(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
搬送用走行体を一定間隔おきに間歇送りする間歇送り走行経路には、この間歇送り走行経路に沿って一定距離を往復移動する往復移動体と、この往復移動体を往復移動させる駆動手段が設けられ、前記搬送用走行体には被動部が設けられ、前記往復移動体には、上げ下げ自在な駆動部材が設けられ、この駆動部材が上げ位置にあるとき、当該駆動部材と前記被動部とが係合して、前記搬送用走行体を前記往復移動体と一体に前進移動させるように構成された間歇送り搬送装置において、前記駆動部材にはカム従動ローラーが軸支され、前記往復移動体の往復移動経路には、前記駆動部材が上げ位置にあるときの前記カム従動ローラーを支持案内する固定ガイドレールが架設され、この固定ガイドレールの下側に、前記駆動部材が下げ位置にあるときの前記カム従動ローラーの移動を許すローラー移動空間が設けられ、この固定ガイドレールの始端部と終端部には、前記固定ガイドレールに接続する上昇限位置と前記ローラー移動空間に接続する下降限位置との間で昇降自在なローラー上げ下げ用昇降レールとその昇降駆動手段が配設されている、間歇送り搬送装置。
往復移動体の前記駆動部材は、当該往復移動体の移動方向に沿った棒状のものであって、その一端が前記往復移動体に上下揺動自在に軸支されると共に、他端に、搬送用走行体の前記被動部と係脱自在な係合部が設けられ、下げ位置にある前記駆動部材は、往復移動体によって支持されるように構成されている、請求項1に記載の間歇送り搬送装置。
搬送用走行体の前記被動部は走行方向に前後一対設けられ、往復移動体の前記駆動部材は、当該往復移動体の移動方向に前後一対設けられ、前後一対の前記駆動部材が上げ位置にあるとき、両駆動部材の係合部が前後一対の前記被動部の内側に隣接するか又は両駆動部材の係合部が前後一対の前記被動部の外側に隣接するように構成されている、請求項1又は2に記載の間歇送り搬送装置。
搬送用走行体は、搬送台車本体、この搬送台車本体の前後両端部を支持する前側トロリーと後端トロリー、搬送台車本体から前方に延出するロードバー、及びこのロードバーの前端に取り付けられた先頭トロリーを備え、前後一対の前記被動部は、前記前側トロリーと後端トロリーのそれぞれ下側に突設されている、請求項3に記載の間歇送り搬送装置。
前記搬送用走行体として、この搬送用走行体の走行経路に沿って移動するプッシャーに対し係脱自在な被動ドッグが前記先頭トロリーに設けられ、前記前側トロリーと後端トロリーの下側には、後続の搬送用走行体の先頭トロリーの前記被動ドッグを前記プッシャーから離脱させて当該後続の搬送用走行体を停止させる操作用カム突起が後方向きに突設されている搬送用走行体が使用され、前記前側トロリーは、その操作用カム突起が前方向きとなるように前後逆向きに取り付けられ、搬送用走行体の前後一対の前記被動部は、後端トロリーの後方向きの前記操作用カム突起の前側の垂直背面と、前側トロリーの前方向きの前記操作用カム突起の後側の垂直背面とで構成されている、請求項3に記載の間歇送り搬送装置。
往復移動体上の前後一対の駆動部材は、往復移動体の移動方向に等間隔おきに複数組設けられ、各組の前後一対の駆動部材のカム従動ローラーを上げ下げするローラー上げ下げ用昇降レールの内、往復移動体の往復移動経路の前後両端に位置するローラー上げ下げ用昇降レールを除く全てのローラー上げ下げ用昇降レールは、上昇限位置にあるとき、その前後両側の前記固定ガイドレール間を接続するように構成されている、請求項3〜5の何れか1項に記載の間歇送り搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような従来の間歇送り搬送装置では、駆動手段によって一定距離を往復移動せしめられる往復移動体に、この往復移動体上に設けられた上げ下げ自在な駆動部材(一般的には、搬送用走行体側の1つの被動部を前後から挟持する前後一対の上下揺動自在な駆動部材)を駆動する駆動手段、例えばシリンダーユニットが搭載されている。このような従来周知の構成では、上げ下げ自在な駆動部材を駆動する駆動手段が往復移動体上に設けられているため、単に往復移動体の全体重量が増大するだけでなく、当該駆動手段を制御する信号などを地上側と往復移動体との間でやり取りする必要があるため、設備コストが高くつくと共に、故障も生じ易くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる間歇送り搬送装置を提案するものであって、本発明に係る間歇送り搬送装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、搬送用走行体(1)を一定間隔おきに間歇送りする間歇送り走行経路(20)には、この間歇送り走行経路(20)に沿って一定距離を往復移動する往復移動体(26)と、この往復移動体(26)を往復移動させる駆動手段(31)が設けられ、前記搬送用走行体(1)には被動部(13a)が設けられ、前記往復移動体(26)には、上げ下げ自在な駆動部材(35a)が設けられ、この駆動部材(35a)が上げ位置にあるとき、当該駆動部材(35a)と前記被動部(13a)とが係合して、前記搬送用走行体(1)を前記往復移動体(26)と一体に前進移動させるように構成された間歇送り搬送装置において、前記駆動部材(35a)にはカム従動ローラー(39)が軸支され、前記往復移動体(26)の往復移動経路(27)には、前記駆動部材(35a)が上げ位置にあるときの前記カム従動ローラー(39)を支持案内する固定ガイドレール(41)が架設され、この固定ガイドレール(41)の下側に、前記駆動部材(35a)が下げ位置にあるときの前記カム従動ローラー(39)の移動を許すローラー移動空間(42)が設けられ、前記固定ガイドレール(41)の始端部と終端部には、前記固定ガイドレール(41)に接続する上昇限位置と前記ローラー移動空間(42)に接続する下降限位置との間で昇降自在なローラー上げ下げ用昇降レール(43a)とその昇降駆動手段(44a)が配設された構成になっている。
【発明の効果】
【0006】
上記本発明の構成に係る搬送装置では、間歇送り動作の開始前は、固定ガイドレールの始端部側のローラー上げ下げ用昇降レールと終端部側のローラー上げ下げ用昇降レールは下降限位置にあり、往復移動経路の始端位置にある往復移動体の前記駆動部材はの下げ位置にあって、カム従動ローラーが前記始端部側の下降限位置にあるローラー上げ下げ用昇降レール上に位置している。この状況において、間歇送り走行経路に送り込まれた搬送用走行体を、間歇送り経路(往復移動体の往復移動経路)の始端側の所定位置で停止させたならば、前記始端部側のローラー上げ下げ用昇降レールを下降限位置から上昇限位置まで上昇させると、前記駆動部材のカム従動ローラーが、上昇するローラー上げ下げ用昇降レールによって押し上げられ、当該駆動部材が下げ位置から上げ位置に切り換わり、当該駆動部材が、停止待機している搬送用走行体の被動部と係合する。この後、往復移動体を始端位置から終端位置へ往行移動させることにより、上げ位置の駆動部材のカム従動ローラーが始端部側のローラー上げ下げ用昇降レールから前記固定ガイドレールに乗り移り、この固定ガイドレールに案内されて往復移動体と一体に前進移動するので、前記駆動部材は、搬送用走行体の被動部と係合する上げ位置を継続することになり、停止待機していた搬送用走行体が前記駆動部材に押されて間歇送り走行経路を、前記往復移動体と一体に前進移動することになる。前記終端部側のローラー上げ下げ用昇降レールは、前記始端部側のローラー上げ下げ用昇降レールを上昇位置に切り換えられるときに、同じように下降限位置から上昇限位置に切り換えられる。
【0007】
上記動作により、搬送用走行体が積載している被搬送物が前記往復移動体の往行移動距離分だけ搬送されて停止するが、前記往復移動体が往復移動経路の終端所定位置で停止したとき、上げ位置の前記駆動部材のカム従動ローラーは、固定ガイドレールから前記終端部側の上昇限位置で待機しているローラー上げ下げ用昇降レールに乗り移っている。この後、当該終端部側のローラー上げ下げ用昇降レールを上昇限位置から下降限位置まで降下させることにより、カム従動ローラーを介して駆動部材が下げ位置に切り換えられ、搬送用走行体の被動部から外れるので、搬送用走行体を他の適当な駆動手段により間歇送り走行経路から退出移動させることが出来る。前記始端部側のローラー上げ下げ用昇降レールも、この時点で上昇限位置から下降限位置まで降下させておく。駆動部材が下げ位置に切り換えられた往復移動体は、往復移動経路の終端位置から始端位置へ復行移動させることが出来る。このときの下げ位置にある駆動部材は、そのカム従動ローラーが前記終端部側のローラー上げ下げ用昇降レールから逆方向に移動して離脱し、前記固定ガイドレールの下側の前記ローラー移動空間内を往復移動体と共に移動し、往復移動体が往復移動経路の始端位置に戻ったときには、上昇限位置から下降限位置に戻されている前記始端部側のローラー上げ下げ用昇降レール上に進入して停止する。
【0008】
以上のように使用出来る本発明の間歇送り搬送装置によれば、往復移動体に取り付けられている、搬送用走行体の被動部に対して上下動を伴って係脱動作する駆動部材を下げ位置から上げ位置に、又は上げ位置から下げ位置に切り換えるための切換え用駆動手段は、往復移動経路の始端部と終端部の地上側に設けられたローラー上げ下げ用昇降レールと、駆動部材を上げ位置に保持する固定ガイドレールによって構成されているので、往復移動体上に前記駆動部材の位置切換え用駆動手段が設けられている従来の構成と比較して、往復移動する往復移動体上の前記駆動部材の位置切換え用駆動手段に対し地上側から電力や制御信号供給する必要がなくなり、設備コストが大幅に低減出来るだけでなく、往復移動体と地上側との間の電力や制御信号供給系に故障が生じる恐れが無くなり、メンテナンスも簡単容易に行える。
【0009】
上記本発明を実施する場合、往復移動体(26)の前記駆動部材(35a)は、垂直に上下動作する駆動部材とすることも出来るが、この場合、搬送用走行体の前記被動部と係脱自在な係合部は、駆動部材の上端に設けられ、カム従動ローラーはその上端より低い高さで駆動部材の側部に軸支しなければならないので、前記駆動部材としては、上端の前記係合部を搬送用走行体の被動部から外れる高さまで降下させたとき、前記カム従動ローラーよりも下方に、往復移動体側に昇降自在に保持させる長さが必要になる。この結果、前記駆動部材全体の動作に必要な空間の高さが非常に大きくなるが、この不都合を解消するために、前記駆動部材(35a)を往復移動体(26)の移動方向に沿った棒状のものとし、その一端を前記往復移動体(26)に上下揺動自在に軸支すると共に、他端に、搬送用走行体(1)の前記被動部(13a)と係脱自在な係合部(36)を設け、下げ位置にある前記駆動部材(35a)は、往復移動体(26)によって支持されるように構成することが出来る。又、カム従動ローラー(39)は、棒状の駆動部材(35a)の中間位置に軸支することが出来、駆動部材が下げ位置にあるとき、上端の係合部と中間位置のカム従動ローラーとが倒伏姿勢の駆動部材と重なる状態になり、往復移動体側には、倒伏姿勢の駆動部材を支持出来るだけの空間高さがあれば良い。即ち、全体を非常にコンパクトに構成することが出来る。
【0010】
搬送用走行体(1)に必要な前記被動部(13a,14a)は、1つであっても良いが、走行方向に前後一対設けることが出来る。この場合、往復移動体(26)の前記駆動部材(35a,35b)は、当該往復移動体(26)の移動方向に前後一対設け、この前後一対の前記駆動部材(35a,35b)が上げ位置にあるとき、両駆動部材(35a,35b)の係合部(36)が前後一対の前記被動部(13a,14a)の内側に隣接するか又は両駆動部材(35a,35b)の係合部(36)が前後一対の前記被動部(13a,14a)の外側に隣接するように構成することが出来る。この構成によれば、搬送用走行体側の1つの被動部を挟持出来る開閉自在な挟持部を駆動部材に設ける構成と比較して、駆動部材関連の構造が簡単になり、安価に実施することが出来るだけでなく、搬送用走行体側に前後方向に離れて存在する2つの突起部をそのまま被動部として活用することが容易になる。尚、搬送用走行体(1)が、搬送台車本体(5)、この搬送台車本体(5)の前後両端部を支持する前側トロリー(3)と後端トロリー(4)、搬送台車本体(5)から前方に延出するロードバー(6)、及びこのロードバー(6)の前端に取り付けられた先頭トロリー(2)を備えた従来周知の構成のものである場合、前後一対の前記被動部(13a,14a)は、前記前側トロリー(3)と後端トロリー(4)のそれぞれ下側に突設することが出来る。
【0011】
更に、前記搬送用走行体(1)として、この搬送用走行体(1)の走行経路に沿って移動するプッシャー(15)に対し係脱自在な被動ドッグ(12)が前記先頭トロリー(2)に設けられ、前記前側トロリー(3)と後端トロリー(4)の下側には、後続の搬送用走行体(1)の先頭トロリー(2)の前記被動ドッグ(12)を前記プッシャー(15)から離脱させて当該後続の搬送用走行体(1)を停止させる操作用カム突起(13,14)が後方向きに突設されている搬送用走行体(1)を使用することが出来る場合、前記前側トロリー(3)は、その操作用カム突起(13)が前方向きとなるように前後逆向きに取り付け、搬送用走行体(1)の前後一対の前記被動部(13a,14a)は、後端トロリー(4)の後方向きの前記操作用カム突起(14)の前側の垂直背面(14a)と、前側トロリー(3)の前方向きの前記操作用カム突起(13)の後側の垂直背面(13a)とで構成することが出来る。従って、前後一対の駆動部材の係合部は、前側トロリーと後端トロリーの間に入り込んで、前側トロリーの前方向きの前記操作用カム突起の後側の垂直背面と、後端トロリーの後方向きの前記操作用カム突起の前側の垂直背面とに隣接することになる。
【0012】
尚、往復移動体(26)上の前後一対の駆動部材(35a,35b)は、往復移動体(26)の移動方向に等間隔おきに複数組設けて、等間隔おきに並ぶ複数の搬送用走行体(1)を同時に、搬送用走行体(1)間の間隔ごと間歇送りすることが出来る。この場合、各組の前後一対の駆動部材(35a,35b)のカム従動ローラー(39)を上げ下げするローラー上げ下げ用昇降レール(43a,43b)の内、往復移動体(26)の往復移動経路(27)の前後両端に位置するローラー上げ下げ用昇降レール(43a,43b)を除く全てのローラー上げ下げ用昇降レール(43a,43b)は、上昇限位置にあるとき、その前後両側の前記固定ガイドレール(41)間を接続するように構成すれば良い。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1A及び
図2に示すように、本発明の実施例において使用される搬送用走行体1は、先頭トロリー2、前側トロリー3、後端トロリー4、前側トロリー3と後端トロリー4によって前後両端部が支持される搬送台車本体5、及び搬送台車本体5の前端部と前記先頭トロリー2とを連結するロードバー6から構成されている。3つのトロリー2〜4は、この搬送用走行体1の走行経路に沿って架設された断面コ字形の左右一対のガイドレール7に嵌合する左右一対前後二組の支持用車輪8と、前記左右一対のガイドレール7間に位置するようにそれぞれ垂直支軸によって軸支された前後一対の振れ止め用ローラー9を備えたもので、搬送台車本体5には、被搬送物Wを支持する支持台10が支柱部材11を介して支持されている。尚、従来周知のように、少なくとも水平カーブ経路部での搬送用走行体1の走行を可能にするために、各トロリー2〜4やロードバー6の前後両端部は、それぞれ垂直軸心の周りに相対回転自在に構成されている。
【0015】
先頭トロリー2の下側には被動ドッグ12が取り付けられ、前側トロリー3と後端トロリー4の下側には、後方向きに突出する操作用カム突起13,14が取り付けられている。被動ドッグ12は、左右水平向きの支軸12aの周りに一定範囲内で上下シーソー運動可能に軸支されたもので、斜め後方下方に延出する後半部の下側に、プッシャー15が嵌合する凹部12bが形成され、前方に延出する前半部が被操作部12cとなっている。前記プッシャー15は、ガイドレール7の下側中央位置を搬送用走行体1の走行経路に沿って移動する駆動用チエン16に一定間隔おきに取り付けられたもので、停止している搬送台車に対して後方から接近移動してくるプッシャー15が、被動ドッグ12の斜め後方下方に延出する後半部の先端を押し上げて前記凹部12b内に嵌合し、この被動ドッグ12を介して搬送用走行体1を前進駆動するものである。尚、駆動用チエン16は、プッシャー15の前後両側で当該駆動用チエン16に取り付けられたトロリー17を介して、断面I型の1本のガイドレール18に移動可能に支持されている。
【0016】
後端トロリー4に取り付けられている操作用カム突起14は、前記プッシャー15によって前進駆動される搬送用走行体1が、停止している搬送用走行体1に後方から接近移動してくる場合に、
図1Aに示すように、その後続の搬送用走行体1の被動ドッグ12の被操作部12cを下向きに押し下げて、当該被動ドッグ12の後半部を上動させることにより、プッシャー15に嵌合している凹部12bをプッシャー15から上方に離脱させて、後続の搬送用走行体1を自動停止させるものである。従って、搬送用走行体1を直列状にストレージするストレージ経路部の終端位置で、先頭の搬送用走行体1を、その被動ドッグ12を従来周知のストッパーによってプッシャー15から離脱させて所定位置に停止させると、後続の搬送用走行体1が、直前の停止搬送用走行体1の後端トロリー4の操作用カム突起14によって順次自動停止せしめられ、直列状態でストレージさせることが出来る。このようにして直列状態でストレージされた搬送用走行体1は、先頭の搬送用走行体1を停止させていたストッパーを解除して、被動ドッグ12を元の初期姿勢に復帰させることにより、接近移動してくるプッシャー15によって先頭の搬送用走行体1を下手の方向に退出移動させ、これに伴って2番目の搬送用走行体1も、直前の搬送用走行体1の後端トロリー4の操作用カム突起14が離れてゆくことにより、先頭トロリー2の被動ドッグ12が元の初期姿勢に復帰し、後続のプッシャー15によって前進走行を開始する。このようにして直列状態でストレージされていた搬送用走行体1を順次送り出すことが出来る。
【0017】
前側トロリー3に取り付けられている操作用カム突起13は、
図3に示すように、搬送用走行体1を斜めに並列する状態でストレージさせるストレージエリアにおいて機能するものである。即ち、このストレージエリアには、先頭トロリー2と前側トロリー3を走行させるためのガイドレール7Aと、後端トロリー4を走行させるためのガイドレール7Bとが、前側トロリー3と後端トロリー4との間の距離よりも短い間隔で互いに平行に架設され、図示されていないが、プッシャー15の走行経路となるガイドレール18は、ガイドレール7Aの下側中央位置に架設されている。而して、前記ストレージエリア内のガイドレール7Aの始端部は、
図1Aに示すガイドレール7と接続され、ガイドレール7Bは、後端トロリー4をガイドレール7からガイドレール7Bへ分岐させる径路切換え装置を介して前記ガイドレール7に接続されている。
【0018】
上記構成により、ガイドレール7上をプッシャー15により前記ストレージエリアに向かって走行する搬送用走行体1は、その先頭トロリー2と前側トロリー3はガイドレール7Aに導かれ、後端トロリー4はガイドレール7Bに送り込まれる。このようにしてストレージエリア内のガイドレール7A,7Bに送り込まれた各搬送用走行体1の搬送台車本体5は、ガイドレール7Aに沿って移動する前側トロリー3と、この前側トロリー3に引っ張られてガイドレール7Bに沿って移動する後端トロリー4とで支持されているため、ガイドレール7A,7B間で斜めの姿勢で平行移動することになる。而して、先頭の搬送用走行体1は、先頭トロリー2が適当なストッパーによってプッシャー15から切り離されて、ガイドレール7Aの終端位置近傍の所定位置で停止せしめられるので、この先頭の搬送用走行体1に追従していた後続の搬送用走行体1は、ガイドレール7Aを移動する先頭トロリー2の被動ドッグ12が、停止している先行の搬送用走行体1の前側トロリー3の操作用カム突起13によって操作されて、プッシャー15から上方へ離脱し、先行停止搬送用走行体1の前側トロリー3の後ろに先頭トロリー2が追突する状態で自動停止することになる。後続の各搬送用走行体1は、同様に搬送台車本体5がガイドレール7A,7B間に斜めに跨った姿勢で順次自動停止する。このようにして平行並列状態でストレージされた搬送用走行体1は、先頭の搬送用走行体1を停止させていたストッパーを解除して、被動ドッグ12を元の初期姿勢に復帰させることにより、接近移動してくるプッシャー15によって先頭の搬送用走行体1を下手の方向に退出移動させ、これに伴って2番目の搬送用走行体1も、直前の搬送用走行体1の前側トロリー3の操作用カム突起13が離れてゆくことにより、先頭トロリー2の被動ドッグ12が元の初期姿勢に復帰し、後続のプッシャー15によって前進走行を開始する。このようにして平行並列状態でストレージされていた搬送用走行体1を順次送り出すことが出来る。
【0019】
以上に説明した搬送用走行体1の構成やストレージ方法は従来周知のものであるが、本発明の実施例は、上記のように使用されていた搬送用走行体1を利用するものである。即ち、水平カーブ経路部での搬送用走行体1の走行を可能にするために、
図1Aに示すように、各トロリー2〜4は、ロードバー6や搬送台車本体5のセンターフレームに上端が左右水平向きの支軸19aによって取り付けられた垂直支軸19に、当該垂直支軸19の周りに相対回転自在に取り付けられているものであるから、以下に説明する本発明の実施例では、
図1Bに示すように、前側トロリー3を垂直支軸19の周りに180度回転させて、操作用カム突起13が前方向きに突出する前後逆向きの状態でガイドレール7に組み込まれる。従って
図8に示すように、本発明の実施例に使用される搬送用走行体1では、前側トロリー3が後端トロリー4に対して前後対称向きとなり、
図1Aに示す従来の使用状態では、両トロリー3,4の操作用カム突起13,14の、同じ前方向きになっていた垂直背面13a,14aが、
図8に示すように、互いに対面する状態になっている。この実施例では、操作用カム突起13,14の垂直背面13a,14aが、間歇送りのために搬送用走行体1側に必要な被動部となっている。勿論、このように改変された搬送用走行体1は、
図3に示すように、前側トロリー3の操作用カム突起13を機能させて、各搬送用走行体1を斜め平行状態にストレージさせることは出来ない。
【0020】
上記のように前側トロリー3を前後逆向きに付け替えた搬送用走行体1を使用する本発明の実施例を以下詳細に説明すると、
図4に示すように、搬送用走行体1の走行経路途中に、当該搬送用走行体1の全長よりも長い間隔で、第一停止位置P1〜第五停止位置P5が等間隔おきに設定された直線状の間歇送り走行経路20が設定されている。従って、搬送用走行体1を推進させるプッシャー15を備えた駆動用チエン16の移動経路には、間歇送り走行経路20の第一停止位置P1の手前に設定された、間歇送り走行経路20への送り込みのための準備停止位置P0から、間歇送り走行経路20の最後の停止位置P5より下手側の合流点P6までの、平面視で間歇送り走行経路20から側方に平行に離れたプッシャー迂回径路21が設定されている。又、準備停止位置P0においてプッシャー15から離れて停止した搬送用走行体1を間歇送り走行経路20の第一停止位置P1まで送り込む搬送用走行体送り込み手段22と、この搬送用走行体送り込み手段22で送り込まれた搬送用走行体1を正確に第一停止位置P1で停止させるための位置決め手段23、及び第五停止位置P5から搬送用走行体1を、前記プッシャー迂回径路21の合流点P6より下手側迄送り出す搬送用走行体送り出し手段24が併設されている。更に、間歇送り走行経路20の各停止位置P1〜P5には、搬送用走行体1を所定位置にロックする搬送用走行体ロック手段25A〜25Eが併設されている。
【0021】
図5及び
図6に示すように、間歇送り走行経路20の真下には、この間歇送り走行経路20と平行な棒状の往復移動体26の往復移動経路27が設けられている。この往復移動経路27には、
図9及び
図10Aに示すように、往復移動体26を挟むように左右一対の断面コ字形のガイドレール28が架設され、往復移動体26には、左右一対のガイドレール28に嵌合する左右一対の支持用車輪29と、左右一対のガイドレール28間に位置する垂直軸周りに回転自在な上側及び下側の位置決め用ローラー30とが、長さ方向適当間隔おきに設けられ、この往復移動体26を、間歇送り走行経路20における各停止位置P1〜P5間の間隔Dと等しい距離を往復移動させるための往復移動体駆動手段31が併設されている。往復移動体26は、前記間隔Dの4倍より長く且つ5倍より短い長さを有するもので、前記往復移動体駆動手段31は、前記間隔Dより短くない長さで当該往復移動体26の下側に平行に固着されたラックギア32と、地上側の定位置に軸支されて前記ラックギア32に咬合するモーター駆動のピニオンギヤ33とで構成されている。尚、ピニオンギヤ33が回転駆動されてラックギア32を介して往復移動体26が往復移動せしめられるとき、ピニオンギヤ33から受ける上向きの力で往復移動体26が、ガイドレール28と支持用車輪29との間の遊び代で浮き上がるのを防止するため、
図9及び
図10Aに示すように、ラックギア32の長さ方向適当間隔おきの位置に、ガイドレール28の下外側面に当接する左右一対の浮上り防止ローラー32a,32bが左右水平支軸の周りに回転自在に軸支されている。
【0022】
往復移動体26の上側には、この往復移動体26の長さ方向に前記間隔Dと同一間隔で4つの連結手段34A〜34Dが設けられている。各連結手段34A〜34Dは、互いに同一構造のものであって、前後一対の駆動部材35a,35bから構成されている。
図8及び
図10に示すように、両駆動部材35a,35bは、往復移動体26の長さ方向と平行な棒状体から構成されたもので、その一端上側に左右両側に張り出す係合部36が突設され、この係合部36が互いに向き合う前後対称姿勢で両駆動部材35a,35bの他端部が往復移動体26の上面に突設された軸受けに左右水平向きの支軸37に上下揺動自在に軸支され、両駆動部材35a,35bの長さ方向の中間位置の同一側に水平方向に延出する軸状支持部材38が片持ち状に取り付けられ、この各軸状支持部材38の外端に左右水平支軸の周りに回転自在にカム従動ローラー39が軸支されている。両駆動部材35a,35bは、重力で往復移動体26の上に重なるように倒伏するが、この倒伏する駆動部材35a,35bを受け止めて各駆動部材35a,35bを下げ位置に保持する受け座40が往復移動体26の上に付設されている。
【0023】
図8に示すように、前後一対の駆動部材35a,35bは、それぞれ一定角度だけ前記支軸37の周りでハの字形に上動させた上げ位置にあるとき、各駆動部材35a,35bの内端の係合部36を、搬送用走行体1の前側トロリー3の操作用カム突起13における後方向きの垂直背面13aと、後端トロリー4の操作用カム突起14における前方向きの垂直背面14aとの間に上向きに嵌合隣接させて、往復移動体26と搬送用走行体1とを走行方向に関して連結状態に出来るように構成されている。而して、前記往復移動体26の往復移動経路27には、前記駆動部材35a,35bが前記上げ位置にあるときのカム従動ローラー39を支持案内する固定ガイドレール41が架設され、この固定ガイドレール41の下側に、前記駆動部材35a,35bが前記下げ位置にあるときのカム従動ローラー39の移動を許すローラー移動空間42が設けられ、間歇送り走行経路20の各停止位置P1〜P5には、これら各停止位置P1〜P5に前後一対の駆動部材35a,35bが位置しているときの両駆動部材35a,35bのカム従動ローラー39を支持して昇降移動させる前後一対のローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bとその昇降駆動手段44a,44bが配設されている。
【0024】
前記ローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bは、
図5及び
図6に示すように、上昇限位置にあるときは固定ガイドレール41と接続し、下降限位置にあるときは、
図7に示すように、ローラー移動空間42と接続するものであり、その昇降駆動手段44a,44bは互いに同一構造のものであって、
図11A及び
図11Bに示すように、一対の昇降ガイドロッド45a,45bに支持された昇降台46と、この昇降台46を一定ストローク昇降駆動するシリンダーユニット47とから構成され、昇降台46上にローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bが取り付けられている。尚、固定ガイドレール41は、各停止位置P1〜P5における前後一対のローラー上げ下げ用昇降レール43a,43b間と、各停止位置P1〜P5間における上手側のローラー上げ下げ用昇降レール43aと下手側のローラー上げ下げ用昇降レール43b間に分けて架設されることになるが、全てのローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bが上昇限位置にあるとき、分断されている固定ガイドレール41が、上昇限位置にあるローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bを介して間歇送り走行経路20の全域においてわたって連続することになる。
【0025】
搬送用走行体1の搬送台車本体5の左右両側には、
図1A〜
図3に示すように、長さ方向のほぼ中央位置に板状突出部48a,48bが突設されている。49a,49bは、搬送台車本体5の左右両側に、左右水平向きの支軸の周りに回転自在に軸支された左右一対の振れ止め用ローラーであって、
図10及び
図11Aに示すように、搬送用走行体1の走行経路の左右両側に架設された振れ止め用ガイドレール50a,50bによって転動自在に支持されることにより、走行する搬送台車本体5が上下方向に揺動するのを防止する。
【0026】
搬送用走行体送り込み手段22と搬送用走行体送り出し手段24は、互いに同一構造のものであって、
図12に示すように、間歇送り走行経路20の片側で当該間歇送り走行経路20に沿って往復移動自在で、搬送台車本体5の片側の板状突出部48aの搬送用走行体1の走行方向の通過は許すが逆方向の通過は阻止する逆止プッシャー51と、この逆止プッシャー51を往復移動させるシリンダーユニット52から構成されている。具体構造を説明すると、間歇送り走行経路20と平行に架設された左右一対のガイドレール53a,53bに往復移動自在に可動台54が支持され、この可動台54上に前記逆止プッシャー51の基部が垂直支軸55によって水平揺動自在に軸支され、この逆止プッシャー51を逆止姿勢の方向に付勢するスプリング56と、逆止プッシャー51を逆止姿勢で受け止めるストッパー57が前記可動台54に設けられている。尚、ストッパー57は、逆止プッシャー51の基部側面に固着され、前記スプリング56の付勢力で逆止プッシャー51が逆止姿勢を超えて揺動するのをストッパー57が可動台54の側面に当接して阻止する。
【0027】
位置決め手段23は、
図8〜
図10に示すように、搬送用走行体1の先頭トロリー2に取り付けられている被動ドッグ12の移動経路脇に配置されたストッパー板58と、このストッパー板58を前記被動ドッグ12の移動経路に対して直角水平向きに出退移動自在に支持する支持部材59、及びストッパー板58を出退移動させるシリンダーユニット60から構成されている。この位置決め手段23は、シリンダーユニット60によってストッパー板58が進出位置に切り換えられているとき、接近移動してくる搬送用走行体1の先頭トロリー2の、重力によって後ろ下がりの定常姿勢にある被動ドッグ12を、その凹部12bの上手側の傾斜底面を介してストッパー板58の下手側の側辺が押し上げると共に、前記傾斜底面の下端の下向き突出段部にストッパー板58の下手側の側辺が当接して、搬送用走行体1を、ストッパー板58の下手側の側辺によって決まる定位置に位置決めする。
【0028】
各停止位置P1〜P5に併設された搬送用走行体ロック手段25A〜25Eは、間歇送り走行経路20に対して、前記搬送用走行体送り込み手段22と搬送用走行体送り出し手段24とが配設された側とは反対側に配設されたもので、
図13A及び
図13Bに示すように、定位置で開閉揺動のみ可能な挟持アーム61と、この挟持アーム61の上手側にあって、間歇送り走行経路20に沿って往復移動自在で、搬送台車本体5の板状突出部48bの搬送用走行体1の走行方向の通過は許すが逆方向の通過は阻止する逆止挟持アーム62と、この逆止挟持アーム62を往復移動させるシリンダーユニット63から構成され、前記挟持アーム61の先端部と前記逆止挟持アーム62の先端部との間で、搬送台車本体5の板状突出部48bを前後から挟持して、搬送用走行体1を前記挟持アーム61によって決まる定位置にロックするものである。具体構造を説明すると、間歇送り走行経路20と平行に架設された左右一対のガイドレール64a,64bに往復移動自在に可動体65が支持され、この可動体65に支持された台板65a上に前記逆止挟持アーム62の基部が垂直支軸66によって水平揺動自在に軸支され、この逆止挟持アーム62を逆止姿勢の方向に付勢するスプリング67と、逆止挟持アーム62を逆止姿勢で制止させるストッパー68が設けられている。尚、ストッパー68は、逆止挟持アーム62の基部側面に固着され、前記スプリング67の付勢力で逆止挟持アーム62が逆止姿勢を超えて揺動するのをストッパー68が台板65aの側面に当接して阻止する。
【0029】
前記挟持アーム61は、前記ガイドレール64a,64bの一端部上に固定された基板69の上に垂直支軸70によって水平揺動自在に軸支され、この垂直支軸70に遊嵌されたコイルスプリング71によって、挟持アーム61が、その先端が搬送台車本体5の板状突出部48bの移動径路から下手側へ逃げる方向に回転するように付勢され、この挟持アーム61を、搬送台車本体5の板状突出部48bの移動径路から外側に外れた待機姿勢に保持するために、挟持アーム61の基部から反対方向に延出するレバー部61aが連設されると共に、当該レバー部61aを受け止めて挟持アーム61を前記待機姿勢に保持するストッパー72が、前記基板69上に突設されている。更に、この待機姿勢に保持されている挟持アーム61をコイルスプリング71の付勢力に抗して前記逆止挟持アーム62のある側へ強制揺動させるために、前記可動体65の先端に垂直支軸によって軸支されたローラー73の基板69から上方に突出する部分が、前記待機姿勢にある挟持アーム61のレバー部61aに隣接している。尚、前記可動体65には、ガイドレール64a,64bに支持される車輪やガイドレール64a,64b間に遊嵌する垂直支軸周りに回転自在な振れ止め用ローラーなどが軸支されるが、前記ローラー73は、上下一対前後二組の振れ止め用ローラーの内の前端上側のローラーを利用している。
【0030】
上記構成の搬送用走行体ロック手段25A〜25Eによれば、
図13Aに示すように、挟持アーム61が待機姿勢にあり、そして逆止挟持アーム62が後退限位置で且つ逆止姿勢にある状態で、搬送用走行体1が各停止位置P1〜P5の定位置まで送られると、その搬送用走行体1が定位置に達する直前で、搬送台車本体5の板状突出部48bが逆止挟持アーム62をスプリング67の付勢力に抗して、
図13Aに仮想線で示すように、挟持アーム61側へ傾動させて当該逆止挟持アーム62の位置を通過する。搬送用走行体1が各停止位置P1〜P5の定位置に達して停止すれば、シリンダーユニット63を稼働させて可動体65を前進移動させると、スプリング67の付勢力とストッパー68とで逆止姿勢に保持されている逆止挟持アーム62が、台板65aを介して可動体65と一体に前進移動すると同時に、可動体65と一体に前進移動するローラー73によって、レバー部61aを介して挟持アーム61がコイルスプリング71の付勢力に抗して逆止挟持アーム62のある側へ強制的に回動することになる。この結果、定位置にある挟持アーム61の先端と逆止挟持アーム62の先端との間で搬送台車本体5の板状突出部48bが挟持され、挟持アーム61の先端位置で決まる各停止位置P1〜P5の定位置に搬送用走行体1がロックされることになる。
【0031】
以下、全体の使用方法と作用について説明すると、搬送用走行体1は、駆動用チエン16のプッシャー15と先頭トロリー2の被動ドッグ12との係合により、ガイドレール7によって定まる走行経路から間歇送り走行経路20へと送られる。この搬送用走行体1が、
図4に示す準備停止位置P0に到着すると、プッシャー15を備えた駆動用チエン16は、プッシャー迂回径路21へ移動するので、プッシャー15が先頭トロリー2の被動ドッグ12から横方向に離脱し、当該搬送用走行体1は、準備停止位置P0で自動停止する。このときの搬送用走行体1の停止位置、即ち、準備停止位置P0は、
図12に示すように、搬送用走行体1の板状突出部48aが搬送用走行体送り込み手段22の待機位置で停止している可動台54上の逆止プッシャー51をスプリング56の付勢力に抗して前方に押し倒して通過した位置である。従って、逆止プッシャー51はスプリング56の付勢力で元の待機姿勢に復帰している。
【0032】
搬送用走行体1が準備停止位置P0で停止したならば、搬送用走行体送り込み手段22のシリンダーユニット52を進出方向に稼働させ、可動台54を所定距離だけ前進移動させると、当該可動台54上の逆止プッシャー51が板状突出部48aを介して搬送用走行体1を所定距離だけ後押し移動させて停止し、その後、シリンダーユニット52を後退方向に稼働させて、搬送用走行体送り込み手段22を元の待機位置に復帰させる。この搬送用走行体送り込み手段22の搬送用走行体1の送り込み距離は、送り込む搬送用走行体1が間歇送り走行経路20の第一停止位置P1に達する距離となっているが、慣性で第一停止位置P1を超えて停止することも考えられるので、搬送用走行体送り込み手段22が搬送用走行体1の送り込みを開始する時点で、第一停止位置P1に併設されている位置決め手段23を作動させる。即ち、
図8〜
図10に示すように、シリンダーユニット60を進出方向に稼働させてストッパー板58を後退限位置から進出限位置まで進出させておく。この結果、送り込まれてくる搬送用走行体1の先頭トロリー2の被動ドッグ12がストッパー板58に乗り上げ、当該被動ドッグ12が後ろ下がりの定常姿勢から押し上げられた後に当該ストッパー板58の上手側側辺で制止される。この結果、搬送用走行体1が第一停止位置P1にほぼ一致する状態で停止する。
【0033】
上記のようにして第一停止位置P1に送り込まれて停止した搬送用走行体1は、この第一停止位置P1に設けられている搬送用走行体ロック手段25Aに対応する位置にあって、当該搬送用走行体1の板状突出部48bが、
図13Aに示す待機状態での逆止挟持アーム62をスプリング67の付勢力に抗して前方に押し倒して通過し、退避姿勢にある挟持アーム61の直前に達している。従って、当該搬送用走行体ロック手段25Aのシリンダーユニット63を進出方向に稼働させて、先に説明したように、搬送用走行体1の板状突出部48bを挟持アーム61の先端と逆止挟持アーム62の先端との間で挟持させ、搬送用走行体1を第一停止位置P1に正確にロックさせる。この搬送用走行体1の定位置でのロックが完了すれば、搬送用走行体送り込み手段22のシリンダーユニット52を後退方向に稼働させて、逆止プッシャー51を元の待機位置に戻しておく。
【0034】
一方、往復移動体26は、
図7の下段に示すように、後退限位置に戻されており、この往復移動体26上の全ての連結手段34A〜34Dは、前後一対の駆動部材35a,35bが往復移動体26上に倒伏して受け座40で支持されている状態であり、全ての停止位置P1〜P5に併設されている前後一対のローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bは、固定ガイドレール41の下側のローラー移動空間42に接続する下降限位置にあるので、全ての連結手段34A〜34Dの前後一対の駆動部材35a,35bが備えるカム従動ローラー39は、下降限位置にあるローラー上げ下げ用昇降レール43a,43b内に位置している。この状態で、各停止位置P1〜P5に併設されている前後一対のローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bを、昇降駆動手段44a,44bのシリンダーユニット47を進出方向に稼働させて、下降限位置から上昇限位置まで上昇させると、
図8に示すように、全ての連結手段34A〜34Dの下げ位置にある前後一対の駆動部材35a,35bが、ローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bに嵌合しているカム従動ローラー39を介して一定角度上向きに揺動して、所定の上げ位置に切り換わる。
【0035】
上記作用により、
図5の上段に示すように、第一停止位置P1にロックされている搬送用走行体1の前側トロリー3及び後端トロリー4の操作用カム突起13,14における、互いに対面状態にある垂直背面13a,14aの内側に、上げ位置に切り換わった前後一対の駆動部材35a,35bの上端の係合部36が隣接する状態になる。換言すれば、このような状況が確実に得られるように、往復移動体26上の各連結手段34A〜34Dの前後一対の駆動部材35a,35bの軸支位置、長さ、上げ位置での角度などが設定されている。勿論、往復移動体26の後退限位置と前進限位置も正確に決まらなければならないが、当該往復移動体26を往復移動させる往復移動体駆動手段31が、往復移動体26に一体のラックギア32とモーター駆動のピニオンギヤ33とから構成されているので、ピニオンギヤ33を駆動するモーターの制御さえ設定通りに行えれば問題はない。
【0036】
上記のようにローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bを上昇限位置に切り換えたならば、第一停止位置P1に併設されている位置決め手段23のシリンダーユニット60を後退方向に稼働させて、ストッパー板58を待機位置である後退限位置に戻して、ストッパー板58を搬送用走行体1の先頭トロリー2の被動ドッグ12から離脱させると共に、各停止位置P1〜P5の搬送用走行体ロック手段25A〜25Eのシリンダーユニット63を後退方向に稼働させ、挟持アーム61をコイルスプリング71の付勢力で搬送用走行体1の板状突出部48bの前進経路から退出させると共に、逆止挟持アーム62を元の待機位置まで後退復帰させる。
【0037】
次に往復移動体駆動手段31のピニオンギヤ33を正方向に回転駆動して、往復移動体26を後退限位置から進出限位置まで前進させて停止させる。このとき第一停止位置P1で停止していた搬送用走行体1は、往復移動体26上の連結手段34Aの前後一対の駆動部材35a,35bにより当該往復移動体26に対して前後方向に相対移動出来ない状態に連結されているので、往復移動体26と一体に間歇送り走行経路20を一定距離だけ前進移動し、
図5の下段に示すように、次の第二停止位置P2で停止する。このときの往復移動体26の前進移動により、各連結手段34A〜34Dの上げ位置に切り換えられていた前後一対の駆動部材35a,35bの各カム従動ローラー39は、上昇限位置にある各ローラー上げ下げ用昇降レール43a,43b内から下手側に隣接する固定ガイドレール41内に移動し、後ろ側の駆動部材35bのカム従動ローラー39は、前側の駆動部材35aのカム従動ローラー39を支持していたローラー上げ下げ用昇降レール43a内を経由してその下手側の固定ガイドレール41内に移動する。このようにして各連結手段34A〜34Dの前後一対の駆動部材35a,35bは、搬送用走行体1と連結状態になる上げ位置を保ったままそれぞれ下手側の停止位置P2〜P5に移動することになる。
【0038】
以上のようにして第一停止位置P1から第二停止位置P2に移された搬送用走行体1は、この第二停止位置P2に併設されている搬送用走行体ロック手段25Bによって、第一停止位置P1での搬送用走行体ロック手段25Aによるロック作用と同様のロック作用により、定位置(第二停止位置P2)にロックされる。この後、
図7の上段に示すように、各停止位置P1〜P5のローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bをその昇降駆動手段44a,44bにより上昇限位置から下降限位置に降下させ、第二停止位置P2のローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bによって上げ位置に保持されていた往復移動体26上の前後一対の駆動部材35a,35bを、往復移動体26上の受け座40で支持される下げ位置に切り換える。この結果、当該前後一対の駆動部材35a,35bの係合部36が、第二停止位置P2に停止している搬送用走行体1の前側トロリー3と後端トロリー4の操作用カム突起13,14から下方に離脱させ、当該搬送用走行体1と往復移動体26との連結を解除する。
【0039】
次に、往復移動体駆動手段31のピニオンギヤ33を逆方向に回転駆動して、前進限位置にあった往復移動体26を、
図7の下段に示すように、後退限位置まで後退移動させる。このとき、下げ位置にある状態で往復移動体26上に支持されている前後一対の駆動部材35a,35bのカム従動ローラー39は、下降限位置にある前後一対のローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bから上手側に接続しているローラー移動空間42内に退出し、このローラー移動空間42内を後退移動する。カム従動ローラー39の後退移動方向側に別の下降限位置にあるローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bがあるときは、そのローラー上げ下げ用昇降レール43a,43b内を経由して更に上手側のローラー移動空間42内へ移動する。
【0040】
以上の作用により、準備停止位置P0で停止している搬送用走行体1を、搬送用走行体送り込み手段22により第一停止位置P1に送り込み、この第一停止位置P1で一旦停止した搬送用走行体1を、往復移動体26上の連結手段34Aの前後一対の駆動部材35a,35bによって第二停止位置P2まで送り込んだことになるが、このとき第一停止位置P1には、後退限位置にある往復移動体26の連結手段34Aの前後一対の駆動部材35a,35bが下げ位置で待機しており、そのカム従動ローラー39は、第一停止位置P1で下降限位置にあるローラー上げ下げ用昇降レール43a,43b内に嵌合しているので、準備停止位置P0から搬送用走行体1を受け入れる最初の態勢に戻ったことになる。従ってこれ以降は、各停止位置P1〜P5の搬送用走行体ロック手段25A〜25Eの全てとローラー上げ下げ用昇降レール43a,43bの全てを、往復移動体26の往復移動に同期させて、先に説明したように動作させることにより、準備停止位置P0から第一停止位置P1に送り込まれた搬送用走行体1を、第一停止位置P1から第五停止位置P5まで順番に停止させながら移送させることが出来るのである。
【0041】
第五停止位置P5に送り込まれた搬送用走行体1は、搬送用走行体送り出し手段24を、搬送用走行体送り込み手段22と同じように動作させることにより、プッシャー迂回径路21の合流点P6より下手側に先頭トロリー2が入り込む位置まで送り出すことが出来る。このようにしてプッシャー迂回径路21の合流点P6より下手側に送り出された搬送用走行体1は、前記合流点P6から搬送用走行体1の走行経路下に入り込んで当該搬送用走行体1の走行経路に沿って移動することになる駆動用チエン16のプッシャー15が、先頭トロリー2の被動ドッグ12の後方から当該被動ドッグ12の凹部12b内に自動係合して、当該搬送用走行体1を推進させことになる。
【0042】
尚、本発明の好適な実施例を示す図面に基いて説明したが、搬送用走行体1に必要な被動部(操作用カム突起13,14の垂直背面13a,14a)や往復移動体26側の駆動部材35a,35bの構造や数は、上記実施例に示したものに限定されない。例えば前後一対ではなく、1つの垂直に昇降する駆動部材を往復移動体26に設けることも可能であるし、このような垂直に昇降する駆動部材であれば、搬送用走行体1側の被動部は、駆動部材の上端が嵌まり込む凹部とすることも出来る。又、搬送用走行体1自体の構造も、上記実施例に示したものに限定されない。往復移動体26の後退移動時にカム従動ローラー39がローラー移動空間42を移動するが、ローラー移動空間42は、固定ガイドレール41と同様の固定ガイドレールを架設して構成することも出来る。この場合は、往復移動体26上に設けた受け座40が不要になる。