特許第6875584号(P6875584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6875584サーバ、ゲームプログラム、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6875584
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】サーバ、ゲームプログラム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20210517BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20210517BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20210517BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20210517BHJP
【FI】
   A63F13/79 520
   A63F13/69
   A63F13/792
   A63F13/35
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-136247(P2020-136247)
(22)【出願日】2020年8月12日
【審査請求日】2020年8月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 永隆
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−198908(JP,A)
【文献】 特開2014−008365(JP,A)
【文献】 特開2018−158018(JP,A)
【文献】 特開2009−254448(JP,A)
【文献】 特表2010−521238(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0212762(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0111787(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤがそれぞれのプレイヤ端末からネットワークを介して実行可能なゲームシステムを提供するサーバであって、
ゲーム内で使用可能な、各プレイヤがそれぞれ所有するオブジェクト、有償ポイント、及び無償ポイントの情報を少なくとも含むプレイヤ情報を記憶する記憶部と、
制御部であって、
第1のプレイヤが使用するプレイヤ端末からの当該第1のプレイヤが所有する所定のオブジェクトに対するオブジェクト売却希望リクエスト、及び第2のプレイヤが使用するプレイヤ端末からの前記所定のオブジェクトに対するオブジェクト購入希望リクエストに基づき、前記第1のプレイヤが所有する前記所定のオブジェクトを前記第1のプレイヤから前記第2のプレイヤに移転するオブジェクト移転ステップと
前記第2のプレイヤが所有する有償ポイントから取引価格分の有償ポイントを減らす有償ポイント受領ステップと、
前記取引価格分の有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記オブジェクトの対価として前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与ステップと、を実行し、
前記各ステップにおいて、各プレイヤの前記プレイヤ情報を前記記憶部において更新する前記制御部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記オブジェクトは、前記第1のプレイヤが抽選システムにより取得したオブジェクトである、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記制御部は、前記オブジェクトを第1のプレイヤから第2のプレイヤに移転する際に、前記第1のプレイヤ及び前記第2のプレイヤの少なくとも一方が所有する有償ポイントまたは無償ポイントから手数料価格分の有償ポイントまたは無償ポイントを減らす処理を行う手数料受領ステップをさらに実行する、請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記手数料は有償ポイントである、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
複数のプレイヤそれぞれのプレイヤ端末と、該プレイヤ端末にネットワークを介して接続されるサーバとにより実行可能なゲームシステムを提供するためのゲームプログラムであって、
ゲーム内で使用可能な、各プレイヤがそれぞれ所有するオブジェクト、有償ポイント、及び無償ポイントの情報を少なくとも含むプレイヤ情報が前記サーバの記憶部に記憶され、
前記サーバの制御部に、
第1のプレイヤが使用するプレイヤ端末からの当該第1のプレイヤが所有する所定のオブジェクトに対するオブジェクト売却希望リクエスト、及び第2のプレイヤが使用するプレイヤ端末からの前記所定のオブジェクトに対するオブジェクト購入希望リクエストに基づき、前記第1のプレイヤが所有する前記所定のオブジェクトを前記第1のプレイヤから前記第2のプレイヤに移転するオブジェクト移転ステップと、
前記第2のプレイヤが所有する有償ポイントから取引価格分の有償ポイントを減らす有償ポイント受領ステップと、
前記取引価格分の有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記オブジェクトの対価として前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与ステップと、を実行させるとともに、
前記各ステップにおいて、前記記憶部における各プレイヤの前記プレイヤ情報を前記制御部に更新させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
複数のプレイヤそれぞれのプレイヤ端末と、該プレイヤ端末にネットワークを介して接続されるサーバとにより実行可能なゲームシステムを提供する情報処理方法であって、
ゲーム内で使用可能な、各プレイヤがそれぞれ所有するオブジェクト、有償ポイント、及び無償ポイントの情報を少なくとも含むプレイヤ情報が前記サーバの記憶部に記憶され、
前記サーバの制御部により、
第1のプレイヤが使用するプレイヤ端末からの当該第1のプレイヤが所有する所定のオブジェクトに対するオブジェクト売却希望リクエスト、及び第2のプレイヤが使用するプレイヤ端末からの前記所定のオブジェクトに対するオブジェクト購入希望リクエストに基づき、前記第1のプレイヤが所有する前記所定のオブジェクトを前記第1のプレイヤから前記第2のプレイヤに移転するオブジェクト移転ステップと、
前記第2のプレイヤが所有する有償ポイントから取引価格分の有償ポイントを減らす有償ポイント受領ステップと、
前記取引価格分の有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記オブジェクトの対価として前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与ステップと、を実行するとともに、
前記制御部により、前記各ステップにおいて、前記記憶部における各プレイヤの前記プレイヤ情報を更新することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、ゲームプログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン等で提供されるゲームにあっては、ゲーム内通貨等の対価の支払いに応じて、キャラクタやアイテム等のオブジェクトがランダム(無作為)に選択され付与されるランダム型アイテム提供方式の抽選システムが知られている。このような抽選システムを備えたゲームにおいては、出現確率の低い特定のキャラクタやアイテムを得るために、繰り返し抽選を行うことで課金額が過剰に増大してしまったり、所望のオブジェクトが得られないためにゲームに対する興味が低下してしまったりするという問題がある。
【0003】
これに対して、特許文献1には、ゲーム内の仮想店舗を介してプレイヤ間でアイテムを売買することができる機能を備えたシステムが開示されている。このようなシステムによれば、抽選システムに加えてプレイヤ間での売買というアイテム獲得の手段が加わるため、各プレイヤが所望のアイテムを獲得する可能性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−254448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記システムにおいては、オブジェクトを売却したプレイヤが対価として有償のゲーム内通貨(仮想通貨)を受け取る構成とされているため、リアルマネートレード(RMT)に近い構造となっており、安全性の懸念がある。具体的に、抽選システムで得られたアイテム等を換金するシステムを事業者が提供しているような場合や利用者が換金を目的としてゲームを利用する場合は、賭博罪に該当する可能性が高くなるといった虞がある。
【0006】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、より安全な方法で、ゲーム内で使用されるオブジェクトのプレイヤ間取引を行うことができるサーバ、ゲームプログラム、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、複数のプレイヤがそれぞれのプレイヤ端末からネットワークを介して実行可能なゲームシステムを提供するサーバであって、
ゲーム内で使用可能なオブジェクトを第1のプレイヤが第2のプレイヤに売却する際に、前記第2のプレイヤが支払う有償ポイントを受領する有償ポイント受領部と、
前記有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与部と、を備えることを特徴とするサーバが提供される。
【0008】
また、本開示によれば、複数のプレイヤがそれぞれのプレイヤ端末からネットワークを介して実行可能なゲームシステムを提供するためのゲームプログラムであって、
ゲーム内で使用可能なオブジェクトを第1のプレイヤが第2のプレイヤに売却する際に、前記第2のプレイヤが支払う有償ポイントを受領する有償ポイント受領処理と、
前記有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とするゲームプログラムが提供される。
【0009】
また、本開示によれば、複数のプレイヤがそれぞれのプレイヤ端末からネットワークを介して実行可能なゲームシステムを提供する情報処理方法であって、
ゲーム内で使用可能なオブジェクトを第1のプレイヤが第2のプレイヤに売却する際に、前記第2のプレイヤが支払う有償ポイントを受領する有償ポイント受領ステップと、
前記有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与ステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、より安全な方法で、ゲーム内で使用されるオブジェクトのプレイヤ間取引を行うことができるサーバ、ゲームプログラム、情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係るゲームシステムの構成例を示す図である。
図2】同実施形態に係るサーバの機能上の構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係るプレイヤ端末の機能上の構成を表すブロック図である。
図4】同実施形態に係るオブジェクト取引の概念を示す図である。
図5】同実施形態に係るゲームシステムにおいて実行される一連の処理の一例を説明するフロー図である。
図6】同実施形態に係るゲームシステムにおいて売却するオブジェクトを選択する際のプレイヤ端末画面の構成例である。
図7】同実施形態に係るゲームシステムにおいて購入するオブジェクトを選択する際のプレイヤ端末画面の構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
<構成>
図1に示されるように、本ゲームシステムは、ネットワーク3を介してゲームに関する各種サービスをプレイヤに提供するものであり、サーバ1(サーバ装置)と複数のプレイヤ端末2とで構成される。本ゲームシステムでは、例えば、スマートフォン等のプレイヤ端末2にインストールされるアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」という。)を実行することで、サーバ1との間で通信を行い、プレイヤにゲームを実行(プレイ)させることができる。なお、本実施形態では、上記アプリが、プレイヤ端末2にインストールして使用する所謂「ネイティブアプリケーション」である場合について説明するが、これに限られず、ウェブブラウザ上で動作可能な所謂「ウェブアプリケーション」であってもよい。また、本ゲームシステムで実行されるゲームの分野は特に限定されず任意の種類のゲームであってよい。例えば、対戦ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、クイズゲーム、ピンボールゲーム、カードゲーム、リズムゲーム、RPG、位置情報ゲーム、ボードゲームなどであってよい。
【0014】
ネットワーク3は、例えば、インターネット、無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G、5G等の移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0015】
<サーバ1の構成>
図2は、サーバ1の機能上の構成を示すブロック図である。サーバ1は、システム管理者等が各種サービスを運営・管理する際に利用する情報処理装置(例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等)である。サーバ1は、プレイヤ端末2から各種のコマンド(リクエスト)を受信することができる。また、サーバ1は、プレイヤ端末2から受信した情報に応じて、プレイヤ端末2上で動作可能なゲームプログラム・各種データ等をプレイヤ端末2に送信することができる。また、サーバ1は、プレイヤ端末2の規格に合わせたマークアップ言語(HTML等)で作成されたWebページ(ゲーム画面等)を送信可能であってもよい。本例のサーバ1は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15を有する。
【0016】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、サーバ1全体の制御を行うものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行すること等によって実現される。制御部11は、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)を備えていてもよい。本実施の形態の制御部11は、ゲーム実行部111、画面データ生成部112、有償ポイント受領部113、無償ポイント付与部114、及び手数料受領部115を備える。
【0017】
サーバ1のゲーム実行部111は、ゲームプログラムに従ってゲームを進行させる処理を実行する機能を有している。本実施形態におけるゲームシステムによるゲームは、任意の種類のゲームであってよい。
【0018】
画面データ生成部112は、ゲーム画面をプレイヤ端末2に表示させるための画面データを生成する処理を実行する機能を有している。画面データ生成部112は、上記の任意のゲームに関する画面データを生成する。本実施形態における画面データ生成部112は、ゲーム画面に対応する画面データを生成する。
【0019】
有償ポイント受領部113は、プレイヤ間で(サーバ1を介して)オブジェクトを取引する際に、購入側のプレイヤが支払う有償ポイントを受領し、無償ポイント付与部114は、購入側のプレイヤが支払った有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを売却側のプレイヤに付与する。
【0020】
手数料受領部115は、プレイヤ間でオブジェクトを取引する際に、購入側のプレイヤ及び売却側のプレイヤの少なくとも一方から手数料を受領する。なお、手数料受領部115は必須の構成ではない。当該手数料は、有償ポイントであることが好ましく、これによれば、管理者側の収益を高めることもできる。手数料は、有償ポイントに限られず、無償ポイント等であってもよい。
【0021】
なお、制御部11は、各プレイヤが売却を希望するオブジェクトを受け付ける売却希望オブジェクト受付部、プレイヤ毎の売却希望オブジェクトのリストを生成する売却希望リスト生成部、各プレイヤが購入を希望するオブジェクトを受け付ける購入希望オブジェクト受付部、プレイヤ毎の購入希望オブジェクトのリストを生成する購入希望リスト生成部等を備えていてもよい。
【0022】
記憶部12は、システムプログラムが記憶された読取専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスクなどの不揮発性記憶装置によって実現される。本実施形態における記憶部12は、ゲーム情報記憶部121、プレイヤ情報記憶部122、売買情報記憶部123等の各種記憶部を有している。
【0023】
サーバ1のゲーム情報記憶部121は、ゲームに関する情報を記憶する。ゲーム情報は、ゲームの種類に応じて適宜構成される。例えば対戦ゲームである場合は、ステージIDに紐づけて、ステージ名、敵キャラクタ情報等を含む。
【0024】
プレイヤ情報記憶部122は、プレイヤに関する情報(プレイヤ情報)を記憶する。プレイヤ情報には、プレイヤIDに紐づけて、プレイヤ名、所有オブジェクト情報、所有ポイント情報、プレイステージ情報等を含むことができる。所有オブジェクト情報は、ユーザ間での取引(売買)の対象となる所有キャラクタ情報、所有アイテム情報等を含む。所有キャラクタ情報は、各プレイヤが所有するキャラクタの種類、数等を含むことができる。所有キャラクタ情報は、所有キャラクタのIDに対応付けて、レベル、攻撃力、防御力、体力などの各種パラメータの現在値を含むことができる。所有アイテム情報は、各プレイヤの所有アイテムのIDに対応付けて、保有数などの情報を含むことができる。所有ポイント情報は、各プレイヤが所有する有償ポイントの保有量(保有金額)及び無償ポイントの保有量(保有金額)等を含むことができる。プレイステージ情報は、設定された複数のステージのうち、プレイヤがこれまでにプレイしたことのあるステージに関する情報であり、プレイ回数、クリア情報等を含むことができる。プレイヤ情報は、他にもプレイヤ及びゲームのプレイ状況に関する情報を含むことができる。所有オブジェクト情報及び所有ポイント情報は、各プレイヤが現時点で所有しているオブジェクト及びポイントの情報(現在値)に加えて、上限値を含んでいてもよい。すなわち、プレイヤ情報記憶部122が、各プレイヤが所有可能なオブジェクト及びポイントの上限値を記憶するようにしてもよい。このような上限値は、プレイヤ間で統一されていてもよいし、プレイヤごとに異なっていてもよい。また、各上限値は予め決定された一定の数値であってもよいし、種々の条件によって変化する数値であってもよい。変化する数値である場合、変化の条件は、例えばプレイヤのレベル、所有キャラクタ、所有アイテム、課金額、総プレイ時間、ログイン回数(総ログイン回数、所定期間内のログイン回数)等から選択することができる。
【0025】
プレイヤ情報記憶部122は、プレイヤIDに紐づけて、各プレイヤのオブジェクト売買に関する情報を記憶することができる。オブジェクト売買に関する情報とは、例えば、各プレイヤがオブジェクトを売却または購入した日時、回数、相手プレイヤ、各プレイヤが売却または購入したオブジェクトの種類、数、価格(金額)等を含むことができる。オブジェクトを売却した回数、及び購入した回数はそれぞれ、例えば総回数、所定期間(1時間あたり、1日あたり、1か月あたり等)内での回数、1ログインごとの回数等を含むことができる。
【0026】
プレイヤ情報記憶部122は、各プレイヤが売却を希望するオブジェクトの種類、数、価格等を記憶することができる。また、プレイヤ情報記憶部122は、各プレイヤが購入を希望するオブジェクトの種類、数、価格等を記憶することができる。
【0027】
売買情報記憶部123は、有償ポイントに応じた無償ポイントを算出する際のレートに関する情報を記憶する。当該「レート」は、例えば、第1のプレイヤが第2のプレイヤにオブジェクトを売却する場合において、購入側の第2のプレイヤが支払う有償ポイントの数量と、売却側の第1プレイヤに付与される無償ポイントの数量との比率を示す数値である。具体的には、例えば、オブジェクトを購入する側の第2のプレイヤが有償ポイントとしての有償石を10個支払い、売却する側の第1のプレイヤに無償ポイントとしての無償石が10個付与される場合のレートは、1(100%)である。このレートは1以上でも1以下でもよい。
【0028】
レートは、予め決定された一定の数値であってもよいし、種々の条件によって変化する数値であってもよい。例えば、レートは、取引されるオブジェクトの種類に応じて決定されてもよい。あるいは、レートは、オブジェクトを売却するプレイヤ(第1のプレイヤ)の情報に基づいて決定されてもよいし、オブジェクトを購入する側のプレイヤ(第2のプレイヤ)の情報に基づいて決定されてもよいし、第1のプレイヤの情報と第2のプレイヤの情報との両方に基づいて決定されていてもよい。プレイヤの情報とは、例えばプレイヤのレベル、所有キャラクタ、所有アイテム、課金額、総プレイ時間、ログイン回数(総ログイン回数、所定期間内のログイン回数)などの情報とすることができるが、特に限定されない。
【0029】
売買情報記憶部123は、オブジェクトの売買に関する上限値を記憶してもよい。オブジェクトの売買に関する上限値とは、各プレイヤが所定期間にオブジェクトを売却できる回数、購入できる回数、一度に売却できるオブジェクトの数、一度の売買において移動する有償ポイント、無償ポイントの金額(売却価格、購入価格)等には、任意で上限値を設定してもよい。例えば1日当たりのオブジェクト売却回数の上限値を1回等と設定したり、1日当たりのオブジェクト売却個数の上限値を1個等と設定したり、複数の条件を組み合わせたりすることができる。各種上限値は、プレイヤの情報に基づいて決定されていてもよい。プレイヤの情報とは、例えばプレイヤのレベル、所有キャラクタ、所有アイテム、課金額、総プレイ時間、ログイン回数(総ログイン回数、所定期間内のログイン回数)などの情報とすることができるが、特に限定されない。なお、上限値を0に設定することで、所定のオブジェクトの売買を禁止することも可能である。各種上限値は、アイテムの仕様により変更されることとしてもよい。例えば、所定期間にオブジェクトを売却できる回数の上限値を所定回数分増大させるアイテム、一度に売却できるオブジェクトの数を増大させるアイテム、1回当たりの売買価格の上限値を増大させるアイテムなどが考えられる。これらのアイテムは、ゲームの進行に応じてプレイヤに付与されてもよいし、課金によって手に入れた有償ポイントで購入可能としてもよい。
【0030】
売買情報記憶部123は、プレイヤが1回オブジェクトを売却してから、所定期間にわたってオブジェクトの売却を禁止する売却禁止期間を記憶してもよいし、1回のオブジェクトの購入から、所定期間にわたってオブジェクトの購入を禁止する購入禁止期間を記憶してもよい。具体的には、例えば、オブジェクトの売却を行ってから30分間を売却禁止期間と設定してもよいし、オブジェクトの購入を行ってから30分間を購入禁止期間と設定してもよい。オブジェクトの売却または購入をしてから所定期間にわたって売却も購入も禁止される売買禁止期間を設けてもよい。
【0031】
このように、各種の上限値や禁止期間を設けることによって、よりプレイヤのログイン回数を増やすことができる。上限値や禁止期間は、一律に設定してもよいし、時間帯によって変動させてもよい。また、プレイヤのレベル、所有キャラクタ、所有アイテム、課金額、総プレイ時間など種々の指標に基づいてプレイヤごとに設定してもよい。
【0032】
入力部13はシステム管理者がゲームサービスに関する各種データ(例えば、ゲーム情報等)を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス等によって実現される。
【0033】
表示部14は、制御部11からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0034】
通信部15は、プレイヤ端末2との間で通信を行うためのものであり、プレイヤ端末2から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、制御部11の指令に応じて各種データや信号をプレイヤ端末2へ送信する送信部としての機能を有している。通信部15は、例えばNIC(Network Ineterface Card)等によって実現される。
【0035】
<プレイヤ端末2>
図3は、プレイヤ端末2の機能上の構成を表すブロック図である。プレイヤ端末2は、プレイヤが所持し利用することができる情報処理装置(例えば、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等)である。プレイヤ端末2は、サーバ1から送信された情報に基づいて、ゲーム画面等を画面表示することができる。なおプレイヤ端末2は、Webブラウザ機能を有していてもよく、その場合、サーバ1から送信されたWebページ(ゲーム画面等)を画面表示することができる。プレイヤ端末2は、プレイヤ端末2全体の制御を行う制御部21と、各種データ・プログラムを記憶する記憶部22と、プレイヤが操作入力を行うための入力部23、ゲーム画面・操作画面等を出力する出力部24、サーバ1との間で情報通信を行う通信部25を有している。本実施の形態の制御部21は、少なくとも操作情報受付部211、ゲーム動作部212を備える。また、記憶部22は、少なくともゲーム動作情報記憶部221を備える。制御部21の各機能部は、メモリやゲーム動作情報記憶部221に格納されているプログラムをCPUが実行することにより実現することができる。
【0036】
プレイヤ端末2の操作情報受付部211は、プレイヤからゲームに関する操作を受け付ける。このようなプレイヤによる操作は、入力部23を用いて行われる。そして、操作情報受付部211は、受け付けた操作の内容を示す情報をゲーム動作部212に出力する。
【0037】
ゲーム動作部212は、ゲームを動作させるための処理を実行する。ゲーム動作部212は、ゲーム動作情報記憶部221に記憶されたゲーム動作情報に含まれるゲームソフトウェアと、入力部23から入力されたプレイヤの操作内容とに基づいてゲームを動作させる。ゲーム動作部212は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる画像データからゲーム用の画像を生成し、生成した画像を出力部24に出力させるための制御処理を行う。同様にして、ゲーム動作部212は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる音楽データや音声データからゲーム用の音楽や音声を生成し、生成した音楽や音声を出力部24から出力させるための制御処理を行う。
【0038】
ゲーム動作部212が動作させるゲームにおける所定の情報はサーバ1にて管理される。所定の情報は、例えば、ゲームにおける有償ポイント、無償ポイント等のゲーム内通貨、スタミナ等のパラメータ(変数)を含む。ゲーム動作部212は、ゲームにおいてこれらの所定の情報の変化が伴う処理が発生する場合には、サーバ1との通信を行うことにより、サーバ1が管理する情報を更新させる。そして、ゲーム動作部212は、更新後のパラメータをサーバ1から受信し、この更新後のパラメータに基づいてゲームの動作を継続する。
【0039】
本実施形態におけるゲームシステムは、複数のプレイヤがそれぞれのプレイヤ端末からネットワークを介して実行するゲームにおいて、プレイヤ間でサーバ1(システム管理者)を介してオブジェクトを取引(売買)する際に、オブジェクトの対価として購入側のプレイヤ(第2のプレイヤ)が支払う有償ポイントをサーバ1が受領し、有償ポイントに応じて算出された無償ポイントを売却側のプレイヤ(第1のプレイヤ)にサーバ1が付与する仕組みに関する。本ゲームシステムによれば、購入側のプレイヤが支払った有償ポイントがそのまま売却側のプレイヤに付与されるのではなく、所定のレートで算出された無償ポイントが売却側のプレイヤに付与される。そのため、本ゲームシステムによれば、プレイヤ間でオブジェクトを取引する際に、プレイヤ間での有償ポイントの直接的な移動(リアルマネートレード)が防止される。つまり、本ゲームシステムでは、プレイヤ間での直接的なオブジェクト売買ではなく、サーバ1を介した疑似的なオブジェクトの売買をしているのみである。このように、より安全な方法で、ゲーム内で使用されるオブジェクトのプレイヤ間取引を実行することができる。その結果、安全な形で、ゲーム内に疑似的なマーケット(市場)を形成することができる。
【0040】
また、本ゲームシステムによれば、各プレイヤが特定のオブジェクトを自分で選択して他のプレイヤから購入することができるので、オブジェクトの取得方法が抽選システムに限られる場合に比べて、所望のオブジェクトを得やすくなる。その結果、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0041】
ここで、サーバ1を介してプレイヤ間で移転(取引)可能なオブジェクトとは、例えばゲームをプレイする際に使用されるキャラクタ、各種アイテム等の、ゲーム内でのみ使用可能な仮想物とすることができる。
【0042】
また有償ポイントとは、現実世界の通貨等による購入手続き(現金や電子マネーの支払い、クレジットカード決済等)によってプレイヤが取得可能なポイント(ゲーム内通貨)である。この有償ポイントとしては、例えば有償石、有償コイン等が挙げられる。なお有償ポイントは、課金ポイントとも称されることがあり、無償ポイントは非課金ポイントとも称されることがある。
【0043】
無償ポイントとは、プレイヤがゲームの実行(プレイ)等によって非課金で取得可能なポイント(ゲーム内通貨)である。例えば、無償ポイントは、ログイン、所定ステージのクリア、ミッション達成、フレンドとの交流等の報酬として取得できる。この無償ポイントとしては、例えば無償石、無償コイン等が挙げられる。なお、有償ポイントは、所定のレートで無償ポイントと交換できるものであってもよいし、交換できないものであってもよい。無償ポイントは、有償ポイントに交換できないものである。
【0044】
有償ポイントと無償ポイントとは、ゲーム内での機能(効果)に相違がある。例えば、無償ポイントでは不可能な抽選システムの実行を有償ポイントの支払いで可能としたり、無償ポイントでは購入不可能なアイテムを有償ポイントでは購入可能としたりすることで、有償ポイントと無償ポイントとの機能に差異を設けることができる。なお、例えば、ゲーム内に有償ポイントでも無償ポイントでも実行可能な機能があってもよいし、有償ポイントでは不可能な機能が無償ポイントでは可能となるようにしてもよい。
【0045】
以下に、同じゲームをプレイする複数のプレイヤ間(プレイヤ端末2間)でサーバ1を介してオブジェクトを取引(売買)する方法について説明する。
【0046】
図4に示すように、第1のプレイヤP1が所有するオブジェクトAを第2のプレイヤP2に売却する際、第2のプレイヤP2は対価として有償ポイントを支払い、第1のプレイヤP1は当該有償ポイントに対応する無償ポイントを受け取る。システム管理者Mが管理するサーバ1は、第2のプレイヤP2が支払う有償ポイントを受領し、有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを第1のプレイヤP1に付与する。オブジェクトAは、第1のプレイヤP1からサーバ1を介して第2のプレイヤP2に移転する。
【0047】
図5は、オブジェクト取引における具体的な処理の流れを例示するフロー図である。図5に示すように、まず、第1のプレイヤP1は、売却希望提示ステップS101において、所有するオブジェクトAの売却を希望する旨を提示する。売却対象となるオブジェクトAは、例えば、第1のプレイヤP1が所有するオブジェクトのうち、重複するなどして不要となったキャラクタやアイテム等とすることができる。
【0048】
図6は、オブジェクトの売却を希望する第1のプレイヤP1のプレイヤ端末2の選択画面31の一例を示している。図6に示すように、第1のプレイヤP1は、選択画面31における売却オブジェクト選択ボタン32を操作して、所有するオブジェクトの中から売却を希望するオブジェクト(例えば、オブジェクトA)の種類を選択する。また、選択画面31における売却価格設定ボタン33を操作して、選択したオブジェクトの売却希望価格を設定する。この売却価格設定ボタン33には、第1のプレイヤP1が受け取る無償ポイントの価格(無償石10個)及び第2のプレイヤP2が支払う有償ポイントの価格(有償石10個)の少なくとも一方が表示される。その後、選択画面31における売却希望提示ボタン34を操作することで、売却希望提示ステップS101が終了する。これにより、売却を希望するオブジェクトの種類及び希望価格に関する情報がサーバ1に送信される。なお、売却オブジェクトの取引価格は、システム管理者Mが決定するようにしてもよく、その場合には、第1のプレイヤP1は売却を希望するオブジェクトのみを選択して提示する。第1のプレイヤP1が売却を希望するオブジェクトに関する情報は、例えばサーバ1のプレイヤ情報記憶部122に記憶される。なお、第1のプレイヤP1は、ゲーム内での会話機能等を用いて、第2のプレイヤP2等の他のプレイヤに対して直接的に、売却希望オブジェクトに関する情報を提示してもよい。
【0049】
第2のプレイヤP2は、第1のプレイヤP1等の他のプレイヤが売却を希望するオブジェクトを確認することができる(出品オブジェクト確認ステップS102)。この出品オブジェクト確認ステップS102は、例えば第2のプレイヤP2がサーバ1に売却希望オブジェクトに関する情報の提示を要求すること等により行うことができる。サーバ1は、各プレイヤが売却を希望するオブジェクトの種類、その価格、出品者(当該オブジェクトの売却を希望しているプレイヤ)等の情報が表示されたリスト(一覧表)を適宜生成し、提示することができる。また、サーバ1は、出品(売却希望提示)されている全てのオブジェクトの中から、所定のオブジェクトを検索可能な検索機能を備えていてもよい。このようにして、各プレイヤは、購入を希望するオブジェクトが出品されているか否か、またその価格、出品者等を確認することができる。なお、第2のプレイヤP2は、ゲーム内での会話機能等を用いて、第1のプレイヤP1等の他のプレイヤに対して直接的に、売却希望オブジェクトに関する情報の提示を要求してもよい。
【0050】
第2のプレイヤP2は、第1のプレイヤP1が売却を希望するオブジェクトAの購入を希望する場合、サーバ1に対して購入希望を提示することができる(購入希望提示ステップS103)。
【0051】
図7は、オブジェクトの購入を希望する第2のプレイヤP2のプレイヤ端末2の選択画面41の一例を示している。図7に示すように、第2のプレイヤP2は、選択画面41における購入希望オブジェクト選択ボタン42を操作して、購入するオブジェクト及びその価格を選択する。また、必要に応じて、選択画面41における取引対象者選択ボタン43を操作して、選択したオブジェクトを購入する取引対象者(例えば第1のプレイヤP1)を選択する。なお、同一オブジェクトの出品者が複数存在しない場合には、取引対象者選択ボタン43の操作は不要である。その後、選択画面41における購入ボタン44を操作することで、購入希望提示ステップS103が終了する。これにより、購入を希望するオブジェクトの種類、価格、及び取引対象者に関する情報がサーバ1に送信される。
【0052】
このように、第1のプレイヤP1の売却希望と第2のプレイヤP2の購入希望とが合致することにより、取引契約が成立する(取引契約成立ステップS104)。なお、取引契約が成立するタイミングは、第2のプレイヤP2による購入希望提示(購入希望提示ステップS103)が行われたタイミングと同時であってもよいし、システム管理者Mにより設定された所定のタイミングであってもよい。
【0053】
取引契約が成立すると、サーバ1の有償ポイント受領部113は、第2のプレイヤP2のプレイヤ端末2から有償ポイントを受領する(有償ポイント受領ステップS105)。また、サーバ1の無償ポイント付与部114は、第2のプレイヤP2が支払った有償ポイントに所定のレートを乗じて無償ポイントを算出し(無償ポイント算出ステップS106)、算出後の無償ポイントを第1のプレイヤP1に付与する(無償ポイント付与ステップS107)。また、サーバ1の制御部11は、オブジェクトAを第1のプレイヤP1から、第2のプレイヤP2に移動させる(オブジェクト移転ステップS108)。
【0054】
上記ステップS105〜S108において、サーバ1の制御部11は、プレイヤ情報記憶部122に記憶された各プレイヤ(P1,P2)に関する所有オブジェクト情報及び所有ポイント情報を更新する。つまり、サーバ1の制御部11は、プレイヤ情報記憶部122に記憶された第2のプレイヤP2の有償ポイントを取引価格分減らし、第1のプレイヤP1の無償ポイントを取引価格分増やす。また、サーバ1の制御部11は、プレイヤ情報記憶部122に記憶された第1のプレイヤP1のオブジェクトAの所有数を1減らし、第2のプレイヤP2のオブジェクトAの所有数を1増やす処理を行う。このようにして、プレイヤ間でのサーバ1を介したオブジェクトの取引が終了する。
【0055】
上記の通り、第1のプレイヤP1は、不要なオブジェクトAを売却し、無償ポイントを取得することができ、第2のプレイヤP2は有償ポイントを支払い、所望のオブジェクトAを取得することができる。
【0056】
このように、本ゲームシステムによれば、購入側のプレイヤが支払った有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントが売却側のプレイヤに付与される。そのため、より安全な方法で、ゲーム内で使用されるオブジェクトのプレイヤ間取引を実行することができる。また、本ゲームシステムによれば、各プレイヤが他のプレイヤから特定のオブジェクトを取得(購入)することができるので、所望のオブジェクトを得やすくなり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0057】
なお、図4、5では手数料受領部115による手数料受領処理の説明は省略しているが、取引契約成立以降の任意のタイミングで、手数料受領部115は第1のプレイヤP1及び第2のプレイヤP2の少なくとも何れか一方から手数料を受領することができる。すなわち、サーバ1の制御部11は、プレイヤ情報記憶部122に記憶された各プレイヤ(P1,P2)に関する所有ポイント情報を更新する。つまり、サーバ1の制御部11は、手数料受領ステップとして、プレイヤ情報記憶部122に記憶された第1のプレイヤP1及び第2のプレイヤP2の少なくとも何れか一方の有償ポイントを手数料価格分減らす処理を行う。
【0058】
本ゲームシステムにおいて、サーバを1介してプレイヤ間で取引(売買)可能なオブジェクトは、抽選システムにより取得したオブジェクトであることが好ましい。このような構成によれば、例えば抽選システムにより取得した不要なオブジェクトを処分し、無償ポイントを取得することができるので、より効果的にゲームの興趣性を高めることができる。なお、サーバを1介してプレイヤ間で取引(売買)可能なオブジェクトはプレイヤが課金により得た有償ポイントまたは無償ポイントを支払って行う抽選システムにより取得したキャラクタやアイテム等に限られず、例えば有償ポイントを支払って他のプレイヤから取得(購入)したオブジェクトも含むことができる。
【0059】
本ゲームシステムにおいて、各プレイヤは、任意のタイミングで、売却を希望するオブジェクトの種類と希望価格をゲーム内で提示することができる。その際、複数のオブジェクトをまとめて売却対象としてもよい。このような売却希望の提示方法は特に限定されないが、例えば、他のプレイヤに対して直接売却希望を提示したり、ゲーム内の仮想店舗、仮想市場等を介して売却希望を提示したりすることができる。
【0060】
本ゲームシステムにおいて、各プレイヤが他のプレイヤの売却希望オブジェクトの購入を希望する場合の購入希望提示方法は特に限定されないが、例えば、他のプレイヤに対して直接購入希望を提示したり、ゲーム内の仮想店舗、市場等を介して購入希望を提示したりすることができる。なお、各プレイヤは、他のプレイヤからオブジェクトの売却希望提示がなされる前に、予め購入希望提示をするようにしてもよい。その場合、各プレイヤは、例えば、購入を希望する1つまたは複数のオブジェクトの種類と購入価格を提示することができ、他のプレイヤは、当該購入希望提示を確認してから、自身が所有するオブジェクトの売却希望を提示することができる。このように、売却希望の提示と購入希望の提示はどちらが先でもよい。
【0061】
また、取引の対象となるオブジェクトの種類、価格等の条件を、各プレイヤ間で交渉できるようにしてもよい。この場合、例えばプレイヤ間で値下げ交渉をすることが可能となり、より現実に近いマーケットをゲーム内に形成することができる。
【0062】
また、取引の対象となるオブジェクトの種類、価格等の条件を、ゲームシステムの管理者側で決定するようにしてもよい。具体的には、サーバ1が、各オブジェクトが売買可能か否かのフラグ情報を持つようにしたり、各オブジェクトの価格がサーバ1で予め決定されていたりするようにしてもよい。このように、各オブジェクトの売買可否、及び価格等をシステム管理者側でコントロールすることで、オブジェクトの売買価格が過剰に上昇してユーザ間でトラブルが生じるといった虞を回避することができる。また、例えば課金を要する抽選システムで得られた有償のオブジェクトの売買を禁止するようにしてもよく、その場合、ゲームシステムの健全性、安全性をさらに高めることができる。
【0063】
また、1つの出品オブジェクトに対して複数のプレイヤから購入希望提示があった場合、オブジェクトの売却を希望するプレイヤが、売却対象のプレイヤを選択できるようにしてもよい。あるいは、オークションのように、1つの出品オブジェクトに対して複数の購入希望のプレイヤが購入希望価格を提示し、最も大きな購入希望価格を提示したプレイヤが当該価格の有償ポイントを支払って、当該オブジェクトを取得できるようにしてもよい。その場合、売却側のプレイヤがオブジェクトを出品してから取引契約が成立するまでの期間等を、売却側のプレイヤが設定できるようにしてもよいし、サーバ1側で当該期間を設定するようにしてもよい。また、売却側のプレイヤが、初期価格を設定できるようにしてもよいし、即時に取引契約成立となる即決価格を設定できるようにしてもよい。
【0064】
また、本ゲームシステムは、各オブジェクトの取引の際に、当該オブジェクトの平均取引価格が表示される機能を有していてもよい。その場合、サーバ1は、取引が行われた各オブジェクトの価格情報を収集し、オブジェクトごとに平均取引価格を算出する。そしてサーバ1は、オブジェクトの取引の際に、プレイヤに平均取引価格を提示する。
【0065】
また、取引対象となる各オブジェクトに個別のシリアル番号を付与して、各オブジェクトをユニーク化してもよい。この場合、サーバ1の記憶部22に、各オブジェクトのシリアル番号の情報が記憶される。そして、このようなゲームシステムにおいては、例えば、ユーザの好みのシリアル番号が付与されたオブジェクトを集めるといった新たな楽しみが得られ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0066】
また、取引対象となる各オブジェクトに、当該オブジェクトを過去に所持していたユーザ(持ち主)の情報(履歴)を付加するようにしてもよい。この場合、サーバ1の記憶部22に、各オブジェクトについて過去に所持していたユーザの情報が記憶される。このようなゲームシステムにおいては、例えば、著名なユーザが所持していたオブジェクトの価値が高くなったり、所定のユーザが所持していたオブジェクトを探して集めたりするといった新たな楽しみが得られる。
【0067】
また、売買取引後にオブジェクトを返却(クーリングオフ)可能な構成としてもよい。この場合、オブジェクトの返却に、条件を設定してもよい。すなわち、例えば、当該オブジェクトの使用前、且つ、一定期間内に限り、返却可能としてもよい。あるいは、特定のオブジェクトに限り、返却可能としてもよい。オブジェクトを購入したプレイヤが当該オブジェクトを返却した場合、購入時に対価として支払った有償ポイントが購入したプレイヤに全額戻るようにしてもよいし、全額よりも少ない所定の割合で戻るようにしてもよい。また、オブジェクトを売却したプレイヤにはオブジェクトが返却され、売却時に付与された無償ポイントの全部または一部が管理者側に戻される。このように、購入したオブジェクトを返却可能とすることで、トラブル等の発生をより確実に防ぐことができ、ゲームの安全性をさらに高めることができる。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0069】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。
【0070】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係るサーバ1の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0071】
また、本明細書においてフロー図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0072】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0073】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
複数のプレイヤがそれぞれのプレイヤ端末からネットワークを介して実行可能なゲームシステムを提供するサーバであって、
ゲーム内で使用可能なオブジェクトを第1のプレイヤが第2のプレイヤに売却する際に、前記第2のプレイヤが支払う有償ポイントを受領する有償ポイント受領部と、
前記有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与部と、を備えることを特徴とするサーバ。
(項目2)
前記オブジェクトは、前記第1のプレイヤが抽選システムにより取得したオブジェクトである、項目1に記載のサーバ。
(項目3)
前記オブジェクトを第1のプレイヤが第2のプレイヤに売却する際に、前記第1のプレイヤ及び前記第2のプレイヤの少なくとも一方から手数料を受領する手数料受領部をさらに備える、項目1または2に記載のサーバ。
(項目4)
前記手数料は有償ポイントである、項目3に記載のサーバ。
(項目5)
複数のプレイヤがそれぞれのプレイヤ端末からネットワークを介して実行可能なゲームシステムを提供するためのゲームプログラムであって、
ゲーム内で使用可能なオブジェクトを第1のプレイヤが第2のプレイヤに売却する際に、前記第2のプレイヤが支払う有償ポイントを受領する有償ポイント受領処理と、
前記有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とするゲームプログラム。
(項目6)
複数のプレイヤがそれぞれのプレイヤ端末からネットワークを介して実行可能なゲームシステムを提供する情報処理方法であって、
ゲーム内で使用可能なオブジェクトを第1のプレイヤが第2のプレイヤに売却する際に、前記第2のプレイヤが支払う有償ポイントを受領する有償ポイント受領ステップと、
前記有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを前記第1のプレイヤに付与する無償ポイント付与ステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法。
【符号の説明】
【0074】
1 サーバ
2 プレイヤ端末
11 制御部
113 有償ポイント受領部
114 無償ポイント付与部
115 手数料受領部
【要約】
【課題】より安全な方法で、ゲーム内で使用されるオブジェクトのプレイヤ間取引を行うことができるサーバ、ゲームプログラム、情報処理方法を提供する。
【解決手段】本開示は、複数のプレイヤP1、P2がそれぞれのプレイヤ端末2、2からネットワーク3を介して実行可能なゲームシステムを提供するサーバ1であって、ゲーム内で使用可能なオブジェクトAを第1のプレイヤP1が第2のプレイヤP2に売却する際に、第2のプレイヤP2が支払う有償ポイントを受領する有償ポイント受領部113と、有償ポイントに所定のレートを乗じて算出した無償ポイントを第1のプレイヤP1に付与する無償ポイント付与部114と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7