特許第6875642号(P6875642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6875642半導体チップおよびこれを備えた半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875642
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】半導体チップおよびこれを備えた半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20210517BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20210517BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20210517BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20210517BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   H01L27/04 E
   H01L21/82 P
   H01L21/60 301A
   H01L23/12 501W
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-513062(P2018-513062)
(86)(22)【出願日】2017年3月9日
(86)【国際出願番号】JP2017009440
(87)【国際公開番号】WO2017183352
(87)【国際公開日】20171026
【審査請求日】2020年2月13日
(31)【優先権主張番号】特願2016-86125(P2016-86125)
(32)【優先日】2016年4月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 敏宏
(72)【発明者】
【氏名】茂木 功
(72)【発明者】
【氏名】島津 宜之
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 雅庸
(72)【発明者】
【氏名】福永 太郎
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−246086(JP,A)
【文献】 特開2006−339439(JP,A)
【文献】 特開2015−225869(JP,A)
【文献】 特開昭63−260048(JP,A)
【文献】 特開2005−72375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/60
H01L 21/82
H01L 23/12
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部回路が形成されたコア領域と、前記コア領域の周囲にあるI/O領域とを有する半導体チップであって、
前記I/O領域に配置された複数のI/Oセルと、
それぞれが前記複数のI/Oセルのいずれかと接続された複数の外部接続パッドとを備え、
前記複数の外部接続パッドは、
同一ノードに接続される複数の外部接続パッドからなる第1パッド群と、
互いに異なるノードに接続される複数の外部接続パッドからなる第2パッド群とを含み、
前記第1および第2パッド群は、それぞれ、外部接続パッドが当該半導体チップの外辺に沿う方向である第1方向に並べて配置されており、
前記第1パッド群の配置ピッチは、前記第2パッド群の配置ピッチよりも小さく、
前記第1パッド群に属する外部接続パッドは、配線によって、互いに接続されている
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項2】
請求項1記載の半導体チップにおいて、
前記第1および第2パッド群は、当該半導体チップの同一辺に沿って配置されている
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項3】
請求項1または2記載の半導体チップにおいて、
前記第1パッド群と前記第2パッド群とは、他の外部接続パッドを介在することなく、隣り合って配置されている
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1項記載の半導体チップにおいて、
前記第2パッド群に属する外部接続パッドのサイズは、前記第1パッド群に属する外部接続パッドのサイズよりも大きい
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1項記載の半導体チップと、
前記半導体チップが主面に搭載されたパッケージ基板と、
前記パッケージ基板の主面における前記半導体チップの周囲に設けられた、複数のフィンガーとを備え、
前記複数のフィンガーは、
前記第1パッド群に属する外部接続パッドと接続される、1つまたは複数のフィンガーからなる第1フィンガーと、
前記第2パッド群に属する外部接続パッドにそれぞれ対応しており、対応する外部接続パッドとそれぞれ接続される複数のフィンガーからなる第2フィンガーとを含む
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置において、
前記第1パッド群に属する外部接続パッドを、前記第1フィンガーに接続する複数のボンディングワイヤを備え、
前記複数のボンディングワイヤは、少なくともその一部が、互いに接触している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
内部回路が形成されたコア領域と、前記コア領域の周囲にあるI/O領域とを有する半導体チップであって、
前記I/O領域に配置された複数のI/Oセルと、
それぞれが前記複数のI/Oセルのいずれかと接続された複数の外部接続パッドとを備え、
前記複数の外部接続パッドは、
同一ノードに接続される複数の外部接続パッドからなる第1パッド群と、
互いに異なるノードに接続される複数の外部接続パッドからなる第2パッド群とを含み、
前記第1および第2パッド群は、それぞれ、当該半導体チップの外辺に沿う方向である第1方向に並べて配置された外部接続パッドからなるパッド列が、前記第1方向と垂直をなす第2方向に複数列並べて配置されており、
前記第1および第2方向のうち少なくともいずれか一方において、前記第1パッド群の配置ピッチは、前記第2パッド群の配置ピッチよりも小さい
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項8】
請求項7記載の半導体チップにおいて、
前記第1および第2方向の両方において、前記第1パッド群の配置ピッチは、前記第2パッド群の配置ピッチよりも小さい
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項9】
請求項7または8記載の半導体チップにおいて、
前記第1および第2パッド群は、当該半導体チップの同一辺に沿って配置されている
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項10】
請求項7〜9のうちいずれか1項記載の半導体チップにおいて、
前記第1パッド群と前記第2パッド群とは、他の外部接続パッドを介在することなく、隣り合って配置されている
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項11】
請求項7〜10のうちいずれか1項記載の半導体チップにおいて、
前記第1パッド群に属する外部接続パッドのサイズは、前記第2パッド群に属する外部接続パッドのサイズよりも小さい
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項12】
請求項7〜11のうちいずれか1項記載の半導体チップにおいて、
前記第1パッド群に属する外部接続パッドは、配線によって、互いに接続されている
ことを特徴とする半導体チップ。
【請求項13】
請求項7〜12のうちいずれか1項記載の半導体チップと、
前記半導体チップが主面に搭載されたパッケージ基板と、
前記パッケージ基板の主面における前記半導体チップの周囲に設けられた、複数のフィンガーとを備え、
前記複数のフィンガーは、
前記第1パッド群に属する外部接続パッドと接続される、1つまたは複数のフィンガーからなる第1フィンガーと、
前記第2パッド群に属する外部接続パッドにそれぞれ対応しており、対応する外部接続パッドと接続される複数のフィンガーからなる第2フィンガーとを含む
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置において、
前記第1パッド群に属する外部接続パッドを、前記第1フィンガーに接続する複数のボンディングワイヤを備え、
前記複数のボンディングワイヤは、少なくともその一部が、互いに接触している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項13または14記載の半導体装置において、
前記第1パッド群は、前記複数のフィンガーのいずれとも接続されていない外部接続パッドであるダミーパッドを含む
ことを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コア領域とI/O領域とを有する半導体チップに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体集積回路は、大規模化が進み、入出力信号数が増大している。このため、半導体集積回路が構成される装置、すなわち半導体チップにおいて、外部と信号等をやりとりするための外部接続パッドの個数が大幅に増えている。外部接続パッドの個数の増大は、半導体チップ面積の増加につながる。また、外部接続パッドは、製造過程でのショートの懸念やESD(Electrostatic discharge)規格の存在等のために、微細化が困難である。
【0003】
特許文献1では、電源系のパッド幅とワイヤ径を、他のパッド幅とワイヤ径よりも大きくした半導体装置が開示されている。この構成により、電源系のパッドとワイヤの接続強度を向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−191447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の構成では、パッドの集積度自体は上げることができず、動作特性の確保のためには、電源系のパッド数を必要数確保しなければならない。この結果、半導体装置の面積が大きくなってしまう、という問題があった。
【0006】
本開示は、半導体集積回路の動作特性の低下を招くことなく、外部接続パッドを効率的に配置し、半導体チップの面積を縮小可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様では、内部回路が形成されたコア領域と、前記コア領域の周囲にあるI/O領域とを有する半導体チップは、前記I/O領域に配置された複数のI/Oセルと、それぞれが前記複数のI/Oセルのいずれかと接続された複数の外部接続パッドとを備え、前記複数の外部接続パッドは、同一ノードに接続される複数の外部接続パッドからなる第1パッド群と、互いに異なるノードに接続される複数の外部接続パッドからなる第2パッド群とを含み、前記第1および第2パッド群は、それぞれ、外部接続パッドが当該半導体チップの外辺に沿う方向である第1方向に並べて配置されており、前記第1パッド群の配置ピッチは、前記第2パッド群の配置ピッチよりも小さい。
【0008】
この態様によると、半導体チップは、I/Oセルとそれぞれ接続された複数の外部接続パッドを備えている。複数の外部接続パッドは、同一ノードに接続される第1パッド群と、互いに異なるノードに接続される第2パッド群とを含む。第1および第2パッド群は、外部接続パッドが当該半導体チップの外辺に沿う方向である第1方向に並べて配置されている。そして、第1パッド群では、外部接続パッドの配置ピッチが、第2パッド群よりも小さい。このため、第1パッド群に関しては、外部接続パッドや外部接続パッドに接続されるボンディングワイヤが、互いに接触してショートしてしまう可能性が高まるが、第1パッド群は同一ノードに接続されるので、たとえショートしても問題は生じない。したがって、回路の動作特性の低下を招くことなく、外部接続パッドをより高密度に配置することができるので、パッド配置領域の縮小、ひいては半導体チップの面積の縮小を実現することができる。
【0009】
本開示の他の態様では、内部回路が形成されたコア領域と、前記コア領域の周囲にあるI/O領域とを有する半導体チップは、前記I/O領域に配置された複数のI/Oセルと、それぞれが前記複数のI/Oセルのいずれかと接続された複数の外部接続パッドとを備え、前記複数の外部接続パッドは、同一ノードに接続される複数の外部接続パッドからなる第1パッド群と、互いに異なるノードに接続される複数の外部接続パッドからなる第2パッド群とを含み、前記第1および第2パッド群は、それぞれ、当該半導体チップの外辺に沿う方向である第1方向に並べて配置された外部接続パッドからなるパッド列が、前記第1方向と垂直をなす第2方向に複数列並べて配置されており、前記第1および第2方向のうち少なくともいずれか一方において、前記第1パッド群の配置ピッチは、前記第2パッド群の配置ピッチよりも小さい。
【0010】
この態様によると、半導体チップは、I/Oセルとそれぞれ接続された複数の外部接続パッドを備えている。複数の外部接続パッドは、同一ノードに接続される第1パッド群と、互いに異なるノードに接続される第2パッド群とを含む。第1および第2パッド群は、当該半導体チップの外辺に沿う方向である第1方向に並べて配置された外部接続パッドからなるパッド列が、第1方向と垂直をなす第2方向に複数列並べて配置されている。そして、第1および第2方向のうち少なくともいずれか一方において、第1パッド群では、外部接続パッドの配置ピッチが、第2パッド群よりも小さい。このため、第1パッド群に関しては、外部接続パッドや外部接続パッドに接続されるボンディングワイヤが、互いに接触してショートしてしまう可能性が高まるが、第1パッド群は同一ノードに接続されるので、たとえショートしても問題は生じない。したがって、回路の動作特性の低下を招くことなく、外部接続パッドをより高密度に配置することができるので、パッド配置領域の縮小、ひいては半導体チップの面積の縮小を実現することができる。
【0011】
また、本開示の他の態様では、半導体装置は、上述した態様の半導体チップと、前記半導体チップが主面に搭載されたパッケージ基板と、前記パッケージ基板の主面における前記半導体チップの周囲に設けられた、複数のフィンガーとを備え、前記複数のフィンガーは、前記第1パッド群に属する外部接続パッドと接続される、1つまたは複数のフィンガーからなる第1フィンガーと、前記第2パッド群に属する外部接続パッドにそれぞれ対応しており、対応する外部接続パッドと接続される複数のフィンガーからなる第2フィンガーとを含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示によると、半導体集積回路の動作特性の低下を招くことなく、外部接続パッドを効率的に配置し、半導体チップの面積を縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る半導体チップの全体構成を模式的に示す平面図
図2】第1実施形態に係る半導体チップにおけるパッド配置の例
図3】半導体チップが実装された半導体装置の構成例を模式的に示す断面図
図4図2に示すパッドをパッケージ基板と接続した構成例
図5】第1実施形態におけるパッド配置の他の例
図6】第1実施形態におけるパッド配置の他の例
図7】第2実施形態に係る半導体チップにおけるパッド配置の例
図8】第2実施形態におけるパッド配置の他の例
図9】第2実施形態におけるパッド配置の他の例
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
図1は実施形態に係る半導体チップの全体構成を模式的に示す平面図である。図1に示す半導体チップ1は、内部回路が形成されたコア領域2と、コア領域2の周囲に設けられ、インターフェイス回路(I/O回路)が形成されたI/O領域3とを備えている。図1では図示を簡略化しているが、I/O領域3には、半導体チップ1の周辺部を環状に囲むように、I/O回路を構成する複数のI/Oセル4が配置されている。また図1では図示を省略しているが、半導体チップ1には、複数の外部接続パッド(以下、適宜、単にパッドという)が配置されている。外部接続パッドは、I/O領域3および、コア領域2の一部に配置されており、それぞれがI/Oセル4のいずれかと接続されている。
【0015】
図2は第1実施形態に係る半導体チップ1におけるパッド配置の例を示す図である。図2は、図1の部分Zの拡大図に相当するが、I/Oセル4の図示は省略している(以降の図面でも同様である)。図2において、I/O領域3には、複数の外部接続パッド10が、第1方向に相当するX方向(図面横方向、半導体チップ1の外辺に沿う方向)に並べて配置されている。各パッド10は、半導体チップ1の外部と接続される。
【0016】
図3は半導体チップ1が実装された半導体装置の構成例を模式的に示す断面図である。図3の構成は、BGA(Ball Grid Array)パッケージの例を示す。半導体チップ1はパッケージ基板5の主面上に実装される。パッケージ基板5の主面における半導体チップ1の周囲には、ボンディング用のフィンガー6が設けられている。半導体チップのパッド10は、パッケージ基板5に設けられたフィンガー6と、ボンディングワイヤ7によって接続される。
【0017】
図2に戻り、複数のパッド10は、第1パッド群11と、第2パッド群12とを含む。ここでは、第1および第2パッド群11,12は、半導体チップ1の同一辺に沿って、他のパッドを介在することなく、隣り合って配置されている。
【0018】
第1パッド群11は、同一ノードに接続される4個のパッド10からなる。本開示では、同一ノードに接続されるパッドとは、同一の電位や同一の信号を半導体チップ1内の回路に供給するパッドのことをいう。例えば、同一電源電位を供給する電源パッド、接地電位を供給するグランドパッド、共通の信号を入力する信号パッド、共通の信号を出力する信号パッド、同一のバイアス電位を与える信号パッド等が、同一ノードに接続されるパッドに相当する。ここでは、第1パッド群11に属するパッド10は、全て同一の電源電位VDDを供給するパッドであるものとする。
【0019】
一方、第2パッド群12は、互いに異なるノードに接続される4個のパッド10からなる。すなわち、第2パッド群12に属するパッド10は、それぞれ役割が異なっており、例えば、信号パッドであっても互いに異なる信号を入力したり、電源パッドであっても互いに異なる電源電位を供給したりする。
【0020】
第1パッド群11に属するパッド10は、X方向において、ピッチP1で均等に配置されており、第2パッド群12に属するパッド10は、X方向において、ピッチP2で均等に配置されている。そして、第1パッド群11の配置ピッチP1は、第2パッド群12の配置ピッチP2よりも小さい。
【0021】
図2のパッド配置によると、第1パッド群11のパッド10のX方向の間隔を狭めることができ、パッド10をより高密度に配置することができる。ここで、第1パッド群11に関しては、パッド10やパッド10に接続されるボンディングワイヤ7が、互いに接触してショートしてしまう可能性が高いが、第1パッド群11は同一ノードに接続されるので、たとえショートしても問題は生じない。したがって、回路の動作特性を招くことなく、パッド10をより高密度に配置することができるので、パッド配置領域の縮小、ひいては半導体チップ面積の縮小を実現することができる。
【0022】
図4図2に示すパッドをパッケージ基板と接続した構成例を示す図である。図4において、パッケージ基板5の主面における半導体チップ1の周囲には、第1パッド群11に属するパッド10と接続される単一の第1フィンガー51と、第2パッド群12に属するパッド10にそれぞれ対応している複数のフィンガー53からなる第2フィンガー52とが、設けられている。第1ワイヤ群31に属する複数のボンディングワイヤ7は、第1パッド群11に属するパッド10のそれぞれと第1フィンガー51とを接続している。また、第2ワイヤ群32に属する複数のボンディングワイヤ7は、第2パッド群12に属するパッド10を、対応するフィンガー53にそれぞれ接続している。
【0023】
ここで、第1ワイヤ群31に属する複数のボンディングワイヤ7は、少なくともその一部が接触していてもよい。第1パッド群11に属する各パッド10は同一ノードに接続されるので、たとえ第1ワイヤ群31に属するボンディングワイヤ7同士がショートしても、特に問題は生じない。むしろ、第1ワイヤ群31に属するボンディングワイヤ7同士をショートさせることによって、インダクタンスの低減によるI/O動作特性の改善や、電源供給経路の強化による動作特性の向上といった効果を得ることができる。
【0024】
また、第1フィンガー51は単一のフィンガーであるものとしたが、複数のフィンガーから構成されていてもよい。例えば第1フィンガー51が2個のフィンガーで構成されており、第1パッド群11に属するパッド10を2個ずつ、各フィンガーに接続するようにしてもよい。
【0025】
図5は本実施形態におけるパッド配置の他の例である。図5の構成は基本的には図2と同様である。ただし、第2パッド群12Aに属するパッド10Aのサイズが、第1パッド群11のパッド10のサイズよりも大きい。
【0026】
図6は本実施形態におけるパッド配置の他の例である。図6の構成は基本的には図2と同様である。ただし、第1パッド群11に属するパッド10が、配線13によって、互いに接続されている。これにより、第1ワイヤ群31に属するボンディングワイヤ7同士をショートさせたときと同様に、インダクタンスの低減によるI/O動作特性の改善や、電源供給経路の強化による動作特性の向上といった効果を得ることができる。なお、配線13を形成する配線層は、パッド10と同一の層であってもよいし、パッド10と異なる配線層であってもよい。
【0027】
なお、上の説明では、第1および第2パッド群11,12のパッド10の個数は4個ずつであるものとしたが、これに限られるものではない。また、第1および第2パッド群11,12のパッド10の個数は異なっていてもよい。またここでは、第1および第2パッド群11,12は、半導体チップ1の同一辺に沿って、隣り合って配置されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、半導体チップ1の角部近傍において、第1および第2パッド群11,12が、異なる辺に沿って配置されていてもよい。また、当然のことながら、半導体チップ1に、第1および第2パッド群11,12以外に属するパッド10が配置されていてもよい。
【0028】
また、上の説明では、第1および第2パッド群11,12では、それぞれ、パッド10が均等に配置されているものとしたが、必ずしも均等に配置されていなくてもよい。パッド10が均等に配置されていない場合は、ピッチの最小値でもって、第1パッド群11と第2パッド群12との配置ピッチの対比を行えばよい。
【0029】
(第2実施形態)
図7は第2実施形態に係る半導体チップにおけるパッド配置の例を示す図である。図7では、パッド10をパッケージ基板5と接続した構成例を示している。図7において、I/O領域3には、複数の外部接続パッド10が多段(図では2段)に配置されている。各パッド10は、半導体チップ1の外部と接続される。
【0030】
複数のパッド10は、第1パッド群21と、第2パッド群22とを含む。ここでは、第1および第2パッド群21,22は、半導体チップ1の同一辺に沿って、他のパッドを介在することなく、隣り合って配置されている。
【0031】
第1パッド群21は、同一ノードに接続される7個のパッド10からなる。ここでは、第1パッド群21に属するパッド10は、全て同一の電源電位VDDを供給するパッドであるものとする。第1パッド群21では、第1方向に相当するX方向(図面横方向、半導体チップ1の外辺に沿う方向)に並べて配置されたパッド10からなるパッド列が、X方向と垂直をなす第2方向に相当するY方向(図面縦方向)に、2列並べて配置されている。
【0032】
一方、第2パッド群22は、互いに異なるノードに接続される7個のパッド10からなる。すなわち、第2パッド群22に属するパッド10は、それぞれ役割が異なっており、例えば、信号パッドであっても互いに異なる信号を入力したり、電源パッドであっても互いに異なる電源電位を供給したりする。第2パッド群22では、X方向に並べて配置されたパッド10からなるパッド列が、Y方向に、2列並べて配置されている。
【0033】
第1パッド群21では、各パッド列において、パッド10はX方向においてピッチP11で均等に配置されており、また、各パッド列は、Y方向においてピッチP12で配置されている。第2パッド群22では、各パッド列において、パッド10はX方向においてピッチP21で均等に配置されており、また、各パッド列は、Y方向においてピッチP22で配置されている。そして、X方向において、第1パッド群21の配置ピッチP11は、第2パッド群22の配置ピッチP21よりも小さく、また、Y方向において、第1パッド群21の配置ピッチP12は、第2パッド群22の配置ピッチP22よりも小さい。
【0034】
そして図7に示すように、パッケージ基板5の主面における半導体チップ1の周囲には、第1パッド群21に属するパッド10と接続される単一の第1フィンガー56と、第2パッド群22に属するパッド10にそれぞれ対応している複数のフィンガー58からなる第2フィンガー57とが、設けられている。第1ワイヤ群33に属する複数のボンディングワイヤ7は、第1パッド群21に属するパッド10のそれぞれと第1フィンガー56とを接続している。また、第2ワイヤ群34に属する複数のボンディングワイヤ7は、第2パッド群22に属するパッド10を、対応するフィンガー58にそれぞれ接続している。
【0035】
図7のパッド配置によると、第1パッド群21のパッド10のX方向およびY方向の間隔を狭めることができ、パッド10をより高密度に配置することができる。ここで、第1パッド群21に関しては、パッド10やパッド10に接続されるボンディングワイヤ7が、互いに接触してショートしてしまう可能性が高いが、第1パッド群21は同一ノードに接続されるので、たとえショートしても問題は生じない。したがって、回路の動作特性を招くことなく、パッド10をより高密度に配置することができるので、パッド配置領域の縮小、ひいては半導体チップ面積の縮小を実現することができる。
【0036】
ここで、第1ワイヤ群33に属する複数のボンディングワイヤ7は、少なくともその一部が接触していてもよい。この場合、同じパッド列の異なるパッド10と接続されるボンディングワイヤ7同士が接触する場合もあるし、異なるパッド列のパッド10と接続されるボンディングワイヤ7同士が接触する場合もある。いずれの場合であっても、第1パッド群21に属する各パッド10は同一ノードに接続されるので、特に問題は生じない。むしろ、第1ワイヤ群33に属するボンディングワイヤ7同士をショートさせることによって、インダクタンスの低減によるI/O動作特性の改善や、電源供給経路の強化による動作特性の向上といった効果を得ることができる。
【0037】
また、第1フィンガー56は単一のフィンガーであるものとしたが、複数のフィンガーから構成されていてもよい。例えば第1フィンガー56が2個のフィンガーで構成されており、第1パッド群21に属するパッド10を、パッド列毎に異なるフィンガーに接続するようにしてもよい。
【0038】
図8は本実施形態におけるパッド配置の他の例である。図8の構成は基本的には図7と同様である。ただし、第1パッド群21に属するパッド10が、配線23によって、互いに接続されている。これにより、第1ワイヤ群33に属するボンディングワイヤ7同士をショートさせたときと同様に、インダクタンスの低減によるI/O動作特性の改善や、電源供給経路の強化による動作特性の向上といった効果を得ることができる。なお、配線23を形成する配線層は、パッド10と同一の層であってもよいし、パッド10と異なる配線層であってもよい。
【0039】
図9は本実施形態におけるパッド配置の他の例である。図9の構成は基本的には図7と同様である。ただし、第1パッド群21Aに、ボンディングワイヤ7に接続されておらず、パッケージ基板5の主面における半導体チップ1の周囲に設けられた複数のフィンガー6のいずれとも接続されていない外部接続パッドであるダミーパッド10Bが含まれている。図9の例では、半導体チップ1の外辺から2番目のパッド列が3個のダミーパッド10Bによって構成されている。ダミーパッド10Bを設けることによって、ボンディングワイヤ形成の際に何らかの問題が生じたとき、ワイヤの接続先をパッド10からダミーパッド10Bに変更することによってこの問題を回避することが可能になる。また、パッド配置領域におけるデッドスペースをダミーパッド10Bを設けることによって有効活用することができる。なお、ダミーパッド10Bの配置位置や配置個数は、図9に示したものに限られるものではない。
【0040】
なお、ここでは、X方向およびY方向の両方において、第1パッド群21の配置ピッチが第2パッド群22の配置ピッチよりも小さいものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、X方向およびY方向のいずれか一方において、第1パッド群21の配置ピッチが第2パッド群22の配置ピッチよりも小さい構成であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0041】
また、上の説明では、第1および第2パッド群21,22のパッド10の個数は7個ずつであるものとしたが、これに限られるものではない。また、第1および第2パッド群21,22のパッド10の個数は異なっていてもよい。またここでは、第1および第2パッド群21,22は、半導体チップ1の同一辺に沿って、隣り合って配置されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、半導体チップ1の角部近傍において、第1および第2パッド群21,22が、異なる辺に沿って配置されていてもよい。また、当然のことながら、半導体チップ1に、第1および第2パッド群21,22以外に属するパッド10が配置されていてもよい。
【0042】
また、上の説明では、第1および第2パッド群21,22では、それぞれ、パッド10が均等に配置されているものとしたが、必ずしも均等に配置されていなくてもよい。パッド10が均等に配置されていない場合は、X方向およびY方向のそれぞれについて、ピッチの最小値でもって、第1パッド群21と第2パッド群22との配置ピッチの対比を行えばよい。
【0043】
また、第1実施形態と同様に、第2パッド群22に属するパッド10のサイズを、第1パッド群21のパッド10のサイズよりも大きくしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本開示によると、半導体集積回路の動作特性の低下を招くことなく、外部接続パッドを効率的に配置し、半導体チップの面積を縮小することができるので、例えばLSIの小型化やコストダウンに有効である。
【符号の説明】
【0045】
1 半導体チップ
2 コア領域
3 I/O領域
4 I/Oセル
5 パッケージ基板
6 フィンガー
7 ボンディングワイヤ
10,10A 外部接続パッド
10B ダミーパッド
11 第1パッド群
12,12A 第2パッド群
13 配線
21,21A 第1パッド群
22 第2パッド群
23 配線
51 第1フィンガー
52 第2フィンガー
53 フィンガー
56 第1フィンガー
57 第2フィンガー
58 フィンガー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9