(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875404
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】ポケット付きウェッジを有する工具保有システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/28 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
E02F9/28 A
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-534921(P2018-534921)
(86)(22)【出願日】2016年12月20日
(65)【公表番号】特表2019-500526(P2019-500526A)
(43)【公表日】2019年1月10日
(86)【国際出願番号】US2016067785
(87)【国際公開番号】WO2017120034
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2019年10月25日
(31)【優先権主張番号】14/987,424
(32)【優先日】2016年1月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・シモン・カンポマネス
【審査官】
荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0197921(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0258891(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00−9/18
E02F 9/24−9/28
E02F 5/00−7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具保有システム(20)のためのウェッジ(28)であって:
チップ端部(87)、及び前記チップ端部よりも広い対向する基端部(85)を有する本体(83)と;
前記本体内に形成され、前記基端部から前記チップ端部に延びるチャネル(60)と;
前記チャネルに開放される前記チップ端部で前記本体内に形成された細長いポケット(84);及び
前記本体内に位置され、前記細長いポケットの端部と前記チャネルとの間に延びるランプ(90)であって、前記ランプは、前記ポケットの軸(86)に対して傾斜するランプ(90)を含み、
前記ランプは、前記本体の前記チップ端部に位置され、前記細長いポケットに向かった開放側面で前記チャネルから内側に突出する、
工具保有システム(20)のためのウェッジ(28)。
【請求項2】
前記本体は、前記基端部から前記チップ端部に延びる曲線状外部表面(70)、及び前記曲線状外部表面に対向するように位置する平坦な内部表面(64)を有し;
前記チャネルは、その長さに沿って前記平坦な外部表面に開放され;及び
前記細長いポケットは、前記チャネルと前記曲線状外部表面との間に位置される、請求項1に記載のウェッジ。
【請求項3】
前記チャネルをファスナーヘッドセクションとファスナーシャンクセクションとに分割するカラー(68)をさらに含む、請求項1に記載のウェッジ。
【請求項4】
前記細長いポケットの直線状の壁の長さは、前記カラーから前記本体の前記チップ端部までの前記チャネルの長さの約1/4〜1/2であり;及び
前記細長いポケットの前記直線状の壁の長さは、前記カラーから前記本体の前記チップ端部までの前記チャネルの長さの約1/3である、請求項3に記載のウェッジ。
【請求項5】
前記チャネル及び前記細長いポケットは、ほぼ同一の半径を有する内部曲線状表面を有し;及び
前記細長いポケットの軸(86)は、前記チャネルの軸と平行である、請求項1に記載のウェッジ。
【請求項6】
前記細長いポケットの軸と前記チャネルの軸との間のオフセット距離は、前記細長いポケット及びチャネルの半径の1/3〜1/2とほぼ同一である、請求項5に記載のウェッジ。
【請求項7】
前記ランプは、第1ランプであり;及び
前記ウェッジは、前記本体の前記基端部と前記第1ランプとの間の地点に位置された第2ランプ(92)をさらに含み、前記第2ランプは、前記チャネルの曲線状表面から前記細長いポケットに向かって外側に突出される、請求項1に記載のウェッジ。
【請求項8】
前記チャネルの軸に対する前記第1ランプの角度は、前記ポケットの軸に対する前記第2ランプの角度とほぼ同一である、請求項7に記載のウェッジ。
【請求項9】
器具(12)に連結された工具(14)を保有するためのシステムであって、
前記器具及び工具の開口(42、44)を貫通するように構成されたクランプ(26)を含み、前記クランプ(26)は;
前記器具及び前記工具と係合するように構成された第1側部(58)と;及び
前記器具及び前記工具から離れるように配向された歯部を有する第2側部(62)を有し;及び
請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記ウェッジ(28)は、前記器具及び前記工具の前記開口を貫通し、前記クランプの前記第2側部と係合するように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、一般に保有(retention)システムに関し、より詳細には、ポケット付きウェッジ(pocketed wedge)を有する工具保有システムに関する。
【0002】
ケーブルショベル(shovel)、掘削機、ホイールローダー及びフロントショベルのような土工機械は、土の材料を掘削(digging)、またはリッピング(ripping)するとか、そうではなければ移動させるために一般的に使用される器具を含む。これらの器具は、激しい摩滅と衝撃を受けて、これらが摩耗されるようにする。器具の有効寿命を延ばすために、最も多く摩耗を受ける領域で様々な地面係合工具(ground engaging tool)が土工器具に連結され得る。これらの地面係合工具は、保有システムを使用して器具に交替可能に連結される。
【0003】
例示的な保有システムは、2013年6月11日に特許発行されたKnightの米国特許第8,458,931号(「′931特許」)に開示されている。具体的には、′931特許は、掘削機バケットの前縁にわたって嵌められるフォーク形状の工具本体を開示している。クランプは、本体及びバケットを貫通し、ウェッジがクランプと共に挿入され、クランプを自分の位置に維持させる。ウェッジは、U字形状の軸方向リセス(recess)を有し、ねじ付きロッド(threaded rod)がリセス内に収容され、クランプに対する角度で配向される。ねじ付きブロックはロッドに取り付けられ、ロッドはロッドに沿ってブロックを移動させるように回転可能である。ブロックは、ウェッジが本体に挿入されるとき、クランプと係合する歯部を含んで、ロッドが回転され、ブロックがロッドに沿って移動するにつれて、ウェッジが本体内にさらに加圧される。ウェッジが本体内にさらに加圧されることによって、クランプは本体及びバケットに対してより締め付けるように加圧される。この構成によれば、フォーク形状の工具本体がロッドの回転により掘削機バケットに除去可能に連結され得る。
【0004】
いくつかの適用例には、許容可能であるが、′931特許の保有システムは最適未満であり得る。特に、保有システムは、組み立ての目的で、システム内部で要求されるクリアランス及びロッドの長さによって移動が制限され得る。具体的に、ブロックの歯部をクランプの歯部と係合させるために、ウェッジ挿入中にブロック歯部のピークが最初にウェッジ歯部のピークにわたって通過しなければならない。この場合に、ウェッジがクランプから離れるように加圧される。このとき、ウェッジによって消費される余分なクリアランスは、ロッドの回転がシステムを締め付けるために機能する前に、ロッドの回転によって先に取り上げられなければならない。いくつかの実施形態において、これは、システムを締め付けるときに使用するためのロッドの回転がほとんど残っていないようにすることができる。また、ウェッジを除去する中に、ブロック歯部はロッドが弛緩方向に回転された後でも、クランプ歯部と係合した状態で残っていることができて、ウェッジの後続的な除去を困難にすることができる。
【0005】
他の例示的な保有システムは、2015年7月16日に公開されたCampomanesの米国特許出願第2015/0197921号(「′921公報」)に開示されている。この保有システムにおいて、ポケットはウェッジチャネルの端部に形成される。ポケットは、スライダーブロックがウェッジ内により深く移動されるにつれて、対応するスライダーブロックを収容するように構成される増加された深さの傾斜領域である。これは、スライダーブロックの歯部が噛合された結合から離脱されるようにすることができ、これは組み立て中に有用であり得る。また、これはクランプとの係合が起こる前にウェッジがより長い距離に挿入され得るようにして、これによって向上された連結を提供することができる。
【0006】
′921公報のポケットは、より容易な組み立てと、改選された連結が引き起こすことができるが、これは依然として最適ではないことがある。特に、スライダーブロックが依然として重力によって引っ張られて組み立て中にクランプとあまり早く連結され得る。付加的に、ポケット内でクリアランスが利用可能であるとしても、重力は分解中にスライダーブロックがクランプから係合解除されないようにすることができる。
【0007】
開示される工具保有システム及びウェッジは、上述した1つ以上の問題点を克服することに関連される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの例示的な態様によれば、本開示は、工具保有システムのためのウェッジに関する。ウェッジは、チップ端部、及びチップ端部よりも広い対向する基端部を有する本体、及び本体内に形成され、基端部からチップ端部に延びるチャネルを含むことができる。また、ウェッジは、チャネルに開放されるチップ端部で本体内に形成された細長い(elongated)ポケット、及び本体内に位置し、細長いポケットの端部とチャネルとの間に延びるランプ(ramp)を含むことができる。ランプは、チャネルの軸に対して傾斜することができる。
【0009】
他の例示的な態様によれば、本開示は、器具に連結された工具を保有するのに使用するためのシステムに関する。システムは、器具及び工具の開口を貫通するように構成されたクランプを含むことができる。クランプは、器具及び工具に係合するように構成された第1側部と、器具及び工具から離れるように配向された歯部を有する第2側部を有することができる。システムはまた、器具及び工具の開口を貫通するように構成されたウェッジを含むことができる。ウェッジは、クランプの第2側部に係合するように構成され、チップ端部とチップ端部よりも広い対向する基端部との間に延びる平坦な外部表面、及び平坦な外部表面に対向するように位置し、器具及び工具に係合するように構成された曲線状外部表面を有する本体を有することができる。ウェッジはまた、本体内に形成され、基端部からチップ端部に延びるチャネル、及びチャネルをヘッドセクションとシャンク(shank)セクションとに分割するカラー(collar)を有することができる。ウェッジは、チャネルのシャンクセクションに開放されるチップ端部で本体内に形成された細長いポケット、本体内に位置し、細長いポケットの端部とチャネルとの間に延びる第1ランプ、及び本体の基端部と第1ランプとの間の地点に位置された第2ランプをさらに有することができる。第1及び第2ランプは、チャネルの軸に対して傾斜することができる。システムは、チャネルと細長いポケットとの間で移動するように構成され、スライダーがチャネル内にあるとき、クランプの歯部と係合するように構成された歯状表面を有するスライダー、及びチャネルのヘッドセクションに位置されたヘッドとチャネルのシャンクセクションに位置されたシャンクを有するファスナーをさらに含むことができる。ファスナーは、ねじ付き係合する(threadingly engaged)ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、例示的な開示された機械の等測図である;
【
図2】
図2は、
図1の機械に関連して使用され得る例示的な開示された工具保有システムの等測図である;
【
図3】
図3は、
図2の工具保有システムの例示的な部分の断面図であり;及び
【
図4】
図4は、それぞれ、
図3に示された工具保有システムの一部分の等測図及び断面図である。
【
図5】
図5は、それぞれ、
図3に示された工具保有システムの一部分の等測図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、先端部に作動可能に連結された作業器具12を有する移動式機械10を示す。開示された実施形態において、機械10は、ショベル(例えば、ロープまたはケーブルショベル)である。しかしながら、機械10は、例えば、油圧式マイニングショベル、掘削機、モーターグレーダー、ドラッグライン、浚渫機または他の同様の機械のように、当業界に公知された他のタイプの移動式または固定式機械を具現することができることが考慮される。機械10は、作業器具12を使用して割り当てられた作業が完了する間に土材料のような材料を移動させるように構成され得る。機械10の先端部に位置するものと示されているが、所望通りに、作業器具12が代替的にまたは付加的に機械10の中間点または後端部に位置されることができることが考慮される。
【0012】
作業器具12は、機械10に割り当てられた課題を実行するのに使用される任意の装置を具現することができる。例えば、作業器具12は、ショベル(
図1に示される)、ブレード、バケット、クラッシャー、グラップル(grapple)、リッパー(ripper)、または当業界に公知された任意の他の材料移動装置であり得る。また、
図1の実施形態において、機械10に対してリフト、カール(curl)、及びダンプ(dump)するように連結されるが、作業器具12は、代替的にまたは付加的に回転、スイング、ピボット、スライディング、延長、開放/閉鎖、または当業界に公知された他の方式で移動することができる。
【0013】
作業器具12はその開口の周りに位置した1つ以上の地面係合工具(GET)14を備えることができる。例えば、開示されたショベルは、カッティングエッジ16の長さに沿って離隔された複数のツメ組立体14a、及びショベルの垂直側壁18に位置される複数のウィングシュラウド(wing shroud)14bを備えるものとして示す。GET14は、例えば、フォーク構成、チゼル構成、フック構成、または鈍端部(blunt−end)構成のように、当業界に公知された任意の他の形態を取ることができることが考慮される。また、他の構成も可能である。
【0014】
図2及び
図3に示されたように、各々のGET14は、外部端部24から離れた方向に延びる脚部38を含むことができる。脚部38は、作業器具12のカッティングエッジ16及び/または垂直側壁18を収容するのに十分に大きい開口40を形成するように互いに離隔され得る。開口部42は、各脚部38内に形成されることができ、開口部42は、作業器具12で互いの間に、そして、対応する開口部44(
図3にのみ示される)と一般的に整列され得る。開示された実施形態において、開口部42、44は、先端部で一般的に円筒形または楕円形であり、対向する後端部で平坦であるが、他の輪郭も利用され得る。
【0015】
各々のGET14は、保有システム20を介して作業器具12に除去可能に連結され得る。このような方式で、各々GET14は、取り付け位置で摩耗編として機能することができ、所望または有効な量を超過して奇形になるか摩耗される場合、周期的に交替され得る。保有システム20は、アパチャ42及び44の内部表面を貫通して係合するように構成されることができて、これによってGET14を作業器具12にロックすることができる。所望通りに、同一の保有システム20がすべてのGET14に対して使用され得るか、または異なる保有システム20が異なるタイプのGET14に対して使用され得ることが考慮される。
【0016】
図3に示された例示的な保有システム20は、関連するGET14(例えば、各々のツメ組立体14a)を作業器具12のカッティングエッジ16に除去可能な方式でクランプさせるように相互作用する複数の構成要素を含む。具体的に、保有システム20は、クランプ26、ウェッジ28、スライダー30、及びファスナー32を含む。以下でより詳細に説明されるように、クランプ26は、GET14を通って(例えば、ツメ組立体14aのアパチャ42を通って)及び作業器具12を通って(例えば、アパチャ44を通って)貫通することができ、ウェッジ28は、クランプ26をもとの場所に維持させるのに使用され得る。スライダー30は、ファスナー32によってウェッジ28に連結されることができ、クランプ26に選択的に係合するように構成され得る。次に、ファスナー32は、スライダー30に対して回転されて、ウェッジ28がアパチャ42及び44内に引っ張られるようにすることができる。ウェッジ28がアパチャ42及び44内にさらに引っ張られることによって、ウェッジ28は、より大きな力でクランプ26を前方に(例えば、
図3の斜視図において右側に)加圧して、作業器具12のカッティングエッジ16とツメ組立体14aとの所望の連結を維持させることができる。
【0017】
また、
図3に示されたように、クランプ26は、中間セクション50及び中間セクション50の対向端部に位置される離隔されたアーム52を有することができる。クランプ26は、アーム52がツメ組立体14aから離れて及び脚部38に向かって後方に配向される状態で、GET14のアパチャ42及び作業器具12のアパチャ44を通って挿入され得る。いくつかの実施形態において、アーム52の内部表面53、54は、外側にテーパーされ、ツメ組立体14aの外部表面に係合するように構成され得る。このような構成によれば、クランプ26がアパチャ42及び44を通ってウェッジ28の挿入によってカッティングエッジ16から離れるように後方に加圧されることによって、アーム52は、ツメ組立体14aの脚部38をその間の器具12に向かって共に加圧するより大きな内側の力(すなわち、器具12に向かって)を生成することができる。
【0018】
クランプ26の中間セクション50は、組み立て時にアパチャ42及び/または44のプロフィールとマッチされるように構成されたアーム52の間の一般的に平坦な内部表面58、及びアパチャ42、44の軸に対して器具12に向かって後方に傾斜する内部表面58に対向する一般的に平坦な外部表面62を有することができる。クランプ26がウェッジ28によってカッティングエッジ16から離れるように(すなわち、脚部38に向かって)加圧されることによって、中間セクション50の内部表面58は、アパチャ42及び/または44)の平坦な内部端部表面に係合することができる。
【0019】
クランプ26には、外部表面62内に形成された縦方向チャネル72が提供され得る。チャネル72は、第1部分と第2部分とに分割され得る。チャネル72の第1部分は、ファスナー32のヘッド及び/またはファスナー32を回転させるのに使用される該工具のためのクリアランスを簡単に提供することができる同時に、チャネル72の第2部分には歯部74が提供され得る。以下でより詳細に説明されるように、歯部74は、スライダー30の該歯部と噛み合うように構成されることができ、ウェッジ28を引っ張ってアパチャ42、44とさらに係合させるのに使用され得る。
【0020】
ウェッジ28は、クランプ26の外部表面62に直接隣接するように位置されることができ(例えば、アーム52に対向してカッティングエッジ16により近接するクランプ26の側面に)、クランプ26の外部表面に対してスライディングするように構成された一般的に平坦な傾斜した内部表面64を有することができる。ウェッジ28はまた、アパチャ42、44の円筒形プロフィールとマッチされるように形状化される外部表面70を有することができる(
図4参照)。このような配列によって、ウェッジ28がアパチャ42、44内にさらに引っ張られることによって、クランプ26は、カッティングエッジ16からより離れるように(すなわち、アパチャ42、44の対向する平坦な端部面に対して)加圧され得る。
【0021】
細長いチャネル60は、ウェッジ28の内部表面64内に形成されることができ、カラー68は、チャネル60を第1セクションと第2セクションに縦に分割するように位置されることができる。チャネル60の第1セクションは、一般的にクランプ26内のチャネル72の第1セクションを向う一方に、チャネル60の第2セクションは、一般的にチャネル72の第2セクションを向うことができる。チャネル60の第1セクションは、ファスナー32のヘッドを収容するように構成され得る一方に、第2セクションは、ファスナー32のねじ付きシャンク及びスライダー30も収容するように構成され得る。カラー68は、ファスナー32のヘッドに対する反作用及び軸方向の支持点を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、カラー68は、ウェッジ28からファスナー32の迅速な組み立てまたは分解を容易にするためにノッチ形(notched)であり得る(
図4に示される)。
【0022】
開示された実施形態において、チャネル72及びカラー68は、両方とも断面が一般的に円形であることができ、クランプ26に向かって配向された開放側部を有することができる。しかし、チャネル72及び/またはカラー68は、所望通りに、正方形または長方形の断面のような他の形状を有することができることが考慮される。いくつかの実施形態において、円筒形凹部56は、ファスナー32のヘッドを着座させるように構成されたカラー68の軸方向端部(すなわち、チャネル60の第1部分を向う端部)内に形成されることができ、これによって、ファスナー32の意図しない除去を阻止することができる。
【0023】
スライダー30は、ウェッジ28のチャネル60内でスライディングするように構成された平滑な外部表面76、及びクランプ26の歯部74と噛み合うように構成された対向する歯状表面78を有する、半円筒形であり得る。スライダー30はまた、軸方向に配向され、ファスナー32のねじ付きシャンクを収容するように構成されたねじ付きボア80を含むことができる。このような構成によって、ファスナー32がカラー68内で回転されることによって、スライダー30がチャネル60の長さに沿ってスライディングされるようにすることができる。
【0024】
ファスナー32は、スライダー30をウェッジ28と調整可能に結合するように構成され得る。特に、ファスナー32のヘッドがサービス技術者によって回転されることによって、ファスナー32のねじ付ききシャンクは、スライダー30のボア80と相互作用して、チャネル60内でスライダー30の線形並進を誘発することができる。しかしながら、クランプ26の歯部74と相互噛み合う歯状表面78を有するスライダー30は、システム20に対して固定され得る。従って、スライダー30の並進運動は、ウェッジ28に伝達することができる。すなわち、ファスナー32がスライダー30内で回転されることによって、ウェッジ28は、ファスナー回転方向に応じて、アパチャ42、44内に引っ張られるか、またはアパチャ42、44の外に加圧され得る。そして、上述したように、ウェッジ28の線形運動は、作業器具12及びGET14上のクランプ26(例えば、ツメ組立体14a)によって発生されたクランプ力に対応することができる。
【0025】
ウェッジ28の例示的な実施形態を
図4及び
図5に示す。これら図から分かるように、表面64及び70は、チップ端部87よりも広い基端部85を有するウェッジ形状の本体83をその間に共に形成する。上述したように、基端部85は、ファスナー32のヘッドを収容することができる一方に、チップ端部87は、ファスナー32のシャンク及びそれに連結されたスライダー30を収容することができる。チャネル60は、本体83のチップ端部87を通って基端部85のカラー68から延びることができる。チップ端部87は、システム20の組み立て中にアパチャ42及び44を通って最初に収容され得る。
【0026】
細長いポケット84は、チャネル60の下端部(すなわち、カラー68に対向する端部)と連通する本体83のチップ端部87内に形成され得る。開示された実施形態において、ポケット84は、チャネル60の軸88と一般的に平行であり、チャネル60の軸88からオフセットされる縦方向の軸86を有する曲線状内部表面82を有する。このような同一の実施形態において、ポケット84は、チャネル60の半径にほぼ同一の(例えば、製造公差内)半径を有する円形断面を有することができる。軸86及び88間のオフセット距離は、チャネル60及びポケット84の半径の1/3〜1/2にほぼ同一であり得る。
【0027】
以下でより詳細に説明されるように、ポケット84は、チャネル60の体積及び深さを増加させるように機能することができる。スライダー30がカラー68から離れてチャネル60の末端部に向かって及びポケット84内に移動される場合、スライダー30の歯状表面78は、クランプ26の歯部74との噛合された結合から離脱するように許容され得る。これは、ウェッジ28の組み立て中に有用であることができて、ウェッジ28が歯状表面78と歯部74との係合以前にアパチャ42、44を通ってより長い距離に挿入され得るようにする。クランプ26の歯部74がスライダー30の歯状表面78にロックされる前にウェッジ28を開口40内にさらに挿入することによって、より大きな係合強度のために、より多い数の歯部が互いに係合することができる。また、技術者は、所望のレベルの係合を達成するために多くファスナー32を回転させる必要がないことである。
【0028】
いくつかの状況において、スライダー30の係合解除を許容する体積及び深さがポケット84内に存在しても、重力はスライダー30がクランプ26と係合させるように加圧する傾向があり得る。このような理由のために、チップ端部87の近くのポケット84の末端部にランプ90が形成され得る。ランプ90は、軸86に対して傾斜する内部表面を有することができて、ランプ90の下部または外部部分が上部または内部部分よりも軸86により近接に位置される。一実施例において、ランプ90の内部表面は、軸86に対して約15〜30゜(例えば、工学公差内で約22゜)の角度αに配向され、ポケット84に向かってチャネル84を通って内側に表面62から突出される。このような構成によって、ファスナー32の弛緩回転は、スライダー30の下端部がランプ90に係合するまでスライダー30をカラー68から離れるように下方へ加圧することができる。このときさらなる弛緩回転は、スライダー30を傾斜した内部表面内に押し入れて、スライダー30をポケット84内に加圧し、クランプ26と完全に係合解除される。こんような場合に、ウェッジ28は、スライダー30が依然としてファスナー32に連結された状態でアパチャ42及び44から除去されることができる。これは、分解中に発生しなければならない弛緩回転量を減少させることができ、またスライダー30が解除されて損失される可能性を減少させるのに役に立つことができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、ランプ90に対向するポケット84の上部または内部端部に同様のランプ92が形成され得る。ランプ92は、ランプ90の傾斜表面と一般的に平行であることができ、ポケット84に向かってチャネル60の曲線状表面から外側に突出されることができる。ランプ92は、ファスナー32の締結回転中にスライダー30をチャネル60内に戻して(及びまたクランプ26との係合に戻して)再位置させるように機能することができる。
【0030】
ポケット84は、ランプ90及び92との間でスライダー30を完全に収容する大きさで調整されなければならない。すなわち、ポケット84の直線状の壁セクションの軸86に沿う距離d
1は、スライダー30の長さよりも長くなければならない。一実施形態において、このような距離d
1は、カラー68の下部表面と本体83のチップ端部87との間の距離Dの約1/4〜1/2(例えば、約1/3)である。また、ポケット84の深さd
2(すなわち、ポケット84の曲率上の最も遠い地点と表面64との間の距離)は、スライダー30の高さよりも長くなければならない(すなわち、歯状表面78のピークからスライダー30の対向表面までの距離よりも大きくなければならない)。このような方式で、スライダー30が完全にポケット84内にある場合、ウェッジ28の表面64は、対向する歯ピークの間にクリアランスでクランプ26の表面62上に直接置かれることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
開示された工具保有システムは、ロープショベル、油圧マイニングショベル、掘削機、ホイールローダー、ドラッグライン、浚渫機及びブルドーザーのような様々な土工機械に利用可能である。具体的に、工具保有システムは、地面係合工具をこれらの機械の作業器具に除去可能に連結するのに使用され得る。このような方式で、開示された保有システムは、損傷される摩滅及び衝撃を受ける領域における摩耗に対して作業器具を保護することに役に立ち得る。GET14を作業器具12に連結するための工具保有システム20の使用が以下に詳細に説明されるであろう。
【0032】
特定のGET14を作業器具12に連結するために、例えば、ツメ組立体14aをカッティングエッジ16に連結するために、サービス技術者は、先ず、カッティングエッジ16の対向表面にわたってツメ組立体14aの脚部38を位置させて、アパチャ42が作業器具12のアパチャ44と一般的に整列されるようにすることができる。次に、クランプ26、及びウェッジ28、スライダー30及びファスナー32から構成されたサブ組立体は、クランプ26のアーム52がツメ組立体14aの端部24から離れるように後方に向かうように、アパチャ42及び44を通って挿入され得る。アーム52の内部表面は、アパチャ42から器具12の対向表面に係合することができる。サブ組立体は、クランプ26の前方に位置されることができ、表面64は、アパチャ42及び44の内部の表面62に隣接するように位置されることができる。この時点で、スライダー30は、ポケット84内に位置されることができる。
【0033】
上述したクランプ及びサブ組立体がもとの場所にあることになると、サービス技術者は、アパチャ42及び44を通ってできる限り遠くサブ組立体を加圧した後に、作業器具12とツメ組立体14aとの間の連結を締めるためにファスナー32を回転させ始めることができる。具体的に、サービス技術者がファスナー32をスライダー30内に押し入れることによって(例えば、ファスナー32のヘッドの時計回りの回転によって)、スライダー30がカラー68に向かって上向きに引っ張られることができる。このような上向き移動中のある時点で、スライダー30の上部エッジがランプ92に係合して、スライダー30をポケット84の外に、そして、チャネル60内に加圧することができる。スライダー30がポケット84からチャネル60内に移動することによって、歯状表面78は、ウェッジ28から出てクランプ26の方へ移動することができる。その後すぐに、スライダー30の歯状表面78がクランプ26の歯部74と相互ロックされ、ウェッジ28がアパチャ42及び44内にさらに進行されるようにすることができる。ウェッジ28のテーパー形状のため、ウェッジ28の進行は、クランプ26をウェッジ28から離れるように加圧することができる。そして、クランプ26がツメ組立体14aの端部24から離れるように移動することによって、ツメ組立体14aの脚部38上により大きなクランプ力が加えられることができる。このような力は、機械10の作動中に脚部38の間に器具12をクランプし、GET14をもとの場所に固定させるように機能することができる。ウェッジ28、スライダー30及びファスナー32のサブ組立体は、現場で作業器具12とGET14との簡単で迅速な連結を容易にすることができる。
【0034】
保有システム20を分解するために、ファスナー32が反時計回りに回転され得る。ファスナー32が反時計回りに回転されることによって、スライダー30がチャネル60内で下向きに加圧され得る。結局、スライダー30は、スライダー30の下部エッジがランプ90に係合するように十分に遠く下向きに移動することができる。このときさらに反時計回りの回転は、スライダー30をチャネル60の外に及びポケット84内に加圧させることができる。スライダー30がチャネル60からポケット84内に移動することによって、歯状表面78は、クランプ26から係合解除されてウェッジ28内に後退(retreat)することができる。歯状表面78がクランプ26の歯部74から係合解除されることによって、ウェッジ28は自由に移動され得る。その後に、ウェッジ28は、アパチャ42、44の外に引っ張られるか、タップされ得る。
【0035】
開示された保有システムは、設置及び除去が簡単であり得る。特に、開示されたポケット84は、必要に応じて、クランプ26からスライダー30の係合及び係合解除を強制することができる。このような機能性は、ファスナー32の使用が要求される前に、より大きなウェッジ挿入を可能にして、より確実な係合を提供することができる。また、同一の機能性は、ウェッジ28を無制限に除去を可能にすることができる。
【0036】
開示された保有システムに対する様々な変更及び変形が行われることは、当業者に明らかであろう。開示された保有システムの実行及び仕様の考慮から他の実施形態は、当業者に明らかであろう。明細書及び実施例は、単に例示的なものとして見なされるべきであり、真の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって示すことが意図される。