特許第6875691号(P6875691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6875691組織体形成装置、組織体形成方法、および結合組織体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6875691
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】組織体形成装置、組織体形成方法、および結合組織体
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/04 20130101AFI20210517BHJP
   A61F 2/08 20060101ALI20210517BHJP
   A61F 2/24 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   A61F2/04
   A61F2/08
   A61F2/24
【請求項の数】4
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-108916(P2020-108916)
(22)【出願日】2020年6月24日
(62)【分割の表示】特願2020-27293(P2020-27293)の分割
【原出願日】2020年2月20日
【審査請求日】2020年9月11日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518383828
【氏名又は名称】バイオチューブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中山 泰秀
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭52−31679(JP,B1)
【文献】 特開2012−135406(JP,A)
【文献】 特開2013−240306(JP,A)
【文献】 特開2016−13094(JP,A)
【文献】 特許第6033979(JP,B1)
【文献】 米国特許第3514791(US,A)
【文献】 米国特許第3625198(US,A)
【文献】 米国特許第3710400(US,A)
【文献】 米国特許第4319363(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/04 ― 2/08
A61F 2/24
A61L 27/22 ― 27/24
C12M 3/00 ― 3/10
C12N 5/00 ― 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織材料が存在する環境のなかで結合組織体を形成する組織体形成装置であって、
前記環境と、当該環境から中空空間に入る前記生体組織材料から形成される前記結合組織体で全体が満たされる前記中空空間とを区切り、前記中空空間を囲む区画壁を備え、
前記区画壁が備える外表面において相互に隣り合う貫通孔の間の長さが0.5mm以上、かつ前記貫通孔における開口寸法が0.02mm以上2.5mm以下である複数の前記貫通孔が前記区画壁の全体に形成されており、
前記区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記貫通孔の開口面積の割合が開口占有率であり、
前記区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記貫通孔における開口縁の長さの割合が区画面密度であり、
前記区画壁の全体において前記開口占有率4%以上30%未満であり、
前記区画壁の全体において前記区画面密度が0.9/mm以上であり、
前記区画壁は、第1区画壁であり、
前記貫通孔は、第1貫通孔であり、
前記第1区画壁に囲まれた空間に、当該空間を区切る第2区画壁をさらに備え、
前記第2区画壁において相互に隣り合う第2貫通孔の間の長さが0.5mm以上、かつ前記第2貫通孔における開口寸法が0.02mm以上2.5mm以下である複数の前記第2貫通孔が前記第2区画壁に形成されており、
前記第2区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記第2貫通孔の開口面積の割合である開口占有率が4%以上70%以下であり、
前記第2区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記第2貫通孔における開口縁の長さの割合である区画面密度が0.9/mm以上である
組織体形成装置。
【請求項2】
記区画壁は、前記第1貫通孔よりも大きい貫通孔が形成された外層部材と、前記貫通孔と対向する位置に前記第1貫通孔が形成された内層部材と、を備える
請求項に記載の組織体形成装置。
【請求項3】
前記内層部材は、前記外層部材よりも薄い
請求項に記載の組織体形成装置。
【請求項4】
生体組織材料が存在する人体以外の環境のなかに組織体形成装置を埋設して前記組織体形成装置のなかに結合組織体を形成する組織体形成方法であって、
前記組織体形成装置は、請求項1からのいずれか一項に記載の組織体形成装置である
組織体形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合組織体を形成するための組織体形成装置、当該組織体形成装置を用いた組織体形成方法、および結合組織体に関する。
【背景技術】
【0002】
身体が備える自己防衛機能は、主に繊維芽細胞とコラーゲンとから構成されるカプセルによって異物を覆う性質を備える。失われた組織や器官を人工物によって蘇らせる医療である再生医療の1つは、組織体形成装置を異物として生体内に埋めて、その後、上述した自己防衛機能を利用して生体由来の結合組織体を生細胞から形成する(例えば、特許文献1〜3を参照)。この際、異物として用いられる組織体形成装置は、相互に対向する2つの組織体形成面を備え、これら2つの組織体形成面の間に侵入する生体組織材料によって結合組織体を形成する(例えば、特許文献4,5を参照)。近年、こうした再生医療の臨床試験に向けて、組織体形成装置の埋設期間を短くすること、および、結合組織体が有する構造上の精度を高めることの両立を可能とするために、結合組織形成装置の外表面に占有率が20%以上40%以下となる開口を形成することが提案されている(例えば、特許文献6を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−312821号公報
【特許文献2】特開2008−237896号公報
【特許文献3】特開2010−094476号公報
【特許文献4】特開2014−030598号公報
【特許文献5】特開2017−169778号公報
【特許文献6】特許6033979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような組織体形成装置の外表面は、結合組織体を形成するための空間を生体組織材料が存在している環境から区切る。こうした外表面に形成された開口の大きさが大きいほど、生体組織材料が存在している環境から結合組織体を形成するための空間に生体組織材料は入りやすい。一方で、結合組織体が形成される速さや寸法精度などを高める因子とは、(i)開口における生体組織材料の通りやすさと、その他に、(ii)結合組織体を形成するための空間での生体組織材料における自己防衛機能の発しやすさとを含む。この点、上述したような組織体形成装置の開口占有率は、様々な大きさの開口を用いて形成された結合組織体の形成結果に基づいて定められている。その結果、結合組織体が形成される速さや寸法精度などを高める主要な因子として上記(i)に記載の事項のみが自ずと定められてしまい、上記(ii)に記載の事項が反映されがたい装置となっている。さらに、臨床試験に向けては、上述した要請に加えて、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置を取り出しやすいこと、また、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置を取り出す際、また組織体形成装置から結合組織体を取り出す際に、結合組織体を所望の寸法で取り出しやすいことが新たに要請されている。
【0005】
本発明は、構造上の精度が高められた結合組織体を組織体形成装置が埋設される期間の長期化を抑えたうえで形成可能にしつつ組織体形成装置の取り扱い性を向上可能にした組織体形成装置、組織体形成方法、および結合組織体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための組織体形成装置は、生体組織材料が存在する環境のなかで結合組織体を形成する組織体形成装置である。組織体形成装置は、前記環境と、前記生体組織材料から形成される前記結合組織体で満たされるための中空空間とを区切る区画壁を備え、前記区画壁が備える外表面において相互に隣り合う貫通孔の間の長さが0.5mm以上、かつ前記貫通孔における開口寸法が0.02mm以上2.5mm以下である複数の前記貫通孔が前記区画壁に形成されている。前記区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記貫通孔の開口面積の割合が開口占有率であり、前記区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記貫通孔における開口縁の長さの割合が区画面密度である。そして、前記開口占有率が4%以上30%未満であり、前記区画面密度が0.9/mm以上である。
【0007】
上記課題を解決するための組織体形成装置は、生体組織材料が存在する環境のなかで結合組織体を形成する組織体形成装置である。組織体形成装置は、前記環境と、前記生体組織材料から形成される前記結合組織体で満たされるための中空空間とを区切る区画壁を備え、前記区画壁が備える外表面において相互に隣り合う貫通孔の間の長さが0.5mm以上、かつ前記貫通孔における開口寸法が0.02mm以上2.5mm以下である複数の前記貫通孔が前記区画壁に形成されている。前記区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記貫通孔の開口面積の割合が開口占有率であり、前記区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記貫通孔における開口縁の長さの割合が区画面密度であり、前記開口占有率が4%以上70%以下であり、前記区画面密度が0.9/mm以上であり、前記複数の前記貫通孔は、複数の第1貫通孔と、相互に隣合う前記第1貫通孔の間に位置して前記第1貫通孔よりも開口寸法が小さい第2貫通孔とを備える。
【0008】
上記組織体形成装置によれば、開口寸法が0.02mm以上であるため、結合組織体を形成するための生体組織材料を区画壁の外側から内側に向けて入れることが可能となる。また、開口寸法が2.5mm以下であるため、貫通孔の形状に追従した突部の大きさを結合組織体において十分に小さくすること、および区画壁の外側において結合組織体が厚く形成され続けることを抑えることが可能である。貫通孔の形状に追従した突部の大きさを小さくできること、および区画壁の外側における結合組織体の厚さを薄くできることは、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置を取り出す際に、区画壁の外側に位置する血管の切断などによる影響を軽減することが可能となる。また、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置を取り出す際、および組織体形成装置から結合組織体を取り出す際に、結合組織体の寸法に誤差が生じたり結合組織体の形状が崩れたりすることを抑制可能とする。そのうえ、結合組織体における表面の平坦性を高めたり、組織体形成装置の形状に追従した形状の結合組織体において、当該結合組織体の形状を別の形状に変えがたい癖が付くことを抑えたりすることが可能ともなる。結果として、組織体形成装置の取り扱い性を高めることが容易になると共に、結合組織体の構造上における精度を高めることが可能ともなる。
【0009】
また、貫通孔の間の長さが0.5mm以上であるため、1つの開口と他の開口との間に位置する開口間の構造体において、1つの開口の縁と他の開口の縁とを別々の起点として、生体組織材料から組織体形成空間に向けて結合組織体を形成しはじめることが可能となる。これにより、組織体形成空間において結合組織体が形成される速さを高めること、あるいは生体組織材料が存在する環境に組織体形成装置を埋設する期間を短くすることが可能ともなる。
【0010】
また、開口占有率が4%以上であり、かつ、区画面密度が0.9/mm以上であるから、開口の大きさが小さくとも、開口の数量を多くすることが可能となる。ここで、組織体形成装置における結合組織体の形成は、組織体形成装置の外側と組織体形成装置の内側との両方で競争して起こりえる。開口の数量が少なく、かつ貫通孔の間の長さが大きすぎる場合には、組織体形成装置の外側がコラーゲン膜で覆われやすく、組織体形成装置の内側が結合組織体によって埋められる前に、小さい開口がコラーゲン膜で閉ざされてしまう。一方で、開口の大きさが小さくとも、開口の数量が多ければ、貫通孔の間の長さが短い分だけコラーゲン膜の形成を遅らせて、組織体形成装置の内側が結合組織体によって埋められる前に開口が閉ざされてしまうことを抑えると共に、組織体形成装置の外側に位置する結合組織体の厚さを薄くすることを可能ともする。
【0011】
なお、開口の大きさが大きすぎる場合には、開口の中心と対向する部位まで結合組織体が形成されにくく、結合組織体のなかで開口と対向する部位に窪みが形成されてしまう。この点、開口占有率が70%という大きさであっても、区画面密度が0.9/mm以上であれば、1つずつの開口が大きすぎることを抑えて、結合組織体に窪みが形成されることを抑えることが可能ともなる。すなわち、開口占有率が4%以上70%以下であり、かつ、区画面密度が0.9/mm以上であれば、組織体形成装置の内側を埋める結合組織体を形成するうえで、結合組織体が形成されはじめる起点を確保することができる。結果として、(i)開口における生体組織材料の通りやすさと、(ii)結合組織体を形成するための空間での生体組織材料における自己防衛機能の発しやすさとを、結合組織体の形成に反映させることが可能となる。
以上により、構造上の精度が高められた結合組織体を組織体形成装置が埋設される期間の長期化を抑えつつ組織体形成装置の取り扱い性を向上させて形成することが可能となる。
【0012】
なお、結合組織は、通常、コラーゲンを主成分とした組織であって、生体内に形成させる組織である。本開示の技術においては、生体内に形成される結合組織に相当する組織が生体外の環境で形成される場合のその組織も含む。生体組織材料は、生体に由来する組織を形成するうえで必要な物質である。生体組織材料は、例えば、線維芽細胞、平滑筋細胞、ES細胞、iPS細胞などの動物細胞、コラーゲンやエラスチンなどの各種のタンパク質類、ヒアルロン酸などの糖類、細胞の成長や分化を促進する細胞成長因子、サイトカインなどの生体内に存在する各種の生理活性物質を含む。生体組織材料は、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの哺乳類、鳥類、魚類、その他の動物に由来する材料、および、これと同等の人工材料を含む。生体組織材料の存在する環境は、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの哺乳類、鳥類、魚類、その他の動物における生体内であり、四肢部、肩部、背部、腹部などの皮下、および、腹腔である。生体組織材料の存在する環境は、例えば、生体組織材料を含有する人工環境である。
【0013】
上記組織体形成装置において、前記区画壁は、第1区画壁であり、前記貫通孔は、第1貫通孔であり、前記第1区画壁に囲まれた空間に、当該空間を区切る第2区画壁をさらに備えてもよい。前記第2区画壁において相互に隣り合う第2貫通孔の間の長さが0.5mm以上、かつ前記第2貫通孔における開口寸法が0.02mm以上2.5mm以下である複数の前記第2貫通孔が前記第2区画壁に形成されている。そして、前記第2区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記第2貫通孔の開口面積の割合である開口占有率が4%以上70%以下であり、前記第2区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての前記第2貫通孔における開口縁の長さの割合である区画面密度が0.9/mm以上であってもよい。
【0014】
上記組織体形成装置によれば、第1区画壁に囲まれた空間に位置する第2区画壁において、(i)開口における生体組織材料の通りやすさと、(ii)結合組織体を形成するための空間での生体組織材料における自己防衛機能の発しやすさとを、結合組織体の形成に反映させることが可能となる。それゆえに、上述したように、生体組織材料が存在する環境に装置が埋設される期間の長期化を抑えつつ、区画壁の形状に追従した結合組織体の形成を促して、結合組織体における構造上の精度を高めることが可能となるうえ、第1区画壁に囲まれた空間の全体にわたり結合組織体を形成することが容易ともなる。
【0015】
上記組織体形成装置において、前記貫通孔は、第1貫通孔であり、前記区画壁は、前記第1貫通孔よりも大きい貫通孔が形成された外層部材と、前記貫通孔と対向する位置に前記第1貫通孔が形成された内層部材と、を備えてもよい。この構成によれば、結合組織体を形成することに特化した微細な貫通孔を備えることを内層部材に担わせて、内層部材の機械的な強度を高めることに特化した機能を外層部材に担わせることが可能ともなる。これにより、構造上の精度が高められた結合組織体を組織体形成装置が埋設される期間の長期化を抑えつつ組織体形成装置の取り扱い性を向上させて形成することができるうえ、組織体形成装置の機械的な耐久性を高めることが可能ともなる。
【0016】
上記組織体形成装置において、前記内層部材は、前記外層部材よりも薄くてもよい。この構成によれば、結合組織体を形成するための生体組織材料が内層部材の第2貫通孔を通過しやすくなるため、上述した効果の実効性を高めることが可能ともなる。
【0017】
上記課題を解決するための結合組織形成方法は、生体組織材料が存在する人体以外の環境のなかに組織体形成装置を埋設して前記組織体形成装置のなかに結合組織体を形成する組織体形成方法であって、前記組織体形成装置は、上述した組織体形成装置である。
【0018】
上記課題を解決するための結合組織体は、生体組織材料が存在する環境と、前記生体組織材料から形成される結合組織体で満たされるための中空空間とを区切る区画壁に開口を備えた組織体形成装置を前記環境に埋設することによって形成される結合組織体である。前記結合組織体の表面は、前記区画壁から剥がされた第1表面部分と、前記開口において前記環境から引き離された第2表面部分と、を備え、前記第2表面部分は、前記第1表面部分よりも粗い。そして、相互に隣り合う前記第2表面部分の間の長さは0.5mm以上であり、前記第2表面部分における最小寸法は0.02mm以上2.5mm以下であり、前記第1表面部分の面積と前記第2表面部分の面積との合計に対する前記第2表面部分の面積の割合が4%以上30%未満であり、前記第1表面部分の面積と前記第2表面部分の面積との合計に対する前記第2表面部分の縁の長さの合計の割合が0.9/mm以上である。
【0019】
上記課題を解決するための結合組織体は、生体組織材料が存在する環境と、前記生体組織材料から形成される結合組織体で満たされるための中空空間とを区切る区画壁に開口を備えた組織体形成装置を前記環境に埋設することによって形成される結合組織体である。前記結合組織体の表面は、前記区画壁から剥がされた第1表面部分と、前記開口において前記環境から引き離された複数の第2表面部分と、を備え、前記第2表面部分は、前記第1表面部分よりも粗い。そして、相互に隣り合う前記第2表面部分の間の長さは0.5mm以上であり、前記第2表面部分における最小寸法は0.02mm以上2.5mm以下であり、前記第1表面部分の面積と前記第2表面部分の面積との合計に対する前記第2表面部分の面積の割合が4%以上70%以下であり、前記第1表面部分の面積と前記第2表面部分の面積との合計に対する前記第2表面部分の縁の長さの合計の割合が0.9/mm以上であり、前記複数の前記第2表面部分は、複数の大面積部分と、相互に隣合う前記大面積部分の間に位置して前記大面積部分よりも小さい小面積部分とを備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明における組織体形成装置、組織体形成方法、および結合組織体によれば、構造上の精度が高められた結合組織体を組織体形成装置が埋設される期間の長期化を抑えて形成可能にしつつ組織体形成装置の取り扱い性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】組織体形成装置の一実施形態における構造を示す斜視図。
図2】一実施形態における上側外装部材の構造を示す平面図。
図3】一実施形態における下側外装部材の構造を示す平面図。
図4】一実施形態における内装部材の構造を示す平面図。
図5】一実施形態における開口の構造を示す平面図。
図6】結合組織体の形成過程を説明するための断面図。
図7】参考となる組織体形成装置での結合組織体の形成過程を説明する断面図。
図8】参考となる組織体形成装置での結合組織体の形成過程を説明する断面図。
図9】参考となる組織体形成装置での結合組織体の形成過程を説明する断面図。
図10】参考となる組織体形成装置での結合組織体の形成過程を説明する断面図。
図11】組織体形成装置での結合組織体の形成過程を説明する断面図。
図12】組織体形成装置での結合組織体の形成過程を説明する断面図。
図13】組織体形成装置での結合組織体の形成過程を説明する断面図。
図14】開口占有率と区画面密度とに対する評価結果を示すグラフ。
図15】第1変更例における開口の構造を示す平面図。
図16】第2変更例における開口の構造を示す平面図。
図17】第3変更例における開口の構造を示す平面図。
図18】他の変更例における開口の構造を示す平面図。
図19】他の変更例における開口の構造を示す平面図。
図20】他の変更例における開口の構造を示す平面図。
図21】第4変更例における組織体形成装置の構造を示す斜視図。
図22】第5変更例における組織体形成装置の構造を示す斜視図。
図23】第6変更例における組織体形成装置の構造を示す斜視図。
図24】第7変形例における組織体形成装置の構造を示す斜視図。
図25】第8変形例における組織体形成装置の構造を示す斜視図。
図26】第9変形例における組織体形成装置の構造を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から図14を参照して組織体形成装置の一実施形態を説明する。
[組織体形成装置]
図1が示すように、組織体形成装置は、生体組織材料の存在する環境に埋設されることによって結合組織体を形成する装置である。上述したように、生体組織材料は、生体に由来する組織を形成するうえで必要な物質である。生体組織材料は、例えば、線維芽細胞、平滑筋細胞、ES細胞、iPS細胞などの動物細胞、コラーゲンやエラスチンなどの各種のタンパク質類、ヒアルロン酸などの糖類、細胞の成長や分化を促進する細胞成長因子、サイトカインなどの生体内に存在する各種の生理活性物質を含む。生体組織材料は、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの哺乳類、鳥類、魚類、その他の動物に由来する材料、および、これと同等の人工材料を含む。生体組織材料の存在する環境は、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの哺乳類、鳥類、魚類、その他の動物における生体内であり、四肢部、肩部、背部、腹部などの皮下、および、腹腔である。生体組織材料の存在する環境は、例えば、生体組織材料を含有する人工環境である。
【0023】
組織体形成装置は、二重以上の環状を有した1つの筒状部である外装部材10を備える。外装部材10は、第1区画壁の一例であって、上下で分割可能に、上側外装部材20と下側外装部材30とから構成されている。外装部材10の内部には、外装部材10の形状に追従する二重以上の環状を有した環状内装部材40(図4を参照)が収容されている。
【0024】
上側外装部材20と下側外装部材30とは、水平面に対してほぼ面対称となる形状を有する。上側外装部材20、および下側外装部材30は、例えば、二重以上の環状要素22,32(図2,3を参照)を有した半円筒状を有する。上側外装部材20を構成する材料は、生体組織適合性を有した材料であって、例えば、ステンレス、チタン、チタンニッケル合金、コバルトクロム合金などの金属材料、シリコン、PEEK、アクリル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレンなどの合成樹脂である。上側外装部材20を構成する材料と、下側外装部材30を構成する材料とは、相互に同じ材料であってもよいし、相互に異なる材料であってもよい。相互に同じ材料から構成される場合には、上側外装部材20と下側外装部材30との親和性を高められるため、上側外装部材20と下側外装部材30との密着性を高めることが可能ともなる。相互に異なる材料から構成される場合には、材料に起因した機能を上側外装部材20と下側外装部材30とに各別に与えることが可能となるため、組織体形成装置の多機能化を図ることが可能ともなる。
【0025】
上側外装部材20の外表面である上側外表面20Sは、外装部材10における外表面の一部であって、結合組織体を形成するための空間と、生体組織材料が存在する環境とを区切る区画面の一部である。下側外装部材30の外表面である下側外表面30Sもまた、外装部材10における外表面の一部であって、区画面を構成する面の一部である。上側外表面20S、および下側外表面30Sは、半円筒面状を有して、環状内装部材40の内装表面40S(図4を参照)を覆う。
【0026】
上側外装部材20は、上側外装部材20の最外周に上側環状フランジ20Fを備える。上側環状フランジ20Fは、上側外装部材20の全周にわたり位置する。下側外装部材30もまた、下側外装部材30の最外周に下側環状フランジ30Fを備える。下側環状フランジ30Fは、下側外装部材30の全周にわたり位置する。上側環状フランジ20F、および下側環状フランジ30Fは、上側外装部材20の端部と下側外装部材30の端部とが形成する外装部材10の端部段差を緩和して、組織体形成装置の埋設、組織体形成装置の留置、組織体形成装置の取り出しにおいて、段差に起因して生じ得る手間を軽減する。
【0027】
図2が示すように、上側外装部材20の内面22Sは、上側外装部材20の延在方向に延びる半円筒面である。上側外装部材20は、上側外装部材20の延在方向における両端部20Eに、環状内装部材40の端部を支持するための凹部である上側嵌合部23を備える。上側嵌合部23は、内装表面40Sから上側外装部材20の内面22Sを離間させるように、環状内装部材40の端部を支持する。環状内装部材40の端部が上側嵌合部23に嵌められることによって、両端部20Eの間では、上側外装部材20の内面22Sと内装表面40Sとの間に隙間が形成される。
【0028】
上側外装部材20は、第1貫通孔の一例である複数の上側貫通孔20Hを備える。上側貫通孔20Hは、上側外装部材20の外側と、環状内装部材40の内装表面40S(図4を参照)との間を連通する。上側貫通孔20Hは、上側外表面20Sに開口する上側開口を有する。上側開口は、例えば、正方形孔状を有して、半円筒面状を有した上側外装部材20の表面全体にわたり、上側外装部材20の延在方向、および、周方向に配置されている。上側外表面20Sにおいて上側開口を区切る外形線は、開口縁の一例である上側区画線20Lである。上側貫通孔20Hが正方形孔状を有するとき、上側区画線20Lは、ほぼ正方形状を有する。
【0029】
図3が示すように、下側外装部材30の内面32Sは、下側外装部材30の延在方向に延びる半円筒面である。下側外装部材30は、下側外装部材30の延在方向における両端部30Eに、環状内装部材40の端部を支持するための凹部である下側嵌合部33を備える。下側嵌合部33は、内装表面40Sから下側外装部材30の内面32Sを離間させるように、環状内装部材40の端部を支持する。環状内装部材40の端部が下側嵌合部33に嵌められることによって、両端部30Eの間では、下側外装部材30の内面32Sと内装表面40Sとの間に隙間が形成される。
【0030】
下側外装部材30は、貫通孔の一例である複数の下側貫通孔30Hを備える。下側貫通孔30Hは、下側外装部材30の外側と、環状内装部材40の内装表面40Sとの間を連通する。下側貫通孔30Hは、下側外表面30Sに開口する下側開口を有する。下側開口は、例えば、正方形孔状を有して、半円筒面状を有した下側外装部材30の表面全体にわたり、下側外装部材30の延在方向、および、周方向に配置されている。下側外表面30Sにおいて下側開口を区切る外形線は、開口縁の一例である下側区画線30Lである。下側貫通孔30Hが正方形孔状を有するとき、下側区画線30Lは、ほぼ正方形状を有する。
【0031】
二重以上の環状を有した外装部材10では、二周分以上の環状要素22,32が径方向において隙間を空けて連なる。単一の環状要素22,32と、当該環状要素22,32と隣り合う他の環状要素22,32とは、環状要素22,32の径方向に0.5mm以上の間隔を空けている。相互に隣り合う環状要素22,32が0.5mm以上の間隔を空けることによって、環状要素22,32の間隙に侵入した生体組織材料が当該間隙を不要に塞ぐことが抑えられる。
【0032】
図4が示すように、環状内装部材40は、二重以上の環状を有した円柱体であり、環状内装部材40の延在方向における両端部に、被支持部40Eを備える。環状内装部材40の有する内装表面40Sと、上側外装部材20の内面22Sとの距離は、被支持部40Eが上側嵌合部23に嵌め込まれることによって定められる。環状内装部材40の有する内装表面40Sと、下側外装部材30の内面32Sとの距離もまた、被支持部40Eが下側嵌合部33に嵌め込まれることによって定められる。
【0033】
上側外装部材20の内面22Sと内装表面40Sとの間の隙間、および下側外装部材30の内面32Sと内装表面40Sとの間の隙間は、結合組織体を形成するための円筒状の空間である組織体形成空間である。各外装部材20,30の径方向における組織体形成空間の長さは、相互にほぼ等しく、かつ、組織体形成空間の厚さである。組織体形成空間の厚さは、組織体形成空間に満たされる結合組織体の厚さでもある。組織体形成空間の厚さは、結合組織体に求められる厚さに相当する大きさを有する。結合組織体は、真皮、血管、軟骨膜などの交織線維性結合組織体、および腱、靱帯、角膜、筋膜などの平行線維性結合組織体を含む。組織体形成空間の厚さは、例えば、0.5mm以上5mm以下である。
【0034】
上側外装部材20の厚さ、および下側外装部材30の厚さは、外装部材20の径方向における厚さである。上側外装部材20の厚さは、上側開口の深さである。下側外装部材30の厚さは、下側開口の深さである。各開口の深さは、外装部材10の機械的な強度を得られる範囲において、2.0mm以下であることが好ましく、薄い方が好ましい。各開口の深さが2.0mm以下であれば、各開口から侵入した生体組織材料が貫通孔20H,30Hの内部で留まることを抑えることが容易でもある。
組織体形成空間の厚さが0.5mm以上であれば、組織体形成空間に侵入した生体組織材料が間隙内を広がる途中で留まること、ひいては、生体組織材料が広がるための通路を生体組織材料が塞いでしまうことを抑えることが容易となる。組織体形成空間の厚さが5mm以下であれば、組織体形成空間のなかに結合組織体で埋められない部位が形成されることを抑えることが容易となる。
【0035】
[結合組織体の形成方法]
次に、上述した組織体形成装置を用いる結合組織体の形成方法を説明する。生体組織材料の存在する環境は、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジなどの哺乳類、鳥類、魚類、その他の動物における生体内であり、四肢部、肩部、背部、腹部などの皮下、および、腹腔である。また、生体組織材料の存在する環境は、例えば、生体組織材料を含む人工環境である。組織体形成装置を生体内に埋設する場合、まず、十分な麻酔下において最小限の切開術が生体に施される。そして、組織体形成装置が埋設された後に傷口の縫合が施される。
【0036】
生体内に埋設された組織体形成装置において、上側外装部材20の上側外表面20Sや下側外装部材30の下側外表面30Sに結合組織体が形成され、また、上側開口、および、下側開口を通じて、組織体形成空間に生体組織材料が侵入する。そして、組織体形成空間に侵入した生体組織材料が、組織体形成空間を満たすような結合組織体を形成する。この際、組織体形成装置の外側と組織体形成空間とを連通する通路が貫通孔20H,30Hによって構成されるため、また、貫通孔20H,30Hの開口縁が異物として認識されやすいため、組織体形成空間において結合組織体を形成するための期間を短くすることが可能となる。
【0037】
生体組織材料の存在する環境に埋設された組織体形成装置は、結合組織体が形成される期間である所定の埋設期間が経過した後に、その環境から取り出される。組織体形成装置を生体内から取り出す場合、まず、十分な麻酔下において最小限の切開術が生体に施される。そして、組織体形成装置が取り出された後に傷口の縫合が施される。
【0038】
組織体形成装置を用いて形成された結合組織体は、組織体形成空間の形状に追従した筒状を有する。結合組織体が有する内周面は、内装表面40Sに追従する形状を有する。結合組織体が有する内径は、環状内装部材40の外径に相当する。結合組織体が有する外表面は、上側外装部材20の内面22Sや下側外装部材30の内面32Sに追従する形状を有する。結合組織体が有する外径は、上側外装部材20の内径や下側外装部材30の内径に相当する。そして、結合組織体の外表面は、貫通孔20H,30Hに追従した微細な凹凸形状を備える。
【0039】
なお、組織体形成装置を用いて形成された結合組織体は、それが異種移植に用いられる場合、移植後の拒絶反応を抑えるために、脱細胞処理、脱水処理、固定処理などの免疫源除去処理を施されることが好ましい。脱細胞処理は、例えば、超音波処理、界面活性剤処理、コラゲナーゼなどの酵素処理によって細胞外マトリックスを溶出させて洗浄する処理などである。脱水処理は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの水溶性有機溶媒によって結合組織体を洗浄する処理である。固定処理は、グルタアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド化合物に結合組織体を浸積する処理である。
【0040】
[開口占有率と区画面密度]
外装部材10が満たす各種の寸法条件を以下に説明する。図5は、外装部材10の外表面を外装部材10の延在方向に沿って切り開いて示す展開図であり、外装部材10の外表面のなかで2行×2列の開口が並ぶ部分を示す。
【0041】
図5が示すように、貫通孔20H,30Hの開口は、正方形状の領域であり、開口の中心と正方格子の格子点とがほぼ一致するように配置されている。各開口における外装部材10の延在方向での長さは、開口の一辺の長さである開口寸法2Lである。外装部材10の延在方向と直交する方向は、外装部材10の周方向である。各開口における外装部材10の周方向での長さは、開口の他辺の長さである開口寸法2Wである。
【0042】
各開口は、外装部材10の延在方向において、開口間寸法2LPを空けて配置されている。開口間寸法2LPは、貫通孔の間の長さの一例であり、外装部材10の延在方向において相互に隣り合う開口の間での最短距離である。各開口は、外装部材10の周方向において、開口間寸法2WPを空けて配置されている。開口間寸法2WPもまた、貫通孔の間の長さの一例であり、外装部材10の周方向において相互に隣り合う開口の間での最短距離である。
【0043】
外装部材10の外表面において単位領域が有する面積は、外装部材10の単位面積である。単位領域内に占める開口の総面積は、開口が定める開口面積である。外装部材10の単位面積に対する開口面積の割合は、開口占有率(%)である。単位領域内に存在する区画線20L,30Lの総長さは、開口の面密度である。開口の面密度を外装部材10の単位面積で除算した値は、区画面密度(/mm)である。
【0044】
外装部材10の外表面における単位領域は、例えば、外表面における繰り返し単位である。外装部材10の外表面における単位領域の一例は、4つの開口とその周囲とを含む領域である。なお、外装部材10の外表面における単位領域は、1つの開口とその周囲とを含む領域であってもよいし、一まとまりとなる開口とその周囲とを含む領域であってもよいし、予め設定された矩形領域であってもよい。単位領域が開口とは関係なく繰り返される所定の領域である場合、上述した開口占有率、および区画面密度は、全ての単位領域における開口占有率の平均値、および全ての単位領域における区画面密度の平均値である。
【0045】
開口寸法2L、開口寸法2W、開口間寸法2LP、開口間寸法2WP、開口占有率、および区画面密度は、下記条件1から条件4を満たす。
(条件1)開口寸法2L,2W :0.02mm以上2.5mm以下
(条件2)開口間寸法2LP,2WP :0.5mm以上
(条件3)開口占有率 :4%以上70%以下
(条件4)区画面密度 :0.9/mm以上
開口寸法2L,2Wは、0.02mm以上2.5mm以下である。結合組織体を形成するための生体組織材料が通過しえる各開口の最小寸法は、0.01mm程度であるから、開口寸法2L,2Wが、0.02mm以上であれば、結合組織体を形成するための生体組織材料が開口を十分に通過しえる。開口寸法2L,2Wが、2.5mm以下であれば、貫通孔20H,30Hの形状に追従した突部の大きさを小さくすることが可能であるから、組織体形成装置の内部に形成された結合組織体が開口を通じて生体組織材料が存在する環境にまで広がることが抑えられる。これにより、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置を取り出すことが容易であり、また、組織体形成装置から結合組織体を剥がすことが容易となる。また、結合組織体における表面の平坦性を高めたり、組織体形成装置の形状に追従した環形状の結合組織体において、結合組織体の形状を直線状などの別の形状に変えがたい癖が付くことを抑えたりすることが可能ともなる。
【0046】
開口間寸法2LP,2WPは、0.5mm以上である。開口間寸法2LP,2WPが0.5mm以上であれば、当該間隔が0.5mm未満である場合と比べて、外装部材10の内部に生体組織材料が侵入しにくい。一方で、図6が示すように、1つの開口と他の開口との間に位置する構造体において、1つの開口の縁EAと他の開口の縁EBとを別々の起点として結合組織体の形成を促すことが可能となる。
【0047】
すなわち、生体組織材料の存在する環境に埋設された組織体形成装置においては、外装部材10と環状内装部材40との間隙である組織体形成空間に、各開口を通じて生体組織材料が入る。この際、組織体形成空間のなかで各開口の縁EA,EBに相当する部位は、生体組織材料が異物として特に認識されやすい部位であり、結合体形成装置のなかでは、自己防衛機能の発しやすさの度合いを定める。そして、開口間寸法2LPや開口間寸法2WPが0.5mm以上を満たすような開口の配置であれば、開口の縁EA,EBに相当する部位が異物であると生体組織材料が認識することができて、結合組織体である突状組織体MBが開口の縁EA,EBから組織体形成空間内に向けて別々に形成されはじめる。これにより、開口間に位置する1つの構造体から2つの突状組織体MBを形成しはじめることが可能となる。言い換えれば、開口間寸法2LP,2WPが0.5mm以上であれば、組織体形成空間に面する開口の縁において、生体組織材料に自己防衛機能を発揮させて、組織体形成空間に面する開口の縁から結合組織体の形成を促しやすくなる。
【0048】
組織体形成装置における開口占有率は、4%以上70%以下である。すなわち、全ての開口が有する面積の合計は、外装部材10の外表面が有する面積の4%以上70%以下である。組織体形成装置における区画面密度は、0.9/mm以上である。条件1,2が満たされる装置において、開口占有率が4%以上、かつ区画面密度が0.9/mm以上であれば、結合組織体の厚さが均一となることを可能にするほどに結合組織体が形成されはじめる起点を多く確保することができる。また、開口の大きさが小さくとも、開口の数量を多くすることが可能となる。組織体形成装置における結合組織体の形成は、組織体形成装置の外側と組織体形成装置の内側との両方で競争して起こりえる。開口の数量が少なく、かつ貫通孔20H,30H間の長さが大きすぎる場合には、組織体形成装置の外側がコラーゲン膜で覆われやすく、組織体形成装置の内側が結合組織体によって埋められる前に、小さい開口がコラーゲン膜で閉ざされてしまう。一方で、開口の大きさが小さくとも、開口の数量が多ければ、貫通孔の間の長さが短い分だけコラーゲン膜の形成を遅らせて、組織体形成装置の内側が結合組織体によって埋められる前に開口が閉ざされてしまうことが抑えられる。
【0049】
また、開口占有率が70%以下、かつ区画面密度が0.9/mm以上であれば、開口が大きいことに起因して外装部材10が変形すること、および結合組織体において開口と対向する部位に窪みが形成されることが抑えられる。加えて、開口占有率が70%以下、かつ区画面密度が0.9/mm以上であれば、開口が大きいことに起因して、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置が取り出しにくいこと、組織体形成装置の取り出しや結合組織体の取り出しに際して結合組織体を傷つけることを抑えることが可能となる。
【0050】
結果として、条件1から条件4を満たす構成であれば、組織体形成装置による結合組織体の形成において、(i)開口における生体組織材料の通りやすさのみならず、(ii)組織体形成空間での生体組織材料における自己防衛機能の発しやすさが反映される。加えて、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置と結合組織体とを取り出しやすくすること、また組織体形成装置から結合組織体を取り出しやすくすることが可能となる。そして、構造上の精度が高められた結合組織体を組織体形成装置が埋設される期間の長期化を抑えて形成すること、およびその組織体形成装置の取り扱い性を向上することができる。
【0051】
ここで、条件1,4を満たさない大きな開口を区切る貫通孔20BH,30BHを備える場合での結合組織体の取り出しを、図7から図10を参照して説明し、条件1から条件4を満たす場合での結合組織体の取り出しを、図11から図13を参照して説明し、上述した取り扱い性の向上をこれらの比較に基づいて説明する。
【0052】
図7が示すように、条件1,4を満たさない組織体形成装置でも、外装部材20B,30Bと環状内装部材40との間には、結合組織体Mが形成される。ただし、条件1,4を満たさない組織体形成装置では、組織体形成装置の内側が仮に結合組織体で埋められるとしても、貫通孔20BH,30BHの間の長さが大きすぎることに起因して、組織体形成装置の外側にも、結合組織体Mが厚く形成される。この際、組織体形成装置の外側に位置する厚い結合組織体Mには、比較的に太い血管CPが形成され、組織体形成装置の内側には、比較的に細い血管CPが形成される。
【0053】
組織体形成装置の外側に位置する厚い結合組織体Mや、条件1,4を満たさない大きな開口を埋める結合組織体Mは、生体組織材料が存在する環境MAと、組織体形成装置の内側に位置する結合組織体Mとの間に、強固な結合を形成してしまう。結果として、生体組織材料が存在する環境MAから組織体形成装置を取り出すときには、図8が示すように、組織体形成装置の内側に位置する結合組織体Mの一部が、開口を通じて、組織体形成装置の外側に引きちぎられて、結合組織体Mに大きな切断痕MGを残してしまう。しかも、組織体形成装置の外側に位置する結合組織体Mでは、結合組織体Mが厚い分だけ、比較的に太い血管CPが位置しやすい。そして、組織体形成装置の取り出しに際しては、太い血管CPが切断されることによって、出血量も多くなってしまう。
【0054】
なお、図9が示すように、組織体形成装置の外表面に沿って切断刃を移動させて、組織体形成装置を取り出したり、組織体形成装置の外表面に位置する厚い結合組織体を切断刃で取り除いたりすることも可能ではある。しかし、図10が示すように、このように取り出された結合組織体では、開口を埋めるような大きな突状体MDが結合組織体の表面に残ってしまう。結果として、組織体形成装置の形状に追従した環形状を直線状などの別の形状に変えがたい癖が結合組織体に残ったり、結合組織体における表面の平坦性を高めるための別途の加工が強いられたりする。
【0055】
これに対して、図11が示すように、条件1から条件4を満たす組織体形成装置では、小さい開口が数多く位置するため、組織体形成装置の外側で結合組織体の形成が進みにくく、組織体形成装置の外側に結合組織体Mが形成されることが抑えられる。また、組織体形成装置の外側に結合組織体が形成される結合組織体の厚さは薄く、組織体形成装置の外側に位置する薄い結合組織体M、および組織体形成装置の内側に位置する結合組織体Mには、比較的に細い血管CPのみが形成される。
【0056】
組織体形成装置の外側に位置する薄い結合組織体Mや、条件1から条件4を満たすような小さな開口を埋める結合組織体は、生体組織材料が存在する環境MAと、組織体形成装置の内側に位置する結合組織体Mとの間に、強固な結合を形成しがたい。結果として、生体組織材料が存在する環境MAから組織体形成装置を取り出すときには、図12が示すように、組織体形成装置の内側を埋める結合組織体が組織体形成装置の外側には引っ張られにくく、組織体形成装置の内外に位置する結合組織体Mが開口で切断されて、組織体形成装置が円滑に取り出される。また、組織体形成装置の外側に位置する結合組織体Mが薄い分だけ、比較的に細い血管CPのみが切断されて、埋設対象での出血量も抑えられる。
【0057】
なお、図13が示すように、組織体形成装置から取り出された結合組織体Mの表面は、開口で引き離された表面部分M1と、外装部材20,30に覆われていた表面部分M2とを備える。表面部分M1は、開口で切断された表面であり、表面部分M2よりも粗い表面である。表面部分M1の寸法や大きさは、開口の寸法や大きさに相当する。すなわち、相互に隣り合う表面部分M1の間の長さは、相互に隣り合う開口の間の長さであって0.5mm以上である。表面部分M1における最小寸法は、開口における最小寸法であって0.02mm以上2.5mm以下である。表面部分M1の面積と表面部分M2の面積との合計に対する表面部分M1の面積の割合は、4%以上70%以下である。表面部分M1の面積と表面部分M2の面積との合計に対する表面部分M1の縁の長さの合計の割合は0.9/mm以上である。
【0058】
[試験例]
次に、組織体形成装置が有する各寸法の試験例について説明する。
[試験例1]
貫通孔20H,30Hを正方格子の各格子点に位置する正方形孔状として、開口寸法2L、開口寸法2W、開口間寸法2LP、開口間寸法2WP、開口占有率、および区画面密度を以下の範囲で変更した複数の組織体形成装置を準備した。そして、生体組織材料の存在する環境としてイヌの体内を用い、組織体形成装置の取り扱い性と、結合組織体における構造上の精度とを確認した。組織体形成装置の取り扱い性、および結合組織体における構造上の精度に関する評価の結果を図14に示す。
【0059】
なお、組織体形成装置の取り扱い性として、(評価1)イヌの体内において過度な出血や引き抜き力を要することなく組織体形成装置をイヌの体内から取り出せるか否かを評価した。また、組織体形成装置の取り扱い性として、(評価2)イヌの体内から組織体形成装置を取り出すことによって切断痕MGが形成されたか否かを評価した。結合組織体における構造の精度として、(評価3)開口と対向する位置に窪みが形成されているか否か、および、(評価4)外装部材20,30と対向する位置の厚さが組織体形成空間の厚さと同じ程度であるか否かを評価した。
【0060】
図14では、組織体形成装置の取り扱い性が良好であり、かつ結合組織体における構造の精度が十分といえる水準を「〇」記号で示す。一方で、イヌの体内において過度な出血が認められた水準((評価1)が良好でない水準)、イヌの体内から組織体形成装置を取り出す際に過度な力を要した水準、あるいは切断痕MGが認められた水準((評価2)が良好でない水準)を黒塗りの三角記号で示す。また、開口と対向する位置に窪みが認められた水準((評価3)が良好でない水準)を黒塗りの四角記号で示し、外装部材20,30と対向する位置で薄肉化が認められた水準((評価4)が良好でない水準)を「□」記号で示す。
【0061】
・組織体形成空間の厚さ :2.0mm
・開口寸法2L,2W :0.1mm以上4.0mm以下
・開口間寸法2LP,2WP:0.5mm以上6.0mm以下
・開口占有率 :4%以上70%以下
・区画面密度 :0.2/mm以上2.0/mm以下
・埋設した期間 :1ヵ月
【0062】
例えば、開口寸法2L,2Wと開口間寸法2LP,2WPとの組みを(開口寸法,開口間寸法)と表記し、開口占有率と区画線密度との組みを[開口占有率,区画線密度]と表記する。そして、例えば、以下の(開口寸法,開口間寸法)と[開口占有率,区画線密度]との組みを備えた組織体形成装置を作成した。
【0063】
(0.1mm,0.5mm),[4%,1.3/mm]
(0.3mm,1.0mm),[4%,0.6/mm]
(0.5mm,2.0mm),[4%,0.3/mm]
(1.0mm,4.0mm),[4%,0.2/mm]
(0.3mm,0.8mm),[6%,1.0/mm]
(0.5mm,1.5mm),[6%,0.5/mm]
(1.0mm,3.0mm),[6%,0.3/mm]
(0.3mm,0.5mm),[11%,1.8/mm]
(0.5mm,1.0mm),[11%,0.9/mm]
(1.0mm,2.0mm),[11%,0.4/mm]
(2.0mm,4.0mm),[11%,0.2/mm]
(0.3mm,0.8mm),[16%,1.2/mm]
(0.5mm,1.5mm),[16%,0.6/mm]
(1.0mm,3.0mm),[16%,0.3/mm]
(0.5mm,0.5mm),[25%,2.0/mm]
(1.0mm,1.0mm),[25%,1.0/mm]
(2.0mm,2.0mm),[25%,0.5/mm]
(3.0mm,3.0mm),[25%,0.3/mm]
(0.3mm,0.8mm),[44%,1.8/mm]
(0.5mm,1.5mm),[44%,0.9/mm]
(1.0mm,3.0mm),[44%,0.6/mm]
(2.0mm,0.5mm),[64%,1.3/mm]
(3.0mm,0.8mm),[64%,0.9/mm]
(4.0mm,1.0mm),[64%,0.6/mm]
【0064】
[試験例2]
試験例1の貫通孔20H,30Hを円形孔状に変更し、貫通孔20H,30Hが区切る円形開口の直径である開口寸法2L、開口間の最短距離である開口間寸法2WP,2LP、開口占有率、および区画面密度を以下の範囲で変更した複数の組織体形成装置を準備した。そして、生体組織材料の存在する環境としてイヌの体内を用い、組織体形成装置から得られた結合組織体において、組織体形成装置から剥がれやすいか否か、また、剥がされた結合組織体における構造上の精度を確認した。組織体形成装置から結合組織体が剥がれやすいか否か、および結合組織体における構造上の精度に関する評価の結果を図14に示す。なお、図14では、試験例1と同様の評価基準に基づいて、評価の結果を「〇」記号、黒塗りの三角記号、黒塗りの四角記号、および「□」記号で示す。
【0065】
・組織体形成空間の厚さ :2.0mm
・開口寸法2L :1.0mm以上1.5mm以下
・開口間寸法2LP,2WP:0.5mm以上2.25mm以下
・開口占有率 :13%以上35%以下
・区画面密度 :0.3/mm以上1.4/mm以下
・埋設した期間 :1ヵ月
【0066】
例えば、以下の(開口寸法,開口間寸法)と[開口占有率,区画線密度]との組みを備えた組織体形成装置を作成した。
(1.0mm,1.5mm),[13%,0.5/mm]
(1.0mm,0.5mm),[35%,1.4/mm]
(1.5mm,2.3mm),[13%,0.3/mm]
(2.0mm,0.5mm),[35%,0.9/mm]
【0067】
[試験例3]
試験例1の貫通孔20H,30Hを六方格子の各格子点に位置する六角形孔状に変更し、貫通孔20H,30Hが区切る正六角形開口の一辺の長さである開口寸法2L、開口間の最短距離である開口間寸法2LP,2WP、開口占有率、および区画面密度を以下の範囲で変更した複数の組織体形成装置を準備した。そして、生体組織材料の存在する環境としてイヌの体内を用い、組織体形成装置から得られた結合組織体において、組織体形成装置から剥がれやすいか否か、また、剥がされた結合組織体における構造上の精度を確認した。組織体形成装置から結合組織体が剥がれやすいか否か、および結合組織体における構造上の精度に関する評価の結果を図14に示す。なお、図14では、試験例1と同様の評価基準に基づいて、評価の結果を「〇」印、黒塗りの三角記号、黒塗りの四角記号、および「□」印で示す。
・組織体形成空間の厚さ :2.0mm
・開口寸法2L :0.25mm以上2.0mm以下
・開口間寸法2LP,2WP:0.3mm以上2.7mm以下
・開口占有率 :30%以上31%以下
・区画面密度 :0.4/mm以上3.0/mm以下
・埋設した期間 :1ヵ月
【0068】
例えば、以下の(開口寸法,開口間寸法)と[開口占有率,区画線密度]との組みを備えた組織体形成装置を作成した。
(2.0mm,2.6mm),[30%,0.4/mm]
(1.0mm,1.3mm),[30%,0.7/mm]
(0.8mm,1.0mm),[30%,1.0/mm]
(0.5mm,0.7mm),[30%,1.4/mm]
(0.3mm,0.3mm),[31%,3.0/mm]
【0069】
図14が示すように、区画面密度が0.9/mm以上である組織体形成装置では、1ヵ月の埋設期間後に、開口占有率が4%以上70%以下の広い範囲で、組織体形成空間の厚さである2mmに相当する良好な厚さを有した円筒状の結合組織体が認められた。同じく、区画面密度が0.9/mm以上である組織体形成装置では、1ヵ月の埋設期間後に、開口占有率が4%以上70%以下の広い範囲で、外装部材10の延在方向の全体、および、外装部材10の周方向の全体において、2.0mm以上2.5mm以下の良好な厚さの均一性を有した結合組織体が認められた。組織体形成装置は、イヌの体内から円滑に取り出すことが可能であって、得られた結合組織体は、切断痕MGが形成されるように過度に引きちぎられることなく、イヌの体内、および組織体形成装置から円滑に剥がれることが認められた。また、得られた結合組織体は、組織体形成装置の形状に追従した環形状を有する一方で、直線状や他の曲線状に変形することが容易であることも認められた。
【0070】
これにより、条件1を満たす組織体形成装置、すなわち、開口寸法2Lや開口寸法2Wが0.02mm以上2.5mm以下であれば、開口を通じて組織体形成空間に生体組織材料を入れることが可能であり、生体組織材料が存在する環境や組織体形成装置から結合組織体を剥がしやすいともいえる。また、上記条件2を満たす組織体形成装置、すなわち、開口間寸法2LPや開口間寸法2WPが0.5mm以上を満たす組織体形成装置であれば、開口間の構造体のなかの数多くの点で生体組織材料から結合組織体を形成しはじめることが可能であるといえる。加えて、上記条件3,4を満たす組織体形成装置、すなわち、区画面密度が0.9/mm以上であるように区画線20L,30Lが広い範囲に分布し、開口占有率が4%以上70%以下であるように区画線20L,30Lが数多くの開口を区切ることによって、上記効果を得つつも、良好な厚さとその均一性とを有した結合組織体が組織体形成装置の内側全体で形成可能であるといえる。
【0071】
特に、区画面密度が1.0/mm以上、かつ開口占有率が30%以上60%以下である組織体形成装置では、より良好な均一性を有した結合組織体が得られることが認められた。これは、区画面密度が1.0/mm以上であれば、区画線20L,30Lがより広い範囲に分布し、開口占有率が30%以上60%以下であれば、生体組織材料に自己防衛機能を発揮させる区画線20L,30Lが、外装部材10における外表面の全体にわたり、より数多く分布しているためであるといえる。
【0072】
一方、開口占有率が4%以上30%以下の範囲であっても、区画面密度が0.5/mm未満となる組織体形成装置では、1ヵ月の埋設期間では、組織体形成空間のなかに結合組織体以外の隙間を空けるような結合組織体が認められやすい。これらから、開口占有率が4%以上30%以下であって、区画面密度が0.5/mm未満となる範囲では、生体組織材料を円滑に通しえる大きさで開口が区切られるといえども、生体組織材料に自己防衛機能を発揮させる区画線20L,30Lが、開口間を結合組織体で埋めるほどに広く範囲で細かく分布しえないといえる。また、貫通孔20H,30Hの間の長さが大きいことに起因して、組織体形成装置の外側にコラーゲン膜が形成されやすく、組織体形成装置の内側を結合組織体で埋める前に開口が塞がれてしまうともいえる。
【0073】
また、開口占有率が4%以上30%以下の範囲であっても、区画面密度が0.5/mm以上0.9/mm未満となる範囲では、結合組織体が形成されるとしても、イヌの体内から組織体形成装置を取り出す際に、過度な力を要したり、結合組織体に切断痕MGが形成されたりしやすい。これらから、開口占有率が4%以上30%以下の範囲であっても、区画面密度が0.5/mm以上0.9/mm未満となる範囲では、組織体形成装置の外側に結合組織体が厚く形成されてしまう程度に開口の間の長さが大きく、組織体形成装置の取り扱い性を得られないといえる。
【0074】
また、開口占有率が30%以上であって、区画面密度が0.9/mm未満となる組織体形成装置では、開口の大きさを大きくすることによって開口占有率30%以上であることを満たしているため、貫通孔20H,30Hと対向する位置に窪みなどが形成されやすいといえる。
【0075】
以上、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)上記条件1,2を満たす組織体形成装置であれば、結合組織体を形成するための生体組織材料を外装部材10の外側から内側に向けて入れることが可能となる。また、貫通孔20H,30Hの形状に追従した突部の大きさを結合組織体において十分に小さくすることが可能であるから、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置を取り出すこと、および組織体形成装置から結合組織体を取り出すことが容易となる。そして、開口間に位置する構造体のなかの数多くの位置で生体組織材料から結合組織体を形成しやすくして、組織体形成空間に向けた開口縁から結合組織体を形成することの実効性を高めることが可能となる。
【0076】
(2)上記条件3,4を満たす組織体形成装置であれば、生体組織材料を外装部材10の外側から内側に向けて入れやすくしつつも、組織体形成空間に向けた多くの開口縁から結合組織体の形成を促すことが可能ともなる。また、開口が少なすぎることや、開口が大きすぎることに起因した構造上での精度の低下、および組織体形成装置の外側に形成される結合組織体の厚さに起因した取り扱い性の低下を抑えることが可能ともなる。結果として、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置を取り出すこと、および組織体形成装置から結合組織体を取り出すことが容易になると共に、結合組織体の構造上における精度を高めることが可能ともなる。
【0077】
(3)上記条件1を満たす組織体形成装置であれば、貫通孔20H,30Hの形状に追従した突部の大きさを結合組織体において十分に小さくすることが可能であるから、結合組織体における表面の平坦性を高めたり、結合組織体における厚さの均一性を高めたりするなどの構造上における精度を高めることが可能となる。結果として、生体組織材料が存在する環境から組織体形成装置を取り出すこと、および組織体形成装置から結合組織体を取り出すことが容易になると共に、結合組織体の表面を平坦にするための後加工を割愛したり、後加工に要する負荷を軽減したりすることが可能ともなる。また、組織体形成装置の形状に追従した環形状の結合組織体において、直線状や他の曲線状に変形しがたい曲がり癖が付くことを抑えることが可能ともなる。
【0078】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[第1変更例]
図15が示すように、外装部材10に形成された貫通孔20H,30Hは、複数の貫通孔20H,30Hから構成されるまとまりを備えてもよい。例えば、六方格子を構成する格子点に六角形状の開口を区切る六つの貫通孔20H,30Hが配置されて、これら六つの貫通孔20H,30Hが孔群HGを構成する。そして、六つの貫通孔20H,30Hから構成される孔群HGを外装部材10が複数備えてもよい。なお、区画面密度を高めることができる観点において、単一の孔群HGでは、貫通孔20H,30Hが最密に配置されていることが好ましい。
【0079】
・上記変更例1において、複数の貫通孔20H,30Hから構成される1つの孔群HGと、複数の貫通孔20H,30Hのから構成される他の孔群HGとの間の距離は、単一の孔群HG内での開口間の距離よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。孔群HG間での距離が孔群HG内での距離よりも大きい構成であれば、孔群HG内での距離が小さいことに起因して生じえる外装部材10での機械的な強度の低下を、孔群HG間に位置する構造体によって補うことが可能ともなる。
【0080】
[第2変更例]
図16が示すように、組織体形成装置は、上述した貫通孔20H,30Hの他に、上記条件1から条件4を満たすように、小貫通孔20SH,30SHをさらに備えてもよい。小貫通孔20SH,30SHは、貫通孔20H,30Hの開口よりも小さい開口を区切る。この際、小貫通孔20SH,30SHの配置は、複数の小貫通孔20SH,30SHから構成される1つのまとまりを構成し、1つのまとまりにおける各小貫通孔20SH,30SHの外形線が、単位領域における区画線20L,30Lを構成する。すなわち、条件1から条件4を別々に満たす複数の種類の貫通孔を組織体形成装置が備えてもよい。
【0081】
例えば、貫通孔20H,30Hは、六方格子の格子点に位置する六角形孔状を有し、小貫通孔20SH,30SHは、正六角形の頂点に位置する正三角形孔状を有する。そして、小貫通孔20SH,30SHが区切る小開口は、正六角形の中心に頂点を向けるような三角形状を有し、六つの小開口から構成される単一のまとまりによる外形線が、単一の貫通孔20H,30Hが有する区画線20L,30Lに相当してもよい。
【0082】
このように、小貫通孔20SH,30SHを備える構成によれば、貫通孔20H,30Hのみを備える構成と比べて、区画面密度を高めることが可能である。また、貫通孔20H,30Hが区切る開口の並びのなかに、小貫通孔20SH,30SHが区切る小開口のまとまりによる外形線を含めることが可能ともなるから、貫通孔20H,30Hのなかに小貫通孔20SH,30SHを配置する設計が容易ともなる。加えて、貫通孔20H,30Hのみを備えた外装部材10と同じ程度の機械的な耐久性を得ることが可能でもあるから、区画面密度が高まることに伴う機械的な耐久性の低下を抑える設計が容易ともなる。
【0083】
[第3変更例]
図17が示すように、外装部材10は、貫通孔20H,30Hが形成された外層部材20BL,30BLと、外層部材20BL,30BLの内側に固定された内層部材20AL,30ALとの二層によって構成されてもよい.この際、内層部材20AL,30ALは、上記条件1,2を満たすように、貫通孔20H,30Hを備える。外層部材20BL,30BLは、貫通孔20H,30Hの開口よりも大きい開口を有した貫通孔20BH,30BHを区切る。貫通孔20H,30Hが区切る開口のうち、大きい貫通孔20BH,30BHの開口なかに位置する開口は、外装部材10の外表面を基準として、貫通孔20H,30Hが上記条件3,4を満たすように構成されている。内層部材20AL,30ALが有する厚さは、生体組織材料に貫通孔20H,30Hを通過させる観点において、外層部材20BL,30BLが有する厚さよりも薄いことが好ましい。
【0084】
このように、外層部材20BL,30BLと内層部材20AL,30ALとを備える構成によれば、外装部材10における機械的な耐久性の確保を外層部材20BL,30BLで担うことが可能であり、かつ、上記条件1,2を満たすことを内層部材20AL,30ALで担うことが可能である。結果として、結合組織体の構造上における精度を高めつつ組織体形成装置の取り扱い性を高めることを可能にすることと、組織体形成装置における機械的な耐久性を確保することとの両立が容易ともなる。また、外層部材20BL,30BLの加工とは別に、上記条件1,2を満たすことに特化した加工を内層部材20AL,30ALに施すことが可能となるため、組織体形成装置の加工精度を高めたり、組織体形成装置の製造を容易にしたりすることも可能となる。
【0085】
図18が示すように、外装部材10に形成された貫通孔20H,30Hは、正方格子の各格子点に位置する円形孔状を有してもよい。この際、試験例2で説明したように、貫通孔20H,30Hが区切る円形開口の直径が開口寸法2Wであり、開口間の最短距離が開口間寸法2LPである。
【0086】
さらに、外装部材10は、図19が示すように、相互に隣り合う貫通孔20H,30Hの間に、貫通孔20H,30Hよりも小さい開口寸法2SWを備えた小貫通孔20SH,30SHを備えてもよい。この際、小貫通孔20SH,30SHは、正方格子を描く格子線上に位置し、上記条件1,2を満たす。そして、単位領域のなかに位置する貫通孔20H,30H、および小貫通孔20SH,30SHが上記条件3を満たし、単位領域のなかで貫通孔20H,30H、および小貫通孔20SH,30SHを区切る区画線20L,30Lが上記条件4を満たす。すなわち、条件3,4を満たすための開口の全てが2種類以上の大きさを備え、かつ各種類の大きさで上記1,2を満たす。
【0087】
なお、図20が示すように、小貫通孔20SH,30SHは、相互に隣り合う貫通孔20H,30Hの間を埋めるように点在し、上記条件1,2を満たす。そして、単位領域のなかに位置する貫通孔20H,30H、および小貫通孔20SH,30SHが上記条件3を満たし、単位領域のなかで貫通孔20H,30H、および小貫通孔20SH,30SHを区切る区画線20L,30Lが上記条件4を満たす。この際、小貫通孔20SH,30SHの配置は、規則的であってもよいし、不規則的であってもよい。
【0088】
これらの構成によっても、区画面密度を高めることが可能であって、区画面密度が高まることに伴う機械的な耐久性の低下を抑える設計が容易ともなる。
なお、貫通孔20H,30Hの開口が、正三角形状、正方形状、正五角形状、正六角形状を有する場合、開口における開口寸法は、正多角形における一辺の長さである。貫通孔20H,30Hの開口が、長方形状や楕円形状などのような偏平状を有する場合、開口における開口寸法は、短軸方向の幅である。貫通孔20H,30Hの開口が、これら幾何学形状以外の不定形状である場合、開口における開口寸法は、二点以上で開口に内接する最も大きい円が有する直径である。
【0089】
[第4変更例]
図21が示すように、組織体形成装置は、上記条件1から条件4を満たす貫通孔を備えた複数の組織体形成壁を備えてもよい。例えば、組織体形成装置は、貫通孔101Hを備えた薄板円筒状を有する第1形成壁101の内側に、貫通孔102Hを備えた薄板状を有する第2形成壁102を備える構成に変更してもよい。第1形成壁101は、第1区画壁の一例であり、第2形成壁102は、第2区画壁の一例である。第2形成壁102は、例えば、第1形成壁101の径方向、および延在方向に広がる板状を有し、第2形成壁102の延在方向に延びる縁と第1形成壁101の内周面とが離れた状態で、第1形成壁101の両端部に固定されている。
【0090】
上記条件1から条件4を満たす組織体形成壁は、生体組織材料が通過しえる開口を区切る構成を備え、かつ、開口を区切る構造体が自己防衛機能を発揮しやすくする構成を備える。こうした第1形成壁101は、上記実施形態と同じく、第1形成壁101に囲まれた空間に、第1形成壁101の開口を通して第1形成壁101の内側に入る生体組織材料から結合組織体を形成することを促す。また、第2形成壁102は、第1形成壁101の開口を通して第1形成壁101の内側に入る生体組織材料から結合組織体を形成すること、また、第2形成壁102の開口を通る生体組織材料から結合組織体を形成することを促す。結果として、第1形成壁101によって囲まれる組織体形成空間の全体にわたり結合組織体を形成することを可能にして、腱や靱帯のように太さや長さが求められる結合組織体を形成することを可能とする。
【0091】
なお、第1形成壁101から結合組織体を離す過程において、板状を有した第2形成壁102は、結合組織体が外装部材から離される前に外装部材から引き抜かれてもよいし、結合組織体が外装部材から離された後に結合組織体から引き抜かれてもよい。第2形成壁102が引き抜かれることによって形成される隙間は、結合組織体の移植後などにおいて結合組織体同士の接着によって直ぐに埋められる。
【0092】
[第5変更例]
図22が示すように、組織体形成装置は、上記条件1から上記条件4を満たす貫通孔を備えた円筒状の第1形成壁101と、第1形成壁101の内側に位置して上記条件1から条件4を満たす貫通孔を備えた1枚の薄板状を有する第2形成壁102とを備える構成に変更することができる。第2形成壁102は、第1形成壁101の内側で渦巻き状に巻き回されている。第1形成壁101は、第1区画壁の一例であり、第2形成壁102は、第2区画壁の一例である。
【0093】
こうした第1形成壁101は、第1形成壁101の開口を通して第1形成壁101の内側に入る生体組織材料から結合組織体を形成することを促し、また、第2形成壁102は、第2形成壁102の開口を通る生体組織材料から結合組織体を形成することを促す。結果として、第1形成壁101によって囲まれる組織体形成空間の全体にわたり結合組織体を形成することを可能にして、巻き回された第2形成壁102を広げることによって、広い面積が求められるシート状の結合組織体を形成することを可能とする。
【0094】
[第6変更例]
図23が示すように、組織体形成装置は、上記条件1から条件4を満たす貫通孔を備えた複数枚の薄板状を有する第1形成壁101を、間隔を空けて積み重ねた積層体として構成とすることも可能である。この際、組織体形成装置は、第1形成壁101を位置決めする位置決め部材103を備え、位置決め部材103もまた、上記条件1から条件4を満たす複数の開口を備える。そして、最上層の第1形成壁101と最下層の第1形成壁101との間である第1形成壁101に囲まれた空間に、貫通孔101Hを備えた他の3枚の第1形成壁101が介在している。最上層の第1形成壁101、および最下層の第1形成壁101は、第1区画壁の一例であり、他の3枚の第1形成壁101は、第2区画壁の一例である。
【0095】
こうした第1形成壁101は、最上層の開口を通じて、また、最下層の開口を通じて、これらの間に入る生体組織材料から結合組織体を形成すること、また、最上層と最下層との間に位置する第1形成壁101の開口を通る生体組織材料から結合組織体を形成することを促す。結果として、最上層の第1形成壁101と最下層の第1形成壁101とに挟まれた組織体形成空間の全体にわたり剥がれやすい結合組織体を形成することを可能にして、人工弁膜として機能しえる複数のシート状の結合組織体を一度に形成することを可能とする。
【0096】
[第7変更例]
図24が示すように、組織体形成装置は、上記条件1から条件4を満たす貫通孔を備えた内装部材を備えてもよい。例えば、組織体形成装置は、貫通孔101Hを備えた薄板円筒状を有する外装部材である第1形成壁101の内側に、貫通孔104Hを備えた薄板円筒状を有する第1内装部材104と、第1内装部材104の内側に、貫通孔105Hを備えた薄板円筒状を有する第2内装部材105とを備える構成に変更してもよい。第1形成壁101は、第1区画壁の一例であり、第1内装部材104、および第2内装部材105は、第2区画壁の一例である。第1内装部材104は、例えば、第1内装部材104の外周面と第1形成壁101の内周面とが離れた状態で、第1形成壁101の両端部に固定されている。第2内装部材105は、例えば、第2内装部材105の外周面と第1内装部材104の内周面とが離れた状態で、第1形成壁101の両端部に固定されている。
【0097】
こうした第1内装部材104は、第1形成壁101の開口を通して第1形成壁101の内側に入る生体組織材料から結合組織体を形成すること、また、第1内装部材104の開口を通る生体組織材料から結合組織体を形成することを促す。さらに、第2内装部材105は、第1内装部材104の開口を通して第1内装部材104の内側に入る生体組織材料から結合組織体を形成すること、また、第2内装部材105の開口を通る生体組織材料から結合組織体を形成することを促す。結果として、第1形成壁101によって囲まれる組織体形成空間の全体にわたり結合組織体を形成することを可能にして、第1形成壁101と第1内装部材104との間の空間を埋める大円筒状の結合組織体を形成することを可能とする。そのうえ、第1内装部材104と第2内装部材105との間の空間を埋める小円筒状の結合組織体を形成すること、および、第2内装部材105に囲まれた空間を埋める円柱状の結合組織体を形成することを可能とする。
【0098】
[第8変更例]
図25が示すように、組織体形成装置は、心臓弁膜を形成することに特化した装置に具体化することも可能である。組織体形成装置は、円筒状を有した第1形成壁101と、第1形成壁101の内側に収容される血管用内装部材102Aと、第1形成壁101の内側に収容される弁膜用内装部材102Bとを備える。第1形成壁101、および、弁膜用内装部材102Bは、上記条件1から条件4を満たす開口を備える。
【0099】
血管用内装部材102Aは、第1形成壁101の軸方向に延在する多段の円柱状を有する。血管用内装部材102Aは、結合組織体の一例である血管の厚さ分だけ、第1形成壁101の内面から離れて位置する。血管用内装部材102Aの外周面は、血管のみを形成するための円筒面である上側外周面1021と、上側外周面1021よりも弁膜の厚さ分だけ窪んだ凹部である弁膜形成部1022とを備える。3つの弁膜形成部1022は、血管用内装部材102Aの周方向に等配された窪みである。
【0100】
弁膜用内装部材102Bは、第1形成壁101の軸方向に延在する円筒状を有する。弁膜用内装部材102Bは、血管の厚さ分だけ、第1形成壁101の内面から離れて位置する。弁膜用内装部材102Bは、弁膜用内装部材102Bの周方向に3つの弁膜被覆片1023を備える。弁膜被覆片1023は、上記条件1から上記条件4を満たす開口を備える。弁膜被覆片1023は、血管の厚さ分だけ、第1形成壁101の内面から離れ、かつ弁膜の厚さ分だけ、弁膜形成部1022から離れて位置する。弁膜被覆片1023は、弁膜形成部1022に嵌められた状態で、第1形成壁101に内装される。
【0101】
組織体形成装置は、第1形成壁101と血管用内装部材102Aとの間、および第1形成壁101と弁膜用内装部材102Bとの間に、単一の円筒状を有して血管として機能する結合組織体を形成する。また、組織体形成装置は、弁膜形成部1022と弁膜被覆片1023との間に、血管用の結合組織体と一体の弁膜として機能する結合組織体を形成する。こうした構成においても、第1形成壁101の開口を通じて、また、弁膜被覆片1023の開口を通じて、生体組織材料から結合組織体を形成することが促される。結果として、構造上の精度が高められた心臓弁膜を組織体形成装置から取り出しやすい状態で形成することが可能となる。
【0102】
図26が示すように、組織体形成装置は、円筒状を有した第1形成壁101と、第1形成壁101の軸方向に延在する円柱状を有した内装部材102Tとから構成されてもよい。すなわち、組織体形成装置が有する形状は、円環状に限らず、直管状に変更することも可能である。
【0103】
・組織体形成空間の厚さは、一定であることに限らず、一端から他端に向けて徐々に変化してもよいし、厚さが徐々に変化する部分と厚さが一定である部分とを備えた構成であってもよい。
【0104】
・上記条件1から条件4を満たす構成であれば、組織体形成装置に形成された開口の形状は、角に丸みを有する多角形状であってもよいし、円形状や楕円形状であってもよいし、これらとは異なる幾何学形状であってもよい。さらに、組織体形成装置に形成された開口の形状は、幾何学形状とは異なる不定形状であってもよいし、複数の幾何学形状と複数の不定形状とからなる群から選択される2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0105】
・上記条件1から条件4を満たす構成であれば、貫通孔20H,30Hが区切る開口の配置は、正方格子の格子点、矩形格子の格子点、六方格子の格子点などに位置するような規則性を有してもよいし、不規則性を有してもよい。なお、貫通孔20H,30Hが区切る開口が不規則に配置される場合、外装部材10の外表面において1辺が10mmを有する矩形領域が単位領域として定められる。
【符号の説明】
【0106】
EA,EB…縁
M…結合組織体
MA…環境
2L,2SW,2W…開口寸法
20AL,30AL…内層部材
20BL,30BL…外層部材
20H,20BH,30H,30BH,101H,102H,104H,105H…貫通孔
【要約】
【課題】構造上の精度が高められた結合組織体を組織体形成装置が埋設される期間の長期化を抑えたうえで形成可能にしつつ組織体形成装置の取り扱い性を向上可能にした組織体形成装置、組織体形成方法、および結合組織体を提供する。
【解決手段】区画壁が備える外表面において相互に隣り合う貫通孔20Hの間の長さが0.5mm以上、かつ貫通孔20Hにおける開口寸法が0.02mm以上2.5mm以下である複数の貫通孔20Hが区画壁に形成されており、区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての貫通孔20Hの開口面積の割合が開口占有率であり、区画壁が備える外表面の単位面積に対する、当該単位面積に含まれる全ての貫通孔における開口縁の長さの割合が区画面密度であり、開口占有率が4%以上70%以下であり、区画面密度が0.9/mm以上である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26