(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】空気成形通路に沿って流動制御特徴体を持つスプレイキャップを有するスプレイツールの1つの実施形態の側面断面図である。
【
図2】線2−2内を見た
図1のスプレイツールの実施形態の部分側面断面図であり、流動制御通路と、流動制御通路より下流の膨張室と、膨張室より下流の1つ又は複数の空気成形出口とを有する空気成形通路の細部を示す。
【
図3】線3−3に沿って見た
図2のスプレイキャップの実施形態の前面断面図であり、流動制御通路へ通じる空気成形通路の上流部分を示す。
【
図4】線4−4に沿って見た
図2のスプレイキャップの実施形態の前面断面図であり、流動制御通路における空気成形通路の部分を示す。
【
図5】線5−5に沿って見た
図2のスプレイキャップの実施形態の前面断面図であり、流動制御通路より下流の膨張室における空気成形通路の下流部分を示す。
【
図6】
図1のスプレイキャップの実施形態の側面断面図であり、スプレイキャップの本体の凹部の中に配置された流動制御インサートを示し、流動制御通路は、部分的に流動制御インサートに沿って配置され、膨張室は、流動制御インサートと凹部との間に配置される。
【
図7】線7−7に沿って見た
図6のスプレイキャップの実施形態の上面図であり、流動制御通路の環状形及び流量制御インサートとスプレイキャップの本体の凹部との間の整列を容易にする複数の整列特徴体を示す。
【
図8】
図1のスプレイキャップの実施形態の側面断面図であり、スプレイキャップの本体の凹部の中に配置された流動制御インサートを示し、流動制御インサートは、1つ又は複数の接続部分によって一緒に結合された内側及び外側インサート部分を含み、流動制御通路は、内側インサート部分と外側インサート部分との間に配置される。
【
図9】線9−9に沿って見た
図8のスプレイキャップの実施形態の上面図であり、内側インサート部分と外側インサート部分との間の流動制御通路の実質的に環状の形状(例えば、区分された環状形)及び内側インサート部分と外側インサート部分とを結合する1つ又は複数の接続部分を示す。
【
図10】
図1のスプレイキャップの実施形態の側面断面図であり、流動制御通路と膨張室と1つ又は複数の空気成形出口とを持つ空気成形通路を有する一体式構造のエアキャップ(例えば、一体式構造体(one-piece structure))を示す。
【
図11】線11−11に沿って見た
図10のスプレイキャップの実施形態の上面図である。
【
図12】
図2の流動制御通路の実施形態の部分側面断面図であり、流動制御通路は、スプレイキャップの中心軸線に沿って軸方向に不変である半径幅を持つ不変幅通路を有する。
【
図13】
図2の流動制御通路の実施形態の部分側面断面図であり、流動制御通路は、スプレイキャップの中心軸線に沿って軸方向に増大又は減少する半径幅を持つ集束的幅を有する。
【
図14】
図2の流動制御通路の実施形態の部分側面断面図であり、流動制御通路は、流動制御通路の半径幅がスプレイキャップの中心軸線に沿って軸方向に減少した後増大するように、集束通路とのど部分と拡散通路部分とを有する。
【
図15】線4−4に沿って見た
図2のスプレイキャップの実施形態の前面断面図であり、流動制御通路における空気成形通路の部分の別の実施形態を示し、流動制御通路は、半径幅がスプレイキャップの空気成形ホーンへ向かって増大するように、スプレイキャップの中心軸線の周りで円周方向に変動する半径幅を持つ。
【
図16】線4−4に沿って見た
図2のスプレイキャップの実施形態の前面断面図であり、流動制御通路における空気成形通路の部分の別の実施形態を示し、流動制御通路は、半径幅がスプレイキャップの空気成形ホーンへ向かって減少するように、スプレイキャップの中心軸線の周りで円周方向に変動する半径幅を持つ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の1つ又は複数の具体的実施形態について、以下で説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、実際の実現形態の全ての特徴が、必ずしも明細書において説明しない可能性がある。これらの実際の実現形態の開発においては、他のエンジニアリング又は設計プロダクトと同様に、システム関係及びビジネス関係の制約の順守など開発者の固有の目標を達成するために、実現のために多数の固有の決定を下さなければならず、制約は、実現形態によって異なる可能性がある。更に、このような開発の努力は、複雑でかつ時間が掛かる可能性があるが、本開示の利益を受ける当業者にとって設計、製作及び製造の日常の仕事であることが分かるはずである。
【0012】
本発明の様々な実施形態の要素を紹介する際、定冠詞及び不定冠詞(“a”、“an”、“the”、“said”)は、要素の1つ又はそれ以上があることを意味するためのものである。「備える(comprise)」、「含む(including)」および「有する(持つ、having)」は、包括的であることを意図し、列記される要素以外の付加的要素があり得ることを意味する。
【0013】
本開示は、概略的に、スプレイツールに、特にスプレイ噴霧化のためのスプレイキャップ又はエアキャップに関する。スプレイキャップは、本体と、スプレイツールのホーンへ空気を供給するための空気成形通路とを有し、空気成形通路は、流動制御通路又は環状ギャップと、流動制御通路より下流の膨張室と、膨張室より下流の1つ又は複数の空気成形出口と、を含むことができる。いくつかの実施形態において、流動制御通路、膨張室及び空気成形出口は、スプレイキャップの部品として一体的に成形できる(例えば、一体式構造)。いくつかの実施形態において、流動制御通路は、少なくとも部分的に又は全体的に、流動制御インサートを貫通して形成できる。流動制御インサートは、スプレイキャップの本体の凹部内に嵌る。流動制御通路及び膨張室は、スプレイキャップの周りで空気成形流をより均一に調整し分布するのを助け、それによって、塗料のスプレイ形状及びスプレイによる塗装の品質を改良する。例えば、流動制御通路は、実質的に環状の通路(例えば、連続的環状通路又は区分化環状通路)とすることができ、これは、膨張室における膨張前に空気成形通路を制限する。このようにして、流動制御通路及び膨張室は、様々な上流の特徴体(例えば、スプレイキャップの上流の1つ又は複数の別個の空気供給通路)によって生じた空気成形流の圧力、速度及び流量の変動を取り除くのを助ける。流動制御通路は、実質的に環状の形状及び流動の制約を持つため、空気成形出口までの空気成形流をより均一に分布するのを助ける。その結果、空気成形通路を通過するより均一の空気成形流は、スプレイ形状及びスプレイによって施される塗装の品質を改良するのを助ける。更に、流動制御通路及び膨張室は、スプレイツールを通過する空気成形流によって生じるノイズを減少するのを助ける。
【0014】
図1は、スプレイツール12の中に流動制御区11を有するスプレイツール組立体10(例えば、スプレイ塗装ガン)の実施形態を示す側面断面図であり、流動制御区11は、上流室16(例えば、空気成形供給室)と、1つ又は複数の空気成形出口20へ通じる下流室18(例えば、膨張室)との間に、流動制御通路14を有する。以下で更に詳しく論じるように、流動制御区11は、塗料のスプレイ形状及びスプレイによる塗装の品質を改良するために空気成形流をより均一に調整し分布するように構成される。
【0015】
スプレイツール組立体10は、空気供給源13と、スプレイツール12に結合された重力送り容器組立体15とを含む。図示するように、スプレイツール12は、本体19に結合されたスプレイ先端組立体17を含む。スプレイ先端組立体17は、本体19の受入れ体24の中へ取外し可能に挿入できる流体ノズル又は液体送達先端組立体22を含む。例えば、複数の異なるタイプのスプレイツール装置を、流体ノズル22を受け入れて使用するように構成できる。スプレイ先端組立体17は、流体ノズル22に結合されたスプレイ形成組立体26も含む。スプレイ形成組立体26は、空気、回転及び静電気噴霧化機構などの様々なスプレイ形成機構を含むことができる。但し、図示するスプレイ形成組立体26は、流体/液体通路及び空気通路に流体結合されるヘッド部分28を備える。ヘッド部分28は、保持組立体30(例えば、ネジ山、ボルトとナット、保持リングなど)を介して本体19に取外し可能に固定される。ヘッド部分28は、スプレイキャップ29の中心部分に沿って流体ノズル22から流体先端出口34(例えば、液体出口)の周りに配置された1つ又は複数の中央空気孔又は噴霧化出口などの様々な空気噴霧化孔を含むスプレイキャップ29を含む。スプレイキャップ29は、1つ又は複数の空気成形出口又は孔20も持つことができる。空気成形孔は、スプレイを所望のスプレイパターン(例えば、フラットスプレイ)に形成させるために空気噴流を使用する。スプレイ形成組立体26は、又、所望のスプレイパターン及び飛沫分離を与えるための他の様々な噴霧化機構を含むことができる。
【0016】
スプレイツール12の本体19は、スプレイ先端組立体17のための様々な制御及び供給機構を含む。図示するように、本体19は、液体入口カップリング42から流体ノズル22まで延びる液体通路40を有する液体送達組立体38を含む。本体19は、流体ノズル22と液体弁アジャスタ48との間で本体19を通過して移動可能に延びるニードル弁46を有する液体弁組立体44も含む。液体弁アジャスタ48は、ニードル弁46の後部区分52と液体弁アジャスタ48の内側部分54との間に配置されたバネ50に対して回転式に調節可能である。ニードル弁46は、トリガー56がピボットジョイント58の周りで左回りに回されるときニードル弁46が流体ノズル22から離れて内向きに移動するように、トリガー56に結合される。但し、本発明の技法の範囲内で、任意の適切な内向き又は外向きに開放可能な弁組立体を使用できる。液体弁組立体44は、ニードル弁46と本体19との間に配置されたパッキング組立体60などの様々なパッキング及びシール組立体を含むことができる。
【0017】
空気供給組立体62も、スプレイ形成組立体26における空気駆動の噴霧化及び成形を容易にするために本体19に配置される。図示する空気供給組立体62は、空気通路66及び68を介して空気入口カップリング64からスプレイキャップ29まで延びる。空気供給組立体62は、スプレイツール12を通過する空気の圧力及び流量を維持し調整するために、様々なシール組立体、空気弁組立体及び空気弁アジャスタを含む。例えば、図示する空気供給組立体62は、ピボットジョイント58の周りでのトリガー56の回転が空気弁組立体70を開放して、空気通路66から空気通路68への空気の流れを許容するように、トリガー56に結合された空気弁組立体70を含む。空気供給組立体62は、スプレイキャップ29への空気流を調整するために空気弁アジャスタ72も含む。図示するように、トリガー56は、トリガー56が本体19のハンドルへ向かって引かれるとき液体と空気が同時にスプレイ先端組立体17へ流れるように、液体弁組立体44と空気弁組立体70の両方に結合される。係合すると、スプレイツール12は、所望のスプレイパターン及び飛沫分布を持つ噴霧化スプレイを生成する。
【0018】
重力送り容器組立体15及び空気供給源13は、それぞれ塗料(例えば、液体又は粉末塗料)及び空気をスプレイツール12に提供する。空気供給源13は、スプレイツール12が、重力送り容器組立体15から出る塗料を噴霧し、成形できるようにする。空気供給源13は、空気入口カップリング64においてスプレイツール12に結合し、空気導管76を介して空気を供給する。空気供給源13の実施形態は、エアコンプレッサ、圧縮空気タンク、圧縮不活性ガスタンク(例えば窒素タンク)又はこれらの組合せを含むことができる。図示する実施形態において、重力送り容器組立体15は、塗料(例えば、溶媒、ペイント、シーラー、ステインなど)をスプレイツール12へ供給するために、スプレイツール12に直接据え付けられる。図示する重力送り容器組立体15は、スプレイ塗装供給容器78と、蓋80と、フィルタ組立体82と、アダプタ86とを含む。
【0019】
図2は、
図1のスプレイツールの実施形態の部分側面断面図であり、スプレイキャップ29のスプレイ形成組立体26の細部を示す。図示するように、スプレイ形成組立体26は、据付けインサート101と、流体ノズル22と、スプレイキャップ29と、保持組立体30とを持つヘッド部分
28を含む。流体ノズル22は、本体19の凹部(例えば、環状凹部)の中まで延び、据付けインサート101の中央孔103を通過し、スプレイキャップ29の中央孔104を通過し、部分的にスプレイキャップ29の流体出口34の中まで延びる。流体ノズル22は、手による挿入、プレス嵌め、ネジ式結合又はそれ以外の方法で、本体19の凹部102の中へ固定的に又は取外し可能に結合できる。同様に、据付けインサート101は、流体ノズル22の周りで円周方向124に延び、本体19の凹部105(例えば、環状凹部)に取外し可能に又は固定的に結合できる。例えば、据付けインサート101は、本体19の凹部105にプレス嵌めするか又はネジ式に結合できる。流体ノズル22は、又、外側フランジ部分106(例えば、テーパー状環状フランジ部分)を含み、フランジ部分は、据付けインサート101とスプレイキャップ29との間に嵌る。例えば、外側フランジ部分106は、スプレイキャップ29の本体108のテーパー状部分107(例えば、テーパー状環状面)に当接する。図示する実施形態において、テーパー状部分107は、本体108の内側壁109(例えば、内側環状壁)上に配置される。このようにして、据付けインサート101、流体ノズル22、スプレイキャップ29及び保持組立体30を完全に組み立てたとき、外側フランジ部分106とテーパー状部分107は、スプレイキャップ29と流体ノズル22との間にテーパー状境界面(例えば、圧縮嵌め境界面)を生成する。例えば、保持組立体30は、保持ナット125を含むことができ、ナットは、スプレイキャップ29の本体108の外側壁111(例えば、半径方向に突出する外側環状フランジ)と結合し、据付けインサート101と結合する(例えば、ネジ切り境界面113)。保持ナット125がネジ切り境界面113を介して据付けインサート101にネジ止めされるとき、保持ナット125は、スプレイキャップ29を本体19へ向かって内向きに引っ張って、スプレイキャプ29と据付けインサート101との間で流体ノズル22を軸方向120に圧縮する。
【0020】
図示する実施形態において、塗料通路112(例えば、流体又は液体通路)、空気噴霧化通路114及び1つ又はそれ以上の空気成形通路116は、スプレイツール12の本体19、据付けインサート101及びスプレイキャップ29の本体108を貫通して延びる。噴霧作業時に、ニードル弁46(
図1)が流体出口34から離れて後退するように作動されると、塗料(例えば、ペイントなど液体又は粉末塗料)は、流体出口34においてスプレイツール12から出て行く。同時に、空気噴霧化通路114を通過する空気は、液体塗料を噴霧化するために空気噴霧化出口32から射出される。実質的に同時に、空気成形通路116を通過する空気が空気成形出口20から射出されて、スプレイ(例えば、噴霧化液体塗料)を所望のスプレイパターン(例えば、フラットスプレイ)に成形する又は所望のパターンを形成させる。
【0021】
スプレイキャップ29については、中央長手軸線119、軸方向又は軸線120、半径方向又は軸線122及び円周方向又は軸線124を参考にして説明できる。図示するように、スプレイキャップ29は、噴霧化空気及び液体塗料を軸方向120に出力するように構成され、空気噴霧化通路114及び空気成形通路116は、中心軸線119の周りに円周状に延びる実質的に環状の通路である。特に、空気噴霧化通路114と空気成形通路116は、相互に半径方向に流体通路112の周りに同心的に配置される。スプレイキャップ29は、空気成形通路116が出口32及び34を越えて下流方向へ、空気成形出口20を有する1つまたは複数の下流位置において突出部110の下流部分118(例えば、先端部分)まで延びるように、出口32及び34を有する中央領域31から離れて軸方向120に下流へ延びる複数のホーン又は軸方向突出部110(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の突出部)を含む。したがって、スプレイツール12は、後に空気成形出口20が突出部110の下流部分118からの空気成形流(例えば、噴流)をスプレイ及び軸線119へ向けて内向きに導いてスプレイを所望のスプレイパターンに成形するように、中央領域31において出口32及び34から噴霧化空気及び塗料(例えば、液体塗料)を出力して、空気成形出口20の上流で塗料のスプレイを形成する。
【0022】
図示する実施形態において、空気成形通路116は、上流室16(例えば、空気成形供給室)と下流室18(例えば、膨張室)との間に配置された流動制御通路14を含む。下流室は、各突出部110の下流部分において1つ又は複数の空気成形出口20(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の出口)へ通じる。流動制御通路14は、スプレイキャップ29の上流部分126など、突出部110の上流領域又はベース部に配置できる。いくつかの実施形態において、流動制御通路14は、少なくとも部分的に流動制御構造体115(例えば、環状構造部分)の中に又はこれに沿って配置でき、制御構造体は、スプレイキャップ29と一体的とするか又はこれと別個とすることができる。例えば、流動制御構造体115と流動制御通路14は、スプレイキャップ29の一体的部品とすることができる(例えば、スプレイキャップと一緒に一体式とするか又はこれに固定的に結合できる)。別の例として、流動制御構造体115は、スプレイキャップ29と結合するように構成された流動制御インサートとすることができ、この場合、流動制御通路14は、少なくとも部分的に流動制御インサート内に又はこれに沿って(例えば、完全にインサート内に又はインサートとスプレイキャップ29との間に)配置できる。
【0023】
上流室16、流動制御通路14及び膨張室18は、実質的に環状の室又は通路とすることができ、中心軸線199の周りに円周状124に延びる。流動制御通路14は、上流室16及び膨張室18の両方と比較して小さいサイズ(例えば、断面積及び半径122幅が減少または制限)とすることができる。例えば、流動制御通路13の断面積又は半径122幅は、上流室16及び/又は下流室18の対応する断面積又は半径122幅の5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55又は60パーセント未満とすることができる。別の例として、膨張室18の断面積又は半径122幅は、上流室16の対応する断面積又は半径122幅と等しく、これより小さく又はこれより大きくできる。いくつかの実施形態において、膨張室18の断面積又は半径122幅は、上流室16の対応する断面積又は半径122幅より少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、65、70、75、80、90又は100パーセント大きい。更に、流動制御通路14、上流室16及び膨張室18の半径幅122は、中心軸線124の周りで半径方向124に均一とするか、又は変動することができ、それによって、空気成形出口20までの空気成形流の所望の調整及び流動分布を与えることができる。
【0024】
作動時に、流動制御区11は、上流室16、流動制御通路14及び膨張室18を順次通過するように空気成形流を導く。このようにして、流動制御区11は、空気成形流が、上流室16においてより良い分布に拡散し、流動制御通路14の減少した半径122幅を通り抜け、それに応じて速度を増し静止圧力を減少して空気成形流の調整及び分布を改良し、その後膨張室において膨張し、それに応じて空気成形出口20へ送達される前に速度を低下させ圧力を回復するようにする。その結果、各出口において及び異なる出口20間において、空気成形流は、流動制御区11を持たない構成に比べてより均一である(例えば、圧力、速度、流量など)。いくつかの実施形態において、流動制御区11は、空気成形流の乱流を減少し、かつ/又はより層状の流れを空気成形出口20へ与えることができる。例えば、空気の乱流は、流動制御区11の上流の空気流に存在する可能性がある(例えば、空気供給源13の変動、曲がり、中断、通路の交差、形状の変化などの流動通路の変化によって)。しかし、流動制御区11(例えば、流動制御通路14及び上流室16及び下流室18)は、空気流の分布を改良する(例えば、より均一の速度、圧力、流量など)のを助け、上流で生じた乱流を減少しかつ/又はより層状の流れを与えるのを助ける。更に、膨張室18は、流動制御区の上流の空気流によって生じる及び/又は流動制御区11を持たないスプレイツール12であれば存在したであろうノイズを減少するのを助けることができる。
【0025】
図3、4及び5は、
図2のヘッド部分28の前面断面図であり、スプレイキャップ29において上流室16、流動制御通路14及び膨張室18の断面積及び半径122幅が変化する、空気成形通路116の細部を更に示す。
図3は、
図2の線3−3に沿って見た前面断面図であり、流動制御通路14へ通じる空気成形通路116の上流部分(例えば、上流室16)を示す。空気成形通路116、具体的には上流室16は、上流室16(例えば、環状室)に沿って異なる離散場所に配置された1つ又は複数の離散空気孔150を介して供給された空気を(例えば、空気通路68から)受け入れるように構成できる。空気孔150は離散した場所にあると、空気は、不均一的に上流室16(例えば、環状室)へ供給される。この場合にも、更に下流において、流動制御区11、特に流動制御通路14及び膨張室18は、空気成形出口20への空気の流れの分布を調整し制御するのを助けるように構成される。
【0026】
図3に示すように、流体通路112(例えば、環状流体通路)は、ニードル弁46の周りに円周状124に配置される(例えば、同軸配列)。流体ノズル22(例えば、環状壁128)は、ニードル弁46の周りの流体通路112を通過する流体の流れを流体出口34まで案内するのを助けるために、流体通路112の周りに円周状に配置される。流体ノズル22は、又、空気噴霧化通路114具体的には流体ノズル22の環状壁128に円周配列130に配置された複数の空気噴霧化通路114の一部分も含む。空気噴霧化通路114は、スプレイキャップ29の中央孔104へ、その後空気噴霧化出口32へ空気流を供給するように構成される。空気成形通路116の上流室16(例えば、環状室又は流動通路)は、流体ノズル22及びスプレイキャップ29の上流部分126の周りに円周状124に配置される。このようにして、流体ノズル22及びスプレイキャップ29の上流部分は、概略的に、上流室16の内側壁(例えば、内側環状壁)を形成する。保持組立体30(例えば、保持ナット125)は、上流室16の周りに円周状124に配置されて、上流室16の外側環状壁を形成する。この場合にも、上流室16(例えば、環状室)は、空気流の流動分布及び調整又は制御(例えば、圧力、速度、流量など)を改良するために、空気流を流動制御通路14の中へ導くのを助ける。
【0027】
図4は、
図2の線4−4に沿って見た前面断面図であり、流動制御通路14における空気成形通路116の部分を示す。図示するように、流動制御通路14は、環状断面を有し(例えば、環状流動制御通路)、上流室16(
図3)の半径幅130より小さい半径幅132を持つ。例えば、流動制御通路14の半径幅132(又は断面積)は、上流室16の半径幅134(又は断面積)の5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55又は60パーセント未満とすることができる。その結果、流動制御通路14は、空気流を制限して、速度を増し、静止圧力を減少するので、空気流の調節及び下流膨張室18への空気流のより良い分布を助ける。いくつかの実施形態において、流動制御通路14及び流動制御構造体115は、スプレイキャップ29の一体的部品(例えば、スプレイキャップと一体式であるか又はこれに固定的に結合される)とするか、又は流動制御通路14は、少なくとも部分的に流動制御インサート内に又はこれに沿って(例えば、完全にインサート内に又はインサートとスプレイキャップ29との間に)配置できる。
【0028】
図5は、
図2の線5−5に沿って見た前面断面図であり、流動制御通路14より下流の膨張室18における空気成形通路116の下流部分を示す。図示するように、空気成形通路116は、流動制御通路から膨張室18へ拡張する。膨張室は、スプレイキャップ29の本体108の異なる2つの部分(例えば、内側壁109と外側壁111)の間に形成される。膨張室18は、流動制御通路14(
図4)の半径幅132より大きい半径幅136を有する環状断面を有する(例えば、環状室又は通路)。例えば、膨張室18の半径幅136(又は断面積)は、流動制御通路14の半径幅132(又は断面積)より少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90又は100パーセント大きくできる。その結果、膨張室18は、空気流を膨張して、速度低下及び圧力回復を生じ、それによって、更に、空気流の調節及び下流突出部110及び空気成形出口20への空気流のより良い分布を助ける。空気流が膨張室18から出て突出部110へ進入するとき、スプレイキャップ29は、空気成形通路116の複数のエアホーン通路又は孔162を通過する空気流を導く。各エアホーン又は突出部110は、空気成形通路116の少なくとも1つの通路162を含み、この通路は、空気成形出口20へ通じる。
【0029】
上述のように、流動制御通路14は、スプレイキャップ29の本体108と一体的に又は別個に形成できる。
図6〜10において、
図2に示す空気成形通路116の実施形態について、詳細に論じる。
図6は、
図1のスプレイキャップ29の実施形態の側面断面図である。図示するように、スプレイキャップ29は、外側壁172(例えば、外側環状壁111)と、内側壁174(例えば、内側環状壁109)と、中央端面壁176と、を有する本体108を含む。本体108の流体ノズル用キャビティ170は、スプレイに噴霧化するために中央端面壁176の流体出口34を介して流体を出力する流体ノズル22を受け入れるように構成される。流体ノズル用キャビティ170内で流体通路112の周りに円周状に空気噴霧化通路114が配置され、空気噴霧化通路は、スプレイキャップ29を通過し、ここから中央端面壁176の空気噴霧化出口32を通過して空気流を送出して、流体出口34を出て行く流体の噴霧化を助ける。内側壁174と外側壁172との間で、空気成形通路116は、空気噴霧化通路114の周りに円周状に配置される。上述のように、空気成形通路116の少なくとも一部分は、スプレイキャップ29の中心軸線119の周りに円周状124に延びる実質的に環状の通路であり(例えば、上流室16、流動制御通路14及び膨張室18)、一方、空気成形通路116の下流部分は、突出部110を貫通して軸方向120に延びる(例えば、
図5に示す通路162)。空気成形通路116内の空気は、突出部110を通過して流れて、噴霧化された流体スプレイを所望のスプレイパターン(例えば、フラットスプレイ)に成形するために1つ又は複数の空気成形出口20において空気成形通路116(例えば、軸方向通路162)を出て行く。スプレイキャップ29の本体108は、又、据付けフランジ178(例えば、壁111、172に沿って)を含み、フランジは、スプレイキャップ20が、ネジ山、ボルトとナット、保持リングなどによって保持ナット126(
図2)を介して取外し可能に固定されるように、スプレイツール12のヘッド部28にスプレイキャップ29を結合するように構成される。
【0030】
図示する実施形態において、流動制御通路14は、流動制御インサート180(例えば、流動制御構造体の取外し可能な実施形態)とスプレイキャプ29の本体108との間に配置又は生成される。流動制御インサート180は、第1保持部分182と流動制御部分184とを含む。第1保持部分182は、スプレイキャップ29の本体108の第2保持部分186と結合するように構成されるのに対して、流動制御部分184は、流動制御通路14を形成するように内側壁174へ向かって延びる(例えば、流動制御通路14は、流動制御部分184と内側壁174との間に配置される)。第1保持部分182は、流動制御インサート180の外側面190(例えば、外側環状面)に配置された環状突出部188(例えば、半径方向外向き突出部)を含むことができる。本体108の第2保持部分186は、内側壁174に沿って内側凹部面192(例えば、内側環状凹部)を、外側壁172に沿って外側凹部面194(例えば、外側環状凹部)を、含み、それによって、流動制御インサート180を受け入れるように構成された環状凹部又は据付け領域195を形成できる。更に、環状凹部196が、外側凹部面194に配置されて、流動制御インサート180の環状突出部188を受け入れるように構成される。その代わりに又はそれに加えて、環状凹部196を流動制御インサート180に配置し、環状突出部188をスプレイキャップ20の本体に配置できる。その代わりに又はそれに加えて、環状凹部196及び環状突出部188は、流動制御インサート180とスプレイキャップ29の内側壁174との間の境界面に配置できる。いくつかの実施形態において、流動制御インサート180の第1保持部分182及びスプレイキャップ29の本体108の第2保持部分186は、第1及び第2保持部分182及び186を一緒に結合するために、スナップ嵌めカップリング、プレス嵌め又は締まり嵌め接続部又はネジ式接続部(例えば、噛み合うネジ山)を含むことができる。
【0031】
膨張室18は、流動制御通路14及び流動制御インサート180の下流に配置される。特に、膨張室18は、流動制御インサート180と本体108の環状凹部195(例えば、内側及び外側凹部面192及び194)との間に配置される。このようにして、空気成形通路116は、軸方向120に沿って変動する半径幅(又は断面積)を有する。特に、空気成形通路116は、流動制御通路14において半径幅132、198(又は断面積)、膨張室18において半径幅136、200(又は、断面積)及び突出部110を通る半径幅202(又は断面積)を有する。概して、半径幅132、198(又は断面積)は、半径幅136、200(又は断面積)より小さい。但し、半径幅202は、半径幅136、200以下にすることができ、断面積202は、実質的に断面積200より小さくできる(例えば、
図5に示すように軸方向通路162への空気成形通路116の制限により)。更に、流動制御通路14の半径幅132、198(又は、断面積)は、流動制御通路14の上流側に隣接する上流半径幅(例えば、
図3に示す上流室16の半径幅又は断面積134)及び膨張室18の下流半径幅(例えば、半径幅136、200)の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55又は60パーセント以下にできる。
【0032】
図7は、線7−7に沿って見た
図6のスプレイキャップ29の実施形態の上面図である。図示するように、流動制御インサート180は、更に、流動制御インサート180とスプレイキャップ29との正確な整列を保証するために、本体108の第2整列特徴体222(例えば、外側壁172)と境界面を成すように構成された第1整列特徴体220を含むことができる。具体的には、第1整列特徴体220は、複数の整列突出部224(例えば、半径方向のタブ、キーまたは突起部)を含み、第2整列特徴体222は、複数のスロット226(例えば、半径方向の凹部、キー溝又は溝)を含み、複数の整列突出部224は、複数のスロット226に受け入れられる構成され/サイズを持つことができる。いくつかの実施形態において、複数の突出部224の総数は、複数のスロット226の総数以下である。流動制御インサート180は、流動制御インサート180が環境/大気から空気成形通路116を密閉するための実質的なシール(例えば、水密及び気密)を与えられるように、任意の適切な材料(例えば、プラスチック、金属など)で作ることができる。例えば、流動制御インサート180は、鋳造金属(例えば、アルミニウム)、射出成形プラスチック(例えば、ナイロン、PEEK、重合体など)、エラストマー材料(例えば、ゴム又はその他のエラストマー)、複合材料(例えば母材の中に分布された硬質粒子)又はその組合せとすることができる。
【0033】
図8は、
図1のスプレイキャップ29の実施形態の側面断面図であり、流動制御通路14が流動制御インサート180を貫通して内部に配置される、
図2の空気成形通路116の実施形態を示す。図示する実施形態において、流動制御インサート180は、軸方向端面壁246の間の構造支持体又は接続部分244(
図9)によって一緒に結合された、内側インサート部分240(例えば、内側環状インサート部分)と外側インサート部分242(例えば、外側環状インサート部分)とを含み、流動制御通路14は、内側インサート部分240と外側インサート部分242との間に配置される。内側インサート部分240と外側インサート部分242は、構造支持体244(例えば、円周方向に離間する半径方向のアーム、ストラット、リンクまたはタブ)によって接続されるので、流動制御通路14は、構造支持体224によって生じる僅かな障害を持つので区分化された環状の流動制御通路14、又は実質的に環状の流動制御通路14として説明できる。このような流動制御通路14の区分化又は実質的に環状の構成について、
図9に更に示し、
図9を参照して説明する。
【0034】
外側インサート部分242は、
図6に関して上で論じるのと同様に機能するように構成される第1保持部分182と流動制御部分184とを含む。例えば、第1保持部分182は、スプレイキャップ29の本体108の第2保持部分186と結合するように構成され、流動制御部分184は、流動制御通路14を形成するように内側インサート部分240へ向かって延びる(例えば、流動制御通路14は、流動制御部分184と内側インサート部分240との間に配置される)。上述のように、第1保持部分184は、流動制御インサート180の外側面190に配置された環状突出部188を含む。本体108の第2保持部分186は、内側壁174に沿って内側凹部面192を含み、外側壁172に沿って外側凹部面194を含む。環状凹部196は外側凹部面194に配置され、流動制御インサート180の環状突出部188を受け入れるように構成される。
【0035】
内側インサート部分240は、内側壁174に沿って内側凹部面192に接触するように構成された内側インサート壁又は面248を有する。これらの面192と248は、締まり嵌め又はプレス嵌め接続、ネジ切り境界面(例えば、噛み合いネジ山)又はこれらの組合せで一緒に結合するように構成できる。いくつかの実施形態において、内側凹部面192は、軸方向端面壁246の間で内側インサート壁248に沿って内側インサート部分240を受け入れるサイズに作られた環状凹部又はスロットを含むことができる。いくつかの実施形態において、流動制御インサート180の第1保持部分182とスプレイキャップ29の本体108の第2保持部分186は、第1及び第2保持部分182及び186をスナップ嵌め、プレス嵌め又は締まり嵌め又は一緒にネジ式に接続するための任意の保持特徴体を含むことができる。流動制御インサート180の内側及び外側インサート部分240及び242の各々が、それぞれ内側及び外側凹部面192及び194に沿って第2保持部分186とスナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌めするため又は一緒にネジ式に接続するための任意の適切な保持特徴体を含むことができることも分かるはずである。
【0036】
上述のように、膨張室18は、流動制御インサート180と本体108の環状凹部195(例えば、内側及び外側凹部面192及び194)との間に配置される。空気成形通路116は軸方向120に沿って変動する半径幅を有する。図示するように、流動制御通路14は、流動制御インサートを貫通して前後に配置された第1通路250と第2通路252とを含む。第1通路250は、外側インサート部分242の流動制御部分と内側インサート部分240との間に在り、半径幅(又は断面積)254を持つ。第2通路252は、外側インサート部分242の第1保持部分182ト内側インサート部分240との間に在り、半径幅(又は断面積)256を持つ。半径幅(又は断面積)254は、半径幅256より小さく、半径幅256は、膨張室18における半径幅(又は断面積)200より小さい。更に、流動制御通路14の第1通路250の半径幅(又は、断面積)254は、流動制御通路14の上流側に隣接する上流半径幅(例えば、
図3に示す上流室の半径幅又は断面積134)及び膨張室18の下流半径幅(例えば、半径幅136、200)の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55又は60パーセント未満とすることができる。
【0037】
図9は、線9−9に沿って見た
図8のスプレイキャップ29の実施形態の上面図である。図示するように、流動制御インサート180は、
図7に関連して上で詳細に論じたように、流動制御インサート180とスプレイキャップ29との正確な整列を保証するために、整列特徴体220、222、224及び226を含む。更に、
図9は、構造支持体244によって一緒に結合された内側インサート部分240と外側インサート部分242の構成を示す。流動制御通路14のわずかな部分が構造支持体244(例えば、非連続的で離散的)によってブロックされるので、流動制御通路14は、実質的に環状の又は区分化された環状の流動制御通路14として説明できる。例えば、流動制御通路14(例えば、第1及び/又は第2通路250及び252)は、スプレイキャップ29の中心軸線119の周りに円周状124に離間する複数の通路部分260(例えば、第1、第2、第3及び第4通路部分)を含み、それによって、区分化された又は実質的に環状の通路を形成する。いくつかの実施形態において、スプレイキャップ29は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上の構造支持体244を含むことができ、したがって、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又はそれ以上の通路部分260を含むことができる。構造支持体244の総断面積は、複数の通路部分260の総断面積と比べて比較的小さい(例えば、5、10、15又は20パーセント未満)。例えば、流動制御通路14は、実質的に環状の流動制御通路を形成するように少なくとも80、85、90又は95
パーセント連続的とすることができる。又は、流動制御通路14は、複数の通路部分260で構成されるとしても、流動制御インサート180は、他の流動通路及び外部環境から空気成形通路116を密閉するために実質的なシールを与えることができる(例えば、水密かつ気密)。いくつかの実施形態において、流動制御インサート180は、中間構造支持体244を持つことなく内側及び外側インサート部分240及び242を含むことができ、この場合、インサート部分240及び242の各々は、プレス嵌め又は締まり嵌め、ネジ式境界面、スナップ嵌め又はラッチカップリング、保持リング又はその任意の組合せにより、スプレイキャップ29の本体108に結合される。このような実施形態において、流動制御通路14は、区分化環状通路ではなく、連続的環状通路とすることができる。
【0038】
図10は、
図1のスプレイキャップ29の実施形態の側面断面図であり、スプレイキャップ29は、流動制御通路14及び膨張室18を持つ空気成形通路116を有する一体式構造体(one-piece structure)280である。概略的に、本明細書において説明する一体式構造体280は、
図6〜9に関連して上で論じたスプレイキャップ29の構造的特徴/形状のいずれかと合致する本体108を持つことができる(例えば、流動制御インサート180は、一体式構造体280の一部として一体的に形成される)。例えば、一体式構造体280は、外側壁172と内側壁174とを含む本体108を持ち、壁は、概略的に空気成形通路116を形成する。特に、外側壁172は、空気成形通路116の通路部分282の周りに延びる。外側壁172は、又、保持ナット125と結合するように構成された据え付けフランジ178も含む。スプレイキャップ29は、流動制御通路14を形成する流動制御構造体115及び流動制御インサート180と同様の流動制御部分284を含む。通路部分282は、据付けフランジ178から突出部110に沿って軸120方向に延びるのに対して、流動制御部分284は、据付けフランジ178から半径方向に内側壁174へ向かって延びる。流動制御部分284は、流動制御通路14が内側壁174と内側環状面286との間に配置されかつスプレイキャップ29の中心軸線119に対して環状であるように、内側環状面286において終了する。
【0039】
更に、一体式構造体280は、流動制御通路14の下流に環状凹部又はキャビティ288を含み、これによって膨張室18(例えば、環状膨張室)を形成する。したがって、一体式構造体280の空気成形通路116は、流動制御通路14において半径幅198を、膨張室18において半径幅200を、ホーン100において半径幅202を有する。半径幅(又は断面積)132、134、136、198、200及び202は、上に詳細に説明するものと概ね同じである。線
11−11に沿って見た
図10のスプレイキャップ29の実施形態の上面図を
図11に示す。図示するように、スプレイキャップ29は、内側壁174と外側壁172の流動制御部分284との間に配置された流動制御通路14を持つ一体式構造体280を含む。
【0040】
一体式構造体280で構成されたスプレイ
キャップ29は、直接金属レーザー焼結(DMLS)工程などの付加製造法を用いて構成できる。この場合、スプレイキャップ29は、任意の適切なレーザー焼結金属材料(例えば、ステンレス鋼、ニッケルクロム合金、アルミニウム合金など)を含むことができる。上述の構造的特徴体は、層ごとに構成できる。一体式構造体280は、3Dプリントなど他の付加製造法を用いても構成できる。この場合、スプレイキャップ29は、付加製造法のための任意の適切なプラスチック又は金属材料を含むことができる。どの製造法が選択されるか関係なく、構成されたスプレイキャップ29は、空気成形通路116を他の流動通路及び外部環境から密閉するために実質的なシール(例えば、水密及び気密)を与えることができる。
【0041】
更に、
図1〜11に関連して上で論じる流動制御通路14は、スプレイキャップ29の中心軸線119に沿って軸方向120に不変の半径幅(又は断面積)132、198、254を持つことができるが、流動制御通路14のいくつかの実施形態は、
図12〜14に示すように、スプレイキャップ29の中心軸線119に沿って軸方向120に変動(例えば増大及び/又は減少)する半径幅(又は断面積)132、198、254を持つことができる。
図12〜14は、各々、
図1〜11の流動制御通路14の実施形態の側面断面図である。
図12に示すように、流動制御通路14は、軸方向120に沿って不変の半径幅(又は断面積)132、198、254、302を有する不変幅通路300である。
図13において、流動制御通路14は、軸方向120に沿って減少する半径幅(又は断面積)132、198、254、306を有する集束通路304である。
図14において、流動制御通路14は、前後に配置された一続きの集束通路部分308、のど部分310及び拡散通路部分を持つベンチャータイプの構成を含む。集束通路部分308は、軸方向に沿って減少する半径幅(又は断面積)314を有し、のど部分310は、軸方向に沿って不変の半径幅(又は断面積)316を有し、拡散通路部分312は、軸方向120に沿って増大する半径幅(又は断面積)318を有する。この場合にも、
図12〜14に示す実施形態の各々において、流動制御通路14は、上述のように、連続的環状通路、又は、実質的に環状の又は区分化された環状通路とすることができる。更に、隣り合う部分(例えば,308/310及び310/312)の間の移行部は、かなり円滑な例えば湾曲移行部とすることができる。
【0042】
更に、
図12〜14に関連して上で論じる流動制御通路14は、スプレイキャップ29の中心軸線119に沿って軸方向120に不変の又は変動(増大及び/又は減少)する半径幅(又は断面積)132、198、254を持つことができるが、流動制御通路14のいくつかの実施形態は、
図15〜16に示すようにスプレイキャップ29の中心軸線119の周りで円周方向124に不変の又は変動する半径幅132、198、254を持つこともできる。
図15は、線4−4に沿って見た
図2のスプレイキャップ29の実施形態の前面断面図であり、流動制御通路14の別の実施形態を示す。図示するように、流動制御通路14の半径幅(又は断面積)132、198、254は、半径幅(又は断面積)132、198、254がエアホーン通路162の周りで又はこれに隣接して最大となり、エアホーン通路162の間(例えば、エアホーン通路162とエアホーン通路のほぼ中間又はエアホーン通路に対して90度)において最小となるように、エアホーン通路へ向かって半径方向124に変動(例えば増大)する。逆に、別の実施形態において、
図16の流動制御通路14の半径幅(又は断面積)132、198、254は、半径幅(又は断面積)132、198、254がエアホーン通路162の周りで又はこれに隣接して最小となりエアホーン通路162の間で(例えば、エアホーン通路162とエアホーン通路のほぼ中間又はエアホーン通路に対して90度)において最大となるように、エアホーン通路162へ向かって円周方向124に変動(例えば、減少)する。
図15〜16に示す実施形態の各々において、流動制御通路14は、上述のように、連続的環状通路、又は実質的に環状の又は区分化された環状通路とすることができる。更に、半径幅又は断面積(例えば、132、198、254)は、実質的に円滑に徐々に変化又は変動できる(例えば、湾曲移行部)。
【0043】
本発明の特定の特徴のみを図に示し、本明細書において説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。したがって、特許請求の範囲は、本発明の主旨の範囲に属するこれら全ての修正及び変更を包括するものとする。