【課題を解決するための手段】
【0018】
(1)本発明の第1の観点によれば、犬のがんリスク評価方法が提供される。この犬のがんリスク評価方法は、
対象犬から採取した血清中の評価用元素群の濃度データと、前記対象犬の年齢データとを、前記対象犬が対照群と症例群のいずれに属するかを判別するための判別関数に適用して、前記血清における前記評価用元素群の濃度間の相関関係を演算する相関関係演算ステップと、
前記相関関係演算ステップで演算された前記相関関係に基づいて、前記対象犬が何らかのがんに罹患しているか否かの指標を得る指標取得ステップとを備え、
前記相関関係演算ステップでは、前記評価用元素群としてLi,Na,Mg,P,S,K,Ca,Fe,Co,Cu,Zn,As,Se,Rb,Sr,Mo,Csの17種の元素の組み合わせが使用され、
前記指標取得ステップでは、前記相関関係演算ステップで使用された前記判別関数に前記濃度データと前記年齢データとを適用して算出された判別得点に基づき、前記指標が生成されることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法では、相関関係演算ステップにおいて、対象犬から採取した血清中の評価用元素群の濃度データと、前記対象犬の年齢データとを、前記濃度データと前記年齢データを前記対象犬が対照群と症例群のいずれに属するかを判別するための判別関数に適用して、前記血清における前記評価用元素群の濃度間の相関関係を演算する。前記評価用元素群としては、上述した17種の元素の組み合わせが使用される。
【0020】
そして、指標取得ステップでは、前記相関関係演算ステップで得られた前記相関関係に基づいて、前記対象犬が何らかのがんに罹患しているか否かの指標が得られるが、その指標は、前記相関関係演算ステップで使用された前記判別関数に前記濃度データと前記年齢データを適用して得た判別得点に基づいて生成される。
【0021】
したがって、高い精度で前記対象犬のがん罹患リスクを推定することができ、しかも、血液中のアミノ酸濃度を利用する場合のような早期変性や高コストという難点がない。
【0022】
また、前記相関関係演算ステップにおいて、前記評価用元素群として使用した17種の前記元素の中のいずれの前記濃度データが判別に有意であるかが判明し、しかも、がんに罹患しているか否かの判別に有意な前記元素と、罹患しているがんの種類に応じて判別に有意な前記元素が変動するため、どの部位のがんであるかを推定することも可能である。
【0023】
さらに、前記対象犬から採取した血清中の前記評価用元素群の濃度データと前記年齢データとを用いて、コンピュータで自動演算することにより、前記対象犬が対照群と症例群のいずれに属しているかを判別できるから、前記対象犬が多数であっても容易且つ迅速に判別することが可能である。よって、簡便で安価に実施可能であり、動物病院でのがんスクリーニング法としても好適である。
【0024】
(2) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中のいずれの前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が何らかのがんに罹患しているとの推測が行われる。
【0025】
(3) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法の他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg,S,Cu,Seの4元素の濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が何らかのがんに罹患しているとの推測が行われる。
【0026】
(4) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg元素の前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬のがん罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬のがん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0027】
(5) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるS,Cu,Seの3元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬のがん罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬のがん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0028】
(6) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中のいずれの前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬ががんに罹患しているとの推測と共に、がん部位の推測も行われる。この例では、がんの種類を特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0029】
(7) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるFe,Cuの2元素の前記濃度データとが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が肝がんに罹患しているとの推測が行われる。この例では、がんの種類を「肝がん」と特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0030】
(8) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるFe元素の前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の肝がんの罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の肝がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0031】
(9) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるCu元素の前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の肝がんの罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の肝がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0032】
(10) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg,P,S,Co,Zn,As,Seの7元素の前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が副腎がんに罹患しているとの推測が行われる。この例では、がんの種類を「副腎がん」と特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0033】
(11) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg,Zn,Asの3元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の副腎がん罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の副腎がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0034】
(12) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるP,S,Co,Seの4元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の副腎がん罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の副腎がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0035】
(13) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるNa,Mg,As,Srの4元素の前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が肺がんに罹患しているとの推測が行われる。この例では、がんの種類を「肺がん」と特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0036】
(14) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg,Asの2元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の肺がん罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の肺がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0037】
(15) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるNa,Srの2元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の肺がん罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の肺がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0038】
(16) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるNa,K,Cuの3元素の前記濃度データとが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が前立腺がんに罹患しているとの推測が行われる。この例では、がんの種類を「前立腺がん」と特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0039】
(17) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるK元素の前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の前立腺がん罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の前立腺がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0040】
(18) 本発明の第1の観点による犬のがんリスク評価方法のさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるNa,Cuの2元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の前立腺がん罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の前立腺がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0041】
(19) 本発明の第2の観点によれば、犬のがんリスク評価システムが提供される。この犬のがんリスク評価システムは、
対象犬から採取した血清中の評価用元素群の濃度データと、前記対象犬の年齢データとを記憶するデータ記憶部と、
前記対象犬が対照群と症例群のいずれに属するかを判別するための判別関数を生成する判別関数生成部と、
前記データ記憶部に記憶された前記対象犬の濃度データと前記年齢データとを、前記判別関数生成部で生成された判別関数に適用して、前記血清における前記評価用元素群の濃度間の相関関係を演算し、その相関関係に基づいて前記対象犬が何らかのがんに罹患しているか否かの評価結果を出力する評価結果演算部とを備え、
前記評価用元素群として、Li,Na,Mg,P,S,K,Ca,Fe,Co,Cu,Zn,As,Se,Rb,Sr,Mo,Csの17種の元素の組み合わせが使用され、
前記評価結果演算部では、前記判別関数生成部で生成された判別関数に、前記データ記憶部に記憶された前記濃度データと前記年齢データとを適用して判別得点が算出され、その判別得点に基づいて前記評価結果が生成されることを特徴とするものである。
【0042】
本発明の第2の観点による犬のがんリスク評価システムでは、対象犬から採取した血清中の評価用元素群の濃度データと、前記対象犬の年齢データとを前記データ記憶部に記憶させると、前記評価結果演算部が、前記データ記憶部に記憶されている前記濃度データと前記対象犬の年齢データとを、前記判別関数生成部で生成された前記判別関数に適用して、前記血清における前記評価用元素群の濃度間の相関関係を演算する。前記評価用元素群としては、上述した17種の元素の組み合わせが使用される。
【0043】
そして、演算によって得られた前記相関関係に基づいて、前記評価結果演算部が、前記対象犬が何らかのがんに罹患しているか否かの評価結果を出力するが、その評価結果は、前記判別関数生成部で生成された前記判別関数に前記濃度データと前記年齢データを適用して得た判別得点に基づいて生成される。
【0044】
したがって、高い精度で前記対象犬のがん罹患リスクを推定することができ、しかも、血液中のアミノ酸濃度を利用する場合のような早期変性や高コストという難点がない。
【0045】
また、前記評価結果演算部において、前記評価用元素群として使用した17種の前記元素の中のいずれの前記濃度データが判別に有意であるかが判明し、しかも、がんの種類に応じて判別に有意な前記元素が変動するため、どの部位のがんであるかを推定することも可能である。
【0046】
さらに、前記対象犬から採取した血清中の前記評価用元素群の濃度データと前記年齢データを用いて、コンピュータで自動演算することにより、前記対象犬が対照群と症例群のいずれに属しているかを判別できるから、前記対象犬が多数であっても容易且つ迅速に判別することが可能である。よって、簡便で安価に実施可能であり、動物病院でのがんスクリーニング法としても好適である。
【0047】
(20) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムの好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中のいずれの前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が何らかのがんに罹患しているとの推測が行われる。
【0048】
(21) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムの他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg,S,Cu,Seの4元素の濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が何らかのがんに罹患しているとの推測が行われる。
【0049】
(22) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg元素の前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬のがん罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬のがん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0050】
(23) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるS,Cu,Seの3元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬のがん罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬のがん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0051】
(24) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中のいずれの前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬ががんに罹患しているとの推測と共に、がん部位の推測も行われる。この例では、前記評価結果において、前記評価結果にがんの種類を特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0052】
(25) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるFe,Cuの2元素の前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が肝がんに罹患しているとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、がんの種類を「肝がん」と特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0053】
(26) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるFe元素の前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の肝がんの罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬の肝がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0054】
(27) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるCu元素の前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の肝がんの罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬の肝がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0055】
(28) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg,P,S,Co,Zn,As,Seの7元素の前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が副腎がんに罹患しているとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、がんの種類を「副腎がん」と特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0056】
(29) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg,Zn,Asの3元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の副腎がん罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬の副腎がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0057】
(30) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるP,S,Co,Seの4元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の副腎がん罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬の副腎がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0058】
(31) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるNa,Mg,As,Srの4元素の前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が肺がんに罹患しているとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、がんの種類を「肺がん」と特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0059】
(32) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるMg,Asの2元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の肺がん罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記対象犬の肺がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0060】
(33) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるNa,Srの2元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の肺がん罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬の肺がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0061】
(34) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるNa,K,Cuの3元素の前記濃度データが判別に有意であるか否かに応じて、前記対象犬が前立腺がんに罹患しているとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、がんの種類を「前立腺がん」と特定して前記対象犬のがん罹患リスクを通知することができる、という利点がある。
【0062】
(35) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるK元素の前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の前立腺がん罹患リスクが減少傾向または増加傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬の前立腺がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。
【0063】
(36) 本発明の第2の観点による犬のがんリスク癌評価システムのさらに他の好ましい例では、前記評価用元素群として使用された17種の前記元素の中から選ばれるNa,Cuの2元素の少なくとも1つの前記濃度データが、時間の経過に伴って上昇または下降すると、前記対象犬の前立腺がん罹患リスクが増加傾向または減少傾向にあるとの推測が行われる。この例では、前記評価結果において、前記対象犬の前立腺がん罹患リスクの時間的変化の推測をさらに提示することができる、という利点がある。