特許第6875684号(P6875684)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875684
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】筋萎縮症治療用アンチセンス核酸
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20210517BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20210517BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20210517BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20210517BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20210517BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   C12N15/113 ZZNA
   A61P21/02
   A61P21/04
   A61K31/7088
   A61K31/712
   A61K31/7125
【請求項の数】14
【全頁数】67
(21)【出願番号】特願2017-539996(P2017-539996)
(86)(22)【出願日】2016年9月16日
(86)【国際出願番号】JP2016077416
(87)【国際公開番号】WO2017047741
(87)【国際公開日】20170323
【審査請求日】2019年9月13日
(31)【優先権主張番号】特願2015-182614(P2015-182614)
(32)【優先日】2015年9月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004156
【氏名又は名称】日本新薬株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】597039984
【氏名又は名称】学校法人 川崎学園
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100147131
【弁理士】
【氏名又は名称】今里 崇之
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】永田 征吾
(72)【発明者】
【氏名】砂田 芳秀
(72)【発明者】
【氏名】大澤 裕
(72)【発明者】
【氏名】西松 伸一郎
【審査官】 宮岡 真衣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−104971(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0085139(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/029986(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/086667(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/194520(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/149659(WO,A1)
【文献】 MALERBA A. et al,Molecular Therapy-Nucleic Acids,1 (2012),e62,doi:10.1038/mtna.2012.54
【文献】 KEMALADEWI D. et al,BMC Medical Genomics,4: 36 (2011),URL,<http://www.biomedcentral.com/175-8794/4/36>
【文献】 AOKI Y. et al,Feasibility and Effectiveness of Exon 51 skipping in Human-Like mdx Mutation.,Molecular Therapy,18, Supplement 1 (2010),S218-S219, 565
【文献】 PAO P. et al.,Molecular Therapy,22(4)(2014),p.854-861
【文献】 Homo sapiens myostatin (MSTN), mRNA,Database GenBank, Accession No. NM_005259.2 [online],2015年 3月15日,[retrieved on 2016.10.04],Retrieved from the Internet,URL,<https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/149408158?sat=21&satkey=48990432>
【文献】 LU-NGUYEN N. et al,Molecular Therapy,23(8)(2015.08),p.1341-1348
【文献】 BESTAS B. et al,NUCLEIC ACID THERAPEUTICS,24(1)(2014),p.13-24
【文献】 KANG J. et al,Molecular Therapy,19(1)(2011),p.159-164
【文献】 JANSON J.A.M. et al,Neuromuscular Disorders,24 (2014),p.820-821, G.P.87
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/113
A61K 31/7088−31/713
A61P 21/00−21/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ヒトまたはマウスのマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン内の連続する7〜15塩基の第1のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列を含む第1のユニットオリゴマー;及び
(b)前記第2番目のエクソン内の連続する7〜15塩基の第2のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列を含む第2のユニットオリゴマー、
が連結してなる14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物であって、
前記第1のヌクレオチド配列及び第2のヌクレオチド配列は連続又は互いに重複するものではな
前記アンチセンスオリゴマーが、以下の(c)又は(d)
(c)配列番号103、配列番号116、配列番号117、配列番号120、配列番号128、配列番号131、配列番号136、配列番号137、配列番号140、配列番号145、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号152、配列番号155、配列番号156、配列番号157、配列番号159、配列番号162、配列番号163、配列番号165、配列番号166、配列番号167、配列番号168、配列番号169、配列番号170、配列番号171、配列番号176、配列番号177、配列番号178、配列番号179、配列番号180、配列番号183、配列番号187、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号196、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列番号203、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号217、配列番号225、配列番号226、配列番号228、配列番号229、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号236、配列番号237、配列番号240、配列番号243、配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号247、配列番号248、配列番号252、配列番号261、配列番号273、配列番号274、配列番号275および配列番号277からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー、又は
(d)配列番号95、配列番号96、配列番号107、配列番号223、配列番号234、配列番号235、配列番号242、配列番号249、配列番号250、配列番号251、配列番号257、配列番号290、配列番号291、配列番号292、配列番号293、配列番号294、配列番号295、配列番号297、配列番号298、配列番号299、配列番号300、配列番号301、配列番号303、配列番号304および配列番号305からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
である、アンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【請求項2】
前記アンチセンスオリゴマーがオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドの糖部分及び/又は少なくとも1つのリン酸結合部分が修飾されている、請求項に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドの糖部分が、2’位の−OH基が、OR、R、R’OR、SH、SR、NH、NHR、NR、N、CN、F、Cl、Br及びIからなる群より選択されるいずれかの基で置換されたリボースである、請求項に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
(上記Rは、アルキル又はアリールを示し、上記R’は、アルキレンを示す。)
【請求項5】
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドのリン酸結合部分が、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロアミデート結合、及びボラノフォスフェート結合からなる群より選択されるいずれか1つのものである、請求項又はに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【請求項6】
前記アンチセンスオリゴマーがモルホリノオリゴマーである、請求項1に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【請求項7】
前記モルホリノオリゴマーがホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーである、請求項に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【請求項8】
5’末端が、下記化学式(1)〜(3)のいずれかの基である、請求項又はに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【化1】
【請求項9】
前記アンチセンスオリゴマーが配列番号171、配列番号192、配列番号245、および配列番号231からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【請求項10】
請求項のいずれか1項に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物を含む、医薬組成物。
【請求項11】
さらに医薬的に許容可能な担体を含む、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療用である、請求項10又は11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
筋ジストロフィー治療用である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
ヒトに投与するための、請求項12又は13に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンスキッピングを可能にするアンチセンスオリゴマー、該オリゴマーを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マイオスタチン(別名、GDF−8)は、1997年にTGF−βスーパーファミリーに属する新規サイトカインとして発見された。発現組織は運動や代謝活動の主要担当組織である骨格筋に特異的である。マイオスタチン欠損変異動物は、骨格筋量が野生型の2倍量に増大する著明な筋肥大を呈することから、マイオスタチンは骨格筋量の負の制御因子であると考えられている。
上記知見により、マイオスタチンを阻害することによる筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療戦略が考えられる。骨格筋の萎縮は、筋力低下による日常生活動作制限だけでなく、低栄養や呼吸不全など重篤な全身合併症を惹起する。治療戦略の対象疾患としては、筋ジストロフィー、先天性ミオパチー、封入体筋炎等の筋原性の筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症等の神経原性の筋萎縮症、脳卒中による廃用症候群等の廃用性の筋萎縮症、癌悪液質、敗血症に伴う筋萎縮等の筋消耗性疾患、老化に伴う加齢性骨格筋減少症(加齢性サルコペニア)を含む各種サルコペニア等が考えられる。
ヒトのマイオスタチン遺伝子は2番染色体の長腕に位置する。構成要素である3つのエクソンから鎖長約2.8キロ塩基の成熟mRNAが転写され、375アミノ酸残基からなる前駆体ポリペプチドが翻訳される。マイオスタチン前駆体ポリぺプチドはC末端ドメイン間のジスルフィド結合を介して2量体を形成した後、小胞体においてFurinファミリーのプロテアーゼにより、266番目と267番目のアミノ酸残基(R−D)の間で切断され、N末端側のプロペプチドと後に活性型マイオスタチンとして機能するC末端ドメイン2量体とに分割される。これらのペプチドは非共有結合によって会合し、不活性型複合体として細胞外に分泌される。この複合体はさらに、BMP1/Tolloidファミリーのマトリックスメタロプロテアーゼにより、98番目と99番目のアミノ酸残基(R−D)の間でN末端プロペプチドが切断されることで会合が解け、活性型マイオスタチン2量体が出現する。
近年、mRNA前駆体の一部に相補的に結合する短いアンチセンス人工核酸を設計・化学合成して、mRNAの機能阻害を目指すアンチセンス核酸医薬が注目を浴びている。正常の遺伝子転写機構においては、mRNA前駆体のイントロンは、スプライソソームと呼ばれる酵素複合体によって切断・除去され、成熟mRNAが生成される。エクソンスキップアンチセンス核酸は、このスプライソソームによるスプライシング調節機構を改変し、正常の成熟mRNAとは異なるmRNAの生成を誘導することにより、当該遺伝子の機能を阻害するものである。また、mRNAは、スプライソソーム以外にも、mRNA安定化タンパク質や発現翻訳調節因子(miRNAを含む)等との会合により、mRNAの分解、発現・翻訳が調節されている。アンチセンス核酸は、このようなmRNA結合タンパク質の標的mRNAへの会合を阻害することで、当該遺伝子の機能を阻害することも考えられている。
ここで、マイオスタチンのエクソンスキップアンチセンス核酸がいくつか知られている(特許文献1〜3および非特許文献1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US2013/0085139A1
【特許文献2】WO2006/086667A2
【特許文献3】特開2007−104971
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Kang JK et al.,Mol.Ther.(2011)19(1):159−164
【非特許文献2】Kemaladewi et al.,BMC Med Genomics.(2011)4:36
【非特許文献3】Alberto Malerba et al.,Mol.Ther.Nucleic Acids.(2012)1:e62
【非特許文献4】Bestas B et al.,Nucleic Acid Ther.(2014)24(1):13−24
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような状況において、マイオスタチンをmRNAレベルで阻害する新規なアンチセンス核酸が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、所定の機能阻害アンチセンス核酸をマイオスタチン遺伝子に対して適用したときに、マイオスタチンをmRNAレベルで効率よく阻害できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
(a)ヒトまたはマウスのマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン内の連続する7〜15塩基の第1のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列を含む第1のユニットオリゴマー;及び
(b)前記第2番目のエクソン内の連続する7〜15塩基の第2のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列を含む第2のユニットオリゴマー、
が連結してなる14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマーであって、
前記第1のヌクレオチド配列及び第2のヌクレオチド配列は連続又は互いに重複するものではない、
アンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[2]
前記アンチセンスオリゴマーが、以下の(c)又は(d)である前記[1]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
(c)以下の(c−1)〜(c−6)のユニットオリゴマーからなる群より選択される2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー:
(c−1)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(c−2)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(c−3)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(c−4)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第210番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(c−5)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第204番目〜第233番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、および
(c−6)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー;
(d)以下の(d−1)〜(d−7)のユニットオリゴマーからなる群より選択される2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー:
(d−1)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第65番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−2)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−3)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−4)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第151番目〜第210番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−5)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第196番目〜第233番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−6)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第266番目〜第295番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、および
(d−7)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー;
[3]
以下の(e)又は(f)である前記[1]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
(e)以下の(e−1)〜(e−6)のユニットオリゴマーからなる群より選択される2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー:
(e−1)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−4番目〜第25番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(e−2)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第112番目〜第131番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(e−3)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第128番目〜第142番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(e−4)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第169番目〜第206番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(e−5)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第209番目〜第228番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、および
(e−6)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第365番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー;
(f)以下の(f−1)〜(f−7)のユニットオリゴマーからなる群より選択される2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー:
(f−1)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第1番目〜第18番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(f−2)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第116番目〜第131番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(f−3)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第130番目〜第140番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(f−4)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第160番目〜第206番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(f−5)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第211番目〜第225番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(f−6)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第271番目〜第282番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、および
(f−7)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第341番目〜第365番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー;
[4]
前記(c)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号103(NMS−48)、配列番号116(NMS−89)、配列番号117(NMS−90)、配列番号120(NMS−93)、配列番号128(NMS−101)、配列番号131(NMS−104)、配列番号136(NMS−113)、配列番号137(NMS−117)、配列番号140(NMS−123)、配列番号145(NMS−136)、配列番号146(NMS−139)、配列番号147(NMS−140)、配列番号148(NMS−141)、配列番号149(NMS−142)、配列番号152(NMS−145)、配列番号155(NMS−148)、配列番号156(NMS−149)、配列番号157(NMS−150)、配列番号159(NMS−152)、配列番号162(NMS−156)、配列番号163(NMS−157)、配列番号165(NMS−162)、配列番号166(NMS−163)、配列番号167(NMS−164)、配列番号168(NMS−166)、配列番号169(NMS−167)、配列番号170(NMS−168)、配列番号171(NMS−169)、配列番号176(NMS−174)、配列番号177(NMS−175)、配列番号178(NMS−176)、配列番号179(NMS−177)、配列番号180(NMS−178)、配列番号183(NMS−181)、配列番号187(NMS−185)、配列番号189(NMS−188)、配列番号190(NMS−189)、配列番号191(NMS−190)、配列番号192(NMS−191)、配列番号193(NMS−192)、配列番号196(NMS−195)、配列番号199(NMS−198)、配列番号200(NMS−199)、配列番号201(NMS−200)、配列番号203(NMS−202)、配列番号204(NMS−203)、配列番号206(NMS−206)、配列番号208(NMS−208)、配列番号212(NMS−212)、配列番号213(NMS−213)、配列番号214(NMS−214)、配列番号215(NMS−215)、配列番号217(NMS−217)、配列番号225(NMS−225)、配列番号226(NMS−228)、配列番号228(NMS−230)、配列番号229(NMS−231)、配列番号231(NMS−233)、配列番号232(NMS−234)、配列番号233(NMS−235)、配列番号236(NMS−240)、配列番号237(NMS−241)、配列番号240(NMS−244)、配列番号243(NMS−247)、配列番号244(NMS−248)、配列番号245(NMS−249)、配列番号246(NMS−250)、配列番号247(NMS−251)、配列番号248(NMS−252)、配列番号252(NMS−256)、配列番号261(NMS−272)、配列番号273(NMS−284)、配列番号274(NMS−285)、配列番号275(NMS−286)および配列番号277(NMS−297)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる、前記[2]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[5]
前記(d)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号95(NMS−38)、配列番号96(NMS−39)、配列番号107(NMS−66)、配列番号223(NMS−223)、配列番号234(NMS−238)、配列番号235(NMS−239)、配列番号242(NMS−246)、配列番号249(NMS−253)、配列番号250(NMS−254)、配列番号251(NMS−255)、配列番号257(NMS−268)、配列番号(NMS−280)、配列番号(NMS−281)、配列番号(NMS−282)、配列番号(NMS−288)、配列番号(NMS−289)、配列番号(NMS−290)、配列番号(NMS−292)、配列番号(NMS−293)、配列番号(NMS−294)、配列番号(NMS−295)、配列番号(NMS−298)、配列番号(NMS−299)、配列番号(NMS−300)、配列番号(NMS−302)および配列番号(NMS−303)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる、前記[2]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[6]
前記アンチセンスオリゴマーがオリゴヌクレオチドである、前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[7]
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドの糖部分及び/又は少なくとも1つのリン酸結合部分が修飾されている、前記[6]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[8]
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドの糖部分が、2’位の−OH基が、OR、R、R’OR、SH、SR、NH、NHR、NR、N、CN、F、Cl、Br及びIからなる群より選択されるいずれかの基で置換されたリボースである、前記[7]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
(上記Rは、アルキル又はアリールを示し、上記R’は、アルキレンを示す。)
[9]
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドのリン酸結合部分が、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロアミデート結合、及びボラノフォスフェート結合からなる群より選択されるいずれか1つのものである、前記[7]又は[8]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[10]
前記アンチセンスオリゴマーがモルホリノオリゴマーである、前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[11]
前記モルホリノオリゴマーがホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーである、前記[10]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[12]
5’末端が、下記化学式(1)〜(3)のいずれかの基である、前記[10]又は[11]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【化1】
[13]
前記アンチセンスオリゴマーが配列番号171(NMS−169)、配列番号192(NMS−191)、配列番号245(NMS−249)、および配列番号231(NMS−233)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる、前記[4]、[6]〜[12]のいずれか一項に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[14]
前記[3]〜[13]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物を含む、医薬組成物。
[15]
さらに医薬的に許容可能な担体を含む、前記[14]に記載の医薬組成物。
[16]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療用である、前記[14]又は[15]に記載の医薬組成物。
[17]
筋ジストロフィー治療用である、前記[16]に記載の医薬組成物。
[18]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の予防又は治療を必要とする対象に、治療的有効量の前記[1]〜[13]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物を投与することを含む、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の予防又は治療方法。
[19]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患が筋ジストロフィーである、前記[18]に記載の方法。
[20]
対象が、ヒトである、前記[18]又は[19]に記載の方法。
[21]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療用医薬組成物の製造における、前記[1]〜[13]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物の使用。
[22]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療に使用するための前記[1]〜[13]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[23]
以下の(A)〜(H)からなる群より選択されるいずれか1つのアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
(A)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(B)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第145番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(C)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(D)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(E)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(F)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第162番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(G)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第195番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー;及び
(H)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
[24]
以下の(I)〜(L)からなる群より選択されるいずれか1つのアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
(I)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(J)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第140番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマーであって、前記14〜30塩基長のヌクレオチド配列の3’末端の塩基が前記第2番目のエクソンの5’末端から第140番目の塩基であるアンチセンスオリゴマー
(K)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー;及び
(L)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
[25]
前記(A)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号13(NMS−17)、配列番号7
6(NMS−138)、配列番号68(NMS−120)、配列番号75(NMS−137)、配列番号51(NMS−76)、配列番号52(NMS−79)、配列番号54(NMS−81)、配列番号55(NMS−82)、配列番号56(NMS−83)、配列番号53(NMS−80)、配列番号33(NMS−49)、配列番号63(NMS−114)、配列番号69(NMS−124)、配列番号70(NMS−125)、配列番号61(NMS−110)、配列番号31(NMS−46)、配列番号34(NMS−50)、配列番号50(NMS−75)、配列番号45(NMS−67)及び配列番号64(NMS−115)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる、前記[23]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[26]
前記(B)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号3(NMS−6)、配列番号66(NMS−118)、配列番号67(NMS−119)、配列番号28(NMS−33)、配列番号72(NMS−127)、配列番号16(NMS−20)、配列番号82(NMS−187)及び配列番号25(NMS−30)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる、前記[23]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[27]
前記(C)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号12(NMS−16)の塩基配列からなる、前記[23]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[28]
前記(D)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号4(NMS−7)の塩基配列からなる、前記[23]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[29]
前記(E)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号90(NMS−51)の塩基配列からなる、前記[23]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[30]
前記(F)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号91(NMS−52)、配列番号28(NMS−33)及び配列番号25(NMS−30)、配列番号41(NMS−61)、配列番号24(NMS−29)、配列番号42(NMS−62)、配列番号43(NMS−63)、配列番号11(NMS−15)、配列番号67(NMS−119)、配列番号80(NMS−161)及び配列番号82(NMS−187)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる、前記[23]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[31]
前記(G)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号7(NMS−10)の塩基配列からなる、前記[23]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[32]
前記(H)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号4(NMS−7)、配列番号9(NMS−12)、配列番号10(NMS−14)及び配列番号14(NMS−18)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列の塩基配列からなる、前記[23]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[33]
オリゴヌクレオチドである、前記[23]〜[32]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[34]
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドの糖部分及び/又は少なくとも1つのリン酸結合部分が修飾されている、前記[33]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[35]
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドの糖部分が、2’位の−OH基が、OR、R、R’OR、SH、SR、NH、NHR、NR、N、CN、F、Cl、Br及びIからなる群より選択されるいずれかの基で置換されたリボースである、前記[34]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
(上記Rは、アルキル又はアリールを示し、上記R’は、アルキレンを示す。)
[36]
前記オリゴヌクレオチドを構成する少なくとも1つのヌクレオチドのリン酸結合部分が、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロアミデート結合、及びボラノフォスフェート結合からなる群より選択されるいずれか1つのものである、前記[34]又は[35]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[37]
前記アンチセンスオリゴマーがモルホリノオリゴマーである、前記[23]〜[32]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[38]
前記モルホリノオリゴマーがホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーである、前記[37]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
[39]
5’末端が、下記化学式(1)〜(3)のいずれかの基である、前記[37]又は[38]に記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【化2】
[40]
前記[23]〜[39]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物を含む、医薬組成物。
[41]
さらに医薬的に許容可能な担体を含む、前記[40]に記載の医薬組成物。
[42]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療用である、前記[40]又は[41]に記載の医薬組成物。
[43]
筋ジストロフィー治療用である、前記[42]に記載の医薬組成物。
[44]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の予防又は治療を必要とする対象に、治療的有効量の前記[23]〜[39]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物を投与することを含む、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の予防又は治療方法。
[45]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患が筋ジストロフィーである、前記[44]に記載の方法。
[46]
対象が、ヒトである、前記[44]又は[45]に記載の方法。
[47]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療用医薬組成物の製造における、前記[23]〜[39]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物の使用。
[48]
筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療に使用するための前記[23]〜[39]のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物。
【発明の効果】
【0007】
本発明のいくつかの態様のアンチセンスオリゴマーにより、マイオスタチン遺伝子のエクソンスキッピングを誘導することが可能である。また、本発明の好ましい態様のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物を筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の予防又は治療を必要とする対象に投与することにより、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患を予防又は治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図2】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図3】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図4】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図5】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図6】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図7】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図8】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図9】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図10】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図11】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図12】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図13】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン2のスキッピング効率を示す図である。
図14】ヒト横紋筋肉腫細胞株(RD細胞)におけるヒトマイオスタチン遺伝子のエクソン3のスキッピング効率を示す図である。
図15】試験例2の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。
なお、本明細書において引用した全ての文献、および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。また、本明細書は、2015年9 月16日に出願された本願優先権主張の基礎となる日本国特許出願(特願2015−18214号)の明細書及び図面に記載の内容を包含する。
【0010】
1.本発明のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物
本発明は、マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンのスキッピングを可能にするアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物(以下、「本発明のアンチセンスオリゴマー」と総称する)を提供する。
以下の「本発明のアンチセンスオリゴマーA」及び「本発明のアンチセンスオリゴマーB」を、「本発明のアンチセンスオリゴマー」と総称する場合がある。
【0011】
1.1.本発明のアンチセンスオリゴマーA
本発明のアンチセンスオリゴマーAは、以下の(a)及び(b)よりなる群より選ばれる2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物である。
(a)ヒトまたはマウスのマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン内の連続する7〜15塩基の第1のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列を含む第1のユニットオリゴマー;及び
(b)前記第2番目のエクソン内の連続する7〜15塩基の第2のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列を含む第2のユニットオリゴマー
ここで、前記第1のヌクレオチド配列及び第2のヌクレオチド配列は連続又は互いに重複するものではない。
【0012】
本発明のアンチセンスオリゴマーAは、具体的には以下の(c)又は(d)のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物である。
(c)以下の(c−1)〜(c−6)のユニットオリゴマーからなる群より選択される2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー:
(c−1)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(c−2)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(c−3)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(c−4)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第210番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(c−5)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第204番目〜第233番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、および
(c−6)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー;
(d)以下の(d−1)〜(d−7)のユニットオリゴマーからなる群より選択される2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー:
(d−1)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−1番目〜第65番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−2)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−3)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−4)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第151番目〜第210番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−5)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第196番目〜第233番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(d−6)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第266番目〜第295番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、および
(d−7)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー
【0013】
さらに、本発明のアンチセンスオリゴマーAは、具体的には以下の(e)又は(f)のアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物である。
(e)以下の(e−1)〜(e−6)のユニットオリゴマーからなる群より選択される2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー:
(e−1)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−4番目〜第25番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(e−2)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第112番目〜第131番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(e−3)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第128番目〜第142番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(e−4)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第169番目〜第206番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(e−5)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第209番目〜第228番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、および
(e−6)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第365番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー;
(f)以下の(f−1)〜(f−7)のユニットオリゴマーからなる群より選択される2つのユニットオリゴマーが連結した、14〜30塩基長のアンチセンスオリゴマー:
(f−1)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第1番目〜第18番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(f−2)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第116番目〜第131番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(f−3)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第130番目〜第140番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、
(f−4)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第160番目〜第206番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー、および
(f−5)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第211番目〜第225番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー
(f−6)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第271番目〜第282番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー
(f−7)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第341番目〜第365番目のヌクレオチド配列から選択される連続する7〜15塩基のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるユニットオリゴマー
【0014】
本発明のアンチセンスオリゴマーAにおいて、「遺伝子」には、ゲノム遺伝子以外に、cDNA、mRNA前駆体及びmRNAも含まれる。好ましくは、遺伝子は、mRNA前駆体、即ち、pre−mRNAである。
マイオスタチン遺伝子の転写物であるpre−mRNAは、3つのエクソンと2つのイントロンを、(5’末端)第1番目のエクソン−第1番目のイントロン−第2番目のエクソン−第2番目のイントロン−第3番目のエクソン(3’末端)の順で含む。pre−mRNAは、スプライシングを受けて成熟mRNAを生成する。ヒト及びマウスの野生型マイオスタチン遺伝子の塩基配列は公知である(それぞれ、RefSeq Accession No.NM_005259(ヒト);及びRefSeq Accession No.NM_010834(マウス))。野生型マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの塩基配列は次の通りである。
第2番目のエクソン(ヒト) :配列番号323;及び
第2番目のエクソン(マウス):配列番号324
【0015】
前記(c−1)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列」を、配列番号337に示す。
前記(c−2)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列」を、配列番号338に示す。
前記(c−3)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列」を、配列番号339に示す。
前記(c−4)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第210番目のヌクレオチド配列」を、配列番号340に示す。
前記(c−5)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第204番目〜第233番目のヌクレオチド配列」を、配列番号341に示す。
前記(c−6)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列」を、配列番号342に示す。
【0016】
前記(d−1)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第65番目のヌクレオチド配列」を、配列番号343に示す。
前記(d−2)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列」を、配列番号344に示す。
前記(d−3)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列」を、配列番号345に示す。
前記(d−4)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第151番目〜第210番目のヌクレオチド配列」を、配列番号346に示す。
前記(d−5)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第196番目〜第233番目のヌクレオチド配列」を、配列番号347に示す。
前記(d−6)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第266番目〜第295番目のヌクレオチド配列」を、配列番号364に示す。
前記(d−7)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列」を、配列番号348に示す。
【0017】
前記(e−1)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−4番目〜第25番目のヌクレオチド配列」を、配列番号349に示す。
前記(e−2)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第112番目〜第131番目のヌクレオチド配列」を、配列番号350に示す。
前記(e−3)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第128番目〜第142番目のヌクレオチド配列」を、配列番号351に示す。
前記(e−4)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第169番目〜第206番目のヌクレオチド配列」を、配列番号352に示す。
前記(e−5)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第209番目〜第228番目のヌクレオチド配列」を、配列番号353に示す。
前記(e−6)のユニットオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第365番目のヌクレオチド配列」を、配列番号354に示す。
【0018】
前記(f−1)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第1番目〜第18番目のヌクレオチド配列」を、配列番号355に示す。
前記(f−2)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第116番目〜第131番目のヌクレオチド配列」を、配列番号356に示す。
前記(f−3)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第130番目〜第140番目のヌクレオチド配列」を、配列番号357に示す。
前記(f−4)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第160番目〜第206番目のヌクレオチド配列」を、配列番号358に示す。
前記(f−5)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第211番目〜第225番目のヌクレオチド配列」を、配列番号359に示す。
前記(f−6)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第271番目〜第282番目のヌクレオチド配列」を、配列番号365に示す。
前記(f−7)のユニットオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第341番目〜第365番目のヌクレオチド配列」を、配列番号366に示す。
本発明のアンチセンスオリゴマーAは、マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンのスキッピングにより、マイオスタチン遺伝子でコードされるタンパク質を、マイオスタチンの機能を有しない変異タンパク質に改変することを目的として作製されたものである。「マイオスタチンの機能」とは、例えば、骨格筋量を負に制御する機能または活性である。本発明のアンチセンスオリゴマーAのエクソンスキッピングの対象となるマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンには、野生型だけではなく、変異型も含まれる。
変異型のマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン又はその一部は、具体的には、以下の(a)又は(b)に記載のポリヌクレオチドである。
【0019】
(a)配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号337(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号338(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号339(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)、配列番号340(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号341(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第204番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号342(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号349(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−4番目〜第25番目のヌクレオチド配列)、配列番号350(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第112番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号351(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第128番目〜第142番目のヌクレオチド配列)、配列番号352(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第169番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号353(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第209番目〜第228番目のヌクレオチド配列)、配列番号354(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第365番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号343(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第65番目のヌクレオチド配列)、配列番号344(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号345(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)及び配列番号346(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第151番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号347(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第196番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号364(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第266番目〜第295番目のヌクレオチド配列)、配列番号348(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号355(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第1番目〜第18番目のヌクレオチド配列)、配列番号356(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第116番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号357(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第130番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号358(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第160番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号359(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第211番目〜第255番目のヌクレオチド配列)、配列番号365(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第271番目〜第282番目のヌクレオチド配列)及び配列番号366(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第341番目〜第365番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド;
(b)配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号337(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号338(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号339(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)、配列番号340(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号341(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第204番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号342(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号349(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−4番目〜第25番目のヌクレオチド配列)、配列番号350(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第112番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号351(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第128番目〜第142番目のヌクレオチド配列)、配列番号352(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第169番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号353(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第209番目〜第228番目のヌクレオチド配列)、配列番号354(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第365番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号343(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第65番目のヌクレオチド配列)、配列番号344(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号345(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)及び配列番号346(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第151番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号347(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第196番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号364(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第266番目〜第295番目のヌクレオチド配列)、配列番号348(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号355(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第1番目〜第18番目のヌクレオチド配列)、配列番号356(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第116番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号357(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第130番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号358(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第160番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号359(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第211番目〜第255番目のヌクレオチド配列)、配列番号365(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第271番目〜第282番目のヌクレオチド配列)及び配列番号366(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第341番目〜第365番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列に対して、90%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド
【0020】
本明細書中、「ポリヌクレオチド」とは、DNA又はRNAを意味する。
本明細書中、「相補的な塩基配列」とは、対象となる塩基配列とワトソン・クリック対を形成する塩基配列に限定されるものではなく、揺らぎ塩基対(Wobble base pair)を形成する塩基配列も含む。ここで、ワトソン・クリック対とは、アデニン−チミン、アデニン−ウラシル及びグアニン−シトシン間に水素結合が形成される塩基対を意味し、揺らぎ塩基対とは、グアニン−ウラシル、イノシン−ウラシル、イノシン−アデニン及びイノシン−シトシン間に水素結合が形成される塩基対を意味する。また、「相補的な塩基配列」とは、対象となる塩基配列と100%の相補性を有していなくてもよく、例えば、対象となる塩基配列に対して、1〜3個、1〜2個又は1個の非相補的塩基が含まれていてもよい。
【0021】
本明細書中、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド」とは、例えば、配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号337(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号338(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号339(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)、配列番号340(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号341(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第204番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号342(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号349(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−4番目〜第25番目のヌクレオチド配列)、配列番号350(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第112番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号351(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第128番目〜第142番目のヌクレオチド配列)、配列番号352(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第169番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号353(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第209番目〜第228番目のヌクレオチド配列)、配列番号354(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第365番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号343(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第65番目のヌクレオチド配列)、配列番号344(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号345(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)及び配列番号346(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第151番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号347(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第196番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号364(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第266番目〜第295番目のヌクレオチド配列)、配列番号348(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号355(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第1番目〜第18番目のヌクレオチド配列)、配列番号356(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第116番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号357(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第130番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号358(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第160番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号359(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第211番目〜第255番目のヌクレオチド配列)、配列番号365(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第271番目〜第282番目のヌクレオチド配列)及び配列番号366(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第341番目〜第365番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドの全部又は一部をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法又はサザンハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるアンチセンスオリゴマーをいう。ハイブリダイゼーションの方法としては、例えば、“Sambrook & Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Fourth Edition),Cold Spring Harbor, Laboratory Press 2012”、“Ausubel, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons 1987−1997”などに記載されている方法を利用することができる。
本明細書中、「ストリンジェントな条件」とは、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件及び高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」とは、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。また、「中ストリンジェントな条件」とは、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃又は5×SSC、1%SDS、50mMTris−HCl(pH7.5)、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」とは、例えば、(1)5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃、(2)0.2 x SSC、0.1%SDS、60℃、(3)0.2xSSC、0.1%SDS、62℃、(4)0.2xSSC、0.1%SDS、65℃、又は(5)0.1xSSC、0.1%SDS、65℃の条件であるが、これに限定されるものではない。これらの条件において、温度を上げるほど高い配列同一性を有するアンチセンスオリゴマーが効率的に得られることが期待できる。ただし、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度、プローブ濃度、プローブの長さ、イオン強度、時間、塩濃度等の複数の要素が考えられ、当業者であればこれらの要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
なお、ハイブリダイゼーションに市販のキットを用いる場合は、例えばAlkphos Direct Labelling and Detection System(GE Healthcare)を用いることができる。この場合は、キットに添付のプロトコルにしたがい、標識したプローブとのインキュベーションを一晩行った後、メンブレンを55℃の条件下で0.1%(w/v)SDSを含む1次洗浄バッファーで洗浄後、ハイブリダイズしたアンチセンスオリゴマーを検出することができる。あるいは、配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号337(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号338(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号339(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)、配列番号340(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号341(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第204番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号342(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号349(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−4番目〜第25番目のヌクレオチド配列)、配列番号350(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第112番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号351(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第128番目〜第142番目のヌクレオチド配列)、配列番号352(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第169番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号353(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第209番目〜第228番目のヌクレオチド配列)、配列番号354(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第365番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号343(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第65番目のヌクレオチド配列)、配列番号344(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号345(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)及び配列番号346(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第151番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号347(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第196番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号364(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第266番目〜第295番目のヌクレオチド配列)、配列番号348(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号355(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第1番目〜第18番目のヌクレオチド配列)、配列番号356(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第116番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号357(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第130番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号358(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第160番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号359(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第211番目〜第255番目のヌクレオチド配列)、配列番号365(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第271番目〜第282番目のヌクレオチド配列)及び配列番号366(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第341番目〜第365番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列と相補的な塩基配列の全部又は一部に基づいてプローブを作製する際に、市販の試薬(例えば、PCRラベリングミックス(ロシュ・ダイアグノスティクス社)等)を用いて該プローブをジゴキシゲニン(DIG)ラベルした場合には、DIG核酸検出キット(ロシュ・ダイアグノスティクス社)を用いてハイブリダイゼーションを検出することができる。
上記以外にハイブリダイズ可能なアンチセンスオリゴマーとしては、BLASTの相同性検索ソフトウェアにより、デフォルトのパラメーターを用いて計算したときに、配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号337(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号338(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号339(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)、配列番号340(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号341(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第204番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号342(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号349(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−4番目〜第25番目のヌクレオチド配列)、配列番号350(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第112番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号351(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第128番目〜第142番目のヌクレオチド配列)、配列番号352(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第169番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号353(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第209番目〜第228番目のヌクレオチド配列)、配列番号354(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第365番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号343(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第65番目のヌクレオチド配列)、配列番号344(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第135番目のヌクレオチド配列)、配列番号345(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第121番目〜第155番目のヌクレオチド配列)及び配列番号346(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第151番目〜第210番目のヌクレオチド配列)、配列番号347(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第196番目〜第233番目のヌクレオチド配列)、配列番号364(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第266番目〜第295番目のヌクレオチド配列)、配列番号348(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第326番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号355(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第1番目〜第18番目のヌクレオチド配列)、配列番号356(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第116番目〜第131番目のヌクレオチド配列)、配列番号357(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第130番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号358(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第160番目〜第206番目のヌクレオチド配列)、配列番号359(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第211番目〜第255番目のヌクレオチド配列)、配列番号365(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第271番目〜第282番目のヌクレオチド配列)及び配列番号366(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第341番目〜第365番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列と90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.1%以上、99.2%以上、99.3%以上、99.4%以上、99.5%以上、99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、又は99.9%以上の同一性を有するポリヌクレオチドをあげることができる。
なお、塩基配列の同一性は、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 872264−2268,1990;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 5873,1993)を用いて決定できる。BLASTを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。
【0022】
前記(c)〜(f)における各ユニットオリゴマー(以下、単に「ユニット」と称する場合もある)のサイズは、7〜15塩基長であり、好ましくは8〜15塩基長、9〜15塩基長、10〜15塩基長、10〜14塩基長、10〜13塩基長又は11〜13塩基長である。上記(c)〜(f)における各ユニットのサイズは同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0023】
前記(c)のアンチセンスオリゴマーにおいて、前記(c−1)〜(c−6)からなる群より選択される2つのユニットのいずれが5’末端側に配置されてもよい。
【0024】
前記(d)のアンチセンスオリゴマーにおいて、前記(d−1)〜(d−7)からなる群より選択される2つのユニットのいずれが5’末端側に配置されてもよい。
【0025】
前記(e)のアンチセンスオリゴマーにおいて、前記(e−1)〜(e−6)からなる群より選択される2つのユニットのいずれが5’末端側に配置されてもよい。
【0026】
前記(f)のアンチセンスオリゴマーにおいて、前記(f−1)〜(f−7)からなる群より選択される2つのユニットのいずれが5’末端側に配置されてもよい。
【0027】
ここで、「連結」とは、2つのユニットが直結していることを意味する。すなわち、2つのユニットが連結している場合、5’末端側に位置するユニットの3’末端と、3’末端側に位置するユニットの5’末端とがリン酸結合又は以下の基を形成することを意味する。
【化3】
(式中、Xは、−OH、−CH、−O−CH、−S−CH、−NR又はFを表し;
は、H、アルキルを表し;
及びRは、同一又は異なって、H、アルキル、シクロアルキル、又は、アリールを表し;
は、0、S、CH又はNRを表し;
は、0、S又はNRを表し;
Zは、0又はSを表す。)
【0028】
本発明の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーAにおいて、前記(c)のアンチセンスオリゴマーが、、配列番号103(NMS−48)、配列番号116(NMS−89)、配列番号117(NMS−90)、配列番号120(NMS−93)、配列番号128(NMS−101)、配列番号131(NMS−104)、配列番号136(NMS−113)、配列番号137(NMS−117)、配列番号140(NMS−123)、配列番号145(NMS−136)、配列番号146(NMS−139)、配列番号147(NMS−140)、配列番号148(NMS−141)、配列番号149(NMS−142)、配列番号152(NMS−145)、配列番号155(NMS−148)、配列番号156(NMS−149)、配列番号157(NMS−150)、配列番号159(NMS−152)、配列番号162(NMS−156)、配列番号163(NMS−157)、配列番号165(NMS−162)、配列番号166(NMS−163)、配列番号167(NMS−164)、配列番号168(NMS−166)、配列番号169(NMS−167)、配列番号170(NMS−168)、配列番号171(NMS−169)、配列番号176(NMS−174)、配列番号177(NMS−175)、配列番号178(NMS−176)、配列番号179(NMS−177)、配列番号180(NMS−178)、配列番号183(NMS−181)、配列番号187(NMS−185)、配列番号189(NMS−188)、配列番号190(NMS−189)、配列番号191(NMS−190)、配列番号192(NMS−191)、配列番号193(NMS−192)、配列番号196(NMS−195)、配列番号199(NMS−198)、配列番号200(NMS−199)、配列番号201(NMS−200)、配列番号203(NMS−202)、配列番号204(NMS−203)、配列番号206(NMS−206)、配列番号208(NMS−208)、配列番号212(NMS−212)、配列番号213(NMS−213)、配列番号214(NMS−214)、配列番号215(NMS−215)、配列番号217(NMS−217)、配列番号225(NMS−225)、配列番号226(NMS−228)、配列番号228(NMS−230)、配列番号229(NMS−231)、配列番号231(NMS−233)、配列番号232(NMS−234)、配列番号233(NMS−235)、配列番号236(NMS−240)、配列番号237(NMS−241)、配列番号240(NMS−244)、配列番号243(NMS−247)、配列番号244(NMS−248)、配列番号245(NMS−249)、配列番号246(NMS−250)、配列番号247(NMS−251)、配列番号248(NMS−252)、配列番号252(NMS−256)、配列番号261(NMS−272)、配列番号273(NMS−284)、配列番号274(NMS−285)、配列番号275(NMS−286)および配列番号277(NMS−297)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる。
【0029】
本発明の別の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーAにおいて、前記(d)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号95(NMS−38)、配列番号96(NMS−39)、配列番号107(NMS−66)、配列番号223(NMS−223)、配列番号234(NMS−238)、配列番号235(NMS−239)、配列番号242(NMS−246)、配列番号249(NMS−253)、配列番号250(NMS−254)、配列番号251(NMS−255)、配列番号257(NMS−268)、配列番号(NMS−280)、配列番号(NMS−281)、配列番号(NMS−282)、配列番号(NMS−288)、配列番号(NMS−289)、配列番号(NMS−290)、配列番号(NMS−292)、配列番号(NMS−293)、配列番号(NMS−294)、配列番号(NMS−295)、配列番号(NMS−298)、配列番号(NMS−299)、配列番号(NMS−300)、配列番号(NMS−302)および配列番号(NMS−303)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる。
【0030】
本発明の特に好ましい態様のアンチセンスオリゴマーAにおいて、前記(c)または(e)のアンチセンスオリゴマーが、配列番号171(NMS−169)、配列番号192(NMS−191)、配列番号245(NMS−249)、および配列番号231(NMS−233)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる。
【0031】
「マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンのスキッピングを可能にする」とは、ヒトマイオスタチン遺伝子の転写物(例えば、pre−mRNA)に本発明のアンチセンスオリゴマーAが結合することにより、該転写物がスプライシングを受けた際に、第2番目のエクソンの全部または一部を欠損し、マイオスタチンの機能を有しない変異マイオスタチンをコードする成熟mRNAが形成されることを意味する。
本発明のアンチセンスオリゴマーAは、マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンのスキッピングを可能にする限り、ターゲット配列に対して100%相補的な塩基配列を有していなくてもよい。例えば、本発明のオリゴマーBには、ターゲット配列に対して、1〜3個、1〜2個又は1個の非相補的塩基が含まれていてもよい。
ここで、前記「結合」は、本発明のアンチセンスオリゴマーAとマイオスタチン遺伝子の転写物とを混合した場合に、生理的条件下で両者がハイブリダイズして二本鎖を形成することを意味する。上記「生理的条件下」とは、生体内と類似のpH、塩組成、温度に調節された条件を意味する。例えば、25〜40℃、好ましくは37℃、pH5〜8、好ましくは、pH7.4であって、塩化ナトリウム濃度が150mMの条件が挙げられる。
【0032】
スキッピング効率については、後述の通りである。
【0033】
本発明のアンチセンスオリゴマーAは、オリゴヌクレオチド、モルホリノオリゴマー又はペプチド核酸オリゴマーであってよい。オリゴヌクレオチド、モルホリノオリゴマー又はペプチド核酸オリゴマーについては、後述の通りである。
【0034】
1.2.本発明のアンチセンスオリゴマーB
本発明のアンチセンスオリゴマーBは、以下の(A)〜(H)からなる群より選択されるいずれか1つのアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物である。
(A)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(B)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第145番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(C)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(D)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(E)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(F)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第162番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(G)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第195番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー;及び
(H)マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
【0035】
より好ましい態様の本発明のアンチセンスオリゴマーBは、以下の(I)〜(L)からなる群より選択されるいずれか1つのアンチセンスオリゴマー又はその医薬的に許容可能な塩若しくは水和物である。
(I)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
(J)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第140番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマーであって、前記14〜30塩基長のヌクレオチド配列の3’末端の塩基が前記第2番目のエクソンの5’末端から第140番目の塩基であるアンチセンスオリゴマー
(K)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー;及び
(L)ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列から選択される連続する14〜30塩基長のヌクレオチド配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンスオリゴマー
【0036】
本発明のアンチセンスオリゴマーBにおいて、「遺伝子」には、ゲノム遺伝子以外に、cDNA、mRNA前駆体及びmRNAも含まれる。好ましくは、遺伝子は、mRNA前駆体、即ち、pre−mRNAである。
マイオスタチン遺伝子の転写物であるpre−mRNAは、3つのエクソンと2つのイントロンを、(5’末端)第1番目のエクソン−第1番目のイントロン−第2番目のエクソン−第2番目のイントロン−第3番目のエクソン(3’末端)の順で含む。pre−mRNAは、スプライシングを受けて成熟mRNAを生成する。ヒト及びマウスの野生型マイオスタチン遺伝子の塩基配列は公知である(RefSeq Accession No.NM_005259(ヒト);及びRefSeq Accession No.NM_010834(マウス))。野生型マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの塩基配列は次の通りである。
【0037】
第2番目のエクソン(ヒト) :配列番号323;及び
第2番目のエクソン(マウス):配列番号324;
【0038】
第2番目のエクソン(ヒト)の5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列を、配列番号325に示す。
第2番目のエクソン(マウス)の5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列を、配列番号326に示す。
【0039】
前記(A)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列」を、配列番号327に示す。
前記(B)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第145番目のヌクレオチド配列」を、配列番号328に示す。
前記(C)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列」を、配列番号329に示す。
前記(D)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列」を、配列番号330に示す。
前記(E)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列」を、配列番号331に示す。
前記(F)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第162番目のヌクレオチド配列」を、配列番号332に示す。
前記(G)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第195番目のヌクレオチド配列」を、配列番号333に示す。
前記(H)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列」を、配列番号334に示す。
前記(I)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列」を、配列番号335に示す。
前記(J)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第140番目のヌクレオチド配列」を、配列番号336に示す。
前記(K)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列」を、配列番号362に示す。
前記(L)のアンチセンスオリゴマーにおいて、「ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列」を、配列番号363に示す。
【0040】
本発明のアンチセンスオリゴマーBは、マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンのスキッピングにより、マイオスタチン遺伝子でコードされるタンパク質を、マイオスタチンの機能を有しない変異タンパク質に改変することを目的として作製されたものである。「マイオスタチンの機能」とは、例えば、骨格筋量を負に制御する機能または活性である。本発明のアンチセンスオリゴマーBのエクソンスキッピングの対象となるマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンには、野生型だけではなく、変異型も含まれる。
変異型のマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン又はその一部は、具体的には、以下の(a)又は(b)に記載のポリヌクレオチドである。
(a)配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号325(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号327(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号328(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第145番目のヌクレオチド配列)、配列番号329(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号330(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号335(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号336(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号362(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号363(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号326(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号331(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号332(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第162番目のヌクレオチド配列)配列番号333(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第195番目のヌクレオチド配列)及び配列番号334(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド;
(b)配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号325(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号327(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号328(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第145番目のヌクレオチド配列)、配列番号329(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号330(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号335(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号336(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号362(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号363(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号326(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号331(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号332(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第162番目のヌクレオチド配列)配列番号333(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第195番目のヌクレオチド配列)及び配列番号334(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列に対して、90%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチド
本明細書中、「ポリヌクレオチド」とは、DNA又はRNAを意味する。
本明細書中、「相補的な塩基配列」とは、対象となる塩基配列とワトソン・クリック対を形成する塩基配列に限定されるものではなく、揺らぎ塩基対(Wobble base pair)を形成する塩基配列も含む。ここで、ワトソン・クリック対とは、アデニン−チミン、アデニン−ウラシル及びグアニン−シトシン間に水素結合が形成される塩基対を意味し、揺らぎ塩基対とは、グアニン−ウラシル、イノシン−ウラシル、イノシン−アデニン及びイノシン−シトシン間に水素結合が形成される塩基対を意味する。また、「相補的な塩基配列」とは、対象となる塩基配列と100%の相補性を有していなくてもよく、例えば、対象となる塩基配列に対して、1〜3個、1〜2個又は1個の非相補的塩基が含まれていてもよい。
【0041】
本明細書中、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド」とは、例えば、配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号325(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号327(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号328(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第145番目のヌクレオチド配列)、配列番号329(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号330(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号335(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号336(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号362(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号363(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号326(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号331(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号332(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第162番目のヌクレオチド配列)配列番号333(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第195番目のヌクレオチド配列)及び配列番号334(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドの全部又は一部をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法又はサザンハイブリダイゼーション法などを用いることにより得られるアンチセンスオリゴマーをいう。ハイブリダイゼーションの方法としては、例えば、“Sambrook & Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Fourth Edition),Cold Spring Harbor, Laboratory Press 2012”、“Ausubel, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons 1987−1997”などに記載されている方法を利用することができる。
本明細書中、「ストリンジェントな条件」とは、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件及び高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」とは、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。また、「中ストリンジェントな条件」とは、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃又は5×SSC、1%SDS、50mMTris−HCl(pH7.5)、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」とは、例えば、(1)5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃、(2)0.2 x SSC、0.1%SDS、60℃、(3)0.2xSSC、0.1%SDS、62℃、(4)0.2xSSC、0.1%SDS、65℃、又は(5)0.1xSSC、0.1%SDS、65℃の条件であるが、これに限定されるものではない。これらの条件において、温度を上げるほど高い配列同一性を有するアンチセンスオリゴマーが効率的に得られることが期待できる。ただし、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度、プローブ濃度、プローブの長さ、イオン強度、時間、塩濃度等の複数の要素が考えられ、当業者であればこれらの要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
なお、ハイブリダイゼーションに市販のキットを用いる場合は、例えばAlkphos Direct Labelling and Detection System(GE Healthcare)を用いることができる。この場合は、キットに添付のプロトコルにしたがい、標識したプローブとのインキュベーションを一晩行った後、メンブレンを55℃の条件下で0.1%(w/v)SDSを含む1次洗浄バッファーで洗浄後、ハイブリダイズしたアンチセンスオリゴマーを検出することができる。あるいは、配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号325(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号327(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号328(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第145番目のヌクレオチド配列)、配列番号329(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号330(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号335(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号336(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号362(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号363(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号326(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号331(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号332(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第162番目のヌクレオチド配列)配列番号333(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第195番目のヌクレオチド配列)及び配列番号334(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列と相補的な塩基配列の全部又は一部に基づいてプローブを作製する際に、市販の試薬(例えば、PCRラベリングミックス(ロシュ・ダイアグノスティクス社)等)を用いて該プローブをジゴキシゲニン(DIG)ラベルした場合には、DIG核酸検出キット(ロシュ・ダイアグノスティクス社)を用いてハイブリダイゼーションを検出することができる。
【0042】
上記以外にハイブリダイズ可能なアンチセンスオリゴマーとしては、BLASTの相同性検索ソフトウェアにより、デフォルトのパラメーターを用いて計算したときに、配列番号323(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号325(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号327(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第45番目のヌクレオチド配列)、配列番号328(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第91番目〜第145番目のヌクレオチド配列)、配列番号329(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号330(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号335(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号336(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第140番目のヌクレオチド配列)、配列番号362(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第146番目〜第180番目のヌクレオチド配列)、配列番号363(ヒトマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)、配列番号324(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソン)、配列番号326(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜3’末端のヌクレオチド配列)、配列番号331(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第−10番目〜第31番目のヌクレオチド配列)、配列番号332(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第111番目〜第162番目のヌクレオチド配列)配列番号333(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第166番目〜第195番目のヌクレオチド配列)及び配列番号334(マウスマイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンの5’末端から第331番目〜第374番目のヌクレオチド配列)からなる群より選択されるいずれかの塩基配列と90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.1%以上、99.2%以上、99.3%以上、99.4%以上、99.5%以上、99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、又は99.9%以上の同一性を有するポリヌクレオチドをあげることができる。
なお、塩基配列の同一性は、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 872264−2268,1990;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 5873,1993)を用いて決定できる。BLASTを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。
【0043】
「マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンのスキッピングを可能にする」とは、ヒトマイオスタチン遺伝子の転写物(例えば、pre−mRNA)に本発明のアンチセンスオリゴマーBが結合することにより、該転写物がスプライシングを受けた際に、第2番目のエクソンの全部または一部を欠損し、マイオスタチンの機能を有しない変異マイオスタチンをコードする成熟mRNAが形成されることを意味する。
本発明のアンチセンスオリゴマーBは、マイオスタチン遺伝子の第2番目のエクソンのスキッピングを可能にする限り、ターゲット配列に対して100%相補的な塩基配列を有していなくてもよい。例えば、本発明のアンチセンスオリゴマーBには、ターゲット配列に対して、1〜3個、1〜2個又は1個の非相補的塩基が含まれていてもよい。
ここで、前記「結合」は、本発明のアンチセンスオリゴマーBとマイオスタチン遺伝子の転写物とを混合した場合に、生理的条件下で両者がハイブリダイズして二本鎖を形成することを意味する。上記「生理的条件下」とは、生体内と類似のpH、塩組成、温度に調節された条件を意味する。例えば、25〜40℃、好ましくは37℃、pH5〜8、好ましくは、pH7.4であって、塩化ナトリウム濃度が150mMの条件が挙げられる。
【0044】
本発明の別の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーBにおいて、前記(A)のアンチセンスオリゴマーは、配列番号13(NMS−17)、配列番号76(NMS−138)、配列番号68(NMS−120)、配列番号75(NMS−137)、配列番号51(NMS−76)、配列番号52(NMS−79)、配列番号54(NMS−81)、配列番号55(NMS−82)、配列番号56(NMS−83)、配列番号53(NMS−80)、配列番号33(NMS−49)、配列番号63(NMS−114)、配列番号69(NMS−124)、配列番号70(NMS−125)、配列番号61(NMS−110)、配列番号31(NMS−46)、配列番号34(NMS−50)、配列番号50(NMS−75)、配列番号45(NMS−67)及び配列番号64(NMS−115)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる。

本発明の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーBにおいて、前記(B)のアンチセンスオリゴマーは、配列番号3(NMS−6)、配列番号66(NMS−118)、配列番号67(NMS−119)、配列番号28(NMS−33)、配列番号72(NMS−127)、配列番号16(NMS−20)、配列番号82(NMS−187)及び配列番号25(NMS−30)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる。
【0045】
本発明の別の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーBにおいて、前記(C)のアンチセンスオリゴマーは、配列番号12(NMS−16)の塩基配列からなる。
【0046】
本発明の別の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーBにおいて、前記(D)のアンチセンスオリゴマーは、配列番号4(NMS−7)の塩基配列からなる。
【0047】
本発明のさらに別の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーBにおいて、前記(E)のアンチセンスオリゴマーは、配列番号90(NMS−51)の塩基配列からなる。
【0048】
本発明のさらに別の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーBにおいて、前記(F)のアンチセンスオリゴマーは、配列番号91(NMS−52)、配列番号28(NMS−33)及び配列番号25(NMS−30)、配列番号41(NMS−61)、配列番号24(NMS−29)、配列番号42(NMS−62)、配列番号43(NMS−63)、配列番号11(NMS−15)、配列番号67(NMS−119)、配列番号80(NMS−161)及び配列番号82(NMS−187)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる。
【0049】
本発明のさらに別の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーBにおいて、前記(G)のアンチセンスオリゴマーは、配列番号7(NMS−10)の塩基配列からなる。
【0050】
本発明のさらに別の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーBにおいて、前記(H)のアンチセンスオリゴマーは、配列番号4(NMS−7)、配列番号9(NMS−12)、配列番号10(NMS−14)及び配列番号14(NMS−18)からなる群より選択されるいずれか1つの塩基配列からなる。
【0051】
スキッピング効率については、後述の通りである。
【0052】
本発明のアンチセンスオリゴマーBは、オリゴヌクレオチド、モルホリノオリゴマー又はペプチド核酸オリゴマーであってよい。オリゴヌクレオチド、モルホリノオリゴマー又はペプチド核酸オリゴマーについては、後述の通りである。
【0053】
1.3.スキッピング効率
マイオスタチン遺伝子のエクソンスキッピングが生じたか否かは、マイオスタチン発現細胞(例えば、ヒト横紋筋肉腫細胞)に本発明のアンチセンスオリゴマーを導入し、前記マイオスタチン発現細胞のtotal RNAから、マイオスタチン遺伝子のmRNAのエクソンの周辺領域をRT−PCR増幅し、該PCR増幅産物に対してnested PCR又はシークエンス解析を行うことにより確認することができる。
スキッピング効率は、マイオスタチン遺伝子のmRNAを被検細胞から回収し、該mRNAのうち、エクソンスキップしたバンドのポリヌクレオチド量「A」と、エクソンスキップしなかったバンドのポリヌクレオチド量「B」を測定し、これら「A」及び「B」の測定値に基づき、以下の式に従って計算することができる。

スキッピング効率(%)={A/(A+B)}x100

本発明の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーは、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上の効率でエクソンスキッピングする。
スキッピング効率の計算については、国際公開公報第2012/029986号を参照することができる。
【0054】
1.4.オリゴヌクレオチド、モルホリノオリゴマー又はペプチド核酸オリゴマー
本発明のアンチセンスオリゴマーとしては、例えば、14〜30塩基の長さを有する、オリゴヌクレオチド、モルホリノオリゴマー、又はペプチド核酸(Peptide Nucleic Acid:PNA)オリゴマーを挙げることができる。15〜29塩基、16〜28塩基、17〜27塩基、又は18〜26塩基の長さが好ましく、モルホリノオリゴマーが好ましい。
前記オリゴヌクレオチド(以下、「本発明のオリゴヌクレオチド」という)は、ヌクレオチドを構成単位とする本発明のアンチセンスオリゴマーであり、かかるヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドのいずれであってもよい。
修飾ヌクレオチドとは、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドを構成する核酸塩基、糖部分、及びリン酸結合部分の全部又は一部が修飾されているものをいう。
本発明において、核酸塩基としては、例えば、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、シトシン、チミン、ウラシル又はそれらの修飾塩基を挙げることができる。かかる修飾塩基としては、例えば、シュードウラシル、3−メチルウラシル,ジヒドロウラシル、5−アルキルシトシン(例えば、5−メチルシトシン)、5−アルキルウラシル(例えば、5−エチルウラシル)、5−ハロウラシル(5−ブロモウラシル)、6−アザピリミジン、6−アルキルピリミジン(6−メチルウラシル)、2−チオウラシル、4−チオウラシル、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル) ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、1−メチルアデニン、1−メチルヒポキサンチン、2,2−ジメチルグアニン、3−メチルシトシン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メチルカルボニルメチルウラシル、5−メチルオキシウラシル、5−メチル−2−チオウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸、2−チオシトシン、プリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノプリン、イソグアニン、インドール、イミダゾール、キサンチン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
糖部分の修飾としては、例えば、リボースの2’位の修飾及び糖のその他の部分の修飾を挙げることができる。リボースの2’位の修飾としては、例えば、リボースの2’位の−OH基をOR、R、R’OR、SH、SR、NH、NHR、NR、N、CN、F、Cl、Br、Iに置換する修飾を挙げることができる。ここで、Rはアルキル又はアリールを表す。R’はアルキレンを表す。
糖のその他の部分の修飾としては、例えば、リボース又はデオキシリボースの4’位のOをSに置換したもの、糖の 2’ 位と 4’ 位を架橋したもの、例えば、LNA(Locked Nucleic Acid)又はENA(2’−O,4’−C−Ethylene−bridged Nucleic Acids)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
リン酸結合部分の修飾としては、例えば、ホスホジエステル結合をホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、アルキルホスホネート結合、ホスホロアミデート結合、ボラノフォスフェート結合(Enya et al: Bioorganic & Medicinal Chemistry ,2008, 18, 9154−9160 )に置換する修飾を挙げることができる(例えば、特許再公表公報第2006/129594号及び第2006/038608号を参照)。
本発明において、アルキルとしては、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルキルが好ましい。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルが挙げられる。当該アルキルは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが1〜3個置換されていてもよい。
本発明において、シクロアルキルとしては、炭素数5〜12のシクロアルキルが好ましい。具体的には、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシルが挙げられる。
本発明において、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
アルコキシとしては、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ等を挙げることができる。とりわけ、炭素数1〜3のアルコキシが好ましい。
本発明において、アリールとしては、炭素数6〜10のアリールが好ましい。具体的には、例えば、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルを挙げることができる。とりわけフェニルが好ましい。当該アリールは置換されていてもよく、かかる置換基としては、例えば、アルキル、ハロゲン、アルコキシ、シアノ、ニトロを挙げることができ、これらが1〜3個置換されていてもよい。
本発明において、アルキレンとしては、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルキレンが好ましい。具体的には、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、2−(エチル)トリメチレン、1−(メチル)テトラメチレンを挙げることができる。
本発明において、アシルとしては、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルカノイル、又はアロイルを挙げることができる。アルカノイルとしては、例えば、ホルミル、アセチル、2−メチルアセチル、2,2−ジメチルアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、2,2−ジメチルプロピオニル、ヘキサノイル等が挙げられる。アロイルとしては、例えば、ベンゾイル、トルオイル、ナフトイルを挙げることができる。かかるアロイルは置換可能な位置において置換されていてもよく、アルキルで置換されていてもよい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、リボースの2’位の−OH基がメトキシで置換され、リン酸結合部分がホスホロチオエート結合である、下記一般式で表される基を構成単位とする本発明のアンチセンスオリゴマーである。
【化4】
(式中、Baseは、核酸塩基を表す。)
【0055】
本発明のオリゴヌクレオチドは、各種自動合成装置(例えば、FOCUS(Aapptec)、AKTA oligopilot plus 10/100(GE Healthcare))を用いて容易に合成することが可能であり、あるいは、第三者機関(例えば、Promega社、Takara社、又は日本バイオサービス社)等に委託して作製することもできる。
【0056】
本発明のモルホリノオリゴマーは、下記一般式で表される基を構成単位とする本発明のアンチセンスオリゴマーである。
【化5】
(式中、Baseは、前記と同義であり;
Wは、以下のいずれかの式で表わされる基を表す。
【化6】
(式中、Xは、−CH、−O−CH、−S−CH、−NR又はFを表し;
は、H、アルキルを表し;
及びRは、同一又は異なって、H、アルキル、シクロアルキル、又は、アリールを表し;
は、0、S、CH又はNRを表し;
は、0、S又はNRを表し;
Zは、0又はSを表す。))
モルホリノオリゴマーは、好ましくは、以下の式で表わされる基を構成単位とするオリゴマー(ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(以下、「PMO」という))である。
【化7】
(式中、Base、R、Rは、前記と同義である。)
モルホリノオリゴマーは、例えば、国際公開公報第1991/009033号、又は国際公開公報第2009/064471号に従って製造することができる。特に、PMOは、国際公開公報第2009/064471号に記載の方法に従って製造するか、又は以下に示す方法に従って製造することができる。
【0057】
[PMOの製法]
PMOの1つの態様として、例えば、次の一般式(I)で表される化合物(以下、PMO(I)という。)を挙げることができる。
【化8】
[式中、各Base、R、Rは、前記と同義であり;
nは、1〜99の範囲内にある任意の整数であり、好ましくは、13〜29 、14〜28又は15〜27、16〜26、17〜25の範囲内にある任意の整数である。]
PMO(I)は、公知の方法に従い製造することができるが、例えば、下記工程の操作を実施することにより製造することができる。
下記工程に使用されている化合物及び試薬は、PMOの製造に一般的に使用されているものであれば特に限定されない。
また、下記のすべての工程は、液相法又は固相法(マニュアル又は市販の固相自動合成機を用いる)で実施することができる。固相法でPMOを製造する場合、操作手順の簡便化及び合成の正確性の点から自動合成機を用いる方法が望ましい。
【0058】
(1)工程A:
次の一般式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)という。)に酸を作用させることによって、次の一般式(III)で表される化合物(以下、化合物(III)という。)を製造する工程。
【化9】
[式中、n、R、Rは、前記と同義であり;
各Bは,独立して、保護されていてもよい核酸塩基を表し;
Tは、トリチル基、モノメトキシトリチル基、又はジメトキシトリチル基を表し;
Lは、水素、アシル、又は次の一般式(IV)で表される基(以下、基(IV)という。)を表す。]
【化10】
【0059】
に係る「核酸塩基」としては、Baseと同じ「核酸塩基」を挙げることができる。但し、Bに係る核酸塩基のアミノ基又は水酸基は保護されていてもよい。
かかるアミノ基の保護基としては、核酸の保護基として使用されるものであれば特に制限されず、具体的には、例えば、ベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、フェニルアセチル、フェノキシアセチル、4−tert−ブチルフェノキシアセチル、4−イソプロピルフェノキシアセチル、(ジメチルアミノ)メチレンを挙げることができる。水酸基の保護基としては、例えば、2−シアノエチル、4−ニトロフェネチル、フェニルスルホニルエチル、メチルスルホニルエチル、トリメチルシリルエチル、置換可能な任意の位置で1〜5個の電子吸引性基で置換されていてもよいフェニル、ジフェニルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、メチルフェニルカルバモイル、1−ピロリジニルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、4−(tert−ブチルカルボキシ)ベンジル、4−[(ジメチルアミノ)カルボキシ]ベンジル、4−(フェニルカルボキシ)ベンジルを挙げることができる(例えば、国際公開公報第2009/064471号公報参照)。
「固相担体」としては、核酸の固相反応に使用しうる担体であれば特に制限されないが、例えば、(i)モルホリノ核酸誘導体の合成に使用しうる試薬(例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラゾール、N−メチルイミダゾール、ピリジン、無水酢酸、ルチジン、トリフルオロ酢酸)にほとんど溶解せず、(ii)モルホリノ核酸誘導体の合成に使用しうる試薬に対して化学的に安定であり、(iii)化学修飾ができ、(iv)望ましいモルホリノ核酸誘導体の装填ができ、(v)処理中にかかる高圧に耐える十分な強度をもち、(vi)一定の粒径範囲と分布であるものが望ましい。具体的には、膨潤性ポリスチレン(例えば、アミノメチルポリスチレン樹脂 1%ジビニルベンゼン架橋(200〜400メッシュ)(2.4〜3.0mmol/g)(東京化成社製)、Aminomethylated Polystyrene Resin・HCl[ジビニルベンゼン1%,100〜200メッシュ](ペプチド研究所社製))、非膨潤性ポリスチレン(例えば、Primer Support(GE Healthcare社製))、PEG鎖結合型ポリスチレン(例えば、NH−PEG resin(渡辺化学社製)、TentaGel resin)、定孔ガラス(controlled pore glass;CPG)(例えば、CPG社製)、オキサリル化−定孔ガラス(例えば、Alulら,Nucleic Acids Research,Vol.19,1527(1991)を参照)、TentaGel支持体−アミノポリエチレングリコール誘導体化支持体(例えば、Wrightら,Tetrahedron Letters,Vol.34,3373(1993)を参照)、Poros−ポリスチレン/ジビニルベンゼンのコポリマーを挙げることができる。
「リンカー」としては、通常核酸やモルホリノ核酸誘導体を連結するために使用される公知のものを用いることができるが、例えば、3−アミノプロピル、スクシニル、2,2’−ジエタノールスルホニル、ロングチェーンアルキルアミノ(LCAA)を挙げることができる。
本工程は、化合物(II)に酸を作用させることにより実施することができる。
本工程に使用しうる「酸」としては、例えば、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸又はトリクロロ酢酸を挙げることができる。酸の使用量としては、例えば、化合物(II)1モルに対して0.1モル当量〜1000モル当量の範囲内が適当であり、好ましくは1モル当量〜100モル当量の範囲内である。
また、前記酸と一緒に、有機アミンを使用することができる。有機アミンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチルアミンを挙げることができる。有機アミンの使用量は、例えば、酸1モルに対して、0.01モル当量〜10モル当量の範囲内が適当であり、好ましくは、0.1モル当量〜2モル当量の範囲内である。
本工程において酸と有機アミンとの塩又は混合物を使用する場合には、例えば、トリフルオロ酢酸とトリエチルアミンの塩又は混合物を挙げることができ、より具体的には、トリフルオロ酢酸2当量に対してトリエチルアミン1当量を混合したものを挙げることができる。
本工程に使用しうる酸は、0.1%〜30%の範囲内の濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)、水又はこれらの混合物を挙げることができる。
上記反応における反応温度は、例えば、10℃〜50℃の範囲内が好ましく、より好ましくは、20℃〜40℃の範囲内であり、さらに好ましくは、25℃〜35℃の範囲内である。
反応時間は、使用する酸の種類、反応温度によって異なるが、通常0.1分〜24時間の範囲内が適当である。好ましくは、1分〜5時間の範囲内である。
また、本工程が終了した後、必要に応じて、系中に存在する酸を中和するために塩基を添加することができる。「塩基」としては、特に限定されないが、例えば、ジイソプロピルアミンが挙げられる。塩基は、0.1%(v/v)〜30%(v/v)の範囲内の濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することもできる。
本工程に用いる溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、ジクロロメタン、アセトニトリル、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)、水又はこれらの混合物を挙げることができる。反応温度は、例えば、10℃〜50℃の範囲内が好ましく、より好ましくは、20℃〜40℃の範囲内であり、さらに好ましくは、25℃〜35℃の範囲内である。
反応時間は、使用する塩基の種類、反応温度によって異なるが、通常0.1分〜24時間の範囲内が適当であり、好ましくは、1分〜5時間の範囲内である。
【0060】
なお、化合物(II)において、n=1であって、Lが基(IV)である、次の一般式(IIa)で表される化合物(以下、化合物(IIa)という。)は、以下の方法に従って製造することができる。
【化11】
[式中、B、T、リンカー、固相担体は、前記と同義である。]
【0061】
工程1:
次の一般式(V)で表される化合物にアシル化剤を作用させることによって、次の一般式(VI)で表される化合物(以下、化合物(VI)という。)を製造する工程。
【化12】
[式中、B、T、リンカーは、前記と同義であり;
は、水酸基、ハロゲン、カルボキシル基、又は、アミノを表す。]
本工程は、化合物(V)を出発原料として、公知のリンカーの導入反応により実施することができる。
特に、次の一般式(VIa)で表される化合物は、化合物(V)と無水コハク酸とを用いてエステル化反応として知られた方法を実施することにより製造することができる。
【化13】
[式中、B、Tは、前記と同義である。]
【0062】
工程2:
化合物(VI)に縮合剤等を作用させることによって、固相担体と反応させ、化合物(IIa)を製造する工程。
【化14】
[式中、B、R、T、リンカー、固相担体は、前記と同義である。]
本工程は、化合物(VI)と固相担体とを用いて縮合反応として知られた方法により製造することができる。
化合物(II)において、n=2〜99(好ましくは13〜29 、14〜28、15〜27、16〜26又は17〜25の範囲内にある任意の整数である)であって、Lが基(IV)である、次の一般式(IIa2)で表される化合物は、化合物(IIa)を出発原料とし、本明細書に記載のPMOの製法にかかる工程A及び工程Bを所望の回数繰り返し実施することにより製造することができる。
【化15】
[式中、B、R、R、T、リンカー、固相担体は、前記と同義であり;
n’は、1〜98(特定の態様ではn’は、1〜28、1〜27、1〜26、1〜25、1〜24)を表す。]
【0063】
(2)工程B:
化合物(III)に塩基存在下にモルホリノモノマー化合物を作用させることによって、次の一般式(VII)で表される化合物(以下、化合物(VII)という。)を製造する工程。
【化16】
[式中、各B、L、n、R、R、Tは、前記と同義である。]
本工程は、化合物(III)に塩基存在下にモルホリノモノマー化合物を作用させることにより実施することができる。
モルホリノモノマー化合物としては、例えば、次の一般式(VIII)で表される化合物を挙げることができる。
【化17】
[式中、B、R、R、Tは前記と同義である。]
本工程に使用しうる「塩基」としては、例えば、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、又は、N−エチルモルホリンを挙げることができる。塩基の使用量としては、例えば、化合物(III)1モルに対して、1モル当量〜1000モル当量の範囲内が適当であり、好ましくは10モル当量〜100モル当量の範囲内である。
本工程に使用しうるモルホリノモノマー化合物および塩基は、0.1%〜30%の濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルイミダゾリドン、N−メチルピペリドン、DMF、ジクロロメタン、アセトニトリル、テロラヒドロフラン、又はこれらの混合物を挙げることができる。
反応温度は、例えば、0℃〜100℃の範囲内が好ましく、より好ましくは、10℃〜50℃の範囲内である。
反応時間は、使用する塩基の種類、反応温度によって異なるが、通常1分〜48時間の範囲内が適当であり、好ましくは、30分〜24時間の範囲内である。
さらに本工程の終了後、必要に応じて、アシル化剤を添加することができる。「アシル化剤」としては、例えば、無水酢酸、酢酸クロライド、フェノキシ酢酸無水物を挙げることができる。アシル化剤は、例えば、0.1%〜30%の範囲内の濃度になるように適当な溶媒で希釈して使用することもできる。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)、水又はこれらの混合物を挙げることができる。
また、必要であれば、アシル化剤と一緒に、例えば、ピリジン、ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチルモルホリン等の塩基を使用することができる。アシル化剤の使用量としては、0.1モル当量〜10000モル当量の範囲内が好ましく、1モル当量〜1000モル当量の範囲内がより好ましい。塩基の使用量としては、例えば、アシル化剤1モルに対して、0.1モル当量〜100モル当量の範囲内が適当であり、好ましくは1モル当量〜10モル当量の範囲内である。
本反応の反応温度は、10℃〜50℃の範囲内が好ましく、より好ましくは、10℃〜50℃の範囲内が好ましく、より好ましくは、20℃〜40℃の範囲内であり、さらに好ましくは、25℃〜35℃の範囲内である。反応時間は、例えば、使用するアシル化剤の種類、反応温度によって異なるが、通常0.1分〜24時間の範囲内が適当であり、好ましくは、1分から5時間の範囲内である。
【0064】
(3)工程C:
工程Bにおいて製造される化合物(VII)において、脱保護剤を用いて保護基を脱離し、一般式(IX)で表される化合物を製造する工程。
【化18】
[式中、Base、B、L、n、R、R、Tは、前記と同義である。]
本工程は、化合物(VII)に脱保護剤を作用させることにより実施することができる。
「脱保護剤」としては、例えば、濃アンモニア水、メチルアミンを挙げることができる。本工程に使用しうる「脱保護剤」は、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、N,N−ジメチルイミダゾリドン、N−メチルピペリドン又はこれらの混合溶媒で希釈して使用することもできる。なかでも、エタノールが好ましい。脱保護剤の使用量としては、例えば、化合物(VII)1モルに対して、例えば、1モル当量〜100000モル当量の範囲内が適当であり、好ましくは10モル当量〜1000モル当量の範囲内である。
反応温度は、例えば、15℃〜75℃の範囲内が適当であり、好ましくは40℃〜70℃の範囲内であり、より好ましくは50℃〜60℃の範囲内である。脱保護反応時間は、化合物(VII)の種類、反応温度等によって異なるが、10分〜30時間の範囲内が適当であり、好ましくは30分〜24時間の範囲内であり、より好ましくは5時間〜20時間の範囲内である。
【0065】
(4)工程D:
工程Cにおいて製造される化合物(IX)に酸を作用させることによって、PMO(I)を製造する工程。
【化19】
[式中、Base、n、R、R、Tは、前記と同義である。]
本工程は、化合物(IX)に酸を加えることによって実施することができる。
本工程において使用しうる「酸」としては、例えば、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、酢酸、リン酸及び塩酸等を挙げることができる。酸の使用量としては、例えば、溶液のpHが0.1〜4.0の範囲内になるように使用するのが適当であり、より好ましくは1.0〜3.0の範囲内になるように使用する。溶媒としては、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、水、又はこれらの混合溶媒を挙げることができる。
反応温度は、10℃〜50℃の範囲内が好ましく、より好ましくは、20℃〜40℃の範囲内であり、さらに好ましくは、25℃〜35℃の範囲内である。脱保護反応時間は、化合物(IX)の種類、反応温度等によって異なるが、0.1分〜5時間の範囲内が適当であり、好ましくは1分〜1時間の範囲内であり、より好ましくは1分〜30分の範囲内である。
PMO(I)は、本工程で得られた反応混合物から通常の分離精製手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、遠心分離、再結晶、CからC18の逆相カラムクロマトグラフィー、陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、透析、限界ろ過などの手段を単独若しくは組み合わせて用いることにより得ることができ、所望のPMO(I)を単離精製することができる(例えば、国際公開公報WO1991/09033を参照)。
逆相クロマトグラフィーを用いてPMO(I)を精製する場合には、溶出溶媒として、例えば20mMのトリエチルアミン/酢酸緩衝液とアセトニトリルの混合溶液を使用することができる。
また、イオン交換クロマトグラフィーを用いてPMO(I)を精製する場合には、例えば、1Mの食塩水と10mMの水酸化ナトリウム水溶液の混合溶液を使用することができる。
ペプチド核酸は、下記一般式で表される基を構成単位とする本発明のアンチセンスオリゴマーである。
【化20】
(式中、Baseは、前記と同義である。)
【0066】
ペプチド核酸は、例えば、以下の文献に従って製造することができる。
1)P.E.Nielsen,M.Egholm,R.H.Berg,O.Buchardt,Science,254,1497(1991)
2)M.Egholm,O.Buchardt,P.E.Nielsen,R.H.Berg,Jacs.,114,1895(1992)
3)K.L.Dueholm,M.Egholm,C.Behrens,L.Christensen,H.F.Hansen,T.Vulpius,K.H.Petersen,R.H.Berg,P.E.Nielsen,O.Buchardt,J.Org.Chem.,59,5767(1994)
4)L.Christensen,R.Fitzpatrick,B.Gildea,K.H.Petersen,H.F.Hansen,T.Koch,M.Egholm,O.Buchardt,P.E.Nielsen,J.Coull,R.H.Berg,J.Pept.Sci.,1,175(1995)
5)T.Koch,H.F.Hansen,P.Andersen,T.Larsen,H.G.Batz,K.Otteson,H.Orum,J.Pept.Res.,49,80(1997)
【0067】
また、本発明のアンチセンスオリゴマーは、5’末端が、下記化学式(1)〜(3)のいずれかの基であってもよい。好ましくは(3)−OHである。
【化21】
【0068】
2.医薬組成物
本発明の好ましい態様のアンチセンスオリゴマーは、エクソンスキッピング又はmRNAの分解を誘導することにより、マイオスタチンをmRNAレベルで阻害することを可能にする。従って、本発明の好ましい態様のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物を、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の予防又は治療を必要とする対象に投与することにより、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患を予防又は治療することができる。
本発明のいくつかの態様は、本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物を有効成分として含む医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」という)を提供する。本発明の医薬組成物は、好ましくは、肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病などの代謝障害、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患治療用である。筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患は、例えば、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィー、福山型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー等)、先天性ミオパチー、封入体筋炎等の筋原性の筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症等の神経原性の筋萎縮症、脳卒中による廃用症候群等の廃用性の筋萎縮症、癌悪液質、敗血症に伴う筋萎縮等の筋消耗性疾患、老化に伴う加齢性骨格筋減少症(加齢性サルコペニア)を含む各種サルコペニア等であり、好ましくは、筋ジストロフィーである。
本発明の別のいくつかの態様は、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の予防又は治療を必要とする対象に、治療的有効量の本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物を投与することを含む、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の予防又は治療方法を提供する。当該治療方法において、本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物は、本発明の医薬組成物の形態で対象に投与してよい。
本発明において、「対象」は、ヒトまたは非ヒト温血動物、例えばトリ、およびウシ、サル、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ブタ、イヌ、ウサギ、ヒツジ、ウマなどの非ヒト哺乳動物である。好ましくは、「対象」は、ヒトである。
本発明のさらに別のいくつかの態様は、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療用医薬組成物の製造における、本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物の使用を提供する。
本発明のさらに別のいくつかの態様は、筋萎縮性疾患または筋消耗性疾患の治療に使用するための本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物を提供する。
本発明の医薬組成物に含まれる本発明のアンチセンスオリゴマーの医薬的に許容可能な塩の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩などの金属塩;アンモニウム塩;t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機アミン塩;弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩;酢酸塩、リンゴ酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩;グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩などが挙げられる。これらの塩は、公知の方法で製造することができる。
本発明の医薬組成物に含まれる本発明のアンチセンスオリゴマーは、その水和物の形態にあってもよい。そのような水和物は、公知の方法で製造することができる。
本発明の医薬組成物の投与形態は、医薬的に許容可能な投与形態であれば特に制限されず、治療方法に応じて選択することができるが、筋組織への送達容易性の観点から、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経口投与、組織内投与、経皮投与等が好ましい。また、本発明の組成物が取り得る剤型としては、特に制限されないが、例えば、各種の注射剤、経口剤、点滴剤、吸入剤、軟膏剤、ローション剤等を挙げることができる。
本発明の医薬組成物は、該オリゴマーの筋組織への送達を促進する担体を含むことができる。このような担体は、医薬的に許容可能なものであれば特に制限されず、その例として、カチオン性リポソーム、カチオン性ポリマー等のカチオン性担体、またはウイルスエンベロープを利用した担体を挙げることができる。カチオン性リポソームとしては、例えば、2−O−(2−ジエチルアミノエチル)カルバモイル−1,3−O−ジオレオイルグリセロールとリン脂質とを必須構成成分として形成されるリポソーム(以下、「リポソームA」という)、オリゴフェクトアミン(登録商標)(Invitrogen社製)、リポフェクチン(登録商標)(Invitrogen社製)、リポフェクトアミン(登録商標)(Invitrogen社製)、Lipofectamine 2000(登録商標)(Invitrogen社製)、DMRIE−C(登録商標)(Invitrogen社製)、GeneSilencer(登録商標)(Gene Therapy Systems社製)、TransMessenger(登録商標)(QIAGEN社製)、TransIT TKO(登録商標)(Mirus社製)、Nucleofector II(Lonza)を挙げることができる。それらの中で、リポソームAが好ましい。カチオン性ポリマーとしては、例えば、JetSI(登録商標)(Qbiogene社製)、Jet−PEI(登録商標)(ポリエチレンイミン、Qbiogene社製)を挙げることができる。ウイルスエンベロープを利用した担体としては、例えば、GenomeOne(登録商標)(HVJ−Eリポソーム、石原産業社製)を挙げることができる。あるいは、特許2924179号に記載の医薬デバイス、特許再公表公報第2006/129594号及び特許再公表公報第2008/096690号に記載のカチオン性担体を用いることもできる。
詳細については、米国特許第4,235,871号、同第4,737,323号、国際公開公報第96/14057号、”New RRC,Liposomes:A practical approach,IRL Press,Oxford(1990)pages 33−104”等を参照することができる。
本発明の医薬組成物に含まれる本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物の濃度は、担体の種類等によって異なるが、0.1nM〜100μMの範囲内が適当であり、100nM〜10μMの範囲内が好ましい。また、本発明の医薬組成物に含まれる本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物と担体との重量比(担体/本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物)は、該オリゴマーの性質及び該担体の種類等によって異なるが、0.1〜100の範囲内が適当であり、0.1〜10の範囲内が好ましい。
本発明の医薬組成物には、本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物と上述した担体以外に、任意に医薬的に許容可能な添加剤を配合することができる。かかる添加剤として、例えば、乳化補助剤(例えば、炭素数6〜22の脂肪酸やその医薬的に許容可能な塩、アルブミン、デキストラン)、安定化剤(例えば、コレステロール、ホスファチジン酸)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、グルコース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース)、pH調整剤(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン)を挙げることができる。これらを一種又は二種以上使用することができる。本発明の医薬組成物中の当該添加剤の含有量は、90重量%以下が適当であり、70重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましい。
本発明の医薬組成物は、担体の分散液に本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物を加え、適当に攪拌することにより調製することができる。また、添加剤は、本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物の添加前でも添加後でも適当な工程で添加することができる。本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物を添加させる際に用い得る水性溶媒としては、医薬的に許容可能なものであれば特に制限されず、例えば、注射用水、注射用蒸留水、生理食塩水等の電解質液、ブドウ糖液、マルトース液等の糖液を挙げることができる。また、かかる場合のpH及び温度等の条件は、当業者が適宜選択することができる。
本発明の医薬組成物は、例えば、液剤やその凍結乾燥製剤とすることができる。当該凍結乾燥製剤は、常法により、液剤の形態を有している本発明の医薬組成物を凍結乾燥処理することにより調製することができる。例えば、液剤の形態を有している本発明の医薬組成物を適当な滅菌を行った後、所定量をバイアル瓶に分注し、約−40〜−20℃の条件で予備凍結を2時間程度行い、約0〜10℃で減圧下に一次乾燥を行い、次いで、約15〜25℃で減圧下に二次乾燥して凍結乾燥することができる。そして、一般的にはバイアル内部を窒素ガスで置換し、打栓して本発明の医薬組成物の凍結乾燥製剤を得ることができる。
本発明の医薬組成物の凍結乾燥製剤は、一般には任意の適当な溶液(再溶解液)の添加によって再溶解し使用することができる。このような再溶解液としては、注射用水、生理食塩水、その他一般輸液を挙げることができる。この再溶解液の液量は、用途等によって異なり特に制限されないが、凍結乾燥前の液量の0.5〜2倍量、又は500mL以下が適当である。
本発明の医薬組成物を投与する際の用量としては、含有される本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物の種類、剤形、年齢や体重等の対象の状態、投与経路、疾患の性質と程度を考慮した上で調製することが望ましいが、対象がヒトの場合、成人に対して本発明のアンチセンスオリゴマー、その医薬的に許容可能な塩又は水和物の量として、1日当たり0.1mg〜10g/ヒトの範囲内が、好ましくは1mg〜1g/ヒトの範囲内が一般的である。この数値は標的とする疾患の種類、投与形態、標的分子によっても異なる場合がある。従って、場合によってはこれ以下でも十分であるし、また逆にこれ以上の用量を必要とするときもある。また1日1回から数回の投与又は1日から数日間の間隔で投与することができる。
本発明の医薬組成物の別の態様として、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現し得るベクターと上述した担体とを含む医薬組成物を挙げることができる。かかる発現ベクターは、複数の本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現し得るものであってもよい。そのような医薬組成物には、前記と同様に、医薬的に許容可能な添加剤を添加することができる。当該医薬組成物中に含まれる発現ベクターの濃度は、担体の種類等によって異なるが、0.1nM〜100μMの範囲内が適当であり、100nM〜10μMの範囲内が好ましい。当該医薬組成物中に含まれる発現ベクターと担体との重量比(担体/発現ベクター)は、発現ベクターの性質、担体の種類等によって異なるが、0.1〜100の範囲内が適当であり、0.1〜10の範囲内が好ましい。また、当該医薬組成物中に含まれる担体の含有量は、前記と同様であり、その調製方法等に関しても、前記と同様である。
【0069】
尚、本明細書において引用した全ての文献、及び公開公報、特許公報、その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。
以下に、実施例を掲げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に示される範囲に限定されるものではない。
【実施例】
【0070】
以下に、実施例及び試験例を掲げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に示される範囲に限定されるものではない。
【0071】
[参考例1]
アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{[(2S,6R)−6−(5-メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸
工程1:4−{[(2S,6R)−6−(5-メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸の製造
アルゴン雰囲気下、1−[(2R,6S)−6−(ヒドロキシメチル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2,4−ジオン41.11gと4−ジメチルアミノピリジン(4−DMAP)15.58gをジクロロメタン850mLに懸濁し、無水コハク酸12.76gを加え、室温で3.5時間撹拌した。反応液にジクロロメタンと1Mのリン酸二水素ナトリウム水溶液を用いて抽出操作を行った。得られた有機層を1Mのリン酸二水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた固体にジクロロメタン600mLを加えて結晶化し、ろ過を行った。さらにジクロロメタン300mLを加えて5分間撹拌した後、ろ過および終夜減圧乾燥を行うことで、目的物50.2gを得た。
【0072】
工程2:アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{[(2S,6R)−6−(5-メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸の製造
4−{[(2S,6R)−6−(5-メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸50.2gをピリジン(脱水)600mLに溶解し、4−DMAP12.4g、1‐(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩77.6gを加えた。次いで、アミノポリスチレン樹脂:Aminomethyl resin (渡辺化学工業株式会社製、A00673、200-400mesh、1mmol/g、1%DVB)40.5g、トリエチルアミン69.6mLを加え、室温で4日間振とうした。反応後、樹脂をろ取した。得られた樹脂をピリジン、メタノール、ジクロロメタンの順で洗浄し、減圧乾燥した。得られた樹脂にテトラヒドロフラン(脱水)500mL、無水酢酸104mL、2,6−ルチジン128mLを加え、室温で4時間振とうした。樹脂をろ取し、ピリジン、メタノール、ジクロロメタンの順で洗浄し、減圧乾燥し、59.0gの目的物を得た。
当該目的物のローディング量は、公知の方法を用いて、樹脂1g当たりのトリチルのモル量を409nmにおけるUV吸光度を測定することにより決定した。樹脂のローディング量は、467.83μmol/gであった。
【0073】
UV測定条件
機器:U-2910(日立製作所)
溶媒:メタンスルホン酸
波長:409 nm
ε値:45000
【0074】
[参考例2]
アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{[(2S,6R)−6−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸
参考例1と同様の方法に従って、標記化合物を製造した。但し、参考例1の工程1で用いた1−[(2R,6S)−6−(ヒドロキシメチル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2,4−ジオンの代わりに、本工程では、N−{1−[(2R,6S)−6−(ヒドロキシメチル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル}ベンズアミドを使用した。
当該目的物のローディング量は、公知の方法を用いて、樹脂1g当たりのトリチルのモル量を409nmにおけるUV吸光度を測定することにより決定した。樹脂のローディング量は、460.28μmol/gであった。
【0075】
[参考例3]
アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{[(2S,6R)−6−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸
参考例1と同様の方法に従って、標記化合物を製造した。但し、参考例1の工程1で用いた1−[(2R,6S)−6−(ヒドロキシメチル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2,4−ジオンの代わりに、本工程では、N-{9-[(2R,6S)-6-(ヒドロキシメチル)-4-トリチルモルフォリン-2-イル]プリン-6-イル}ベンズアミドを使用した。
当該目的物のローディング量は、公知の方法を用いて、樹脂1g当たりのトリチルのモル量を409nmにおけるUV吸光度を測定することにより決定した。樹脂のローディング量は、425.13μmol/gであった。
【0076】
[参考例4]
アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{{(2S,6R)−6−{6−(2−シアノエトキシ)−2−[(2−フェノキシアセチル)アミノ]プリン−9−イル}−4−トリチルモルホリン−2−イル}メトキシ}−4−オキソブタン酸
参考例1と同様の方法に従って、標記化合物を製造した。但し、参考例1の工程1で用いた1−[(2R,6S)−6−(ヒドロキシメチル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]−5−メチルピリミジン−2,4−ジオンの代わりに、本工程では、N−{6−(2−シアノエトキシ)−9−[(2R,6S)−6−(ヒドロキシメチル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]プリン−2−イル}−2−フェノキシアセトアミドを使用した。
当該目的物のローディング量は、公知の方法を用いて、樹脂1g当たりのトリチルのモル量を409nmにおけるUV吸光度を測定することにより決定した。樹脂のローディング量は、341.09μmol/gであった。
【0077】
以下の実施例1の記載に従い、またはPCT/JP2015/57180に記載の方法に従い核酸合成機(AKTA Oligopilot 10 plus)を使用して、表1〜3のPMO No.1〜191、198、199、201〜316、321〜323、325〜327、333(5′末端は基(3)である)を合成した。
【0078】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表3-1】
【表3-2】
【0079】
[実施例1]
5’末端塩基に対応する、アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{[(2S,6R)−6−(5-メチル−2,4−ジオキソピリミジン−1−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸(参考例1)、もしくは、アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{[(2S,6R)−6−(4−ベンズアミド−2−オキソピリミジン−1−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸(参考例2)、もしくは、アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{[(2S,6R)−6−(6−ベンズアミドプリン−9−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル]メトキシ}−4−オキソブタン酸(参考例3)、もしくは、アミノポリスチレン樹脂に担持された4−{{(2S,6R)−6−{6−(2−シアノエトキシ)−2−[(2−フェノキシアセチル)アミノ]プリン−9−イル}−4−トリチルモルホリン−2−イル}メトキシ}−4−オキソブタン酸(参考例4)0.1gをフィルター付き反応容器に充填し、ペプチド合成機(FOCUS)を使用して、下記合成サイクルを開始した。表1〜4に記載の各化合物の塩基配列になるよう、各カップリングサイクルにおいて所望のモルホリノモノマー化合物を添加した(下記表4を参照)。
【0080】
【表4】
【0081】
なお、デブロック溶液としては、トリフルオロ酢酸(2当量)とトリエチルアミン(1当量)の混合物を3%(w/v)になるように、1%(v/v)のエタノールと10%(v/v)の2,2,2−トリフルオロエタノールを含有するジクロロメタン溶液で溶解したものを用いた。中和溶液としては、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを5%(v/v)になるように、25%(v/v)の2−プロパノールを含有するジクロロメタン溶液で溶解したものを用いた。アクチベーター液としては、20%(v/v)N,N−ジイソプロピルエチルアミンを含有する1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン溶液を用いた。モノマー溶液としては、モルホリノモノマー化合物を0.20Mになるように、テトラヒドロフランで溶解したものを用いた。キャッピング溶液としては、ジクロロメタンに対して10%(v/v)の無水酢酸と15%(v/v)の2,6−ルチジンを溶解したものを使用した。
【0082】
上記で合成したPMOが担持されたアミノポリスチレン樹脂を反応容器から回収し、2時間以上30℃で減圧乾燥した。乾燥したアミノポリスチレン樹脂に担持されたPMOを反応容器に入れ、28%アンモニア水−エタノール(1/3)5mLを加え、55℃で16時間静置した。アミノポリスチレン樹脂をろ別し、水−アセトニトリル(1/1)3mLで洗浄した。得られたろ液にエタノール3mLとジエチルエーテル35mLを加え、遠心分離した後、デカンテーションで上澄液を除去し、残渣を減圧乾燥した。得られた残渣を20mMの酢酸アンモニウム水溶液とアセトニトリルの混合溶媒(4/1)10mLに溶解し、逆相HPLCにて精製した。使用した条件は、以下の表5に示す通りである。
【0083】
【表5】
【0084】
各フラクションを分析して、目的物を回収した。得られた溶液に0.1Mの塩酸水溶液4mLを加え、2時間静置した。反応後、1Mの水酸化ナトリウム水溶液0.4mLを加えて中和し、メンブレンフィルター(0.22μm)でろ過した。
得られた目的物を含有する水溶液に1Mの水酸化ナトリウム水溶液0.4mLを加えてアルカリ性とし、陰イオン交換樹脂カラムで精製した。使用した条件は下記表6に示す通りである。
【0085】
【表6】
【0086】
各フラクションを分析(HPLC)し、目的物を水溶液として得た。得られた水溶液に0.1Mのリン酸緩衝液(pH 6.0)を添加し中和した。次いで、下記表7に示す条件で逆相HPLCにて脱塩した。
【0087】
【表7】
【0088】
目的物を回収し、減圧濃縮した。得られた残渣を水に溶かし、凍結乾燥して、白色綿状固体として目的化合物を得た。ESI-TOF-MSの計算値、測定値を表1〜3に示す。
【0089】
[試験例1]
in vitroアッセイ
RD細胞(ヒト横紋筋肉腫細胞株)3×105個に対して、表1又は3のアンチセンスオリゴマー1、3、および10μMをAmaxa Cell Line Nucleofector Kit Lを用いてNucleofector II(Lonza)により導入した。プログラムはT-030を用いた。
導入後、細胞を、10%ウシ胎児血清(FCS)(インビトロジェン社製)を含むDulbecco's Modified Eagle's Medium (DMEM)培地(シグマ社製、以下同じ) 2mL中、37℃、5%CO2条件下で三晩培養した。
細胞をPBS(ニッスイ社製、以下同じ)で1回洗浄した後、1%の2-メルカプトエタノール(ナカライテスク社製)を含むBuffer RLT(キアゲン社製)を350 μL細胞に添加し、数分間室温に放置して細胞を溶解させ、QIAshredder ホモジナイザー(キアゲン社製)に回収した。20,400 ×gで2分間遠心し、ホモジネートを作製した。RNeasy Mini Kit (キアゲン社製)に添付のプロトコールに従ってtotal RNAを抽出した。抽出したtotal RNAの濃度はNanoDrop ND-1000(エル・エム・エス社製)を用いて測定した。
【0090】
抽出したtotal RNA 10 ngを鋳型に、QIAGEN OneStep RT-PCR Kit(キアゲン社製)を用いてOne-Step RT-PCRを行った。キットに添付のプロトコールに従って、反応液を調製した。サーマルサイクラーはTaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Touch(タカラバイオ社製)を用いた。RT-PCRのプログラムは、以下の通りである。

50℃、30分間:逆転写反応
95℃、15分間:ポリメラーゼ活性化、逆転写酵素不活性化
[94℃、30秒間;61℃、30秒間;72 ℃、1分間]x 27サイクル:PCR
72℃、7分間:最終伸長反応
【0091】
RT-PCRに使用したフォワードプライマーとリバースプライマーの塩基配列は以下の通りである。

フォワードプライマー:5’-TTCGTCTGGAAACAGCTCCT-3’ (配列番号360)
リバースプライマー:5’-AGAGGGTAACGACAGCATCG-3’ (配列番号361)

上記PCRの反応産物1 μLをBioanalyzer(アジレント社製)を用いて解析した。
エクソン2がスキップしたPCRアンプリコンのポリヌクレオチド量「A」と、野生型のPCRアンプリコンのポリヌクレオチド量「B」を測定した。これら「A」及び「B」の測定値より、以下の式に従いスキッピング効率を求めた。

スキッピング効率(%)= A /( A + B )× 100
【0092】
実験結果
結果を図1〜14に示す。
図1〜14から、本発明のアンチセンスオリゴマーはエクソン2を有効にスキッピングさせることが判明した。
【0093】
[試験例2]
In vitroアッセイ
試験例1と同様の方法で実験を行った。但し、RD細胞(ヒト横紋筋肉腫細胞株)3×105個に対して、PMO No.100(NMS-191)、 PMO No. 139(NMS-233)、 PMO No. 79(NMS-169)、 PMO No. 114(NMS-206)の本発明オリゴマー単独、またはそれぞれを構成している2本のユニットオリゴマーのそれぞれ単独あるいは2本のユニットオリゴマーのカクテルを、Amaxa Cell Line Nucleofector Kit Lを用いてNucleofector II(Lonza)により導入した。パルスプログラムはT-030を用いた。導入した配列の組み合わせは以下の通りである。
【表8-1】
【表8-2】
【0094】
実験結果
結果を図15に示す。本実験により、エクソン2内の異なる部位を標的とする2本のアンチセンス核酸の混合物(PMO No. 290(NMS-258)及びPMO No. 289 (NMS-257)、PMO No. 290(NMS-258)及びPMO No. 288(NMS-237)、PMO No. 287(NMS-236)及びPMO No. 293 (NMS-265)、PMO No. 287 (NMS-236)及びPMO No. 288 (NMS-237)、PMO No. 291(NMS-263)及びPMO No. 292 (NMS-264)と比較して、それぞれを連結したPMO No. 100(NMS-191)、PMO No. 139(NMS-233)、PMO No. 79(NMS-169)、PMO No. 114(NMS-206)の本発明のオリゴマーは高い効率でエクソン2をスキッピングさせることが判明した。
図1
図2
図3
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図5
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図14
図15
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]