(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一の部分および前記第二の部分が回転軸周りで相互に回転するように構成されており、前記ブッシングが該回転軸周りで前記ゆがみ可能な本体を取り囲んでいる請求項1〜4の何れか1項に記載のトルクセンサ装置。
【背景技術】
【0001】
本発明は、ロボットジョイント用の駆動装置、特に、ロボットリストに関するものである。
【0002】
例えば産業用または外科用ロボットのような、物を巧みに扱うために必要とされるロボットは、多数の可撓性ジョイントによって互いに直列に連結された剛性エレメントからなるアームを有していることが多い。かかるジョイントは、任意のタイプのものであってもよいが、一般的には回転ジョイントであってもよいし、あるいは回転ジョイントと直進ジョイントの組み合わせであってもよい。アームは、位置が固定されているあるいは移動可能とされているベースから延び出して、ツールまたはツール用のアタッチメントで終わる。ツールは、例えば、把持する、切断する、照らす、照射するまたは撮像するツールであってもよい。アーム内の最終ジョイントを、リストと呼んでもよい。かかるリストは、単一の軸周りのみの運動を可能としてもよいし、あるいは複数の軸周りの回転を可能にする複雑なまたは複合的な関節であってもよい。本発明者らの同時係属中の特許出願PCT/GB2014/053523に開示されているように、リストは、軸がアームに対してほぼ長手方向に延びる2つのロールジョイントを備えていてもよいし、軸がアームをほぼ横断する2つのピッチ/ヨージョイントによって分離されていてもよい。
【0003】
外科用ロボットの場合、アームの遠位ジョイントの設計に影響を与える多くの重要な基準が存在する。
1.アーム、特にリストが位置する遠位部分が小型であることが望ましい。これにより、複数のこのようなロボットアームが近接して動作することが可能になり、それゆえアームが行うことができる外科手術の範囲をより広げる。
2.アームの遠位部の外形は、アームの長さに対して円対称であることが望ましい。これにより、遠位部は、別のロボットや他のいくつかの機器や患者に近接している場合に、再配置する必要なく長手方向に回転させることができる。
3.ジョイントは、高いトルクを伝達可能であることが望ましいことから、より重いツールを運搬し、高い加速度をツールの先端に伝達することができる。
4.ジョイントは硬く、殆んどあるいは全く遊びや弾性がないことが望ましいことから、ツールの先端が位置決めされた際にはそこに固定されるであろう。遊びを最小化するための従来のやり方は、1つ以上のギアエレメントを犠牲として指定することであるが、このことは高いレベルのメンテナンスを必要とし、アーム内に磨耗したギアの小片が放たれる可能性がある。
5.全ての関節接合は位置および力/トルクセンサを有することが望ましいことから、制御機構は、これらのセンサからデータを取り込むことができる。
6.ロボットアームの遠位部は、ロボットアームのより近位のジョイントによって及ぼされるべき力を低減するために、可能な限り軽量であることが望ましい。
7.一般的なロボットアームは、その駆動モータおよび恐らくはツールに電力を供給するケーブルを有しており、位置センサやトルクセンサや撮像センサのようなセンサからの信号をフィードバックする。アームは、そのようなケーブルがアームの内部を通過する経路を含んでいることが望ましい。
【0004】
多数の重要な基準は、全ての要件を最良にバランスさせるアームを設計することを困難にしている。
【0005】
1つの特有の問題は、ロボットアームのリストにどのようにモータおよびギアを取り付けるかである。かかる配置はコンパクトであるべきであるが、また高い剛性およびトルク伝達を許容すべきである。多くの既存の設計は、これらの基準のうちの1つを妥協している。
【0006】
ロボットアームのジョイント用に改良された駆動装置の必要性が存在する。
【0007】
別の特有の問題は、ロボットアームのリストにどのようにトルクセンサを取り付けるかである。かかる配置はコンパクトであるべきであるが、トルク測定の高い精度も許容すべきである。
【0008】
ロボットアームのジョイント用に改良されたトルクセンサ配置の必要性が存在する。
【0009】
別の特有の問題は、ロボットアームのリストにどのように位置センサモータを取り付けるかである。かかる配置はコンパクトであるべきであるが、高い精度も許容すべきである。
【0010】
ロボットアームのジョイント用および他の用途に改良された位置センサ配置の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0011】
本発明によれば、アームの第一の肢をアームの第二の肢に対して2本の非平行な回転軸周りで関節運動させるジョイント機構を含んで構成されたロボットアームであって、該ジョイント機構が、第一の回転軸を有する第一の回転ジョイントによって前記第一の肢に取り付けられて、第二の回転軸を有する第二の回転ジョイントによって前記第二の肢に取り付けられた中間キャリアと、前記第一の回転軸周りに配置されると共に前記中間キャリアに固定されることによって該中間キャリアの前記第一の肢に対する該第一の回転軸周りの回転を駆動可能な第一の駆動ギアと、前記第二の回転軸周りに配置されると共に前記第二の肢に固定されることによって該第二の肢の前記中間キャリアに対する該第二の回転軸周りの回転を駆動可能な第二の駆動ギアと、を含んで構成されており、前記第一および第二駆動ギアの少なくとも一方がセクターギアとされており、前記セクターギアはべベルギアであることを特徴とするロボットアームが提供される。
【0012】
前記第一および第二駆動ギアのうち一番目の駆動ギアがセクターギアとされていてもよい。前記第一および第二駆動ギアの一方のみがセクターギアとされていてもよい。セクターギアとされるのは第一または第二駆動ギアのいずれでもよい。
【0013】
前記または各セクターギアが歯付ギアであってもよい。
【0014】
前記または各セクターギアがべベルギア、すなわち、ピッチ面がまっすぐな側面の、もしくは湾曲した円錐であり、および/又は歯がそのような円錐上に配置される歯車であってもよい。
【0015】
前記または各セクターギアの有効セクターが180°未満であってもよい。
【0016】
前記第一および第二駆動ギアの一方の少なくとも一部が、該第一および第二駆動ギアの他方の半径方向最外側部分と一致する、該第一および第二駆動ギアの他方の軸周りの円と交差していてもよい。
【0017】
前記中間キャリアが、前記第一および第二駆動ギアの一方に駆動を伝達するための中間連結部を有していると共に、該中間連結部の少なくとも一部が、該第一および第二駆動ギアの他方の半径方向最外側部分と一致する、該第一および第二駆動ギアの他方の軸周りの円と交差していてもよい。
【0018】
第一駆動ギアの一方または両方がべベルギアであってもよい。
【0019】
第一駆動ギアの一方または両方が斜行軸ギアであってもよい。
【0020】
前記第一および第二の回転軸が直交していてもよい。前記第一および第二の回転軸が互いに交差していてもよい。
【0021】
前記または各セクターギアが、無効セクターにおいて有効セクターよりも小さな外径を有していてもよい。
【0022】
前記アームが、前記第一の肢に隣接し、カプラに対して該第一の肢の反対側にある第三の肢と、前記第二の肢に隣接し、カプラに対して該第二の肢の反対側にある第四の肢と、前記第三の肢と前記第一の肢とを一緒に取り付ける第三の回転ジョイントであって、前記第一の回転軸と直交する第三の回転軸を有する第三の回転ジョイントと、前記第四の肢と前記第二の肢とを一緒に取り付ける第四の回転ジョイントであって、前記第二の回転軸と直交する第四の回転軸を有する第四の回転ジョイントと、を含んで構成されていてもよい。
【0023】
前記第一および第三の回転軸が、前記ジョイントの全ての構成において直交していてもよい。
【0024】
前記第二および第四の回転軸が、前記ジョイントの全ての構成において直交していてもよい。
【0025】
前記第三および第四の肢のうち、より遠位の肢がツールまたはツールアタッチメントを含んで構成されていてもよい。
【0026】
前記第三および第四の肢の一方が前記アームの最遠位肢とされていてもよい。
【0027】
前記第三および第四の回転軸が、前記ジョイントの少なくとも一つの構成において一致していてもよい。
【0028】
本発明の別の態様によれば、第一の部分と第二の部分との間に取り付けられて、それらの間のトルクを検知するためのトルクセンサ装置であって、該トルクセンサ装置が、前記第一の部分と回転的に係合するための係合構成を外面に有するインターフェース部材と、ねじれ部材であって、ゆがみ可能な本体を含んで構成されており、該ゆがみ可能な本体が、一方の端部を前記インターフェース部材に取り付けられると共に、他方の端部に前記第二の部分と
固定的に係合するための係合構成を備えているねじれ部材と、前記ゆがみ可能な本体に取り付けられたゆがみセンサと、を含んで構成されており、前記インターフェース部材が、前記ゆがみ可能な本体の周りを延びる剛性の
ネックを画定していると共に、前記トルクセンサ装置が、該
ネックと該ゆがみ可能な本体の間に配置されてその両方と接触しているブッシングを更に含んで構成されていることを特徴とするトルクセンサ装置が提供される。
【0029】
前記ブッシングが固体ブッシングであってもよい。前記ブッシングが材料の単体筒であってもよい。前記ブッシングがプラスチック材料で形成されていてもよい。
【0030】
前記第一の部分および前記第二の部分が回転軸周りで相互に回転するように構成されていてもよい。前記ブッシングが該回転軸周りで前記ゆがみ可能な本体を取り囲んでいてもよい。
【0031】
前記ブッシングが剛性のブッシングであってもよい。
【0032】
前記第一の部分および前記第二の部分が、回転軸を中心に相互に回転するように構成されていてもよい。前記ブッシングの素材が、該回転軸周りのせん断荷重を前記ゆがみ可能な本体から前記
ネックへ実質的に伝達するようなものであって、該ゆがみ可能な本体のねじれを該
ネックから実質的に分離するようなものであってもよい。
【0033】
前記インターフェース部材が、前記
ネックの、前記ねじれ部材が該インターフェース部材に取り付けられている側とは反対側に段差を含んで構成されていてもよい。該ねじれ部材は、該ねじれ部材が該インターフェース部材に取り付けられたときに、前記ブッシングを該段差に対してつながれた状態で保持するように構成されていてもよい。
【0034】
前記ゆがみ可能な本体は中空の本体である。前記ゆがみ可能な本体が中空円筒であってもよい。該ゆがみ可能な本体は、該円筒の軸周りでねじりゆがみ、および/又は曲げゆがみ可能とされていてもよい。
【0035】
前記ゆがみセンサが歪みゲージであってもよい。
【0036】
前記第一の部分と回転的に係合するための前記係合構成が一式のギア歯であってもよい。該ギア歯は、べベルギア、すなわち、ピッチ面がまっすぐな側面の、もしくは湾曲した円錐であり、および/又は歯がそのような円錐上に配置される歯車、のギア歯であってもよい。
【0037】
前記第二の部分と
固定的に係合するための前記係合構成がスプライン結合であってもよい。
【0038】
前記インターフェース部材が前記第一の部分と回転的に係合していてもよい。前記ねじれ部材が前記第二の部分と
固定的に係合していてもよい。
【0039】
前記トルクセンサ装置が、ロボットアームの2つの肢の間のトルクを検知するようになっていてもよい。
【0040】
本発明の別の態様によれば、第一の部分と第二の部分の間の第一の回転軸周りの回転運動を検知する回転位置センサであって、複数の磁極を画定すると共に前記第一の部分に取り付けられた第一のリングと、複数の磁極を画定すると共に前記第一の部分に取り付けられた第二のリングと、第一のセンサであって、該第一のセンサを通過した前記第一のリングの前記磁極の運動を検知するために前記第二の部分に取り付けられた第一のセンサと、第二のセンサであって、該第二のセンサを通過した前記第二のリングの前記磁極の運動を検知するために前記第二の部分に取り付けられた第二のセンサと、を含んで構成されており、前記第一のリングおよび前記第二のリングが、前記第一の回転軸に沿って、前記回転ジョイントの両側に離間されていることを特徴とする回転位置センサ装置が提供される。
【0041】
前記第一の部分が、前記第一および第二のリングの前記磁極の間に介在された素材を含んで構成されていてもよい。該素材は金属材料であってもよい。該素材は非磁気的に影響を受けやすい素材であってもよい。
【0042】
前記第一および第二の部分が、前記第一の回転軸周りで前記回転ジョイントを画定する一対のベアリングによって取り付けられていてもよい。該ベアリングが該第一の回転軸に沿って該前記第一および第二の部分の間のインターフェースの端に配置されていてもよい。前記第一のリングが一方の該ベアリングに配置されていると共に前記第二のリングが他方の該ベアリングに配置されていてもよい。
【0043】
前記第一のリングが、前記第一の回転軸に垂直な、前記一方のベアリングと共通の平面内に位置するように配置されていてもよい。前記第二のリングが、前記第一の回転軸に垂直な、前記他方のベアリングと共通の平面内に位置するように配置されていてもよい。
【0044】
前記第一のリングが前記一方のベアリング周りに配置されていてもよい。前記第二のリングが前記他方のベアリング周りに配置されていてもよい。
【0045】
前記第一の回転軸に沿った前記第一および第二のリングの間の間隔が、前記第一の回転軸に沿った方向の該第一および第二のリングの厚さの5倍よりも大きくされていてもよい。該第一および第二のリングが異なる厚さを有している場合は、該間隔は、より薄い方のリングの厚さの5倍よりも大きくされていてもよい。
【0046】
前記第二の部分が前記ロボットアームの前記第一の肢であってもよい。前記第一の部分が、該第一の肢を前記ロボットアームの前記第二の肢に取り付けるカプラとされていてもよい。該カプラは剛性エレメントであってもよい。
【0047】
前記第一の回転軸に対して傾斜した、特に直交した、第二の回転軸を有する回転ジョイントによって前記カプラが前記第二の肢に取り付けられていてもよい。
【0048】
第一および第二のセンサは、センサに対するリングの極の相対位置を2ビット以上の分解能で検出することが可能とされていてもよい。リングは異なる数の極を有していてもよい。極数は互いに素とされていてもよい。
【0049】
本発明を、添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下に説明するリスト機構は、ロボットのリストのジョイントの少なくともいくつか、あるいは他のアプリケーションに対して、コンパクトで機械的に有利な構成を提供することが判明している。
【0052】
図1は、ベース2から延びるアーム1を有する外科用ロボットを示している。アーム1は、多数の剛体肢3を含んでいる。肢3は、回転ジョイント4によって連結されている。最近位肢3aは、ジョイント4aによってベースに連結されている。かかる肢3と他の肢3は、さらなるジョイント4によって直列に連結されている。リスト5は、4つの個別の回転ジョイントから構成されている。リスト5は、アーム1の最遠位肢3cに対して1つの肢3bを連結している。最遠位肢3cは、外科用器具またはツール9用のアタッチメント8を有している。アーム1の各ジョイント4は、それぞれのジョイント4で回転運動を生じさせるように操作可能とされた1つまたは複数のモータ6と、現在の構成および/またはそのジョイントにおける負荷に関する情報を提供する、1つまたは複数の位置および/またはトルクセンサ7と、を有している。明瞭化のために、モータおよびセンサのいくつかのみが
図1に示されている。アーム1は、一般に、本発明者らの同時係属中の特許出願PCT/GB2014/053523に記載されているものであってもよい。ツール用のアタッチメントポイント8は、(i)ツールをアームに対して機械的に取り付けることを可能にする構成と、(ii)ツールとの間で電気的および/または光学的な出力および/またはデータを通信するためのインターフェースと、(iii)ツールの一部の動きを駆動するための機械的駆動装置、の任意の1つまたは複数のものを適宜含むことができる。一般に、モータは、重量分布を改善するように、駆動するジョイントの近位に配置されていることが好ましい。以下に説明するように、モータやトルクセンサやエンコーダ用のコントローラは、アームと一緒に配置される。コントローラは、通信バスを介して制御ユニット10に接続されている。
【0053】
制御ユニット10は、プロセッサ11とメモリ12を備えている。メモリ12は、モータ6の動作を制御してアーム1をここに記載されているように動作するように、プロセッサによって実行可能なソフトウェアを非過渡的に記憶している。特に、ソフトウェアは、プロセッサ11を制御して、モータ(例えば、配置されたコントローラを介して)をセンサ7からの入力および外科医コマンドインターフェース13からの入力に応じて駆動することができる。制御ユニット10は、ソフトウェアの実行により生成された出力に応じてそれらを駆動するために、モータ6に接続されている。制御ユニット10は、センサからの検知された入力を受け取るためにセンサ7に接続されていると共に、それからの入力を受け取るためにコマンドインターフェース13に接続されている。それぞれの接続は、例えば、それぞれが電気ケーブルまたは光ケーブルであってもよいし、無線接続であってもよい。コマンドインターフェース13は、ユーザが所望の方法でアームの動きを要請できる1つ以上の入力装置を備えている。入力装置は、例えば、コントロールハンドルやジョイスティックや光学式ジェスチャーセンサのような非接触入力装置などの手動で操作可能な機械式入力装置であってもよい。メモリ12に記憶されたソフトウェアは、これらの入力に応答し、それに応じて所定の制御手順に従ってアームのジョイントを移動させるように構成されている。制御手順は、コマンド入力に応答してアームの動きを加減する安全機能を含んでいてもよい。したがって、要約すると、外科医は、コマンドインターフェース13でロボットアーム1を制御して、所望の外科手術を実行するように動かすことができる。制御ユニット10および/またはコマンドインターフェース13は、アーム1から離れていてもよい。
【0054】
図2は、ロボットのリスト5をより詳細に示している。リスト5は、4つの回転ジョイント300,301,302,303を備えている。かかるジョイントは、各ジョイントから次のジョイントに延びるアームの剛性部位を含んで、直列に配置されている。リストの最も近位側のジョイント300は、アーム部位4bをアーム部位310に結合している。ジョイント300は、リストの関節のすぐ近位にあるアームの肢部4bにほぼ沿って指向されている、“ロール”回転軸304を有している。リストの次の最も近位側のジョイント301は、アーム部位310をアーム部位311に結合している。ジョイント301は、ジョイント300とジョイント301の全ての構成において軸304に垂直な“ピッチ”回転軸305を有している。リストの次の最も近位側のジョイント302は、アーム部位310をアーム部位311に結合している。ジョイント302は、ジョイント301,302の全ての構成において軸305に垂直な“ヨー”回転軸306を有している。リストのいくつかの構成では、軸306は、軸304に対しても垂直である。リストの次の最も近位側のジョイント303は、アーム部位311をアーム部位4cに結合している。ジョイント303は、ジョイント302,303の全ての構成において軸306に垂直な“ロール”回転軸307を有している。リストのいくつかの構成では、軸307は、軸305に対しても垂直であると共に、軸304と平行である(好ましくは同一直線上にあることが望ましい)。このことが特にコンパクトな構成を提供するために、軸305,306が互いに交差していることが望ましい。ジョイント300,303は、リストのいくつかの構成において、軸304,307が軸305,306の交点を通過できるように配置されていてもよい。
【0055】
このリストのデザインは、比較的コンパクトな形状で組み立てられることが可能であり、かつ、個々のジョイントに過度に高い速度を要求することができる運動範囲の特定の部分に特異点を有していないこと以外には、アーム部位4cの先端のアタッチメントポイント8に取り付けられたツールから広範囲の移動を可能にするという点で有利である。
【0056】
図3および
図4は、
図1のアーム1のリスト5の一部を実現するのに適した機構の一例を示している。
図3および
図4は、
図2に301,302で示すジョイントに対応する機構に的を絞っている(
図5〜10のように)。
【0057】
リスト5の領域において、剛性アーム部位310,311は、中空の外側のシェルまたはケース310’,310”,311’を有している。かかるシェルは、アームの外面の大部分を画定していると共に、各シェルの外壁に部分的または完全に包囲され、その内部にモータやセンサやケーブルやアームの他のコンポーネントが収容される空隙を含んでいる。シェルは、金属、例えばアルミニウム合金や鋼、または複合体、例えば樹脂強化炭素繊維のような繊維強化樹脂複合体、から形成されていてもよい。シェルは、各ジョイント間に取り付けられるアーム部位の剛性構造の一部を構成している。シェルは、
図7の実施形態に関して後述するような構造骨組を含んでいてもよい。
【0058】
図3および
図4に、明確化のために、アーム部位310のシェルが、2つの部位310’と310”で示されており、両者はアウトラインで描画されていると共に互いに分解されている。アーム部位4b、4cのシェルは、ジョイント300,303に関連する機構と同様に、省略されている。アーム部位311のシェルは、部分的すなわち平部位311’から延び出す大部分、が示されている。
【0059】
アーム部位310(シェル部位310’と310”で構成されている)のシェルと、アーム部位311(平部位311’から延び出している)のシェルが、20と21で示されている2つの回転軸周りに互いに移動可能である。これらは、
図2の軸305,306に対応している。軸20,21は直交している。軸20,21は交差している。中央カプラ28は、ベアリング29,30によってアーム部位310に取り付けられている。かかるカプラは、ベアリング29,30間に延び出している。ベアリング29,30は、軸20周りのカプラとアーム部位の相対的な回転を可能にすることを除いては、カプラをアーム部位310に固定的に保持しており、したがって、
図2のジョイント301に対応する回転ジョイントを規定している。さらにベアリング31は、遠位側のシェルコネクタ平部位311’をカプラ28に取り付けている。ベアリング31は、軸21周りの平部位とカプラの相対運動を許容することを除いて、遠位側シェルコネクタ平部位311’をカプラ28に固定的に保持しており、したがって、
図2のジョイント302に対応する回転ジョイントを規定している。
【0060】
2つの電動モータ24,25(
図4参照)がアーム部位310に装着されている。かかるモータは、リスト機構の途中に延びる各駆動シャフト26,27を駆動している。シャフト26は、軸20周りの回転を駆動する。シャフト27は、軸21周りの回転を駆動する。駆動シャフト26は、ウォームギア32の遠位端で終わっている。ウォームギア32は、カプラ28に固定されているべベルギア33に係合している。駆動シャフト27は、ウォームギア34の遠位端で終わっている。ウォームギア34は、さらにウォームギア36で終端する一般に35で示されるギア列に係合している。ウォーム形ピニオンギア36は、遠位側シェルコネクタ311’に固定されているハイポイドべベルギア37と係合している。
【0061】
ギア33は、セクターギアとして形成されている。すなわち、動作円弧(その歯の円弧によって
図3および
図4の例で定義されている)が360°未満である。
【0062】
ギア列35は、カプラ28によって支持されている。ギア列35は、ウォームギア34に係合する入力ギア38を備えている。入力ギア38は、カプラ28に対するその回転軸が軸20と一致するように配置されている。このことは、軸20周りのアーム部位310に対するカプラ28の構成にかかわらず、入力ギアがウォームギア34と係合し続けることができることを意味している。軸20と平行な軸を有する一連のさらなるギアは、キャリア28に対する回転軸と平行であるが軸20からオフセットしているシャフト40上において入力ギア38から出力ギア39に駆動を伝達する。シャフト40はウォームギア36で終わっている。シャフト40は軸20に平行に延びている。ギア列35のギアは、シャフト40と共に、カプラ28によって支持されている。
【0063】
次に、リスト機構の動作について説明する。軸20周りの動きに対しては、モータ24がシャフト26を駆動して、アーム部位310に対して回転するように操作される。これにより、べベルギア33が駆動され、したがって、カプラ28および遠位側シェル平部位311’は、アーム部位310に対して軸20周りに回転する。軸21周りの動きに対しては、モータ25がシャフト27を駆動して、アーム部位310に対して回転するように操作される。これにより、べベルギア37が駆動され、したがって、遠位側シェルコネクタ平部位311’は、アーム部位310に対して軸21周りに回転する。駆動シャフト26が回転されると、カプラ28を回転駆動して、駆動シャフト27が静止している間、軸21周りに遠位側シェルコネクタ平部位311’の寄生運動を生じさせるように、ギア38もカプラ28に対して回転する、ことが確認されるであろう。これを防止するために、アームの制御システム10は、必要に応じて、駆動シャフト26の動きに連動して駆動シャフト27の補償動作を行い、軸20周りの動きから軸21周りの動きを分離するように構成されている、例えば、シェル310,311を軸20周りだけで相対運動させる必要がある場合には、モータ24を作動させてその運動を生じさせる一方、同時にモータ25は、入力ギア38がキャリア28に対して回転するのを防止するように操作される。
【0064】
図3および
図4に示される機構の様々な態様は、機構を特にコンパクトにする手助けをするのに有利である。
1.べベルギア33は、部分円形、すなわちその歯が完全な円を含まない、方が都合がよい。例えば、ギア33は、270°未満であってもよいし、180°未満であってもよいし、あるいは90°未満であってもよい。このことは、もう一方のべベルギア37の少なくとも一部が、ギア33の軸の周りでギア33の最も外側の部分と同じ半径を有する、ギア33と一致する円と交差するように配置されることを許容している。かかる特徴は、複合ジョイントの広がりの規模を減少させるのに役立つと同時に、一対のロールジョイントと共にそれらの間に一対のピッチ/ヨージョイントを備えた、
図2に示されるタイプのリストにおいて特に重要である、それは、このタイプのジョイントでは、ピッチ/ヨージョイント間に冗長度があるので、軸20周りの運動が制限されたとしても、アームの遠位端の広範囲の位置に到達することができるからである。
2.部品ギア33が、軸21を中心とした回転とは反対に、キャリア28が最近接アーム部位310に対して回動する際の軸20を中心として回転する方が都合がよい、それは、前述の円と交差するシャフト40を収容するように部品ギアを切断することもできるからである。これにより、ギア列35に対してべベルギア33の反対側にウォームギア36を位置させることで省スペース化を図ることができる。しかしながら、他の設計では、部品ギアは軸21周りに回転することができることから、ギア37は部分円形の形状とすることができる。
3.ウォームギア32,34がべベルギア37に対して軸20の反対側に位置している方が都合がよい。すなわち、片側にウォームギア32,34が配置され、反対側にべベルギア37が配置された、軸20を含む平面があるのである。このことは、コンパクトなパッケージング配置を提供する手助けとなる。
4.ウォームギア34がウォームギア36から離れてべベルギア33の反対側に位置し、および/またはギア列35がウォームギア36から離れてべベルギア33の反対側のみに配置されている方が都合がよい。このことはまた、コンパクトなパッケージング配置を提供する手助けとなる。
5.好都合なことに、ギア33および/またはギア37は、それぞれの外形半径の平面内に配置されたウォームギアから離れるような駆動が可能であることから、べベルギアとして提供されている。しかし、それらは、ウォームギア32,34または径方向に歯が付けられたギアによってそれら外面に係合された外歯ギアであってもよい。
6.好都合なことに、べベルギア33は、ウォームギア32,34間に介在するように配置されている。このことは、モータ24,25のコンパクトなパッケージングの手助けとなる。
7.好都合なことに、べベルギアおよびそれらに結合するウォームギアは、ハイポイドや斜行軸、例えば、スピロイド(登録商標)、とすることができる。これらのギアは、比較的コンパクトな形態で比較的高いトルク容量を可能にする。
【0065】
図5および
図6は、
図2に示すタイプのリスト内のジョイント301,302を提供するのに適したリスト機構の第2の形態を示している。
【0066】
図5に示すように、リストは、
図2のアーム部位310,311のそれぞれの外面を規定する一対の剛性の外側のシェル310’、311’を備えている。310’は、シェルの中でより近位にある。シェル310’、311’によって形成されたアーム部位は、
図2の軸305,306にそれぞれ対応する、軸62、63を中心として互いに相対的に回動できる。軸62,63は直交している。軸62,63は交差している。シェル310’、311’は、リストの領域におけるアームの外側を規定しており、以下に詳細に説明するように、回転機構を収容するためや、ケーブル等を通すためのスペース確保のために中空とされている。シェルは、金属、例えば、アルミニウム合金や鋼、または複合体、例えば、樹脂強化炭素繊維のような繊維強化樹脂複合体から製造することができる。シェルは、各ジョイントの間に取り付けられるアーム部位の主要な剛体構造を構成している。
【0067】
図6は、明確化のためにシェル311’が取り外された状態で、遠位側および片側から見た同じ機構を示している。
【0068】
シェル310’は、十字型カプラ64によってシェル311’に連結されている。カプラは、ほぼアームの長さ方向に延びて、その中心を通るダクトを画定する中央チューブ65を有している。第1アーム66,67および第2アーム68,69は、チューブから延び出している。各シェル310’、311’は、単一の軸を中心として回転するだけでカプラに対する移動に限定されるように、回転ジョイントによってカプラ64に取り付けられている。第1アーム66,67は、軸62を中心とする第1アームとシェル310’間の回転を許容する、ベアリング70,71によってシェル310’に取り付けられている。第2アーム68,69は、軸63を中心とする第2アームとシェル311’間の回転を許容する、ベアリング72,73によってシェル311’に取り付けられている。第1べベルギア74は、第1アーム66,67と同心である。第1べベルギア74は、カプラ64に固定されており、2つのシェルの近位側の一方310’に対して回転自在とされている。第2べベルギア75は、第2アーム68,69と同心である。第2べベルギアは、2つのシェルの遠位側の一方311’に固定されており、カプラ64に対して回転自在とされている。
【0069】
2つのシャフト76,77は、複合ジョイントの動きを操作している。かかるシャフトは、シェル310’の近位側の一方からジョイントの中央領域に延びている。各シャフトは、その近位端において、それぞれの電気モータ(図示せず)のシャフトに取り付けられており、かかるモータのハウジングは、近位側シェル310’内に固定されている。このようにして、シャフト76,77は、モータによって駆動されて、近位側シェル310’に対して回転可能となっている。
【0070】
シャフト76およびそれに関連するモータは、軸62を中心とする動きを操作する。シャフト76は、べベルギア74と係合するウォームギア78の遠位端で終端する。シャフト76の回転は、軸62を中心として、シェル310’に対してべベルギア74を回転させる。べベルギア74は、遠位側シェル311’を順番に有しているカプラ64に固定されている。したがって、シャフト76の回転により、軸62を中心としてシェル310’,311’が相対的に回転する。
【0071】
シャフト77およびそれに関連するモータは、軸63を中心とする動きを操作する。これを行うために、カプラ64によって携帯されるウォームギア79を用いて最終的にべベルギア75を駆動しなければならない。かかるウォームギア79の回転により、カプラと遠位側シェル311’との相対的な回転を生じさせることができる。これを達成するために、駆動は、カプラ64によって支持された一対のギア80,81を介してシャフト77からウォームギア79を軸支するシャフトに伝達されている。シャフト77は、近位側からキャリア64に接近している。ギア80,81は、カプラの遠位側に配置されている。シャフト77は、カプラの中心においてチューブ65によって画成されたダクトを通過する。第1シェル310’に対するカプラ64の動きに適応するために、シャフト77は、その長さに沿ってユニバーサルまたはフックジョイント82を有する。ユニバーサルジョイント82は、軸62上に位置している。フックジョイントの代わりに、シャフトは、別の形態の可撓性結合、例えば、弾性結合(シャフトと一体であってもよい)または等速ジョイントの形態、を有していてもよい。
【0072】
この機構は、機構の構成要素がシェルの動きを過度に制限することなく、軸62および軸63の周りで回転するための特にコンパクトかつ軽量かつ剛性の駆動装置の提供を可能にしていることが判明した。これにより、両モータを近位側シェル内に収容することが可能となり、遠位側の重量を低減できる。
【0073】
図5および
図6に示されている機構の様々な態様は、機構を特にコンパクトにする手助けをするのに有利である。
1.べベルギア74は、部分円形、すなわちその歯が完全な円を含まない、方が都合がよい。例えば、ギア74は、270°未満であってもよいし、180°未満であってもよいし、あるいは90°未満であってもよい。このことは、もう一方のべベルギア75の少なくとも一部が、ギア74の軸の周りでギア74の最も外側の部分と同じ半径を有する、ギア74と一致する円と交差するように配置されることを許容している。かかる特徴は、複合ジョイントの広がりの規模を減少させるのに役立つと同時に、一対のロールジョイントと共にそれらの間に一対のピッチ/ヨージョイントを備えた、
図2に示されるタイプのリストにおいて特に重要である、それは、このタイプのジョイントでは、ピッチ/ヨージョイント間に冗長度があるので、軸62周りの運動が制限されたとしても、アームの遠位端の広範囲の位置に到達することができるからである。
図6に示すように、べベルギア74は、その歯に含まれない領域では半径が小さくなっている。他の実施形態の部分円形べベルギアも同様にして形成されてもよい。
2.好都合なことに、ギア74および/またはギア75は、それぞれの外形半径の平面内に配置されたウォームギアから離れるような駆動が可能であることから、べベルギアとして提供されている。しかし、それらは、ウォームギア76,79または径方向に歯が付けられたギアによってそれら外面に係合された外歯ギアであってもよい。
3.好都合なことに、べベルギアおよびそれらに結合するウォームギアは、斜行軸、例えば、スピロイド(登録商標)、とすることができる。これらのギアは、比較的コンパクトな形態で比較的高いトルク容量を可能にする。
【0074】
図7〜10は、リスト機構の別の形態を示す。これらの図において、アーム部位310,311のシェルは省略され、アーム部位内の構造が露出されている。近位側アーム部位310は、構造骨組100を有し、この構造骨組100は、いくつかの図面において概略的に示されている。遠位側アーム部位311は、構造骨組101を有している。アーム部位310,311は、
図2の軸305,306にそれぞれ対応する、軸102,103を中心として互いに相対回転可能である。キャリア104は、アーム部位310,311を共に連結している。キャリア104は、ベアリング105,190によってアーム部位310に取り付けられている。これらのベアリングは、アーム部位310とキャリア104の間の軸102周りの回転ジョイントを規定している。キャリア104は、ベアリング106によってアーム部位311に取り付けられている。これらのベアリングは、アーム部位311とキャリア104の間の軸103周りの回転ジョイントを規定している。軸102を中心とする第1べベルギア107は、キャリア104に固定されている。軸103の周りの第2べベルギア108は、アーム部位311に固定されている。
【0075】
この中で説明した他の機構と同様に、キャリア104は、肢310,311の内側に配置されている。
【0076】
2つのモータ109,110が、アーム部位310の骨組100に固定されている。モータ109はシャフト111を駆動する。シャフト111は剛体であり、べベルギア107と係合するウォームギア118で終端している。モータ109が操作されると、シャフト111は、近位側アーム部位310に対して回転して、べベルギア107、それゆえカプラ104とアーム部位311を駆動して、軸102を中心にアーム部位310に対して回転する。モータ110は、シャフト112を駆動する。シャフト112は、べベルギア108に係合する遠位端部近傍にウォームギア113を有している。カプラ104が軸102周りに移動する際にモータ110に対するべベルギア108の運動を収容するために、シャフト112は、一対のユニバーサルジョイント114,115と、シャフト112の軸方向の伸縮を収容するスプライン結合されたカプラ116を備えている。シャフト112の最終部位は、ベアリング117によってカプラ104に取り付けられている。
【0077】
べベルギア107は、部分円形、すなわちその歯が完全な円を含まない、方が都合がよい。例えば、ギア107は、270°未満であってもよいし、180°未満であってもよいし、あるいは90°未満であってもよい。このことは、もう一方のべベルギア108の少なくとも一部が、ギア107の軸の周りでギア107の最も外側の部分と同じ半径を有する、ギア107と一致する円と交差するように配置されることを許容している。かかる特徴は、複合ジョイントの広がりの規模を減少させるのに役立つと同時に、一対のロールジョイントと共にそれらの間に一対のピッチ/ヨージョイントを備えた、
図2に示されるタイプのリストにおいて特に重要である、それは、このタイプのジョイントでは、ピッチ/ヨージョイント間に冗長度があるので、軸102周りの運動が制限されたとしても、アームの遠位端の広範囲の位置に到達することができるからである。
【0078】
好都合なことに、ギア107および/またはギア108は、それぞれの外形半径の平面内に配置されたウォームギアから離れるような駆動が可能であることから、べベルギアとして提供されている。しかし、それらは、シャフト111,112に取り付けられたウォームギアまたは外面に歯が付けられたギアによってそれらの外面に係合された外歯ギアであってもよい。
【0079】
好都合なことに、べベルギアおよびそれらに結合するウォームギアは、斜行軸、例えば、スピロイド(登録商標)形状、とすることができる。これらのギアは、比較的コンパクトな形態で比較的高いトルク容量を可能にする。
【0080】
上述したメカニズムに対しては、様々な変更を行うことができる。以下のものは、例示であって、限定するものではない。
−軸305,306に対応する軸は交差する必要もないし、直交する必要もない。
−べベルギアまたはそれらの外歯ギアの同等のものは、ウォームギアによって駆動される必要はない。それらは、他のギアによって駆動され得る。
−いずれか一方または両方のべベルギアは、部品ギアであってもよい。
−上記実施形態では、機構は、ロボットアーム用のリストの一部を構成している。かかる機構は、他の用途、例えばロボットアームの他の部分や、ロボットツールや、カメラ用の制御ヘッドのような非ロボット用途、に用いられてもよい。
【0081】
図1を参照して説明したように、各ジョイントには、そのジョイントの軸にかかるトルクを感知するトルクセンサが備えられている。トルクセンサからのデータは、アームの操作を制御するのに使用するために制御ユニット10に提供される。
【0082】
図9および
図10は、トルクセンサの1つとその取り付け配置を断面で示している。トルクセンサ150は、キャリア104から遠位側アームフレーム101まで延びる軸103にかかるトルクを測定する。上述したように、べベルギア108は、フレーム101に固定されており、キャリア104に対して軸103周りに回転可能とされている。べベルギア108は、径方向に延びるギア部151と軸方向に延びるネック部153を備えており、ギア部151からはそのギア歯152が軸方向に延び出している。ネック153と、径方向に延びるギア部151と、ギア歯152は互いに一体化されている。ネック153の内壁および外壁は、円筒形状である。一対のローラまたはボールベアリング類106,154は、ネックの外壁周りにぴったりとフィットしている。ベアリングは、キャリア104のカップ内に位置し、軸103を中心にキャリアに対してべベルギア108の回転を許容しながら、キャリアに対して適切な位置にネック153を保持している。
【0083】
トルクセンサ150は、径方向に延びるトップフランジ155と、トップフランジ155から軸方向に延びるねじれチューブ156と、ねじれチューブ156のトップフランジ155とは反対側の端部に雌ねじが形成されたベース157と、を備えている。トップフランジ155は、べベルギア108のギア部151に接している。トップフランジはボルト158によってギア部に固定的に保持されている。ねじれチューブ156は、べベルギア108のネック153の内側に延び出している。ねじれチューブの外壁は、円筒形状である。ベース157の外側は、軸103に対してかかる2つを固定的に保持するように、フレーム101内の対応する構造と確実に係合するスプライン構造で構成されている。ボルト159は、フレーム101を貫通してベース157に延び、それらを一緒にクランプする。したがって、それは、べベルギア108をアームフレーム101に取り付けるトルクセンサ150であり、軸103にかかるトルクがトルクセンサを介して印加されている。ねじれチューブは、中空内部と、そのねじれチューブ150に比べて薄肉の壁と、を有している。トルクセンサを介してトルクが印加されると、ねじれチューブのわずかなねじれ歪みが生じる。ねじれチューブのゆがみは、ねじれチューブの内壁に固定された歪みゲージ160によって測定される。歪みゲージは、軸103に対するトルクを表す、ねじれを示す電気出力を形成する。歪みゲージは、例えば光出力を提供する光干渉歪み計のような、別の形態であってもよい。
【0084】
トルクセンサから最も正確な出力を得るためには、ねじれチューブ156を迂回するようなべベルギア108からフレーム101へのトルク伝達は回避すべきである。そのため、べベルギア108のネック153とトルクセンサのベース157間の摩擦を低減することが好ましい。1つの可能性は、べベルギアのネックと、トルクセンサのベースおよびねじれチューブの両方との間に隙間を設けることである。しかしながら、このことは、軸103を横断する方向にねじれチューブに剪断力を加えることを可能にし、歪みゲージ160をねじれ力以外にさらすことによりトルクセンサの精度を低下させる。もう1つの選択肢は、ベベルギア108のネックの内部とトルクセンサのベース157の外部の間にベアリング類を導入することである。しかし、このことは、機構によって占有される体積を実質的に増加させる。代わりに、
図8に示された構成は、良好な結果を与えることが示されている
。ブッシング161は、ねじれチューブ156の周りの、べベルギア108のネック153内に設けられている。
ブッシングは、ネック153の内壁とねじれチューブ156の外壁に切れ目なく接触するような大きさとされており、また円筒形状とされている。
ブッシングの内面全体が、ねじれチューブ156の外側と接触している。
ブッシングの外面全体が、ネック153の内面と接触している。
ブッシングは、ネックとねじれチューブ間に比較的小さな摩擦を加えるように構成されており、例えば、
ブッシングは低摩擦または自己潤滑材料で形成または被覆されていてもよい。
ブッシングは、軸103を横断するせん断力の下でトルクセンサの変形を防止できるように、実質的に非圧縮性の材料で形成されている。例えば、
ブッシングは、ナイロンやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエチレン(PE)やアセタール(例えばデルリン(登録商標))などのプラスチック材料で形成されていてもよいし、被覆されていてもよいし、あるいはグラファイトや滑剤を含浸させた金属で形成されてもよい。
【0085】
機構の組み立てを容易にすると共に、
ブッシング161を所定の位置に保持するために、べベルギア108のネック153の内壁は、径方向に延びるギア部151から離隔する端部近傍で、162で内側に階段状に段付されている。
ブッシング161がネック153とねじれチューブ156間に配置され、トルクセンサのヘッド155がギア部151にボルト止めされている時には、
ブッシングは、(ねじれチューブとネック間の)半径方向および、(トルクセンサのヘッド155とべベルギアのネック153の内面のステップ162間の)軸方向、の両方につながれた状態で保持されている。ステップ162を超えた領域163におけるネック153の内径は、その領域におけるネックの内面がトルクセンサ150から離間しており、かかる2つの間の摩擦トルク伝達を防止するように構成されていることが好ましい。
【0086】
図7〜
図10に示す実施形態の他の軸102に対するトルクセンサや、他の図に示す実施形態のトルクセンサ、にも同様の構成を使用することができる。
【0087】
ホール効果センサは、ジョイントの回転位置を感知するために使用されている。各位置センサは、回転軸の1つの周りに配置された生地のリングを備えている。リングは、規則的に間隔を置いて交互に配置された一連の南北磁極を有している。リングに隣接した位置に、磁場を検出して、相対的な位置を示すマルチビット出力を提供するためにセンサアレイに対するリング上の磁極の位置を測定することができる、複数のホール効果デバイスを備えたセンサアレイを有するセンサチップがある。磁極のリングは、360°の範囲内で各ジョイントの各位置が、一対の磁気センサからの固有のセットの出力に関連付けられるように配置されている。これは、各リング上に異なる数の極を設けて、リングが互いに素である数の極を作ることによって達成されていてもよい。この一般原理を用いたホール効果位置センサが、ロボット工学および他の用途に使用されていることが知られている。
【0088】
より具体的には、各ジョイントには、交互に磁化された一対のリングと、関連するセンサとが関連付けられている。各リングは、それぞれのジョイントの軸の周りに同心に配置されている。リングが、ジョイントの一方の側のエレメントに固定されている一方、センサは、ジョイントの他方の側のエレメントに固定されており、その結果、各ジョイントの周りにロボットアームが回転した際には、各リングとそのそれぞれのセンサとの相対的な回転運動が生じる。各個別のセンサは、一対の磁極の間で、関連するリングがセンサに対して配置されている位置を測定する。リング上の一対の磁極における個々のセンサのどちらがセンサの上にあるかは、個々のセンサの出力から決定することはできない。したがって、個々のセンサは、相対的なやり方でのみ使用することができ、ジョイントの絶対位置を知るために電源投入時に較正を必要とする。しかしながら、各リング内の磁極の対の数が共通因子を持たないように設計された一対のリングを用いることにより、両センサからの一対の磁極間の測定を組み合わせることができ、較正を行うことなく、ジョイントの絶対位置を演算することができる。
【0089】
磁気リングおよびセンサは、
図7〜
図10に示されている。軸102周りの回転を提供するジョイントに対して、磁気リング200,201とセンサ202,203を用いて、位置が検知される。軸103周りの回転を提供するジョイントに対して、磁気リング210,211とセンサ212と図示しないさらなるセンサを用いて、位置が検知される。磁気リング200は、キャリア104に固定され、キャリアの一方の側に取り付けられている。磁気リング201は、キャリア104に固定され、磁気リング200に対してキャリア104の他方の側に取り付けられている。磁気リング200,201は平らであって、軸102に垂直に配置されていると共に、軸102を中心にしている。センサ202,203は、アーム部位310のフレーム100に固定されている。センサ202は、リング200の側面に隣接するように取り付けられている。センサ203は、リング201の側面に隣接するように取り付けられている。ケーブル204,205は、センサ202,203からの信号を搬送する。磁気リング210は、キャリア104に固定され、キャリアのフランジ220の一方の側に取り付けられている。磁気リング211は、キャリア104に固定され、磁気リング200に対してキャリアのフランジ220の他方の側に取り付けられている。磁気リング210,211は平らであって、軸103に垂直に配置されていると共に、軸103を中心にしている。軸103周りの回転用の、センサ212と別のセンサが、アーム部位311のフレーム101に固定されている。センサ212は、リング210の側面に隣接するように取り付けられている。別のセンサは、リング211の側面に隣接するように取り付けられている。
【0090】
それゆえ、
図7〜10の配置では、各軸102,103周りの回転は、それぞれ対応するセンサを備えた2つの多重極磁気リングによって検知されている。各センサは、センサに対する各リング上の最も近い極の相対位置を表すマルチビット信号を生成する。2つのリング上の極数が互いに素となるように配置することにより、センサの出力は、360°の範囲内のジョイントの構成を示す組合せである。これにより、ジョイントの回転位置をその範囲内で検出することができる。さらに、
図7〜10に示す配置では、各ジョイントに関連する2つのリング(すなわち、一方ではリング200,201、他方ではリング210,211)が、それぞれのジョイントの軸に沿って互いに実質的にオフセットするように配置されている。リング200は、キャリア104の本体の一方の側のベアリング190近傍に配置されている一方、リング201は、キャリア104の反対側のベアリング105近傍に配置されている。リング210は、フランジ220の一方の側に配置されている一方、リング211は、フランジ220の他方の側に配置されている。各リングは、リングが配置される軸に垂直な平面において平坦である生地のシートで形成されている。各対の磁気リング(すなわち、一方ではリング200,201、他方ではリング210,211)は、一対のリングの厚さの5倍より大きい距離だけそれぞれの軸に沿った方向に互いに間隔を置いて配置されており、より好ましくは一対のリングの厚さの10倍あるいは20倍より大きい距離だけそれぞれの軸に沿った方向に互いに間隔を置いて配置されていることが望ましい。都合が良いことに、一対のリングは、リング200,201と同様に、それぞれのジョイントの両側にあってもよい。都合が良いことに、一対の両リングが取り付けられたキャリア104は、それぞれの回転軸を含む平面で見たときにリング間にある径方向配置に位置するように、径方向外側に延び出している。したがって、例えば、フランジ220は、リング210とリング211との間の径方向に位置している。都合が良いことに、それぞれのジョイントは2つのベアリングによって支持または規定されていてもよく、ベアリングは、各軸に沿ったジョイントの両側であって、ジョイント上の末端位置に配置されている。ジョイントの各リングは、軸に垂直な平面内で、対応するベアリングと重なっていてもよい。都合が良いことに、リング用のセンサは、ジョイントによって関節接続されたアーム部位上に取り付けられていてもよい。センサは、アーム部位の両側に取り付けられていてもよい。
【0091】
リングを離間させることにより、関連するセンサが取り付けられるジョイントおよび/またはアーム部位のパッケージングを大幅に改善することができる。リングを離間させることにより、リングを便利な位置に配置する機会をより多くすることができると共に、センサを離間させることができること自体が、パッケージングの利点を提供できる。ジョイントは、荷重下のジョイントのねじれが測定に悪影響を及ぼさないように、リング上の磁極の数と比して十分に硬いことが好ましい。例えば、ジョイントは、たとえジョイントのエレメントが間隔を置いて配置されていたとしてもその最大定格運転負荷の下でセンサにおける磁気遷移の変化を生じ得るほどねじれないように十分に堅固であることが好ましい。これにより、全ての負荷状態において、動きに加えて、方向を検出することが可能となる。
【0092】
アーム部位311は、アーム部位310の遠位側である。アーム部位310は、
図7〜10に示す軸102,103周りのジョイントの近位側である。
図1に関連して説明したように、トルクセンサと位置センサからのデータは、制御ユニット10にフィードバックされる。かかるデータは、アーム自体を通る有線接続によって渡されていることが望ましい。
【0093】
各アーム部位は、回路基板を備えている。
図7〜10は、アーム部位311によって搬送される回路基板250を示している。各回路基板は、データのエンコーダ/デコーダ(例えば、集積回路251)を含んでいる。エンコーダ/デコーダは、それぞれのアーム部位に局所的に使われているフォーマットと、アームに沿ったデータ伝送に使われているフォーマット間で信号を変換する。例えば、(a)アーム部位に対して局所的に、位置センサは、磁極遷移によって通過するときに位置読み取り値を返してもよく、トルクセンサは、現在感知されているトルクを示すアナログまたはデジタル信号を返してもよく、駆動モータは、パルス幅変調された駆動信号を要求していてもよい。一方、(b)アームに沿ったデータ伝送のために、イーサネット(登録商標)のようなパケットデータプロトコルである一般的なデータ伝送プロトコルが用いられてもよい。したがって、エンコーダ/デコーダは、アームに沿って搬送されたデータパケットを制御ユニット10から受け取ってそれらのデータを解釈して任意のローカルモータのための制御信号を形成すると共に、ローカルに検知されたデータを受け取ってそれをパケット化された形式に変換して制御ユニットに送ることができる。アームに沿って設けられた回路基板は、多数の近位側の回路基板を介して比較的遠位側の回路基板からの通信を可能にするように、通信ケーブルによって互いに連結されていてもよい。
【0094】
一般に、アームの1つのコンポーネントからアームのより遠位側のコンポーネントにデータを送らないことが望ましい。そうしてしまうと、アーム内で不必要に遠位側を走るケーブルが含まれて、遠位側に分配された重量が増加してしまう。そして、回路基板は互いに連結されているので、一旦データが比較的遠位側の回路基板に送信されると、次の最も近位側の回路基板が、それを転送するためにどんな方法でもデータを処理する。
【0095】
軸102,103周りの複合ジョイントは、回転位置センサ202,203(軸102を中心とする回転用)と、回転位置センサ212(軸103を中心とする回転用)を有している。センサ202,203は、センサによって動きが測定されるジョイントの近位側にある、アーム部位310のフレーム100に取り付けられている。位置センサ202,203からのデータは、センサの近位側にあるアーム部位310に沿って延びるケーブル204,205に沿って送られている。センサ202は、アーム部位311のフレーム101に取り付けられている。位置センサ202からのデータは、ケーブルに沿って同じアーム部位上の回路基板250に送られている。いずれの場合にも、データが収集された場所よりも遠位側のアームのエレメントにはデータは渡されない。
【0096】
軸102,103周りの複合ジョイントは、トルクセンサ150(軸103を中心とする回転用)と、トルクセンサ191(軸102を中心とする回転用)を有している。トルクセンサ150,191によって検知されたデータは、可撓性ケーブルによって回路基板250にそのままの形で搬送される。回路ボード250において、エンコーダ/デコーダ251は、検知されたデータを、例えばイーサネット(登録商標)パケットに符号化して、制御ユニット10に伝達する。したがって、符号化のためにより近位側のアーム部位310の回路基板に送られるよりむしろ、トルクセンサからのデータは、符号化のためにより遠位側のアーム部位の回路基板に渡されて、その後その回路基板からアームに沿った遠位方向に向かってケーブルを介して渡される。
【0097】
このような配置は、
図11に示されている。アーム部位310は、位置センサ202からデータを受け取り、コマンドデータをモータ109,110に提供する回路基板195を備えている。アーム部位311は、位置センサ212とトルクセンサ150,191からのデータを受け取る回路基板250を備えている。回路基板250は、検出されたデータを符号化してデータバス196を介して回路基板195に渡し、回路基板195はそれをリンク197を介して制御ユニット10の方へ転送する。位置センサ202は、回路基板195に対してケーブルによって直接接続されている。位置センサ212およびトルクセンサ150,191は、回路基板195に対してケーブルによって直接接続されている。
【0098】
図2に示されているように、アーム部位4cは、アーム部位311によって支持され、軸307周りにアーム部位4cに対して回動可能とされている。
図12は、アーム部位4cを含むモジュールを貫通する断面を示している。かかるモジュールは、ベース400と、ベースに固定された側壁440を有している。ベース400は、アーム部位311の先端の端面401に取り付けられている(
図7参照)。アーム部位4cは、一般に403で示されている。アーム部位4cは、
図2の軸307に対応する軸402を中心としてベース400に対して回転可能である。そのため、アーム部位4cは、軸402を中心に側壁440とアーム部位4cの間に回転ジョイントを規定するベアリング430,431によって側壁440に取り付けられている。
【0099】
アーム部位4cは、その内部コンポーネントを収容するハウジング404を有している。これらのコンポーネントは、回路基板405とモータ406,407を含んでいる。モータ406,407は、ハウジング404に対して回転不能に固定されている。ハウジング404は、ベアリング430,431によってベース400に対して自由に回転自在とされている。溝408は、回路基板250から回路基板405まで走る(図示しない)通信ケーブルを収容するために、モジュールの内部を走っている。かかる通信ケーブルは信号を搬送しており、かかる信号が回路基板405のエンコーダ/デコーダによって復号化されたときに、かかる信号によってモータ406,407の動作を制御するための制御信号が出される。
【0100】
モータ406は、アーム部位311に対するアーム部位4cの回転を駆動する。したがって、モータ406は、ベース400に対するハウジング404の回転を駆動する。ベース400は、中央のボス410を有している。
図9および
図10に関連して説明したタイプのトルクセンサは一般に、ボス410に取り付けられている。かかるトルクセンサは、ベース411とねじれチューブ412と径方向に延びるヘッド413を備える一体部材を有している。トルクセンサのベース411は、ベース400のボス410に固定されている。
図9および
図10のトルクセンサと同様に、
ブッシング421は、トルクセンサを剪断力から保護すると共に、周囲のコンポーネント、即ちベース400とトルクセンサの間の摩擦を低減するために、トルクセンサのねじれチューブの周りに延び出している。
【0101】
内歯ギア420は、トルクセンサのヘッド413に固定されている。モータ406は、ピニオンギア415を有するシャフト414を駆動している。ピニオンギア415は、内歯ギア420に係合している。したがって、モータ406が操作されると、ピニオンギア415が回転駆動され、これによりモータ406がその一部を構成するアーム部位4cを軸402周りに回転する。結果として生じる軸402周りのトルクは、トルクセンサのねじれチューブ412を介してベース400に伝達され、ねじれチューブに取り付けられた歪みゲージによってトルクが測定されることを可能にする。
【0102】
器具に取り付けるためのインターフェース8を
図12に示す。モータ407のシャフト440は、器具に駆動を提供するためのインターフェースにおいて露出されている。
【0103】
トルクセンサ411,412,413からのトルクデータは、符号化のためにアーム部位311の回路基板250に渡される。アーム部位4cの回転位置は、アーム部位4cに携帯されたセンサ445により検知可能であり、かかるセンサ445は、ハウジング404の内部に取り付けられたリング446,447上の磁極間の遷移を検出する。センサ445からのデータは、符号化のためにアーム部位4cの回路基板405に渡される。
【0104】
ジョイント102,103周りの回転を駆動するモータは、アーム部位310においてそれらのジョイントの近位側に取り付けられている。上述したように、これにより、アームの先端寄りの重量を回避して、重量分布を改善することができる。これに対し、アーム部位4cの回転を駆動するモータは、アーム部位311よりむしろアーム部位4cに取り付けられている。このことは、モータ406をより遠位に取り付ける必要があるため不利となる可能性があるが、これによりアーム部位311をとりわけコンパクトできることが判明した。モータ406は、器具に駆動を提供するモータ(例えば、407)と平行に、すなわち軸402に垂直な共通の平面を横切るように、アーム部位4c内にパッケージされ得る。このことは、アーム部位4c内へのモータ406の組み込みが、アーム部位4cを実質的に長くする必要がないことを意味している。
【0105】
歯付ギアの代わりに、ジョイントの駆動は、摩擦手段によって行ってもよい。
【0106】
出願人はこれによって、ここに記載の分離した各個別の特徴および2つ以上のそのような特徴の任意の組み合わせを開示しており、そのような特徴または特徴の組み合わせが当業者の共通の一般的な知識に照らして全体として本明細書に基づいて実施されることが可能な程度に開示されている。なお、そのような特徴または特徴の組合せが本明細書に開示される任意の問題を解決するかどうかは関係がなく、またかかる具体的記載が特許請求の範囲を限定するものでもない。出願人は、本発明の態様は、このような個々の特徴または特徴の組み合わせから成ってもよいことを示している。以上の説明に鑑みて、種々の改変が本発明の範囲内でなされ得ることは当業者にとって明らかであろう。