(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
空気が吸い込まれる吸込口と空気が吹き出される吹出口とを含み、且つ、前記吹出口から螺旋気流を吹き出す送風部と、除菌用の薬液を、前記吹出口から吹き出される空気に噴霧するか、又は、前記吹出口から吹き出された前記螺旋気流に噴霧する、噴霧部と、前記吹出口から前記螺旋気流が吹き出される方向に紫外光を含む第1光を照射する第1発光部と、を有する除菌装置により被除菌物を除菌する除菌方法において、
前記薬液は、除菌剤と、紫外光が照射されることにより発光する蛍光剤と、を含有し、
前記除菌方法は、
(a)前記噴霧部により前記薬液が噴霧されている状態で、前記螺旋気流を前記送風部により吹き出すことにより、前記除菌剤と前記蛍光剤とを前記被除菌物に付着させ、前記被除菌物に付着した前記除菌剤により前記被除菌物を除菌するステップ、
(b)前記被除菌物に付着した前記蛍光剤に、前記第1光を前記第1発光部により照射することにより、前記蛍光剤を発光させるステップ、
を有する、除菌方法。
空気が吸い込まれる吸込口と空気が吹き出される吹出口とを含み、且つ、前記吹出口から螺旋気流を吹き出す送風部と、除菌用の薬液を、前記吹出口から吹き出される空気に噴霧するか、又は、前記吹出口から吹き出された前記螺旋気流に噴霧する、噴霧部と、前記吹出口から前記螺旋気流が吹き出される方向に可視光を含む第1光を照射する第1発光部と、を有する除菌装置により被除菌物を除菌する除菌方法において、
前記薬液は、除菌剤を含有し、
前記除菌方法は、
(a)前記第1発光部により前記第1光が前記被除菌物に照射され、且つ、前記噴霧部により前記薬液が噴霧されている状態で、前記螺旋気流を前記送風部により吹き出すことにより、前記除菌剤を前記被除菌物に付着させ、前記被除菌物に付着した前記除菌剤により前記被除菌物を除菌するステップ、
を有する、除菌方法。
空気が吸い込まれる吸込口と空気が吹き出される吹出口とを含み、且つ、前記吹出口から螺旋気流を吹き出す送風部と、除菌用の薬液を被除菌物に噴霧する噴霧部と、前記吹出口から前記螺旋気流が吹き出される方向に紫外光を含む第1光を照射する第1発光部と、を有する除菌装置により前記被除菌物を除菌する除菌方法において、
前記薬液は、除菌剤と、紫外光が照射されることにより発光する蛍光剤と、を含有し、
前記除菌方法は、
(a)前記噴霧部により前記薬液を前記被除菌物に噴霧することにより、前記除菌剤と前記蛍光剤とを前記被除菌物に付着させ、前記被除菌物に付着した前記除菌剤により前記被除菌物を除菌するステップ、
(b)前記被除菌物に付着した前記蛍光剤に、前記第1光を前記第1発光部により照射することにより、前記蛍光剤を発光させるステップ、
を有する、除菌方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施の形態及び変形例について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0028】
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0029】
更に、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを付す場合もある。
【0030】
なお、以下の実施の形態においてA〜Bとして範囲を示す場合には、特に明示した場合を除き、A以上B以下を示すものとする。
【0031】
(実施の形態)
<除菌装置及び除菌方法>
本発明の一実施形態である実施の形態の除菌装置及び当該除菌装置による除菌方法について説明する。本実施の形態の除菌装置は、被除菌物を除菌する除菌装置であり、本実施の形態の除菌方法は、本実施の形態の除菌装置により被除菌物を除菌する除菌方法である。なお、本願明細書において、除菌する、とは、細菌を除去することだけでなく、ウィルスを除去することも意味する。また、本願明細書において、除菌する、とは、ウィルス又は細菌を消毒することを意味する。従って、本実施の形態の除菌装置は、被消毒物(被除菌物)を消毒する消毒装置でもあり、本実施の形態の除菌方法は、被消毒物(被除菌物)を消毒する消毒方法でもある。
【0032】
図1は、実施の形態の除菌装置の構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図2は、実施の形態の除菌装置の構成の一例を模式的に示す正面図である。
図2では、噴霧部の図示を省略している。
図3は、実施の形態の除菌装置の構成の一例を模式的に示す一部断面を含む側面図である。
図3は、把持部及び噴霧部の構成を説明するための図であり、実施の形態の除菌装置の構成の一部を、ブロック図として示している。
図4は、実施の形態の除菌装置の構成の他の例を模式的に示す斜視図である。
【0033】
図5及び
図6は、実施の形態の除菌装置による除菌方法を説明するための図である。
図5は、被除菌物がジャングルジムよりなる遊具である例を示し、
図6は、被除菌物が新幹線の車内設備である例を示している。
図7は、実施の形態の除菌方法の一部のステップを示すフロー図である。
【0034】
図1乃至
図3に示すように、本実施の形態の除菌装置10は、送風機(サーキュレータ)としての送風部11と、把持部12と、噴霧部13と、発光部14と、を有する。
【0035】
送風部11は、空気が吸い込まれる吸込口15と、空気が吹き出される吹出口16と、を含み、且つ、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出す。噴霧部13は、送風部11に設けられ、且つ、除菌用の薬液CS1を、吹出口16から吹き出される空気に噴霧するか、又は、吹出口16から吹き出された螺旋気流SA1に噴霧する。発光部14は、送風部11に設けられ、且つ、吹出口16から螺旋気流SA1が吹き出される方向に光LG1を照射する。
【0036】
なお、後述する実施の形態の第2変形例として説明するように、噴霧部13は、薬液CS1を被除菌物に直接噴霧するものであってもよい。
【0037】
具体的には、送風部11は、中心軸21を中心とする筒部22と、筒部22の内部に中心軸21を中心として回転可能に設けられたファン23と、ファン23を回転駆動する駆動部24と、を含むことができる。このような場合、吸込口15は、筒部22の中心軸21に沿った方向即ち軸方向における端部25に設けられ、吹出口16は、筒部22の中心軸21に沿った方向即ち軸方向における端部25と反対側の端部26に設けられる。ファン23は、吸込口15から空気を吸い込み、吸込口15から吸い込まれた空気を吹出口16から吹き出す。なお、発光部14は、送風部11の端部26に設けられることが好ましい。
【0038】
把持部12は、例えば筒部22下に配置され、且つ、筒部22と接続されており、除菌作業を行う作業者の手で把持部12が把持されることにより筒部22が支持される。把持部12は、電源部31と、スイッチ32と、調整部33と、スイッチ34と、調整部35と、を含む。電源部31は、駆動部24、及び、図示は省略するものの発光部14、に電力を供給する。スイッチ32は、電源部31とファン23との間の電気回路を開閉する第1開閉部である。調整部33は、例えば可変抵抗よりなり、可変抵抗の抵抗値を調整することにより、吹出口16から吹き出される螺旋気流SA1の強度、即ち螺旋気流SA1の風速又は風量、を調整する。スイッチ34は、電源部31と噴霧部13との間の電気回路を開閉する第2開閉部である。調整部35は、例えば可変抵抗よりなり、例えば抵抗値を調整することにより、噴霧部13が噴霧する薬液の噴霧量を調整する。
【0039】
なお、把持部12が設けられていなくてもよい。このような場合には、除菌作業を行う作業者により筒部22が保持されることにより筒部22が支持されることになる。
【0040】
噴霧部13として、例えばスプレー式の噴霧器を用いることができる。このような場合、噴霧部13は、薬液CS1を吐出する吐出部41と、薬液CS1を貯留する貯留部42と、貯留部42に貯留されている薬液CS1を吐出部41に供給する供給部43と、一端が供給部43に接続され他端が吐出部41に接続されている管路44と、一端が貯留部42に接続され他端が供給部43に接続されている管路45と、を含む。薬液CS1は、管路44の内部を供給部43から吐出部41に向かって流れ、管路45の内部を貯留部42から供給部43に向かって流れる。管路44上には、吐出部41から供給部43に薬液CS1が逆流することを防止する逆流防止弁即ち逆止弁46が設けられ、管路45上には、供給部43から貯留部42に薬液CS1が逆流することを防止する逆流防止弁即ち逆止弁47が設けられている。
【0041】
吐出部41は、筒部22の内部に設けられているか、又は、筒部22の外部で且つ筒部22よりも端部25側と反対側に設けられている。吐出部41が筒部22の内部に設けられている場合、吐出部41は、除菌用の薬液CS1を、吹出口16から吹き出される空気に噴霧する。一方、吐出部41が筒部22の外部で且つ筒部22よりも端部25側と反対側に設けられている場合、吐出部41は、吹出口16から吹き出された螺旋気流SA1に薬液CS1を噴霧する。
【0042】
供給部43は、例えばシリンダ43aと、シリンダ43aに挿脱可能なピストン43bと、ピストン43bをシリンダ43aに挿脱させるモータ43cと、を含む。ピストン43bがシリンダ43aから引き抜かれたとき、貯留部42からシリンダ43aに薬液CS1が供給され、ピストン43bがシリンダ43aに挿入されたとき、シリンダ43aから吐出部41に薬液CS1が供給される。このような場合、前述したスイッチ34は、電源部31とモータ43cとの間の電気回路を開閉し、調整部35は、例えばモータ43cの回転数を調整することにより、吐出部41が吐出する薬液CS1の吐出量を調整する。
【0043】
図1乃至
図3に示す例では、貯留部42は、筒部22下に配置され、且つ、筒部22と接続されている。しかしながら、貯留部42は、筒部22下に配置される場合には限定されない。従って、
図4に示すように、貯留部42は、筒部22上に配置されてもよい。なお、貯留部42が筒部22下に配置される場合でも、貯留部42が筒部22上に配置される場合でも、噴霧部13として、スプレー式の噴霧器に代えて、例えば消火器として用いられている加圧式蓄圧式の噴霧器を用いることができる。
【0044】
本実施の形態では、除菌用の薬液CS1として、少なくとも除菌剤を含有するものを用いることができる。また、好適には、除菌剤(消毒剤)は、例えばエタノール(エチルアルコール)若しくはイソプロパノール(イソプロピルアルコール)等のアルコール系除菌剤、グルタラール、フタラール若しくはホルマリン等のアルデヒド系除菌剤(消毒剤)、次亜塩素酸ナトリウム若しくは次亜塩素酸水等の塩素系除菌剤(消毒剤)、ポピドンヨード若しくはヨードチンキ等のヨウ素系除菌剤(消毒剤)、フェノール若しくはクレゾール石鹸液等のフェノール系除菌剤(消毒剤)、塩化ベンザルコニウム若しくは塩化ベンゼトニウム等の第4級アンモニウム塩系除菌剤(消毒剤)、アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩等の両性界面活性剤系除菌剤(消毒剤)、クロルヘキシジングルコン酸塩等のビグアナイド系除菌剤(消毒剤)、過酢酸若しくはオキシドール等の酸化剤系除菌剤(消毒剤)、アクリノール水和物等の色素系除菌剤(消毒剤)、又は、セチルリン酸化ベンザルコニウム、トリクロサン、クロルキシレノール若しくはイソプロピルメチルフェノールよりなる。
【0045】
また、例えばコロナウィルス等のエンベロープタイプのウィルスを除菌する場合には、除菌用の薬液として、上記した例えばエタノール等のアルコール系除菌剤を含有するものを用いることができる。また、例えばノロウィルス等のノンエンベロープタイプのウィルスを除菌する場合には、除菌用の薬液として、上記した塩素系除菌剤を含有するものを用いることができる。
【0046】
ここで、被除菌物を除菌する際の問題点について説明する。
【0047】
公共交通機関等の各種の公共サービス、又は、遊具提供サービス若しくはレストラン等のサービス業その他の各種の業態において、前述したウィルス又は細菌を除菌即ち消毒するため、被除菌物に除菌用即ち消毒用の薬液を噴霧して付着させた後、被除菌物に付着した薬液を拭き取ることにより、被除菌物を除菌する作業が行われている。
【0048】
例えば、
図5に被除菌物50がジャングルジムよりなる遊具51である例を示すように、子供の遊び場でもありキッズコーナーとも称される施設では、例えば10分間遊び場を開放し、その後遊び場の開放を中断して5分間手作業で遊具51である被除菌物50の掃除即ち除菌作業を行い、更に再び10分間遊び場を開放する、といった運用を行っている。そのため、除菌作業を行うための多大な時間が必要であり、除菌作業を行う作業者の多大な手間が必要である。このように、多大な手間が必要であり、多大な時間が必要であることにより、運営を断念して閉鎖している施設もある。
【0049】
一方、公共交通機関として多数の乗客が乗車する電車を考える。このような電車内では、多数の乗客が、車内設備としての手すりに触るか、車内設備としての支柱の金物に触るか、車内設備としての座席に触るか、又は、密閉した車内空間で咳又はくしゃみをすること等により、車内設備及び車内空間には、多数のウィルス又は細菌が付着する。換気を行い車内空間の空気を入れ替えることにより、車内空間のウィルス(エアロゾル状態)を除去することはできるものの、車内設備に付着したウィルス又は細菌を高頻度で定期的に掃除即ち除菌作業を行うことは、困難である。
【0050】
また、
図6に被除菌物50が新幹線の車内設備である例を示すように、新幹線でも車内設備の掃除即ち除菌作業をある程度は行っているものの、床52、天井53、荷物棚54及びテーブル55が備え付けられた座席56等の全ての車内設備に除菌用の薬液を付着させた後、車内設備に付着した薬液を拭き取ることにより、全ての被除菌物を十分に除菌する掃除即ち除菌作業を行うことは、時間の面でも、人件費等の費用の面でも、困難である。
【0051】
このように、前述した各種の公共サービス又は各種の業態において、被除菌物に除菌用即ち消毒用の薬液を噴霧して付着させた後、被除菌物に付着した薬液を拭き取ることにより、被除菌物に付着したウィルス又は細菌を掃除し、被除菌物を除菌する除菌作業は、極めて手間がかかる作業である。即ち、被除菌物を十分に除菌するためには、高頻度で定期的に除菌作業を行わなければならないが、一回の除菌作業を行うために、相当の時間を要する。従って、被除菌物を迅速且つ十分に除菌することは、困難である。
【0052】
上記特許文献1及び上記特許文献2に記載された技術では、送風機によって送風された空気に薬剤を放散することはできる。しかしながら、上記特許文献1及び上記特許文献2に記載された技術では、送風機から吹き出される気流は直進しにくいので、送風機によって送風された空気に除菌剤を放散したとしても、除菌剤を被除菌物に確実に吹き付け、吹き付けられた除菌剤を迅速に取り除くことは、困難である。
【0053】
また、上記特許文献3に記載された技術では、送風口からの風の送出方向を光源により照らすことはできる。しかしながら、上記特許文献3に記載された技術では、送風機から吹き出される気流は直進しにくいので、送風口からの風の送出方向を光源により照らしたとしても、除菌剤を被除菌物に確実に吹き付け、吹き付けられた除菌剤を迅速に取り除くことは、困難である。
【0054】
一方、本実施の形態の除菌装置10は、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出す送風部11と、除菌用の薬液CS1を噴霧する噴霧部13と、吹出口16から螺旋気流SA1が吹き出される方向に光LG1を照射する発光部14と、を有する。
【0055】
吹出口16から螺旋形状を有する螺旋気流SA1を吹き出す場合、螺旋形状以外の形状を有する気流を吹き出す場合に比べ、気流が広がらずに直進しやすくなる。即ち、螺旋気流SA1の直進性は、螺旋形状以外の形状を有する気流の直進性よりも高い。そのため、送風部11に含まれる吹出口16から吹き出される螺旋気流SA1の外径が、送風部11から遠ざかるにつれて大きくなることを防止又は抑制することができる。従って、送風部11が被除菌物50から十分離れている場合でも、螺旋気流SA1を被除菌物50に確実に吹き付けることができる。
【0056】
即ち、本実施の形態の除菌装置は、除菌装置として、除菌機能即ち消毒機能を有する送風機、又は、より遠くに真っ直ぐに気体と液体を吹き出すため、より直進性が高いサーキュレータであって、除菌機能即ち消毒機能を有するサーキュレータ、等を使用するものである。
【0057】
また、吹出口16から螺旋気流SA1が吹き出される方向に光LG1を照射する場合、吹出口16から螺旋気流SA1が吹き出される方向に光LG1を照射しない場合に比べ、吹出口16から吹き出された螺旋気流SA1が被除菌物50に吹き付けられたか否かを、目視により、容易に確認することができる。
【0058】
このような場合、前述した各種の公共サービス又は各種の業態において、被除菌物に除菌用即ち消毒用の薬液を噴霧して付着させた後、被除菌物に付着した薬液を拭き取ることにより、被除菌物に付着したウィルス又は細菌を掃除し、被除菌物を除菌する除菌作業に比べ、作業の手間がかからない。そのため、被除菌物を十分に除菌するために、高頻度で定期的に除菌作業を行う場合でも、一回の除菌作業を行うためにそれほどの時間を要しない。従って、除菌剤を被除菌物に確実に吹き付け、吹き付けられた除菌剤を迅速に取り除くことができ、被除菌物を迅速且つ十分に除菌することができる。
【0059】
本実施の形態の除菌装置によれば、
図5に被除菌物50がジャングルジムよりなる遊具51である例を示すように、子供の遊び場でもありキッズコーナーとも称される施設でも、除菌作業を行うための多大な時間は不要であり、除菌作業を行う作業者の多大な手間も不要である。例えば10分間遊び場を開放し、その後遊び場の開放を中断して5分間手作業で遊具51である被除菌物50の掃除即ち除菌作業を行い、更に再び10分間遊び場を開放する、といった運用を、ウィルス又は細菌を除菌しつつ容易に行うことができる。このように、多大な手間が不要であり、多大な時間が不要であることにより、多くの施設が、運営を断念せずに継続することができる。
【0060】
また、本実施の形態の除菌装置によれば、
図6に被除菌物50が新幹線の車内設備である例を示すように、例えば新幹線において、床52、天井53、荷物棚54及びテーブル55が備え付けられた座席56等の全ての車内設備に除菌用の薬液を容易に付着させることができ、その後、車内設備に付着した薬液を拭き取ることなく容易に除去することができる。そのため、時間の面でも、人件費等の費用の面でも、全ての被除菌物を十分に除菌する掃除即ち除菌作業を容易に行うことができる。
【0061】
なお、除菌用の薬液を使用せず、被除菌物に空気を吹き付けることのみにより、被除菌物からウィルス又は細菌が空中に吹き飛ばされる可能性もある。そのため、前述したアルコール系除菌剤又は塩素系除菌剤等の除菌剤が含有されていない螺旋気流を被除菌物に吹き付けるステップと、除菌剤が含有されている螺旋気流を被除菌物に吹き付けるステップと、を切り替えて実行することもできる。
【0062】
物体に付着している新型コロナウィルスの生存時間は、付着した物体の材質に依存し、材質が例えばボール紙である場合には、新型コロナウィルスの生存時間は24時間程度であり、材質が例えばプラスチック又はステンレスである場合には、新型コロナウィルスの生存時間は2〜3日程度である。一方、新型コロナウィルスが空中に浮遊している場合即ち新型コロナウィルスがエアロゾル状態である場合には、新型コロナウィルスの生存時間は3時間程度である。従って、被除菌物に付着しているウィルス又は細菌を被除菌物から空中に吹き飛ばすステップと、被除菌物が設置されている空間を換気するステップ等と、を組み合わせて実行することも、効果的である。
【0063】
その他、本実施の形態の除菌装置10により除菌される被除菌物50として好適なものを例示すると、キッズコーナー、公園若しくは遊園地の遊具、バス、電車若しくは新幹線等の公共交通機関、公園若しくは歩道のベンチ、自販機、又は、会議室の机若しくは椅子等が挙げられる。
【0064】
次に、本実施の形態の除菌装置10の好適例及び本実施の形態の除菌装置10による除菌方法について説明する。
【0065】
好適には、薬液CS1は、除菌剤と、紫外光が照射されることにより可視光を発光するか又は発色する蛍光剤と、を含有する。また、光LG1は、紫外光(紫外線)を含む。なお、本願明細書では、紫外光(紫外線)とは、10〜400nmの波長を有する不可視光線の電磁波を意味し、可視光とは、電磁波のうち、人の目で見る波長、即ち波長下界(波長範囲の下限値)がおおよそ360〜400nmであり、波長上界(波長範囲の上限値)がおおよそ760〜830nmである波長を有する電磁波を意味する。
【0066】
このような場合、紫外光を含む光LG1を被除菌物50に照射することにより、蛍光剤が被除菌物50に付着したか否かを、目視により、容易に確認することができる。そのため、蛍光剤を含有する薬液CS1が被除菌物50に付着したか否かを、容易に確認することができ、薬液CS1に含有される除菌剤が被除菌物50に付着したか否かを、容易に確認することができる。
【0067】
また、このような場合、好適には、送風部11は、噴霧部13により薬液CS1が噴霧されている状態で、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出すことにより、除菌剤と蛍光剤とを含有する螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付け、被除菌物50に吹き付けられた螺旋気流SA1に含有される除菌剤と蛍光剤とを被除菌物50に付着させ、被除菌物50に付着した除菌剤により被除菌物50を除菌する(
図7のステップS1)。
【0068】
また、発光部14は、被除菌物50に付着した蛍光剤に、紫外光を含む光LG1を照射することにより、蛍光剤を発光又は発色させる(
図7のステップS2)。
【0069】
図7のステップS1において、薬液CS1が付着した被除菌物50には、薬液CS1に含有される蛍光剤も付着することになる。そのため、
図7のステップS2において、紫外光を含む光LG1を被除菌物50に照射することにより、蛍光剤が被除菌物50に付着したか否かを、目視により、容易に確認することができる。従って、蛍光剤を含有する薬液CS1が被除菌物50に付着したか否かを、容易に確認することができ、薬液CS1に含有される除菌剤が被除菌物50に付着したか否かを、容易に確認することができる。
【0070】
なお、
図7のステップS2は、
図7のステップS1と同時に行ってもよく、ステップS1の後、行ってもよい。
【0071】
また、好適には、送風部11は、噴霧部13により薬液CS1が噴霧された後、噴霧部13による薬液CS1の噴霧が停止された状態で、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出し、吹き出された螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付けることにより、被除菌物50に付着した除菌剤を蒸発させるか又は吹き飛ばす(
図7のステップS3)。
【0072】
このような場合、
図7のステップS1を行って被除菌物50に除菌剤が付着した後、噴霧部13による薬液CS1の噴霧が停止された状態で、螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付けることにより、被除菌物50に付着した除菌剤を短時間で除去することができる。そのため、除菌装置10により被除菌物を除菌する作業を、効率良く行うことができ、被除菌物50のうち単位時間当たりに除菌することができる部分の表面積を増加させることができる。
【0073】
上記した好適例では、「蛍光剤を含有する薬液を被除菌物に吹き付け」、「被除菌物に紫外光(紫外線)を照射して蛍光を目視により確認し」、「被除菌物に付着した薬液を吹き飛ばし」、「被除菌物に紫外光を照射して蛍光が視認されないことを確認する」、といった順番で、除菌作業を行うことができる。即ち、除菌剤と混合可能な蛍光物質よりなる蛍光剤を含有する薬液CS1であって、被除菌物50に付着した薬液に、紫外光即ちブラックライトを含む光LG1を照射し、光LG1が照射された蛍光物質から放出される蛍光を、目視により視認する。その後、被除菌物50に空気を吹き付け、被除菌物50に付着した薬液CS1を吹き飛ばし、更に再び紫外光を照射することにより、被除菌物50に薬液CS1が付着していないことを、目視により確認することができる。従って、除菌作業を行う作業者が、被除菌物50が確実に除菌されたか否か、即ち、被除菌物50が確実に掃除されたか否か、を目視により確認しながら、除菌作業を行うことができる。
【0074】
好適には、蛍光剤は、食品に含まれる蛍光剤であるか、又は、食品に用いられる蛍光剤であり、例えばフロキシン、リボフラビン又はビタミンB2よりなる。
【0075】
このような蛍光剤は、食品に含まれる蛍光剤であるか、又は、食品に用いられる蛍光剤であるため、被除菌物に付着した蛍光剤が、直接的、又は、手などを経由して間接的に、被除菌物を使用する使用者又は被除菌物を除菌する除菌作業を行う作業者の口腔内に過って取り込まれた場合でも、使用者又は作業者の健康に影響が及ぼされることを防止することができる。
【0076】
或いは、好適には、蛍光剤は、揮発性蛍光染料であり、例えば4−ジメチルアミノベンズアルデヒド(4-Dimethylaminobenzaldehyde:DMAB)又は4−ジメチルアミノシンナムアルデヒド(4-Dimethylaminocinnamaldehyde:DMAC)を用いることができる。
【0077】
前述したように、螺旋気流を送風部により吹き出し、吹き出された螺旋気流を被除菌物に吹き付けることにより、被除菌物に付着した除菌剤を蒸発させるか又は吹き飛ばす場合を考える。このような場合には、上記したように、蛍光剤が揮発性蛍光染料であることにより、被除菌物に付着した除菌剤と同様に、被除菌剤に付着した蛍光剤の一部又は全部も容易に蒸発させ除去することができる。そのため、被除菌物に付着した蛍光剤に光LG1を発光部14により照射することにより、蛍光剤が蒸発し除去されたか否かを容易に視認することができる。
【0078】
なお、本実施の形態では、蛍光剤が揮発性蛍光染料である場合には限定されない。このような場合でも、被除菌物を除菌する作業を行った後、時間の経過に伴って、被除菌物に付着した蛍光剤が徐々に除去され得る。
【0079】
また、好適には、本実施の形態の除菌装置10は、発光部61を有する。発光部61は、送風部11に設けられ、且つ、吹出口16から螺旋気流SA1が吹き出される方向に、可視光を含む光LG2を照射する。なお、発光部61も、発光部14と同様に、送風部11の端部26に設けられることが好ましい。
【0080】
このような場合、被除菌物50に対する送風部11の相対位置は、発光部61により照射された光LG2が、被除菌物50に照射されるように、調整される。即ち、可視光を含む光LG2を被除菌物50に照射することにより、吹出口16から吹き出された螺旋気流SA1が被除菌物50に吹き付けられたか否かを、目視により、容易に確認することができる。また、送風部11の吹出口16から吹き出される螺旋気流SA1を、確実に被除菌物50に吹き付けることができる。
【0081】
また、このような場合、好適には、
図7のステップS1では、送風部11は、発光部61により光LG2が被除菌物50に照射され、且つ、噴霧部13により薬液CS1が噴霧されている状態で、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出すことにより、除菌剤と蛍光剤とを含有する螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付け、被除菌物50に吹き付けられた螺旋気流SA1に含有される除菌剤と蛍光剤とを被除菌物50に付着させ、被除菌物50に付着した除菌剤により被除菌物50を除菌する。
【0082】
これにより、光LG2が被除菌物50に照射されている状態で、除菌剤と蛍光剤とを含有する螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付けることになるので、螺旋気流SA1を、更に確実に被除菌物50に吹き付けることができる。
【0083】
好適には、発光部61は、光LG2として可視光を発光するレーザ又は発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。
【0084】
レーザ又は発光ダイオードにより照射される光の直進性は、それ以外の光源により照射される光の直進性よりも高い。そのため、発光部61が、可視光を発光するレーザ又は発光ダイオードであることにより、送風部11の吹出口16から吹き出された螺旋気流SA1が被除菌物50に真っ直ぐに届くか否か(到達するか否か)を、更に視覚的に容易に確認することができる。
【0085】
即ち、発光部61により照射される光LG2が被除菌物50の表面のうち所望の位置に照射されているか否かについて、情報をフィードバックしながら除菌作業を行うことができる。また、蛍光物質よりなる蛍光剤を除菌剤と混合し、被除菌物に吹き付け、紫外光が照射されることにより蛍光が放出されるか否かについて、目視により確認しながら除菌作業を行うことにより、除菌作業の進捗状況を容易に確認することができるので、除菌作業の作業効率を更に向上させることができる。
【0086】
また、好適には、発光部14により照射される光LG1の外径OD1は、発光部61により照射される光LG2の外径OD2よりも大きい。
【0087】
このような場合、光LG2の外径OD2が光LG1の外径OD1よりも小さくなるので、被除菌物50に対する送風部11の相対位置を、発光部61により照射された光LG2が、被除菌物50に照射されるように、精度良く調整することができる。そのため、送風部11の吹出口から吹き出される螺旋気流SA1を、更に確実に被除菌物50に吹き付けることができる。また、光LG1の外径OD1が光LG2の外径OD2よりも大きくなるので、除菌剤が被除菌物50に付着したか否かを、一度に広い領域で確認することができる。そのため、除菌装置10により被除菌物50を除菌する作業を、効率良く行うことができ、被除菌物50のうち単位時間当たりに除菌することができる部分の表面積を増加させることができる。
【0088】
また好適には、発光部14は、筒部22の軸方向から視たときに、発光部61の周りを囲む環状形状を有する。
【0089】
これにより、発光部14及び発光部61とを容易に配置しつつ、光LG2の外径OD2を光LG1の外径OD1よりも容易に小さくすることができるので、送風部11の吹出口16から吹き出される螺旋気流SA1を、更に確実に被除菌物50に吹き付けることができる。また、光LG1の外径OD1を光LG2の外径OD2よりも容易に大きくすることができるので、除菌剤が被除菌物50に付着したか否かを、一度に更に広い領域で確認することができる。
【0090】
また、好適には、送風部11は、吹出口16に設けられ、且つ、筒部22の軸方向から視たときに時計回り又は反時計回りに渦を巻く渦巻形状をそれぞれ有する複数の孔62が形成されたグリル63を含む。複数の孔62の各々は、グリル63を筒部22の軸方向に貫通する。
【0091】
グリル63に形成された複数の孔62が、時計回り又は反時計回りに渦を巻く渦巻形状をそれぞれ有する場合、グリル63に形成された複数の孔62が時計回り又は反時計回りに渦を巻く渦巻形状を有しない場合に比べて、螺旋形状(スパイラル形状)を有する螺旋気流SA1を容易に吹き出すことができる。
【0092】
なお、被除菌物50から送風部11に向かって視たとき、グリル63に形成された孔62が有する渦巻形状の回転方向と、送風部11により吹き出された螺旋気流SA1の回転方向と、ファン23の回転方向と、は全て同じ回転方向である。
【0093】
また、発光部14が、筒部22の軸方向から視たときに、発光部61の周りを囲む環状形状を有する場合、発光部14は、筒部22の軸方向から視たときに、グリル63のうち孔62が形成された部分の周りを囲む環状形状を有することになる。一方、本実施の形態の除菌装置10が、発光部61を有しない場合には、発光部14は、筒部22の軸方向から視たときに、グリル63のうち孔62が形成された部分の周りを囲む環状形状を有してもよく、光LG1の外径OD1をグリル63のうち孔62が形成された部分の外径よりも容易に大きくすることができるので、除菌剤が被除菌物50に付着したか否かを、一度に更に広い領域で確認することができる。
【0094】
<除菌装置の第1変形例>
次に、実施の形態の除菌装置の第1変形例について説明する。本第1変形例の除菌装置10では、実施の形態の除菌装置10と異なり、発光部14は、紫外光を含む光LG1に代えて、可視光を含む光LG3を照射する。
【0095】
図8は、実施の形態の第1変形例の除菌装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図9は、実施の形態の第1変形例の除菌方法の一部のステップを示すフロー図である。
【0096】
図8に示すように、本第1変形例でも、実施の形態と同様に、噴霧部13は、送風部11に設けられ、且つ、薬液CS1を、吹出口16から吹き出される空気に噴霧するか、又は、吹出口から吹き出された螺旋気流SA1に噴霧する。また、本第1変形例でも、実施の形態と同様に、発光部14は、送風部11に設けられ、好適には、送風部11の端部26に設けられる。
【0097】
一方、本第1変形例では、前述したように、実施の形態と異なり、発光部14は、紫外光を含む光LG1(
図1参照)に代えて、可視光を含む光LG3を照射する。
【0098】
このような場合、被除菌物50(
図5参照)に対する送風部11の相対位置は、発光部14により照射された光LG3が、被除菌物50に照射されるように、調整される。即ち、可視光を含む光LG3を被除菌物50に照射することにより、吹出口16から吹き出される螺旋気流SA1が被除菌物50に吹き付けられるか否かを、目視により、容易に確認することができる。また、送風部11の吹出口16から吹き出される螺旋気流SA1を、確実に被除菌物50に吹き付けることができる。
【0099】
なお、本第1変形例では、薬液CS1は、除菌剤を含むものであればよく、蛍光剤を含まなくてもよい。
【0100】
また、このような場合、好適には、
図7のステップS1に相当するステップでは、送風部11は、発光部14により可視光を含む光LG3が被除菌物50(
図5参照)に照射され、且つ、噴霧部13により薬液CS1(
図3参照)が噴霧されている状態で、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出すことにより、除菌剤と蛍光剤とを含有する螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付け、被除菌物50に吹き付けられた螺旋気流SA1に含有される除菌剤と蛍光剤とを被除菌物50に付着させ、被除菌物50に付着した除菌剤により被除菌物50を除菌する(
図9のステップS11)。
【0101】
これにより、光LG3が被除菌物50(
図5参照)に照射されている状態で、除菌剤と蛍光剤とを含有する螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付けることになるので、螺旋気流SA1を、更に確実に被除菌物50に吹き付けることができる。
【0102】
また、本第1変形例では、実施の形態と異なり、
図9のステップS11を行った後、
図7のステップS2に相当するステップを行わず、
図7のステップS3に相当するステップを行う。この
図7のステップS3に相当するステップでは、送風部11は、噴霧部13により薬液CS1(
図3参照)が噴霧された後、噴霧部13による薬液CS1の噴霧が停止された状態で、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出し、吹き出された螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付けることにより、被除菌物50に付着した除菌剤を蒸発させるか又は吹き飛ばす(
図9のステップS12)。
【0103】
なお、実施の形態の除菌装置10についても、本第1変形例の除菌装置10と同様に、単一の発光部14のみを有し、当該単一の発光部14が、紫外光及び可視光のいずれをも照射するようにしてもよい。即ち、紫外光を含む光LG1(
図1参照)を照射する発光部14(
図1参照)と、可視光を含む光LG2(
図1参照)を照射する発光部61(
図1参照)と、を単一の発光部で兼用してもよい。
【0104】
<除菌装置の第2変形例>
次に、実施の形態の除菌装置の第2変形例について説明する。本第2変形例の除菌装置では、実施の形態の除菌装置と異なり、噴霧部は、薬液を被除菌物に直接噴霧することができるように、筒部内又は筒部の周辺に配置されず、筒部よりも前方に配置される。
【0105】
図10は、実施の形態の第2変形例の除菌装置の構成の一例を模式的に示す一部断面を含む側面図である。
図11は、実施の形態の第2変形例の除菌方法の一部のステップを示すフロー図である。
【0106】
図10に示すように、本第2変形例でも、実施の形態と同様に、送風部11は、中心軸21を中心とする筒部22と、筒部22の内部に中心軸21を中心として回転可能に設けられたファン23と、ファン23を回転駆動する駆動部24と、を含むことができる。このような場合、吸込口15は、筒部22の中心軸21に沿った方向即ち軸方向における端部25に設けられ、吹出口16は、筒部22の中心軸21に沿った方向即ち軸方向における端部25と反対側の端部26に設けられる。ファン23は、吸込口15から空気を吸い込み、吸込口15から吸い込まれた空気を吹出口16から吹き出す。
【0107】
また、本第2変形例では、実施の形態と異なり、噴霧部13は、薬液CS1を吐出する吐出部41と、薬液CS1を貯留する貯留部42と、貯留部42に貯留されている薬液CS1を吐出部41に供給する供給部43と、管路44と、管路45と、に加え、支持部71を含む。
【0108】
本第2変形例では、実施の形態と異なり、吐出部41は、端部26よりも、筒部22の軸方向における端部25側と反対側に配置されている。支持部71は、端部72、及び、端部72と反対側の端部73を含み、端部72が筒部22の端部26と接続され、且つ、端部73が吐出部41を支持する。管路44は、端部74、及び、端部74と反対側の端部75を含み、端部74が供給部43に接続され、端部75が吐出部41に接続されている。また、薬液CS1は、管路44の内部を、端部74から端部75に向かって流れる。
【0109】
本第2変形例では、前述したように、噴霧部13は、薬液CS1を被除菌物50(
図5参照)に直接噴霧する。これにより、例えばエタノール等の揮発性が高い除菌剤を含有する薬液CS1を用いる場合でも、薬液CS1に含有される除菌剤を被除菌物50に確実に付着させることができる。
【0110】
なお、本第2変形例では、実施の形態と同様に、薬液CS1として、除菌剤と、紫外光が照射されることにより可視光を発光するか又は発色する蛍光剤と、を含有するものを用いることができる。このような場合であって、除菌剤が例えばエタノールなど揮発性が高い薬液である場合には、被除菌物50(
図5参照)に薬液CS1を確実に付着させることができる効果が高まる。
【0111】
本第2変形例では、実施の形態と異なり、
図7のステップS1に相当するステップでは、噴霧部13は、薬液CS1を被除菌物50(
図5参照)に噴霧することにより、除菌剤と蛍光剤とを含有する薬液CS1を被除菌物50に吹き付け、被除菌物50に吹き付けられた薬液CS1に含有される除菌剤と蛍光剤とを被除菌物50に付着させ、被除菌物50に付着した除菌剤により被除菌物50を除菌する(
図11のステップS21)。
【0112】
なお、
図7のステップS2に相当するステップでは、発光部14は、実施の形態と同様に、被除菌物50(
図5参照)に付着した蛍光剤に、紫外光を含む光LG1を照射することにより、蛍光剤を発光又は発色させる(
図11のステップS22)。
【0113】
本第2変形例では、実施の形態と異なり、除菌剤と蛍光剤とを含有する螺旋気流SA1を被除菌物50(
図5参照)に吹き付けるのではなく、被除菌物50に薬液CS1を直接噴霧するので、例えばエタノール等の揮発性が高い除菌剤を含有する薬液CS1を用いる場合でも、薬液CS1に含有される除菌剤を被除菌物50に付着させることができる。
【0114】
また、本第2変形例では、実施の形態と異なり、
図7のステップS3に相当するステップでは、好適には、送風部11は、噴霧部13により薬液CS1が噴霧された後、噴霧部13による薬液CS1の噴霧が停止された状態で、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出し、吹き出された螺旋気流SA1を被除菌物50(
図5参照)に吹き付けることにより、被除菌物50に付着した除菌剤を蒸発させるか又は吹き飛ばす(
図11のステップS23)。
【0115】
このような場合、
図11のステップS21を行って被除菌物50(
図5参照)に除菌剤が付着した後、噴霧部13による薬液CS1の噴霧が停止された状態で、螺旋気流SA1を被除菌物50に吹き付けることにより、被除菌物50に付着した除菌剤を早く蒸発させるか又は吹き飛ばすことができる。そのため、除菌装置10により被除菌物50を除菌する作業を、効率良く行うことができ、被除菌物50のうち単位時間当たりに除菌することができる部分の表面積を増加させることができる。
【0116】
好適には、筒部22の軸方向における吐出部41と端部26との距離DS1は、筒部22の軸方向における筒部22の長さLN1よりも長い。即ち、吐出部41と筒部22との距離は、少なくとも筒部22の軸方向における筒部22の長さLN1よりも長い。言い換えれば、支持部71の端部72と端部73との間の支持部71の長さLN2は、筒部22の軸方向における筒部22の長さLN1よりも長い。
【0117】
このような場合、送風部11から螺旋気流SA1が吹き出される側を前側とし、送風部11から螺旋気流SA1が吹き出される方向を前方としたときに、吐出部41を送風部11よりも十分前側即ち前方に配置することができるので、吐出部41を被除菌物50(
図5参照)に確実に近づけることができる。
【0118】
また、吐出部41をファン23よりも十分前側即ち前方に配置する場合でも、筒部22の軸方向における筒部22の長さLN1を支持部71の端部72と端部73との間の支持部71の長さLN2ほど長くする必要がないので、薬液CS1を被除菌物50(
図5参照)に確実に噴霧しつつ送風部11を容易に軽量化することができる。また、実施の形態において前述したのと同様に、送風部11に含まれる吹出口16から螺旋気流SA1が吹き出されるので、筒部22の端部26が被除菌物50から十分離れている場合でも、螺旋気流SA1を被除菌物50に確実に吹き付けることができる。
【0119】
なお、実施の形態の除菌装置、並びに、実施の形態の第1変形例及び第2変形例の除菌装置のうち、いずれか1種又は複数種を、適宜組み合わせることができる。
【0120】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0121】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0122】
例えば、前述の実施の形態及び変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【解決手段】除菌装置10は、空気が吸い込まれる吸込口15と空気が吹き出される吹出口16とを含み、且つ、吹出口16から螺旋気流SA1を吹き出す送風部11と、除菌用の薬液を、吹出口16から吹き出される空気に噴霧するか、吹出口16から吹き出された螺旋気流SA1に噴霧するか、又は、被除菌物に噴霧する、噴霧部13と、吹出口16から螺旋気流SA1が吹き出される方向に光LG1を照射する発光部14と、を有する。