(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。尚、以下に示す構成は一例であり、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムとしての遠隔読影システムのシステム構成の一例を示す。本実施形態において、遠隔読影システムは、各拠点として、依頼施設、読影センター、及びデータセンターを含み、各拠点はネットワーク107を介して通信可能に接続されている。
【0016】
依頼施設には、読影依頼を行うための依頼端末101がLAN(Local Area Network)に接続されている。また、読影センターには、読影依頼に関する業務を行うための業務端末102と、読影医が読影を行うための読影端末103とがLANに接続されている。更に、データセンターには、読影依頼を管理するための読影管理サーバ104と、医用画像を管理するための画像管理サーバ105と、各種データテーブルを管理するためのデータベースサーバ106とがLANに接続されている。データセンターに接続される各種サーバによって提供されるサービスは、いわゆるクラウドサービスとして提供されるものである。尚、本実施形態では、依頼施設、読影センター、及びデータセンターの3つの拠点に分けて説明を行うが、様々なシステム構成があるため、これに限定されない。
【0017】
尚、本実施形態において、ネットワーク107はVPN(Virtual Private Network)等で保護されたインターネットを想定しているが、特にこれに限らない。
【0018】
まず、本実施形態における読影の主な流れを説明する。依頼施設では、医用画像撮像装置であるモダリティによって被検体を撮像し、医用画像を生成する。この医用画像は例えば、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)規格の画像データである。DICOM規格の医用画像にはDICOMタグという付帯情報が含まれており、付帯情報には検査日、患者名、検査種、部位等の情報が格納されている。また、健診機関における集団健診では、複数の被検体に対してモダリティで撮像を行うので、複数の医用画像が生成されることになる。
【0019】
医用画像が生成されると、依頼端末101またはモダリティから読影管理サーバ104に医用画像を送信する。読影管理サーバ104はこれを受信すると、受信した医用画像を画像管理サーバ105に送信し、画像管理サーバ105の外部メモリに記憶させる。
【0020】
依頼施設の読影依頼業務を行う担当者は、依頼端末101を用いて読影の依頼時に必要な情報(以下、読影依頼情報という。)を入力し、読影依頼の指示を行うと、依頼端末101は読影依頼情報を読影管理サーバ104に送信する。読影管理サーバ104は、依頼端末101から読影依頼情報を受信すると、受信した読影依頼情報をデータベースサーバ106に送信し、データベースサーバ106の外部メモリに記憶させる。
【0021】
そして読影管理サーバ104は、読影センターの業務担当者が操作する業務端末102からの指示に応じて、データセンターで受け付けた読影依頼に対応する読影医を、読影医の専門性やスケジュールを考慮して決定する。
【0022】
読影を行う読影医は、読影センターに配置された読影端末103(もしくは、読影医の自宅に配置された読影端末であってもよい。)を用いて、自身に割り振られた読影依頼に対応する医用画像を画像管理サーバ105からダウンロードし、読影を行う。その後、読影医は、読影した結果の所見等を記述する読影レポートを、読影端末103で動作するアプリケーションを用いて作成する。作成が完了した読影レポートは、読影管理サーバ104に送信され、データベースサーバ106に保管され、読影依頼を行った依頼端末101がこの読影レポートを表示する。尚、ここでは、読影端末103として、読影センター及び読影医の自宅の例を示したが、いずれの場所に配置されてもよく、また、モバイル端末などを用いて参照できるようにしても構わない。以上のようにして、読影業務が行われる。
【0023】
図2は、読影端末103及び読影管理サーバ104のハードウェア構成の一例を示す図である。尚、
図2に示すハードウェア構成はあくまで一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があるため、これに限定されない。また、本実施形態では、業務端末102と読影端末103は同じハードウェア構成であるものとして説明する。本実施形態で表示される統計表示は、読影医と業務担当者との両方が画面上で見ることができる表示であるため、業務端末102でも行うことができるすべての処理を読影端末103が行うものとして、読影端末103の処理を中心に説明する。しかしながら、統計表示は業務担当者が見るものとして、業務端末102が読影端末103を用いて説明した処理を実行してもよい。
【0024】
図2における読影端末103のCPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0025】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OSという。)が記憶されている。また、外部メモリ211には、各種装置が実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0026】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0027】
また、入力コントローラ205は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスといった入力デバイス209からの入力を制御する。
【0028】
ビデオコントローラ206は、ディスプレイ210等の表示装置への表示を制御する。表示装置はCRTや液晶ディスプレイを想定するが、特にこれらに限らない。
【0029】
メモリコントローラ207は、ハードディスクやフレキシブルディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。外部メモリ211(記憶手段)は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する。
【0030】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0031】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0032】
本発明の各種装置が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されている。
【0033】
図2における読影管理サーバ104のCPU221は、システムバス224に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0034】
また、ROM222あるいは外部メモリ231には、CPU221の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OSという。)が記憶されている。また、外部メモリ231には、各種装置が実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。RAM223は、CPU221の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0035】
CPU221は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM223にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0036】
また、入力コントローラ225は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスといった入力デバイス229からの入力を制御する。
【0037】
ビデオコントローラ226は、ディスプレイ230等の表示装置への表示を制御する。表示装置はCRTや液晶ディスプレイを想定するが、特にこれらに限らない。
【0038】
メモリコントローラ227は、ハードディスクやフレキシブルディスク或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の外部メモリ231へのアクセスを制御する。外部メモリ231(記憶手段)は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶する。
【0039】
通信I/Fコントローラ228は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0040】
尚、CPU221は、例えばRAM223内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ230上での表示を可能としている。また、CPU221は、ディスプレイ230上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0041】
本発明の各種装置が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等は外部メモリ231に記録されており、必要に応じてRAM223にロードされることによりCPU221によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ231に格納されている。
【0042】
図3は、読影端末103と読影管理サーバ104の機能構成の一例を示す図である。尚、
図3に示す機能構成はあくまで一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があるため、これに限定されない。また、各機能部が有する詳細な機能は、後述する各フローチャートにおいて説明する。
【0043】
読影端末103は機能部として、通信制御部301と、表示制御部302と、入力制御部303と、レポート管理部304とを備える。
【0044】
通信制御部301は、読影管理サーバ104やその他各種装置との情報の送受信を制御するための機能部である。読影端末103は、通信制御部301の機能により、ネットワーク107を介して読影管理サーバ104やその他各種装置に対して各種情報の取得要求を送信すると共に、取得要求に応じて読影管理サーバ104から送信された各種情報を受信する。また、通信制御部301は、読影医により作成された読影レポートを、読影端末103から読影管理サーバ104に送信することも可能である。
【0045】
表示制御部302は、通信制御部301で受信した各種情報を読影端末103のディスプレイ210に表示するための機能部である。また、表示制御部302は、読影管理サーバ104もしくは外部の管理システムによって管理される読影依頼情報やレポート情報をもとに、読影に関する統計情報を表示する。
【0046】
入力制御部303は、表示制御部302によって表示制御された画面に対する情報の入力を制御するための機能部である。尚、本実施形態でいう入力とは、テキストの入力や、プルダウンリストに含まれる情報の選択、一覧画面における情報の選択、ボタンの押下等、読影端末103を操作するユーザからの操作全般を含む。また、入力制御部303は、各種情報の入力の受け付けも制御する。
【0047】
レポート管理部304は、読影端末103で読影を行った結果の読影レポートを読影管理サーバ104に送信するまで一時的に管理しておくための機能部である。レポート管理部304は、読影端末103のRAM203に読影レポートを管理するためのテーブル(不図示)を適宜生成し、該テーブルに対するレコードの追加・更新・削除・検索等を行うことが可能である。
【0048】
次に読影管理サーバ104は機能部として、通信制御部311と、読影依頼管理部312と、検査管理部313と、データ集計部314と、レポート管理部315とを備える。
【0049】
通信制御部311は、読影端末103と、画像管理サーバ105と、データベースサーバ106と、その他各種装置との情報の送受信を制御するための機能部である。通信制御部311の機能により、ネットワーク107を介して、読影端末103からの各種情報の取得要求を受信すると共に、画像管理サーバ105及びデータベースサーバ106に記憶されている各種情報の取得要求を送信することができる。また、この取得要求に応じて画像管理サーバ105及びデータベースサーバ106から送信される各種情報を受信することもできる。
【0050】
読影依頼管理部312は、依頼端末101から送信された読影依頼情報を管理するための機能部である。読影依頼管理部312の機能により、読影依頼情報がデータベースサーバ106のデータテーブル管理部331に記憶させる。また、必要に応じてデータベースサーバ106のデータテーブル管理部331に対して読影依頼情報の追加・更新・削除・検索等の指示を行うことができる。
【0051】
検査管理部313は、依頼端末101から送信された医用画像ごとの検査を管理するための機能部である。検査管理部313は、医用画像に含まれるDICOMタグを参照し、医用画像を生成した検査に関する情報(以下、検査情報という。)を取得する。例えば、医用画像の識別情報や受診者の識別情報といった情報である。検査管理部313は、こうして取得した検査情報をデータベースサーバ106のデータテーブル管理部331に記憶させる。また、必要に応じてデータベースサーバ106のデータテーブル管理部331に対して検査情報の追加・更新・削除・検索等の指示を行うことができる。また、検査管理部313は、依頼端末101から送信された医用画像を検査画像として画像管理サーバ105の検査画像管理部321に記憶させる。また、必要に応じて画像管理サーバ105の検査画像管理部321に対して検査画像の追加・更新・削除・検索等の指示を行うことができる。以下、読影依頼がなされた読影対象の医用画像を検査画像という。
【0052】
データ集計部314は、検査管理部313で管理される検査情報やレポート管理部315で管理される読影レポートから統計表示に必要な各種データを集計し、統計表示のための情報(以下、統計情報)を生成する機能部である。データ集計部314は、読影端末103の入力制御部303で入力を受け付けた情報をもとに、部位ごと、患者ごと、依頼施設ごと、など複数の分類や単位、もしくはグルーピングで読影に関するデータを集計することができる。データ集計部314で集計された統計情報を用いて、読影端末103の表示制御部302は、ディスプレイ210に統計表示を行うよう制御する。
【0053】
レポート管理部315は、読影端末103で作成された読影レポートを管理するための機能部である。レポート管理部315は、読影端末103で作成されたレポート管理テーブルを取得し、これをデータベースサーバ106のデータテーブル管理部331に記憶させる。そして、必要に応じてデータベースサーバ106のデータテーブル管理部331に対して読影レポートの追加・更新・削除・検索等の指示を行うことができる。
【0054】
以上が、読影端末103及び読影管理サーバ104の機能構成の一例である。以下、フローチャートを用いて本発明の処理の流れについて説明を行うが、読影管理サーバ104が画像管理サーバ105及びデータベースサーバ106に対する各種情報の追加・更新・削除・検索等の指示を行う詳細な処理については、省略する。すなわち、単に読影管理サーバ104が各種情報を追加する、更新する、削除する、取得する等の記載を行う。つまり、これらは、画像管理サーバ105及び/またはデータベースサーバ106に対して読影管理サーバ104が指示を行うことにより、これら装置が協働して実現されるものであることを意味する。また、本実施形態では、読影管理サーバ104が読影依頼情報や検査情報、及び統計表示のためのデータを管理し、集計し、加工を行うが、これらの処理を行うのは遠隔読影システムとは異なる外部の情報処理装置(不図示)であってもよい。読影依頼情報や検査情報、及び統計表示のためのデータを管理し、集計する機能が外部の情報処理装置に存在する場合は、読影管理サーバ104は適宜必要な情報を適切なタイミングで取得する。
【0055】
以上が、読影端末103及び読影管理サーバ104の機能構成の一例である。以下、フローチャートを用いて本発明の処理の流れについて説明を行うが、読影管理サーバ104が画像管理サーバ105及びデータベースサーバ106に対する各種情報の追加・更新・削除・検索等の指示を行う詳細な処理については、省略する。すなわち、単に読影管理サーバ104が各種情報を追加する、更新する、削除する、取得する等の記載を行う。つまり、これらは、画像管理サーバ105及び/またはデータベースサーバ106に対して読影管理サーバ104が指示を行うことにより、これら装置が協働して実現されるものであることを意味する。
【0056】
図4は、読影端末103を操作する読影医に割り振られた読影依頼の一覧が表示される画面であるワークリスト画面(不図示)を表示する処理の一連の流れの一例を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS401では、読影管理サーバ104のCPU221は、通信制御部311の機能により依頼端末101から送信された読影依頼情報と検査画像とを受信する。読影依頼情報には、依頼端末101を操作するユーザが入力した読影依頼に関する情報(受診者数、依頼施設名、検査種等)が含まれている。依頼施設のユーザは、読影依頼情報を送信することで読影医に対する読影依頼を行う。また、検査画像は、依頼施設のモダリティから直接受信してもよい。
【0058】
ステップS402では、読影管理サーバ104のCPU221は、読影依頼管理部312の機能により、ステップS401で受信した読影依頼情報を読影依頼管理テーブル500に格納する。具体的には、データベースサーバ106が管理している読影依頼管理テーブル500に、新たな読影依頼としてレコードを追加し、受信した読影依頼を当該レコードに格納する。
【0059】
読影依頼管理テーブル500の一例を
図5に示す。
図5に示す読影依頼管理テーブル500は、依頼ID501、状態502、依頼施設名503、検査種504、受取日505、割当日506、納期日507、読影医508、読影開始日時509、読影終了日時510という項目を備える。ステップS402で読影依頼情報を格納すると、新たにレコードが作成され、読影管理サーバ104のCPU221の処理により、依頼ID501に読影依頼管理テーブル500において一意な識別情報が格納される。そして、読影依頼情報に含まれる受診者数、依頼施設名、検査種を対応する項目に格納し、状態502を“未読影”にし、受取日505に現在の日付を格納する。また、ボタンの押下などにより読影開始及び読影終了の入力を受け付けた場合には、読影管理サーバ104のCPU221は、読影開始日時509と読影終了日時510にそれぞれ日時情報(時刻情報)を格納する。
【0060】
また、ステップS402では、読影管理サーバ104の検査管理部313は、ステップS401で受信した検査画像を画像管理サーバ105に格納すると共に、検査画像のDICOMタグから取得した画像IDや患者IDを検査管理テーブル520に格納する。
【0061】
検査管理テーブル520の一例を
図5に示す。
図5に示す検査管理テーブル520は、依頼ID521、画像ID522、患者ID523という項目を備える。依頼ID521には、検査画像に対応する読影依頼情報の依頼ID501を格納し、更に検査画像から取得した画像IDと受診者IDとを対応する項目に格納する。複数の検査画像があれば、検査画像ごとに検査管理テーブル520にレコードを生成し、各種情報を格納する。
【0062】
ステップS403では、読影管理サーバ104のCPU221は、読影依頼管理部312の機能により、読影依頼管理テーブル500に格納された読影依頼のうち、読影医508が空欄、つまり読影を担当する読影医が決まっていない読影依頼を抽出する。そして、抽出した読影依頼を担当する読影医を読影医のスケジュールや専門性を考慮して決定する。読影を担当する読影医が決定されると、読影管理サーバ104のCPU221は、その読影医の名前を読影医508に格納する。また、読影管理サーバ104のCPU221は、読影依頼管理テーブル500の割当日506に読影医を決定した日付を格納し、更に納期日507に所定のルールに応じて決定される、読影レポートの納期日を格納する。
【0063】
読影医が決定した後、読影を担当する読影医は読影を開始するべく、自身に割り振られた読影依頼を表示するよう、読影端末103に指示する。すると、ステップS404では、読影端末103のCPU201は、通信制御部301の機能により読影端末103を操作する読影医に割り振られた読影依頼に対応する読影依頼情報の取得要求を読影管理サーバ104に送信する。このとき、読影端末103のCPU201は、読影医を識別するための情報(例えば、ユーザIDとパスワード等)を合わせて送信する。
【0064】
ステップS405では、読影管理サーバ104のCPU221は、通信制御部311の機能により読影端末103から送信された、読影依頼情報の取得要求を受信する。
【0065】
ステップS406では、読影管理サーバ104のCPU221は、読影依頼管理部312の機能により、読影端末103を操作する読影医に割り振られた読影依頼に対応する読影依頼情報と検査画像を読影依頼管理テーブル500から取得する。具体的には、ステップS405で受信した読影医を識別するための情報を用いて、読影依頼管理テーブル500の読影医508を検索し、ヒットしたレコードの読影依頼情報を取得すればよい。
【0066】
ステップS407では、読影管理サーバ104のCPU221は、通信制御部311は、ステップS406で取得した読影依頼情報と検査画像を読影端末103に送信する。
【0067】
ステップS408では、読影端末103のCPU201は、通信制御部301の機能により、読影管理サーバ104から送信された読影依頼情報を受信する。尚、受信する検査画像が複数あった場合には、読影端末103は、検査画像を順次受信する。
【0068】
ステップS409では、読影端末103のCPU221は、表示制御部302の機能により受信した読影依頼情報と検査画像を含むワークリスト画面をディスプレイ210に表示する。尚、ステップS409でワークリスト画面を表示する際には、ステップS408で受信していた検査画像がすべて受信された状態であるとよい。
【0069】
以上で、ワークリスト画面を表示する処理の一連の流れの説明を終了する。
【0070】
次に、読影端末103で読影医の読影の開始と終了を受け付け、読影医が処理した読影に関する情報を記録する処理の一連の流れを、
図6を用いて説明する。
【0071】
ステップS601では、読影端末103のCPU201は、入力制御部303の機能により、ワークリスト画面が備える読影開始ボタン(不図示)が押下されたか否かを判定しする。尚、読影端末103のCPU201は、読影開始ボタンの押下を受け付ける際には、ワークリスト画面に表示される読影依頼の一覧の中からいずれかの読影依頼の選択を受け付けた状態で読影開始ボタンの押下を受け付ける。読影端末103のCPU201は、読影開始ボタンの押下を受け付けたと判定した場合にはステップS602に処理を進める。読影端末103のCPU201は、読影開始ボタンの押下を受け付けたと判定しなかった場合には、読影開始ボタンの押下を受け付けるまでステップS601の処理を繰り返す。
【0072】
ステップS602では、読影端末103のCPU201は、ステップS601で読影開始ボタンの押下を受け付けたと判定した場合に、読影開始ボタンの押下を受け付けた日時を記録する。より具体的には、読影端末103のCPU201は、読影開始ボタンの押下を受け付けた日時を読影依頼管理テーブル500の読影開始日時509に格納する。
【0073】
ステップS603では、読影端末103のCPU201は、表示制御部302の機能により検査画像をディスプレイ210に表示させるよう制御する。ここで表示させる検査画像は、読影開始ボタンの押下受付時に読影依頼情報の一覧の中から選択を受け付けた読影依頼情報に対応する検査画像である。
【0074】
ステップS614では、読影端末103のCPU201は、表示制御部302の機能により、所見に関する情報の入力を受け付け可能な所見入力画面(不図示)をディスプレイ210に表示する。
【0075】
ステップS615では、読影端末103のCPU201は、入力制御部303の機能により、所見入力画面で検査画像に対応する所見の入力を受け付ける。
【0076】
ステップS616では、読影端末103のCPU201は、所見入力画面が備える読影完了ボタン(不図示)の押下を受け付けたか否かを判定する。読影完了ボタンの押下を受け付けたと判定した場合は読影端末103のCPU201は、ステップS617に処理を進める。読影完了ボタンの押下を受け付けたと判定しなかった場合は読影端末103のCPU201は、読影完了ボタンの押下を受け付けるまでステップS616の処理を繰り返す。
【0077】
ステップS617では、読影端末103のCPU201は、ステップS616で読影完了ボタンの押下を受け付けたと判定した場合に、読影完了ボタンの押下を受け付けた日時を記録する。より具体的には、読影端末103のCPU201は、読影完了ボタンの押下を受け付けた日時を読影依頼管理テーブル500の読影終了日時510に格納する。
【0078】
以上で、
図6における、読影端末103で読影医の読影の開始と終了を受け付け、行った読影に関する情報を記録する処理の一連の流れの説明を終了する。
【0079】
次に、読影管理サーバ104で統計表示のために統計データを集計する処理の一連の流れについて、
図8を用いて説明する。
【0080】
ステップS801では、読影管理サーバ104のCPU221は、あらかじめ設定された、統計表示のためのデータの集計時間であるか否かを判定する。読影管理サーバ104のCPU221は、現在の時間とあらかじめ設定されたデータの集計時間とを比較する。読影管理サーバ104のCPU221は、現在の時間がデータの集計時間と同じ、またはデータの集計時間を超えていると判定した場合には、ステップS802に処理を進める。読影管理サーバ104のCPU221は、現在の時間がデータの集計時間を超えていないと判定した場合には、現在の時間がデータの集計時間となるまでステップS801の処理を繰り返す。尚、統計表示のためのデータを集計するタイミングは、定期的なタイミングに限らず統計の表示要求があった際に集計するなど、統計表示ができるのであればどのタイミングで集計してもよい。
【0081】
ステップS802では、読影管理サーバ104のCPU221は、データ集計部314の機能により、統計表示を行うための各種データをデータベースサーバ106から集計する。統計表示を行うための各種データは、例えばデータベースサーバ106で管理する読影依頼管理テーブル500から取得する。
【0082】
ステップS803では、読影管理サーバ104のCPU221は、ステップS802で集計したデータを用いて統計表示が可能なように、集計したデータの変換、加工を行う。より具体的には、読影管理サーバ104のCPU221は、読影依頼管理テーブル500に格納しているデータを集計し、集計したデータを統計データ管理テーブル700に格納可能なデータ形式に加工する。例えば、部位ごとに読影が完了した読影レポートの件数を統計表示したい場合、読影依頼の管理の仕方によっては読影管理サーバ104上で一つの読影レポートに複数の部位が登録される形で読影依頼が管理されている場合がある。その場合、読影管理サーバ104のCPU221は、読影レポートと部位の情報をそれぞれ取得し、改めて一つのレコードに集約しなおす。このようなデータの対応付けを行うことで、読影管理サーバ104のCPU221は、部位ごとに読影が完了した読影レポートの件数を統計表示できるデータ形式に集計したデータを加工する。また、読影管理サーバ104のCPU221は、読影管理サーバ104以外で管理される読影に関するログファイルを取得し、ログファイルの情報を読影管理サーバ104のデータベースに格納できる形に加工して集計する、などの処理を行う。
【0083】
ステップS804では、読影管理サーバ104のCPU221は、ステップS803で加工したデータを、データベースサーバ106で管理される統計データ管理テーブル700に格納する。
【0084】
ここで、
図7の統計データ管理テーブル700について説明する。統計データ管理テーブル700は、読影管理サーバ104のCPU221が集計した、統計表示のためのデータを格納し管理するためのデータテーブルの一例を示す。統計データ管理テーブル700は、依頼施設の一意な識別番号を示す依頼施設ID701と、読影依頼の検査種ごとに一意に割り振られた識別番号を示す検査種別ID702と、読影対象画像枚数703とを備える。依頼施設ID701と検査種別ID702は、施設管理テーブル710と検査種別管理テーブル720でそれぞれ検査種別ID721と検査名称722が対応付けて管理されている。統計データ管理テーブル700の読影対象画像枚数703は、
図5の読影依頼管理テーブル500及び検査管理テーブル520から、同一の依頼IDをキーに特定される検査画像の枚数を示す。依頼部位ID704は、読影の依頼部位に一意に割り振られる識別番号を示し、依頼部位管理テーブル730で依頼部位ID731と依頼部位名称732が対応づけて管理されている。レポート確定者ID705は、読影レポートの作成と読影結果の確定をおこなった読影医(レポート確定者)に一意に割り振られた識別番号を示す。レポート確定者ID705は、
図7の読影医管理テーブル740でそれぞれ読影医の医師名称742と対応付けて管理されている。
図7の読影開始日時706と読影終了日時707は、読影依頼管理テーブル500の読影開始日時509と読影終了日時510から取得する。これは、読影が行われた時刻を示す時刻情報を読影管理サーバ104が取得する処理を示す。所要時間708は、読影開始日時706と読影終了日時707から読影にかかった所要時間が算出され、算出された値が格納される。当該処理は、取得される時刻情報を用いて、読影にかかる所要時間を算出する処理を示す。尚、統計データ管理テーブル700の構成例は一例であり、統計表示のための情報を格納し管理できるデータテーブルであれば内容はこれに限らない。
【0085】
以上で、読影管理サーバ104で統計表示のための統計データを集計する処理の一連の流れについての説明を終了する。尚、本実施形態ではデータの集計・加工・管理は読影管理サーバ104で行っているが、データの集計・加工・管理等の各処理のいずれか、もしくはすべての処理は、外部のシステム及びサーバ装置が実行してもよい。外部のシステムおよびサーバ装置がステップS801からステップS804の処理を実行する場合は、統計表示を行う際に適宜読影管理サーバ104が必要なデータを取得する。
【0086】
次に、
図9を用いて、読影端末103で統計表示を行う処理の一連の流れについて説明する。
【0087】
ステップS901では、読影端末103のCPU201は、通信制御部301の機能部により、統計表示要求を読影管理サーバ104に対して送信する。また、読影端末103のCPU201は、統計表示要求を送信する際に、どの統計の種別をどのくらいの期間分表示するのか、という詳細な統計に関する要求情報と共に、読影管理サーバ104に対して統計表示要求を送信する。統計の種別に関しては、例えば統計表示を行う画面のプルダウン(不図示)で統計の種別を選択可能である。プルダウンで選択を受け付ける統計の種別は、あらかじめ定義情報を読影管理サーバ104で管理されているとよい。また、プルダウンで選択を受け付ける際には、
図11の「施設別読影時間帯別読影件数1110」というように統計の種別の名称を表示させて、選択を受け付けるとよい。読影端末103のCPU201は、プルダウンから統計の種別の選択を受け付けることによって、詳細な統計に関する要求情報と統計表示要求を読影管理サーバ104に対して送信する。
【0088】
ステップS902では、読影管理サーバ104のCPU221は、読影端末103から統計に関する要求情報と共に統計表示要求を受信する。
【0089】
ステップS903では、読影管理サーバ104のCPU221は、ステップS902で取得した統計に関する要求情報から、表示要求を受け付けた統計の種別と、表示期間を特定する。本実施形態では、読影管理サーバ104のCPU221は、読影端末103から時間帯別読影件数の統計表示要求を受信し、当該要求を特定する。
【0090】
ステップS904では、読影管理サーバ104のCPU201は、ステップS903で特定した表示期間の情報を用いて、統計の種別に応じた必要なデータを特定すべく統計データ管理テーブル700を検索する。例えば、読影管理サーバ104のCPU221は、ステップS903で
図11の読影医別時間帯別読影件数1100の統計の種別を特定したとする。その場合、読影管理サーバ104のCPU221は、統計の種別とともに特定した表示期間に対応する時刻情報を検索するため、統計データ管理テーブル700の読影開始日時706や読影終了日時707を検索するとよい。
図11の読影医別時間帯別読影件数1100については後述する。
【0091】
ステップS905では、読影管理サーバ104のCPU221は、ステップS904で検索した結果を取得する。例えば、
図10で表示される時間帯別読影件数データ1000は、ステップS904で検索した結果取得した情報を表形式で表したものである。このように読影管理サーバ104のCPU221は、取得した読影医や読影件数のデータを用いて統計表示のために各データの対応付けを行う。
【0092】
ステップS906では、読影管理サーバ104のCPU221は、ステップS905で取得した検索結果を用いて読影端末103で統計表示を行うための描画情報を生成する。例えば、本実施形態においては、時間帯別読影件数を示す統計表示を行うため、
図7の統計データ管理テーブル700の読影終了日時707から取得した読影終了時間ごとに読影が完了した件数をカウントする。読影管理サーバ104のCPU221は、管理している時刻情報を用いることで、読影時間帯別の読影件数の統計情報を作成することができる。尚、本実施形態では、読影件数を集計する時間帯は、読影終了日時707をもとに集計しているが、時間帯の基準となる日時情報はどのタイミングの日時でもあってもよく、時間帯別に読影件数が集計できればよい。
【0093】
ステップS907では、読影管理サーバ104のCPU221は、ステップS906で生成した描画情報を、通信制御部311の機能により読影端末103に送信する。描画情報は、時間帯別読影件数データ1000などを含み、さらに統計を表示するための色や線、文字サイズの情報など統計を画面に表示するための様々な描画情報を含む。例えば、統計の表示のためのデータはHTML(HyperText Markup Language)形式のデータであって、当該データの中に統計表示のための色の情報やテキストの情報などを含んでおくとよい。尚、本実施形態では描画情報を読影管理サーバ104側で生成しているが、別の実施形態として、読影端末103にインストールされるアプリケーション側で統計表示のための描画情報を生成してもよい。
【0094】
ステップS908では、読影端末103のCPU201は、読影管理サーバ104から統計表示のための描画情報を受信する。
【0095】
ステップS909では、読影端末103のCPU201は、表示制御部302の機能により、ステップS908で受信した描画情報をもとに、ディスプレイ210に時間帯別読影件数の統計を表示する。ステップS909の処理は、取得された時刻情報を用いて、読影を処理した単位ごとに読影医が読影を処理した情報を時間帯別に統計表示する処理を示す。
【0096】
図11の読影医別時間帯別読影件数1100は、読影医ごとに時間帯別の読影件数を表した統計表示の一例を示す。読影医別時間帯別読影件数1100は、件数表示1101と表示期間1102、統計編集ボタン1103を含む。件数表示1101は、時間帯ごとに読影を行った読影件数を示している。本実施形態では、読影の件数ごとに色の濃淡で件数を識別して表示を行っている。読影端末103のCPU201は、読影件数が少ないほど件数表示1101の背景を薄く、読影件数が多いほど件数表示1101の背景を濃くしている。これにより、読影端末103では、読影が行われている時間帯、及び読影件数が多い時間帯をよりユーザに認識しやすいように統計表示を行うことが可能となる。尚、読影件数の識別表示は、色の濃淡に限らず、あらかじめ読影件数ごとに設定された定義情報によって、異なる色やマーク等を用いて読影件数の識別表示を行ってもよい。また、必ずしも読影件数の値は表示させずともよく、色やマーク等で読影が完了した件数などの読影状況が分かるように識別表示されていればよい。表示期間1102は、統計表示を行う期間の指定を受け付け可能なボタンを示す。統計表示を行った後であっても、表示期間1102で表示期間の指定を受け付けることにより、統計表示を行う期間を変更することが可能となる。統計編集ボタン1103は、統計表示に関する各種編集を受け付けることが可能なボタンである。例えば、統計編集ボタン1103の押下を受け付けることにより、現在表示している統計の数値データ(CSVデータ)が出力可能となる。尚、表示期間1102で統計表示の表示期間を変更することで、出力する数値データも変更される。
【0097】
以上で、
図9の統計表示を行う一連の処理の説明を終了する。
【0098】
ここで、
図9のステップS909で表示される各統計表示の一例について、
図11から
図15を用いて説明する。尚、ここで説明する統計表示は一例であり、読影端末103からの統計の表示要求に応じて様々な統計の表示が行われるものとする。
【0099】
まずは、
図11を用いて時間帯別の読影状況を表す統計表示に関して説明する。
図11の施設別読影時間帯別読影件数1110は、読影管理サーバ104のCPU221が、読影の依頼施設から受け付けた読影依頼に対応する読影の参照時間帯を、依頼施設別に統計表示した図を示す。施設別読影時間帯別読影件数1110では、施設Aから受け付けた読影依頼に対する読影が12時に行われ、施設Bから受け付けた読影依頼に対する読影が12時に6件、13時に1件、19時に2件行われたことを示す。読影センターの業務担当者は、この統計表示により受け付けた読影依頼の読影状況を施設別に参照することができる。このように、読影管理サーバ104のCPU221は、集計したデータの対応付けを変更し加工することで、読影を処理した単位(読影医、依頼施設など)を変更した別の形態の統計表示を行うことも可能である。
【0100】
また、
図11の読影医別時間帯別読影件数1100のような統計表示のためのデータを集計すること、および集計したデータを用いて統計表示を行うことにより、統計表示を読影依頼の割り振りの際の参考情報とすることが可能である。例えば、業務担当者が手動で読影依頼を読影医に割り振る際に、緊急の読影依頼を受け付けた場合に当該統計表示を参照することにより、直近の時間帯に読影を行っている読影医を特定しやすくする。つまり、該当する時間帯にいつも読影を行っている読影医に依頼を行うことで、読影医側は速やかに緊急の読影を開始できる一方で、読影依頼を割り振る業務担当者側も、影医を選定する手間が省けるといった効果がある。また、読影依頼を読影医のスキルやスケジュールに応じて自動で割り振る自動割り振りの際にも、読影管理サーバ104が集計した読影医ごとの読影時間帯のパラメータを保持しておくことで、緊急時の読影依頼の割り振りの判断に用いることができる。
【0101】
その他、読影レポートの質を分析する観点にも統計表示を用いることができる。例えば、読影の結果精密検査が必要と入力された読影レポートに対して、実際に精密検査の結果異常が発見された患者との割合、つまり読影結果の的中率を読影管理サーバ104であらかじめ算出して管理しておく。そして読影管理サーバ104、もしくは業務担当者が、当該的中率と読影の時間帯の統計の情報を用いて、読影の時間帯(もしくは読影の所要時間)が読影レポートの質にどう影響するのかといった分析を行うことも可能である。読影管理サーバ104で、読影結果の的中率と集計した統計情報とを用いた分析を行う場合には、読影端末103は、分析の結果読影が行われた時間帯の中で読影の的中率が低い時間帯や的中率が高い時間帯を統計表示の中で識別表示するとよい。
【0102】
次に、
図12と
図13を用いて、時間帯別読影件数以外の統計表示について説明する。
図12の所要時間別読影件数データ1200は、読影医ごとの読影にかかる所要時間を集計した結果を表形式で示した一例である。当該所要時間別読影件数データ1200を用いて、読影端末103は
図13の統計表示を行う。前述した
図10の時間帯別読影件数データ1000は、集計した
図7の統計データ管理テーブル700の読影開始日時706と読影終了日時707を用いて、読影医ごとに時間帯別の読影件数を集計した結果を示している。一方、所要時間別読影件数データ1200は、
図7の統計データ管理テーブル700の所要時間708のデータを用いて、読影医ごとの読影にかかる所要時間を示すためのデータの集計結果を表している。
【0103】
図13の読影医別読影所要時間別読影件数1300は、読影医ごとに読影にかかった所要時間を統計表示した図の一例を示す。この図は、算出した所要時間ごとに、かつ読影を処理した単位ごとに読影医が読影を処理した情報を示す統計情報を表示制御した図を示す。読影医ごとに読影にかかる所要時間を表示することにより、読影医全体の読影の所要時間の傾向を把握できるとともに、所要時間の統計表示は、読影医ごとの読影のスキルの判定にも用いることができる。例えば、同じ検査種で同じ部位の検査画像において、読影医ごとに読影にかかる所要時間を比較し、短い時間に多数の読影を行っている読影医を読影のスキルが高いと評価して読影依頼の割り振りのパラメータとして用いることができる。また、統計表示における読影医の並び順は、読影結果の的中率が高い順、もしくは読影医のスキルが高い順に並び替えて、統計情報を比較しやすくした状態で表示させることも可能である。
【0104】
しかしながら、検査種や部位によって読影の難易度は変わるため、一様に読影にかかる所要時間のみを比較することはできない。そのため読影管理サーバ104は、
図13の読影医別読影所要時間別読影件数(CT)1310や、読影医別読影所要時間別読影件数(脳)1400のように、検査種や部位に限定した読影医ごとの所要時間の統計も表示可能とする。これにより、同一検査種や同一部位で読影医ごとの読影の所要時間の比較が可能となるため、より読影医の特性やスキルを読影センターの業務担当者が把握し比較しやすい形で画面表示を行うことができる。また、読影医別読影所要時間別読影件数(CT)1310や
図14の読影医別読影所要時間別読影件数(脳)1400が示す統計表示では、所要時間の単位に該当する読影件数が1件もなかった場合には、該当する所要時間の単位の表示を行わない。例えば、読影医別読影所要時間別読影件数(CT)1310で、所要時間5分で読影した件は1件もなかったため、統計表示上で5分の所要時間を示す表示は行っていない。これにより、不必要な表示を減らすことで統計表示を見やすく、かつ比較しやすくするという効果が生じる。
【0105】
また、
図15の検査種別読影所要時間別読影件数1520は、ある特定の読影医の読影件数を、読影にかかる所要時間別で検査種ごとに表示した画面の一例を示す。また、読影平均時間管理テーブル1500は、検査種1501に格納される検査種それぞれの読影にかかる平均所要時間1502を管理するデータテーブルの一例を示す。検査種別読影所要時間別読影件数1520は、読影平均時間管理テーブル1500で管理される平均の読影所要時間に対して、特定の読影医の読影の所要時間が大幅に超えているものがあれば、その件数表示1101を他の件数表示1101とは異なるように表示する。注意表示1521は、平均の読影所要時間を超えた読影件数の件数表示1101を、点線で囲むように強調して注意表示1521を行っている。こうして統計表示のために集計した統計情報を他の情報と組み合わせてさらに分析することで、業務担当者に通知すべき内容を通知することが可能となる。尚、注意表示1521は一例であり、統計表示の中でさらに注意を促すべき項目や表示が他の表示と異なるように識別できれば、注意表示1521は点線でなく、マークや色による表示であってもよい。また、検査種別読影所要時間別読影件数1520では、検査種別に読影所要時間ごとの読影件数を表示しているが、特定の読影医にかかる所要時間ごとの読影件数を示す統計表示は検査種別でなくともよい。例えば、一つの読影依頼に対して50枚、100枚、150枚といった検査画像が含まれている場合には、読影依頼に含まれる検査画像の枚数における読影所要時間を算出し、検査画像枚数別かつ所要時間別に読影が完了した読影依頼件数を統計表示してもよい。
【0106】
さらに、
図15の読影スケジュール管理テーブル1510は、読影医の読影スケジュールを管理するデータテーブルの一例を示す。読影スケジュール管理テーブル1510は、読影医の名称を示す読影医1511、読影依頼が割り振られた日時を示す振り分け日1512を含む。さらに読影スケジュール管理テーブル1510は、読影医が読影の完了予定である日時を申告した情報を示す申告日1513、実際に読影が終了した日時情報を示す読影終了日1514を含む。読影管理サーバ104は、申告日1513と読影終了日1514の日時情報の差分を算出し、所定の差分を大幅に超えた値、つまり申告日1513の日時情報を大きく超えた日時に読影が終了した場合に、統計表示において注意表示1521を表示してもよい。尚、ここで注意表示1521が表示される統計表示は、時間帯別に読影件数が表示される統計表示である。
【0107】
このように、読影を行った結果を用いて統計表示を行うことで、読影センターの業務担当者は、時間帯別、もしくは所要時間別に読影医の読影状況を容易に把握することが可能となる。この統計表示から、読影レポートの質に読影の時間帯がどう影響するのかといった分析や、読影医ごとの読影所要時間の傾向の把握を行うことができる。
【0108】
以上説明したように、本実施形態によれば、遠隔読影システムにおいて、読影の時間帯に関する統計情報を容易に確認可能な画面を表示することが可能となる。
【0109】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0110】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0111】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現(実行可能と)するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0112】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0113】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0114】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0115】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0116】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0117】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0118】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0119】
尚、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。