(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記第1電源と前記第1プロセッサの電源端子とを繋ぐ第1ライン上において、前記リニアレギュレータより大きい電圧降下を生じさせる部品を含まない、ことを特徴とする請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
前記コントローラは、前記第1電源と前記第1プロセッサの電源端子とを繋ぐ第1ラインと、前記第1コネクタと前記第1プロセッサの電源端子とを繋ぐ第3ラインと、を備え、
前記第1プロセッサは、前記第1ラインを介して前記第1電源から供給される電力、および、前記第3ラインを介して前記電源装置から供給される電力のそれぞれで動作するように構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
前記電源装置からの給電による前記第1電源の充電中において、前記第1プロセッサおよび前記第2プロセッサのうち、前記充電を制御する一方のプロセッサの電源端子に印加される電圧は、他方のプロセッサの電源端子に印加される電圧より高い、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0020】
図1には、一実施形態のエアロゾル発生システムの構成例が模式的に示されている。エアロゾル発生システムは、吸引器100と外部電源(電源装置)200とを含みうる。
【0021】
吸引器100は、ユーザによる吸引動作などのエアロゾルを要求する動作(以下、霧化要求ともいう)に応じて、エアロゾルを含む気体、または、エアロゾルおよび香味物質を含む気体、または、エアロゾル、または、香味物質を含むエアロゾルを吸口部130を通してユーザに提供するように構成されうる。吸引器100は、コントローラ102と、霧化器104とを備えうる。吸引器100は、霧化器104を取り外し可能な状態で保持する保持部103を備えうる。コントローラ102は、吸引器用コントローラとして理解されてもよい。霧化器104は、エアロゾル源を霧化するように構成されうる。エアロゾル源は、例えば、グリセリンまたはプロピレングリコール等の多価アルコール等の液体でありうる。あるいは、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。エアロゾル源は、液体であってもよいし、固体であってもよいし、液体および固体の混合物であってもよい。エアロゾル源に代えて、水等の蒸気源が用いられてもよい。
【0022】
吸引器100は、香味源131を含むカプセル106を更に備えてもよく、霧化器104は、カプセル106を取り外し可能な状態で保持するカプセルホルダ105を含みうる。カプセルホルダ105は、霧化器104ではなくコントローラ102に含められていてもよい。香味源131は、例えば、たばこ材料を成形した成形体でありうる。あるいは、香味源131は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ、漢方、コーヒー豆等)によって構成されてもよい。香味源には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。香味源131は、エアロゾル源に添加されてもよい。吸引器100又は霧化器104がカプセルホルダ105を含む構成に代えて、霧化器104とカプセルホルダ105を一体としてもよい。
【0023】
コントローラ102は、第1電源BAT1を含む電気部品110を備えうる。第1電源BAT1は、リチウムイオン二次電池のような二次電池で構成されていてもよいし、リチウムイオンキャパシタのような電気二重層キャパシタで構成されていてもよい。電気部品110は、ユーザインターフェース116を含みうる。あるいは、コントローラ102は、電気部品110およびユーザインターフェース116を含むものとして理解されてもよい。ユーザインターフェース116は、例えば、ユーザに情報を提供する表示部116a(例えば、LED等の発光素子、および/または、LCD等の画像表示器)、および/または、ユーザの操作を受け付ける操作部116b(例えば、ボタンスイッチ等のスイッチ、および/または、タッチディスプレイ)を含みうる。また、コントローラ102は、外部電源200による充電を可能にするため、外部電源200の収容部201に収容されたときに外部電源の第2コネクタPG2と電気的に接続される第1コネクタPG1を備えうる。外部電源200による充電を可能にするため、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2は必ずしも物理的に接続する必要はない。例えば、第2コネクタPG2は、物理的に接続されない第1コネクタPG1に対して非接触で電力を供給してもよい。第1コネクタPG1は、電気部品110に電気的に接続される。
図1に示す例では、第1コネクタPG1は、コントローラ102において、霧化器104が設けられる位置とは反対側の位置に設けられているが、コントローラ102における第1コネクタPG1の位置は任意でありうる。また、第1コネクタPG1は雌型(凹型)のレセプタクルであり且つ第2コネクタPG2は雄型(凸型)のプラグであってよい。または、第1コネクタPG1は雄型(凸型)のプラグであり且つ第2コネクタPG2は雌型(凹型)のレセプタクルであってよい。
【0024】
コントローラ102の保持部103は、第1電気接点C1および第2電気接点C2を含みうる。保持部103によって霧化器104が保持された状態において、保持部103の第1電気接点C1は、霧化器104の第3電気接点C3に接し、また、保持部103の第2電気接点C2は、霧化器104の第4電気接点C4に接しうる。コントローラ102は、第1電気接点C1および第2電気接点C2を通して霧化器104(ヒータHT)に電力を供給しうる。
【0025】
霧化器104は、前述の第3電気接点C3および第4電気接点C4を含みうる。また、霧化器104は、エアロゾル源を加熱して霧化するためのヒータHTと、エアロゾル源を保持する容器125、容器125によって保持されたエアロゾル源をヒータHTによる加熱領域に輸送し且つ加熱領域で保持する輸送部(ウィック)126とを含みうる。該加熱領域の少なくとも一部は、霧化器104内に設けられた流路128に配置されうる。第1電気接点C1、第3電気接点C3、ヒータHT、第4電気接点C4および第2電気接点C2は、ヒータHTに電流を流すための電流経路を形成する。輸送部126は、例えば、ガラス繊維のような繊維素材またはセラミックのような多孔質素材またはこれらの組合せで構成されうる。なお、容器125に保持されたエアロゾル源を加熱領域に輸送する手段は、ウィックに限られず、スプレーのような噴霧装置やまたはポンプのような輸送手段を代わりに用いられてもよい。
【0026】
霧化器104は、前述のように、カプセル106を取り外し可能に保持するカプセルホルダ105を含むことができる。カプセルホルダ105は、一例において、カプセル106の一部をカプセルホルダ105内または霧化器104内に収容し、吸口部130を含む他の一部を露出させるようにカプセル106を保持しうる。ユーザは、吸口部130を口で銜えて、エアロゾルを含有する気体又はエアロゾルを吸引することができる。このように吸口部130が取り外し可能なカプセル106に備えられることで、吸引器100を清潔に保つことができる。
【0027】
ユーザが吸口部130を銜えて吸引動作を行うと、
図1において実線矢印で例示されるように、不図示の開口を通じて霧化器104の流路128に空気が流入し、ヒータHTがエアロゾル源を加熱することによって蒸気化及び/又はエアロゾル化されたエアロゾル源がその空気によって吸口部130に向けて輸送される。吸口部130に向けて輸送される過程において、蒸気化及び/又はエアロゾル化されたエアロゾル源が冷却されて微小な液滴が形成されることで、エアロゾル化が促進されうる。そして、香味源131が配置されている構成においては、そのエアロゾルに香味源131が発生する香味物質が添加されて吸口部130に輸送され、ユーザの口に吸い込まれる。香味源131が発生する香味物質はエアロゾルに添加されるため、ユーザの口腔内に留まらず、効率的にユーザの肺まで効率的に香味物質を輸送することができる。
【0028】
外部電源200は、吸引器100のコントローラ102に備えられた第1電源BAT1を充電するため、コントローラ102に給電するように構成されうる。本実施形態の外部電源200は、例えば、持ち運び可能なポケットチャージャーであり、ユーザの衣服のポケットやバッグに収まるような大きさを有しうる。外部電源200は、吸引器100を収容可能な収容部201(収容空間)を有するハウジング202と、ユーザインターフェース203と、第2電源BAT2を有する電気部品210とを備えうる。第2電源BAT2は、リチウムイオン二次電池のような二次電池で構成されていてもよいし、リチウムイオンキャパシタのような電気二重層キャパシタで構成されていてもよい。ユーザインターフェース203は、例えば、ユーザに情報を提供する表示部203a(例えば、LED等の発光素子、および/または、LCD等の画像表示器)、および/または、ユーザの操作を受け付ける操作部203b(例えば、ボタンスイッチ等のスイッチ、および/または、タッチディスプレイ)を含みうる。電気部品210は、ハウジング202内に設けられる。
【0029】
外部電源200の収容部201には、
図1において破線矢印で示されるように、吸引器100のコントローラ102が挿入される。外部電源200のハウジング202は、霧化器104(カプセル106が取り付けられていてもよい)を保持した状態のコントローラ102を収容部201に収容可能に構成されてもよいし、コントローラ102のみを収容部201に収容可能に構成されてもよい。また、外部電源200は、収容部201内にコントローラ102が収容されたときにコントローラ102の第1コネクタPG1と電気的に接続される第2コネクタPG2を収容部201内に備えうる。ここで、外部電源200は、外部電源200の第2電源BAT2を充電するために、例えば家庭用電源に電気的に接続されるUSB(Universal Serial Bus)等の端子(不図示)を備えていてもよい。また、外部電源200は、収容部201に収容されたコントローラ102を覆うように収容部201に対して開閉可能に構成された蓋部材(不図示)をハウジング202に備えていてもよい。
【0030】
図2には、コントローラ102の電気部品110および外部電源200の電気部品210の構成例が示されている。また、
図2では、コントローラ102の第1コネクタPG1および外部電源200の第2コネクタPG2も図示されている。第1コネクタPG1および第2コネクタPG2は、電気接点A〜Gをそれぞれ含む。コントローラ102が外部電源200の収容部201に挿入されて第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが接続された場合、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とにおける同じ符号の電気接点同士が接しうる。ここで、本実施形態のエアロゾル発生システムでは、
図1において、コントローラ102の紙面上下方向の向きを反転させた状態で、当該コントローラ102を外部電源200の収容部201に挿入することができる。この場合、第1コネクタPG1の電気接点A〜Gが第2コネクタPG2の電気接点G〜Aにそれぞれ接することとなるが、この場合においても、コントローラ102および外部電源200は、
図2に示される回路構成により正常に動作することができる。
【0031】
まず、コントローラ102の電気部品110の構成例について説明する。電気部品110は、例えば、第1電源BAT1と、霧化器104(のヒータHT)に電力を供給する電力供給部と、ヒータHTの抵抗値を検出するための検出部と、当該検出部で得られた情報に応じてヒータHTの通電を制御する通電制御部とを含みうる。ヒータHTは、ヒータHTの温度によって変化する抵抗値R
HTRを有する。抵抗値は、ヒータHTの温度が高くなるほど増大する正の温度係数特性(所謂、PTC特性)を有していてもよいし、ヒータHTの温度が低くなるほど増大する負の温度係数特性(所謂、NTC特性)を有していてもよい。上述したように、ヒータHTの第3電気接点C3はコントローラ102の第1電気接点C1に接し、ヒータのHTの第4電気接点C4はコントローラ102の第2電気接点C2に接する。
【0032】
ヒータHTに電力を供給する電力供給部は、電圧変換器11とスイッチQ1とを含みうる。電圧変換器11は、例えばDC/DCコンバータを含み、第1電源BAT1のプラス端子から供給される電圧Vb
1をヒータ駆動電圧V1に変換して出力端子VOUTから出力する。電圧変換器11の出力端子VOUTから出力されたヒータ駆動電圧V1は、ヒータHTの第3電気接点C3に接する第1電気接点C1に供給される。ヒータHTの第4電気接点C4に接する第2電気接点C2は第1電源BAT1のマイナス端子に電気的に接続されているため、電圧変換器11の出力端子VOUTと第1電源BAT1のマイナス端子との間に、ヒータHTに電流を流すための電流経路が構成されうる。ヒータHTに印加する電圧が高いほど生成されるエアロゾルの量は増大する傾向にあるため、好ましくは、電圧変換器11は、昇圧DC/DCコンバータ又は昇降圧DC/DCコンバータを含む。また、スイッチQ1は、例えば電界効果トランジスタ(FET)を含み、スイッチQ1の開閉(オフ、オン)は、第1プロセッサ14によって制御されうる。スイッチQ1は、電圧変換器11の出力端子VOUTとヒータHT(第1電気接点C1)とを繋ぐライン(電流経路)上に配置されうるが、それに限られず、ヒータHT(第2電気接点C2)と第1電源BAT1のマイナス端子とを繋ぐライン上に配置されてもよい。なお、
図2においてスイッチQ1に付されているダイオードは、電界効果トランジスタのボディ(寄生)ダイオードを表している。
【0033】
ヒータHTの抵抗値R
HTRを検出するための検出部は、電圧変換回路12と、増幅器13とを含みうる。電圧変換回路12は、例えばLDO(Low DropOut)などのリニアレギュレータを含み、第1電源BAT1のプラス端子から供給される電圧Vb
1を、ヒータHTの抵抗値R
HTRを検出するための検出電圧V2に変換して出力端子VOUTから出力する。増幅器13は、例えば、非反転入力端子、反転入力端子および出力端子を有するオペアンプを含みうる。増幅器13の正側電源端子は電圧変換回路12の出力端子VOUTに接続され、負側電源端子はグランドラインに接続されうる。増幅器13の非反転入力端子は第1電気接点C1に接続され、反転入力端子は第2電気接点C2に接続される。したがって、増幅器13には、第1電気接点C1と第2電気接点C2との電位差、即ち、ヒータHTの電圧V
HTRが入力される。増幅器13の出力電圧V
AMPは第1プロセッサ14に入力されうる。なお、
図2に示す例では、増幅器13の非反転入力端子とグランドラインとの間にツェナーダイオードPEが設けられている。ツェナーダイオードPEは、増幅器13の非反転入力端子に過大な電圧が入力されて、増幅器13が予期せぬ動作をしたり故障をしたりすることを抑制するために用いられる。
【0034】
また、ヒータHTの抵抗値R
HTRを検出するための検出部は、スイッチQ2と、シャント抵抗Rs(以下では、シャント抵抗Rsの抵抗値も「Rs」を示すことがある)とを更に含みうる。シャント抵抗Rsの抵抗値は、シャント抵抗Rsの温度が変化しても殆ど変化しないものとする。スイッチQ2は、例えば電界効果トランジスタ(FET)を含み、スイッチQ2の開閉(オフ、オン)は、第1プロセッサ14によって制御されうる。スイッチQ2は、電圧変換回路12の出力端子VOUTとヒータHT(第1電気接点C1)とを繋ぐライン上に配置されうるが、それに限られず、ヒータHT(第2電気接点C2)と第1電源BAT1のマイナス端子とを繋ぐライン上に配置されてもよい。電圧変換回路12の出力端子VOUTとスイッチQ2とを繋ぐライン上にはダイオードBEが設けられうる。シャント抵抗Rsは、スイッチQ2とヒータHTとを繋ぐライン上において、スイッチQ2と直列に配置されうる。なお、
図2においてスイッチQ2に付されているダイオードは、電界効果トランジスタのボディ(寄生)ダイオードを表している。また、
図2に示す例では、直列に配置された抵抗R1、R2が、スイッチQ2とシャント抵抗Rsとを繋ぐラインとグランドラインとの間に設けられており、抵抗R1と抵抗R2との間の電圧が第1プロセッサ14に供給されている。
【0035】
増幅器12の非反転入力端子は、シャント抵抗RsとヒータHTの間に接続され、シャント抵抗RsとヒータHTの直列回路は、電圧変換回路12の出力端子VOUTと電源BATのマイナス極との間に接続される。つまり、増幅器12の非反転入力端子には、検出電圧V2(から後述するダイオードBEの順方向電圧Vfを引いた電圧)をシャント抵抗RsとヒータHTによって分圧した電圧が入力される。抵抗値R
HTRはヒータHTの温度によって変化するため、
図2に示したコントローラ102の電気部品110の構成例によれば、増幅器12はヒータHTの温度に応じて変化する出力電圧V
AMPを出力しえる。
【0036】
ヒータHTの抵抗値R
HTRを検出するときには、スイッチQ1がオフされ、スイッチQ2がオンされる。本実施形態では、ユーザの霧化要求に応じてスイッチQ1をオンしてヒータHTに給電した後、スイッチQ2をオンしてからスイッチQ1をオフする。このとき、ダイオードBEの順方向電圧をVf、ヒータHTを流れる電流をI
HTRとすると、ヒータHTの抵抗値R
HTRは式(1)となる。
R
HTR=V
HTR/I
HTR=V
HTR・(R
HTR+Rs)/(V2−Vf)
・・・式(1)
式(1)を変形すると、抵抗値R
HTRを与える式(2)が得られる。
R
HTR=Rs・V
HTR/(V2−Vf−V
HTR) ・・・式(2)
検出部の増幅器13の出力電圧V
AMPは、増幅器13が増幅率Aを有する場合、式(3)で与えられる。
V
AMP=A・V
HTR ・・・式(3)
式(3)を変形すると、ヒータHTの電圧V
HTRを与える式(4)が得られる。
V
HTR=V
AMP/A ・・・式(4)
よって、式(2)および式(4)に従って、ヒータHTの抵抗値R
HTRを得ることができる。なお、スイッチQ2は、ヒータHTの抵抗値R
HTRを検出するための増幅器13の出力電圧V
AMPが得られた後にオフされる。
【0037】
ヒータHTの通電を制御する通電制御部は、第1プロセッサ14を含みうる。第1プロセッサ14は、例えばMCU(Micro Controller Unit(マイクロコントローラユニット))で構成されうるが、MCUとアナログ回路とによって構成されてもよい。第1プロセッサ14は、上記の検出部で得られた情報(ここでは、増幅器13の出力電圧V
AMP)に応じて、ヒータHTの通電を制御するための制御信号を発生する。制御信号は、例えば、スイッチQ1の開閉を制御する信号でありうるが、他の制御信号(例えば、表示部116aを制御する制御信号)を含むこともできる。制御信号は、例えば、ヒータHTの過熱を抑制するためのものであってもよいし、ヒータHTの温度を目標温度に収束させるためのものであってもよい。また、第1プロセッサ14は、第1電源BAT1のマイナス端子とヒータHT(第2電気接点C2)とを繋ぐライン上に配置された抵抗R
Dに生じる電圧に基づいて、抵抗R
Dを流れる電流、即ち、ヒータHTの電流を検知することができる。そして、第1プロセッサ14は、ヒータHTに過電流が検知された場合、スイッチQ1をオフすることによりヒータHTの通電を停止するなどの処理を行うことができる。
【0038】
第1プロセッサ14は、抵抗値Rs、電圧Vf、電圧V2、および増幅器13の出力電圧V
AMPに基づいて、上記の式(2)および式(4)に従ってヒータHTの抵抗値R
HTRを計算しうる。抵抗値Rs、電圧Vfおよび電圧V2は、既知の値である。そして、第1プロセッサ14は、以下の式(5)に従ってヒータHTの推定温度T
HTRを計算し、計算した推定温度T
HTRに基づいて、ヒータHTの温度が目標温度に一致又は収束するように、スイッチQ1の開閉を制御しうる。
T
HRT=T
ref+(1/α)・(R
HTR−R
ref)・(1/R
ref)・10
6
・・・式(5)
【0039】
式(5)において、T
refはヒータHTの基準温度である。R
refはヒータHTの基準抵抗値であり、これは基準温度におけるヒータHTの抵抗値R
HTRである。αはヒータHTの温度係数[ppm/℃]であり、既知の値である。ここで、基準温度は、任意の温度とすることができ、基準抵抗値と対応付けられて(紐付けられて)第1プロセッサ14のメモリに記憶されうる。基準温度としては、事前に設定された温度が用いられてもよいし、基準抵抗値を取得する際に得られるヒータHTの温度が用いられてもよい。基準抵抗値を取得する際に得られるヒータHTの温度は、上記の式(1)〜(5)を用いて新たに計算されたヒータHTの推定温度T
HTRが適用されてもよいし、吸引器100内の任意箇所の温度を検出するセンサ(例えば温度センサTM)の出力から換算されてもよい。
【0040】
また、コントローラ102の電気部品110は、コントローラ102の第1コネクタPG1と外部電源200の第2コネクタPG2とが接続された場合に、外部電源200による第1電源BAT1の充電を制御するための充電回路を更に備えうる。充電回路は、例えば、ブリッジ回路BCと、保護回路15と、スイッチQ3、Q4と、ダイオードSDとを含みうる。ブリッジ回路BCは、第1コネクタPG1の電気接点A〜Gが反転して第2コネクタPG2の電気接点G〜Aにそれぞれ接続されたとしても、コントローラ102および外部電源200を正常に動作させるための回路であり、例えば4個のダイオード又はトランジスタによって構成されうる。保護回路15は、第1コネクタPG1および第2コネクタPG2を介して外部電源200からコントローラ102の第1電源BAT1に過電流が流れることを防止するための回路である。
【0041】
スイッチQ3、Q4は、例えば電界効果トランジスタ(FET)を含み、スイッチQ3、Q4の開閉(オフ、オン)は、第1プロセッサ14によって制御されうる。つまり、第1プロセッサ14は、外部電源200によるコントローラ102の第1電源BAT1への充電を制御すると言うこともできる。スイッチQ3、Q4は、ブリッジ回路BCと第1電源BAT1のプラス端子とを繋ぐライン上において直列に配置されており、スイッチQ3とスイッチQ4とを繋ぐラインの電圧が、第1プロセッサ14の電源端子VPに供給されうる。また、ダイオードSDは、例えばショットキーバリアダイオードであり、スイッチQ3と並列に配置されうる。ショットキーバリアダイオードの順方向電圧はボディダイオードの順方向電圧よりも小さい傾向にあるため、ショットキーバリアダイオードを有することで、電源BATからプロセッサ14の電源端子VPへ高効率で電力を供給することができる。なお、
図2においてスイッチQ3、Q4に付されているダイオードは、電界効果トランジスタのボディ(寄生)ダイオードを表している。第1プロセッサ14は、スイッチQ3のオン/オフを制御することで、第1コネクタPG1から供給される電力から第1電源BATの充電に不要な電力を熱として捨てるドロッパ制御を実行してもよい。第1プロセッサ14がスイッチQ3を用いてこのドロッパ制御を実行すれば、専用の充電ICなどを用いなくとも、第1電源BATの充電を高度に制御することができる。
【0042】
コントローラ102の電気部品110は、スイッチ回路16と、保護回路17とを更に備えうる。スイッチ回路16は、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが接続されてEN端子に所定の電圧が印加された場合に、第1プロセッサ14と外部電源200の第2プロセッサ32との通信を可能にする回路である。保護回路17は、第1電源BAT1のマイナス端子とヒータHT(第2電気接点C2)とを繋ぐライン上に配置された抵抗R
Pに生じる電圧に基づいて、抵抗R
Pに流れる電流、即ち、ヒータHTの電流を検知する。そして、保護回路17は、ヒータHTに過電流が検知された場合、ヒータHTの通電を停止するなどの処理を行う。例えば、第1電源BAT1のマイナス端子とヒータHT(第2電気接点C2)とを繋ぐライン上には、電界効果トランジスタ等で構成されたスイッチ回路SPが設けられており、保護回路17は、過電流が検知された場合、スイッチ回路SPをオフにすることにより、ヒータHTの通電を停止することができる。なお、保護回路17は、プロセッサ14の制御に拠らずに動作するように構成されうる。
【0043】
コントローラ102の電気部品110は、LED駆動回路18と、電圧変換回路20と、パフセンサ21と、タッチセンサ22と、温度センサTMとを更に備えうる。LED駆動回路18は、ユーザインターフェース116の表示部116aを構成するLED19を駆動する。電圧変換回路20は、例えばLDO(Low DropOut)などのリニアレギュレータを含み、第1電源BAT1のプラス端子から供給される電圧Vb
1を、スイッチ16やパフセンサ21に入力するための電圧に変換して出力する。パフセンサ21(例えば圧力センサやマイクロフォンコンデンサ)は、ユーザのパフ動作を検出し、その検出信号を第1プロセッサ14に供給する。パフセンサ21を用いたパフ動作の検出は、前述した霧化要求の具体的一例である。また、タッチセンサ22は、ユーザインターフェース116の操作部116bを構成し、ユーザによる操作(例えばタッチ操作)を検出した場合、その検出信号を第1プロセッサ14に供給する。タッチセンサ22に対するタッチ操作は、前述した霧化要求の具体的一例である。温度センサTMは、第1電源BAT1の温度を検出するために設けられ、例えば、温度により抵抗値が変化するサーミスタを含みうる。第1プロセッサ14は、温度センサTMとしてのサーミスタに直列に接続された抵抗R5とサーミスタによって分圧された電圧を計測することにより、当該サーミスタの抵抗値を求め、当該サーミスタの抵抗値に基づいて第1電源BAT1の温度を計算することができる。好ましくは、温度センサTMは第1電源BAT1の近傍か第1電源BAT1の表面に設置される。
【0044】
ここで、
図2に示す例では、ブリッジ回路BC(保護回路15)とスイッチQ4とを繋ぐラインとグランドラインとが、抵抗R3、R4を介して接続されている。抵抗R3と抵抗R4との間の電圧は、スイッチ回路16のEN端子、および第1プロセッサ14の電圧検知端子VD(第1電圧検知端子)に入力されうる。第1プロセッサ14の電圧検知端子VDは、外部電源200の電力供給部33の電圧V
BUSが印加されたか否か(即ち、外部電源200からの給電が行われているか否か)を検知するための端子であり、第1プロセッサ14は、電圧検知端子VDにおいて所定の閾値以上の電圧が検知された場合に電圧V
BUSが印加されたと判断することができる。また、第1電源BAT1のプラス端子から供給される電圧Vb
1は、抵抗R6、R7を介して第1プロセッサ14に入力されうる。抵抗R6と抵抗R7との間の電圧も第1プロセッサ14に入力されうる。
【0045】
次に、外部電源200の電気部品210の構成例について説明する。電気部品210は、例えば、第2電源BAT2と、電圧変換回路31と、第2プロセッサ32と、電力供給部33とを含みうる。電圧変換回路31は、例えばLDO(Low DropOut)などのリニアレギュレータを含み、第2電源BAT2のプラス端子から供給される電圧Vb
2を、第2プロセッサ32の電源端子VPに入力するための電圧Vsに変換して出力端子VOUTから出力する。つまり、電圧変換回路31は、第2プロセッサ32の電圧源として機能し、電圧変換回路31の出力端子VOUTが第2プロセッサ32の電源端子VPに接続されうる。第2プロセッサ32は、電力供給部33に制御信号を供給して電力供給部33を制御することにより、第2電源BAT2からコントローラ102への給電を制御する。第2プロセッサ32は、例えばMCU(Micro Controller Unit(マイクロコントローラユニット))で構成されうるが、MCUとアナログ回路とによって構成されてもよい。また、電力供給部33は、例えばDC/DCコンバータを含み、第2電源BAT2のプラス端子から供給される電圧Vb
2を、コントローラ102の第1電源BAT1に給電するための電圧V
BUSに変換して出力端子VOUTから出力する。
【0046】
電圧変換回路31の出力端子VOUTと第2コネクタPG2の電気接点Dとを繋ぐライン上には、抵抗R8(第1抵抗)が設けられている。第2コネクタPG2の電気接点Dは、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが接続された場合に第1コネクタPG1の電気接点Dと接し、コントローラ102の電気部品110の抵抗R9(第1抵抗)を介してグランドラインに接続されうる。また、抵抗R8と第2コネクタPG2の電気接点Dとを繋ぐラインの電圧は、第2プロセッサ32の入力端子VIN(第2電圧検知端子)に入力されうる。換言すれば、電圧Vsを抵抗R8と抵抗R9で分圧した電圧は、第2プロセッサ32の入力端子VIN(第2電圧検知端子)に入力されうる。第2プロセッサ32は、入力端子VINに入力された電圧の変化に応じて、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが接続されたか否かを検出(判断)することができ、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2との接続に応じて電力供給部33を制御しうる。例えば、第2プロセッサ32は、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2との接続を検出した場合、第2電源BAT2からコントローラ102への給電を開始させるための制御信号を電力供給部33(CE端子)に供給しうる。ここで、抵抗R8は抵抗R9より抵抗値が大きいとよく、一例として、抵抗R8は1MΩであり、抵抗R9は100kΩである。また、このとき、第2プロセッサ32の電源端子の入力電圧は、直列に接続された抵抗R8および抵抗R9に印加される電圧と等しくなる。換言すれば、このとき、第2プロセッサ32の電源端子の入力電圧は、電圧Vsである。
【0047】
ここで、コントローラ102の電圧変換回路20に含まれるリニアレギュレータは、外部電源200の電圧変換回路31に含まれるリニアレギュレータと同様の仕様(例えば同じ型式)のものであるとよい。この場合、部品(例えばリニアレギュレータ)の調達コストを低減することができる。また、コントローラ102の電圧変換回路12に含まれるリニアレギュレータは、外部電源200の電圧変換回路31に含まれるリニアレギュレータと異なる仕様(例えば同じ型式)のものであるとよい。例えば、コントローラ102の電圧変換回路12に含まれるリニアレギュレータは、外部電源200の電圧変換回路31に含まれるリニアレギュレータより高性能なものであるとよい。これにより、ヒータHTの通電制御を高精度に制御することができる。高性能なリニアレギュレータとは、出力可能な電圧範囲が広かったり、動作周波数が高いようなリニアレギュレータを指すものとする。
【0048】
図3には、吸引器100の動作例が示されている。この動作は、ユーザの霧化要求に応じてヒータHTによりエアロゾル源を加熱し、吸口部130から霧化されたエアロゾル源を提供する処理(霧化処理)であり、第1プロセッサ14によって制御される。第1プロセッサ14は、プログラムを格納したメモリと、該プログラムに従って動作するCPUとを含む。
【0049】
ステップS11では、第1プロセッサ14は、霧化要求(具体的には、パフセンサ21および/またはタッチセンサ22から送信される検出信号)の受信を待ち、霧化要求を受信したら、ステップS12を実行する。霧化要求は、霧化器104を動作させること、より詳しくは、エアロゾル源からエアロゾルを発生させるようにヒータHTを目標温度範囲内に制御することの要求である。霧化要求は、ユーザが吸口部130を通して吸引動作(パフ動作)を行ったことをパフセンサ21が検出し、その検出をパフセンサ21が第1プロセッサ14に通知する動作(例えば、検出信号の送信)でありうる。あるいは、霧化要求は、ユーザが操作部116b(タッチセンサ22)を操作したことを操作部116bが第1プロセッサ14に通知する動作(例えば、操作信号の送信)でありうる。以下では、ユーザが吸引動作を行っている間、あるいはユーザが操作部116bを操作している間は、パフセンサ21あるいは操作部116bから霧化要求が継続的に送信され、ユーザが吸引動作あるいは操作部116bの操作を終了したときに霧化要求(の送信)が終了するものとする。
【0050】
ステップS12では、第1プロセッサ14は、第1電源BAT1の電圧Vb
1を不図示の電源管理回路から取得し、電圧Vb
1が放電終止電圧Vend(例えば3.2V)を上回っているかどうかを判断する。電圧Vb
1が放電終止電圧Vend以下ということは、第1電源BAT1の放電可能残量が十分ではないことを意味する。そこで、電圧Vb
1が放電終止電圧Vend以下である場合にはステップS29に進み、第1プロセッサ14は、ユーザインターフェース116の表示部116a(LED19)を使って、第1電源BAT1の充電を促す報知を行う。例えば、当該報知は、表示部116aに含まれるLED19を赤色で点灯又は点滅させることでありうる。これを受けて、ユーザは、吸引器100(コントローラ102)を外部電源200の収容部201に挿入し、コントローラ102の第1コネクタPG1と外部電源200の第2コネクタPG2とを接続させる。これにより、外部電源200によるコントローラ102の第1電源BAT1への充電が行われ、放電可能残量が増加しうる。一方、ステップS12において電圧Vb
1が放電終止電圧Vendを上回っている場合、第1プロセッサ14は加熱処理を実行する。加熱処理は、エアロゾル源の霧化要求の受信に応じて、ヒータHTに電力を供給するようにスイッチQ1を制御してエアロゾル源を加熱する処理であり、ステップS13〜S17を含みうる。
【0051】
ステップS13では、第1プロセッサ14は、ユーザインターフェース116の表示部116a(LED19)を使って、正常動作が可能であることを報知しうる。例えば、当該報知は、表示部116aに含まれるLED19を青色で点灯させることでありうる。次いで、ステップS14では、第1プロセッサ14は、ヒータHTに対する給電制御を開始する。ヒータHTに対する給電制御は、ヒータHTを目標温度範囲内に制御する温度制御を含む。温度制御は、ヒータHTの抵抗値R
HTRを検出することによってヒータHTの推定温度T
HTRを計算し、その推定温度T
HTRに基づいて、ヒータHTの温度が目標温度範囲内に収まるように(例えば、ヒータHTの温度が目標温度に一致又は収束するように)スイッチQ1の開閉を制御するフィードバック制御を含みうる。
【0052】
次いで、ステップS15では、第1プロセッサ14は、吸引時間T
Lを0にリセットする。その後、ステップS16では、第1プロセッサ14は、吸引時間T
LにΔtを加算する。Δtは、ステップS16の実行と次のステップS16の実行との時間間隔に相当する。
【0053】
次いで、ステップS17では、第1プロセッサ14は、霧化要求が終了しているかどうかを判断し、霧化要求が終了している場合にはステップS19に進み、ヒータHTに対する給電制御を停止する。一方、霧化要求が終了していない場合にはステップS18に進み、第1プロセッサ14は、吸引時間T
Lが上限時間に達したかどうかを判断し、吸引時間T
Lが上限時間に達していない場合にはステップS16に戻る。プロセッサ14は吸引時間T
Lが上限時間に達している場合にはステップS19に進む。一例として、上限時間は2.0〜2.5secであってもよい。
【0054】
ステップS19に次いで、ステップS20では、第1プロセッサ14は、青色で点灯させていたLED19を消灯させる。ステップS19とステップS20の順序は逆でもよいし、プロセッサ14はステップS19とステップS20を同時に実行してもよい。次いで、ステップS21では、第1プロセッサ14は、積算時間T
Aを更新する。より具体的には、ステップS21では、現時点での積算時間T
Aに吸引時間T
Lを加算する。積算時間T
Aは、カプセル106が吸引のために使用された積算時間、換言すると、カプセル106の香味源131を通してエアロゾルが吸引された積算時間でありうる。
【0055】
ステップS22では、第1プロセッサ14は、積算時間T
Aが吸引可能時間(例えば、120sec)を超えていないか否かを判断する。積算時間T
Aが吸引可能時間を超えていない場合には、カプセル106が未だ香味物質を提供可能であることを意味するため、ステップS11に戻る。一方、積算時間T
Aが吸引可能時間を超えている場合にはステップS23に進み、第1プロセッサ14は、霧化要求の発生を待つ。そして、霧化要求が発生したら、ステップS24において、第1プロセッサ14は、霧化要求が所定時間にわたって継続するのを待ち、その後、ステップS25において、第1プロセッサ14は、ヒータHTに対する給電制御を禁止する。なお、ステップS24は省略されてもよい。
【0056】
次いで、ステップS26では、第1プロセッサ14は、ユーザインターフェース116の表示部116aを使って、カプセル106の交換を促す報知を行う。例えば、当該報知は、表示部116aに含まれるLED19を青色で点滅(点灯、消灯の繰り返し)させることでありうる。これを受けて、ユーザは、カプセル106を交換しうる。一例において、1個の霧化器104と複数個(例えば、3個)のカプセル106とが1個のセットとして販売されうる。このような例では、1個のセットの1個の霧化器104および全てのカプセル106が消費された後、消費されたセットの霧化器104と最後のカプセル106が新しいセットの霧化器104およびカプセル106に交換されうる。ステップS25とステップS26の順序は逆でもよいし、プロセッサ14はステップS25とステップS26を同時に実行してもよい。
【0057】
ステップS27では、第1プロセッサ14は、カプセル106(または、カプセル106および霧化器104)の交換が完了するのを待つ。カプセル106の交換が完了したらステップS28に進み、第1プロセッサ14は、ヒータHTに対する給電制御の禁止を解除し、ステップS11に戻る。
【0058】
上述したエアロゾル発生システムでは、コントローラ102の第1プロセッサ14と外部電源200の第2プロセッサ32とで互いに異なる処理が行われうる。この場合において、第1プロセッサ14と第2プロセッサ32とで同様に動作させることは、エアロゾル発生システムの省電力化の点で不利になりうる。ところで、第1プロセッサ14と第2プロセッサ32とをMCUで構成する場合、それぞれの電源端子VPに印加される電圧が高くすると、処理速度に相当する動作周波数は向上する。また、このような場合、それぞれの電源端子VPに印加される電圧が高くすると、省電力が増大する。そのため、本実施形態では、第1プロセッサ14の電源端子VPに印加される第1電圧と、第2プロセッサ32の電源端子VPに印加される第2電圧とを互いに異ならせている。例えば、第1プロセッサ14および第2プロセッサ32のうち所定の処理を行っている一方のプロセッサには、当該所定の処理での処理速度を確保することができる電圧を電源端子VPに印加する。それに対し、他方のプロセッサには、当該一方のプロセッサに印加される電源電圧より低い電圧を電源端子VPに印加することで、低消費電力化を図る。
【0059】
本実施形態の場合、第1プロセッサ14が、スイッチQ1を制御してヒータHTを加熱する加熱処理、スイッチQ2を制御してヒータHTの推定温度T
HTRを計算する温度計算処理、および/または、スイッチQ3、Q4を制御して第1電源BAT1の充電を制御する充電制御処理を行う。そのため、第1プロセッサ14には、加熱処理、温度計算処理および/または充電制御処理において必要となる処理速度(例えばクロック周波数)を確保することができる第1電圧が電源端子VPに印加されうる。一方、第2プロセッサ32は、電力供給部33を制御してコントローラ102への給電(例えば給電の開始および/または終了)を制御する処理を行う。この処理は、第1プロセッサ14で行われる処理に必要な処理速度より小さい処理速度でよい。そのため、第2プロセッサ32の電源端子VPに印加される第2電圧を、第1プロセッサ14の電圧端子VPに印加される第1電圧より小さくすることで、低消費電力化を図ることができる。ここで、例えば、スイッチQ3、Q4を制御して第1電源BAT1の充電を制御する充電制御処理を第2プロセッサ32が行う場合には、充電中において、第2プロセッサ32の電源端子VPに印加される第2電圧を、第1プロセッサ14の電源端子VPに印加される第1電圧より高くしてもよい。
【0060】
第1プロセッサ14の電圧端子VPに印加される第1電圧を高くすれば、スイッチQ1とスイッチQ2の開閉(オン、オフ)を高速で切替えることができる。このため、第1プロセッサ14は、加熱処理を行っている間のごく短い時間で、温度計算処理を行うことができる。ごく短い時間で温度計算処理を行うことは、加熱処理への影響が軽微又は殆どないため、ユーザへ意図した香味を有するエアロゾルを提供することができる。また、ごく短い時間で温度計算処理を行えるのであれば、加熱処理を行っている間に高頻度でヒータHTの推定温度T
HTRを計算できる。これにより、加熱処理の精度が向上したり、ヒータHTの過熱を抑制したりできるため、ユーザへ意図した香味を有するエアロゾルを提供することができる。
【0061】
外部電源200は、主に第2電源BAT2によって吸引器100の第1電源BAT1を充電するために用いられる。第2プロセッサ32の電圧端子VPに印加される第1電圧を低くすれば、第2プロセッサ32が消費する第2電源BAT2に蓄えられた電力が低減される。これにより、第2電源BAT2は、より多く第1電源BAT1を充電することができる。換言すれば、第2電源BAT2の1充電当たりのユーザへ提供できるエアロゾルの量が増加するため、エアロゾル発生システムの商品性を向上させることができる。
【0062】
以下、
図4〜
図5を参照しながら、第1プロセッサ14の電源端子VPに第1電圧を印加するためのライン(経路)、および、第2プロセッサ32の電源端子VPに第2電圧を印加するためのライン(経路)について説明する。
図4〜
図5には、コントローラ102の電気部品110および外部電源200の電気部品210の構成例が示されている。
図4〜
図5は、
図2に示される構成例と同様のものであるが、第1プロセッサ14より右側の構成(ヒータHTに電力を供給するための回路構成)については図示を省略している。
図4〜
図5における太線ラインは、第1プロセッサ14の電源端子VPおよび/または第2プロセッサ32の電源端子VPに印加される電圧の説明において着目すべき箇所を表している。また、
図4は、コントローラ102の第1コネクタPG1と外部電源200の第2コネクタPG2とが接続されていない未接続状態を示しており、
図5は、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが接続されている接続状態を示している。
【0063】
まず、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが接続されていない未接続状態について、
図4を参照しながら説明する。未接続状態における第1プロセッサ14の電源端子VPには、
図4の太線ラインBL
1で示されるように、第1電源BAT1のプラス端子と第1プロセッサ14の電源端子VPとを繋ぐ第1ラインによって電圧(第1電圧)が印加されうる。一方、第2プロセッサ32の電源端子VPには、
図4の太線ラインBL
2で示されるように、第2電源BAT2のプラス端子と第2プロセッサ32の電源端子VPとを繋ぐ第2ラインによって電圧(第2電圧)が印加されうる。第2ラインBL
2上には、電圧変換回路31が設けられている。電圧変換回路31は、第1プロセッサ14の電源端子VPに印加される第1電圧より低い電圧Vsを出力端子VOUTから出力するように構成され、電圧変換回路31の出力端子VOUTから出力された電圧Vsが第2プロセッサ32の電源端子VPに入力(印加)されうる。これにより、第1プロセッサ14に比べて、第2プロセッサ32を低消費電力化することができる。
【0064】
ここで、第1ラインBL
1上には、ダイオードSDが順方向で配置されているだけであり、電圧変換回路31より大きい電圧降下を生じさせる部品を含まない。そのため、第1ラインBL
1における電圧損失(電圧降下)を低減し、第1電源BAT1の出力電圧Vb1とほぼ同じ電圧を第1電圧として第1プロセッサ14の電源端子VPに印加することができる。なお、ダイオードSDを用いる代わりにボディダイオードを有さないスイッチQ3をオンにすることで第1ラインを構成することも考えられるが、この場合、スイッチQ4をオフにすると第1電源BATの出力電圧Vb
1が第1プロセッサ14の電源端子VPへ印加されなくなる。このため、第1電源BAT1の充電時や吸引器100の製造時において、第1電源BAT1以外から第1プロセッサ14の電源端子VPに電圧を印加しなければならない。スイッチQ3をオンさせずにスイッチQ3のボディダイオードを用いることも考えられるが、当該ボディダイオードより順方向抵抗が低いダイオードSDを設けることが、第1ラインにおける電圧損失を回避する点で好ましい。また、第1プロセッサ14の電源端子VPから第1コネクタPG1へ向かって流れる電流(逆流)は、スイッチQ4のボディダイオードによって防止されうる。
【0065】
次に、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが接続されている接続状態について、
図5を参照しながら説明する。上述したように、第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが電気的に接続されると、第2プロセッサ32の入力端子VIN(電圧検知端子)がコントローラ102の抵抗R9に接続され、第2プロセッサ32の入力端子VINに印加される電圧が変化する(HighレベルからLowレベルへ変化する)。第2プロセッサ32は、入力端子VINの電圧変化をトリガとして、第2電源BAT2からコントローラ102への給電を開始させるための制御信号を電力供給部33(CE端子)に供給する。これにより、電力供給部33の出力端子VOUTから電圧V
BUSが出力される。
【0066】
電力供給部33の出力端子VOUTから電圧V
BUSが出力されると、第1プロセッサ14の電圧検知端子VDの電圧が変化する。第1プロセッサ14は、電圧検知端子VDの電圧変化をトリガとして、スイッチQ3、Q4をオンさせる。これにより、接続状態における第1プロセッサ14の電源端子VPには、
図5の太線ラインBL
3で示されるように、第1コネクタPG1(電力供給部33の出力端子VOUT)と第1プロセッサ14の電源端子VPとを繋ぐ第3ラインによって電圧(第3電圧)が印加されうる。一方、接続状態における第2プロセッサ32の電源端子VPには、未接続状態と同様に、第2ラインBL
2により、電圧変換回路31の出力端子VOUTから出力された電圧Vsが第2プロセッサ32の電源端子VPに入力(印加)されうる。電圧変換回路31は、第1プロセッサ14の電源端子VPに印加される第3電圧より低い電圧Vsを出力端子VOUTから出力するように構成されうる。これにより、第1プロセッサ14に比べて、第2プロセッサ32を低消費電力化することができる。なお、電圧変換回路31における電圧降下量は、未接続状態と接続状態とで変化させてもよいし、変化させなくてもよい。
【0067】
上述したエアロゾル発生システムの構成は、第1電源BAT1が過放電を起こした場合における第1プロセッサ14の復旧を行う場合にも有利でありうる。例えば、未接続状態で第1電源BAT1が過放電を起こした場合、コントローラ102の保護回路17が当該過放電を検知し、スイッチ回路SPをオフにすることで第1電源BAT1の放電を停止させる。このとき、第1プロセッサ14の電源端子VPへの電力供給も停止されうる。この場合における第1プロセッサ14の復旧としては、コントローラ102を外部電源200の収容部201に挿入して第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とを接続することが挙げられうる。
【0068】
第1コネクタPG1と第2コネクタPG2とが接続されると、外部電源200(電力供給部33)からコントローラ102(第1コネクタPG1)に電圧V
BUSが入力(印加)される。このとき、第1プロセッサ14は停止状態であるためスイッチQ4はオフした状態であるが、
図6の太線ラインBL
4で示されるように、スイッチQ4のボディダイオードにより、第1プラグPG1と第1プロセッサ14の電源端子VPとを繋ぐライン(復旧ライン)が形成されうる。つまり、第1プロセッサ14の電源端子VPに電圧V
BUSが印加されうる。これにより、第1プロセッサ14の復旧を行うことができる。
【0069】
なお、一般的なV
BUSがおおよそ5.0Vであるところ、第1電源BAT1にリチウムイオン二次電池を用いた場合の第1電源BAT1の出力電圧Vb
1は、おおよそ4Vから3Vの間である。つまり、第1電源BAT1が過放電を起こしていない場合と起こした場合とで第1プロセッサ14の電源端子VPへ供給される電圧が異なる。このような異なる2つの電圧が、第1プロセッサ14の電源端子VPにおける入力電圧の許容範囲へ収めようとすると、第1プロセッサ14の選択肢を狭めてしまう。しかし、復旧時においてV
BUSはスイッチQ4のボディダイオードの順方向電圧降下により降圧される。これにより、過放電を起こしていない第1電源BAT1の出力電圧Vb
1により近い電圧を第1プロセッサ14の電源端子VPへ供給することができるため、第1プロセッサ14の選択肢が狭まることを抑制することができる。
【0070】
ここで、当該復旧ラインには、電圧変換回路20(LDO)が並列接続されている。したがって、電圧変換回路20の出力電圧を電源電圧とするスイッチ回路16、パフセンサ21およびタッチセンサ22も動作(復旧)させることができる。この場合において、第1プロセッサ14は、コントローラ102の表示部116aおよび/または外部電源200の表示部203aを用いて、コントローラ102(第1プロセッサ14)が復旧したこと示す報知を行うことができる。例えば、当該報知は、LED駆動回路18によりLED19を点灯または点滅させることや、復旧したことを示す信号をスイッチ回路16を介して外部電源200に送信して、外部電源200の表示部203aに含まれるLEDを点灯または点滅させることでありうる。
【0071】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【解決手段】エアロゾル発生システムは、第1電源と、第1コネクタと、エアロゾル源を加熱するためのヒータへの通電制御を行う第1プロセッサとを備える吸引器用のコントローラと、第2電源と、前記第1電源の充電の際に前記第1コネクタに接続される第2コネクタと、前記第2コネクタを介して前記第2電源から前記コントローラへの給電制御を行う第2プロセッサとを備える電源装置と、を有し、前記第1プロセッサの電源端子に印加される第1電圧と、前記第2プロセッサの電源端子に印加される第2電圧とは互いに異なる。