特許第6875600号(P6875600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司の特許一覧

特許6875600OLED画素駆動回路、アレイ基板及び表示装置
<>
  • 特許6875600-OLED画素駆動回路、アレイ基板及び表示装置 図000002
  • 特許6875600-OLED画素駆動回路、アレイ基板及び表示装置 図000003
  • 特許6875600-OLED画素駆動回路、アレイ基板及び表示装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875600
(24)【登録日】2021年4月26日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】OLED画素駆動回路、アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20210517BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20210517BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20210517BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20210517BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210517BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   G09G3/3233
   G09G3/20 624B
   G09G3/20 680G
   G09G3/20 680D
   G09F9/30 365
   G09F9/30 338
   H01L27/32
   H05B33/14 A
   H05B33/02
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-517491(P2020-517491)
(86)(22)【出願日】2017年11月23日
(65)【公表番号】特表2020-535476(P2020-535476A)
(43)【公表日】2020年12月3日
(86)【国際出願番号】CN2017112595
(87)【国際公開番号】WO2019090839
(87)【国際公開日】20190516
【審査請求日】2020年3月26日
(31)【優先権主張番号】201711096561.6
(32)【優先日】2017年11月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】常 勃彪
(72)【発明者】
【氏名】陳 小龍
(72)【発明者】
【氏名】温 亦謙
【審査官】 塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−146181(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0045620(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20−3/38
G09F 9/30
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動制御ユニットと、第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを含むOLED画素駆動回路であって、
前記駆動制御ユニットは、第1スイッチと、第2スイッチと、蓄積コンデンサとを含み、
前記第2スイッチは、制御端が走査線に接続され、ドレイン電極がデータ線に接続され、ソース電極が前記蓄積コンデンサの一端及び前記第1スイッチの制御端にそれぞれ接続され、
前記蓄積コンデンサの他端及び前記第1スイッチのドレイン電極は、第1電源に接続され、
前記第1スイッチのソース電極は、前記第1発光ユニット及び前記第2発光ユニットにそれぞれ接続され、
前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットとは、それぞれ第2電源に接続され、
前記第1発光ユニットの制御端は、第1制御信号に接続され、
前記第2発光ユニットの制御端は、第2制御信号に接続され、
前記駆動制御ユニット、前記第1制御信号及び前記第2制御信号は、交互に発光するように前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットとを制御し、
前記第1発光ユニットは、第3スイッチと、第5スイッチと、第7スイッチと、第9スイッチと、第1発光ダイオードとを含み、
前記第1発光ダイオードは、陽極が前記第3スイッチのドレイン電極及び前記第7スイッチのドレイン電極に接続され、陰極が前記第9スイッチのソース電極及び前記第5スイッチのソース電極に接続され、
前記第5スイッチのドレイン電極は、前記第1電源に接続され、
前記第7スイッチのソース電極及び前記第9スイッチのドレイン電極は、前記第2電源に接続される
OLED画素駆動回路。
【請求項2】
前記第1制御信号と前記第2制御信号とが同一のタイミングで出力するレベル信号は、極性が逆である、
請求項1に記載のOLED画素駆動回路。
【請求項3】
前記第2発光ユニットは、第4スイッチと、第6スイッチと、第8スイッチと、第10スイッチと、第2発光ダイオードとを含み、
前記第2発光ダイオードは、陽極が前記第4スイッチのドレイン電極及び前記第8スイッチのドレイン電極に接続され、陰極が前記第10スイッチのソース電極及び前記第6スイッチのソース電極に接続され、
前記第6スイッチのドレイン電極は、前記第1電源に接続され、
前記第8スイッチのソース電極及び前記第10スイッチのドレイン電極は、前記第2電源に接続される、
請求項1に記載のOLED画素駆動回路。
【請求項4】
前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、前記第5スイッチ、前記第6スイッチ、前記第7スイッチ及び前記第8スイッチは、N型トランジスタスイッチであり、
前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第9スイッチ及び前記第10スイッチは、P型トランジスタスイッチである、
請求項に記載のOLED画素駆動回路。
【請求項5】
前記第1発光ダイオードが発光するときに、前記第2発光ダイオードが逆バイアスされ、
前記第2発光ダイオードが発光するときに、前記第1発光ダイオードが逆バイアスされる、
請求項に記載のOLED画素駆動回路。
【請求項6】
前記第1電源の電圧値は、前記第2電源の電圧値よりも高い、
請求項1に記載のOLED画素駆動回路。
【請求項7】
前記第1制御信号と前記第2制御信号とのシーケンスサイクルは、いずれも隣接する二つのフレームの画像表示時間である、
請求項1に記載のOLED画素駆動回路。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のOLED画素駆動回路を備える、
OLEDアレイ基板
【請求項9】
請求項8に記載のOLEDアレイ基板が設けられた、
OLED表示装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術領域に関し、特にOLED画素駆動回路、アレイ基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード表示装置(OLED)は、広色域、高コントラスト、ソリッドステートデバイス等の多くの利点を有するため、表示技術領域において高い競争力を有する。通常、有機発光ディスプレイの表示領域には、電子画素から構成される画素アレイが設けられ、各画素ユニットは、画素駆動回路を含む。
【0003】
従来の2T1C型のアーキテクチャ回路は、二つの薄膜トランジスタと一つの蓄積コンデンサを含み、スイッチとして機能する薄膜トランジスタがオンにされると、データ電圧を駆動薄膜トランジスタのゲート電極に印加し、データ電圧を蓄積コンデンサに蓄積させることにより、駆動薄膜トランジスタが通電状態にあり続けることができる。一方、OLEDが長時間にわたって直流バイアス状態にあるとき、内部のイオンが極性化して内蔵電界が形成されることにより、OLEDの閾値電圧が漸次増大しつつ、OLEDの発光輝度が漸次低下するとともに、OLEDの寿命が長時間発光によって短縮し、OLEDの劣化が進む。
【0004】
上記のような問題を解決するために、発光しない表示フレームにおいてOLEDを逆バイアスさせることにより、内蔵電界の強度を低下することができる。しかしながら、このような方式において、各OLEDデバイスを各データ線に対応させる必要があるため、OLEDパネルにおけるデータ線の配線が倍増し、パネルの開口率が低下する。また、各OLEDが一つの駆動薄膜トランジスタと一つの蓄積コンデンサに対応するので、パネルにおける蓄積コンデンサの数が倍増し、パネルの寄生容量が増加してしまう。
【発明の概要】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、パネルにおける寄生容量とデータ線の数を減らし、OLEDデバイスの開口率を向上させることができるOLED画素駆動回路、アレイ基板及び表示装置を提供することにある。
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明のある態様によれば、
駆動制御ユニットと、第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを含むOLED画素駆動回路であって、
前記駆動制御ユニットは、第1スイッチと、第2スイッチと、蓄積コンデンサとを含み、
前記第2スイッチは、制御端が走査線に接続され、ドレイン電極がデータ線に接続され、ソース電極が前記蓄積コンデンサの一端及び前記第1スイッチの制御端にそれぞれ接続され、
前記蓄積コンデンサの他端及び前記第1スイッチのドレイン電極は、第1電源に接続され、
前記第1スイッチのソース電極は、前記第1発光ユニット及び前記第2発光ユニットにそれぞれ接続され、
前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットとは、それぞれ第2電源に接続され、
前記第1発光ユニットの制御端は、第1制御信号に接続され、
前記第2発光ユニットの制御端は、第2制御信号に接続され、
前記駆動制御ユニット、前記第1制御信号及び前記第2制御信号は、交互に発光するように前記第1発光ユニットと前記第2発光ユニットとを制御し、
前記第1発光ユニットは、第3スイッチと、第5スイッチと、第7スイッチと、第9スイッチと、第1発光ダイオードとを含み、
前記第1発光ダイオードは、陽極が前記第3スイッチのドレイン電極及び前記第7スイッチのドレイン電極に接続され、陰極が前記第9スイッチのソース電極及び前記第5スイッチのソース電極に接続され、
前記第5スイッチのドレイン電極は、前記第1電源に接続され、
前記第7スイッチのソース電極及び前記第9スイッチのドレイン電極は、前記第2電源に接続される
OLED画素駆動回路が提供される。
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明のある他の態様によれば、
本発明のある態様に記載のOLED画素駆動回路を備える、
OLEDアレイ基板が提供される。
【0008】
上記の目的を実現するために、本発明のあるその他の態様によれば、
本発明のある他の態様のOLEDアレイ基板が設けられた、
OLED表示装置が提供される。
【0009】
本発明の態様は、下記の有益な効果を奏する。
従来技術と相違し、本発明では、二つのOLEDに一つの駆動薄膜トランジスタ、一つの蓄積コンデンサ及び一つのデータ線を共有させることにより、二つのOLEDが交互に発光し、OLEDの発光時間が減少し、パネルにおける寄生容量とデータ線の数を減らし、OLEDデバイスの開口率が向上することができる。発光しない表示フレームにおいてOLEDを逆バイアスさせることにより、OLEDが長時間直流バイアス状態にある必要がないため、OLEDデバイスの劣化を遅らせることができる。さらに、本発明では、他の逆バイアス電圧が接続されていないため、画素回路配線の難易度及びバイアス電圧線による他の信号線へのクロストークを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に係るOLED画素駆動回路の概略構造図である。
図2】本発明の実施例に係るOLED画素駆動回路の概略回路シーケンス図である。
図3】本発明の実施例に係るOLEDアレイ基板の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例の添付図面を参照しながら本発明の実施例の態様を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものである。
【0012】
図1は、本発明の実施例に係るOLED画素駆動回路の概略構造図である。本実施例では、駆動制御ユニットM3と、第1発光ユニットM1と、第2発光ユニットM2とを含む画素駆動回路が提供される。駆動制御ユニットM3は、第1スイッチT1と、第2スイッチT2と、蓄積コンデンサCstとを含む。第2スイッチT2は、制御端が走査線Vscanに接続され、ドレイン電極がデータ線Vdataに接続され、ソース電極が蓄積コンデンサCstの一端及び第1スイッチT1の制御端にそれぞれ接続される。蓄積コンデンサCstの他端及び第1スイッチT1のドレイン電極は、第1電源OVDDに接続される。なお、本実施例において、第1スイッチT1は、駆動薄膜トランジスタであり、第2スイッチT2は、データ信号Vdataを走査信号Vscanの制御によってソース電極に伝送するためのものである。蓄積コンデンサCstは、第2スイッチT2のソース電極と第1電源OVDDとの間に存在するレベルを蓄積するためのものである。第1スイッチT1のソース電極は、第1発光ユニットM1及び第2発光ユニットM2にそれぞれ接続され、第1発光ユニットM1及び第2発光ユニットM2は、第2電源OVSSに接続される。第1発光ユニットM1の制御端は、第1制御信号Ctr1に接続され、第2発光ユニットの制御端は、第2制御信号Ctr2に接続される。
【0013】
さらに、本実施例の第1発光ユニットM1は、具体的には、第3スイッチT3と、第5スイッチT5と、第7スイッチT7と、第9スイッチT9と、第1発光ダイオードOLED1とを含む。第1発光ダイオードOLED1は、陽極が第3スイッチT3のドレイン電極及び第7スイッチT7のドレイン電極に接続され、陰極が第9スイッチT9のソース電極及び第5スイッチT5のソース電極に接続される。第5スイッチT5のドレイン電極は、第1電源OVDDに接続され、第7スイッチT7のソース電極及び第9スイッチT9のドレイン電極は、第2電源OVSSに接続される。第2発光ユニットM2は、具体的には、第4スイッチT4と、第6スイッチT6と、第8スイッチT8と、第10スイッチT10と、第2発光ダイオードOLED2とを含む。第2発光ダイオードOLED2は、陽極が第4スイッチT4のドレイン電極及び第8スイッチT8のドレイン電極に接続され、陰極が第10スイッチT10のソース電極及び第6スイッチT6のソース電極に接続される。第6スイッチT6のドレイン電極は、第1電源OVDDに接続され、第8スイッチT8のソース電極及び第10スイッチT10のドレイン電極は、第2電源OVSSに接続される。
【0014】
上記した実施例に記載のスイッチは、P型トランジスタスイッチと、N型トランジスタスイッチとを含む。具体的には、第1スイッチT1、第2スイッチT2、第5スイッチT5、第6スイッチT6、第7スイッチT7及び第8スイッチT8は、N型であり、第3スイッチT3、第4スイッチT4、第9スイッチT9及び第10スイッチT10は、P型である。ここで、P型トランジスタスイッチは、制御端がローレベルであるときにオンにされ、制御端がハイレベルであるときにオフにされる。N型トランジスタスイッチは、制御端がローレベルであるときにオフにされ、制御端がハイレベルであるときにオンにされる。
【0015】
図2は、本発明の実施例に係るOLED画素駆動回路の概略回路シーケンス図であり、走査信号Vscan、第1制御信号Ctr1及び第2制御信号Ctr2におけるレベルのハイ/ローの経時変化を示す。ここで、レベルのハイ/ローは、相対的なものである。本実施例の画素駆動回路の動作過程は、第1蓄積段階A、第1発光表示段階B、第2蓄積段階C及び第2発光表示段階Dのような四つの段階に分割される。第1蓄積段階Aと第1発光表示段階Bとによって第1フレーム画面が構成され、第2蓄積段階Cと第2発光表示段階Dとによって第2フレーム画面が構成される。第1フレームにおいて、第1発光ダイオードOLED1が発光し、第2発光ダイオードOLED2が逆バイアスされる。第2フレームにおいて、第2発光ダイオードOLED2が発光し、第1発光ダイオードOLED1が逆バイアスされる。本実施例の駆動制御ユニットと、第1制御信号と、第2制御信号とは、交互に発光するように第1発光ユニットと第2発光ユニットとを同時に制御する。以下、図1及び図2を参照しながらこのような制御について詳しく説明する。
【0016】
本実施形態において、第1制御信号Ctr1と第2制御信号Ctr2とが同一のタイミングで出力するレベル信号は、極性が逆である。すなわち、第1制御信号Ctr1がハイレベルであるときに、第2制御信号Ctr2がローレベルであり、第1制御信号Ctr1がローレベルであるとき、第2制御信号Ctr2がハイレベルである。第1制御信号Ctr1と第2制御信号Ctr2とのシーケンスサイクルは、いずれも隣接する二つのフレームの画像表示時間である。第1制御信号Ctr1と第2制御信号Ctr2とが同一のタイミングで出力するレベル信号の極性が逆であることは、本発明の具体的な一実施形態にすぎない。他の実施形態において、第1発光ユニットと第2発光ユニットとが交互に発光することさえ実現できれば、第1制御信号Ctr1と第2制御信号Ctr2とのレベル信号が他の関係であってもよく、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。第1電源OVDDの電圧値は、第2電源OVSSの電圧値よりも高い。例えば、第1電源OVDDの電圧値を正電圧、第2電源OVSSの電圧値を負電圧に設定してもよく、又は、第1電源OVDDの電圧値を正電圧、第2電源OVSSの電圧値を0Vに設定してもよい。
【0017】
第1蓄積段階Aにおいて、走査信号Vscanと第2制御信号Ctr2は、ハイレベルであり、第1制御信号Ctr1は、ローレベルである。第2スイッチT2がN型であるため、この場合、第2スイッチT2がオンにされ、データ信号Vdataを走査信号Vscanの制御によって蓄積ノートS1に出力する。この段階において、蓄積コンデンサCstは、充電状態にあり、第1スイッチT1は、オフ状態にある。そして、蓄積コンデンサCstは、ノートS1と第1電源OVDDとの間に存在するレベルを蓄積するためのものである。第3スイッチT3と第9スイッチT9がP型であるため、第3スイッチT3と第9スイッチT9がオンにされ、第5スイッチT5と第7スイッチT7がN型であるため、第5スイッチT5と第7スイッチT7がオフにされる。この場合、第1スイッチT1のオフによって発光するように第1発光ダイオードOLED1を駆動することができない。第4スイッチT4と第10スイッチT10がP型であるため、第4スイッチT4と第10スイッチT10がオフにされる。第6スイッチT6と第8スイッチT8がN型であるため、第6スイッチT6と第8スイッチT8がオンにされる。この場合、ノートS4におけるレベルを第8スイッチT8によって第2発光ダイオードOLED2の陽極に伝送し、ノートS2におけるレベルを第6スイッチT6によって第2発光ダイオードOLED2の陰極に伝送することにより、第2発光ダイオードOLED2は、逆バイアス状態となる。この段階において、ノートS1と第1電源OVDDとの間に存在するレベルの蓄積を主に蓄積コンデンサCstによって行う。すなわち、この段階は、第1発光ダイオードOLED1のデータ信号Vdataの蓄積段階である。
【0018】
第1発光表示段階Bにおいて、走査信号Vscanと第1制御信号Ctr1は、ローレベルであり、第2制御信号Ctr2は、ハイレベルである。この場合、第2スイッチT2は、オフにされるとともに第1スイッチT1は、オンにされる。第3スイッチT3と第9スイッチT9がP型であるため、第3スイッチT3と第9スイッチT9がオンにされ、第5スイッチT5と第7スイッチT7がN型であるため、第5スイッチT5と第7スイッチT7がオフにされる。この場合、第1電源OVDD、第1スイッチT1、第3スイッチT3、第1発光ダイオードOLED1、第9スイッチT9及び第2電源OVSSによって通路が形成され、第1発光ダイオードOLED1が発光する。第4スイッチT4と第10スイッチT10がP型であるため、第4スイッチT4と第10スイッチT10がオフにされる。第6スイッチT6と第8スイッチT8がN型であるため、第6スイッチT6と第8スイッチT8がオンにされる。この場合、第2発光ダイオードOLED2は、第1蓄積段階Aと同様に、継続的に逆バイアス状態となる。すなわち、この段階は、第1発光ダイオードOLED1の発光表示段階である。
【0019】
第2蓄積段階Cにおいて、走査信号Vscanと第1制御信号Ctr1は、ハイレベルであり、第2制御信号Ctr2は、ローレベルである。第2スイッチT2がN型であるため、この場合第2スイッチT2がオンにされ、データ信号Vdataを走査信号Vscanの制御によってノートS1に出力する。この段階において、蓄積コンデンサCstは、充電状態にあり、第1スイッチT1は、切断状態にある。蓄積コンデンサCstは、ノートS1と第1電源OVDDとの間に存在するレベルを蓄積するためのものである。第4スイッチT4と第10スイッチT10がP型であるため、第4スイッチT4と第10スイッチT10がオンにされ、第6スイッチT6と第8スイッチT8がN型であるため、第6スイッチT6と第8スイッチT8がオフにされる。この場合、第1スイッチT1のオフによって、発光するように第2発光ダイオードOLED2を駆動することができない。第3スイッチT3と第9スイッチT9がP型であるため、第3スイッチT3と第9スイッチT9がオフにされる。第5スイッチT5と第7スイッチT7がN型であるため、第5スイッチT5と第7スイッチT7がオンにされる。この場合、ノートS3におけるレベルを第7スイッチT7によって第1発光ダイオードOLED1の陽極に伝送し、ノートS2におけるレベルを第5スイッチT5によって第1発光ダイオードOLED1の陰極に伝送することにより、第1発光ダイオードOLED1は、逆バイアス状態となる。第1蓄積段階Aと同様に、この段階において、ノートS1と第1電源OVDDとの間に存在するレベルの蓄積を主に蓄積コンデンサCstによって行う。すなわち、この段階は、第2発光ダイオードOLED2のデータ信号Vdataの蓄積段階である。
【0020】
第2発光表示段階Dにおいて、走査信号Vscanと第2制御信号Ctr2は、ローレベルであり、第1制御信号Ctr1は、ハイレベルである。この場合、第2スイッチT2は、オフにされるとともに第1スイッチT1は、オンにされる。第4スイッチT4と第10スイッチT10がP型であるため、第4スイッチT4と第10スイッチT10がオンにされ、第6スイッチT6と第8スイッチT8がN型であるため、第6スイッチT6と第8スイッチT8がオフにされる。この場合、第1電源OVDD、第1スイッチT1、第4スイッチT4、第2発光ダイオードOLED2、第10スイッチT10及び第2電源OVSSによって通路が形成され、第2発光ダイオードOLED2が発光する。第3スイッチT3と第9スイッチT9がP型であるため、第3スイッチT3と第9スイッチT9がオフにされる。第5スイッチT5と第7スイッチT7がN型であるため、第5スイッチT5と第7スイッチT7がオンにされる。この場合、第1発光ダイオードOLED1が第2蓄積段階Cと同様に、継続的に逆バイアス状態となる。すなわち、この段階は、第2発光ダイオードOLED2の発光表示段階である。
【0021】
以上の四つの段階から分かるように、本発明では、二つのOLEDに一つの駆動薄膜トランジスタ、一つの蓄積コンデンサ及び一つのデータ線を共有させることにより、二つのOLEDが交互に発光し、OLEDの発光時間が減少し、パネルにおける寄生容量とデータ線の数を減らし、OLEDデバイスの開口率が向上することができる。発光しない表示フレームにおいてOLEDを逆バイアスさせることにより、OLEDが長時間直流バイアス状態にある必要がないため、OLEDデバイスの劣化を遅らせることができる。さらに、本発明では、他の逆バイアス電圧が接続されていないため、画素回路配線の難易度及びバイアス電圧線による他の信号線へのクロストークを軽減することができる。
【0022】
図3は、本発明の実施例に係るOLEDアレイ基板の概略構造図である。当該アレイ基板300は、複数のアレイ状に配列されるOLED画素ユニット301を含む。ここで、各OLED画素ユニット301は、上記した画素駆動回路を含む。
【0023】
本発明の実施例によれば、OLED表示装置がさらに提供される。当該表示装置には、複数のアレイ状に配列されるOLED画素ユニットを含む上記したOLEDアレイ基板が設けられる。ここで、各OLED画素ユニットは、上記した画素駆動回路を含む。当該OLED表示装置を、具体的には、携帯電話、パソコン、テレビ、モニター、デジタルカメラ等の表示機能を有する製品とすることができる。
【0024】
従来技術と相違し、本発明では、二つのOLEDに一つの駆動薄膜トランジスタ、一つの蓄積コンデンサ及び一つのデータ線を共有させることにより、二つのOLEDが交互に発光し、OLEDの発光時間が減少し、パネルにおける寄生容量とデータ線の数を減らし、OLEDデバイスの開口率が向上することができる。発光しない表示フレームにおいてOLEDを逆バイアスさせることにより、OLEDが長時間直流バイアス状態にある必要がないため、OLEDデバイスの劣化を遅らせることができる。さらに、本発明では、他の逆バイアス電圧が接続されていないため、画素回路配線の難易度及びバイアス電圧線による他の信号線へのクロストークを軽減することができる。
【0025】
当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、若干の変更及び修正を加えることができる。これらの変更および修正が本発明の特許請求の範囲及びその同等の技術的範囲に属する場合、これらの変更及び修正も本発明に含まれることを意図している。
図1
図2
図3