3以上の官能価を有するマイケルドナーまたはアクセプターのうちの少なくとも1つの使用を必要とすると考えられる。したがって、3以上の官能価を有する、少なくとも1つのマイケルドナー、または少なくとも1つのマイケルアクセプター、またはこれらの両方を有することが好ましい。いくつかの実施形態において、互いに混合された(混合材料)場合、すべてのマイケルドナー及びすべてのマイケルアクセプターの平均官能価は、2を超える平均官能価を有し、いくつかの実施形態において、平均官能価は、2.5以上、または3以上、または4以上である。
【0019】
レオロジー調整剤は、硬化する前の混合材料(押し出される混合物)が、多層に積層される一方で、ノズル開口部の形状をとり、ノズルから押し出される際の形状を実質的に保持することを可能にする、所望のレオロジー特性を付与するものである。一般に、材料は、低せん断力下で高粘度を有して、吐出された後、硬化前で、形状の保持を助力する。硬化前とは、約5%未満のマイケルドナー及びアクセプター基が反応していること意味する。「高粘度」とは、混合材料の粘度が、少なくとも約10,000、20,000、または30,000センチポワズ〜約2,000,000、または1,000,000センチポワズであることを意味する。
【0020】
構成材料が、2つ以上の成分、例えば上記に記載された第1及び第2の材料などに提供される場合、第1及び第2の材料は、上記に記載された粘度を有し、それが、材料を吐出するために使用されることが期待されるひずみ速度に近い同じせん断ひずみ速度下で、他方材料の約50%、または好ましくは30%、または10%以内であることが好ましい。「近い」とは、ひずみ速度が、反応性材料を吐出するために典型的に使用されるひずみ速度の±50%であることを意味する。
【0021】
有用な表示する低せん断測定は、最低rpmで、スピンドル5番を使用したブルックフィールド粘度計を使用して、または152マイクロメートル間隙及び1〜150s
−1のせん断スウィープと共に25℃で、20mm直径の4度のコーンプレートが使用される、連続流動方法を用いたTA Instruments(New Castle,Delaware)から入手可能なAR2000レオメーターを使用して、粘度が測定されるものである。低せん断でのセンチポワズにおける粘度は、5s
−1のせん断速度で取得される。
【0022】
同様に、混合物または各成分(第1及び第2の材料)は、より高いせん断下でのより低い粘度(すなわち、せん断減粘性)を有しているのが望ましく、吐出を容易にすることに助力する。材料の100s
−1での粘度が、5s
−1のせん断速度よりも、少なくとも2、3、5、10、またはさらに20倍、またはそれ以上倍未満であることが一般に望ましい。
【0023】
特定の実施形態において、混合物、または第1または第2の材料のいずれかが、ノズル開口部を通しての吐出の際に付与される断面形状の保持を助力する、流動する前の降伏応力を有することが望ましい。降伏応力は、レオメーターを使用して、貯蔵弾性率G’を測定することを特徴とする。降伏応力を測定することにおいて、材料は、まず高せん断、例えば、パドル羽根回転を用いて、200rpmで約1分間、容器内での混合などで、で混合される。次いで、材料は、レオメーター(例えば、TA InstrumentsのAR2000レオメーター)に配置され、10〜10,000Paの振動応力スウィープが、0.1Hzの振動数で、適宜実施される。適切な測定器の形状は、約1,000マイクロメートルの間隙を有する25mmの平行プレートである。スウィープを実施する前に、平行プレートの間隙を設定することによって生じる、任意の残留垂直力を緩和するために、動的前せん断が、使用される。適切な動的前せん断は、1Hzの振動数で、約1分間、0.01の放射変位からなる。
【0024】
降伏応力は、一般に、少なくとも約20Pa、30Pa、40Pa〜約2000Paである。同様に、高せん断または吐出の際に経験されるせん断で流動するため、せん断後の降伏応力を回復するための時間は、可能な限り短い。例えば、降伏応力の少なくとも約50%が、せん断後、第2の画分において、または約1、5もしくはさらに10秒以下で、回復されることが望ましい。
【0025】
降伏強さまたは応力の十分な量の回復は、同時係属出願PCT/US2015/055266の5項の13〜24行、及び
図1、及び
図2で記載されているように、ポンプによるせん断後の、基材に適用された材料の垂れ下がり性能によって決定することができる。約2mmを超える垂れ下がりは、付加製造部品の製造の成功にとって、典型的には容認できないが、押出物の断面サイズ及び所望の部品のサイズ次第であり得る。垂れ下がりは、1mm未満〜本質的になしまたは垂れ下がりゼロが好ましい。
【0026】
適切なレオロジー調整剤は、上記に記載された所望のレオロジー特性の付与を助ける任意のものであってもよい。例示的充填剤は、微粒子充填剤、例えばカーボンブラック、ヒュームドシリカ、または他の小さなもの(例えば、サブミクロンサイズの微粒子粉体)などである。
【0027】
使用される特定のマイケルドナーまたはアクセプター次第で、レオロジー調整剤は、広い量範囲にわたる範囲であってもよい。同様に、微粒子レオロジー調整剤、例えばカーボンブラックなどを使用する場合、構造は、給油量(ASTM D−2414−09)によって与えられる広い範囲にわたって変化することができる。例えば、微粒子レオロジー調整剤は、プレポリマーのMzが、約65,000である場合、約80〜200cc/100グラムの給油量(OAN)を有することが望ましい。微粒子レオロジー調整剤の給油量は、少なくとも約90であることが好ましく、より好ましくは少なくとも約100、及び最も好ましくは少なくとも約110から、好ましくは約180以下、より好ましくは約165以下、最も好ましくは約150cc/100グラム以下である。
【0028】
さらに、微粒子レオロジー調整剤は、少なくとも80であるヨウ素価を有することが望ましい。ヨウ素価は、充填剤の表面積に関連するが、カーボンブラックの場合、揮発性種、例えば不飽和オイル、及び硫黄含有化合物の存在にも関連する。ヨウ素価は、ASTM D1510−11を使用して決定することができる。
【0029】
理解はできないが、給油量が、80cc/100グラム未満の場合でさえ、材料は、本発明の方法において有用な所望のレオロジー特性を達成することができることが見出された。例えば、充填剤のOANとヨウ素価の積が、一般に少なくとも6,000である場合、材料は、垂れ下がりを示さない場合がある。好ましくは、OAN(cc/100g)とヨウ素価(mg/g)の積は、高いほうが好ましく、少なくとも7,000、8,000、9,000、10,000、11,000、12,000、13,000から、実質上得られる例えば50,000以下までである。
【0030】
微粒子レオロジー調整剤(典型的にはカーボンブラック)の適切な量は、日常的な実験によって、所与の混合物または第1もしくは第2の材料について決定することができる。充填剤の量は、典型的には、混合物または各成分(第1もしくは第2の材料)の少なくとも、10重量%、15重量%、18重量%、23重量%または25重量%の順に望ましくなり、多くとも、38重量%、35重量%、32重量%、30重量%または28重量%の順に、望ましくなる。
【0031】
カーボンブラックが、レオロジー調整剤として使用される場合、非導電性にするための特別な処理がされない標準のカーボンブラックであってもよい。標準のカーボンブラックとは、特別な表面処理または酸化がされないカーボンブラックである。あるいは、1つ以上の非導電性カーボンブラックは、排他的に、または標準のカーボンブラックと共に使用することができる。適切な標準のカーボンブラックとしては、Colombianから入手可能であるRAVEN(商標)790、RAVEN(商標)450、RAVEN(商標)500、RAVEN(商標)430、RAVEN(商標)420及びRAVEN(商標)410カーボンブラック、例えばCabotから入手可能なELFTEX720、S5100及びS7100、ならびにMONARCH120、570、及び590などのCSXカーボンブラック、Evonik Industries(Mobile,AL)から入手可能なPRINTEX(商標)30カーボンブラックが挙げられる。適切な非導電性カーボンブラックとしては、Colombian Chemicals Company(Marietta,GA)から入手可能なRAVEN(商標)1040及びRAVEN(商標)1060カーボンブラックが挙げられる。
【0032】
触媒は、マイケルドナー及びアクセプターのマイケル付加反応に触媒作用を及ぼすことに有用な任意のものであってもよい。触媒としては、第3級アミン化合物、アミジン化合物、第4級アンモニウム水酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属アセチルアセトネート、第4級アンモニウムアセチルアセトネートなどを挙げることができる。触媒の例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラオクチルアンモニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ−2,2,2−オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−セチルN、N−ジメチルアミン、N−ココ−モルホリン、N,N−ジメチルアミノメチルN−メチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビス(アミノエチル)エーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)N−イソプロパノールアミン、(N,N−ジメチル)アミノエトキシエタノール、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N−ジモルホリノジエチルエーテル、N−メチルイミダゾール、ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、ビス(ジメチルアミノ−プロピル)アミノ−2−プロパノール、テトラメチルアミノビス(プロピルアミン)、(ジメチル(アミノエトキシ−エチル))((ジメチルアミン)エチル)エーテル、トリス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ビス(N,N−ジメチル−3−アミノプロピル)アミン、1,2−エチレンピペリジン、メチル−ヒドロキシエチルピペラジン、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の1つ以上の実施形態は、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化(2−ヒドロキシエチル)トリ−メチルアンモニウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、カリウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、水酸化テトラエチルアンモニウム、及びこれらの組み合わせの群から選択される触媒を提供する。
【0033】
触媒は、任意の有用な量であってもよいが、典型的には、多官能性マイケルドナーの1当量当たり、触媒の約0.001モルから、多官能性マイケルドナーの1当量当たり、触媒の1モルまでの範囲である。すべての個々の値、及び多官能性マイケルドナーの1当量当たり、触媒の約0.001モル以上から、多官能性マイケルドナーの1当量当たり、触媒の1モルまでの部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、触媒は、多官能性マイケルドナーの1当量当たり、触媒の0.001モル、0.002モル、または0.003モルの下限から、多官能性マイケルドナーの1当量当たり、触媒の1モル、0.98モル、または0.95モルの上限までの範囲における濃度を有することができる。
【0034】
構成材料は、混合の任意の既知の方法によって混合することができる。実例として、構成材料が1成分中に存在する場合、構成材料は、既知の高粘度材料を混合するのに有用なミキサーによって予備混合することができる。構成材料が、第1及び第2の材料中に存在する場合、構成材料は、従来のミキサーを使用して予備混合されて、次いでその後、直ちにまたは間もなくしてノズルを通して押し出しすることができる、または材料は、ノズルとインラインするダイナミックミキサーまたはスタティックミキサーを通して通過することができる。
【0035】
典型的には、混合物は、任意の有用なまたは適切な温度で、空気雰囲気に吐出される。驚いたことには、材料は、加熱なしで吐出され、その形状を十分に保持して、付加製造部品を形成する。一般に、このことは、混合物の少なくとも一部またはすべてが、せん断下、周囲温度(23℃)で流動することを意味する。マイケルドナー及びレオロジー調整剤を有する材料の使用は、それを通して押し出しするノズル開口部の形状を保持する押出物の吐出を可能にする。
【0036】
さらに、構成材料は、他の充填剤及び顔料を含んで使用することができる。このような充填剤としては、例えば二酸化チタン、酸化アルミニウム、ゼオライト、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、シリカ、タルクなどを挙げることができる。一実施形態において、2つ以上の他の充填剤を使用することができる。充填剤は、1つ以上の所望の特性、例えば付加製造部品の強度などを向上するために十分な量で、典型的に使用される。
【0037】
他の任意の充填剤充填剤としては、クレーを挙げることができる。好ましいクレーとしては、カオリン、表面処理カオリン、焼成カオリン、ケイ酸アルミニウム、表面処理無水ケイ酸アルミニウムなどが挙げられる。クレーは任意の形状で使用することができ、吐出材料の配合を容易にする。好ましくは、クレーは、粉砕粉体、噴霧乾燥ビーズ、または細かく粉砕された粒子の形状である。クレーは、材料の約0.1重量部以上、より好ましくは約12重量部以上、さらにより好ましくは約18重量部以上の量で使用することができる。好ましくは、クレーは、材料の約30重量部以下、より好ましくは約28重量部以下、最も好ましくは約24重量部以下の量で使用することができる。
【0038】
他の構成材料としては、マイケル付加化合物を環境条件、例えばUV光照射などから保護するために作用する、安定剤を挙げることができる。このような安定剤は、材料の総重量を基準として、約0.1重量部以上、好ましくは約0.5重量部以上、より好ましくは約0.8重量部以上の量で使用することができる。このような安定剤は、材料の総重量を基準として、約5.0重量部以下、より好ましくは約2.0重量部以下、最も好ましくは約1.4重量部以下の量で使用される。
【0039】
他の構成材料としてはまた、可塑剤、着色剤、防腐剤、臭気マスク、難燃剤、殺生物剤、酸化防止剤、帯電防止剤、及び溶媒を挙げることができる。界面活性剤の例としては、ポリアルキレンオキシド、及びシリコーン系界面剤、例えば有機シリコーン界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されない。ポリアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレン及びプロピレンオキシド、またはエチレン及びブチレンオキシドなどのランダム及び/またはブロックコポリマーを挙げることができる。ポリアルキレンオキシド界面活性剤の例は、商標名VORASURF(商標)504(The Dow Chemical Companyから入手可能)で販売されている、ポリエチレンオキシド−co−ブチレンオキシドトリブロック有機界面活性剤である。有機シリコーン界面活性剤の例としては、ポリシロキサン/ポリエーテルコポリマー、例えばTEGOSTAB(商標)(Evonik Industriesから入手可能)、B−8462及びB8469、DABCO(商標)DC−198界面活性剤(Air Products and Chemicalsから入手可能)、及びNIAX(商標)L−5614界面活性剤(Momentive Performance Productsから入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
界面活性剤は、多官能性マイケルドナー及び多官能性アクリレート化合物の総重量を基準として、0.1重量パーセント〜5.0重量パーセントの範囲における濃度を有することができる。すべての個々の値、多官能性マイケルドナー及び多官能性アクリレート化合物の総重量を基準として、0.1重量パーセント以上〜5.0重量パーセントの部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、界面活性剤は、多官能性マイケルドナー及び多官能性アクリレート化合物の総重量を基準として、0.1重量パーセント、0.2重量パーセント、または0.3重量パーセントの下限から、5.0重量パーセント、4.8重量パーセント、または4.5重量パーセントの上限までの範囲における濃度を有することができる。
【0041】
他の構成材料は、混合物の総重量を基準として、例えば0.1重量部以上、好ましくは約0.5重量部以上、より好ましくは約0.8重量部以上の任意の有用な量で使用することができる。このような他の構成材料は、典型的には、混合物の総重量を基準として、約5.0重量部以下、より好ましくは約2.0重量部以下、最も好ましくは約1.4重量部以下の量で使用することができる。
【0042】
図1〜4を参照すると、本方法は、材料が2つ以上の成分で提供される場合、材料をインラインで混合することができる、ノズルアセンブリ110に取り付けられたノズル100を通して、材料を吐出することを含む。吐出の際、材料は、最初の層130及び連続層140を、支持体150上に形成する、押出物120を形成する。ノズルアセンブリ110は、支持体に直交するように示されているが、押出物を形成するために任意の有用な角度で配置され、それによって、押出物120及びノズルアセンブリ110は、押出物120が支持体に平行であるように、鈍角を形成することができる。さらに、ノズルアセンブリ110は、その長手方向軸の周りに回転して、例えば、ノズル100の開口部の形状を新しい方向に向けることができ、
図1〜4に示されるように、支持体150と異なる関係を有する押出物120を作り出すことができる。
【0043】
支持体150とノズルアセンブリ110の相対移動もまた示されるが、支持体150、ノズルアセンブリ110またはこれらの両方は、任意の水平方向または垂直方向において、相対移動を生じさせるために、移動させることができると考えられる。移動は、所定の方法で行われ、任意の既知のCAD/CAM手順及び装置、例えば、当該技術分野においてよく知られているもの、及び容易に利用可能なロボットまたはコンピュータ化された工作機械インターフェースなど、によって達成することができる。このようなパターン形成は、例えば米国特許第5,121,329号において記載されている。
【0044】
押出物120は、連続的に吐出、または中断されて、最初の層130及び連続層140を形成することができる。押出物120の中断が望ましい場合、ノズルは、材料の流動を止めるためのバルブ(図示されていない)で構成され得る。このようなバルブ機構は、任意の適切な機構、例えば、パターンと共に任意のCAD/CAM手順によって、容易に制御することができる、任意の既知の電気機械的バルブなどであってもよい。
【0045】
材料が、2つ以上の成分で構成される場合、ノズルアセンブリ110はまた、ミキサー、例えば、インラインスタティックまたはダイナミックミキサーなど、ならびに2つの成分を保持するための別個の区画で構成することができる。特定の実施形態において、スタティックミキサーは、少なくとも2つのゾーンを有し、各ゾーンが、異なるスタティックミキサー要素で構成される。適切であり得る2成分吐出装置及び方法の例としては、米国特許第6,129,244号、及び同第8,313,006号、発明者がHuide Zhuである同時係属米国特許出願61/977,668において記載されているもの、ならびにSulzer ChemtechのMixpac Peeler IIの製品パンフレット、及びCraig Blum,Two Component Adhesive Cartridge Systems,FAST,July 2008によって記載されているものが挙げられる。
【0046】
材料が、粘着性の可能性があるため、支持体150は、低い表面エネルギー材料、例えばポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)またはフッ素化ポリマー、例えばテフロン(登録商標)などであってもよい。あるいは、支持体は、離型剤、例えば、ポリウレタン反応射出成形技術分野において既知のものを有することができ、または、支持体は、吐出及び付加製造部品を形成する前に、その上に配置される、低エネルギー材料の1枚の紙またはフィルムを有することができる。
【0047】
2つ以上のノズルアセンブリ110が用いられて、付加製造部品内部に複合または傾斜構造を作製することができる。同様に、第2のノズルアセンブリ110が用いられて、米国特許第5,503,785号において記載されているように形成される、より複雑な形状を可能にするために、後で除去することができる、支持構造を吐出することができる。支持材料は、支持を加え、容易に除去される任意のもの、例えばワックスなどの当該技術分野において既知ものであってもよい。
【0048】
特定の実施形態において、付加製造部品における寸法制御及び密度の均一性の改善が、異なる形状の押出物120を使用することによって、達成され得ることが見出された。
図2は、間隙160を有する最初の層130を作製しはじめている、不連続な(中断された)台形の断面形状を有する押出物120を示す。
図3において、ノズル100(図示されていない)が、上記に記載されたように、新しい方向に向けられ、さらに押出物120が、間隙160を埋めるように吐出される。工程は繰り返されて、連続層140を形成し、付加製造部品を形成する。外側表面170が、支持体に直交して平坦な表面であることが望ましい場合、これらの押出物120の台形形状は、外側表面が実質的に平坦になるように、この表面を定める押出物120において、変化することができる。別の実施形態において、
図2の台形の押出物120は、押出物の間に三角形の間隙(図示されていない)を形成するように、接触することができ、後続の層(図示されていない)は、このような三角形の間隙に収まる、三角形の形状を有することができる。押出物は、任意の有用な形状、例えば円形、楕円形または多角形などである断面形状を有することができる。例示的な多角形形状は、長方形、正方形、三角形、六角形または台形である。台形は、等脚台形であってもよい。押出物の断面形状は、層ごとに変化しても、または層内で変化してもよい。
【0049】
驚いたことには、本方法は、高い分解温度を有する、熱硬化性エラストマー付加製造部品を作製するために使用することができる。「エラストマー」とは、付加部品が、ゴム様の性質、例えば張力のかかった状態での破断前で少なくとも約50%の伸び率を発揮することを意味する。好ましくは、張力のかかった状態での破断点伸びは、少なくとも100%、200%、またはさらに300%である。張力のかかった状態での伸び率と破断は、ASTM D412によって決定される。
【0050】
同様に驚いたことには、分解温度は、少なくとも約250℃、または275℃、300℃、325℃、またはさらに350℃であり得る。分解温度は、窒素下で、20℃から500℃までの10℃/分の温度傾斜での熱重量分析を使用して、重量減少が開始する温度である。
【実施例】
【0051】
実施例1
Sartomer Americas(Exton,PA)から入手可能な、SR601の名称の、マイケルアクセプターである、30グラム(g)のエトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレートと、Orion Engineered Carbons LLC(Kingwood,TX)から入手可能な、FW200の名称の、14ナノメートルの平均一次粒子径を有する、3.7gのカーボンブラックと、を混合することによって、第1の成分を作製した。これらを、高速ミキサーを使用して、1000rpmで、2分間混合した。次いで、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能な、マイケル付加触媒である、0.98gの1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)を添加し、1000rpmで、2分間さらに混合した。Lonza Inc.(Allendale,NJ)から入手可能な、マイケルドナーである、18.23gのトリメチロールプロパントリスアセトアセテートと、2.2gのFW200カーボンブラックと、を混合することによって、作製された第2の成分を、別個の容器に添加し、高速ミキサーを使用して、1000rpmで、2分間混合した。
【0052】
第1及び第2の成分を混合して、カスタマイズされた3Dプリンターを使用してプリントした。高圧2成分吐出器具、Nordson Equalizer 2K(Nordson Corporation,Westlake OH)を、プログラム可能なXYZステージとして作用する、UltraTT EFD自動吐出システム(Nordson Corporation,Westlake OH)上に取り付けた。第1及び第2の成分を、2成分シリンジの一方に装填し、成分を、Nordson Corporationから入手可能な、ルアーロックアダプター(7700943)及び0.41mmのルアーロックテーパーノズル(7018298)を備えた、8.6cmの長さ、4.75mmの直径の使い捨て型Hテーパー型190シリーズSpiral Bayonetスタティックミキサー(7701436)を通して、押し出して、XYZテーブル上に、円形押出物として押し出される混合物を形成した。混合物を、35psi圧力の圧力を使用して、15mm/秒の速度で押し出した。XYZテーブルを、PalmPilotによって制御して、各種の高さ、内径、外径の、正方形及び円形環を形成した。層間のステップ高さは、0.30mmであった。
【0053】
Texture Technologies TA−XT−Plus Texture分析器(Texture Technologies Corp.,Hamilton,MA)を用いて、ASTM D412標準に従って、引張強度及び破断点伸びを決定した。Q500TGA(熱重量分析器、TA Instruments,Inc.,New Castle,DE)を用いて、空気下、25℃〜500℃を10℃/分で、64mgの試料を加熱することによって、熱重量分析を実施して、分解温度を示した。破断点伸びは65%であって、引張強度は2.5MPaであった。分解温度は、360℃であった。この比較される分解温度は、同時係属中出願PCT/US2015/055266の実施例1に記載されている、イソシアネート含有プレポリマーから形成される、220℃の分解温度を有した、3Dプリントエラストマー部品の分解温度より、実質的に高い。
【0054】
例示的マイケルアクセプター及びドナー
以下は、本発明の方法において有用であり得る、マイケルアクセプター及びドナーの実例である。
【0055】
実例1
11.5gのSR601、Sartomer Americasから入手可能な、ペンタエリスリトールトリアクリレートである、0.5gのSR444、及び0.06gのTMGを、室温で、マグネティックスターラーを用いて、2分間、混合することによって、第1の成分を作製した。第2の成分は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能な、マイケルドナーである、2.9gのメチルアセトアセテートであった。第1及び第2の成分を、強い磁気撹拌によって、1分間、十分に混合した。混合物を、4インチアルミニウム計量皿に移した。混合物は、室温で、2時間以内に、固体のエラストマーになった。
【0056】
実例1の破断点伸びは404%であって、引張強度は2.8MPaであった。ガラス転移温度(Tg)を、TA Instruments,Inc.(New Castle,DE)から入手可能な、Q100 DSC(示差走査熱量計)によって測定した。測定条件は、−90℃〜250℃、10℃/分加熱速度であった。Tgの結果を、第2の加熱サイクルから報告した。実例1のTgは、11.4℃であった。
【0057】
実例2
Cabot Corporation(Alpharetta,GA)から入手可能な、1.5gのカーボンブラック(ELFTEX 720)を、第1の成分に添加したことを除いて、実例1の配合及び手順を繰り返した。第1及び第2の成分の混合物は、室温で、2時間以内に、固体のエラストマーになった。実例2の破断点伸びは286%であって、引張強度は5.3MPaであって、Tgは4.8℃であった。
【0058】
実例3
配合を、以下のように変更したことを除いて、実例2の手段を繰り返した。第1の成分は、10gのSR601、及びSartomer Americasから入手可能な、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートである、2gのSR355、0.075gのTMG、及び1.48gのカーボンブラック(ELFTEX 720)を含む。第2の成分は、2.71gのメチルアセトアセテートを含む。第1及び第2の成分の混合物は、室温で、2時間以内に、固体のエラストマーになった。破断点伸びは90%であって、引張強度は6.9MPaであって、Tgは15.2℃であった。
【0059】
実例4
11.5gのSR601、0.5gのSR444、2.9gのメチルアセトアセテート、及び3.0gのカーボンブラック(ELFTEX 720)を、スパチュラを用いて、4分間、混合することによって、第1の成分を作製した。第2の成分は、1mlシリンジ中の0.09gのTMGであった。第2の成分を、第1の成分に、スパチュラによる撹拌を用いて、滴下した。混合物を、さらに1分間、十分に混合した。混合物を、4インチアルミニウム計量皿に移し、第2の計量皿を、混合物の上部に置いた。皿の上部にわずかな圧力を加えて、これら2つの皿の間に、均一な混合物層を調製した。混合物は、室温で、2時間以内に、固体のエラストマーになった。破断点伸びは212%であって、引張強度は4.4MPaであって、Tgは17.2℃であった。
【0060】
Brookfield Engineering Laboratories,Inc.(Middleboro,MA)から入手可能な、Brookfield DV−III Ultra粘度計によって、第1の成分の粘度を測定した。温度は22℃であって、適用されたスピンドルは#64であった。第1の成分の粘度は、せん断依存性であった。結果を、スピンドルを回転後1分での読み取り値から報告した。粘度は、1s
−1のせん断速度で、75,000センチポワズ、2s
−1のせん断速度で、50,000センチポワズであり、6s
−1のせん断速度で、11,000センチポワズであった。
【0061】
実例5
配合を、以下のように変更したことを除いて、実例4の手段を繰り返した。第1の成分は、2gのSR355、Sartomer Americasから入手可能な、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレートである、10gのSR9038、1.7gのメチルアセトアセテート、及び2.75gのカーボンブラック(ELFTEX(登録商標)720)を含む。第2の成分は、0.07gのTMGを含む。第1及び第2の成分の混合物は、室温で、2時間以内に、固体のエラストマーになった。破断点伸びは94%であって、引張強度は2.4MPaであって、Tgは−29.8℃であった。
【0062】
実例6
配合を、以下のように変更したことを除いて、実例4の手段を繰り返した。第1の成分は、0.5gのSR444、11.5gのSR9038、2.01gのメチルアセトアセテート、及び2.82gのカーボンブラック(ELFTEX 720)を含む。第2の成分は、0.08gのTMGを含む。第1及び第2の成分の混合物は、室温で、2時間以内に、固体のエラストマーになった。破断点伸びは318%であって、引張強度は3.6MPaであって、Tgは−10.8℃であった。
(態様)
(態様1)
付加製造の方法であって、
(i)多官能性マイケルドナー、レオロジー調整剤、多官能性マイケルアクセプター、及び触媒を用意することと、
(ii)前記多官能性マイケルドナー、前記レオロジー調整剤、前記多官能性マイケルアクセプター、及び前記触媒を混合して、混合物を形成することと、
(iii)ノズルを通して、前記混合物を吐出させて、支持体上に堆積される押出物を形成することと、
(iv)前記混合物を吐出させながら、前記支持体、ノズル、またはこれらの組み合わせを移動させ、その結果、所定のパターンで、前記支持体とノズルの間の水平移動があり、前記支持体上に前記押出物の最初の層を形成することと、
(v)工程(ii)及び(iv)を繰り返して、前記最初の層上に付着される、前記押出物の連続層を形成して、付加製造部品を形成することと、を含む、方法。
(態様2)
前記方法が、工程(v)を繰り返し、それにより、複数の連続層が付着され積層し、前記付加製造部品を形成することをさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
前記混合物が、少なくとも約20Paの降伏応力を有する、態様1に記載の方法。
(態様4)
硬化する前の前記混合物が、5s−1のせん断速度で少なくとも10,000センチポアズの粘度、及び100s−1のせん断速度で少なくとも10倍低い粘度を有する、態様1〜3のいずれか一項に記載の方法。
(態様5)
前記多官能性マイケルドナー、及び多官能性マイケルアクセプターが、2つの別個の成分に別個に提供され、第1の成分が、前記マイケルドナー及び前記レオロジー調整剤から構成され、第2の成分が、前記マイケルアクセプター及びレオロジー調整剤から構成され、前記触媒が、前記第1の成分、第2の成分、またはこれらの両方の成分のいずれかにおいて提供される、態様1または態様7に記載の方法。
(態様6)
前記ノズルが、前記第1及び第2の成分が混合されて、前記混合物を形成する、スタティックミキサー、ダイナミックミキサーまたはこれらの組み合わせであるミキサーで構成される、態様5に記載の方法。
(態様7)
前記第1及び第2の成分が、少なくとも約20Paの降伏応力を有する、態様6または7に記載の方法。
(態様8)
前記第1及び第2の成分が、5s−1のせん断速度で少なくとも10,000センチポアズの粘度、及び100s−1のせん断速度で少なくとも10倍低い粘度を有する、態様5〜7のいずれか一項に記載の方法。
(態様9)
前記多官能性マイケルドナー、及び前記多官能性マイケルアクセプターが、1/3〜3のドナー/アクセプター官能基モル比で提供される、態様1〜8のいずれか一項に記載の方法。
(態様10)
前記ドナー/アクセプター官能基モル比が、3/4〜5/4である、態様9に記載の方法。
(態様11)
前記多官能性マイケル付加ドナーまたは多官能性マイケル付加アクセプターのうちの少なくとも1つが、3の平均官能価を有する、態様1〜10のいずれか一項に記載の方法
。
(態様12)
前記多官能性マイケルドナーが、アルコールのエステルである、態様1〜11のいずれか一項に記載の方法。
(態様13)
前記多官能性マイケルアクセプターが、アクリレート化合物である、態様1〜12のいずれか一項に記載の方法。
(態様14)
前記触媒が、第3級アミン化合物、アミジン化合物、第4級アンモニウム水酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属アセチルアセトネート、第4級アンモニウムアセチルアセトネート、またはこれらの混合物である、態様1〜13のいずれか一項に記載の方法。
(態様15)
前記押出物が、多角形である断面形状を有する、態様1〜14のいずれか一項に記載の方法。
(態様16)
前記所定のパターンが、押出物間に空隙を有する押出物が最初に形成され、続いて前記空隙に堆積する押出物を吐出させて、前記最初の層または後続の層を形成するようなものである、態様1〜15のいずれか一項に記載の方法。
(態様17)
態様1〜16のいずれか一項に記載の方法によって作製される付加製造物品。
(態様18)
層状及び前記層間で互いに付着される押出物で構成される付加製造物品であって、前記押出物が、レオロジー調整剤、及び多官能性マイケル付加ドナーと多官能性マイケルアクセプターの反応生成物で構成される、付加製造物品。
(態様19)
破断点引張伸びが、少なくとも50%である、態様18に記載の付加製造物品。
(態様20)
前記付加製造物品が、少なくとも250℃の分解温度を有する、態様18または19に記載の付加製造物品。