【文献】
GIS勉強会:PostGISで凸包処理を行う,都筑総研[online],2011年10月29日,[2020年5月19日検索],インターネット,URL,http://blog.livedoor.jp/g0031067/archives/51833693.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凸包アルゴリズムは、Grahamアルゴリズム、jarvisアルゴリズム、中心法、レベル法又はQuickhullアルゴリズムを備える請求項6に記載の方法。
前記凸包アルゴリズムは、Grahamアルゴリズム、jarvisアルゴリズム、中心法、レベル法又はQuickhullアルゴリズムを備える請求項13に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の技術において、関心領域は、通常、人間によって決定される。しかしながら、人間による関心領域の決定の効率は比較的低く、ユーザの労力のためにコストが比較的高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、関心領域を決定する際の比較的低い効率及び比較的高いコストの既存の問題を解決するために、地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する方法及び装置を提供する。
【0006】
本願の実施の形態によれば、地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する方法であって、
処理すべき地図上の領域を格子分割することと、
格子分割された領域の各ブロックに対して、予め決定された持続時間内のブロック値を計数し、ブロック値は、対応するブロックの地理位置情報データを報告するユーザの数であることと、
予め決定されたしきい値より大きいブロック値を、計数したブロック値から選択することと、
選択したブロック値に対応するブロックに従ってアンカーポイントを決定することと、
アンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイントの全てを包囲する曲線を計算することと、
曲線の領域を関心領域として決定することと、
を有する方法を提供する。
【0007】
オプションで、処理すべき地図上の領域を格子分割することは、
予め決定された辺長に従って、処理すべき地図上の領域を少なくとも一つのブロックに分割することを特に有する。
【0008】
オプションで、アンカーポイントは、ブロックの中心点である。
【0009】
オプションで、方法は、
曲線の領域内の情報のポイント(POI)のタイプを取得することと、
同一のタイプのPOIの数を取得することと、
最大数のPOIのタイプを、関心領域の関心のタイプとして決定することと、
を更に有する。
【0010】
オプションで、方法は、
選択したブロック値に対応するブロックにおいてアンカーポイントを決定した後に地図上の領域のPOIを取得することを更に備え、
アンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイントの全てを包囲する曲線を計算することは、
POI及びアンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイント及びPOIの全てを包囲する曲線を計算することを特に備える。
【0011】
オプションで、予め決定されたアルゴリズムは、凸包アルゴリズムであり、
曲線は、凸包曲線である。
【0012】
オプションで、凸包アルゴリズムは、Grahamアルゴリズム、jarvisアルゴリズム、中心法、レベル法又はQuickhullアルゴリズムを有する。
【0013】
本願の一実施の形態によれば、地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する装置であって、
処理すべき地図上の領域を格子分割する処理部と、
格子分割された領域の各ブロックに対して、予め決定された持続時間内のブロック値を計数する計数部であって、ブロック値は、対応するブロックの地理位置情報データを報告するユーザの数である計数部と、
予め決定されたしきい値より大きいブロック値を、計数したブロック値から選択する選択部と、
選択したブロック値に対応するブロックに従ってアンカーポイントを決定する第1の決定部と、
アンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイントの全てを包囲する曲線を計算する計算部と、
曲線の領域を関心領域として決定する第2の決定部と、
を備える装置を提供する。
【0014】
オプションで、処理部は、特に、予め決定された辺長に従って、処理すべき地図上の領域を少なくとも一つのブロックに分割する。
【0015】
オプションで、アンカーポイントは、ブロックの中心点である。
【0016】
オプションで、装置は、
曲線の領域内の情報のポイント(POI)のタイプを取得する取得サブユニットと、
同一のタイプのPOIの数を取得する計数サブユニットと、
最大数のPOIのタイプを、関心領域の関心のタイプとして決定する決定サブユニットと、
を更に備える。
【0017】
オプションで、装置は、
選択したブロック値に対応するブロックにおいてアンカーポイントを決定した後に地図上の領域のPOIを取得する取得サブユニットを更に備え、
それに応じて、計算部は、特に、
POI及びアンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイント及びPOIの全てを包囲する曲線を計算する。
【0018】
オプションで、予め決定されたアルゴリズムは、凸包アルゴリズムであり、
曲線は、凸包曲線である。
【0019】
オプションで、凸包アルゴリズムは、Grahamアルゴリズム、jarvisアルゴリズム、中心法、レベル法又はQuickhullアルゴリズムを有する。
【0020】
本願の実施の形態において、処理すべき地図上の領域を格子分割し、格子分割された領域の各ブロックに対して、予め決定された持続時間内のブロック値を計数し、ブロック値は、対応するブロックの地理位置情報データを報告するユーザの数であり、予め決定されたしきい値より大きいブロック値を、計数したブロック値から選択し、選択したブロック値に対応するブロックに従ってアンカーポイントを決定し、アンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイントの全てを包囲する曲線を計算し、曲線の領域を関心領域として決定する。このようにして、サーバは、関心領域の手動の画定によって生じる低効率及び高コストを回避するために、ユーザによって実際に報告された地理位置情報データを用いることによって地図上の関心領域を自動的に決定することができ、これによって、関心領域を決定する際に効率を向上させるとともにコストを低減する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
例示的な実施の形態をここで詳しく説明し、例示的な実施の形態の例を添付図面に示す。以下の説明が添付図面に関連するとき、特に明記しない限り異なる添付図面の同一番号は同一の又は同様の素子を表す。以下の例示的な実施の形態で説明する実現は、本願に従う全ての実現を表さない。それどころか、実現は、添付した特許請求の範囲で詳しく説明されるとともに本願の一部の態様に従う装置及び方法の例にすぎない。
【0023】
本願で用いられる用語は、特定の実施の形態を説明するだけのためのものであり、本願を限定することを意図しない。本願及び添付した特許請求の範囲で用いられる「一つ」の単数形は、文脈が特に明記しない限り複数形も含むことを意図する。さらに、本願で用いられる用語「及び/又は」が一つ以上の関連の列挙した項目の任意の又は全てのあり得る実施の形態を意味するとともに含むことを理解すべきである。
【0024】
「第1」、「第2」及び「第3」のような用語を種々の情報を説明するために本願で用いることができるとしても情報をこれらの用語に限定すべきでないことを理解すべきである。これらの用語は、同一のタイプの情報を区別するためにだけ用いられる。例えば、本願の範囲を逸脱することなく、第1の情報を第2の情報としてもよく、同様に、第2の情報を第1の情報としてもよい。文脈に応じて、ここで用いられる単語「場合」を、「間に」、「とき」又は「決定に応じて」と解釈してもよい。
【0025】
既存の技術において、地図上の関心領域は、一般的には、手動分割によって取得される。手動分割が通常主観的な地図作成の影響が及ぼされやすいので、最終的に取得される関心領域のエッジは、比較的大きい誤差を有する。例えば、関心領域でない場所が容易に関心領域に入れられることがある又は関心領域に属する場所が関心領域に入れられないことがある。
【0026】
上述した問題を解決するために、
図1は、本願の実施の形態による地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する方法のフローチャートを示す。本実施の形態をサーバの観点から説明し、方法は、以下のステップを有する。
【0027】
ステップ110:処理すべき地図上の領域を格子分割する。
【0028】
本実施の形態において、処理すべき地図上の領域を、スタッフによって地図上で丸く囲むように手動で選択してもよい。
【0029】
処理すべき地図上の領域を、領域のリストに従ってサーバにより決定してもよい。領域のリストは予め決定されていてもよく、種々の領域がリストに含まれる。例えば、領域A、領域B及び領域Cが領域リストに含まれ、領域Aの関心領域が決定され、サーバは、リストに従って、領域Bが処理すべき領域であることを決定してもよい。領域Bの関心領域も決定した後に、サーバは、領域Cを処理すべき領域として決定してもよい。
【0030】
領域の格子分割は、サーバによって、予め決定された辺長に従って、処理すべき地図上の領域を少なくとも一つのブロックに分割することを含んでもよい。
【0031】
予め決定された辺長は、手動で予め決定された経験値であってもよい。
【0032】
例えば、
図2は、本願による地図上の領域の模式図である。地図上の領域は、1300メートル(m)の長さ及び1050メートル(m)の幅を有する。予め決定された辺長が200mである、すなわち、地図上の領域が200mの辺長に基づいて複数のブロックに分割されると仮定する。
図3は、地図上の領域を格子分割した後に取得される模式図である。
図3に示すように、領域のそのようなブロックの辺長は200mであり、格子分割することによって、地図上の領域を同一サイズのブロックに分割することができる。
図3に示すように、予め決定された辺長より短い辺を有する地図上の領域のエッジの部分を格子分割しなくてもよい。代替的には、予め決定された辺長より短い辺を有する部分も格子分割してもよい。これは、ここで限定されるものではない。
【0033】
他の実施の形態において、地図上の領域の格子分割は、サーバによって、処理すべき地図上の領域を予め決定された数のブロックに分割することを更に有してもよい。予め決定された数は、手動で予め決定された経験値であってもよい。例えば、地図上の領域を100ブロックに分割する。
【0034】
ステップ120:領域の各ブロックに対して、予め決定された持続時間内のブロック値を計数し、ブロック値は、対応するブロックの地理位置情報データを報告するユーザの数である。
【0035】
本実施の形態において、報告される地理位置情報データを、携帯端末にインストールされたアプリケーションによりユーザの携帯端末によってアップロードしてもよい。
【0036】
例えば、モバイル決済の状況において、ユーザの携帯端末は、同一の場所の対話者と共同して支払処理を完了してもよい。対話者は、他の携帯端末を保持するユーザ又は固定端末装置であってもよい。処理は、2以上の対話者の他に支払いサービスを提供する第三者を含んでもよい。第三者プロバイダは、このタイプの第三者支払いサービスを提供する間にセキュリティ対話サービスを提供してもよい。
【0037】
第三者支払いサービスプロバイダは、それ自体のウェブサイトを開設してもよい又は支払処理専用のサーバ、例えば、支払いプラットフォームを提供してもよい。このようにして、2以上の支払い当事者は、支払いプラットフォームで提供されるサービスを用いることによって支払いを完了することができる。例えば、支払いプラットフォームは、eBay又はAlibabaであってもよい。携帯端末及び/又は固定端末は、インターネットを通じて、第三者支払いサービスプロバイダによって提供される支払いプラットフォームにアクセスするとともに支払いプラットフォームを用いることによって支払いの特定の処理を完了してもよい。さらに、便利及びセキュリティのために、携帯端末及び/又は固定端末に専用クライアント(例えば、アプリケーション)をインストールしてもよい。例えば、支払いを効率良く完了するために第三者支払いサービスプロバイダによって提供されるアプリケーションをインストールしてもよい。
【0038】
地理位置情報データは、クライアントがインストールされる携帯端末の位置である。例えば、地理位置情報データは、携帯端末の位置決め装置によって記録された携帯端末の地理位置情報の座標情報を有してもよい。共通の位置決め装置は、米国のグローバルポジショニングシステム(GPS)、衛星ナビゲーションシステム、欧州の「ガリレオ」衛星ナビゲーションシステム、ロシアのグローバルナビゲーションシステム(GLONASS)、中国の「北斗」衛星ナビゲーションシステム又はその組合せを用いてもよい。このタイプの位置決め座標情報は、移動位置決めとも称される。さらに、一般的には、報告される地理位置情報データは、報告されるタイムスタンプを持っている。タイムスタンプを、位置決め装置が地理位置情報を決定する時刻又は携帯端末のクライアントが地理位置情報データを報告する時刻としてもよい。
【0039】
地理位置情報データを、クライアントが存在する携帯端末の信号の特徴に基づいてネットワーク装置による変換によって取得してもよい。例えば、ネットワークオペレータは、基地局の有効範囲の原理に従って基地局の位置に基づく携帯端末の地理位置情報データを計算するために携帯端末の信号を用いてもよい。後者の位置計算において、一般的には、携帯端末は、各基地局のダウンリンクパイロット信号の到達時間(TOA)又は種々の基地局のダウンリンクパイロット信号の到達時間差(TDOA)を取得するために種々の基地局のダウンリンクパイロット信号を測定し、一般的には、三角形分割アルゴリズムに従って携帯端末の位置を計算するために測定結果及び基地局の座標を用いる。実際には、三つ以上の基地局を用いてもよい。比較的複雑である既存の技術に複数のアルゴリズムが存在する。一般的には、測定する基地局が増加すると、測定精度が更に高くなる。したがって、位置決め性能が著しく向上する。
【0040】
さらに、地理位置情報データを、携帯端末の位置決め装置の方法及び基地局に基づく位置決め方法を組み合わせることによって取得してもよい。このようにして、取得した地理位置情報データを更に正確にすることができる。
【0041】
一般的には、アップロードされた地理位置情報データは、位置の経度及び緯度によって表される。各端末の位置の経度及び緯度に従って、アップロードされた地理位置情報データによって表される端末の位置が地図上の領域のどのブロックの中に存在するかを決定してもよい。さらに、予め決定された持続時間内の各ブロックに対するブロック値を、地理位置情報データのタイムスタンプに従って決定してもよい。
【0042】
予め決定された持続時間を、1日のような手動で予め決定される経験値としてもよい。すなわち、1日内の各ブロックに対するブロック値を決定してもよい、すなわち、各格子の位置情報を報告するユーザの数を計数してもよい。
【0043】
ユーザの数を計数することによって、予め決定された持続時間内の各ブロックに対応する領域の人気を実際に反映することができる。ブロック値が大きくなるに従ってブロックに存在するユーザが多くなり、当該ブロックに対応する領域は、関心領域となる傾向があり、それに対し、ブロック値が小さくなるに従ってブロックに存在するユーザが少なくなり、当該ブロックに対応する領域は、関心領域とならない傾向がある。
【0044】
ステップ130:予め決定されたしきい値より大きいブロック値を、計数したブロック値から選択する。
【0045】
本実施の形態において、予め決定されたしきい値を、手動で予め決定した経験値としてもよい。
【0046】
図3の上述した例において、各ブロックの地理位置情報データを報告するユーザの数を計数した後、各ブロックのブロック値を取得してもよい。
図4は、ブロック値を付した地図上の領域の模式図である。
図4において、明瞭のために、
図3の地図を省略するとともにブロックのみを保持する。
【0047】
予め決定されたしきい値が200であると仮定すると、200より大きいブロック値を選択する。
図5は、選択したブロック値の模式図である。
図5に示すように、200より大きいブロック値に対応するブロックに整理番号p0〜p9をそれぞれ付す。
【0048】
ステップ140:選択したブロック値に対応するブロックのアンカーポイントを決定する。
【0049】
本実施の形態において、アンカーポイントを、選択したブロック値を有するブロックの中心点としてもよい。
【0050】
他の実施の形態において、アンカーポイントを、ブロック内の他の点のいずれか、例えば、ブロックの頂点又はブロックの頂点から中心点までの1/2若しくは1/3の点としてもよい。これは本願で限定されない。
【0051】
アンカーポイントを以下のように決定してもよいことに留意されたい。二つの隣接するブロックのブロック値に対して、一方が予め決定されたしきい値より大きく、他方が予め決定されたしきい値より小さい場合、アンカーポイントを二つのブロック値の比に基づいて決定してもよい。
【0052】
例えば、一方のブロック値が100であり、他方のブロック地が300であるとき、アンカーポイントを、300の値を有するブロックから100の値を有するブロックまでの途中の1/3に設定してもよい。
【0053】
ステップ150:アンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイントの全てを包囲する曲線を計算する。
【0054】
本実施の形態において、予め決定されたアルゴリズムを、全てのアンカーポイントを包囲する曲線を計算するために用いてもよい。一般的には、点集合X{X1,X2,...,Xn}を2次元面に付してもよく、最も外側の点を接続した後、点群Xの全ての点を包囲する曲線を形成してもよい。
【0055】
一実施の形態において、予め決定されたアルゴリズムを凸包アルゴリズムとし、曲線を凸包曲線としてもよい。
【0056】
本実施の形態において、凸包アルゴリズムは、実数ベクトル空間で用いられ、所定の点群X{X1,X2,...,Xn}に対して、点群Xを有する全ての凸集合の共通集合Sを、Xの凸包と称する。Xの凸包を、Xの全ての点(X1,X2,...,Xn)の線形集合によって形成してもよい。
【0057】
簡単には、2次元面の点群において、凸包は、最も外側の点を接続することによって形成される凸多角形であり、凸多角形は、点群の全ての点を含むことができる。
【0058】
凸包アルゴリズムは、Grahamアルゴリズム、jarvisアルゴリズム、中心法、レベル法又はQuickhullアルゴリズムを有してもよい。
【0059】
説明のために、Grahamアルゴリズムを、以下の例として用いる。
図5に示す選択したブロック値を有するブロックに基づいて、座標系は、
図6に示すように確立される。
【0060】
実際には、点群{p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7,p8,p9}の各点の座標は、経度及び緯度によって形成され、経度はX軸であり、緯度はY軸である。本実施の形態において、説明を簡単にするために、座標を整数として簡単化する。
図6において、p0の座標が(1,−2)であり、p1の座標が(1,2)であり、p2の座標が(1,−2)であり、p3の座標が(1,2)であり、p4の座標が(1,−2)であり、p5の座標が(1,2)であり、p6の座標が(1,−2)であり、p7の座標が(1,−2)であり、p8の座標が(1,−2)であり、p9の座標が(1,−2)であると仮定する。
【0061】
凸包アルゴリズムの演算処理を以下で詳しく説明する。
【0062】
A1:全ての点からの点を基点として選択する。
【0063】
特に、基点を選択することを、以下の手法のいずれか一つによって行ってもよい。
【0064】
第1の手法:全ての点の最小のY座標を有する点を起点として選択してもよい。最小のY座標を有する二つ以上の点が存在する場合、最小のX座標を有する点を選択する。
【0065】
第2の手法:全ての点の最小のX座標を有する点を起点として選択してもよい。最小のX座標を有する二つ以上の点が存在する場合、最小のY座標を有する点を選択する。
【0066】
第3の手法:全ての点の最大のY座標を有する点を起点として選択してもよい。最大のY座標を有する二つ以上の点が存在する場合、最大のX座標を有する点を選択する。
【0067】
第4の手法:全ての点の最大のX座標を有する点を起点として選択してもよい。最大のX座標を有する二つ以上の点が存在する場合、最大のY座標を有する点を選択する。
【0068】
本実施の形態において、第2の手法を用いる、すなわち、最小のX座標を有する点を選択する。p0及びp9の両方が最小のX座標を有するので、最小のY座標を有する点を選択する、すなわち、p0を基点として選択する。
【0069】
A2:X軸と他の点及び基点によって形成されるベクトルの間の夾角の余弦の値に従って他の点を分類する。
【0070】
本実施の形態において、任意の三角形について、任意の辺の二乗は、他の二つの辺の二乗の和から二つの辺及び二つの辺の夾角の余弦の積を2倍したものを引いたものに等しい。
【0071】
三角形の三辺がa,b及びcであり、三角形の三つの角度がA,B及びCである場合、角度の余弦の値を、以下の式を用いて計算することができる。
【0073】
余弦の値の範囲は[−1,1]である。デカルト座標系において、余弦の値は、第1象限及び第4象限において正の値であり、第2象限及び第3象限において負の値であり、X軸又はY軸において0である。
【0074】
他の全ての点及び基点によって形成されたベクトルの夾角の余弦の値を、上述した式に従った計算によって取得した後に、余弦の値を降順で分類し、余弦の値に対応する点の順番を、例えば、p0,p1,p2,p4,p3,p5,p6,p7,p8,p9としてもよい。
【0075】
A3:分類した順番に従って点をスキャンし、凸包曲線を取得するために0より大きいベクトル積を有する点を保持する。
【0076】
本実施の形態において、ベクトル積は、ベクトル空間のベクトルの二項演算であり、ベクトル積を次のように計算することができる。
【0078】
この場合、sinθは、ベクトルAB及びベクトルBCの正弦の値であり、ベクトル積の結果は、正の値、負の値又は0となる。
【0079】
ベクトルABとベクトルBCのベクトル積が0より大きいとき、ベクトル積は、ベクトルABがベクトルBCの時計回り方向であることを表し、点Bが保持される。
【0080】
ベクトルABとベクトルBCのベクトル積が0未満であるとき、ベクトル積は、ベクトルABがベクトルBCの反時計回り方向であることを表し、点Bが除去され、ベクトルACを形成するために点A及びCが接続される。
【0081】
ベクトルABとベクトルBCのベクトル積が0に等しいとき、ベクトル積は、ベクトルABがベクトルBCと同一線上にあることを表し、点Bが除去され、ベクトルACを形成するために点A及びCが接続される。
【0082】
スキャニングのステップ(1〜14)は、
図6に示すように、以下のものを有する。
【0083】
1.先ず、ベクトルp0p1を形成するためにp0及びp1を接続する。
【0084】
2.ベクトルp1p2を形成するためにp1及びp2を接続する。
【0085】
ベクトルp0p1とベクトルp1p2のベクトル積が0であるので、p1は除去され、ベクトルp0p2を形成するためにp0及びp2が接続される。
【0086】
3.ベクトルp2p4を形成するためにp2及びp4を接続する。
【0087】
ベクトルp0p2とベクトルp2p4のベクトル積が0より大きいので、p2は保持される。
【0088】
4.ベクトルp4p3を形成するためにp4及びp3を接続する。
【0089】
ベクトルp2p4とベクトルp4p3のベクトル積が0より大きいので、p4は保持される。
【0090】
5.ベクトルp3p5を形成するためにp3及びp5を接続する。
【0091】
ベクトルp4p3とベクトルp3p5のベクトル積が0未満であるので、p3は除去される。
【0092】
6.ベクトルp4p5を形成するためにp4及びp5を接続する。
【0093】
ベクトルp2p4とベクトルp4p5のベクトル積が0より大きいので、p4は保持され続ける。
【0094】
7.ベクトルp5p6を形成するためにp5及びp6を接続する。
【0095】
ベクトルp4p5とベクトルp5p6のベクトル積が0未満であるので、p5は除去される。
【0096】
8.ベクトルp4p6を形成するためにp4及びp6を接続する。
【0097】
ベクトルp2p4とベクトルp4p6のベクトル積が0より大きいので、p4は保持され続ける。
【0098】
9.ベクトルp6p7を形成するためにp6及びp7を接続する。
【0099】
ベクトルp4p6とベクトルp6p7のベクトル積が0より大きいので、p6は保持される。
【0100】
10.ベクトルp7p8を形成するためにp7及びp8を接続する。
【0101】
ベクトルp6p7とベクトルp7p8のベクトル積が0未満であるので、p7は除去される。
【0102】
11.ベクトルp6p8を形成するためにp6及びp8を接続する。
【0103】
ベクトルp4p6とベクトルp6p8のベクトル積が0より大きいので、p6は保持され続ける。
【0104】
12.ベクトルp8p9を形成するためにp8及びp9を接続する。
【0105】
ベクトルp6p8とベクトルp8p9のベクトル積が0未満であるので、p8は除去される。
【0106】
13.ベクトルp6p9を形成するためにp6及びp9を接続する。
【0107】
ベクトルp4p6とベクトルp6p9のベクトル積が0より大きいので、p6は保持され続ける。
【0108】
14.ベクトルp9p0を形成するためにp9及びp0を接続する。
【0109】
ベクトルp6p9とベクトルp9p0のベクトル積が0より大きいので、p9は保持される。
【0110】
したがって、保持される点は、p0,p2,p4,p6及びp9を有し、ベクトルp0p2、ベクトルp2p4、ベクトルp4p6、ベクトルp6p9及びベクトルp9p0によって形成される曲線は、凸包曲線である。
【0111】
ステップ160:曲線の領域を関心領域として決定する。
【0112】
図7は、本願による基点によって決定した関心領域の模式図である。
図7の曲線(例えば、関心領域のエッジ)は、集合(p0〜p9)の全ての点を包囲する。
【0113】
本願の実施の形態によれば、先ず、サーバは、処理すべき地図上の領域を格子分割し、各ブロックに対して、ブロック値を計数し、予め決定されたしきい値より大きいブロック値を、計数したブロック値から選択し、選択したブロック値に対応するブロックのアンカーポイントを決定し、予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイントの全てを包囲する曲線を計算し、曲線の領域を関心領域として決定する。このようにして、サーバは、関心領域の手動の画定によって生じる低効率及び高コストを回避するために、ユーザによって実際に報告された地理位置情報データを用いることによって地図上の関心領域を自動的に決定することができ、これによって、関心領域を決定する際に効率を向上させるとともにコストを低減する。
【0114】
実際には、種々の関心領域は種々のタイプを有する。例えば、フードプラザは、一般的には、ケータリングタイプであり、住宅地は、一般的には、地域タイプである、等々。上述した実施の形態において、報告された地理位置情報データを用いることによって取得される関心領域は、タイプを有しない。
【0115】
上述した問題を解決するために、本願の特定の実施の形態において、ステップ160の後、方法は、
曲線の領域内の情報のポイント(POI)のタイプを取得することと、
同一のタイプのPOIの数を取得することと、
最大数のPOIのタイプを、関心領域の関心のタイプとして決定することと、
を更に有してもよい。
【0116】
本実施の形態において、情報のポイント(POI)は、地図によって提供される情報点である。POIは、大規模なショッピングモール、学校又は住宅地のような場所を意味してもよい。
【0117】
一般的には、POIは、ケータリングタイプ、地域タイプ、学校タイプ、医院タイプ、ショッピングタイプ等のような種々の機能の他のPOIからの区別を行うためのタイプを有してもよい。
【0118】
POIが処理すべき領域がある地図又は他の地図によって提供される情報点であってもよいことに留意されたい。
【0119】
本実施の形態によれば、サーバは、関心領域の同一のタイプのPOIの数を計数するとともに最大数のPOIのタイプを関心領域の関心タイプとして決定することができる。このようにして、関心タイプを、取得した関心領域に付すことができ、ユーザは、関心領域のタイプを迅速に知ることができ、これによって、ユーザの経験を向上させる。
【0120】
実際には、ユーザによって報告される地理位置情報データは、誤差を有する。例えば、携帯端末の位置決め装置は、位置決めの際に偏差を有し、これによって、報告された地理位置情報データの偏差が生じる。他の例において、携帯端末が位置決め装置の動作を停止したとき、携帯端末は、地理位置情報データをアップロードできる状態であるが、アップロードされた地理位置情報データは、携帯端末に接続された(WiFi(登録商標)のような)ホットスポット又は基地局の地理位置情報を表す。したがって、地理位置情報データも偏差を有する。
【0121】
上述した問題を解決するために、本願の特定の実施の形態において、方法は、
選択したブロック値に対応するブロックにおいてアンカーポイントを決定した(上記ステップ140)後に地図上の領域のPOIを取得することを更に有してもよい。
【0122】
それに応じて、ステップ150は、
POI及びアンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイント及びPOIの全てを包囲する曲線を計算することを特に有する。
【0123】
本実施の形態において、POIは、地図によって提供される情報点である。POIは、大規模なショッピングモール、学校、住宅地等のような場所を意味してもよい。POIは、一部の関心領域を表してもよく、POIの地理位置情報は、一般的には、正確である。
【0124】
POIが処理すべき領域がある地図又は他の地図によって提供される情報点であってもよいことに留意されたい。
【0125】
本実施の形態において、サーバは、POI及びアンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイント及びPOIの全てを包囲する曲線を計算する。予め決定されたアルゴリズムの計算処理は、上述した実施の形態で示され、ここでは繰り返さない。
【0126】
図8は、POIを付した
図2に示す地図上の領域の模式図である。
【0127】
それに応じて、
図9は、POI及びアンカーポイントに従って決定した関心領域の模式図である。
図7に示す関心領域と比較すると、追加の人気スポットが
図9に示す関心領域に追加され、関心領域は更に正確になる。
【0128】
本実施の形態によれば、POIを、ユーザによって報告された地理位置情報データを修正するのに用いてもよく、その結果、最終的に取得される関心領域は更に正確になる。
【0129】
地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する方法の上述した実施の形態に対応するように、本願は、地理位置情報データに基づいて過信領域を決定する装置の実施の形態を提供する。
【0130】
本願の地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する装置の実施の形態を、サーバ装置にそれぞれ適用してもよい。装置の実施の形態を、ソフトウェア若しくはハードウェアを用いることによって又はソフトウェアとハードウェアとを組み合わせることによって実現してもよい。ソフトウェアの実現を一例として取り上げると、論理態様の装置は、実行のためにメモリの不揮発性記憶装置の対応するコンピュータプログラム命令を読み出す装置が存在する機器のプロセッサによって形成される。ハードウェアレベルから、
図10は、本願による地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する装置を有する機器のハードウェア構成図を示す。
図10に示すプロセッサ、ネットワークインタフェース、メモリ及び不揮発性記憶装置に加えて、装置を有する機器は、一般的には、地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する機能に従う他のハードウェアを更に有してもよく、これを詳しく説明しない。
【0131】
図11は、本願の一実施の形態による地理位置情報データに基づいて関心領域を決定する装置の線形的なモジュールの図である。本実施の形態をサーバ側から説明し、装置は、処理部610と、計数部620と、選択部630と、第1の決定部640と、計算部650と、第2の決定部660と、を有する。
【0132】
処理部610は、処理すべき地図上の領域を格子分割するように構成される。
【0133】
計数部620は、格子分割された領域の各ブロックに対して、予め決定された持続時間内のブロック値を計数するように構成され、ブロック値は、対応するブロックの地理位置情報データを報告するユーザの数である。
【0134】
選択部630は、予め決定されたしきい値より大きいブロック値を、計数したブロック値から選択するように構成される。
【0135】
第1の決定部640は、選択したブロック値に対応するブロックに従ってアンカーポイントを決定するように構成される。
【0136】
計算部650は、アンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイントの全てを包囲する曲線を計算するように構成される。
【0137】
第2の決定部660は、曲線の領域を関心領域として決定するように構成される。
【0138】
オプションの実現において、処理部610は、予め決定された辺長に従って、処理すべき地図上の領域を少なくとも一つのブロックに分割するように更に構成される。
【0139】
オプションの実現において、アンカーポイントは、ブロックの中心点である。
【0140】
オプションの実現において、装置は、
曲線の領域内の情報のポイント(POI)のタイプを取得する取得サブユニットと、
同一のタイプのPOIの数を取得する計数サブユニットと、
最大数のPOIのタイプを、関心領域の関心のタイプとして決定する決定サブユニットと、
を更に有する。
【0141】
オプションの実現において、装置は、
選択したブロック値に対応するブロックにおいてアンカーポイントを決定した後に地図上の領域のPOIを取得する取得サブユニットを更に有する。
【0142】
それに応じて、計算部650は、
POI及びアンカーポイントに従うとともに予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイント及びPOIの全てを包囲する曲線を計算するように構成される。
【0143】
オプションの実現において、
凸包アルゴリズムは、Grahamアルゴリズム、jarvisアルゴリズム、中心法、レベル法又はQuickhullアルゴリズムを有する。
【0144】
本願の実施の形態によれば、先ず、サーバは、処理すべき地図上の領域を格子分割し、各ブロックに対して、ブロック値を計数し、予め決定されたしきい値より大きいブロック値を、計数したブロック値から選択し、選択したブロック値に対応するブロックのアンカーポイントを決定し、予め決定されたアルゴリズムに基づいて、アンカーポイントの全てを包囲する曲線を計算し、曲線の領域を関心領域として決定する。このようにして、サーバは、関心領域の手動の画定によって生じる低効率及び高コストを回避するために、ユーザによって実際に報告された地理位置情報データを用いることによって地図上の関心領域を自動的に決定することができ、これによって、関心領域を決定する際に効率を向上させるとともにコストを低減する。
【0145】
上述した方法の対応するステップの実現プロセスの参照は、装置の各部の機能及び効果の実現プロセスの詳細に対して行ってもよい。詳細をここで再度説明しない。
【0146】
装置の実施の形態が基本的には方法の実施の形態に対応するので、関連の部分に対して、方法の実施の形態の説明を参照してもよい。上述した装置の実施の形態は、単なる例である。個別のパーツとして説明した部は、物理的に別個であってもなくてもよく、部として示したパーツは、物理装置であってもなくてもよく、一つの位置に配置されてもよい又は複数のネットワーク部に分布してもよい。モジュールの一部又は全てを、本願の解決の目的を達成するための現実の要求に従って選択してもよい。当業者は、創造的な活動を行うことなく実施の形態を理解及び実現することができる。
【0147】
明細書を考慮するとともに本開示を実施した後に、当業者は、本願の他の実施の形態に容易に想到することができる。本願は、本願の任意の変形、使用又は適応できる変更をカバーすることを意図する。これらの変更、使用又は適応できる変更は、本願の一般的原理に従い、本願で開示しない従来の共通の一般知識又は共通の技術的手段を有する。明細書及び実施の形態は、単なる例示と考えられ、本願の範囲及び精神を、添付した特許請求の範囲で指摘する。
【0148】
本願は上述するとともに添付図面に示した正確な構造に限定されるものではなく、種々の変更及び変形が本願の範囲を逸脱することなく可能であることを理解すべきである。本願の範囲を添付した特許請求の範囲で説明する。