(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シリカ質焼結体が、前記大迫天井構造の円周方向および長手方向において、前記ケイ石レンガの幅よりも大きい幅を有し、かつ、前記ケイ石レンガの長さよりも大きい長さを有するシリカ質焼結体ブロックであり、
前記シリカ質断熱層が、複数個の前記シリカ質焼結体ブロックと、前記シリカ質焼結体ブロック間の目地部に設けられた、緻密質不定形耐火物または前記緻密質不定形耐火物とその上に形成した軽量不定形耐火物と、からなる請求項1に記載の大迫天井構造。
前記大迫天井構造の円周方向において、前記第1の軽量断熱層の前記第1の断熱ブロック間の一部または全部が、前記第1の軽量断熱不定形耐火物を介さずに前記第1の断熱ブロック同士が隣接している請求項5または6に記載の大迫天井構造。
前記大迫天井構造の長手方向において、前記第1の軽量断熱層の前記第1の断熱ブロック間の一部が、前記第1の軽量断熱不定形耐火物を介さずに前記第1の断熱ブロック同士が隣接している請求項5〜7のいずれか1項に記載の大迫天井構造。
前記第1の断熱ブロックと前記第2の断熱ブロックとを予め積層一体化して断熱ブロック積層体としておき、当該断熱ブロック積層体を前記シリカ質断熱層の上に整列、配置した後、
前記第1の断熱ブロック間の目地部に第1の軽量断熱不定形耐火物を施工し前記第1の軽量断熱層を形成し、
前記第2の断熱ブロック間の目地部に第2の軽量断熱不定形耐火物を施工し前記第2の軽量断熱層を形成する、請求項11に記載の大迫天井構造の製造方法。
前記断熱ブロック積層体を用いて前記軽量断熱層を形成する際、前記大迫天井構造の円周方向において、前記断熱ブロック積層体の前記第1の断熱ブロック間の一部または全部が前記第1の軽量断熱不定形耐火物を介さないように、前記第1の断熱ブロック同士を隣接するように整列、配置し、
前記第1の断熱ブロック間に前記目地部がある場合には、該目地部に、前記第1の軽量断熱不定形耐火物を冷間および/または熱間状態で施工し、
前記第2の断熱ブロック間の目地部に、前記第2の軽量断熱不定形耐火物を冷間状態および/または熱間状態で施工する、ことを特徴とする請求項12に記載の大迫天井構造の製造方法。
前記断熱ブロック積層体を用いて前記軽量断熱層を形成する際、前記大迫天井構造の長手方向において、前記断熱ブロック積層体の前記第1の断熱ブロック間の一部が前記第1の軽量断熱不定形耐火物を介さないように、前記第1の断熱ブロック同士を隣接して整列、配置し、
前記第1の断熱ブロック間の目地部に前記第1の軽量断熱不定形耐火物を熱間状態で施工し、
前記第2の断熱ブロック間の目地部に第2の軽量断熱不定形耐火物を冷間状態および/または熱間状態で施工する、ことを特徴とする請求項12または13に記載の大迫天井構造の製造方法。
前記シリカ質焼結体が、前記大迫天井構造の円周方向および長手方向において、前記ケイ石レンガの幅よりも大きい幅を有し、かつ、前記ケイ石レンガの長さよりも大きい長さを有するシリカ質焼結体ブロックであり、
前記シリカ質断熱層が、複数個の前記シリカ質焼結体ブロックと、前記シリカ質焼結体ブロック間の目地部に設けられた、緻密質不定形耐火物または前記緻密質不定形耐火物とその上に形成した軽量断熱不定形耐火物と、からなる請求項10〜15のいずれか1項に記載の大迫天井構造の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の大迫天井構造の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る大迫天井構造は、ガラス溶解炉の炉内側に、複数個のケイ石レンガをヴォールト形状となるように整列、配置した耐食層と、耐食層の上に形成され、シリカ質焼結体を有するシリカ質断熱層と、シリカ質断熱層の上に形成され、2層以上の層構造で構成される軽量断熱層と、を有する。本実施の形態では、軽量断熱層は、少なくともシリカ質断熱層と接する層が、断熱ブロックと軽量断熱不定形耐火物とからなる層構造を有しており、まず、軽量断熱層を構成する2層の各層が、断熱ブロックと軽量断熱不定形耐火物とからなる層構造を有する例を説明する。
【0023】
例えば、
図1A〜1Bおよび
図2A〜2Bに示したように、ヴォールト形状に形成した耐食層2と、該耐食層2の上層として設けられたシリカ質断熱層3と、該シリカ質断熱層3の上層として設けられた軽量断熱層4と、で構成される大迫天井構造1が例示できる。ここで、軽量断熱層4は、第1の断熱ブロック41aと第1の軽量断熱不定形耐火物41bとからなる第1の軽量断熱層41と、第2の断熱ブロック42aと第2の軽量断熱不定形耐火物42bとからなる第2の軽量断熱層42と、の2層構造である。
なお、
図1Aは本発明の大迫天井構造の構成を模式的に示した正面図であり、
図1Bはその平面図である。
【0024】
ここで、ヴォールト形状とは、アーチ形状を水平方向に押出して形成した形状である。本明細書では、このヴォールト形状における、アーチ(円弧)を形成している方向を円周方向と呼び、アーチ形状を水平方向に伸ばした方向を長手方向とよぶ。
【0025】
以下、
図1A〜1Bと併せて、
図2A〜2Bも参照しながら、本実施形態の大迫天井構造について説明する。ここで、
図2Aは本発明の第1の実施形態である大迫天井構造の長手方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図、
図2Bはその円周方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図、である。
【0026】
耐食層2は、
図2A〜2Bに示したように、ガラス溶解炉の炉内側に、複数個のケイ石レンガ2aをヴォールト形状に整列、配置して形成された層である。この耐食層2は、炉内に露出して使用され、炉内温度の被加熱物および揮発物と接触するため、耐熱性、耐食性を有する層である。耐食層2は、従来の空気燃焼用のガラス溶解炉における大迫天井構造の耐食層と同様に形成すればよい。
ケイ石レンガ2aとしては、好ましくは、ガラス溶解炉の炉内温度に対する耐熱性および溶融した際に発生するガラス蒸気に対する耐食性を有する。ケイ石レンガ2aとしては、例えば、緻密質のシリカ質焼結体が挙げられ、化学成分でシリカを96質量%以上含有し、110℃の嵩比重が1.85以上のシリカ質焼結体が好ましい。
【0027】
ここで用いられるケイ石レンガ2aとしては、通常、その高さは350mm以上が好ましく、350〜400mmの範囲がより好ましい。ケイ石レンガ2aの高さが、耐食層2の厚さとなる。ケイ石レンガ2aの高さは、ケイ石レンガ2aとして使用する材料と共に、耐食層2の耐熱性、耐食性等の特性を決定する。また、ケイ石レンガ2aの円周方向における長さ(幅)は、整列によりヴォールト形状の形成を容易にできるように、炉外側の寸法を75〜85mmの範囲とし、炉内側に向かって幅が小さくなるテーパー形状とするのが好ましい。また、ケイ石レンガ2aの長手方向における長さ(奥行)は、耐食層2の築炉のしやすさ等により、150〜250mmの範囲が好ましい。
【0028】
シリカ質断熱層3は、耐食層2の上層として設けられ、シリカ質焼結体を含んで形成される断熱性を有する層である。シリカ質断熱層3は、耐食層2と直接接触するため、高い耐熱性と耐食性が必要となる。本実施形態では、このシリカ質焼結体としてケイ石断熱レンガ3aを用いる場合について説明する。本明細書において、ケイ石断熱レンガとは、ガラス溶解炉のケイ石レンガの裏張り用に使用されるシリカ質の断熱レンガであり、耐熱性が高く、ケイ石レンガと高温でも反応しない性質のレンガを意味する。ケイ石断熱レンガを作製するには、軽量ケイ石質原料を、成型、焼成してもよいし、ケイ石質原料に発泡ポリスチレンビーズなどの有機発泡剤を混ぜて、成型、焼成してもよい。
【0029】
このケイ石断熱レンガ3aを用いる場合には、例えば、
図2A〜2Bに示したように、ケイ石断熱レンガ3aを、ケイ石レンガ2aと同様にヴォールト形状に形成してシリカ質断熱層3とできる。ケイ石断熱レンガ3aとしては、耐熱性および炉内より発生するガラス蒸気に対して耐食性を有し、かつ、断熱性に優れたものが好ましい。このケイ石断熱レンガ3aは、例えば、断熱性のシリカ質焼結体が挙げられ、化学成分でシリカを90質量%以上含有するシリカ質焼結体が好ましく、さらに、110℃における嵩比重が1.25以下のシリカ質焼結体がより好ましい。
なお、本明細書において、嵩比重は、JIS−R−2205 により測定した嵩比重である。
【0030】
ケイ石断熱レンガ3aとしては、典型的には、幅65mm、高さ114mm、奥行230mm程度の大きさの直方体の並型形状のレンガ等が使用でき、築炉の際の向きは適宜決定でき、例えば、高さ65mm(円周方向長さ114mm)や高さ114mm(円周方向長さ65mm)として使用できる。このような直方体のレンガを用いた場合、ケイ石断熱レンガ3aをヴォールト形状に積むため、ケイ石レンガ2aとの間やケイ石断熱レンガ3a同士の間に、隙間が発生する。そのため、適宜、ケイ石質のモルタル(シリカモルタル)等の粉状物を上記隙間に充填し、施工すると、ガタツキの発生を防止でき好ましい。
【0031】
本実施形態においては、耐食層2の上に断熱性のシリカ質焼結体を設けることで、耐食層2のケイ石レンガ2aに接している材料の大部分がこのケイ石断熱レンガ3aとなる。そのため、SiO
2以外の化学成分が、ケイ石レンガ2aと接触し、反応を起こす可能性を低下させ、それによってケイ石レンガ2aの変質を効果的に抑制できる。したがって、この耐食層2は、ガラス溶融の操業を開始した後も、耐熱性、耐食性を確保でき、長期間の安定した使用も可能とする。
【0032】
軽量断熱層4は、シリカ質断熱層3の上に形成され、複数個の断熱ブロックと軽量断熱不定形耐火物とからなる層構造を2層以上有して構成される。以下、
図2A〜2Bを参照して、軽量断熱層が第1の軽量断熱層41と第2の軽量断熱層42の2層構造の場合を例に説明するが、この軽量断熱層は2層構造に限定されず、3層以上の構造を有してもよい。
【0033】
なお、ここで用いる断熱ブロックは、上記のケイ石レンガ2aやケイ石断熱レンガ3aよりもサイズが大きく、特に、大迫天井構造の円周方向において、ケイ石レンガ2aやケイ石断熱レンガ3aの幅よりも大きい幅を有するブロックが好ましい。また、大迫天井構造の長手方向において、ケイ石レンガ2aやケイ石断熱レンガ3aの長さよりも大きい長さを有するブロックが好ましい。これにより、レンガの目地よりも、断熱ブロックの目地は大幅に少なくなり、目地部の劣化を抑制できる。
【0034】
また、本明細書において、不定形耐火物とは、不定形耐火物用粉体組成物を施工して得られたものをいう。不定形耐火物用粉体組成物としては、特に制限されないが、骨材と、結合材と、耐火性微粉とを含むものが基本的な組成として挙げられる。不定形耐火物用粉体組成物は、水と混錬してコンクリートと同様に流し込み施工ができ、簡便な操作で施工体を構築できる。
【0035】
ここで、第1の軽量断熱層41は、第1の断熱ブロック41aと第1の軽量断熱不定形耐火物41bとを有して構成され、ガラス溶解炉の炉内側に形成される層である。この第1の軽量断熱層41としては、例えば、複数個の第1の断熱ブロック41aを、所定の間隔を有するように整列、配置し、第1の断熱ブロック41a間の目地部に第1の軽量断熱不定形耐火物41bを施工して一体化したものが挙げられる。
【0036】
第2の軽量断熱層42は、第2の断熱ブロック42aと第2の軽量断熱不定形耐火物42bとを有して構成され、ガラス溶解炉の炉外側に形成される層である。この第2の軽量断熱層42としては、例えば、複数個の第2の断熱ブロック42aを、所定の間隔を有するように整列、配置し、第2の断熱ブロック42a間の目地部に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを施工して一体化したものが挙げられる。
【0037】
軽量断熱層4は、上記のようにそれぞれ一体化して形成された第1の軽量断熱層41および第2の軽量断熱層42を有するため、優れた断熱作用を有し、ガラス溶解炉外への熱の放出を抑制できる。そのため、この軽量断熱層4により、エネルギーコストを低減でき、省エネ性に寄与できる。また、軽量断熱層4は、それぞれ軽量化した第1の軽量断熱層41および第2の軽量断熱層42を有するため、大迫天井構造の質量を不要に増大させることなく、施工しやすく、かつ、安全性が高められる。
【0038】
また、軽量断熱層4は、第1の軽量断熱層41および第2の軽量断熱層42の2層構造としているため、各層の特性を調整することで、最適な構成とできる。すなわち、多層化することで各層に温度分布がつくため、炉内側の層を耐熱温度が高い材料、炉外側の層をそれよりも耐熱温度が低い材料で設計でき、各層ごとに、温度分布に合わせて、耐熱性や耐食性、断熱性等のその他の特性を考慮し、最適な材質を選定できる。例えば、1550℃付近の炉内温度に近い高温側では、耐熱性、耐食性が重視され、外気30℃付近の炉外温度に近い低温側では、軽量性、断熱性を重視して設計できる。
【0039】
第1の軽量断熱層41を形成する第1の軽量断熱不定形耐火物41bとしては、例えば、後述する材料に、溶融アルミナ・ジルコニア質中空粒子を配合する等、耐熱温度が1600℃以上、110℃の嵩比重 1.0〜1.25の不定形耐火物が例示できる。第1の軽量断熱不定形耐火物41bは、従来公知の緻密質不定形耐火物、結合レンガに匹敵する性能を有し、これによれば軽量化、省エネ化を向上できる。この第1の軽量断熱不定形耐火物41bを形成する粉体組成物は、第1の断熱ブロック41aを形成する材料としても使用できる。
【0040】
第2の軽量断熱層42を形成する第2の軽量断熱不定形耐火物42bとしては、例えば、後述する材料に、アルミナ・シリカ質中空粒子を配合する等、耐熱温度が1150℃以上、110℃の嵩比重 0.47〜0.6の不定形耐火物が挙げられる。第2の軽量断熱不定形耐火物42bは、従来公知のセラミックスファイバーに匹敵する断熱性能を有する。セラミックスファイバーは断熱性が大幅に経年劣化(例えば20%〜30%)するのに対し、軽量断熱不定形耐火物を用いた場合、そのような劣化が生じない分、省エネ化を向上できる。この第2の軽量断熱不定形耐火物42bを形成する粉体組成物は、第2の断熱ブロック42aを形成する材料としても使用できる。
【0041】
上記のような関係は、軽量断熱層4を3層以上で構成した場合にも同様にできる。すなわち、ガラス溶解炉の炉外側よりも炉内側の層がより高い耐熱性が求められるため、好ましくは、炉内側にいくほど、軽量断熱層の耐熱性が高くなるような積層構造とする。軽量断熱層の各層は、それぞれが求められる最低限の耐熱性を確保できればよい。
【0042】
また、上記のように第1の軽量断熱層41および第2の軽量断熱層42は、それぞれ一体化して形成されており、このような一体的な層構造を少なくとも2層有するため、ガラス溶解炉内のガス(ガラス蒸気等)が炉外に漏出することを効果的に抑制できる。本実施形態においては、耐食層2やシリカ質断熱層3は、レンガを整列、配置し、例えば、そのレンガの間の目地をシリカモルタル等で埋めて構築する。レンガ間の目地部においては、ガスが流通するおそれがあり、目地部をシリカモルタル等で埋めるだけではガスリークを十分に抑制できないおそれがある。しかしながら、本実施形態では、上記のように軽量断熱層4を設けているため、ガスリークの優れた抑制作用を奏する。そのため、この軽量断熱層4により、省エネ性にも優れ、環境の負荷の増大も抑制できる。
【0043】
ここで用いられる第1の断熱ブロック41aは、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ質、ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質、アルミナ・シリカ質、ムライト質、シリカ質、アルミナ・ジルコン質、ジルコン質、シャモット質、シャモット・ジルコン質、溶融シリカ質等の組成で、耐熱性、耐食性を有し、さらに、軽量性、断熱性に優れた不定形耐火物の成形体が好ましく、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質、アルミナ・シリカ質またはシリカ質からなり、110℃の嵩比重が1.2以下の不定形耐火物の成形体がより好ましい。第1の断熱ブロック41aが不定形耐火物の成形体の場合、1000℃の熱伝導率が0.7W/(m・K)以下が好ましく、0.6W/(m・K)以下がより好ましく、0.55W/(m・K)以下がさらに好ましい。ここで、本明細書における不定形耐火物の成形体とは、所定の組成を有する不定形耐火物用粉体組成物を予めブロック状に成形したものである。
また、本明細書において、熱伝導率測定は、JIS R2616にて測定した値をいう。
【0044】
なお、本明細書では、例えば、シリカ質とはSiO
2を主成分とする意味で使用し、アルミナ・ジルコニア質等の他の材料も同様の意味で使用する。ただし、主成分とは成分を内掛け表示としたときに、含有量(アルミナ・ジルコニア・シリカ質のような場合にはAl
2O
3、ZrO
2、およびSiO
2の合計)が50質量%以上のものをいう。なお、本明細書において、耐火物中の化学成分の含有量は全て内掛け表示で示す。
【0045】
アルミナ・ジルコニア質としては、例えば、Al
2O
3が83質量%、ZrO
2が6質量%で、110℃の嵩比重が1.0、耐熱温度が1600℃の不定形耐火物、アルミナ・ジルコニア・シリカ質としては、Al
2O
3が70質量%、SiO
2が14質量%、ZrO
2が4質量%で、110℃の嵩比重が0.77、耐熱温度が1300℃の不定形耐火物、シリカ質としては、SiO
2が83質量%で、110℃の嵩比重が1.2、耐熱温度が1300℃の不定形耐火物等が挙げられる。
【0046】
この第1の断熱ブロック41aは、上記したような軽量断熱不定形耐火物を通常の振動成形法、すなわち常温で水と混練したのち型枠に流し込みして振動成形し、硬化させ、型枠から取り出し、110℃程度の温度で乾燥させて、所定のブロック形状の成形体として製造できる。
【0047】
また、ここで用いられる第1の断熱ブロック41aは、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ質、ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質、アルミナ・シリカ質、ムライト質、シリカ質、アルミナ・ジルコン質、ジルコン質、シャモット質、シャモット・ジルコン質、または溶融シリカ質等の組成で、耐熱性、耐食性を有し、さらに、軽量性、断熱性に優れた焼結体が好ましい。第1の断熱ブロック41aとして耐熱性と耐食性の高いものを用いる場合には、110℃の嵩比重が1.25以下の焼結体としてもよく、特に耐熱温度1500℃以上が好ましく、SiO
2が91質量%以上で、110℃の嵩比重が0.5〜1.25のシリカ質焼結体が好ましい。なお、強度が十分に確保できれば、嵩比重が低いほど低熱伝導率となり好ましい。第1の断熱ブロック41aが焼結体の場合、800℃の熱伝導率が1.1W/(m・K)以下が好ましく、0.8W/(m・K)以下がより好ましく、0.6W/(m・K)以下がさらに好ましい。また、第1の断熱ブロック41aが焼結体の場合、1000℃の熱伝導率が1.3W/(m・K)以下が好ましく、1W/(m・K)以下がより好ましく、0.6W/(m・K)以下がさらに好ましい。
【0048】
次に、ここで用いられる第1の軽量断熱不定形耐火物41bは、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ質、ジルコニア質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質、アルミナ・シリカ質、ムライト質、シリカ質、アルミナ・ジルコン質、ジルコン質、シャモット質、シャモット・ジルコン質、または溶融シリカ質等の組成で、耐熱性、耐食性を有し、さらに、軽量性、断熱性に優れた不定形耐火物が好ましく、アルミナ・ジルコニア質、アルミナ質、アルミナ・ジルコニア・シリカ質、アルミナ・シリカ質またはシリカ質からなり、110℃の嵩比重が1.3以下の不定形耐火物がより好ましい。アルミナ・ジルコニア質としては、Al
2O
3が83質量%、ZrO
2が6質量%で、110℃の嵩比重が1.25、耐熱温度が1600℃の不定形耐火物が好適に使用できる。アルミナ・ジルコニア・シリカ質としては、Al
2O
3が76質量%、SiO
2が16質量%、ZrO
2が3質量%で、110℃の嵩比重が1.00、耐熱温度が1300℃の不定形耐火物が好適に使用できる。シリカ質としては、SiO
2が85質量%で、110℃の嵩比重が1.3、耐熱温度が1300℃の不定形耐火物等が好適に使用できる。第1の軽量断熱不定形耐火物41bは、1000℃の熱伝導率が0.8W/(m・K)以下が好ましく、0.75W/(m・K)以下がより好ましく、0.65W/(m・K)以下がさらに好ましい。
【0049】
第1の軽量断熱不定形耐火物41bは、冷間、または熱間で、コテ塗り施工、パッチング施工等するため、通常の不定形耐火物で用いる振動成形法よりも、硬い坏土で施工する。そのため、不定形耐火物中の水分が低くなり、嵩比重は大きくなる。
【0050】
ここで用いられる第2の断熱ブロック42aは、アルミナ質、アルミナ・シリカ質、ムライト質、シリカ質、シャモット質、またはシャモット・ジルコン質等の組成で、軽量性、断熱性に優れた不定形耐火物の成形体が好ましく、アルミナ・シリカ質からなり、110℃の嵩比重が0.65以下の不定形耐火物の成形体が好ましい。また、第2の断熱ブロック42aは、1000℃の熱伝導率が0.5W/(m・K)以下が好ましく、0.4W/(m・K)以下がより好ましく、0.35W/(m・K)以下がさらに好ましい。
アルミナ・シリカ質としては、Al
2O
3が39質量%、SiO
2が39質量%で、110℃の嵩比重0.47、耐熱温度が1150℃、かつ1000℃の熱伝導率が0.31W/(m・K)の軽量断熱不定形耐火物が好適に使用できる。
【0051】
ここで、第2の断熱ブロック42aは、第1の断熱ブロック41aと同様に軽量断熱不定形耐火物を通常の振動成形法、すなわち常温で水と混練したのち型枠に流し込みして振動成形し、硬化させ、型枠から取り出し、110℃程度の温度で乾燥させて、所定のブロック形状の成形体として製造できる。
【0052】
第2の軽量断熱不定形耐火物42bは、アルミナ質、アルミナ・シリカ質、ムライト質、シリカ質、シャモット質、またはシャモット・ジルコン質等の組成で、軽量性、断熱性に優れたものが好ましく、アルミナ・シリカ質からなり、110℃の嵩比重が0.65以下の不定形耐火物が好ましい。アルミナ・シリカ質としては、Al
2O
3が34質量%、SiO
2が45質量%で、110℃の嵩比重が0.39、耐熱温度が1150℃、1000℃の熱伝導率が0.28W/(m・K)の不定形耐火物またはAl
2O
3が39質量%、SiO
2が39質量%で、110℃の嵩比重が0.6、耐熱温度が1150℃、1000℃の熱伝導率が0.33W/(m・K)の不定形耐火物が好適に使用できる。第2の軽量断熱不定形耐火物42bは、1000℃の熱伝導率が0.4W/(m・K)以下が好ましく、0.35W/(m・K)以下がより好ましく、0.3W/(m・K)以下がさらに好ましい。
【0053】
第2の軽量断熱不定形耐火物42bは、冷間、または熱間で、コテ塗り施工、パッチング施工等するため、通常の不定形耐火物で用いる振動成形法よりも、硬い坏土で施工する。そのため、不定形耐火物中の水分が低くなり、嵩比重は大きくなる。
【0054】
軽量断熱層4の上部の構成は特に限定されないが、例えばさらに断熱ボードを有してもよい。断熱ボードとしては、例えばケイ酸カルシウムボードが使用できる。
【0055】
(大迫天井構造の製造方法)
本実施形態における大迫天井構造の製造方法は、まず、ガラス溶解炉の炉内側に、複数個のケイ石レンガ2aをヴォールト形状となるように整列、配置して耐食層2を形成する。
【0056】
この耐食層2の形成は、従来の方法と同様に、例えば、
図2A、
図2Bに示したように、ケイ石レンガ2aをヴォールト形状に整列、配置すればよい。なお、ケイ石レンガ2aをそのまま整列、配置してもよいが、ケイ石レンガ2a同士の間の目地部が開かないように、例えば、シリカモルタルを塗って施工してもよい。このようにシリカモルタルを用いれば、施工時のガタツキを抑え、ケイ石レンガ2a同士を接着できる。
【0057】
次いで、耐食層2の上に、シリカ質焼結体であるケイ石断熱レンガ3aをヴォールト形状となるように整列、配置してシリカ質断熱層3を形成する。
【0058】
このシリカ質断熱層3の形成は、従来の方法と同様に、ケイ石断熱レンガ3aをヴォールト形状に整列、配置すればよい。なお、ケイ石レンガ2aとの間、ケイ石断熱レンガ3a同士の間の目地部は開かないように、例えば、シリカモルタルを粉末状で充填して施工すればよい。このようにシリカモルタルを用いれば、施工時のガタツキを抑え、ケイ石レンガ2aとケイ石断熱レンガ3a、ケイ石断熱レンガ3a同士を一体化できる。
【0059】
さらに、シリカ質断熱層3の上に、断熱ブロックと軽量断熱不定形耐火物とからなる層構造を2層以上で構成される軽量断熱層4を形成する。
【0060】
まず、第1の断熱ブロック41aを冷間状態で円周方向に構築する。第1の断熱ブロック41aを、スペーサーブロック等を用いて所定の間隔で固定して構築し目地を作り、目地の隙間に第1の軽量断熱不定形耐火物41bを施工する。第1の軽量断熱不定形耐火物41bを硬化させた後、スペーサーブロックを除去することで、第1の断熱ブロック41aが脱落することなく第1の軽量断熱不定形耐火物41bで固定できる。
なお、上記では冷間施工を説明したが、ガラス溶解炉の熱上げ後に熱間施工してもよく、一部を冷間施工、残りを熱間施工としてもよい。特に大迫天井構造の迫頂部(最頂部)においては熱間施工が好ましい。
【0061】
次に、第2の断熱ブロック42aを冷間状態で円周方向に構築する。第2の断熱ブロック42aを、スペーサーブロック等を用いて所定の間隔で固定して構築し目地を作り、目地の隙間に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを施工する。第2の軽量断熱不定形耐火物42bを硬化させた後、スペーサーブロックを除去することで、第2の断熱ブロック42aが脱落することなく第2の軽量断熱不定形耐火物42bで固定できる。
なお、上記では冷間施工を説明したが、ガラス溶解炉の熱上げ後に熱間施工してもよく、一部を冷間施工、残りを熱間施工としてもよい。特に大迫天井構造の迫頂部(最頂部)においては熱間施工が好ましい。
【0062】
冷間施工する部分が全て施工された状態で、ガラス溶解炉を所定の温度まで熱上げして、温度が安定し材料が十分に膨張した状態とする。その後、円周方向で熱間施工する目地および長手方向の目地部において、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを熱間でコテ塗り施工し、硬化させた後、その上に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを熱間でコテ塗り施工し、硬化させる。
このようにして、第1の実施形態における大迫天井構造が得られる。
【0063】
また、上記の軽量断熱層4の形成にあたって、予め第1の断熱ブロック41aの上に第2の断熱ブロック42aを積層し一体化させ断熱ブロック積層体を形成してもよい。
この場合、断熱ブロック積層体は次のように得ることができる。すなわち、上記断熱ブロックの形成と同様にして、まず第1の断熱ブロック41a形成用の軽量断熱不定形耐火物を型枠に振動成形して硬化させた後、その上に、第2の断熱ブロック42a形成用の軽量断熱不定形耐火物を型枠内に振動成形して硬化させて、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aが積層一体化した状態とする。次に、この積層体を型枠から取り出し、110℃程度の温度で乾燥させて、所定のブロック形状の積層体である断熱ブロック積層体を形成できる。
【0064】
このようにして得られた断熱ブロック積層体を用いて、シリカ質断熱層3の上に軽量断熱層4を形成するには、まず、冷間状態で円周方向に構築するに際し、断熱ブロック積層体を、スペーサーブロック等を用いて所定の間隔で固定して構築し目地を作る。このとき、第1の断熱ブロック41aを所定の配置とすることで、同時に第2の断熱ブロック42aも所定の配置となり、第2の断熱ブロック42a間の目地も形成される。
【0065】
そして、まず第1の断熱ブロック41a間の目地の隙間に第1の軽量断熱不定形耐火物41bを施工し、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを硬化させる。続けて、第2の断熱ブロック42a間の目地の隙間に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを施工し、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを硬化させる。その後、スペーサーブロックを除去することで、断熱ブロック積層体が脱落することなく第1の軽量断熱不定形耐火物41bおよび第2の軽量断熱不定形耐火物42bで固定できる。
そして、円周方向で熱間施工する目地および長手方向の目地部においては、上記と同様に、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを熱間でコテ塗り施工し、硬化させた後、その上に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを熱間でコテ塗り施工し、硬化させればよい。
【0066】
このように、予め断熱ブロック積層体を形成しておくことで、スペーサーブロック等を用いて所定の間隔で固定して構築する操作を1度行うだけで、断熱ブロックは全て所定の位置に配置されることとなる。そのため、後は、目地部における軽量断熱不定形耐火物の施工を、上記操作と同様に行えばよく、第1の断熱ブロックと第2の断熱ブロックをそれぞれ構築する場合に比べ、工程を簡素化できる。
【0067】
(第1の実施形態における変形例1)
次に、上記第1の実施形態における変形例1を、
図2A〜2Bと併せて、
図3A〜3Bを参照しながら説明する。ここで、
図3Aは第1の実施形態である
図2Aの変形例である大迫天井構造の長手方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図、
図3Bは第1の実施形態である
図2Bの変形例である大迫天井構造の円周方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図、である。
【0068】
この変形例においては、基本的には、
図2A〜2Bで説明した大迫天井構造と同様の構造を有している。唯一異なるのが、軽量断熱層4を構成する第1の断熱ブロック41a間において、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを介しておらず断熱ブロック同士が隣接して形成されている部分が存在する点である。すなわち、耐食層2およびシリカ質断熱層3は、上記説明と同一であるため、記載を省略する。以下、相違点のみについて説明する。
【0069】
この変形例においては、
図3Aに示したように、円周方向において、冷間状態で複数個の第1の断熱ブロック41aを目地なしで迫らして構築した後、第2の断熱ブロック42aを、スペーサーブロック等を用いて所定の間隔で固定して構築し目地を作る。目地の隙間への第2の軽量断熱不定形耐火物42bは冷間施工でも熱間施工でもよい。
【0070】
すなわち、第1の軽量断熱層41の形成の際、大迫天井構造の円周方向において、第1の断熱ブロック41a間の一部または全部が第1の軽量断熱不定形耐火物41bを介さないように、第1の断熱ブロック41a同士を隣接して整列、配置する。次いで、第2の軽量断熱層42の形成の際、第1の軽量断熱層41の上に、第2の断熱ブロック42aを所定の間隔を有するように配置しておき、第2の断熱ブロック42a間の目地部に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを冷間状態および/または熱間状態で施工する。
なお、
図3Aにおいて、上記と同様の方法で、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aを予め一体化して断熱ブロック積層体としておくことで、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aを同時に一回の操作で配置でき、さらに、スペーサーブロック等を用いることなく軽量断熱層を構成する断熱ブロックを配置できるため、断熱層を配置する時間が大幅に短縮されるなど工業的価値が大きい。なお、
図3Aでは、図示している第1の断熱ブロック41a間の全部を目地なしとしているが、この円周方向においては、一部に目地を形成し、該目地部には第1の軽量断熱不定形耐火物41bで一体化するようにしてもよい。
【0071】
すなわち、軽量断熱層4の形成の際、大迫天井構造の円周方向において、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aを予め一体化して断熱ブロック積層体とする。第1の断熱ブロック41a間の一部または全部が第1の軽量断熱不定形耐火物41bを介さないように、断熱ブロック積層体の第1の断熱ブロック41a同士を隣接して整列、配置する。第1の断熱ブロック41a間に目地部がある場合には、該目地部に、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを冷間および/または熱間状態で施工する。次いで、第2の断熱ブロック42a間の目地部の一部または全部に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを冷間状態および/または熱間状態で施工する。
【0072】
次いで、ガラス溶解炉を所定の温度まで熱上げする。熱上げ後、第2の断熱ブロック42aの目地部の未施工部分がある場合には、該目地部に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを施工して一体化する(
図3A)。
さらに、長手方向においては、例えば、
図2Bの様に施工することができる。すなわち、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを熱間状態で施工し硬化したのち、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを施工する。このようにして、第1の軽量断熱層41と第2の軽量断熱層を一体化した軽量断熱層4を形成する。
【0073】
また、他の変形例においては、
図3Bに示したように、長手方向において、冷間状態で複数個の第1の断熱ブロック41aの一部を目地なしで迫らして構築した後、目地部には第1の軽量断熱不定形耐火物41bを熱間でコテ塗り施工し、硬化させて第1の軽量断熱層41を完成させればよい。なお、この
図3Bでは、第1の断熱ブロック41aの2個を隣接して配置し、その2個毎に目地部を形成するようにして、該目地部に第1の軽量断熱不定形耐火物41bを施工する例を示している。しかし、この第1の断熱ブロック41aの隣接配置する個数は、これに限られず、3個以上としてもよく、用いるブロックサイズ等により適宜変更できる。
【0074】
なお、
図3Bに示す長手方向においては、一般にレンガやブロックのサイズが円周方向よりも大きく、熱膨張も大きいので、熱上げ時に亀裂が入りにくいように、適切な長さで目地部を形成して亀裂の発生を防止し、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを施工することが好ましい。
【0075】
さらに、その上に、第2の断熱ブロック42aを所定の間隔を有するように配置しておき、第2の断熱ブロック42a間の目地部に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを熱間でコテ塗り施工し、硬化させて第2の軽量断熱層42を完成させればよい(
図3B)。ここで、第2の軽量断熱不定形耐火物42bは、ケイ石レンガ2aの膨張に伴い、目地部分が膨張して亀裂が入りやすいため熱間状態での施工が好ましいが、膨張の影響が少なくなるように、例えば、目地を1つおきに冷間施工してもよい。
【0076】
すなわち、第1の軽量断熱層41の形成の際、大迫天井構造の長手方向において、第1の断熱ブロック41a間の一部が第1の軽量断熱不定形耐火物41bを介さないように、第1の断熱ブロック41a同士を隣接して整列、配置する。第2の軽量断熱層42の形成の際、第1の軽量断熱層41の上に、第2の断熱ブロック42aを所定の間隔を有するように配置しておく。さらに、第1の断熱ブロック41a間の目地部に第1の軽量断熱不定形耐火物41bを熱間状態で施工し、第2の断熱ブロック42a間の目地部に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを冷間状態および/または熱間状態で施工し、第1の軽量断熱層41と第2の軽量断熱層42を一体化して、軽量断熱層4を形成する。
【0077】
なお、
図3Bにおいて、上記と同様の方法で、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aを予め一体化して断熱ブロック積層体とできる。このとき、断熱ブロック積層体の第1の断熱ブロック41a間の一部が第1の軽量断熱不定形耐火物41bを介さないように、断熱ブロック同士を隣接して整列、配置しておく。さらに、第1の断熱ブロック41a間の目地部に第1の軽量断熱不定形耐火物41bを熱間状態で施工し、第2の断熱ブロック42a間の目地部に第2の軽量断熱不定形耐火物42bを冷間状態および/または熱間状態で施工し、第1の軽量断熱層41と第2の軽量断熱層42を一体化して、軽量断熱層4を形成する。これによれば、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aを同時に一回の操作で配置できるため、断熱層を配置する時間が大幅に短縮されるなど工業的価値が大きい。
【0078】
なお、
図3Bの実施に際しては、円周方向の断熱ブロックは、たとえば、
図2Aの構造、手順で施工できるし、
図3Aの構造、手順でも施工できる。
【0079】
上記のような変形例の場合、長手方向に第1の断熱ブロック41aが部分的に目地なしで一体化される。ガラス溶解炉のメンテナンスに際して、熱間状態で第1の断熱ブロック41aを除去する際、目地部の第1の軽量断熱不定形耐火物41bが一部に存在するのみであるため、解体作業の範囲が限定され、断熱ブロックの除去、交換等の作業が容易にできる等の利点がある。
【0080】
これにより、第1の断熱ブロック41aを冷間状態で構築するに際し、目地の隙間を作り、隙間に第1の軽量断熱不定形耐火物41bを施工し硬化させる箇所が限定されるため(
図3Bの、第1の断熱ブロック41aでは2個毎)、目地の施工工程(通常、硬化に20時間程度の時間を要する)を省略でき、短期間に少ない労力で軽量断熱層4を形成できる。
【0081】
なお、熱上げ前後で第1の断熱ブロック41a部分に隙間が生ずるおそれがある場合は、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを充填するなどすることで、隙間を塞ぎ、機密性を高められる。
【0082】
(第1の実施形態における変形例2)
上記第1の実施形態における変形例2を、
図2A、Bと併せて、
図4A、Bを参照しながら説明する。ここで、
図4Aは第1の実施形態である
図2Aの変形例である大迫天井構造の長手方向から見た頂部(つまり円周方向における頂部)を、部分的に拡大して示した断面図、
図4Bは第1の実施形態である
図2Bの変形例である大迫天井構造の円周方向から見た頂部(つまり長手方向における頂部)を、部分的に拡大して示した断面図、である。
【0083】
本変形例2では、第1の実施形態と異なる構成(相違点)についてのみ説明する。その他の構成は第1の実施の形態に準じるため、説明を省略する。
【0084】
本変形例2では、
図4A、Bに示したように、軽量断熱層4において、ガラス溶解炉の炉内側の第1の軽量断熱層41は第1の断熱ブロック41aと第1の軽量断熱不定形耐火物41bとの層構造からなり、炉外側の第2の軽量断熱層42は第2の軽量断熱不定形耐火物42bのみからなる。耐食層2、シリカ質断熱層3および第1の軽量断熱層41は、第1の実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0085】
本変形例2の第2の軽量断熱不定形耐火物42bのみからなる第2の軽量断熱層42を構築する施工方法は、例えば、耐食層2から第1の軽量断熱層41を構築するまでは、上記第1の実施形態で説明した方法と同一の操作により行い、ガラス溶解炉が熱上げされ第1の軽量断熱層41が完全に構築された後に、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを熱間コテ塗り施工で行う。
【0086】
第2の軽量断熱不定形耐火物42bを熱間コテ塗り施工する手順は、まず、ガラス溶解炉が熱上げされ完全に膨張した状態で、例えば、大迫天井構造の長手方向を1m〜3m程度のスパンに分割し、スパンごとに施工を完了して、徐々に長手方向に移動しながらコテ塗り施工を繰り返し完成する。スパンごとの施工では、通常円周方向は半分に分けてそれぞれ行い、例えば、円周方向の下部より、天井部に向かって施工する。この場合、施工は一回で厚み方向の施工を完了しながら、円周方向および長手方向に移動してコテ塗り施工をすることにより、打ち継ぎ施工による打ち継ぎ部の亀裂や、強度低下を抑制し、良好な施工体を得ることができる。さらに、施工途中の材料に人間が乗るような施工をできるだけ避けて、材料の損傷も防止できる。
【0087】
上記施工では、施工を途中で中断するとき、材料温度が上がり軽量断熱不定形耐火物が硬化してしまうので、例えば数メートル角スパンに碁盤目の様に打ち継ぎを設けるよう、レンガで仕切り等を設けるなどして、打ち継ぎを直線的に形成しながら仕上げて終わることが好ましい。このようにすれば、次に再開しても、直線状の打ち継ぎであれば、打ち継ぎ部分の亀裂を防止することができる。
【0088】
ガラス溶解炉が熱上げされた状態で第2の軽量断熱不定形耐火物42bを施工するため、冷間の施工に比較して施工後の膨張による亀裂がほとんど起こらないという利点がある。
【0089】
図4Cは、本変形例2として説明している大迫天井構造の構成を模式的に示した平面図である。
図4Cに示したように、第2の軽量断熱層42は、第2の軽量断熱不定形耐火物のみで形成されている。この場合、第1の実施形態と比較すると、第2の断熱ブロック42aの成形の手間や準備が必要なく、工期期間や、費用を削減できるなどの利点がある。
【0090】
第2の軽量断熱不定形耐火物42bとしては、第1の実施形態に記載したものが好ましく使用できる。
【0091】
さらに、本変形例2の説明では、第2の軽量断熱層42として、全面が第2の軽量断熱不定形耐火物42bで施工、形成されている場合を説明したが(
図4C)、大部分を第2の軽量断熱不定形耐火物42bで形成しながら、その一部に第2の断熱ブロック42aを設けてもよい。例えば、
図5に示したように、頂部のみに第2の断熱ブロック42aを設ける場合が例示できる。
図5は、第1の実施形態の変形例2として
図4A〜Cで示した大迫天井構造の、さらなる変形例である大迫天井構造の構成を模式的に示した平面図である。
図5では、その頂部において、円周方向に3列隣接して第2の断熱ブロック42aが設けられている。
【0092】
このように、頂部付近にのみ第2の断熱ブロック42aを設けると、頂部付近における第2の軽量断熱不定形耐火物42bの施工面積が大幅に減るため、熱上げ後の作業負担を軽減できる。したがって、円周方向の頂部付近以外の端部側を冷間で施工し、頂部付近を熱間で施工する場合には、変形例2に加えて、さらに労働負荷の高い熱間作業時間を短縮することができる。
【0093】
この
図5における、第2の軽量断熱層42を構築する施工方法を説明する。
図5の施工方法では、冷間施工と、熱間施工を組み合わせて行うことができる。例えば、円周方向の頂部周辺(
図5で第2の断熱ブロック42aで示した部分)以外を、円周方向および、長手方向に1m〜3m程度の碁盤目の様にスパンを分割し、分割部には、100〜200mm程度の打ち継ぎ目地を設ける。そこで、冷間施工で、上記頂部周辺部とスパンの分割部の打ち継ぎ目地以外を、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを施工する。次に、ガラス溶解炉が熱上げされケイ石レンガが十分に膨張したのち、スパンの分割部の打ち継ぎ目地部を第2の軽量断熱不定形耐火物42bで熱間コテ塗り施工する。最後に、頂部周辺部に第2の断熱ブロック42aを設置するに際し、第2の断熱ブロック42aと冷間施工した第2の軽量断熱不定形耐火物42bに幅100〜200mm程度の打ち継ぎ目地を予め設けておき、第2の断熱ブロック42aを設置したのち、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを熱間コテ塗り施工して、目地を完全に塞いで一体化できる。
【0094】
ここで、
図5の第2の断熱ブロック42aは、円周方向に3列ある。中央部の第2の断熱ブロック42aは、第2の軽量断熱不定形耐火物42bと接着されない状態であるため、必要な時に、容易に外すことができる。中央部の第2の断熱ブロック42aを外した後は、両サイドの第2の断熱ブロック42aを容易に除去できる。通常、ガラス溶解炉の熱下げ前には、ケイ石レンガとその上の断熱材料(本形態ではケイ石断熱レンガ)との膨張差の影響を緩和するために、上記頂部周辺部の断熱材の除去が必要である。
図5の方法によれば、断熱材の除去を容易に実施することができる。
図5の第2の断熱ブロック42aは、円周方向に3列以上であることが好ましい。
図5のような構成であれば、冷間施工部分の膨張亀裂などは多少あっても、冷間作業で大半の材料を施工できるため、労働負荷の高い熱間作業時間を短縮することができる。
【0095】
上記の通り、
図4A〜Cや
図5を参照して説明した変形例2において、さらに第1の軽量断熱層の構成として、上記変形例1として説明した
図3A、Bの構成とすることも可能である。
【0096】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る大迫天井構造は、基本的な構成は、第1の実施形態と同様に、ガラス溶解炉の炉内側に、複数個のケイ石レンガをヴォールト形状となるように整列、配置した耐食層と、耐食層の上に形成され、シリカ質焼結体を有するシリカ質断熱層と、シリカ質断熱層の上に形成され、断熱ブロックと軽量断熱不定形耐火物とからなる層構造を2層以上で構成される軽量断熱層と、を有する。
【0097】
ここで、本実施形態においては、シリカ質断熱層3の構成が第1の実施形態とは異なり、それ以外は第1の実施形態と同一である。以下、同一の構成についての説明は省略し、相違点について説明する。
【0098】
以下、
図1A、1Bと併せて、
図6A〜6Bを参照しながら、本実施形態の大迫天井構造について説明する。ここで、
図6Aは本実施形態である大迫天井構造の長手方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図、
図6Bはその円周方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図である。
【0099】
上記のように、耐食層2および軽量断熱層4は、第1の実施形態と同一であるため、説明を省略する。
本実施形態におけるシリカ質断熱層3は、
図6A〜6Bに示したように、シリカ質焼結体ブロック31aと緻密質不定形耐火物31bとを有して構成される点に特徴を有する。緻密質不定形耐火物としては、耐火性骨材に、少量のアルミナセメントと、活性超微粉原料等を配合した、低セメント不定形耐火物であり、低水量で、CaO量の減量により、耐食性や熱間強度に特に優れた不定形耐火物が好ましい。
【0100】
シリカ質断熱層3は、耐食層2を形成するケイ石レンガ2aの上層に、シリカ質焼結体ブロック31aと緻密質不定形耐火物31bとを有して構成される。このシリカ質断熱層3は、例えば、複数個のシリカ質焼結体ブロック31aを、互いに所定の間隔を有するように整列、配置し、シリカ質焼結体ブロック31aの間の目地部に緻密質不定形耐火物31bを施工して一体化したものが挙げられる。
【0101】
なお、ここで用いるシリカ質焼結体ブロック31aは、上記のケイ石レンガ2aよりもサイズが大きく、特に、大迫天井構造の円周方向および長手方向において、ケイ石レンガ2aよりも大きい幅と長さを有するブロックが好ましい。
【0102】
ここで、シリカ質焼結体ブロック31a同士が緻密質不定形耐火物31bにより一体化してシリカ質断熱層3が形成されており、第1の実施形態よりも一体化した層構造が多いため、炉内ガスのリークをより効果的に抑制できる。したがって、ガスリークを有効に防止でき、また、炉内の熱や、ガス成分がガラス溶解炉の外部に漏出するのを確実に防止できる。そのためエネルギーコストを低減でき、省エネ性に寄与し、かつ環境の負荷の増大も抑制できる。
【0103】
ここで用いられるシリカ質焼結体ブロック31aは、焼結シリカ質、溶融シリカ質等があり、110℃の嵩比重が1.25以下のシリカ質焼結体が好ましい。また、緻密質不定形耐火物31bは、焼結シリカ原料添加品、溶融シリカ原料添加品等があり、シリカ質の緻密質不定形耐火物が好ましい。
【0104】
シリカ質焼結体ブロック31aは、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aを個々に成形しておき、現場で積層してもよい。また、あらかじめ、シリカ質焼結体ブロック31aの上に第1の断熱ブロック41aを積層一体化しておいてもよい。また、第1の断熱ブロック41aの上に第2の断熱ブロック42aを積層一体化しておいてもよい。また、シリカ質焼結体ブロック31aの上に第1の断熱ブロック41aを積層し、さらにその上に第2の断熱ブロック42aを積層一体化しておいてもよい。このように、ブロック同士を一体成型しておくことにより現場での取り付け施工が簡素化でき、層間のガスリークも防止でき気密性にも優れるため好ましい。
【0105】
シリカ質焼結体ブロック31aは、化学成分としてシリカを91質量%以上含有するシリカ質焼結体で、特に耐熱温度1500℃以上が好ましく、さらに、110℃の嵩比重が0.5〜1.25の焼結体が好ましい。また、シリカ質焼結体ブロック31aは、強度が十分にあれば、嵩比重が低いほど低熱伝導率となり、断熱性が高く好ましい。
【0106】
また、シリカ質の緻密質不定形耐火物31bは、化学成分としてシリカを99質量%以上含有し、耐熱温度1550℃以上の不定形耐火物が好ましい。
【0107】
ここで、ケイ石レンガ2aの上層として、化学成分として大部分がシリカであるシリカ質焼結体ブロック31aとシリカ質の緻密質不定形耐火物31bとでシリカ質断熱層3を形成しているため、第1の実施形態と同様、ケイ石レンガ2aの変質を抑制でき、ガラス溶融の操業を開始した後も、耐熱性、耐食性を確保でき、長期間の安定した使用も可能とする。
【0108】
この第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、複数個のケイ石断熱レンガ3aを配置せずに、ケイ石レンガ2aの上層に複数個のシリカ質焼結体ブロック31aを直接配置して、シリカ質断熱層3を形成したものである。この構成の大迫天井構造は、ケイ石断熱レンガ3aを施工する必要が無く、それよりも大型のシリカ質焼結体ブロック31aを用いているため、大迫天井構造の施工を、短期間で、かつ、少ない労力で達成できるという利点を有する。
【0109】
また、第2の実施形態においても、第1の実施形態で説明した変形例1と同様に、円周方向の一部または全部、かつ、長手方向の一部を目地なしの構成とできる。なお、第2の実施形態においては、円周方向において、シリカ質焼結体ブロック31a間を目地なしとしたもの、シリカ質焼結体ブロック31a間と第1の断熱ブロック41a間の両方を目地なしとしたもの、とできる。また、第1の実施形態で説明した変形例2と同様に、第2の軽量断熱層42を
図4Cや
図5Aで示した構成にもできる。
【0110】
この第2の実施形態の大迫天井構造は、シリカ質断熱層3の形成以外は、第1の実施形態で説明した大迫天井構造の製造方法と同一の操作により製造できる。
なお、シリカ質断熱層3の形成にあたっても、使用する材料が異なるだけで、第1の実施形態で説明した軽量断熱層の形成と同様の操作により達成できる。すなわち、例えば、第1の実施形態において、第1の断熱ブロック41aをシリカ質焼結体ブロック31aと、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを緻密質不定形耐火物31bと、それぞれ読み替えて同様の操作を行うことで、本実施形態におけるシリカ質断熱層3を形成できる。
【0111】
(第2の実施形態における変形例)
次に、上記第2の実施形態における変形例を、
図7A〜7Bを参照しながら説明する。ここで、
図7Aは第2の実施形態の変形例である大迫天井構造の長手方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図、
図7Bはその円周方向から見た頂部を、部分的に拡大して示した断面図、である。
【0112】
この変形例においては、基本的には、
図6A〜6Bで説明した大迫天井構造と同様の構造を有している。唯一異なるのが、シリカ質断熱層3のシリカ質焼結体ブロック31a間において、形成される不定形耐火物が、緻密質不定形耐火物31bと軽量断熱不定形耐火物31cとの2層構造となっている点である。ここで、炉内側に緻密質不定形耐火物31bが、炉外側に軽量断熱不定形耐火物31cが積層して形成されている。
【0113】
この変形例は、シリカ質焼結体ブロック31a同士が緻密質不定形耐火物31bと軽量断熱不定形耐火物31cとにより一体化してシリカ質断熱層3が形成されており、炉内ガスのリークをより効果的に抑制できるのに加え、目地部の断熱性が向上し、軽量化も図れる点で、より好ましい形態である。
【0114】
ここで用いられる軽量断熱不定形耐火物31cとしては、上記説明した第1の軽量断熱不定形耐火物41bで説明した軽量断熱不定形耐火物を使用できる。
【実施例】
【0115】
以下、本発明の実施形態である大迫天井構造について、実施例(例1〜例3)によって説明する。なお、本願発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0116】
(例1)
図2A〜2Bに示した大迫天井構造を有するガラス溶解炉の大迫天井構造について、以下の大きさで形成した。
炉長さ 約9m
炉幅 約6m
大迫 半径6m(耐食層2の炉内側半径)
大迫 角度60度
【0117】
まず、炉内面側に、ケイ石レンガ2aを、円周方向に87個、長手方向に39個のヴォールト形状となるように整列、配置して耐食層2を構築した。ここでケイ石レンガ2aは、厚みが375mmのものを使用し、ケイ石レンガ同士の目地部にはシリカモルタルを塗って施工した。このケイ石レンガ2aとしては、化学成分としてシリカを96質量%含有し、110℃の嵩比重が1.85のレンガを用いた。
【0118】
次に、ケイ石レンガ2aの上層に、複数個の並形状(幅65mm、高さ114mm、奥行230mm)のケイ石断熱レンガ3aを、厚み114mm、円周方向65mm、長手方向230mmとなる向きに配置、整列して、ヴォールト形状になるようにシリカ質断熱層3を構築した。ケイ石断熱レンガ同士の目地部にはシリカモルタルを粉末で充填し施工した。
なお、ケイ石断熱レンガ3aは、化学成分としてシリカを92質量%含有し、110℃の嵩比重が1.07、熱伝導率が350℃で0.38W/(m・K)かつ耐熱温度が1550℃のレンガを使用した。
【0119】
軽量断熱層4に用いる断熱ブロックは、第1の断熱ブロック41aの厚みが110mm、第2の断熱ブロック42aの厚みが120mmとなるように、一体化して形成した。すなわち、幅297mm、奥行600mm、高さ230mmの型枠に、まず、第1の断熱ブロック41a形成用の軽量断熱不定形耐火物を、常温で水と混練した後、型枠内に流し込みして振動成形し、硬化させた。次に、その上部に、第2の断熱ブロック42a形成用の軽量断熱不定形耐火物を上記と同様の操作で流し込みして振動成形し、硬化させた。次に、型枠から積層体を取り出して、110℃で24時間乾燥させた。これにより、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aが積層一体化した断熱ブロック積層体を得た。
【0120】
なお、ここで使用した材料は次のとおりである。
第1の断熱ブロック41aの材料は、アルミナ・ジルコニア質(Al
2O
3 83質量%、ZrO
2 6質量%)、110℃の嵩比重が1.0で、1000℃の熱伝導率が0.54W/(m・K)、かつ耐熱温度1600℃の軽量断熱不定形耐火物を用いた。
【0121】
第2の断熱ブロック42aの材料は、アルミナ・シリカ質(Al
2O
3 39質量%、SiO
2 39質量%)、110℃の嵩比重が0.47で、1000℃の熱伝導率が0.31W/(m・K)、かつ耐熱温度1150℃の軽量断熱不定形耐火物を用いた。
【0122】
得られた断熱ブロック積層体(幅297mm、奥行600mm、厚み230mm)を、室温の状態で、第1の断熱ブロック41aがケイ石断熱レンガ3aの外表面に接するように、長手方向に13個、および円周方向に19個、それぞれに約75mmの隙間(目地)を形成して整列、配置した。
【0123】
ここで、ケイ石断熱レンガ3aの外表面の段差や隙間には、あらかじめシリカ質のモルタルを粉状に敷いて、平滑になるように施工した。また、ケイ石断熱レンガ3aの外表面は組み上がりで概円弧上を示すので、その上に底面が平面状の断熱ブロック積層体を載せると、両側に隙間があくので、その隙間もシリカ質のモルタルを粉状に敷いて塞ぐことで断熱ブロック積層体をガタツキがないように設置した。
【0124】
さらに、ヴォールト形状のケイ石断熱レンガ3aの円周方向においては、下方から上方(迫頂部側)に向かって断熱ブロック積層体を、ブロック間に目地幅の木製のスペーサーブロックを挟みながら積み上げた。最下部の断熱ブロック積層体は、炉外の構造より支持した。なお、スペーサーブロックは、熱上げ前までに除去した。
【0125】
次に、断熱ブロック積層体間の間隙に対して、次の操作により間隙を埋め、軽量断熱層4を形成した。なお、ここで使用した材料は次のとおりである。
【0126】
第1の軽量断熱不定形耐火物41bとしては、アルミナ・ジルコニア質(Al
2O
3 83質量%,ZrO
2 6質量%)で、嵩比重が110℃で1.25、1000℃の熱伝導率が0.73W/(m・k)、かつ耐熱温度1600℃の不定形耐火物を使用した。
【0127】
第2の軽量断熱不定形耐火物42bとしては、アルミナ・シリカ質(Al
2O
3 34質量%,SiO
2 45質量%)で、110℃の嵩比重が0.39、1000℃の熱伝導率が0.28W/(m・K)、かつ耐熱温度が1150℃の不定形耐火物を使用した。
【0128】
まず、室温で、円周方向の目地部(
図2Aに示している目地部)の施工を次の通り行った。円周方向における断熱ブロック積層体間の間隙に、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを高さ110mmとなるようにコテ塗り施工した。さらに第1の軽量断熱不定形耐火物41bが硬化したのち、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを、第2の軽量断熱ブロック(断熱ブロック積層体)2個毎に、高さ120mmになるようコテ塗り施工した。ここで、第2の軽量断熱不定形耐火物42bの施工しなかった部分は、炉の熱上げ後に施工した。
【0129】
なお、熱上げに際し、長手方向の断熱ブロック積層体の間隙(
図2Bに示している目地部)など、断熱されていない部分は、断熱ファイバー等で保護しながら、炉内温度を1550℃に熱上げし、耐食層2のケイ石レンガ2aを熱膨張変位させて熱間施工を行った。
具体的には、長手方向における断熱ブロック積層体間の間隙に、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを高さ110mmとなるようにコテ塗り施工し、硬化させた。さらに、第1の軽量断熱不定形耐火物41bの上に、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを高さ120mmになるようコテ塗り施工し、硬化させた。
【0130】
なお、上記のように、第2の軽量断熱ブロックの目地部について、室温状態で円周方向の目地部は2個毎で施工しており、この熱間施工において、円周方向で施工していない部分の目地も同様の操作により、第2の軽量断熱不定形耐火物42bで施工した。
【0131】
また、炉最上部(迫頂部)とそれに隣接する断熱ブロック積層体の3個およびその下層のケイ石断熱レンガ3aは、炉の熱上げ後に設置した。隣接する円周方向横並び3個の断熱ブロック積層体間は目地なしで施工した。両サイド(横並び3個の断熱ブロック積層体の両端)のみ、断熱ブロック積層体間の間隙に、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを高さ110mmとなるようにコテ塗り施工し、さらに第1の軽量断熱不定形耐火物41bが硬化したのち、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを高さ120mmになるようコテ塗り施工した。
【0132】
このように、炉最上部の1m程度の幅において、断熱ブロック積層体を炉の熱上げ後に設置することにより、円周方向の耐食層2、シリカ質断熱層3、軽量断熱層4の膨張差による変形が生じた後で、炉最上部の施工を行うので、軽量断熱層4の熱膨張による亀裂等を防止する効果がある。さらに、長期間の運転(通常5年以上)の後、炉を停止し熱下げする場合には、まず最上部断熱ブロックを熱上げ状態で除去し(このときブロックは容易に除去できる)、熱下げを行う。このようにすることで、軽量断熱層4の熱下げ時の熱収縮による亀裂等も防止できる。
【0133】
このようにして、耐食層2とシリカ質断熱層3の上部に、厚さ230mmの2層構造である軽量断熱層4を形成した。さらに、軽量断熱層4の上部に、厚み50mmのケイ酸カルシウムボードをモルタルで貼り付け施工した。ここで、ケイ酸カルシウムボードは、主成分がケイ酸カルシウムで、110℃の嵩比重が0.15、600℃の熱伝導率が0.11W/(m・K)のものを使用した。
【0134】
このように、本実施形態における大迫天井構造を有するガラス溶解炉を製造できた。得られたガラス溶解炉は、耐熱性および断熱性に優れた天井構造であった。また、ガスリークも有効に防止できるものであった。さらに、軽量断熱層4は、断熱ブロック同士が不定形耐火物で一体的に形成されており、高温状態においても、隙間や亀裂のない軽量断熱層であった。
【0135】
(例2)
例1において、以下の材料、厚みの変更を行った以外は、例1と同様の操作により本実施形態の大迫天井構造を有するガラス溶解炉を形成した。
第1の断熱ブロック41aの材料としてシリカ質焼結体を用い、その厚みを120mmとした。ここで用いた第1の断熱ブロック41aのシリカ質焼結体は、シリカ質(SiO
2 93質量%)で、110℃の嵩比重が0.85、800℃の熱伝導率が0.48W/(m・K)、かつ耐熱温度1550℃のものである。
【0136】
第2の断熱ブロック42aおよび第2の軽量断熱不定形耐火物42bを、それぞれの厚みを130mmとした。
【0137】
また、断熱ブロック積層体は、次のように得た。
第1の断熱ブロック41aは、幅297mm、奥行600mm、厚み120mmのブロックになるように予め成形したシリカ質焼結体ブロックを用いた。この第1の断熱ブロック41aの上部に空間を設けるよう型枠を設置し、型枠に第2の断熱ブロック42aの材料として、アルミナ・シリカ質の軽量断熱不定形耐火物を130mm厚みになるよう振動成形して、硬化して一体化した後、型枠を外し、110℃で24時間乾燥した。これにより、第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aが一体化した、幅297mm、奥行600mm、厚み250mmの断熱ブロック積層体を得た。
【0138】
(例3)
図6A〜6Bに示した大迫天井構造を有するガラス溶解炉の大迫天井構造について、以下の大きさで形成する。
炉長さ 約9m
炉幅 約6m
大迫 半径6m(耐食層2の炉内側の半径)
大迫 角度60度
【0139】
まず、例1と同じ操作で、炉内面側にケイ石レンガ2aを厚み375mmでヴォールト形状となるように整列、配置して耐食層2を構築する。
次に、本例では、その耐食層2の上層に、シリカ質焼結体ブロック31aと緻密質不定形耐火物31bと軽量断熱不定形耐火物31cを有するシリカ質断熱層3と、さらにその上に、第1の軽量断熱層41および第2の軽量断熱層42の2層構造の軽量断熱層4を形成して、第2の実施形態である大迫天井構造を有するガラス溶解炉を形成する。
【0140】
シリカ質焼結体ブロック31aとしては、幅297mm、奥行400mm、厚み115mmのブロック形状のシリカ質焼結体を用いる。このシリカ質焼結体としては、シリカ質(SiO
2 93質量%)で、110℃の嵩比重が0.85、800℃の熱伝導率が0.48W/(m・K)、かつ耐熱温度が1550℃の、焼結体ブロックを用いる。
【0141】
また、第1の断熱ブロック41aとしては、幅297mm、奥行400mm、厚み115mmのブロック形状のシリカ質焼結体を用いる。このシリカ質焼結体は、シリカ質(SiO
2 93質量%)で、110℃嵩比重が0.52、800℃の熱伝導率が0.34W/(m・K)、かつ耐熱温度が1500℃の、焼結体ブロックである。
【0142】
まず、シリカ質焼結体ブロック31aの上に、第1の断熱ブロック41aを積層し、シリカモルタルにより接着し、一体化させる。
次に、第2の断熱ブロック42aの厚みが130mmとなるように、第1の断熱ブロック41aの上部に空間を設けるように、幅297mm、奥行400mm、高さ130mmの型枠を設置し、型枠に第2の断熱ブロック42a形成用の例1と同じアルミナ・シリカ質の軽量断熱不定形耐火物を常温で水と混練した後型枠内に流し込みして振動成形し、硬化させた後、型枠を外し、110℃で24時間乾燥する。これにより、シリカ質焼結体ブロック31aと第1の断熱ブロック41aと第2の断熱ブロック42aが積層一体化した断熱ブロック積層体を得る。この断熱ブロック積層体は、幅297mm、奥行400mm、厚み360mmの断熱ブロック積層体である。ここで、第2の断熱ブロック42aは、例1と同じアルミナ・シリカ質の軽量断熱不定形耐火物とする。
【0143】
得られた断熱ブロック積層体(幅297mm、奥行400mm、厚み360mm)を、室温の状態で、シリカ質焼結体ブロック31aがケイ石レンガ2aの外表面に接するように、長手方向に19個、および円周方向に19個、それぞれに約75mmの隙間(目地)を形成して整列、配置する。
【0144】
ここで、ケイ石レンガ2aの外表面の段差や隙間には、あらかじめシリカ質のモルタルを粉状に敷いて、平滑になるように施工する。また、ケイ石レンガ2aの外表面は組み上がりで概円弧上を示すので、その上に底面が平面状の断熱ブロック積層体を載せると、両側に隙間があくので、その隙間もシリカ質のモルタルを粉状に敷いて塞ぐことで断熱ブロック積層体をガタツキがないように設置する。
【0145】
さらに、ヴォールト形状のケイ石レンガ2aの円周方向においては、下方から上方に向かって断熱ブロック積層体を、ブロック間に目地幅の木製のスペーサーブロックを挟みながら積み上げた。最下部の断熱ブロック積層体は、炉外の構造より支持する。なお、スペーサーブロックは、熱上げ前までに除去する。
【0146】
次に、断熱ブロック積層体間の間隙に対して、次の操作により間隙を埋め、シリカ質断熱層3および軽量断熱層4を形成する。なお、ここで使用する材料は次のとおりである。
【0147】
緻密質不定形耐火物31bは、シリカ質(SiO
2 99.5質量%)で、110℃の嵩比重が1.82、耐熱温度が1620℃の不定形耐火物を使用する。軽量断熱不定形耐火物31cは、第1の軽量断熱不定形耐火物41bと同じものを使用した。
【0148】
第1の軽量断熱不定形耐火物41bとしては、アルミナ・ジルコニア質(Al
2O
3 83質量%、ZrO
2 6質量%)であって、嵩比重が110℃で1.25、1000℃の熱伝導率が0.73W/(m・k)、かつ耐熱温度が1600℃のものを使用する。
【0149】
第2の軽量断熱不定形耐火物42bとしては、アルミナ・シリカ質(Al
2O
3 34質量%、SiO
2 45質量%)で、110℃の嵩比重が0.39、1000℃の熱伝導率が0.28W/(m・K)、かつ耐熱温度1150℃のものを使用する。
【0150】
まず、室温で、円周方向の目地部(
図6A示している目地部)の施工を次の通り行う。円周方向における断熱ブロック積層体間の間隙に、緻密質不定形耐火物31bを高さ40mmとなるようにコテ塗り施工し、硬化させる。この緻密質不定形耐火物31bの上に、軽量断熱不定形耐火物31cの構成も含め、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを高さ190mmとなるようにコテ塗り施工し、硬化させる。さらに、第1の軽量断熱不定形耐火物41bの上に、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを高さ130mmとなるようにコテ塗り施工し、硬化させる。
なお、第2の軽量断熱不定形耐火物42bのみ、断熱ブロック積層体2個毎にコテ塗り施工する。ここで、第2の軽量断熱不定形耐火物42bの冷間で施工しなかった部分は、炉の熱上げ後に施工する。
【0151】
なお、熱上げに際し、長手方向の断熱ブロック積層体の間隙(
図6Bに示している目地部)など、断熱されていない部分は、断熱ファイバー等で保護しながら、炉内温度を1550℃に熱上げし、耐食層2のケイ石レンガ2aを熱膨張変位させて熱間施工を行う。
具体的には、長手方向における断熱ブロック積層体間の間隙に、緻密質不定形耐火物31bを高さ40mmとなるようにコテ塗り施工し、硬化させる。この緻密質不定形耐火物31bの上に、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを高さ190mmとなるようにコテ塗り施工し、硬化させる。さらに、第1の軽量断熱不定形耐火物41bの上に、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを高さ130mmとなるようにコテ塗り施工し、硬化させる。
【0152】
なお、上記のように、室温状態で円周方向の目地部は第2の軽量断熱不定形耐火物42bを2個毎に施工しており、この熱間施工において、円周方向で施工していない部分の目地も第2の軽量断熱不定形耐火物42bで施工する。
【0153】
また、炉最上部とそれに隣接する断熱ブロック積層体の3個は、炉の熱上げ後に設置し、ブロック同士は目地なしで施工し、両サイドのみ、断熱ブロック積層体間の間隙に、緻密質不定形耐火物31bを高さ40mm、第1の軽量断熱不定形耐火物41bを高さ190mm、第2の軽量断熱不定形耐火物42bを高さ130mmとなるように、上記と同様にコテ塗り施工により形成する。
【0154】
このようにして、耐食層2の上部に、厚さ360mmのシリカ質断熱層3と軽量断熱層4とが積層構造を形成する。さらに、軽量断熱層4の上部に、厚み50mmのケイ酸カルシウムボードをモルタルで貼り付け施工する。ここで、ケイ酸カルシウムボードは、主成分がケイ酸カルシウムで、110℃の嵩比重が0.15で、600℃の熱伝導率が0.11W/(m・K)のものを使用する。
【0155】
このように、本実施形態における大迫天井構造を有するガラス溶解炉を製造できる。得られたガラス溶解炉は、耐熱性および断熱性に優れた天井構造である。また、ガスリークも有効に防止できるものである。さらに、軽量断熱層4は、断熱ブロック同士が不定形耐火物で一体的に形成されており、高温状態においても、隙間や亀裂のない軽量断熱層である。
【0156】
(例4)
従来の大迫天井構造として、軽量断熱層にセラミックスファイバーを用いたものを次のように作成した。
厚さ375mmのケイ石レンガの上に、厚さ65mm、耐熱温度1550℃で110℃の嵩比重が1.07のケイ石断熱レンガ(SiO
2 92質量%)を2層積層して厚さ130mmの断熱層とし、その上に、耐熱温度1300℃のJIS−B5レンガを厚さ65mm、耐熱温度1260℃のセラミックスファイバーブランケットを厚さ75mmを、順に積層して、合計645mmの大迫天井構造を有するガラス溶解炉を形成した。
【0157】
[特性評価]
例1〜例4で得られたガラス溶解炉において、大迫天井構造の断熱性能(放散熱量、炉外表面温度)を、一次元の定常熱計算により求めた。ここで、炉内温度、炉外温度はそれぞれ、1550℃、30℃とし、外気側の表面の放射率を0.94として求めた。結果を表1に示す。
【0158】
【表1】
【0159】
本実施形態の例1〜例3は、従来構造の例4と比較し、わずかに厚みと重量の増加はあるが、放散熱量と表面温度を大幅に低下できており、大幅にエネルギーコストを低減でき、省エネ性に寄与できる。
【0160】
さらに、例1と、例4で一年間運転した結果、本実施形態の例1では、炉外表面温度はほとんど変化がなかったが、従来の例4では、炉外表面温度が40℃以上、上がる結果となり、放散熱量が30%以上も、大幅に増加したものとなった。
【0161】
また、例4では、セラミックスファイバーブランケットを使用しており、これはリフラクトリーセラミックスファイバーである。リフラクトリーセラミックスファイバーは発がん性が疑われる物質であり、さらに、中長期間使用時の結晶化による断熱性の低下、さらには、省エネ性の低下の問題が知られている。例4の炉外表面温度の上昇は、このようなリフラクトリーセラミックスファイバーの結晶化に起因するという、公知の知見に沿った結果となった。
【0162】
これに対して、例1〜3では、緻密質不定形耐火物、軽量断熱不定形耐火物やシリカ質焼結体などバルク質(繊維を含まない材料)で構成されており、安全であるばかりか、長期の高温下での使用においても、断熱性の経年劣化が起こらず、高い省エネ性を長期間維持できる。
【0163】
以上の結果から、本実施形態の大迫天井構造は、中長期間使用時において断熱性の低下がなく優れた省エネ性を提供し、施工が極めて容易であって、かつ、ケイ石レンガの変質や目地部の変質がなく、長期間の使用を可能とする大迫天井構造を提供できる。さらに、本実施形態の大迫天井構造は、炉内ガスの漏出を有効に防止しながら、軽量性と断熱性にも優れ、空気燃焼のような高温操業に好適な大迫天井構造である。
【0164】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0165】
なお、本出願は、2019年3月29日出願の日本特許出願(特願2019−66369)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。