(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
炭化水素燃料の燃焼によって、比較的害を及ぼさない窒素(N
2)、水蒸気(H
2O)、及び二酸化炭素(CO
2)を大部分として含む排気ガスが生成する。しかし、排気ガスには、不完全燃焼由来の一酸化炭素(CO)、未燃焼燃料由来の炭化水素(HC)、過度の燃焼温度由来の酸化窒素(NO
x)、及び微粒子状物質(大部分はすす)などの有害及び/又は毒性物質もわずかに含まれる。大気中に放出された排気ガスの環境影響を軽減するには、望ましくない成分を、好ましくは他の有害又は毒性物質を結果として発生させない方法で取り除く又はその量を低減することが望ましい。
【0003】
NO
xは一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO
2)、及び亜酸化窒素(N
2O)を包含するものであるが、リーンバーンエンジン(例えば、ディーゼルエンジン及びガスタービン)が発生させた排気ガスから除去するのに厄介な成分である。NO
xからN
2への還元は、特にリーンバーン排気ガス中では問題が多い。というのは、排気ガスには還元でなく酸化反応を容易にするだけの酸素が含まれているからである。それでも、一般に選択接触還元(SCR)と呼ばれている方法でNO
xを還元することができる。
【0004】
SCR法は、触媒の存在下にアンモニアなどの含窒素還元剤を用いて、NO
xを元素状窒素(N
2)及び水に転換するものである。SCR法においては、アンモニアを排気ガス流に添加した後に、排気ガスをSCR触媒と接触させる。還元体は触媒上に吸収され、ガスが触媒される基材の中又は上を通過するときNO
x還元反応が起こる。アンモニアを用いた化学量論的SCR反応の化学経路としては、
2NO+4NH
3+2O
2→3N
2+6H
2O
2NO
2+4NH
3+O
2→3N
2+6H
2O
が挙げられる。
【0005】
燃焼によるN
2Oの生成量は限られている。しかし、SCRシステムにおいて起こる望ましくないプロセスとしては、システム中に豊富に存在する酸素との競争的な非選択的反応もいくつか挙げられる。これらの反応はまた、N
2Oの生成を含めて、副次的な排出物を生成することがある。バナジア、鉄−ゼオライト、及び銅−ゼオライトを含めて、市販のSCR触媒はすべて、N
2Oを生成する。特に、NO
2含有量が増加して、フィードガス中のNOレベルを超える排気ガス処理システムでは、
8NO
2+6NH
3→7N
2O+9H
2O
4NO
2+4NH
3+O
2→4N
2O+6H
2O
2NH
3+2O
2→N
2O+3H
2O
などの経路を介してN
2Oが形成可能になる。したがって、NOx転換を改善し、N
2O生成を低減する改善されたSCR触媒が依然として必要とされている。本発明は、とりわけこれらの必要を満たすものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好ましい実施態様において、本発明は、環境大気質を改善する、特にリーンバーン内燃機関、発電所、ガスタービンなどによって発生させた煙道又は他の排気ガス排出物を改善するための触媒物品を対象とする。排気ガス排出物は、少なくとも1つには、広い動作温度範囲にわたってリーンバーン排気ガス中のNO
x及び/又はNH
3濃度を下げることによって改善される。有用な触媒は、酸化的環境でNO
xを選択還元し、かつ/又はアンモニアスリップを低減する触媒(すなわち、SCR触媒及び/又はASC触媒)である。
【0014】
いくつかの実施態様において、触媒は、金属により促進されたゼオライトと、同じ骨格を有する促進されていないゼオライトとのブレンドである。本明細書では、ブレンドという用語は、ブレンドと同じ目的で何れも単独使用することができる2つ以上の材料の異質成分からなる均質な不均一混合物を意味する。好ましくは、促進されていないゼオライト対金属により促進されたゼオライトの比は、約0.1〜約0.5、約0.3〜約0.5、約0.5〜約0.75、及び約0.5〜約1などの約0.1〜約1である。
【0015】
本明細書では、ゼオライトに関連した「金属により促進された」という用語は、溶液交換遷移金属を有するゼオライトを意味する。当然の結果により、「促進されていない」ゼオライトは、溶液交換遷移金属を含まないゼオライト、例えばH
+、NH
4+、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属型をしたゼオライトである。促進されていないゼオライトとしては、H
+又はアルカリ金属型で合成されたゼオライトが挙げられ、さらに完全又は部分イオン交換を経て、NH
4+又はアルカリ土類金属型を生成した合成ゼオライトも挙げられる。
【0016】
触媒ブレンドの金属により促進されたゼオライト成分は、遷移金属により促進されていることが好ましい。遷移金属は、金属交換ゼオライトを形成するために触媒産業で使用される認知された触媒活性金属、特にリーンバーン燃焼プロセスに由来する排気ガス中のNO
xを選択還元するのに触媒活性を示すことが知られている金属であれば何れでもよい。本発明において有用な遷移金属としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、及び銅が挙げられる。特に好ましい遷移金属は銅である。いくつかの実施態様において、触媒ブレンドは銅以外の遷移金属を何れも含まない又は実質的に含まない。遷移金属の存在に関連した「実質的に含まない」という用語は、触媒が遷移金属を含有しない又は僅少量しか含有しないことを意味する。金属が存在する場合、その濃度は触媒の基本的機能性に影響を及ぼさないほど低い。例えば、遷移金属を実質的に含まない触媒ブレンドは金属を0.1重量パーセント未満、0.01重量パーセント未満、又は0.001重量パーセント未満しか含有しない。
【0017】
いくつかの実施態様において、プロモーター金属はゼオライト材料中に、ゼオライトの全重量に対して約0.1〜約10重量パーセント(重量%)、例えば約0.5重量%〜約5重量%、約0.5〜約1重量%、約1〜約5重量%、約2.5重量%〜約3.5重量%、及び約3重量%〜約3.5重量%の濃度で存在している。銅を利用する実施態様では、ゼオライト材料中のこれら遷移金属の濃度は好ましくは約1〜約5重量%、より好ましくは約2.5〜約3.5重量%である。
【0018】
一実施態様において、金属により促進されたゼオライト成分は、プロモーター遷移金属の可溶性前駆体を含む溶液にゼオライトをブレンドすることによって作り出された金属交換ゼオライトである。溶液のpHを調整して、触媒活性金属陽イオンのゼオライト構造(であるがゼオライト骨格を含まない)上又は内への沈澱を誘導してもよい。例えば、好ましい実施態様において、ゼオライト材料を、硝酸銅を含有する溶液に触媒活性銅陽イオンのイオン交換によるモレキュラーシーブ構造への取り込みが可能になるのに十分な時間浸漬する。未交換銅イオンは析出する。用途に応じて、未交換イオンの一部はモレキュラーシーブ材料中に遊離銅として残存することがある。次いで、金属交換ゼオライトを洗浄し、乾燥し、か焼してもよい。
【0019】
一般的に、触媒金属陽イオンのゼオライト細孔中又はゼオライト表面上へのイオン交換は、室温又は最高約80℃の温度において約1〜24時間にわたって約7のpHで実施することができる。得られた、金属により促進されたゼオライト材料を約100〜120℃で終夜乾燥し、少なくとも約500℃の温度でか焼することが好ましい。
【0020】
本明細書では、「ゼオライト」という用語は、国際ゼオライト学会構造委員会(International Zeolite Association (IZA) Structure Commission)に承認されているものなど、独自の骨格を有するアルミノシリケートモレキュラーシーブを意味する。好ましいゼオライトは合成ゼオライトである。本発明において有用なゼオライトはシリカ対アルミナ比(SAR)が約10〜約15、約15〜約35、又は約20〜約25など約10〜約40であることが好ましい。したがって、本発明では、ゼオライトは、シリコアルミノホスフェート(SAPO)、アルミノホスフェート(AlPO)、及びフェロシリケートなどの他のタイプのモレキュラーシーブと区別できる。
【0021】
ゼオライトのシリカ対アルミナ比は通常の分析で決定することができる。この比は、できるだけ厳密にゼオライト結晶の強固な原子骨格における比を表し、流路内のバインダー又は陽イオン若しくは他の形におけるケイ素又はアルミニウムを除外することになっている。バインダー材料、特にアルミナバインダーと合わせた後に、ゼオライトのシリカ対アルミナ比を直接測定することは困難であり得るので、これらのシリカ対アルミナ比はゼオライト自体のSAR、すなわちゼオライトと他の触媒成分を合わせる前のSARで表す。
【0022】
いくつかの実施態様において、金属により促進されたゼオライトと促進されていないゼオライトとは、同じSARを有する。他の実施態様において、金属により促進されたゼオライトと促進されていないゼオライトは異なるSARを有する。いくつかの実施態様において、促進されていないゼオライトは金属により促進されたゼオライトに比べて高いSARを有する。例えば、金属により促進されたゼオライトは約10〜約14のSARを有することができ、促進されていないゼオライトは約15〜約25のSARを有することができる。又は、金属により促進されたゼオライトは約15〜約22のSARを有することができ、促進されていないゼオライトは約22〜約30のSARを有することができる。
【0023】
本発明において有用なゼオライトは、CHA、AEI、AFX、LEV、及びSFWからなる群から選択された骨格を有する。これらの骨格のアルミノシリケートアイソタイプは何れも本発明に適している。いくつかの実施態様において、ゼオライトは単一骨格の実質的に純粋な相である。他の実施態様において、ゼオライトの第一結晶相は上記の骨格の1つであるが、他の結晶相も含まれる。実質的に純粋な相のゼオライトは1つの骨格を少なくとも95重量%含む。混合相ゼオライトは1つの骨格を75〜95重量%含み、第2の骨格を5〜25重量%含むことができる。相の組合せの例としては、AEIとFAU又はAEIとCHAが挙げられる。いくつかの実施態様において、ゼオライトはAEI/CHAの連晶である。
【0024】
走査型電子顕微鏡法によって、本発明によるゼオライトの形態及びクリスタリットのサイズを決定することができる。アルミノシリケートゼオライトの平均粒径及び/又は平均結晶径はSEMによって測定して、約0.50μmより大きく、径の範囲が下限約1μm、約2μm、約3μm、又は約5μmであり、上限約8μm、約10μm、又は約15μmであることが望ましい。いくつかの実施態様において、ゼオライトのd
50及び/又はd
90の結晶径又は粒径は上記の径の範囲の1つの範囲内に入る。いくつかの実施態様において、ゼオライト結晶及び/又は凝塊をこれらの径の範囲の1つの範囲内になるようにミルにかける。いくつかの実施態様において、金属により促進されたゼオライトの結晶径及び/又は粒径は促進されていないゼオライトの結晶径及び/又は粒径と同じである。他の実施態様において、金属により促進されたゼオライトの結晶径及び/又は粒径は促進されていないゼオライトの結晶径及び/又は粒径より大きい。他の実施態様において、金属により促進されたゼオライトの結晶径及び/又は粒径は促進されていないゼオライトの結晶径及び/又は粒径より小さい。
【0025】
アルミノシリケートゼオライト構造の大部分はアルミナ及びシリカで構成されるが、金属により促進されたゼオライトはアルミニウム以外の骨格金属を含むことができる(すなわち、金属置換ゼオライト)。本明細書では、ゼオライトに関連した「金属置換(されている)」という用語は、1個又は複数のアルミニウム又はケイ素骨格原子が置換用金属に置き換えられているゼオライト骨格を意味する。一方、「金属交換された」という用語は、骨格構造と会合するが、骨格自体の一部分を形成しない、骨格外又は遊離の金属イオンを有するゼオライトを意味する。金属置換骨格の例としては、骨格銅原子を含むものが挙げられる。促進されていない金属ゼオライトは金属置換されていないことが好ましい。
【0026】
促進されていないゼオライト成分は、H
+、NH
4+、アルカリ金属、アルカリ土類金属型、又はこれらの1つ若しくは複数の任意の組合せであることが好ましい。特に好ましい実施態様において、促進されていないゼオライトはH
+型、NH
4+型、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、促進されていないゼオライト及び/又は金属により促進されたゼオライトは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はアルカリ金属とアルカリ土類金属を両方とも実質的に含まない。本明細書では、アルカリ金属又はアルカリ土類金属に関連した「実質的に含まない」という用語は、ゼオライトが感知され得る量の特定の金属を含まないことを意味する。すなわち、特にNO
xを選択還元し、又は吸蔵するゼオライトの能力に関してゼオライトの基本的な物理的及び/又は化学的特性に影響を及ぼすことになる量の特定の金属は存在していない。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を実質的に含まないゼオライト材料は、その金属を3重量%未満、より好ましくは1重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満しか含まない。
【0027】
いくつかの実施態様において、金属により促進されたゼオライト成分及び/又は促進されていないゼオライト成分は、ゼオライトの表面上にかつ/又はゼオライト細孔内に配置されたカリウム、マグネシウム、及びカルシウムの少なくとも1つを含み、カルシウムが特に好ましい。いくつかの実施態様において、触媒は、カルシウム及びカリウムを除いてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を何れも本質的に含まない。いくつかの実施態様において、金属により促進されたゼオライト成分及び/又は促進されていないゼオライト成分は、カルシウムを除いてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を何れも本質的に含まない。また、いくつかの他の実施態様において、金属により促進されたゼオライト成分及び/又は促進されていないゼオライト成分は、カリウムを除いてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を何れも本質的に含まない。いくつかの好ましい実施態様において、金属により促進されたゼオライト成分はアルカリ金属及びアルカリ土類金属を本質的に含まず、促進されていないゼオライト成分はカルシウムを含むが、その他の点ではアルカリ金属及びアルカリ土類金属を本質的に含まない。
【0028】
いくつかの実施態様において、促進されていないゼオライトは、促進されていないゼオライトの重量に対して約0.1〜約3重量%、約0.1〜約1重量%、又は約1〜約3重量%などの少なくとも約0.1重量%のカルシウムを含む。
【0029】
いくつかの実施態様において、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属(まとめてA
M)は、金属により促進されたゼオライト材料中に、ゼオライト中のプロモーター金属(M)の量に対するある量で存在している。特にMが銅であり、A
Mがカルシウムである場合に、M及びA
Mはそれぞれ、約15:1〜約1:1、例えば約10:1〜約2:1、約10:1〜約3:1、又は約6:1〜約4:1のモル比で存在することが好ましい。金属により促進されたゼオライトがカルシウムを含むいくつかの実施態様において、銅の存在量は、ゼオライトの重量に対して約2.5重量%未満、約2重量%未満、又は約1重量%未満などの約3重量%未満である。
【0030】
いくつかの実施態様において、プロモーター金属(M)とアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属(A
M)の相対的累積量は、ゼオライト材料中に、ゼオライト中のアルミニウム、すなわち骨格アルミニウムの量に対するある量で存在している。本明細書では、(M+A
M):Al比は、対応するゼオライト中のM+A
M対モル骨格Alの相対的モル量に基づく。いくつかの実施態様において、触媒材料は(M+A
M):Al比が約0.6以下である。いくつかの実施態様において、(M+A
M):Al比は、0.5以下、例えば約0.05〜約0.5、約0.1〜約0.4、又は約0.1〜約0.2である。
【0031】
プロモーター金属及びアルカリ金属/アルカリ土類金属を、イオン交換、含浸、同形置換法などの任意の公知技法によりモレキュラーシーブに添加することができる。プロモーター金属及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属を任意の順序でゼオライト材料に添加することができる(例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の前、後、又はそれと同時に、金属を交換することができる)が、特にアルカリ土類金属がカルシウムであり、プロモーター金属が銅である場合、アルカリ金属又はアルカリ土類金属をプロモーター金属の前又はそれと同時に添加することが好ましい。
【0032】
いくつかの実施態様において、金属により促進されたゼオライト成分及び/又は促進されていないゼオライト成分は、比較的大量のセリウム(Ce)を含む。いくつかの実施態様において、触媒材料中のセリウム濃度は、金属により促進されたゼオライト及び/又は促進されていないゼオライトの全重量に対して少なくとも約1重量%の濃度で存在している。好ましい濃度の例としては、ゼオライトの全重量に対して少なくとも約2.5重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約8重量%、少なくとも約10重量%、約1.35〜約13.5重量%、約2.7〜約13.5重量%、約2.7〜約8.1重量%、約2〜約4重量%、約2〜約9.5重量%、及び約5〜約9.5重量%が挙げられる。
【0033】
いくつかの実施態様において、Ceの濃度は、金属により促進されたゼオライトの交換に利用できる理論最大量を超える。したがって、いくつかの実施態様において、Ceは、Ceイオン、モノマーセリア、オリゴマーセリア、及びそれらの組合せなど1つを超える形で存在している。ただし、前記オリゴマーセリアは平均結晶径が5μm未満、例えば1μm未満、約10nm〜約1μm、約100nm〜約1μm、約500nm〜約1μm、約10〜約500nm、約100〜約500nm、及び約10〜約100nmであることを条件とする。本明細書では、「モノマーセリア」という用語は、ゼオライト上及び/若しくは中に自由に存在し、又はゼオライトに弱く結合している個々の分子又は部分であるCeO
2を意味する。本明細書では、「オリゴマーセリア」という用語は、ゼオライト上及び/若しくは中に自由に存在し、又はゼオライトに弱く結合しているナノ結晶CeO
2を意味する。
【0034】
本発明の触媒は、不均一系触媒反応システム(すなわち、ガス反応物質と接触している固体触媒)に適用可能である。接触表面積、機械的安定性、及び/又は流体流動特性を改善するために、触媒を基材、好ましくは多孔質基材上及び/又は内に配置することができる。いくつかの実施態様において、触媒を含有するウォッシュコートを波形金属平板又はコージェライト質ハニカムレンガなどの不活性基材に塗布する。あるいは、触媒を充填剤、バインダー、及び補強剤などの他の成分と共に混練し、押出可能なペーストとし、次いでダイに通して押し出して、ハニカムレンガを形成する。したがって、いくつかの実施態様において、基材上にコーティングされ、かつ/又は基材に組み込まれた本明細書に記載の触媒ブレンドを含む触媒物品が提供される。
【0035】
本発明のいくつかの態様は、触媒ウォッシュコートを提供する。本明細書に記載された触媒ブレンドを含むウォッシュコートは溶液、懸濁液、又はスラリーが好ましい。適当なコーティング剤としては、表面コーティング剤、基材の一部に浸透するコーティング剤、基材に充満するコーティング剤、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。ウォッシュコートは、アルミナ、シリカ、非ゼオライト系シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、セリアの1種又は複数を含めて、充填剤、バインダー、安定剤、レオロジー改質剤、及び他の添加剤などの非触媒成分も含むことができる。いくつかの実施態様において、触媒組成物は、グラファイト、セルロース、デンプン、ポリアクリレート、及びポリエチレンなどの造孔剤を含んでもよい。これら追加の成分は、必ずしも所望の反応を触媒するわけではないが、その代わりに、例えばその使用温度範囲の増大、触媒の接触表面積の増大、触媒の基材への粘着性の増大などによって、触媒材料の有効性を改善する。
【0036】
最もよくある基材設計の2つは平板及びハニカムである。特に自動車用途に好ましい基材としては、隣接した複数の平行流路を含む、いわゆるハニカム幾何形状を有するフロースルーモノリスが挙げられる。それらの平行流路は両端が開いており、一般的に基材の入口面から出口面に伸び、表面積対容積比を高くする。いくつかの用途では、ハニカムフロースルーモノリスは高セル密度、例えば1平方インチ当たり約600〜800セルであることが好ましく、かつ/又は平均内壁厚が約0.18〜0.35mm、好ましくは約0.20〜0.25mmである。他のいくつかの用途では、ハニカムフロースルーモノリスは1平方インチ当たり約150〜600セルの低セル密度であることが好ましく、1平方インチ当たり約200〜400セルであることがより好ましい。ハニカムモノリスは多孔質であることが好ましい。コージェライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、セラミック、及び金属以外に、基材に使用することができる他の材料としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、チタン酸アルミニウム、α−アルミナ、ムライト、例えば針状ムライト、ポルサイト、Al
2OsZFe、Al
2O
3/Ni若しくはB
4CZFeなどのサーメット、又はそれらの何れか2つ以上を有するセグメントを含む複合体が挙げられる。好ましい材料としては、コージェライト、炭化ケイ素、及びチタン酸アルミナが挙げられる。
【0037】
平板タイプの触媒はハニカムタイプより圧力低下が低く、詰まり及び汚れの影響を受けにくく、効率の高い定置用途において有利であるが、平板構造体ははるかに大型で、高価になる恐れがある。ハニカム構造体は平板タイプより典型的には小型であり、自動車用途において有利であるが、圧力低下が大きくなり、詰まりやすくなる。いくつかの実施態様において、平板基材は金属、好ましくは波形金属で構築される。
【0038】
いくつかの実施態様において、本発明は、本明細書に記載された方法で作製された触媒物品である。特定の一実施態様において、触媒物品は、層である基材に触媒ブレンドを好ましくはウォッシュコートとして、排気ガスを処理するための別の組成物の追加の少なくとも1層を基材に塗布する前又は後に塗布する工程を含む方法で生成される。
【0039】
いくつかの実施態様において、触媒ブレンドは触媒物品又は排気ガス処理システムに組み込まれており、触媒ブレンドが層又は区域である基材上に配置され、酸化触媒、還元触媒、捕捉成分、又はNO
x吸蔵成分などの別の組成物が同じ基材又は異なる基材上に別の層又は区域として配置されている。層又は区域は同じ基材又は異なる基材上に配置することができ、重なり合ってもよく、隣接していてもよく、かつ/又は連続していてもよい。触媒ブレンドを第2の触媒に対して上層又は上流区域として配置することができる。あるいは、触媒ブレンドを第2の触媒に対して下層又は下流区域として配置することができる。いくつかの実施態様において、第2の触媒層又は区域は、アルミナ、セリア、チタニア、シリカ、又はそれらの任意の組合せなどの耐火性金属酸化物に担持させた、金、銀、及び白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの白金族金属、又はレニウムなどの1種又は複数の貴金属を含む。いくつかの実施態様において、第2の触媒層又は区域は金属により促進されたゼオライトを含む。いくつかの実施態様、特に第2の触媒を利用する排気ガス処理システムにおいて、本明細書に記載された触媒ブレンドがN
2O還元触媒として使用される。
【0040】
排気システムに必要とされた空間の量を低減するために、いくつかの実施態様における個々の排気成分は1つを超える機能を果たすように設計されている。例えば、SCR触媒をフロースルー基材ではなく壁面フローフィルター基材に塗布することは、1つの基材が2つの機能を果たすことを可能にし、すなわち排気ガス中のNO
x濃度を触媒作用により下げ、すすを排気ガスから機械的に除去することによって、排気処理システムの全体のサイズを低減する働きをする。したがって、いくつかの実施態様において、基材はハニカム壁面フローフィルター又はパーシャルフィルターである。壁面フローフィルターは、隣接する複数の平行流路を含むという点でフロースルーハニカム基材と類似している。しかし、フロースルーハニカム基材の流路は両端が開いており、壁面フロー基材の流路は一端でキャッピングされており、キャッピングは隣接する流路の反対の端部において交互パターンで行われる。流路の交互の端部をキャッピングすることによって、基材の入口面に入るガスが流路をまっすぐ流れて、出ていくことができなくなる。そうではなく、排気ガスは基材の正面に入り、流路の約半分まで進むが、そこで流路の後半に入り、基材の背面を出る前に流路壁面に押し込まれる。
【0041】
基材壁面は、ガス透過性ではあるが、ガスが壁面を通過するときガスに由来するすすなどの微粒子状物質の大部分を捕捉する空隙率及び孔径を有する。好ましい壁面フロー基材は高効率フィルターである。本発明で使用するための壁面フローフィルターは、効率が少なくとも70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%であることが好ましい。いくつかの実施態様において、効率は約75〜約99%、約75〜約90%、約80〜約90%、又は約85〜約95%である。ここで、効率は、すす及び他の同様な大きさの粒子並びに通常のディーゼル排気ガスで典型的にみられる微粒子の濃度に関するものである。例えば、ディーゼル排気中の微粒子は大きさが0.05ミクロン〜2.5ミクロンに及ぶことがあり得る。したがって、効率は、この範囲又は0.1〜0.25ミクロン、0.25〜1.25ミクロン、若しくは1.25〜2.5ミクロンなどの部分範囲に基づくことができる。
【0042】
空隙率は多孔質基材中の空隙空間の百分率という尺度であり、排気システムの背圧と関係付けられる。一般的には、空隙率が低いほど、背圧が高くなる。多孔質基材は空隙率が約30〜約80%、例えば約40〜約75%、約40〜約65%、又は約50〜約60%であることが好ましい。
【0043】
基材の全空隙容量の百分率として測定された細孔相互連結性は、細孔、空隙、及び/又は流路が連結されて、多孔質基材を通り抜ける、すなわち入口面から出口面への連続経路が形成される程度である。孤立細孔容積と基材の表面の1つのみへの通り道を有する細孔の容積との合計は、細孔相互連結性と対照をなす。多孔質基材は細孔相互連結性容積が少なくとも約30%であることが好ましく、少なくとも約40%であることがより好ましい。
【0044】
多孔質基材の平均孔径も濾過にとって重要である。平均孔径は、水銀圧入法を含めて許容できる手段であれば何れによっても決定することができる。多孔質基材の平均孔径は、基材自体、基材の表面上のすすケーキ層の促進、又は両方の組合せによって十分な効率をもたらしながら、低背圧を促進するのに十分に高い値とするべきである。好ましい多孔質基材は平均孔径が約10〜約40μm、例えば約20〜約30μm、約10〜約25μm、約10〜約20μm、約20〜約25μm、約10〜約15μm、及び約15〜約20μmである。
【0045】
一般に、触媒ブレンドを含む押出固体の生成は、金属により促進されたゼオライト及び促進されていないゼオライト、バインダー、任意選択の粘度増強有機化合物をブレンドして、均質なペーストにし、次いでそれをバインダー/マトリックス成分又はその前駆体、並びに任意選択的に安定化セリア及び無機繊維の1種又は複数に添加するものである。ブレンドを混合若しくは混練装置又は押出機で圧縮する。混合物は、押出構造体における物理的特性を促進させるため、又は加工助剤として、濡れを向上させ、したがって均質なバッチを生成するため、造孔剤、可塑剤、界面活性剤、潤滑剤、分散剤などの添加剤も含む。次いで、得られたプラスチック材料を、特に押出ダイを含めて、押出プレス又は押出機を用いて成形し、得られた成形品を乾燥し、か焼する。有機添加剤は、押出固体のか焼時に「焼き尽くされる」。好ましくは、触媒ブレンドを押出触媒体全体にくまなく分散し、好ましくは均等にくまなく分散する。
【0046】
触媒ブレンドは、ウォッシュコーティング又はその他の方法で押出固体に、表面上に存在する又は押出固体に完全若しくは部分浸透する1つ又は複数の副層として塗布されてもよい。
【0047】
本明細書に記載された触媒ブレンドは、還元体、好ましくはアンモニアと酸化窒素の反応を促進して、元素状窒素(N
2)及び水(H
2O)を選択的に形成することができる。したがって、一実施態様において、触媒を、還元体を用いた酸化窒素の還元に好都合となるように調製することができる(すなわち、SCR触媒)。そのような還元体の例としては、炭化水素(例えば、C3〜C6炭化水素)、及びアンモニアやヒドラジン、又は尿素((NH
2)
2CO)、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム若しくはギ酸アンモニウムなどの適当な任意のアンモニア前駆体などの含窒素還元体が挙げられる。
【0048】
本明細書に記載された触媒ブレンドは、アンモニアスリップを低減することもできる。したがって、別の実施態様において、触媒を、アンモニア、特に典型的にはSCR触媒の下流で遭遇する様々な濃度のアンモニアの酸素による酸化によって生成される副次的NO
xを低減するためNH
3の吸蔵に好都合となるように調製することができる。いくつかの実施態様において、金属により促進されたゼオライト及び促進されていないゼオライトを含む触媒ブレンドは、酸化的下層の上に最上層として配置され、下層には白金族金属(PGM)触媒又は非PGM触媒が含まれている。下層中の触媒成分は高表面積支持体上に配置されていることが好ましい。高表面積支持体としては、アルミナが挙げられるが、これに限定されない。
【0049】
したがって、排気ガス中のNO
x化合物の低減及び/又はNH
3スリップのコントロールのための方法であって、ガスを本明細書に記載されたNO
x化合物接触還元用触媒組成物と、ガス中のNO
x化合物及び/又はNH
3のレベルを低減するのに十分な時間接触させることを含む方法が提供される。いくつかの実施態様において、アンモニアスリップ触媒を選択接触還元(SCR)触媒の下流に配置した触媒物品が提供される。そのような実施態様において、アンモニアスリップ触媒は、選択接触還元法で消費されない含窒素還元体があればその少なくとも一部分を酸化する。例えば、いくつかの実施態様において、アンモニアスリップ触媒は壁面フローフィルターの出口側に配置され、SCR触媒はフィルターの上流側に配置されている。いくつかの他の実施態様において、アンモニアスリップ触媒はフロースルー基材の下流端部に配置され、SCR触媒はフロースルー基材の上流端部に配置されている。他の実施態様において、アンモニアスリップ触媒及びSCR触媒は排気システム内の別個のレンガ上に配置されている。これらの別個のレンガは互いに隣接して、接触していてもよく、又は特定の距離で分離されていてもよい。ただし、これらが互いに流体連通していることを条件とし、かつSCR触媒レンガがアンモニアスリップ触媒レンガの上流に配置されていることを条件とする。
【0050】
いくつかの実施態様において、SCR及び/又はASC法は少なくとも150℃の温度で行われる。別の実施態様において、方法(一又は複数)は約150℃〜約750℃の温度で行われる。特定の一実施態様において、温度範囲は約175〜約550℃である。別の実施態様において、温度範囲は175〜400℃である。もう1つの実施態様において、温度範囲は450〜900℃、好ましくは500〜750℃、500〜650℃、450〜550℃、又は650〜850℃である。450℃を超える温度を利用する実施態様は、本明細書に記載された触媒ブレンドがフィルターの出口側に配置されている能動的又は受動的に再生される(任意選択的に触媒される)ディーゼル微粒子フィルターを備えた排気システムを装備している高負荷型及び低負荷型ディーゼルエンジンからの排気ガスを処理するのに特に有用である。
【0051】
本発明の別の態様によれば、排気ガスを処理して、好ましくはガス中のNO
x化合物及び/又はNH
3スリップを低減する方法であって、以下の工程の1つ又は複数を含む方法が提供される。(a)触媒フィルターの入口と接触しているすすを蓄積しかつ/又は燃焼する工程と、(b)含窒素還元剤を排気ガス流に導入した後、好ましくはNO
x及び還元体の処理を伴う触媒の工程を介在させることなく、触媒フィルターと接触させる工程と、(c)NO
x吸着触媒又はリーンNO
xトラップ上でNH
3を発生させ、好ましくはそのようなNH
3を下流のSCR反応において還元体として使用する工程と、(d)排気ガス流をDOCと接触させて、炭化水素系可溶性有機成分(SOF)及び/又は一酸化炭素をCO
2に酸化し、かつ/又はNOをNO
2に酸化し、次に微粒子フィルター中の粒子状物質を酸化させ、かつ/又は排気ガス中の粒子状物質(PM)を低減するために使用してもよい工程と、(e)排気ガスを還元剤の存在下で1つ又は複数のフロースルーSCR触媒装置(一又は複数)と接触させて、排気ガス中のNOx濃度を下げる工程と、(f)排気ガスを、好ましくはSCR触媒の下流に位置するアンモニアスリップ触媒と接触させて、排気ガスを大気中に排出する前にアンモニアの全部ではないにしても大部分を酸化させ、又は排気ガスがエンジンに入る/再び入る前に排気ガスを再循環ループに通す工程。
【0052】
別の実施態様において、SCR法において消費するための窒素系還元体の全部又は少なくとも一部分、特にNH
3は、SCR触媒、例えば壁面フローフィルター上に設置された本発明のSCR触媒の上流に配置されたNO
x吸着触媒(NAC)、リーンNO
xトラップ(LNT)、又はNO
x吸蔵/還元触媒(NSRC)から供給することができる。本発明において有用なNAC成分としては、塩基性材料(アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物を含めて、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属、及びそれらの組合せなど)、及び貴金属(白金など)、及び任意選択的にロジウムなどの還元触媒成分の触媒組合せが挙げられる。NACにおいて有用である特定タイプの塩基性材料としては、酸化セシウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、及びそれらの組合せが挙げられる。貴金属は、20〜60g/ft
3などの約10〜約200g/ft
3で存在することが好ましい。あるいは、触媒の貴金属は平均濃度によって特徴付けられ、約40〜約100g/ft
3とすることができる。
【0053】
いくつかの条件下で、周期的リッチ再生事象時に、NH
3がNO
x吸着触媒上で発生することがある。NO
x吸着触媒の下流に位置するSCR触媒は、総合システムNO
x低減効率を改善することができる。組み合わせたシステムにおいて、SCR触媒はリッチ再生事象時にNAC触媒から放出されたNH
3を吸蔵することができ、吸蔵されたNH
3を利用して、普通のリーン操作条件時にNAC触媒を通過するNO
xの一部分又は全部を選択還元する。
【0054】
本明細書に記載された排気ガスを処理する方法は、(移動式であれ定置式であれ)内燃機関、ガスタービン、及び石炭又は石油火力発電所などの燃焼プロセスに由来する排気ガスについて行うことができる。方法は、精製所ヒーター及びボイラー、窯炉、化学処理産業、コークス炉、一般廃棄物プラント及び焼却炉などからの精製などの産業プロセスに由来するガスを処理するのに使用してもよい。特定の一実施態様において、方法は、ディーゼルエンジン、リーンバーンガソリンエンジン、又は鉱油ガス若しくは天然ガスによって動くエンジンなどの車のリーンバーン内燃機関からの排気ガスを処理するために使用される。
【0055】
いくつかの態様において、本発明は、(移動式であれ定置式であれ)内燃機関、ガスタービン、石炭又は石油火力発電所などから、燃焼プロセスによって発生した排気ガスを処理するためのシステムである。そのようなシステムは、本明細書に記載された触媒ブレンド及び排気ガスを処理するための少なくとも1つの追加の成分を含む触媒物品を含み、触媒物品及び少なくとも1つの追加の成分は、コヒーレント単位として機能するように設計されている。
【0056】
いくつかの実施態様において、システムは、本明細書に記載された触媒ブレンドと、流れる排気ガスを導くための通り道と、触媒物品の上流に配置された含窒素還元体の供給源とを含む触媒物品を含む。システムは、ゼオライト触媒が100℃超、150℃超又は175℃超でなど所望の効率以上でNO
x還元を触媒できることが決定される場合のみ、含窒素還元体を流れる排気ガスに計量供給するための制御装置を含むことができる。含窒素還元体の計量供給は、理論アンモニアの60%〜200%が、SCR触媒に入ってくる排気ガス中に、1:1 NH
3/NO及び4:3 NH
3/NO
2と推定されて存在しているように決めることができる。
【0057】
別の実施態様において、システムは、排気ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための酸化触媒(例えば、ディーゼル酸化触媒(DOC))を含み、含窒素還元体を排気ガスに計量供給する点の上流に位置することができる。一実施態様において、酸化触媒は、例えば酸化触媒入口における排気ガス温度250℃〜450℃においてNO対NO
2の体積比が約4:1〜約1:3であるSCRゼオライト触媒に入るガス流をもたらすように構成されている。酸化触媒は、フロースルーモノリス基材上にコーティングされた白金、パラジウム、又はロジウムなどの少なくとも1つの白金族金属(又はこれらの何らかの組合せ)を含むことができる。一実施態様において、少なくとも1つの白金族金属は白金、パラジウム又は白金とパラジウムとの組合せである。白金族金属は、アルミナなどの高表面積ウォッシュコート成分、アルミノケイ酸塩ゼオライトなどのゼオライト、シリカ、非ゼオライトシリカアルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、又はセリアとジルコニアとを含む混合若しくは複合酸化物に担持させることができる。
【0058】
別の実施態様において、適当なフィルター基材は酸化触媒とSCR触媒との間に位置する。フィルター基材は、上記のものの何れか、例えば壁面フローフィルターから選択することができる。フィルターが例えば上記の種類の酸化触媒で触媒される場合、含窒素還元体を計量供給する点はフィルターとゼオライト触媒との間に位置することが好ましい。あるいは、フィルターが触媒されない場合、含窒素還元体を計量供給する手段は、酸化触媒とフィルターとの間に位置することができる。
【実施例】
【0059】
実施例1− 触媒ブレンドのNO
x転換性能
CHA骨格を有し、約25のSARを有するNH
4+型ゼオライトの試料を室温で酢酸銅溶液に添加して、銅交換ゼオライトを生成した。銅交換ゼオライトを乾燥、600℃でか焼し、ゼオライトの重量に対して約3.3重量%の銅を有するゼオライトを得た。
【0060】
上記の銅により促進されたゼオライト材料の一部と、同じゼオライトではあるが、交換された銅を含まないものの一部とを混合することによって、触媒ブレンドの試料を調製した。そのような試料を8つ調製した。ブレンド中の銅により促進されたゼオライトの割合は約10重量%〜約50重量%の範囲であった。
【0061】
銅交換ゼオライト及び触媒ブレンドを900℃で3時間熱水エイジングさせた。
【0062】
これらの試料はそれぞれ、NO
x転換性能を同様の条件下、200℃及び500℃で試験した。これらの試験のデータを
図1及び2に示す。
【0063】
試験結果から、そのままのゼオライトを銅交換ゼオライトに添加すると、エイジングさせた触媒材料のNO
x転換性能が広い温度範囲にわたって増大したことが明らかである。
【0064】
実施例2− 触媒ブレンドのNO
x転換性能
CHA骨格を有し、約13のSARを有するNH
4+型ゼオライトの試料を室温で酢酸銅溶液に添加して、銅交換ゼオライトを生成した。銅交換ゼオライトを乾燥、約600℃でか焼し、ゼオライトの重量に対して約3.5重量%の銅を有するゼオライトを得た。
【0065】
この試料の一部を、CHA骨格を有し、約22のSARを有するNH
4+型ゼオライトと混合して、約35重量%の銅交換ゼオライト及び約65重量%のそのままのゼオライトを含むブレンドを生成した。
【0066】
銅交換ゼオライト及びブレンドの新鮮な(すなわち、非エイジング)NO
x転換性能を600℃で試験した。900℃で1時間熱水エイジングさせた後の、銅交換ゼオライト及びブレンドのNO
x転換性能も600℃で試験した。これらの試験のデータを
図3に示す。
【0067】
試験結果から、そのままのゼオライトを銅交換ゼオライトに添加すると、触媒材料の高温NO
x転換性能が増大したことが明らかである。