(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定条件は、前記アカウントにチャージされている、決済に使用可能なバリューの最大値が所定以下の場合を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
前記所定条件は、前記ユーザについて、前記アカウントに資金を移動できる銀行口座が対応付けられていない場合を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
前記上限金額を変更する処理にて前記上限金額を変更するとき、前記ユーザが利用する前記情報処理端末にその旨を送信する処理を含む、請求項14または15に記載の情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<法令遵守>
本明細書に記載の開示は、実施される場合、本開示を実施する各国の法令を遵守のうえで実施される。また、本明細書に記載の開示は、各国の法令を遵守するために必要な、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、および修正をもって実施される。
【0009】
本開示に係る
利便性を向上できる決済サービスを実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。
図1に開示されるように、通信システム1では、ネットワーク130を介してサーバ110A、サーバ110Bと、端末120A、端末120B、端末120Cとが接続される。
【0011】
本開示において、サーバ110Aと、サーバ110Bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110Aとサーバ110Bとは、それぞれサーバ110と表現されてもよい。
【0012】
本開示において、端末120Aと、端末120Bと、端末120Cとをそれぞれ区別する必要がない場合は、端末120Aと端末120Bと端末120Cとは、それぞれ端末120(「情報処理端末」の一例。)と表現されてもよい。
【0013】
本開示において、サーバ110と、端末120とをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110と端末120とは、それぞれ情報処理装置200と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続される情報処理装置200の数は
図1の例に限定されない。
【0014】
サーバ110は、ネットワーク130を介してユーザが利用する端末120に、所定のサービスを提供する。所定のサービスは、限定でなく例として、決済サービス、金融サービス、電子商取引サービス、インスタントメッセンジャー等を用いるメッセージングサービスを代表とするSNS(Social Networking Service)、楽曲・動画・書籍などのコンテンツ提供サービス等を含む。ユーザが端末120を介して所定のサービスを利用することで、サーバ110は1以上の端末120に所定のサービスを提供することができる。端末120は、例えば、ユーザのスマートフォン等の端末であり、サーバ110により提供される決済サービス等を用いた割り勘等を行う。
【0015】
本開示において、決済サービスとは1以上のユーザが金銭または金銭相当物の授受ができるサービスを意味する。限定でなく例として、一次元コード(バーコードなど)、二次元コード(QRコード(登録商標)など)(以下で、一次元コードおよび二次元コードをまとめて「二次元コード等」と総称する。)、近距離無線通信(NFC (Near Field Communication)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、Wi-Fi(登録商標)、超音波通信、赤外線通信など)を利用して決済を行うサービスを含む。また、代金の支払いを行うユーザ(支払者)の端末120が二次元コード等を読み取ることで決済を行うことを「ユーザ読取型コード決済」または「MPM(Merchant Presented Mode)」と表現し、支払いを行うユーザの端末120が二次元コード等を表示し、表示された二次元コード等を、代金を請求する店舗側等のユーザ(販売者、請求者)の端末120が読み取ることで決済を行うことを「店舗読取型コード決済」または「CPM(Consumer Presented Mode)」と表現する。なお、MPMおよびCPMは、動的であってもよいし、静的であってもよい。
【0016】
必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末120Xと表現し、ユーザXまたは端末120Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報、ユーザに対応付けられた電子バリュー(電子マネー)の残高情報、ユーザに対応付けられたクレジットカード情報(クレジットカード番号など)を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよい。
【0017】
ネットワーク130は、2以上の情報処理装置200を接続する役割を担う。ネットワーク130は、端末120がサーバ110に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0018】
ネットワーク130のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク130は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク130は、1つまたは複数のネットワーク130を含むことができる。
【0019】
情報処理装置200は、本開示に記載される機能および方法を実現できる情報処理装置であればどのような情報処理装置であってもよい。
【0020】
情報処理装置200は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、サーバ装置、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダなど)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(限定でなく例として、メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。
【0021】
<ハードウェア構成>
図2を用いて、通信システム1に含まれる情報処理装置200のハードウェア構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0022】
情報処理装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力インタフェース(入出力I/F)204と、通信インタフェース(通信I/F)205とを含む。情報処理装置200のハードウェアの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0023】
情報処理装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現する。
【0024】
プロセッサ201は、ストレージ203に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する機能および方法を実行する。プロセッサ201は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphic s Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0025】
メモリ202は、ストレージ203からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ201に対して作業領域を提供する。メモリ202には、プロセッサ201がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ202は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。
【0026】
ストレージ203は、プログラムを記憶する。ストレージ203は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどを含む。
【0027】
通信I/F205は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F205は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F205は、各種データをプロセッサ201からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F205は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ201に伝達する。
【0028】
入出力I/F204は、情報処理装置200に対する各種操作を入力する入力装置、および、情報処理装置200で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F204は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0029】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ201に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0030】
出力装置は、プロセッサ201で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像または動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンターなどを含む。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0031】
本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラムを含む。
【0032】
記憶媒体は適切な場合、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0033】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、情報処理装置200に提供されてもよい。
【0034】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0035】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、JavaScript(登録商標)、Pythonなどのスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift、Kotlin、Java(登録商標)などを用いて実装される。
【0036】
情報処理装置200における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0037】
情報処理装置200における処理の少なくとも一部を、他の情報処理装置により行う構成としてもよい。この場合、プロセッサ201により実現される各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、他の情報処理装置で行う構成としてもよい。
【0038】
<その他>
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよい。
【0039】
本開示では、明記されていない限り、または文脈によって示されない限り、「AおよびBの少なくとも一方」は、「A、B、またはその両方」を意味する。さらに、明記されない限り、または文脈によって示されない限り、「a」、「an」、または「the」は「1つまたは複数」を意味するものとする。したがって、本明細書では、別段に明記されない限り、または文脈によって示されない限り、「an A」または「the A」は「1つまたは複数のA」を意味する。
【0040】
本開示は、本開示の実施形態および実施例に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。また、添付の特許請求の範囲は、本開示の実施形態および実施例に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、または修正を包含する。さらに、本開示は、当業者が成し得る、本開示における実施形態または実施例の1以上の特徴と、本開示における他の実施形態または実施例の1以上の特徴との任意の組合せを包含する。
【0041】
加えて、特定の機能を実施するように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能である、動作可能である、または動作できる装置またはシステムあるいは装置またはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲での参照は、その装置、システム、または構成要素がそのように適合される、配置される、能力を有する、構成される、使用可能にされる、動作可能にされる、または動作できる限り、その装置、システム、構成要素またはその特定の機能がアクティベートされ、オンにされ、またはロック解除されているか否かに関わらず、その装置、システム、構成要素を包含する。
【0042】
本開示は、明示されない限り、いずれの実施形態または実施例を実施するに際して、事前に、または、実施の直前にユーザからの同意を取得してもよい。また、取得する同意は、包括的なものでもよく、都度取得するものでもよい。
【0043】
<実施形態>
本開示の実施形態は、eKYCによる本人認証を行ったアカウントに上限金額が設定された後払いサービスを提供して決済処理に利用する実施形態である。
【0044】
実施形態により、決済サービス用アカウントに入金させる銀行口座が紐づけられていない場合でも決済サービスを利用可能としてユーザの利便性を向上でき、さらに後払いサービスの上限金額を設定するためユーザにサービスの安心感を与えることができる、という効果が得られる。
【0045】
<実施形態の機能構成>
図3を用いてサーバ110および端末120の機能構成を説明する。
図3は、実施形態に係るサーバ110、及び端末120の機能的な構成を示すブロック図の一例を示す図である。
図3に開示の機能部は、情報処理装置200が備えるプロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により実現される。
【0046】
(1)サーバの機能構成
サーバ110は、受付部311と、送受信部312と、制御部313と、記憶部314とを有する。なお、各機能部の機能または処理は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)により実現されてもよい。
【0047】
受付部311は、サーバ110により提供される各種のサービスを運営する事業者からの各種の設定操作等を受け付ける。
【0048】
送受信部312は、制御部313の指示に従い、端末120とのデータの送受信を行う。なお、送受信部312は、例えば、端末120等からのログイン要求に含まれるユーザID、及びパスワードにより端末120等のユーザが認証された際、端末120等とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、端末120等の通信用のアドレス、及びユーザID等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、端末120等にデータを送信する。
【0049】
制御部313は、決済サービス、電子クーポン配信サービス、金融サービス、及び電子商取引サービス等のサービスを、端末120のユーザに提供する処理を行う。制御部313は、端末120の表示画面を制御する情報を、送受信部312に送信させる。
【0050】
記憶部314は、端末120のユーザの情報や、各ユーザの決済履歴や属性等の各種情報を記憶する。
【0051】
(2)端末の機能構成
端末120は、受付部321と、送受信部322と、制御部323と、記憶部324とを有する。なお、各機能部の機能または処理は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)により実現されてもよい。
【0052】
受付部321は、端末120のユーザからの各種の操作等を受け付ける。
【0053】
送受信部322は、制御部323の指示に従い、サーバ110等とのデータの送受信を行う。なお、送受信部322は、例えば、サーバ110にログインした際、サーバ110とのHTTPS等を用いた通信用のセッションを接続する。そして、接続した通信用のセッションのIDに対応付けて、サーバ110の通信用のアドレス等を記憶しておく。そして、接続した通信用のセッションを用いて、サーバ110にデータを送信する。
【0054】
制御部323は、サーバ110により提供される決済サービス、金融サービス、及び電子商取引サービス等の各種のサービスを利用する処理を行う。制御部323は、サーバ110から受信した情報等に基づいて、端末120の表示画面を制御する。
【0055】
記憶部324は、サーバ110により提供される決済サービス等の各種サービスを利用するための情報を記憶する。
【0056】
<実施形態の処理>
図4を参照して、実施形態に係る通信システム1の処理について説明する。
図4は、実施形態に係る通信システム1の処理のシーケンスの一例を示す図である。なお、端末120は、サーバ110との通信を行う際、ユーザのアカウントを用いてサーバ110の認証を受けているものとする。
【0057】
ステップS1において、サーバ110の制御部313は、決済サービスに係る端末120のユーザのアカウントを作成する。本ステップでは、例えば、端末120の制御部323がサーバ110にアカウント作成のリクエストを送信し、これに応じてサーバ110がアカウント作成に必要な情報(例えば端末120の識別情報や電話番号など)を端末120にリクエストし、サーバ110の制御部313が端末120から受信した情報を用いてアカウントを作成する。なお、端末120のユーザが、本実施形態の決済サービスと対応付けられた提供者が提供する、決済サービス以外の別のサービスのアカウントを既に持っている場合には、この別のサービスのアカウントを決済サービス用のアカウントとして流用してもよい。
【0058】
ステップS2において、サーバ110の制御部313は、アカウントを作成したユーザの本人認証を、eKYCを利用して行う。eKYCとは、電子的な顧客確認(Know Your Customer:KYC)手法であり、オンラインで完結する本人確認サービスである。eKYCでは、例えば、端末120のユーザが顔写真入り身分証と顔の画像データをサーバ110に送信し、サーバ110は端末120から受信した身分証の顔写真と顔画像とを比較することによって、本人認証を行うことができる。つまり、銀行口座を設定しなくても、端末120とサーバ110との間のやりとりだけで本人認証を簡便に行うことができる。
【0059】
ステップS2の処理は、例えば、ステップS1のアカウント作成の直後だけでなく、アカウント作成後に端末120のユーザの本人認証が必要となったタイミング(例えばアカウントに付与されているポイントを現金化して出金する場合など)で行ってもよい。本ステップでは、例えばサーバ110から端末120にeKYCにより本人認証を行う旨の通知と、eKYCに必要な情報(身分証と顔の画像データ)のリクエストを送信し、これに応じて端末120からサーバ110に送信された情報を用いて本人認証を行う。
【0060】
eKYCによる本人認証が完了すると、アカウントは入出金可能な状態となる。ただし、eKYCを利用して本人認証を行ったためアカウントに入金できる銀行口座が紐づけられていない状態であり、銀行口座からアカウントへの送金ができない。つまり、すぐにアカウントにバリューをチャージできない状態である。このため本実施形態ではステップS3において、サーバ110の制御部313は、送受信部312を介して、端末120のユーザに対して後払いサービスの利用を提案するためのメッセージを送信する。
【0061】
ここで、「後払いサービス」とは、金額・利率・期間・担保の種類などを定め、多くは約束手形や借用金証書をとって資金を貸したり、損料・使用料・期間などを定め、物品や権利を貸したりすることをいう。特に本実施形態では、端末120のユーザと、サーバ110の決済サービス提供者との間で、所定期間に利用可能な上限金額と、利用金額の支払い期限を定めてサーバ110から端末120へ金銭を貸してアカウントに入金するサービスをいう。なお、金銭の貸し付けは定期的に行われてもよい。
【0062】
ステップS4において、端末120の制御部323が、サーバ110から受信した後払い設定の提案メッセージに基づき、後払いサービスの提案画面を端末120の表示画面上に表示する。端末120のユーザが後払いサービスを設定する旨の操作を行うと、ステップS5において、この操作に応じて端末120の制御部323が、送受信部322を介してサーバ110に後払いサービスの利用希望の旨のリクエストを送信する。
【0063】
図5は、ステップS4において端末120に表示される後払いサービスの提案画面の一例を示す図である。
図5に示すように、端末120に表示される決済サービス画面121には、ステップS3のサーバ110からの提案に応じて、後払いサービスの設定ボタン122が表示される。また、決済サービス画面121には、後払いサービスの説明ウィンドウ123がポップアップ表示されてもよい。端末120のユーザが後払いサービスの設定ボタン122を押下すると、ステップS5の後払いサービスの設定希望のリクエストがサーバ110に送信され、後述する
図6の上限金額設定画面124に遷移する。
【0064】
ステップS6では、サーバ110の制御部313が、端末120からの後払いサービスの設定リクエストの受信に応じて、この端末120のユーザの後払いサービスの上限金額を設定する。
【0065】
ステップS6では、上限金額は、例えば、端末120のユーザ情報に基づき、ユーザごとに別の金額を設定することができる。例えば、ユーザ情報に基づきユーザに付与可能な後払いサービスの「最大金額」を設定して、この最大金額を上限金額として設定できる。
最大金額を決定するためのユーザ情報とは、例えば以下の情報のいずれか1つ以上を含む。
(1)ユーザの取引サービスにおける商品の売買履歴
(2)ユーザの決済サービスにおける過去の利用履歴
(3)ユーザと類似する他のユーザが実際に設定している上限金額
(4)ユーザの信用度
(5)ユーザの属性(年齢、性別など)
(6)ユーザの年収や資産
(7)総量規制に従ったユーザに貸付可能な金額
【0066】
なお、上記(1)に関するより具体的な情報は、例えば、決済サービスに対応づけられた提供者が提供する他のサービスのうちの取引サービスにおける、過去の支払い延滞有無、使用金額、売り手側と買い手側との相互評価、取引のキャンセル回数などが含まれる。または、商品の売買におけるユーザと相手側とのコメントのやりとり内容をテキストマイニング等で分析して、分析により得たユーザが良い人かどうかの情報や、相手方とのトラブルの有無の情報を用いることもできる。
【0067】
ここで、「取引サービス」とは、例えば、消費者が商品を販売できるようにするサービスであり、例えば、フリーマーケットサービス、ネットオークションサービス等の取引(個人間オンライン取引、CtoC(Consumer to Consumer)電子商取引、消費者間オンライン取引)サービス、及び即時買取(質屋)サービス等が含まれてもよい。
【0068】
なお、上記(1)は、本実施形態でサーバ110が提供する決済サービスと同じ提供者が提供する、取引サービス以外の他のサービスの利用履歴にまで拡張してもよい。同一提供者の他サービスであれば、サーバ110が当該ユーザに関する個人情報を参照することが可能と考えられる。当該ユーザの他サービスの利用履歴を参照することで、ユーザに見合った適切な上限金額を設定することができる。また、ユーザが本実施形態の決済サービスのアカウントを作成する前の取引サービス等の他サービスの履歴を利用する構成でもよい。
【0069】
上記(2)に関するより具体的な情報は、例えば、決済のキャンセル回数(回数が多いと低評価となる)や、店舗などの決済相手とのトラブル有無、などの情報が含まれる。
【0070】
上記(3)において、ユーザと他ユーザとの類似度合を判断するために用いる具体的な情報は、例えば、年齢、評価、取引件数、コメントの内容、住所、性別、使用頻度、決済金額の平均、などの情報が含まれる。また、個人間売買のサービスの場合には、売買の回数、キャンセル回数、CS(顧客満足)部門の介入の回数、相手方との取引メッセージのタイミング(購入後のタイミングが多いとトラブルありと推測できる)など、売買に関する具体的な情報も含めることができる。
【0071】
また、上限金額の決定の手法は、以下の手順で行ってもよい。まず、サーバ110の制御部313がユーザ情報に基づいて1以上の候補金額から成る候補金額リストを決定して、端末120に送信して表示させる。次に、端末120のユーザが候補金額リストから1つの金額を選択すると、選択された金額の情報が端末120からサーバ110に返信される。そして、サーバ110の制御部313は、端末120から受信した、選択された金額を上限金額として決定する。 ユーザが任意に金額を選択できることにより、ユーザが大きな金額の設定をしなければならないという心理的なハードルを下げることができる。
【0072】
また、候補金額リスト内の候補金額は、例えば、ユーザ情報に基づきユーザに付与可能な後払いサービスの「最大金額」を設定し、リスト内のすべての金額がこの最大金額以下となるように設定することができる。なお、候補金額リストはユーザが金額を設定できるものであればどのようなものであってもよい。例えば、下限を0円、上限をユーザ情報に基づいた最大金額とする調整バーでユーザが任意の金額を指定できるようにしても良い。
【0073】
なお、ステップS6の上限金額を設定する処理は、端末120のユーザに上限金額の希望金額の入力を促す画面を端末120に表示させ、ユーザが希望金額を入力すると、端末120で入力された金額が上限金額として設定される構成でもよい。
【0074】
ステップS7において、サーバ110の制御部313は、送受信部312を介して、設定された後払いサービスの上限金額の情報を端末120に送信する。
【0075】
ステップS8では、後払いサービスの上限金額が端末120のユーザに提示され、決済処理を実施可能となる。
【0076】
(上限金額設定画面)
図6、
図7を参照して、ステップS6において、サーバ110の制御部313が、端末120のユーザに候補金額リストから1つの金額を選択させる処理を含む場合の手順を説明する。
図6、
図7は、ステップS6において端末120に表示される上限金額設定画面124の一例を示す図である。
図6に示すように、上限金額設定画面124には、上限金額の候補金額のプルダウンメニュー125と、設定ボタン126とが表示されている。プルダウンメニュー125の折り畳み表示の場合、例えば
図6に示すように、ユーザに付与可能な最大金額(
図6の例では「¥20000」)が仮に選択されている。
【0077】
プルダウンメニュー125の展開ボタン125Aが押下されると、
図7に示すようにプルダウンメニュー125が展開されて候補金額リスト127が表示される。
図7の例では、最大金額の20000円から5000円刻みで減額されて4種類の候補金額(¥20000、¥15000、¥10000、¥5000)が設定されている。これらの候補金額は、サーバ110の制御部313により設定されて、端末120に送信されている。この候補金額リスト127の中から1つの金額(本実施形態では「¥10000」)が選択されて、
図6の画面に戻って設定ボタン126が押下されると、選択された金額の情報が端末120からサーバ110に送信され、サーバ110の制御部313によって、選択された金額がステップS6の上限金額として設定される。
【0078】
図8は、ステップS7の後に端末120に表示される後払いサービス利用画面128の画面遷移の一例を示す図である。
図8(A)に示すように、後払いサービス利用画面128にはステップS6で設定された後払い上限金額(¥10000)が反映されて表示され、まず後払いサービスが利用可能になった旨の説明ウィンドウ129がポップアップ表示される。
【0079】
なお、後払いサービスを設定した場合でも、アカウントに売上金(アカウントの入金額)やポイントが付与されている場合には、売上金やポイントを優先的に利用して決済処理を行ってもよい。この場合、例えば
図8(B)に示すように、売上金・ポイントを優先利用する旨の説明ウィンドウ131がポップアップ表示されてもよい。
【0080】
そして
図8(A)、(B)の説明ウィンドウ129、131を閉じた後の後払いサービス利用画面128は、
図8(C)のように表示される。
図8(C)に示すように、後払いサービス利用画面128には後払いサービスの利用可能金額欄133、支払金額欄134、後払いサービスの支払い手続ボタン132が表示され、また、支払期限等の情報も表示されている。
【0081】
図9は、ステップS8の決済処理利用後の後払いサービス利用画面128の一例を示す図である。
図9には、後払いサービスの購入履歴135が表示され、購入履歴135に表示されている購入金額の合計金額が画面上部の支払金額欄134に表示されている。また、
図8(c)と比較して、後払いサービスの利用可能金額欄133は、支払金額欄134の金額分だけ減額して表示されている。
【0082】
なお、
図4の例では、サーバ110が端末120に後払いサービスを提案する所定条件として、ステップS2の本人認証処理にてeKYCを利用する場合としたが、銀行口座を設定せずに本人認証を行った場合であればどのようなものであってもよく、例えば本人限定受取郵便を利用する場合でもよい。また、端末120のユーザについて、アカウントに資金を移動できる銀行口座が対応付けられていない場合でもよい。
【0083】
また、サーバ110が端末120に後払いサービスを提案する他の所定条件としては、例えば、アカウントにチャージされている、決済に使用可能なバリューの最大値が所定以下の場合でもよい。アカウントにチャージされているバリューが比較的低い範囲で推移していると、決済金額が不足する状況が多くなると推測でき、後払いサービスがユーザにとって有用である場合が多いと考えられるからである。一方、アカウントにチャージされているバリューが高額であると、決済金額が不足する状況は極めて少なくなり、ユーザにとって後払いサービスの価値が低いと考えられるため、提案を行わなくてもよい。
【0084】
また、
図4のステップS6における後払いサービスの上限金額を設定する処理は、一度上限金額を設定した後でも、ユーザ情報の変化に応じて上限金額を変更する処理を含んでもよい。また、上限金額を変更する処理にて上限金額を変更するとき、端末120にその旨を事前告知する処理を含んでもよい。
【0085】
なお、上限金額を変更する処理は、より詳細には下記の処理を含んでもよい。ユーザ情報の変化により、最大金額が高くなった場合であって、上限金額が変更前の最大金額に設定されている場合に、上限金額を変更後の最大金額とする処理。なお、ユーザ情報の変化により、最大金額が高くなった場合であって、上限金額が最大金額未満に設定されている場合は、上限金額を変更しなくてもよい。
【0086】
また、ユーザ情報の変化により、最大金額が小さくなった場合であって、上限金額が最大金額に設定されている場合に、上限金額を変更後の最大金額とする処理。なお、ユーザ情報の変化により、最大金額が小さくなった場合であって、上限金額が変更後の最大金額よりも高い場合は、上限金額を変更後の最大金額としてもよい。これにより、従前より上限金額を最大金額より低く設定している場合には、最大金額が変動しても無闇に上限金額を変更して従前より大きくなるのを防止できる。
【0087】
また、
図4のステップS6における後払いサービスの上限金額を設定する処理は、ユーザが設定した上限金額が毎月加算される構成や、ユーザが設定した上限金額になるように、前月の後払いサービスの支払金額分だけ毎月加算される構成としてもよい。