特許第6875585号(P6875585)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6875585
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】ミスト発生装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/12 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
   A61H33/12 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-142122(P2020-142122)
(22)【出願日】2020年8月25日
【審査請求日】2020年8月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人サカモト・アンド・パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】秋元 正寿
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−104009(JP,A)
【文献】 特開2001−132994(JP,A)
【文献】 特開2002−263162(JP,A)
【文献】 特開2008−079733(JP,A)
【文献】 特開2016−75432(JP,A)
【文献】 特開2012−235922(JP,A)
【文献】 特開2012−205731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/12
F24F 6/00−18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミスト発生装置であって、
液体を加熱してミストを発生させるミスト発生部と、
前記ミスト発生部により発生したミストを前記ミスト発生装置の前方に向けて吐出する吐出口と、
前記液体を蓄えるタンクと、
前記タンクから前記ミスト発生部に前記液体を供給する管路と、
を備え、
前記タンクは前記ミスト発生部よりも前記ミスト発生装置の背面側に配置され、
前記管路は、前記ミスト発生部に設けられた取付部に前記ミスト発生装置の側面方向から差し込まれて、前記タンクから供給された前記液体を、前記ミスト発生装置の側面側から前記ミスト発生部に供給し、
前記ミスト発生部は、前記ミスト発生部の前後方向における中心近傍または中心近傍よりも前方に、取付部を有し、 前記管路は、前記ミスト発生部の前後方向における中心近傍または中心近傍よりも前方において、前記取付部を介して前記ミスト発生部に接続されている、ミスト発生装置。
【請求項2】
前記管路は柔軟性を有し、変形可能である、請求項1に記載のミスト発生装置。
【請求項3】
前記ミスト発生部、前記タンクおよび前記管路を収容するハウジングを備え、
前記ミスト発生部において前記液体を加熱するヒータと、
前記ハウジングと前記ヒータとの間に介在された断熱部材と、
を備える、請求項1または2に記載のミスト発生装置。
【請求項4】
前記ミスト発生部において発生した前記ミストに紫外線を照射する紫外線照射部を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のミスト発生装置。
【請求項5】
前記ミスト発生部は、前記液体を加熱する加熱室と、
上下方向に延設され、前記加熱室に前記液体を供給する流路と、
を備え、
前記管路は、前記ミスト発生装置の側面側から前記流路に接続されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のミスト発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を加熱してミストを発生させるミスト発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を沸騰させてミストを発生させ、ミストを吐出口から吐出させるミスト発生装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-212427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ミスト発生装置では、コンパクトなハウジング内にタンクやミスト発生部など、複数の構成要素を配置する必要があり、実装状態の適正化や組み付け性の向上が望まれる。
【0005】
本発明は、実装状態の適正化や組み付け性の向上を図ることができるミスト発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、
液体を加熱してミストを発生させるミスト発生部と、
前記ミスト発生部により発生したミストを前方に向けて吐出する吐出口と、
前記液体を蓄えるタンクと、
前記タンクから前記ミスト発生部に前記液体を供給する管路と、
を備え、
前記タンクは前記ミスト発生部よりも背面側に配置され、
前記管路は、前記タンクから供給された前記液体を、側面側から前記ミスト発生部に供給する、ミスト発生装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、実装状態の適正化や組み付け性の向上を図ることができるミスト発生装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施例のミスト発生装置の断面図(図2におけるI−I線断面図)である。
図2図1におけるII−II線断面図である。
図3A】凹部形状の加熱室などを示すミスト発生部の斜視図である。
図3B】流路および取付部などを示すミスト発生部の背面図である。
図3C】取付部などを示すミスト発生部の底面図である。
図3D】流路および取付部などを示すミスト発生部の側面図である。
図3E】流路および取付部などを示すミスト発生部の正面図である。
図3F】流路および絞り部などを示すミスト発生部の上面図である。
図3G】凹部形状の加熱室などを示すミスト発生部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施例について説明する。
【0010】
図1は、本実施例のミスト発生装置の断面図(図2におけるI−I線断面図)、図2は、図1におけるII−II線断面図、図3Aは、凹部形状の加熱室などを示すミスト発生部の斜視図、図3Bは、流路および取付部などを示すミスト発生部の背面図、図3Cは、取付部などを示すミスト発生部の底面図、図3Dは、流路および取付部などを示すミスト発生部の側面図、図3Eは、流路および取付部などを示すミスト発生部の正面図、図3Fは、流路および絞り部などを示すミスト発生部の上面図、図3Gは、凹部形状の加熱室などを示すミスト発生部の側面図である。
【0011】
図1図3Gにおいて、矢印Uはミスト発生装置の上方向を、矢印Lはミスト発生装置の左方向(左側面方向)を、矢印Fはミスト発生装置の前方向(前面方向)を、それぞれ示している。
【0012】
本実施例のミスト発生装置は、樹脂製のハウジング部材1A、ハウジング部材1B、ハウジング部材1Cおよび底板1Dにより構成されるハウジング1を備える。ハウジング1は、曲面的に形成されたミスト発生装置の外表面(前面、側面および背面)を構成する。ハウジング部材1Aは、ミスト発生装置の前面側下部に配置され、ハウジング部材1Bは、ミスト発生装置の前面側上部に配置される。ハウジング部材1Aおよびハウジング部材1Bは、ミスト発生装置の前面および側面を構成する。ハウジング部材1Cは、ミスト発生装置の背面側に配置され、ミスト発生装置の背面および側面を構成する。底板1Dはミスト発生装置の底面を構成し、ミスト発生装置は底板1Dを介して、所望の場所に設置される。
【0013】
図1に示すように、ハウジング部材1Cには、開口11aを覆う蓋部11が設けられ、蓋部11には水等の液体を蓄えるタンク12が固定されている。タンク12は蓋部11とともにミスト発生装置に対して上下方向にスライド可能とされ、タンク12を開口11aに差し込んで蓋部11を下方向に押し込むことにより、タンク12がミスト発生装置内に収容される。また、タンク12がミスト発生装置内に収容された状態において、蓋部11がハウジング部材1Cの一部として、ミスト発生装置の外表面(背面の一部)を構成する。
【0014】
タンク12の下端側には開口が形成され、開口を開閉する弁体13および弁体13に接続されたピン14が、上下方向にスライド可能に取り付けられている。弁体13およびピン14は、タンク12とともにミスト発生装置に対して着脱可能とされている。タンク12に液体を導入する際には、タンク12を上下に反転させた状態で、上記の開口から液体を流し込むことができる。
【0015】
図1に示すように、ミスト発生装置に収容されるタンク12の下方には、上下方向にスライド可能に取り付けられたピン15と、タンク12の内部に連通する室17および室18とが設けられている。室17および室18の間には、ピン15に取り付けられてピン15とともに上下にスライドする弁体16が配置されている。
【0016】
室18には、柔軟性を有する管路19(図2)が取り付けられる。
【0017】
図1に示すように、ミスト発生装置を持ち上げている状態では、ピン15の下端はミスト発生装置の底面よりも下方に突出する。このとき、弁体16は室17および室18の間を遮断する閉位置にある。また、ピン14は、ピン15の上端にその下端が当接するような位置にあり、弁体13はタンク12の下端側にある開口を閉塞する。
【0018】
ミスト発生装置をテーブルなどに置くと、下端がテーブルに当接したピン15がテーブルにより押し込まれて上方にスライドする。この状態では、弁体16は室17および室18の間を開放する。また、ピン14はピン15により上方に押し込まれ、弁体13はタンク12の下端側の開口を開放する。
【0019】
ミスト発生装置の略中心部の下方側には、ミスト発生部20が設けられている。ミスト発生部20は、支持柱72a、72b(図1)および取付孔28a、28b(図3B図3E)を介してハウジング部材1Aに取り付けられている。
【0020】
ミスト発生部20は、略平板状のヒータ3(図2)が取り付けられるヒータ取付部21と、ヒータ取付部21に取り付けられたヒータ3との間で液体を受け入れる加熱室22と、を備える。ミスト発生部20は、例えば樹脂等により形成されてよい。加熱室22は、左方から視て矩形状に形成されて左方に向かって開口する凹部形状を有する。この凹部は、加熱される液体を溜める部位として機能する。なお、加熱、沸騰時における液体の気泡を制御するために、加熱室22の内部には凹凸形状が形成されている。ヒータ取付部21は、加熱室22に周囲に配置される6つのねじ孔21a(図3A図3G)を備える。このねじ孔21に螺合されるねじ(不図示)により、凹部形状の加熱室22を左方から塞ぐようにヒータ3がヒータ取付部21に取り付けられる。ヒータ3は、左方から視て矩形形状を有し、パッキング部材21c(図3A図3G)を介して加熱室22に対向した状態で取り付けられる。ヒータ3は、左方からパッキング部材21cに密着し、加熱室22の周囲の密閉性が維持される。加熱室22に流入した液体は、加熱室22に対向して露出したヒータ3の表面(加熱面)に接触し、ヒータ3の熱により加熱され、沸騰する。
【0021】
ヒータ3の左方には、ヒータ3からの放熱を抑制する断熱部材31(図2)が取り付けられている。断熱部材31は、左方から視てヒータ3の全面をカバーする形状に形成される。これにより、ヒータ3からの熱がハウジング部材1Cを介して外部に放出されることが抑制される。
【0022】
また、ミスト発生部20は、上下方向に延設された円筒状の流路23と、流路23の上側に設けられ、流路23に接続された円筒状の流路24とを備える。流路24は流路23よりも大径に形成され、上方に向けて径が拡大するテーパ部24aを介して流路23に接続されている。
【0023】
流路23の下端側には、柔軟性(可撓性)を有する材料により形成された管路19(図2)が取り付けられる管路取付部23Aが設けられている。管路取付部23Aは、中空であり、内部に流体が通過可能である。管路取付部23Aは右方向に直線状に突出して設けられ、管路19の一端は、管路取付部23Aに対して右方向から差し込まれて取り付けられる。管路19の他端は、室18(図1)に接続されている。室18には、管路取付部23Aと同様に、室18から右方向に突出する取付部(不図示)が設けられ、管路19の他端は、この取付部に対して右方向から差し込まれて取り付けられる。
【0024】
このように、管路19の一端が管路取付部23Aに対して側面方向(右方向)から差し込まれて取り付けられるので、ミスト発生装置の組み付け作業を容易なものとすることができる。例えば、ピン15、弁体16、室17および室18が取り付けられたハウジング部材1Cを、ミスト発生部20などが取り付けられたハウジング部材1Bに取り付ける際に、管路19を変形させることにより、管路19の一端を容易に管路取付部23Aに差し込むことができる。
【0025】
さらに、ミスト発生部20は、加熱室22と流路23とを接続する流路25と、加熱室22と流路24とを接続する流路26とを備える。図3Aおよび図3Gに示すように、流路25は、断面形状が円形に形成されて左右方向に延設され、加熱室22の下端の近傍で加熱室22に連通される。また、図3Aおよび図3Gに示すように、流路26は、断面形状が矩形に形成されて左右方向に延設され、加熱室22の上端の近傍で加熱室22に連通されている。
【0026】
流路24には、流路24を屈曲させるような形状の絞り部24b(図1図2)が形成され、絞り部24bの上方には、流路24に連通する紫外線照射部4(図1図2)が設けられる。紫外線照射部4は、流路24を供給されてきたミストに紫外線を照射することにより、ミストの粒径を細かくする機能を有する。
【0027】
紫外線照射部4の上方には、流路24に連通する蛇腹51、ミスト供給路52、絞り部53および吐出口55が設けられている。なお、ハウジング部材1Bには、開口71が形成され、吐出口55および絞り部53は、開口71に収容されて流路24をミスト発生装置の外部に連通させている。なお、吐出口55の向きを調整可能とするために、ミスト供給路52、絞り部53および吐出口55を形成する部材は、ハウジング部材1Bに対し、取付部56(図2)を介して回動可能に取り付けられている。当該部材の回動に応じて蛇腹51が変形することにより、流路24から吐出口55までの連通状態を確保しつつ、吐出口55の向きが上下方向に調整可能とされる。
【0028】
一方、ミスト発生部20の右方側には、回路基板6(図2)が設けられている。回路基板6には、商用電源が供給されるとともに、ヒータ3および紫外線照射部4へ電力を供給するための電源回路が実装されている。回路基板6とヒータ3の間、および回路基板6と紫外線照射部4の間には、それぞれ電力を供給するためのケーブル(不図示)が接続されている。
【0029】
ミスト発生部20と回路基板6との間には、支持部材7が配置されている。支持部材7は、ミスト発生部20、回路基板6および紫外線照射部4を一体的に支持している。
【0030】
次に、本実施例のミスト発生装置の動作について説明する。
【0031】
まず、タンク12に液体を充填し、タンク12を開口11aに差し込んで蓋部11を下方向に押し込んでテーブル等におかれたミスト発生装置内に収容する。このとき、ピン15は上方に押し込まれているため、弁体13および弁体16は開位置にあるため、タンク12内の液体は、室17、室18、管路19および管路取付部23Aを介してミスト発生部20の内部(流路23)に流入する。流入した液体は、液面の上昇とともに流路25を介して加熱室22にも供給される。
【0032】
加熱室22に供給された液体は、ヒータ3によって加熱され、沸騰すると、沸騰により生じた蒸気またはミストは、流路26、流路24の絞り部24bを経て、ミストとして紫外線照射部4に導入される。さらに、紫外線照射部4において粒径が微細化されたミストは、蛇腹51、ミスト供給路52および絞り部53を介して、吐出口55から前方に向けて吐出される。
【0033】
吐出口55から吐出されることなく、冷却されて液滴になった液体は、重力により下方に流れて流路23に回収される。回収された液体は、再利用される。
【0034】
以上のように、本実施例では、管路19の一端が管路取付部23Aに対して側面方向(右方向)から差し込まれて取り付けられるので、ミスト発生装置の組み付け作業を容易なものとすることができる。
【0035】
また、管路19は、タンク12から供給された液体を、側面側(上記実施例では、右面側)からミスト発生部20に供給する。このため、ミスト発生部20の前後方向における任意の位置において、管路19をミスト発生部20に接続することができる。例えば、上記実施例では、ミスト発生部20の前後方向における中心近傍において、管路19がミスト発生部20に接続されている。
【0036】
本実施例では、管路19は、前後方向に延在し、管路取付部23Aとの接続位置付近で、矢印Lの方向へと屈曲される。これにより、管路取付部23Aを、加熱室22の延在面(鉛直面)に対して垂直な直線状に形成しつつ、管路19と管路取付部23Aとを接続できる。この結果、管路取付部23Aが屈曲部を有する場合に比べて、ミスト発生部20の成形性が良好となる。なお、管路19は、上述のように屈曲されるので、屈曲が容易な柔軟性の部材により形成されてもよい。これにより、管路19を樹脂等で形成する場合に比べて、管路19の配索が容易となる。
【0037】
また、本実施例では、図3B及び図3Cに示すように、上下方向に視て、管路取付部23Aは、流路24に重なる態様で形成される。これにより、上下方向に交差する方向での、ミスト発生部20の体格の低減を図ることができ、ミスト発生部20を製造するための金型の小型化を図ることができる。
【0038】
また、本実施例では、図3B及び図3Dに示すように、管路取付部23Aは、流路23の下端部よりもわずかに上側に接続される。これにより、流路23の下部に溜まりうる液体が管路取付部23Aへと進入(逆流)することを抑制できる。
【0039】
また、本実施例では、管路取付部23Aが、ミスト発生部20の前後方向における中心近傍に配置される。これにより、流路23、流路25とともに、管路取付部23Aの流路23側の開口を、ミスト発生部20の前後方向における中心近傍に配置できる。この場合、流路25を、加熱室22の前後方向の中心近傍に配置できるので、加熱室22へと流路25を介して前後方向に沿って均一な態様で液体を供給できる。
【0040】
ここで、図1における線Lが、ミスト発生部20の前後方向における中心を示している。ミスト発生部20の前後方向における中心は、加熱室22の前後方向における中心や流路23の前後方向における中心と一致してよい。
【0041】
なお、ミスト発生部20の前後方向における中心近傍とは、例えば、ミスト発生部20の前後方向における中心(線Lの位置)から前方または後方に5mm以内の位置とすることができる。しかし、例えば、ミスト発生部20の前後方向における中心よりも前側の位置において、管路19をミスト発生部20に接続することもできる。例えば、管路19をミスト発生部20の前後方向における中心よりも、5mm程度、あるいはそれ以上、前側の位置でミスト発生部20に接続することができる。好ましくは、ミスト発生部20の前後方向における中心から前方に5mm以内の位置で、管路19がミスト発生部20に接続される。管路19をミスト発生部20の中心よりも前側の位置でミスト発生部20に接続する場合、流路23をミスト発生部20の前後方向における中心よりも前側の位置に設け、この位置において管路19を流路23に接続してもよい。
【0042】
ところで、上記のように、管路19は柔軟性を有する素材により構成されるが、実装時の変形(曲率)が大き過ぎると液体の供給状態に支障をきたし、あるいは、長期使用時における管路19の破損を招くおそれがある。あるいは、実装時に管路19を大きく変形させると管路19の復元力が大きくなるため、管路19を組み付ける際の作業性の悪化などを招くおそれがある。この点、管路19のミスト発生部20への接続部分、例えば、本実施例によれば管路取付部23Aの位置をミスト発生部20の後方部分、例えば、ミスト発生部20の前後方向における中心(線Lの位置)よりも後方に設定することは望ましくない。管路19の接続部分(すなわち管路取付部23Aの位置)をミスト発生部20の後方部分とすると、その分だけ管路19の長さが短くなるので、管路19の実装時の変形(曲率)が大きくなりやすいためである。また、管路19の取り回しも困難になりがちであるためである。これに対して、管路取付部23Aをミスト発生部20の前後方向における中心よりも前側に配置する場合は、管路19の変形を抑制でき、取り回しが容易となる。
【0043】
ところで、ミスト発生部20の後方側には、タンク12や弁体16、室17、室18等が配置されるので、かかる構成要素のレイアウトにより、ミスト発生部20の最も後方の位置が制約を受ける。一方、流路24は、上下方向に視てミスト供給路52に対して重なる位置に配置される方が、ミスト供給路52へのミストの効率的な上昇(案内)が促進される点が有利である。他方、吐出口55の位置が上方にある方がユーザにとって利便性が高いことを考慮すると、ミスト供給路52は後方に位置する方が有利である。
【0044】
この点、本実施例では、ミスト供給路52と流路23及び管路取付部23Aとは前後方向でオフセットするものの、流路24は、上下方向に視てミスト供給路52に対して部分的に重なる位置に配置される。すなわち、ミスト供給路52を比較的後方に配置し、かつ、管路取付部23Aを、ミスト発生部20の前後方向における中心付近に配置しつつ、流路24を、上下方向に視てミスト供給路52に対して部分的に重なる位置に配置できる。
【0045】
また、上記のように、本実施例では、ヒータ3の左方に、ヒータ3からの放熱を抑制する断熱部材31(図2)が取り付けられている。このように、ハウジング1とヒータ3との間に断熱部材31を介在させることにより、ヒータ3からの熱がハウジング1を介して外部に放出されることが抑制されるので、省電力を図ることができる。また、熱放出に起因するハウジング1の変形や装置各部へのダメージを抑制できる。
【0046】
さらに、本実施例では、ミスト発生部20において発生したミストに紫外線を照射する紫外線照射部4を備え、紫外線照射部4において粒径が微細化されたミストが吐出口55から吐出される。このため、従来の装置と比較して、微細な粒径のミストを得ることができる。
【0047】
以上、実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形および変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部または複数を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
3 ヒータ
4 紫外線照射部
12 タンク
19 管路
20 ミスト発生部
22 加熱室
23 流路
23A 管路取付部
31 断熱部材
55 吐出口
【要約】
【課題】実装状態の適正化や組み付け性の向上を図ることができるミスト発生装置を提供する。
【解決手段】液体を加熱してミストを発生させるミスト発生部と、ミスト発生部により発生したミストを前方に向けて吐出する吐出口と、液体を蓄えるタンクと、タンクからミスト発生部に液体を供給する管路と、備え、タンクはミスト発生部よりも背面側に配置され、管路は、タンクから供給された液体を、側面側からミスト発生部に供給する。管路は、ミスト発生部の前後方向における中心近傍において、ミスト発生部に接続されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G