【文献】
ANTONIO G SOUSA,THE IMPACT OF RHAMNOGALACTURONAN-I SIDE CHAIN MONOSACCHARIDES ON THE RHEOLOGICAL 以下備考,FOOD HYDROCOLLOIDS,NL,2015年 1月30日,VOL:47,,PAGE(S):130 - 139,PROPERTIES OF CITRUS PECTIN,URL,http://dx.doi.org/10.1016/j.foodhyd.2015.01.013
【文献】
CHAN SIEW YIN,PECTIN AS A RHEOLOGY MODIFIER: ORIGIN, STRUCTURE, COMMERCIAL PRODUCTION AND RHEOLOGY,CARBOHYDRATE POLYMERS,英国,APPLIED SCIENCE PUBLISHERS, LTD,2016年12月24日,VOL:161,,PAGE(S):118 - 139,URL,http://dx.doi.org/10.1016/j.carbpol.2016.12.033
【文献】
SAKAI T,PECTIN, PECTINASE, AND PROTOPECTINASE: PRODUCTION, PROPERTIES AND APPLICATIONS,ADVANCES IN APPLIED MICROBIOLOGY,米国,1993年,VOL:39,,PAGE(S):213 - 294,URL,https://doi.org/10.1016/S0065-2164(08)70597-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不溶性繊維成分および前記可溶性ペクチン成分が、液体が前記易溶性ペクチンにアクセス可能とする開いた構造を形成する、請求項1に記載の活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【実施例】
【0069】
活性化ペクチン含有バイオマス組成物および方法は、以下の非限定的な例によりさらに
理解され得る。これらは、活性化ペクチン含有バイオマス組成物およびそのような活性化
ペクチン含有バイオマス組成物を含む製品を製造するための記載された方法に加えられる
異なる出発材料および機械的エネルギーの単なる例である。
【0070】
以下のプロトコルを使用して、エステル化度(DE)、ガラクツロン酸(GA)度、見
かけ粘度(mPa・s)、固有粘度(dL/g)、残留糖含量(%)、水結合(g/g)
、SAGおよび回収率(%)を分析した。
【0071】
・プロトコル1:エステル化度およびガラクツロン酸度の決定
エステル化度(DE)およびガラクツロン酸度(GA)は、FAO JECFA Mo
nographs 4(2007)に記載された方法の修正を使用して測定した。100
mLの酸アルコール(100mL 50〜60%イソプロパノール+5mL 発煙HCl
37%)を、10分間マグネチックスターラーで撹拌しながら、2.00gの粉砕した
皮に加えた。混合物をろ過し、またはろ紙付きブフナー漏斗に通し、ビーカーを6×15
mLの酸アルコールですすぎ、さらにろ過またはろ紙付きブフナー漏斗に通した。次に、
ろ液を最初に約1000mLの50〜60%イソプロパノールで洗浄し、その後、約2×
50mLの100%イソプロパノールで洗浄した。次に、サンプルを105℃で約2.5
時間乾燥させた。
【0072】
約0.40gの重さのサンプルを重複測定のために測定した(重複測定間の偏差は絶対
値1.5%を超えてはならない、そうでなければ試験を繰り返した)。サンプルを、初め
に約2mLの100%イソプロパノールで湿らせた。次に、マグネチックスターラーで撹
拌しながら、約50mLの二酸化炭素を含まない水をその湿らせたサンプルに加えた。次
に、指示薬またはpHメーター/オートビュレットを使用して、滴定によりサンプルを評
価した。
【0073】
指示薬を使用した滴定。
5滴のフェノールフタレイン指示薬をサンプルに加え、色の変化が観察されるまで0.
1N NaOHで滴定した(V
1滴定値として記録する)。正確に15分間撹拌しながら
、かつ、ホイルで覆って、20.0mLの0.5N NaOHを加えた。撹拌しながら、
色が消えるまで、20.0mLの0.5N HClを加えた。次に、3滴のフェノールフ
タレイン指示薬を加え、色の変化が観察されるまで0.1 N NaOHで滴定した(V
2滴定値として記録する)。それぞれ20mLの0.5N NaOHとHClの2つの部
分のバランスの不正確さを補正するために、いわゆる「ブラインド測定」を行った(すな
わち、100mLの脱イオン水を滴定を含むサンプル溶液と同じ方法で処理した)。最後
の滴定結果をB
1滴定値として記録した。次に、エステル化度とガラクツロン酸度を、以
下の計算によって特徴付けた。
(i) V
t=V
1+(V
2−B
1)
(ii) %DE(エステル化度)=[(V
2−B
1)/V
t]×100
(iii) %GA(ガラクツロン酸度)=[194.1×V
t×N×100]/洗浄
および乾燥したサンプルの重量(mg)
式中、N=滴定に使用した0.1N NaOHについて補正された規定度
【0074】
・プロトコル2:粘度の決定(VIS)
ペクチンの2%溶液を、ヘキサメタリン酸ナトリウムを含む媒体中で25℃で作る。粘
度は、pHを4.0に調節した後、ブルックフィールド粘度計タイプLVTまたはLVF
で決定する。
【0075】
装置は以下を含む:
1.分析バランス
2.ビーカー;400mLおよび2000mL
3.マグネチックスターラーとテフロンコーティングされたスターラーバー
4.適切な組み合わせ電極を備えたpHメーター
5.円柱ガラス、直径50±1mm
6.ブルックフィールド粘度計タイプLVTまたはLVF
7.温度計、0〜110℃
8.メスフラスコ;250mLおよび1000mL
9.血清ピペット(または測定ピペット);10mL
【0076】
使用した化学物質は、ヘキサメタリン酸ナトリウム(食品グレード)、炭酸水素ナトリ
ウム(NaHCO
3)p.a.、および100%イソプロパノール(C
3H
8O)である
。
【0077】
1つの試薬は、以下のように調製したヘキサメタリン酸ナトリウム溶液であった:(i
)11.11gを2000mLビーカー中で950mL脱イオン水に分散させ、15分間
撹拌する;(ii)その溶液を定量的に1000mLメスフラスコに移し、脱イオン水で
1000mLに満たす;(iii)15分間撹拌する。ヘキサメタリン酸ナトリウムが完
全に溶解しない場合は、新しい溶液を準備すべきである。2番目の試薬は、次のように調
製した炭酸水素ナトリウム溶液であった:(i)84.01gを脱イオン水に溶解し、(
ii)脱イオン水で1000mLまで満たす。
【0078】
手順は以下の通りであった。
1.重量4.00gのサンプルを量り、風袋を測ったマグネチックスターラーバーを含む
400 mLのビーカーに移す。
2.血清ピペットを使用して、イソプロパノール10.0mLを加えてペクチンを湿らせ
る。ビーカーをマグネチックスターラーの上に置く。
3.撹拌しながら、ペクチン分散液にヘキサメタリン酸ナトリウム溶液180mLを加え
る。約700rpmで1時間撹拌を続ける。
4.pH電極をペクチン溶液に入れる。炭酸水素ナトリウム溶液を滴下して、pHを3.
95〜4.05に調節する。
5.脱イオン水を加えて、ペクチン溶液の正味重量を200.0gに調節する。
6.ペクチン溶液をシリンダーガラスに移す。適切な冷却または加熱浴に溶液を含むシリ
ンダーガラスを入れて温度を25℃に調節する。
7.スピンドルNo.3を60rpmで使用して、ブルックフィールド粘度計タイプLV
TまたはLVFで見かけ粘度を測定する。60秒間回転した後、目盛りで0.5の精度で
読み取る。
【0079】
・プロトコル3:固有粘度と回収率の決定
約40mgのサンプルを秤量し、100μLのエタノールに分散させた。流出液40m
Lを加え、75±2℃のブロックヒーター内でマグネチックスターラーを使用して混合物
を30分間撹拌した。
【0080】
FIPA(安全性:0.3M酢酸リチウム緩衝液)の10リットルの流出液用の流出液
の調製は以下の通りであった:
1.約3LのMilli−Q水を5000mLの目盛り付きビーカーに注ぐ。
2.マグネチックスターラーバーを追加し、マグネチックスターラー上に置いて、すべて
の添加中に適切な渦を生成する。
3.水酸化リチウム一水和物125.6gを計量ボートに量り入れ、その目盛り付きビー
カーに定量的に移す。
4.アジ化ナトリウム0.20gを計量ボートに量り入れ、その目盛りビーカーに定量的
に移す。
5.氷酢酸360.4gを500mLビーカーに量り入れ、その目盛り付きビーカーに定
量的に移す。
6.化学物質3つがすべて溶解したら、Milli−Q水を5000mLまで加え、5分
間撹拌を続ける。
7.その内容物を圧力容器に注ぐ。
8.総容量5000mLのMilli−Q水で圧力容器に移したその目盛り付きビーカー
をすすぎ、合計10Lの流出液を生成する。
9.ザルトリウスのSartopore 2フィルター(0.45+0.2μm)を備え
た圧力ろ過ユニットを使用して、その液体をろ過する。
10.調製後、緩衝液のpHを確認する。pHは、4.6±0.1でなければならない。
【0081】
サンプルを5℃の水浴に移して5分間室温まで冷却する。サンプルには不溶性物質が含
まれているため、自動サンプラーバイアルに移す前に手動で溶解してろ過(0.45μm
フィルター)する必要がある。次に、サンプルの固有粘度をサイズ排除クロマトグラフィ
ー(SEC)を使用して決定した。分子は、4つの検出器(屈折率検出器、直角レーザー
光散乱検出器、低角レーザー光散乱検出器および粘度検出器)を通過するクロマトグラフ
ィーカラムからの流出液を用いたゲル浸透クロマトグラフィーによってサイズに応じて分
離した。Viscotekソフトウェアは、粘度検出器と屈折率検出器からの検出器信号
を固有粘度に変換した。
【0082】
ViscotekポンプVE1122溶媒送達システムを搭載したViscotek
TDA 302 FIPA機器を、サンプル調製モジュールを備えたサーモセパレーショ
ン製品オートサンプラーAS3000とともに使用した。カラムは、データ収集と計算の
ためにOmniSECソフトウェアを備えたコンピューターに接続されたThermo
BioBasis SEC60(150×7.8mm)を備えていた。オートサンプラー
での実行時間を10分に設定し、25μLのフルループインジェクションを使用した。V
iscotek TDS 302 FIPA装置は、サンプル中の可溶性ペクチンの濃度
を自動的に測定し、ペクチンの回収率を提供する。
【0083】
・プロトコル4:残留糖含有量の決定
試料10gを600mLのガラスビーカーで測定した。200mLの50%イソプロパ
ノールをサンプルに添加し、室温でマグネットスターラー上で4時間撹拌した。混合物を
ろ紙付き真空駆動ブフナー漏斗に移し、そのビーカーを250mLの50%イソプロパノ
ールですすいで、そのろ紙付きブフナー漏斗を通るサンプルの移動および洗浄を確実にし
た。その後、サンプルを乾燥キャビネットで65〜70℃で一晩(最低12時間)乾燥さ
せた。次に、その乾燥サンプルの重量を決定し、残留糖を計算した:
残留糖=[(乾燥サンプルの重量−乾燥、洗浄したサンプルの重量)×100]/乾燥
サンプルの重量
【0084】
・プロトコル5:水結合能力の決定
水結合能力は、Kael EggieのDevelopment of an ext
ruded flax−based feed ingredient(2010)に記
載されているAAC 56−30.01法の修正版によって測定した。材料1.0gを5
0mLの遠心分離管に加え、重量を測定した。脱イオン水を小さな未測定の増分でその遠
心管に添加し、各添加後に混合物が完全に濡れるまで撹拌した。管とその内容物を撹拌し
、室温で10分間、3000rpmで遠心分離した。上清を廃棄し、上清が現れない場合
は、さらに水を加えて遠心分離を繰り返した。管と容器の最終質量を記録し、水結合能力
(WBC)を次の式で計算した:
水結合能力=[(管質量+沈殿物質量)−(管質量+サンプル質量)]/サンプル質量
【0085】
・プロトコル6:SAGの決定
この方法は、ポテトマッシャーの代わりにメカニカルスターラーの使用に変更したこと
以外は、ペクチン標準化に関するIFT委員会の方法5−54と同一である。
【0086】
装置は、以下を備えていた:
1.分析バランス
2.ラボ計量器(最大荷重3〜5kg、精度0.2g)
3.ステンレス製ソースパン、1.5L、直径15cm
4.電気ホットプレート、直径15cm、1500W
5.撹拌モーター、調整可能な速度、500〜1000rpm
6.撹拌シャフト(HETO、記事番号000240、図面番号0004259)
7.ビーカー(1000mlおよび150ml)
8.ヘラ
9.ストップウォッチ
10.温度計、100℃
11.pHメーター
12.SAGガラスとテープ
13.Ridgelimeter
14.ワイヤーチーズスライサー
15.屈折計
16.恒温器
【0087】
使用した化学物質は、糖、酒石酸(溶液1リットル当たり488g)、および脱イオン
水であった。
【0088】
ゼリーの調製は以下の通りであった:
1.糖650−(650/x)gを1000mlのビーカーに秤量する。ここで、xは、
サンプルの硬さを想定。
2.その秤量した糖20〜30gを乾燥した150mlビーカーに移し、秤量したサンプ
ルを加える(ゼリーで使用するサンプルの重量は650g/想定グレードと表される)。
3.ビーカー中でスパチュラで撹拌して、サンプルと糖を完全に混ぜる。
4.脱イオン水/蒸留水410mlを、風袋を計った1500mlのステンレス製のソー
スパンに注ぎ、スターラーシャフトをそれに入れる。1000rpmで撹拌しながら、サ
ンプル/糖混合物を水に一度に注ぐ。可能な限り速く、サンプル/糖溶液を水に浸し、小
さなビーカー内のサンプル/糖の痕跡をソースパンに移すことが重要である。
5.撹拌を2分間続ける。
6.その2分後、予熱した電気ホットプレートにソースパンを置き、500rpmで撹拌
する。
7.内容物が完全に沸騰したら、残りの糖を追加し、糖が溶解し、ゼリーバッチの正味重
量が1015gになるまで加熱と撹拌を続ける。電気ホットプレートは、ゼリーを加熱す
る合計時間が5〜8分(全負荷、1500W)になるように設定すべきである。
8.ラボ計量器で1015gのバッチを計量した後、テーブル上で1分間放置する。次に
、中身がちょうど溢れるくらいにソースパンを傾けて、泡をすばやく取り除く。温度計を
バッチに入れ、温度が正確に95℃に達するまで穏やかに撹拌を続ける。
9.そのバッチを、それぞれ1.75〜2.25mlの酒石酸溶液を含み、縁の上約1c
mまで満たすことができるように接着テープを備えた2つの予め用意したSAGガラスに
すばやく注ぐ。
10.その15分後、ガラスに蓋をし、温度が30〜35℃に達したら、ガラスを25±
3℃の恒温器に20〜24時間置く。
【0089】
ゼリーの特性を次のように測定した:
1.ゼリーを20〜24時間保管した後、ガラスの蓋を外し、テープを取り外す。ワイヤ
ーチーズスライサーを使用して、最上層を切断して廃棄した。
2.次に、ガラスからゼリーを慎重に回転させて、Ridgelimeterを備えた正
方形のガラスプレート上の反転位置にする。
3.ゼリーをガラスプレート上に置いたら、ストップウォッチを開始する。ゼリーが片側
にわずかに傾いた場合、これはガラスプレートを反対方向に静かに傾けることで修正した
。
4.プレートとゼリーをRidgelimeterのベースに慎重に置き、ゼリーがマイ
クロメータースクリューの下の中央にくるようにする。その後、ゼリーの表面近くにスク
リューをねじ込む。
5.ストップウォッチを開始してから2分後に、マイクロメーターのスクリューの先端を
ゼリーの表面に接触させ、Ridgelimeterの読み取り値を最も近い0.1に記
録する。
6.pHを測定する。pHは、2.2〜2.4でなければならない。それ以外の場合は、
サンプルを再テストする必要がある。
【0090】
サンプルのゼリーグレードは、以下のように計算する:
1. Ridgelimeterの較正表を使用して、Ridgelimeterの読み
取り値を係数1に変換する(
図1を参照)。
2.可溶性固形物補正表を使用して、測定した可溶性固形物を係数2に変換する(
図2を
参照)。
3.テストの想定グレードに補正係数を掛けると、次の式を使用して真のグレードが得ら
れる:
想定グレード×係数1×係数2=真のグレード
【表3】
【表4】
【0091】
・例1
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスして、アルコー
ル洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を形成した。その乾燥アルコール洗浄した出
発ペクチン含有バイオマス材料を、その後、サンプル1、2、3および4の4つのサンプ
ルに分割した。
【0092】
サンプル1(活性化した/機械的エネルギーなし):アルコール洗浄した出発ペクチン
含有バイオマス材料2,500グラム(乾燥分)を、機械的エネルギーにかけることなく
、その材料を60℃で1時間アルコールおよび酸と接触させることにより活性化した。使
用した酸の量は、乾燥皮抽出に使用される酸の量に対応するように選択した(0.1mL
酸/グラム 皮):2500グラム乾燥皮、250mL 62%硝酸;20L 60%イ
ソプロピルアルコール。従来の方法で、つまり機械的エネルギーを使用なしで活性化した
後、サンプルを25℃に冷却して排出した。次に、排出したサンプルを100Lの60%
イソプロピルアルコールで洗浄し、65℃の熱キャビネットで10時間乾燥させた。次に
、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0093】
サンプル2(活性化した/機械的エネルギー):アルコール洗浄した出発ペクチン含有
バイオマス材料1000グラム(乾燥分)を、10,800キロジュールの機械的エネル
ギー下で70℃で1時間、その材料をアルコールおよび酸と接触させることにより、活性
化した。使用した酸の量は、乾燥皮抽出で使用される酸の量に対応するように選択した(
0.1mL酸/グラム 皮):1000グラム乾燥皮、100mL 62%硝酸;30L
60%イソプロピルアルコール。
【0094】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、容器(KOFA Ap
S、体積25L)から管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それ
ぞれ直径1.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1
/021/10)によって容器に戻して、5,200L/時で連続的に再循環した。
【0095】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに2回洗浄し、各洗浄は、10%炭酸ナトリウムを使用して3.5にpH調節し
た30Lの60%イソプロピルアルコール中で5分間行った。洗浄したサンプルは、その
後、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを250ミ
クロンの粒子サイズに粉砕した。
【0096】
サンプル3(非活性化/機械的エネルギーなし):30グラム(乾燥分)のアルコール
洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を、250ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0097】
サンプル4(非活性化/機械的エネルギー):30グラム(乾燥分)のアルコール洗浄
した出発ペクチン含有バイオマス材料を3Lの脱イオン水に懸濁し、次いでホモジナイザ
ー(APV Rannie 1000ホモジナイザー、タイプ12.50、登録番号11
3、デンマーク、コペンハーゲン)に300barで2回通して、サンプル2と同等の機
械的エネルギーを与えた。均質化したサンプルを6Lの100%イソプロパノールと混合
し、60μのナイロン布で排水した。次に、排出したサンプルを65℃の加熱キャビネッ
トで10時間乾燥させ、その後、乾燥させたサンプルを250ミクロンの粒子サイズに粉
砕した。
【0098】
乾燥した、伝統的な水で洗浄したオレンジの皮が得られ、4つのサンプル、すなわちサ
ンプル5、6、7、および8に分割した。
【0099】
サンプル5(活性化/機械的エネルギーなし):500グラム(乾燥分)の水洗した出
発ペクチン含有バイオマス材料を、その材料を機械的エネルギーにかけることなく、15
Lの60%エタノールおよび50mLの62%硝酸と65℃で2時間接触させることによ
り活性化した。従来の方法で、つまり機械的エネルギーを使用せずに、活性化した後、サ
ンプルを25℃に冷却してから排出した。次に、排出したサンプルを10%炭酸ナトリウ
ムでpHを4.0に調節した15Lの60%エタノールで洗浄し、次いで、65℃の加熱
キャビネットで10時間乾燥させた。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子サ
イズに粉砕した。
【0100】
サンプル6(活性化/機械的エネルギー):1000グラム(乾燥分)の水洗した出発
ペクチン含有バイオマス材料を、その材料を10,800キロジュールの機械的エネルギ
ー下で30Lの60%エタノールおよび100mLの62%硝酸と70℃で1時間接触さ
せることにより活性化した。
【0101】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、容器(KOFA Ap
S、体積25L)から管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それ
ぞれ直径1.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1
/021/10)によって容器に戻して、5,200L/時で連続的に再循環した。
【0102】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに10%炭酸ナトリウムを使用して4.0にpH調節した30Lの60%エタノ
ール中で5分間行った。洗浄したサンプルは、その後、65℃の加熱キャビネットで10
時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0103】
サンプル7(非活性化/機械的エネルギーなし):30グラム(乾燥分)の水洗した出
発ペクチン含有バイオマス材料を250ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0104】
サンプル8(非活性化/機械的エネルギー):30グラム(乾燥分)の水洗した出発ペ
クチン含有バイオマス材料を3Lの脱イオン水に懸濁し、次いでホモジナイザー(APV
Rannie 1000ホモジナイザー、タイプ12.50、登録番号113、デンマ
ーク、コペンハーゲン)に300barで2回通して、サンプル2と同等の機械的エネル
ギーをサンプルに与えた。均質化したサンプルを6Lの100%イソプロパノールと混合
し、60μのナイロン布で排水した。次に、排出したサンプルを65℃の加熱キャビネッ
トで10時間乾燥させ、その後、乾燥させたサンプルを250ミクロンの粒子サイズに粉
砕した。
【0105】
回収率(サンプル中の可溶性ペクチンの%)、固有粘度(サンプルから抽出されたペク
チンの)、残留糖含量(サンプルの重量%)、サンプル中のペクチンのエステル化度(D
E)、サンプルのガラクツロン酸度(GA)、pH4の2%溶液/分散液中のサンプルの
見かけ粘度(VIS)およびサンプルの水結合能力(水のグラム/乾燥分のグラム)を測
定し、コイルオーバーラップパラメーターを計算した。結果を以下の表にまとめる。
【表5】
【0106】
表5に示すように、機械的エネルギー下で活性化したアルコール洗浄したサンプルは、
機械的エネルギーがなく、活性化した類似のサンプルよりも高い見かけ粘度を有する。実
際、機械的エネルギーを受けたすべてのサンプルの見かけ粘度は、機械的エネルギーを受
けなかった類似のサンプルの見かけ粘度よりも大きかった。
【0107】
さらに説明されるように、機械的エネルギーにかけたサンプルは、より大きなペクチン
回収率も有する。この結果は驚くべきことである。なぜなら、出発ペクチン含有バイオマ
ス材料を乾燥分1kg当たり1,200キロジュールを超える機械的エネルギーにさらす
と、活性化溶液の分離を起こす形に材料が破壊または崩壊し、また、そこからのペクチン
の抽出が困難になり、したがって望ましくないペクチン収量の減少を生じると従来は考え
られていたためである。
【0108】
サンプル2のコイルオーバーラップパラメーターは、アルコール洗浄して、続いて機械
的エネルギー下で活性化したペクチン含有組成物が最も望ましい機能を有することを示し
ている。
【0109】
・例2
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスして、アルコー
ル洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を形成した。その乾燥アルコール洗浄した出
発ペクチン含有バイオマス材料を、その後、サンプル1および2の2つのサンプルに分割
した。
【0110】
サンプル1(アルコール洗浄した/活性化した):アルコール洗浄した出発ペクチン含
有バイオマス材料1,000グラム(乾燥分)を、10,800キロジュールの機械的エ
ネルギー下でその材料を70℃で1時間アルコールおよび酸と接触させることにより活性
化した。使用した酸の量は、乾燥皮抽出に使用される酸の量に対応するように選択した(
0.1mL酸/グラム 皮):1000グラム乾燥皮、100mL 62%硝酸;30L
60%イソプロピルアルコール。
【0111】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、容器(KOFA Ap
S、体積25L)から管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それ
ぞれ直径1.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1
/021/10)によって容器に戻して、5,200L/時で連続的に再循環した。
【0112】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに2回洗浄し、各洗浄は、10%炭酸ナトリウムを使用して3.5にpH調節し
た30Lの60%イソプロピルアルコール中で5分間行った。洗浄したサンプルは、その
後、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを250ミ
クロンの粒子サイズに粉砕した。
【0113】
サンプル2(アルコール洗浄した/活性化した):サンプル2を温度40℃で活性化し
たこと以外は、サンプル1と同様にサンプル2を調製した。
【0114】
乾燥した、従来の水洗したオレンジの皮を得て、2つのサンプル、サンプル3および4
に分割した。
【0115】
サンプル3(水洗/活性化):水洗した出発ペクチン含有バイオマス材料1000グラ
ム(乾燥分)を、10,800キロジュールの機械的エネルギー下でその材料を30Lの
60%エタノールおよび100mLの62%硝酸と70℃で1時間接触させることにより
活性化した。
【0116】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、容器(KOFA Ap
S、体積25L)から管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それ
ぞれ直径1.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1
/021/10)によって容器に戻して、5,200L/時で連続的に再循環した。
【0117】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに10%炭酸ナトリウムを使用して4.0にpH調節した30Lの60%エタノ
ール中で5分間洗浄した。洗浄したサンプルは、その後、65℃の加熱キャビネットで1
0時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0118】
サンプル4(水洗した/活性化した):サンプル4を温度40℃で活性化したこと以外
は、サンプル3と同様にサンプル4を調製した。
【0119】
回収率(サンプル中の可溶性ペクチンの%)、固有粘度(サンプルから抽出されたペク
チンの)、残留糖含量(サンプルの重量%)、サンプル中のペクチンのエステル化度(D
E)、サンプルのガラクツロン酸度(GA)、見かけ粘度(サンプルを溶解または分散し
た溶液の)およびサンプルの水結合能力(水のグラム/固形分のグラム)を測定し、コイ
ルオーバーラップパラメーターを計算した。結果を以下の表にまとめる。
【表6】
【0120】
サンプルは、機能特性の見かけ粘度が、40℃で処理されたものよりも70℃で機械的
処理を受けたサンプルではるかに高いことを示している。これは、40℃よりも高い温度
で出発ペクチン含有バイオマス材料を処理すると、40℃よりも低い温度で処理した材料
と比較して、材料の機能が向上することを示している。
【0121】
・例3
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスして、乾燥した
アルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を形成した。その乾燥アルコール洗
浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を、その後、サンプル1および2の2つのサンプ
ルに分割した。
【0122】
サンプル1(乾燥/機械的エネルギーなし):アルコール洗浄した出発ペクチン含有バ
イオマス材料2,500グラム(乾燥分)を、機械的エネルギーにかけることなく、その
材料を70℃で1時間アルコールおよび酸と接触させることにより活性化した。使用した
酸の量は、乾燥皮抽出に使用される酸の量に対応するように選択した(0.1mL酸/グ
ラム 皮):2500グラム乾燥皮、250mL 62%硝酸;20L 60%イソプロ
ピルアルコール。従来の方法で、つまり機械的エネルギーを使用せずに、活性化した後、
サンプルを25℃に冷却してから排出した。次に、排出したサンプルを100Lの60%
イソプロピルアルコールで洗浄し、次いで、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥さ
せた。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0123】
サンプル2(乾燥/機械的エネルギー):アルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオ
マス材料1000グラム(乾燥分)を、10,800キロジュールの機械的エネルギー下
でその材料をアルコールおよび酸と70℃で1時間接触させることにより活性化した。使
用した酸の量は、乾燥皮抽出に使用される酸の量に対応するように選択した(0.1mL
酸/グラム 皮):1000グラム乾燥皮、100mL 62%硝酸;30L 60%イ
ソプロピルアルコール。
【0124】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、容器(KOFA Ap
S、体積25L)から管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それ
ぞれ直径1.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1
/021/10)によって容器に戻して、5,200L/時で連続的に再循環した。
【0125】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに2回洗浄し、各洗浄は、10%炭酸ナトリウムを使用して3.5にpH調節し
た30Lの60%イソプロピルアルコール中で5分間洗浄した。洗浄したサンプルは、そ
の後、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを250
ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0126】
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、湿潤したプレスしたアルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材
料を形成した。
【0127】
サンプル3(湿潤/機械的エネルギー):湿潤したプレスしたアルコール洗浄した出発
ペクチン含有バイオマス材料950グラム(乾燥分)を、10,800キロジュールの機
械的エネルギー下でその材料をアルコールおよび酸と70℃で1時間接触させることによ
り活性化した。使用した酸の量は、乾燥皮抽出に使用される酸の量に対応するように選択
した(0.1mL酸/グラム 皮):1000グラム乾燥皮、100mL 62%硝酸;
30L 60%イソプロピルアルコール。
【0128】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、ステンレス容器(撹拌
なし)から管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それぞれ直径1
.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1/021/
10)によって容器に戻して、5,200L/時で連続的に再循環した。
【0129】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに2回洗浄し、各洗浄は、10%炭酸ナトリウムを使用して3.5にpH調節し
た30Lの60%イソプロピルアルコール中で5分間洗浄した。洗浄したサンプルは、そ
の後、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを250
ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0130】
回収率(サンプル中の可溶性ペクチンの%)、固有粘度(サンプルから抽出されたペク
チンの)、残留糖含量(サンプルの重量%)、サンプル中のペクチンのエステル化度(D
E)、サンプルのガラクツロン酸度(GA)、見かけ粘度(サンプルを溶解または分散し
た溶液の)およびサンプルの水結合能力(水のグラム/固形分のグラム)を測定し、コイ
ルオーバーラップパラメーターを計算した。結果を以下の表にまとめる。
【表7】
【0131】
表7に示すように、機能的特性の見かけ粘度は、出発ペクチン含有バイオマス材料が洗
浄されたがその後乾燥されなかったサンプルにおいてはるかに高い。これは、特定の例で
は、活性化(出発ペクチン含有バイオマス材料を活性化溶液と接触させ、その混合物を機
械的エネルギーにかける)の前に、洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料の乾燥を避
けることが望ましい場合があることを示している。また、表に示すように、機能特性SA
Gは、機能特性の粘度と同じパターンに従う。
【0132】
・例4
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスして、乾燥した
アルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を形成した。
【0133】
サンプル1:アルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料1,000グラム(
乾燥分)を、10,800キロジュールの機械的エネルギー下でその材料を70℃で1時
間アルコールおよび酸と接触させることにより活性化した。使用した酸の量は、乾燥皮抽
出に使用される酸の量に対応するように選択した(0.1mL酸/グラム 皮):100
0グラム乾燥皮、100mL 62%硝酸;30L 60%イソプロピルアルコール。
【0134】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、容器(KOFA Ap
S、体積25L)から管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それ
ぞれ直径1.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1
/021/10)によって容器に戻して、5,200L/時で連続的に再循環した。
【0135】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに2回洗浄し、各洗浄は、10%炭酸ナトリウムを使用して3.5にpH調節し
た30Lの60%イソプロピルアルコール中で5分間洗浄した。洗浄したサンプルは、そ
の後、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを粉砕し
、すべてのサンプルが同じメッシュサイズになるように、100ミクロンのスクリーンで
ふるいにかけた。
【0136】
サンプル2:米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレン
ジの皮をアルコールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスし
て、湿潤したアルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を形成した。
【0137】
湿潤したアルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料950グラム(乾燥分)
を、10,800キロジュールの機械的エネルギー下でその材料を70℃で1時間アルコ
ールおよび酸と接触させることにより活性化した。使用した酸の量は、乾燥皮抽出に使用
される酸の量に対応するように選択した(0.1mL酸/グラム 皮):1000グラム
乾燥皮、100mL 62%硝酸;30L 60%イソプロピルアルコール。
【0138】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、ステンレス容器(撹拌
なし)から管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それぞれ直径1
.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1/021/
10)によって容器に戻して、5,200L/時で連続的に再循環した。
【0139】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに2回洗浄し、各洗浄は、10%炭酸ナトリウムを使用して3.5にpH調節し
た30Lの60%イソプロピルアルコール中で5分間洗浄した。洗浄したサンプルは、そ
の後、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを粉砕し
、すべてのサンプルが同じメッシュサイズになるように、100ミクロンのスクリーンで
ふるいにかけた。
【0140】
4つの比較サンプルも得て、すべてを100ミクロンのふるいでふるい分けした。これ
らの比較サンプルは、以下の表に示すように市販の柑橘繊維製品であった。
【表8】
【0141】
回収率(サンプル中の可溶性ペクチンの%)、固有粘度(サンプルから抽出されたペク
チンの)、残留糖含量(サンプルの重量%)、サンプル中のペクチンのエステル化度(D
E)、サンプルのガラクツロン酸度(GA)、見かけ粘度(サンプルを溶解または分散し
た溶液の)、サンプルの水結合能力(水のグラム/固形分のグラム)およびサンプルのS
AGを測定し、コイルオーバーラップパラメーターを計算した。結果を以下の表にまとめ
る。
【表9】
【0142】
表9に示すように、比較サンプルのいずれも、より大きいコイルオーバーラップパラメ
ーターを有さず、したがって、サンプル1〜2と比較して、機能性はより低い。さらに、
サンプル1〜2は、見かけ粘度と水結合能力が大きく、比較サンプルとは異なり、ゲル化
能力を有する。これらの結果は、従来のペクチン含有バイオマス組成物と比較した本開示
の例示的なペクチン含有バイオマス組成物の機能的優位性を示している。
【0143】
・例5
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスして、次いで、
65℃で10時間乾燥し、乾燥したアルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料
(5〜10%残留水分)を形成した。
【0144】
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスして、湿潤した
アルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料(35〜45%乾燥分)を形成した
。
【0145】
前処理サンプル(サンプル1〜4):各サンプルについて、1000グラム(乾燥分)
の乾燥したアルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料と活性化溶液(100m
L 62%硝酸:30L 60%アルコール)との混合物を、室温で1回Boston
Shear Mill(BSM)(モーターサイズが15HP(11kW)および外径1
インチ(25mm)のモデルBSM−25)を通して前処理した。次に、各サンプルにつ
いて前処理混合物をさらに処理した。Boston Shear Millによってサン
プル1、2、3および4に与えた機械的エネルギーの量は、BSMの効果とサンプルの処
理時間から計算した。サンプル1および2について、BSMで33リットルを処理する時
間は、125秒だった;サンプルに追加されたエネルギーは、11kW×125秒、つま
り1380キロジュールだった。サンプル3と4について、流量はより高く、処理時間は
わずか63秒だった。したがって、追加されるエネルギーは690キロジュール(乾燥分
1kg当たり)だった。
【0146】
サンプル2およびサンプル4:各サンプルについて、前処理した混合物を閉じたプラス
チックバッグに移し、機械的入力なしで3〜4時間65℃に置いた。その後、サンプルを
排出し、pH4で80%イソプロピルアルコール20Lで洗浄した。その後、サンプルを
排出し、プレスし、乾燥させた。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子サイズ
に粉砕した。
【0147】
サンプル1およびサンプル3:各サンプルについて、前処理した混合物(材料、アルコ
ールおよび酸)をイネーターシステムでさらに処理した。機械的エネルギーは、サンプル
混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポンピングによって誘導した。より
具体的には、サンプル混合物は、ステンレス容器(撹拌なし)から65℃を維持しながら
管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それぞれ直径1.5インチ
)を通して、10Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1/021/10)によ
って容器に戻して、1,000L/時で50分間(3000秒)、加熱(15分)と冷却
(15分)を含めて連続的に再循環した。
【0148】
ポンプモーターは、50Hzで2kWである;10Hzでは、効果はわずか0.4kW
である;サンプル1および3に与えられたエネルギーは、0.4kW×3000秒、すな
わち1200キロジュール(乾燥分1kg当たり)であった。
【0149】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに2回洗浄し、各洗浄は、10%炭酸ナトリウムを使用して4にpH調節した3
0Lの60%イソプロピルアルコール中で5分間洗浄した。洗浄したサンプルは、その後
、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを粉砕し、2
50ミクロンのスクリーンでふるいにかけた。
【0150】
前処理なしサンプル:各サンプルについて、乾燥したアルコール洗浄した1000グラ
ム(乾燥分)と活性化溶液(62%硝酸100mL:60%アルコール30L)との混合
物をイネーターで処理した。機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールお
よび酸)の一定の再循環ポンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物
は、ステンレス容器(撹拌なし)から65℃を維持しながら管熱交換器(長さ3メートル
;外径6インチ;内管2インチ;それぞれ直径1.5インチ)を通して、異なる周波数で
異なる時間動作するローブポンプ(APV、CL/1/021/10)によって容器に戻
して、1,000L/時で連続的に再循環した。
【0151】
機械的エネルギー下で活性化した後、サンプル混合物を15℃に冷却し、次いでVin
centプレス(モデルCP−4)を使用して排出した。次いで、排出されたサンプルを
従来通りに2回洗浄し、各洗浄は、10%炭酸ナトリウムを使用して4にpH調節した3
0Lの60%イソプロピルアルコール中で5分間洗浄した。洗浄したサンプルは、その後
、65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥した。次に、乾燥したサンプルを粉砕し、2
50ミクロンのスクリーンでふるいにかけた。
【0152】
前処理なしサンプルの処理パラメーターを以下の表に要約する:
【表10】
【0153】
サンプル8:1,000(乾燥分)のアルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス
材料を、機械的エネルギーにさらすことなく、その材料を65℃で3〜4時間アルコール
および酸と接触させることにより活性化した。使用した酸の量は、乾燥皮抽出に使用され
る酸の量に対応するように選択した(0.1mL酸/グラム 皮):1000グラム乾燥
皮、100mL 62%硝酸;30L 60%イソプロピルアルコール。
【0154】
従来の、すなわち、機械的エネルギーなしの活性化後、サンプルを25℃に冷却し、次
に排出した。次に、排出したサンプルを、10%炭酸ナトリウムを使用して4.0にpH
調節した30Lの80%イソプロパノールで30分間、従来通り洗浄した。次に、洗浄し
た皮を65℃の加熱キャビネットで10時間乾燥させた。次に、乾燥したサンプルを25
0ミクロンの粒子サイズに粉砕した。
【0155】
各サンプルに与えた機械的エネルギーの総量を以下の表に要約する:
【表11】
【0156】
回収率(サンプル中の可溶性ペクチンの%)、固有粘度(サンプルから抽出されたペク
チンの)、サンプル中のペクチンのエステル化度(DE)、見かけ粘度(サンプルを溶解
または分散した溶液の)およびサンプルの水結合能力(水のグラム/固形分のグラム)を
測定し、コイルオーバーラップパラメーターを計算した。結果を以下の表にまとめる。
【表12】
【0157】
表に示すように、サンプルに与えられる機械的エネルギーの量が乾燥分1kg当たり1
,500キロジュールを超える場合、コイルオーバーラップパラメーターは2より大きく
、したがって500mPasを超える見かけ粘度を有する。
【0158】
・例6
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスして、アルコー
ル洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を形成した。
【0159】
サンプル1〜3(イネーターでの加熱):各サンプルについて、1,000グラム(乾
燥分)のアルコール洗浄した、プレスした皮と活性化溶液(100mLの62%硝酸:3
0L 60%アルコール)との混合物をイネーターで処理した。
【0160】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、ステンレス容器(撹拌
なし)から70℃を維持しながら管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2イ
ンチ;それぞれ直径1.5インチ)を通して、ローブポンプ(APV、CL/1/021
/10)によって(サンプル1では40Hzで、加熱と冷却を含め50分間(3000秒
)動作;サンプル2では40Hz、加熱と冷却を含め90分間(5400秒)動作;サン
プル3では50Hzで、加熱と冷却を含め50分間(3000秒)動作)容器に戻して連
続的に再循環した。
【0161】
排出したサンプルを、10%炭酸ナトリウムを使用して4.0にpH調節した30Lの
80%イソプロパノールで30分間、従来通り洗浄した。次に、洗浄した皮を65℃の加
熱キャビネットで10時間乾燥させた。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子
サイズに粉砕した。
【0162】
サンプル4〜9(イネーター後の加熱):各サンプルについて、1,000グラム(乾
燥分)のアルコール洗浄した、プレスした皮と活性化溶液(100mLの62%硝酸:3
0L 60%アルコール)との混合物を、サンプル1〜3で説明したようにイネーターで
処理したが、プロセスは25℃で実行し、ポンプは50Hzで動作した。サンプル4〜6
は、すべて20分間(1200秒)処理し、サンプル7〜9は、60分間(3600秒)
処理した。イネーター処理後、混合物を、皮と活性化溶液に分離した。活性化溶液を撹拌
容器中で70℃に加熱し、皮をその容器に加えた。70℃での加熱時間は、5分(サンプ
ル4)、20分(サンプル5)、60分(サンプル6)、5分(サンプル7)、20分(
サンプル8)および60分(サンプル9)であった。
【0163】
排出したサンプルを、10%炭酸ナトリウムを使用して4.0にpH調節した30Lの
80%イソプロパノールで30分間、従来通り洗浄した。次に、洗浄した皮を65℃の加
熱キャビネットで10時間乾燥させた。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子
サイズに粉砕した。
【0164】
回収率(サンプル中の可溶性ペクチンの%)、固有粘度(サンプルから抽出されたペク
チンの)、サンプル中のペクチンのエステル化度(DE)、見かけ粘度(サンプルを溶解
または分散した溶液の)およびサンプルの水結合能力(水のグラム/固形分のグラム)を
測定し、コイルオーバーラップパラメーターを計算した。結果を以下の表にまとめる。
【表13】
【0165】
上の表に示すように、得られた活性化ペクチン含有バイオマス組成物の機能性は、出発
ペクチン含有バイオマス材料および活性化溶液の混合物を機械的エネルギーにかける間ま
たはその後に、その混合物を加熱するか否かによって必ずしも影響されない。したがって
、適切な活性化ペクチン含有バイオマス組成物は、混合物がいつ、すなわち、機械的エネ
ルギー処理中または後のいずれかで加熱されるかに関係なく、提供することができる。
【0166】
・例7
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスと乾燥して、乾
燥アルコール洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を形成した。
【0167】
各サンプルについて、1,000グラム(95%乾燥分)のアルコール洗浄した、乾燥
した皮と活性化溶液(150mLの62%硝酸:30L 60%アルコール)との混合物
をイネーターで処理した。
【0168】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、ステンレス容器(撹拌
なし)から55℃(サンプル1)、65℃(サンプル2)または75℃(サンプル3)を
維持しながら管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内管2インチ;それぞれ直径
1.5インチ)を通して、50Hzで動作するローブポンプ(APV、CL/1/021
/10)によって容器に戻して30分間連続的に再循環した。
【0169】
排出したサンプルを、10%炭酸ナトリウムを使用して4.0にpH調節した30Lの
80%イソプロパノールで30分間、従来通り洗浄した。次に、洗浄した皮を65℃の加
熱キャビネットで10時間乾燥させた。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子
サイズに粉砕した。
【0170】
回収率(サンプル中の可溶性ペクチンの%)、固有粘度(サンプルから抽出されたペク
チンの)、サンプル中のペクチンのエステル化度(DE)、見かけ粘度(サンプルを溶解
または分散した溶液の)およびサンプルの水結合能力(水のグラム/固形分のグラム)を
測定し、コイルオーバーラップパラメーターを計算した。結果を以下の表にまとめる。
【表14】
【0171】
上の表に示すように、得られた活性化ペクチン含有バイオマス組成物の機能性は、活性
化の温度によって影響される。活性化の温度が高くなると、IVは、低下する傾向がある
一方、回収率、コイルオーバーラップ、見かけ粘度および水結合は、増大する傾向がある
。DEは、実質的に一定のままである。
【0172】
・例8
米国特許第8,323,513号に記載の方法を使用して、新鮮なオレンジの皮をアル
コールで洗浄し、次いで手でプレスし、続いて2回目の連続洗浄/プレスして、アルコー
ル洗浄した出発ペクチン含有バイオマス材料を形成した。
【0173】
各サンプルについて、1,000グラム(乾燥分)のアルコール洗浄した、プレスした
皮と30L 60%アルコール中に異なる濃度の62%硝酸を含む活性化溶液との混合物
をイネーターで処理した。
【0174】
機械的エネルギーは、サンプル混合物(材料、アルコールおよび酸)の一定の再循環ポ
ンピングによって誘導した。より具体的には、サンプル混合物は、ステンレス容器(撹拌
なし)から55〜75℃を維持しながら管熱交換器(長さ3メートル;外径6インチ;内
管2インチ;それぞれ直径1.5インチ)を通して、40〜50Hzで動作するローブポ
ンプ(APV、CL/1/021/10)によって容器に戻して5〜60分間連続的に再
循環した。
【0175】
排出したサンプルを、10%炭酸ナトリウムを使用して4.0にpH調節した30Lの
80%イソプロパノールで30分間、従来通り洗浄した。次に、洗浄した皮を65℃の加
熱キャビネットで10時間乾燥させた。次に、乾燥したサンプルを250ミクロンの粒子
サイズに粉砕した。
【0176】
回収率(サンプル中の可溶性ペクチンの%)、固有粘度(サンプルから抽出されたペク
チンの)、サンプル中のペクチンのエステル化度(DE)およびサンプルの水結合能力(
水のグラム/固形分のグラム)を測定し、コイルオーバーラップパラメーターを計算した
。結果を、酸、温度、エネルギー投入量および処理時間の影響に関して、以下の表にまと
める。
【表15】
【0177】
表15に示すように、一定の酸濃度および温度で処理時間を変えると、処理時間が長く
なるとIVは、やや減少する傾向があり、処理時間を長くすると回収率は、やや増加する
傾向があり、コイルオーバーラップは、処理時間とは無関係に実質的に一定のままであり
、DEと水結合は、実質的に一定のままである。
【表16】
【0178】
表15に比べて表16に示すように、低い酸濃度および低い温度で処理時間を変えると
、処理時間が長くなるとIVは、やや減少する傾向があり、処理時間を長くすると回収率
は、やや増加する傾向があり、コイルオーバーラップは、処理時間とは無関係に実質的に
一定のままであり、DEは、実質的に一定のままである。しかし、処理時間が長くなると
、水結合は、増大する傾向がある。
【表17】
【0179】
表17に示すように、一定の酸濃度および一定の低い処理温度で、処理時間を変化させ
ると、IVは、5〜60分の範囲の処理時間でかなり一定のままであり、処理時間を長く
すると回収率は、増加し、処理時間を長くするとコイルオーバーラップは、増大し、およ
びDEと水結合は、実質的に一定である。
【表18】
【0180】
表18に示すように、高い酸濃度およびさらに低い処理温度で処理時間を変化させると
、IVは、短い処理時間で減少する傾向があり、処理時間を長くすると回収率は、増加す
る傾向があり、処理時間を長くするとコイルオーバーラップは、増大する傾向があり、お
よびDEと水結合は、5〜60分の範囲の処理時間で実質的に一定のままである。
【表19】
【0181】
表19に示すように、一定の温度および処理時間で酸濃度が増加すると、IVは、低下
し、回収率は増加し、コイルオーバーラップは増大し、DEは減少し、水結合は増大する
。
【0182】
したがって、これらの結果は、酸濃度、処理温度および処理時間を変更して、活性化ペ
クチン含有バイオマス組成物の処理を最適化するための多くの選択肢を提供し得ることを
示している。
【0183】
酸濃度は、乾燥分1kg当たり50〜250mlの62%硝酸の範囲、好ましくは、乾
燥分1kg当たり100〜250mlの62%硝酸の範囲、より好ましくは、乾燥分1k
g当たり150〜250mlの62%硝酸の範囲である。
【0184】
処理温度は、55〜75℃、好ましくは65〜75℃、より好ましくは70〜75℃の
範囲である。
【0185】
処理時間は、5〜60分の範囲、好ましくは15〜60分、より好ましくは20〜60
分である。
【0186】
理想的な組み合わせは、乾燥分1kg当たり酸濃度150mlの62%硝酸(濃硝酸)
、処理温度70℃、処理時間15分であり、より低い温度が望まれる場合、より高い酸濃
度を適用し得る。
【0187】
・例9
この例は、異なる出発ペクチン含有バイオマス材料の使用、およびペクチン抽出プロセ
スについて出発材料として使用し得る活性化ペクチン含有バイオマス組成物の得られる特
性を実証する。
【0188】
リンゴをプレスした。プレスした搾りかすに63%イソプロパノールを添加し、次いで
その搾りかすを5分間洗浄し、プレスした。1つのサンプルを80%イソプロパノールで
もう一度洗浄し、プレスし、乾燥キャビネットで乾燥させた。他のサンプルについては、
イネーターで、1kgのプレスしたリンゴ搾りかすの固形分と24kgの60%イソプロ
パノールとを混合した。乾燥分1kg当たり100mLの濃硝酸を加えた。小型ローブポ
ンプで循環しながら、それを70℃で60分間活性化した。活性化後、搾りかすをプレス
した。次に、それを60%イソプロパノールで洗浄し、プレスした。次に、それを80%
イソプロパノールで洗浄し、プレスして乾燥した。
【0189】
キクイモをプレスした。プレスした搾りかすに63%イソプロパノールを添加し、その
搾りかすを5分間洗浄し、プレスした。1つのサンプルを80%イソプロパノールでもう
一度洗浄し、プレスし、乾燥キャビネットで乾燥させた。他のサンプルについては、イネ
ーターで、1kgのプレスしたリンゴ搾りかすの固形分と24kgの60%イソプロパノ
ールとを混合した。乾燥分1kg当たり100mLの濃硝酸を加えた。小型ローブポンプ
で循環しながら、それを70℃で60分間活性化した。活性化後、搾りかすをプレスした
。次に、それを60%イソプロパノールで洗浄し、プレスした。次に、それを80%イソ
プロパノールで洗浄し、プレスして乾燥した。
【0190】
オレンジをプレスした。プレスした皮に63%イソプロパノールを添加し、その皮を5
分間洗浄し、プレスした。1つのサンプルを80%イソプロパノールでもう一度洗浄し、
プレスし、乾燥キャビネットで乾燥させた。他のサンプルについては、イネーターで、1
kgのプレスしたオレンジの皮の乾燥分と24kgの60%イソプロパノールとを混合し
た。乾燥分1kg当たり100mLの濃硝酸を加えた。小型ローブポンプで循環しながら
、それを70℃で60分間活性化した。活性化後、その皮をプレスした。次に、それを6
0%イソプロパノールで洗浄し、プレスした。次に、それを80%イソプロパノールで洗
浄し、プレスして乾燥した。
【0191】
糖抽出物からのテンサイ切片を選択した。その切片に63%イソプロパノールを添加し
、5分間洗浄してプレスした。1つのサンプルを80%イソプロパノールでもう一度洗浄
し、プレスし、乾燥キャビネットで乾燥させた。他のサンプルについては、イネーターで
、1kgのプレスした切片の乾燥分と27kgの60%イソプロパノールとを混合した。
乾燥分1kg当たり100mLの濃硝酸を加えた。小型ローブポンプで循環しながら、そ
れを70℃で60分間活性化した。活性化後、その切片をプレスした。次に、それを60
%イソプロパノールで洗浄し、プレスした。次に、それを80%イソプロパノールで洗浄
し、プレスして乾燥した。
【表20】
【0192】
試験したすべての原料について同様のパターンが見出された、すなわち、ペクチンは、
活性化プロセスによってin situで可溶性にされた。コイルオーバーラップパラメ
ーターと回収率の両方は、活性化なしの対応するアルコール洗浄したサンプルよりも数倍
高い。果物である活性化リンゴは、2に近いCOPを示すのに対し、キクイモのような活
性化野菜と活性化テンサイは、0.5〜1.2の範囲のCOPを示す。活性化オレンジ(
柑橘類)は、2より大きい最高COPを示す。
【0193】
可溶性繊維成分および不溶性繊維成分の両方を有する活性化ペクチン含有バイオマス組
成物を含むペクチン含有バイオマス組成物は、これらに限定されないが、スープ、ソース
およびドレッシングなどの香味製品;栄養補助食品;および動物飼料用のプレバイオティ
クスを含む多くの用途で使用され得る。不溶性繊維成分の保水能力は、例えば、使い捨て
おむつならびに生理用ナプキンおよびパンティライナーなどの女性衛生製品における液体
吸収剤としての活性化ペクチン含有バイオマス組成物の使用を促進する。活性化ペクチン
含有バイオマス組成物中の可溶性ペクチン成分は、例えば、欧州特許第1812120B
1号に開示されているように、抽出ペクチンと同じ用途でそれらを有用にする。アンモニ
アを中和し、したがって悪臭を除去する可溶性ペクチン成分の特性を、液体を吸収する不
溶性繊維成分と組み合わせることにより、活性化ペクチン含有バイオマス組成物は、液体
を吸収してアンモニアを中和する猫のトイレでも有用である。さらに、活性化ペクチン含
有バイオマス組成物は、ペクチンを製造するための抽出プロセスの出発材料として有用で
ある。
【0194】
活性化ペクチン含有バイオマス組成物を製造する方法および活性化ペクチン含有組成物
の様々な態様は、以下を含む:
【0195】
態様1:活性化ペクチン含有バイオマス組成物を製造する方法であって、方法は、
A)不溶性繊維成分と不溶性プロトペクチン成分を含む出発ペクチン含有バイオマス材
料をアルコールの水溶液と混合して混合物を形成すること;
B)出発ペクチン含有バイオマス材料を(i)酸をその混合物に添加することによって
形成された活性化溶液にさらすことにより、その混合物のpHを約0.5〜約2.5の範
囲内に調節することと、(ii)約40℃より高い温度に加熱することによって、出発ペ
クチン含有バイオマス材料を活性化して、不溶性繊維成分および可溶性ペクチン成分を含
む活性化ペクチン含有バイオマス材料を形成すること;
C)機械的エネルギーを、(i)ステップ(A)の混合物に、(ii)ステップ(B)
の活性化中に、または(iii)ステップ(A)の混合物に、かつ、ステップ(B)の活
性化中に、適用すること;および
D)その混合物から活性化ペクチン含有バイオマス組成物を分離すること;を含み、
その方法の間、混合物中に存在するアルコールは、混合物の総重量に基づいて約40重
量パーセント以上である、方法。
【0196】
態様2:ステップC)で機械的エネルギーを適用することが、混合物中の出発ペクチン
含有バイオマス材料をその繊維状構造に変化させることをさらに含む、態様1に記載の方
法。
【0197】
態様3:可溶性ペクチン成分が、出発ペクチン含有バイオマス材料から実質的に抽出さ
れない、前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
態様4:ステップC)で機械的エネルギーを適用することが、ポンプ、プレート精砕機
、ディスク精砕機、押出機、ローブポンプおよび遠心ポンプの群のうちの少なくとも1つ
によって行われる、前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
態様5:機械的エネルギーが、出発ペクチン含有バイオマス材料の乾燥分1キログラム
当たり約800キロジュール以上、または混合物1キログラム当たり約36キロジュール
以上である、前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
態様6:活性化ペクチン含有バイオマス組成物が、約2.0以上のコイルオーバーラッ
プパラメーターを有する、前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
態様7:加熱することが、約60〜約80℃の温度に約15〜約60分の期間である、
前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
態様8:ステップD)が、活性化ペクチン含有バイオマス組成物のpHを約3.5〜約
4.5に調節することをさらに含む、前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
態様9:機械的エネルギーが、出発ペクチン含有バイオマス材料の乾燥分1キログラム
当たり約1200キロジュール以上、または混合物1キログラム当たり約40キロジュー
ル以上である、前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
態様10:活性化ペクチン含有バイオマス組成物が、約2.3以上のコイルオーバーラ
ップパラメーターを有する、態様9に記載の方法。
【0205】
態様11:機械的エネルギーが、出発ペクチン含有バイオマス材料の乾燥分1キログラ
ム当たり約1900キロジュール以上、または混合物1キログラム当たり約60キロジュ
ール以上である、前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
態様12:活性化ペクチン含有バイオマス組成物が、約2.5以上のコイルオーバーラ
ップパラメーターを有する、態様11に記載の方法。
【0207】
態様13:分離した活性化ペクチン含有バイオマス組成物を乾燥すること、ミリングす
ることまたは乾燥とミリングすることの両方をさらに含む、前態様のいずれか1つに記載
の方法。
【0208】
態様14:ステップA)の出発ペクチン含有バイオマス材料が、柑橘類から得られる、
前態様のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
態様15:出発ペクチン含有バイオマス材料が、アルコール洗浄した柑橘類の皮である
、態様14に記載の方法。
【0210】
態様16:活性化ペクチン含有バイオマス組成物が、約2以上のコイルオーバーラップ
パラメーターと約60パーセント以上の可溶性ペクチン成分のエステル化度との両方を含
む、態様14〜15のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
態様17:活性化ペクチン含有バイオマス組成物が、ブルックフィールド粘度計を使用
して温度25℃およびpH4.0の水溶液中で測定したとき、約150mPa・s〜約3
500mPa・sの見かけ粘度、約14g/g〜約27g/gの水結合能力、活性化ペク
チン含有バイオマス組成物の約20重量%〜約45重量%の量で存在する可溶性ペクチン
成分、および約2.5〜約5.5のpHの群のうちの1つ以上の特性を含む、態様14〜
16のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
態様18:柑橘類から得られた活性化ペクチン含有バイオマス組成物であって、
セルロース材料を含む不溶性繊維成分;および
易溶性ペクチンを含む可溶性ペクチン成分;を含み、
活性化ペクチン含有バイオマス組成物は、約2以上のコイルオーバーラップパラメータ
ーを有する、活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【0213】
態様19:不溶性繊維成分および可溶性ペクチン成分が、液体が易溶性ペクチンにアク
セス可能とする開いた構造を形成する、態様18に記載の活性化ペクチン含有バイオマス
組成物。
【0214】
態様20:活性化ペクチン含有バイオマス組成物が、約80〜約55重量%の不溶性繊
維成分と、約20〜約45重量%の可溶性ペクチン成分とを含む、態様18〜19のいず
れか1つに記載の活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【0215】
態様21:可溶性ペクチン成分のエステル化度が、約60パーセント以上である、態様
18〜20のいずれか1つに記載の活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【0216】
態様22:コイルオーバーラップパラメーターが、約2.3以上である、態様18〜2
0のいずれか1つに記載の活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【0217】
態様23:コイルオーバーラップパラメーターが、約2.5以上である、態様18〜2
0のいずれか1つに記載の活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【0218】
態様24:活性化ペクチン含有バイオマス組成物が、ブルックフィールド粘度計を使用
して温度25℃およびpH4.0の水溶液中で測定したとき、約150mPa・s〜約3
500mPa・sの見かけ粘度、約14g/g〜約27g/gの水結合能力、活性化ペク
チン含有バイオマス組成物の約20重量%〜約45重量%の量で存在する可溶性ペクチン
成分、および約2.5〜約5.5のpHの群のうちの1つ以上の特性を含む、態様18〜
24のいずれか1つに記載の活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【0219】
態様25:活性化ペクチン含有バイオマス組成物であって、
セルロース材料を含む不溶性繊維成分;および
易溶性ペクチンを含む可溶性ペクチン成分;を含み、
活性化ペクチン含有バイオマス組成物は、(i)リンゴ、キクイモまたはビートから選
択される出発ペクチン含有バイオマス材料から得られ、(ii)約0.5〜約2.0の範
囲内のコイルオーバーラップパラメーターを有し、かつ、(iii)出発ペクチン含有バ
イオマス材料のコイルオーバーラップパラメーターよりも少なくとも約300%大きいコ
イルオーバーラップパラメーターを有する、活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【0220】
態様26:食品成分である、態様18〜25のいずれか1つに記載の活性化ペクチン含
有バイオマス組成物。
【0221】
態様27:ペクチン抽出のための出発材料として使用される、態様18〜25のいずれ
か1つに記載の活性化ペクチン含有バイオマス組成物。
【0222】
態様28:態様1〜17のいずれか1つの方法から誘導された活性化ペクチン含有バイ
オマス組成物を含むまたは態様18〜26のいずれか1つの態様に記載の活性化ペクチン
含有バイオマス組成物を含む、製品。