(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1熱伝導性部材は、前記電力変換モジュールと前記冷却媒体回収部とが並ぶ第1方向に沿って延在し、前記冷却媒体回収部が位置する前記第1方向における一方側に第1端部を有し、
前記保持部材は、前記第1方向と交差する第2方向に延在し、
前記第1接続配管は、前記第1端部側から前記冷却媒体回収部に向かうように配策されており、
前記第1支持具は、前記第2方向において前記第1熱伝導性部材の外側で前記保持部材を挟み込み挟込部と、前記挟込部よりも前記冷却媒体回収部が位置する側で前記第1接続配管を支持する支持部と、前記支持部と前記挟込部とを接続する接続部とを含み、
前記接続部は、前記第2方向において前記第1熱伝導性部材側に向かうにつれて、前記第1方向において前記冷却媒体回収部に近づくように傾斜する傾斜部を有する、請求項2に記載の電力変換装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0015】
なお、図中におけるDR1方向は、上下方向であり、DR2方向は、上下方向に直交する前後方向であり、DR3方向は、上下方向および前後方向に直交する左右方向である。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る電力変換装置を示す概略斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る電力変換モジュールの内部構成および冷却媒体回収部を示す概略斜視図である。
図3は、
図2に示すIII−III線に沿った断面図である。
図1を参照して、実施の形態1に係る電力変換装置1について説明する。
【0017】
図1に示すように、電力変換装置1は、複数の電力変換モジュール20と、当該複数の電力変換モジュール20に冷却媒体を供給するための冷却媒体供給部としての冷却媒体供給配管2と、複数の電力変換モジュール20から排出された冷却媒体が回収される冷却媒体回収部としての冷却媒体回収配管3と、冷却媒体経路10とを含む。
【0018】
冷却媒体供給配管2および冷却媒体回収配管3は、電力変換モジュール20の外部に配置されている。具体的には、冷却媒体供給配管2は、電力変換モジュール20の前方側に位置し、電力変換モジュール20の下方に配置されている。冷却媒体回収配管3は、電力変換モジュール20の後方側に位置し、電力変換モジュール20の上方に配置されている。
【0019】
冷却媒体経路10は、電力変換モジュール20が有する筐体20aを貫通するように設けられており、冷却媒体供給配管2と冷却媒体回収配管3とを接続する。冷却媒体経路10は、たとえば4つの経路11,12,13,14を含んでいる。冷却媒体経路10に、冷却水等の冷却媒体が流れることにより、筐体20a内部に収容された後述の発熱機器が冷却される。
【0020】
図2に示すように、電力変換モジュール20は、第1ユニット21、第2ユニット22、複数の第1支持具60A,60B、および第2支持具70とを含む。第1ユニット21および第2ユニット22は、電力変換モジュールの主回路部を構成している。
【0021】
第1ユニット21は、複数の熱伝導性部材31A〜33A、保持部材35A、第1発熱機器40、第2発熱機器としての複数のユニット50Aを含む。
【0022】
第2ユニット22は、複数の熱伝導性部材31B〜33B、保持部材35B、第1発熱機器(不図示)、および第2発熱機器としての複数のユニット50Bを含む。第2ユニット22は、DR1方向およびDR2方向に平行な仮想平面VPに対して第1ユニット21と対称となるように配置されている。
【0023】
第2ユニット22は、第1ユニット21とほぼ同様の構成である。このため、第1ユニット21の詳細な構成について説明し、第2ユニット22についての説明については省略する。
【0024】
複数の熱伝導性部材31A〜33Aは、板状形状を有する。複数の熱伝導性部材31A〜33Aは、電力変換モジュール20と冷却媒体回収配管3とが並ぶ方向に沿って延在する。より具体的には、複数の熱伝導性部材31A〜33Aは、DR1方向に沿って延在する。
【0025】
熱伝導性部材31A〜33Aは、DR2方向に並んで配置されている。熱伝導性部材31A(第1熱伝導性部材)、および熱伝導性部材33Aは、DR2方向に互いに隣り合うように配置されている。熱伝導性部材32Aは、熱伝導性部材33AからDR2方向の一方側(前方側)に離れて配置されている。熱伝導性部材31A〜33Aは、保持部材35Aに保持されている。
【0026】
保持部材35Aは、電力変換モジュール20と冷却媒体回収配管3とが並ぶ方向に交差する方向に沿って延在する。具体的には、保持部材35Aは、DR2方向に沿って延在する。保持部材35Aは、板状形状を有する。保持部材35Aは、DR3方向において表裏関係にある第1面35aおよび第2面35bを有する。
【0027】
熱伝導性部材31A、33Aは、DR1方向の一方側(上方側)に第1端部を有し、当該第1端部側が保持部材35Aに固定されている。具体的には、熱伝導性部材31A、33Aは、締結部材等によって保持部材35Aの第1面35aに固定されている。
【0028】
熱伝導性部材31A(第1熱伝導性部材)には、第1発熱機器40が設置されている。第1発熱機器40は、たとえば、半導体素子、抵抗、リアクトル、回路基板等のいずれかを含んでいる。熱伝導性部材31Aの内部には、冷却媒体が流れる第1流路R1が設けられている。
【0029】
第1流路R1は、冷却媒体経路10(より詳細には経路11)の一部を構成する。第1流路R1は、冷却媒体経路10に含まれる第1接続配管15によって、冷却媒体回収配管3に接続されている。第1流路R1に冷却媒体が流れることにより、第1発熱機器40が冷却される。
【0030】
第1流路R1の出口部は、熱伝導性部材31Aの第1端部(上端)に設けられている。一方で、当該熱伝導性部材31Aの第1端部は、冷却媒体回収配管3の下方に位置する。このため、第1接続配管15は、上方に向かうように設けられている。
【0031】
熱伝導性部材33Aの内部には、冷却媒体が流れる第4流路R4が設けられている。当該第4流路R4は、上述同様の経路11をの一部を構成し、上記第1流路R1の上流側に位置する。第4流路R4は、冷却媒体経路10に含まれる第3接続配管17によって後述するユニット50Aの第5流路R5(
図3参照)に接続されている。
【0032】
第4流路R4の入口部は、熱伝導性部材33Aの第1端部(上端)に設けられている。一方でユニット50Aは、熱伝導性部材33Aの第1端部よりも下方に位置する。このため、第3接続配管17は、上方に向けて延在する部分を含む。
【0033】
熱伝導性部材32A(第2熱伝導性部材)は、締結部材等によって保持部材35Aの第2面35bに固定されている。熱伝導性部材32Aは、保持部材35Aに交差するように当該保持部材35Aに保持されている。具体的には、熱伝導性部材32Aは、保持部材35Aに直交するように保持されている。
【0034】
熱伝導性部材32Aは、保持部材35Aよりも冷却媒体回収配管3側に位置する一端32cと、保持部材35Aに対して冷却媒体回収配管3が位置する側とは反対側に位置する他端32dを有する。また、熱伝導性部材32Aは、DR3方向において表裏関係にある第1面32aおよび第2面32bを有する。
【0035】
熱伝導性部材32Aの内部には、冷却媒体が流れる第2流路R2が設けられている。第2流路R2は、冷却媒体経路10(より詳細には経路13)の一部を構成する。第2流路R2は、上記熱伝導性部材32Aの一端32c側に入口部と出口部を有する。
【0036】
第2流路R2の出口部は、冷却媒体回収配管3に接続されている。第2流路R2の入口部は、冷却媒体経路10に含まれる第2接続配管16によって、ユニット50Aの第3流路R3(
図3参照)に接続されている。ユニット50Aは、熱伝導性部材32Aの一端32cよりも下方に位置する。このため、第2接続配管16は、主として上方に向かうように設けられている。
【0037】
熱伝導性部材32Aには、複数のユニット50Aが固定されている。複数のユニット50Aは、上下方向に並んで配置されている。複数のユニット50Aは、第2ユニット22が位置する側とは反対側で熱伝導性部材32Aに固定されている。すなわち、複数のユニット50Aは、保持部材35Aよりも下方側に配置されている。
【0038】
図2および
図3に示すように、ユニット50Aは、プレート91およびプレート92によって熱伝導性部材32Aに挟み込み固定されている。具体的には、プレート91は、熱伝導性部材32Aの第1面32a側に配置されている。プレート92は、熱伝導性部材32Aの第2面32b側に配置されている。プレート91およびプレート92は、第1面32aに接するように配置されたユニット50Aと熱伝導性部材32Aとを挟みこんだ状態で締結部材で締結されている。プレート91およびプレート92は、放熱性を有することが好ましい。
【0039】
ユニット50Aは、たとえば、リアクトルユニットである。ユニット50Aは、発熱部51、第1外側部材52、第2外側部材53、およびベース部54を含む。
【0040】
発熱部51は、たとえばコイルである。発熱部51は、第1外側部材52と第2外側部材53との間に配置されている。第1外側部材52、第2外側部材53は、DR2方向における発熱部51の両側に配置されている。
【0041】
第2外側部材53には、ユニット50Aを冷却するための冷却媒体が流動する第5流路R5が形成されている。第5流路R5は、冷却媒体経路10のうち経路11の一部を構成するものであり、第4流路R4の上流側に位置する。
【0042】
ベース部54は、第2外側部材53と熱伝導性部材32Aとの間に配置されている。ベース部54は、第2外側部材53を固定する台座として機能する。ベース部54の内部には、ユニット50Aを冷却するための冷却媒体が流動する第3流路R3が形成されている。第3流路R3は、冷却媒体経路10のうち経路13の一部を構成する。
【0043】
なお、ユニット50Aは、リアクトルである場合を例示したがこれに限定されず、半導体素子、抵抗、回路基板等であってもよい。
【0044】
第1支持具60Aは、電力変換モジュール20内に設けられている。第1支持具60Aは、上記の第1接続配管15を支持する。
【0045】
第1支持具60Aは、保持部材35Aを挟み込むようにして保持部材35Aに固定されている。これにより、保持部材35Aに第1支持具60Aを取り付ける構造を別途設ける必要がなくなる。このため、保持部材35Aの構成を簡素化できるとともに、保持部材35Aへの第1支持具60Aの取付けが容易となる。なお、第1支持具60Aの詳細な構造については、
図4を用いて後述する。
【0046】
第2支持具70は、電力変換モジュール20内に設けられている。第2支持具70は、上記第2接続配管16、および第3接続配管17を支持する。
【0047】
第2支持具70は、保持部材35Aを挟み込むようにして保持部材35Aに固定されている。これにより、保持部材35Aに第2支持具70を取り付ける構造を別途設ける必要がなくなる。このため、保持部材35Aの構成を簡素化できるとともに、保持部材35Aへの第2支持具70の取付けが容易となる。なお、第2支持具70の詳細な構造については、
図5を用いて後述する。
【0048】
図4は、実施の形態1に係る第1支持具の分解斜視図である。なお、
図4においては、第1ユニット21側の第1支持具60Aおよび第2ユニット22側の第1支持具60Bの双方を図示しているが、第1支持具60Bの構成は、第1支持具60Aの構成とほぼ同様である。このため、第1支持具60Aの構成についてのみ説明して、第1支持具60Bについての説明は省略する。
【0049】
図4に示すように、第1支持具60Aは、挟込部61、支持部62、および接続部63を有する。
【0050】
挟込部61は、保持部材35Aを挟み込むための部分である。挟込部61は、第1部材611と第2部材612とを含む。第1部材611および第2部材612は、DR1方向に延在するように設けられており、DR3方向に並んで配置される。
【0051】
図2および
図4に示すように、第1部材611および第2部材612は、DR3方向に保持部材35Aを挟み込んだ状態で、締結部材によって締結される。これにより、第1支持具60Aが、保持部材35Aを挟み込むように当該保持部材35Aに固定される。
【0052】
第1部材611および第2部材612は、DR2方向において熱伝導性部材31Aの外側(後方側)で保持部材35Aを挟みこんでいる。これにより、熱伝導性部材31Aに重なることなく、保持部材35Aのみを保持することができる。このため、挟込部61の設置スペースを小さくすることができる。
【0053】
支持部62は、第1接続配管15を支持するための部分である。支持部62は、上記挟込部61よりも第1接続配管15に近づいた位置に配置されている。より具体的には、支持部62は、挟込部61よりもDR2方向の一方側(前方側)に配置されている。
【0054】
支持部62は、第1接続配管15を支持するための設置面62aを有する。設置面62aは、第1接続配管15の軸方向に直交する方向から当該第1接続配管15に対面する。
【0055】
設置面62aには、一対の孔部62hが設けられている。一対の孔部62hは、それらの間に第1接続配管15が位置するように設けられている。当該62hにインシュロック等の結束部材が挿入されて結束されることで、第1接続配管15が設置面62aに支持される。
【0056】
また、設置面62aは、電力変換モジュール20のDR2方向の他方側(後方側)を向く。これにより、後方側から設置面62aへのアクセスが容易となり、作業者が、第1接続配管15を設置面62aに容易に固定することが可能となる。
【0057】
接続部63は、挟込部61と支持部62とを接続する部分である。接続部63は、DR2方向において熱伝導性部材31A側に向かうにつれて、DR1方向において冷却媒体回収配管3に近づくように傾斜する傾斜部631を有する。これにより、接続部63の小さくすることができ、電力変換モジュール20内の空間を有効に使用することができる。
【0058】
図5は、実施の形態1に係る第2支持具の分解斜視図である。
図5を参照して、第2支持具70について説明する。
【0059】
図2および
図5に示すように、第2支持具70は、熱伝導性部材32Aの一端側および他端側から保持部材35Aを挟み込む第1棒状部71および第2棒状部72を有する。すなわち、第1棒状部71および第2棒状部72は、DR1方向に保持部材35Aを挟み込む。
【0060】
第1棒状部71および第2棒状部72は、DR3方向に沿って延在する。第1棒状部71は、DR1方向の一方側(上方側)に位置し、第2棒状部72は、DR1方向の他方側(下方側)に位置する。
【0061】
第2棒状部72は、DR3方向において、保持部材35Aから突出する突出部721を有する。突出部721には、2組の一対の孔部73h、74hが設けられている。一対の孔部73h、および一対の孔部74hのそれぞれは、DR3方向に間隔をあけて並んで配置されている。
【0062】
一対の孔部73hは、それらの間に第3接続配管17が位置するように設けられている。当該一対の孔部73hにインシュロック等の結束部材が挿入されて結束されることで、第3接続配管17が、第2棒状部72に支持される。
【0063】
一対の孔部74hは、それらの間に第2接続配管16が位置するように設けられている。当該一対の孔部74hにインシュロック等の結束部材が挿入されて結束されることで、第2接続配管16が、第2棒状部72に支持される。
【0064】
なお、一対の孔部73hおよび一対の孔部74hが第2棒状部72に設けられ、第3接続配管17および第2接続配管16が第2棒状部72に支持される場合を例示して説明したが、これに限定されない。一対の孔部73hおよび一対の孔部74hが第1棒状部71に設けられ、第3接続配管17および第2接続配管16が第1棒状部71に支持されてもよい。
【0065】
以上のように、実施の形態1に係る電力変換装置にあっては、熱伝導性部材31Aと冷却媒体回収配管3とを接続する第1接続配管15が、第1支持具60Aによって支持されている。このため、第1接続配管15に冷却媒体が流れた場合であっても、第1接続配管15が振動することを抑制することができる。これにより、実施の形態1に係る電力変換装置1にあっては、冷却媒体経路10の破損を抑制できる。
【0066】
同様に、第2接続配管16および第3接続配管17も第2支持具70によって支持されている。このため、第2接続配管16および第3接続配管17に冷却媒体が流れた場合であっても、第1接続配管15が振動することを抑制することができる。このことによっても、実施の形態1に係る電力変換装置1にあっては、冷却媒体経路10の破損を抑制できる。
【0067】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る電力変換装置を示す概略斜視図である。
図6を参照して、実施の形態2に係る電力変換装置1Aについて説明する。
【0068】
図6に示すように、実施の形態2に係る電力変換装置1Aにあっては、実施の形態1に係る電力変換装置1と比較した場合に、第1支持具60Cが、冷却媒体回収配管3に設けられている点において相違する。
【0069】
第1支持具60Cは、電力変換モジュール20の筐体20aから冷却媒体回収配管3に向けて延びる部分の冷却媒体経路10を支持する。筐体20aから冷却媒体回収配管3に向けて延びる部分の冷却媒体経路10は、実施の形態1同様に、第1熱伝導性部材に設けられた第1流路と冷却媒体回収配管3とを接続する第1接続配管15を含む。第1支持具60Cは、少なくとも第1接続配管15を支持するように設けられている。
【0070】
このように構成される場合であっても、実施の形態2に係る電力変換装置1Aは、実施の形態1に係る電力変換装置1とほぼ同様の効果を有する。
【0071】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
電力変換装置(1)は、発熱機器を含む電力変換モジュール(20)と、発熱機器を冷却するための冷却媒体が流れる冷却媒体経路(10)と、電力変換モジュール(20)に対向して配置され、発熱機器を冷却した冷却媒体が回収される冷却媒体回収部(3)と、を備える。電力変換モジュール(20)は、冷却媒体経路の一部を構成する第1流路(R1)が内部に設けられた第1熱伝導性部材(31A)を含む。冷却媒体経路(10)は、第1熱伝導性部材(31A)に設けられた第1流路(R1)と冷却媒体回収部(3)とを接続する第1接続配管(15)を含む。冷却媒体回収部(3)および電力変換モジュール(20)の少なくとも一方に設けられ、第1接続配管(15)を支持する第1支持具(60A)をさらに備える。