【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、
ニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法であって、
コンピュータが、
消化器官の第1の内視鏡画像と、前記第1の内視鏡画像に対応する、前記消化器官の前記疾患の陽性若しくは陰性、過去の疾患、重症度のレベル、又は、撮像された部位に対応する情報の少なくとも1つの確定診断結果と、を用いてニューラルネットワークを訓練するステップと、
前記訓練されたニューラルネットワークにより、消化器官の第2の内視鏡画像に基いて、当該消化器官の疾患の陽性及び/又は陰性の確率、過去の疾患の確率、疾患の重症度のレベル、又は、撮像された部位に対応する情報の少なくとも1つを出力するステップと、
を
実行し、
前記ニューラルネットワークを訓練するステップは、
前記第1の内視鏡画像は、それぞれが撮像された部位に関連付けられる工程、及び、
前記撮像された部位における前記第1の内視鏡画像の数が他の部位に比して少ない場合、前記第1の内視鏡画像を回転、拡大、縮小、画素数の変更、明暗部の抽出、又は、色調変化部位の抽出の少なくとも1つを使用することによって、全ての部位における前記第1の内視鏡画像の数が実質的に等しくなるようにされる工程、
を有することを特徴とする。
【0020】
かかる態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、ニューラルネットワークが複数の被験者のそれぞれについて予め得られている複数の消化器官の内視鏡画像からなる第1の内視鏡画像と、複数の被験者のそれぞれについて予め得られている前記疾患の陽性若しくは陰性、過去の疾患、重症度のレベル、又は、撮像された部位に対応する情報の少なくとも1つの確定診断結果とに基いて訓練されているので、短時間で、実質的に内視鏡専門医に匹敵する精度で被験者の消化器官の疾患の陽性及び/又は陰性の確率、過去の疾患の確率、疾患の重症度のレベル、又は、撮像された部位に対応する情報のいずれか1つ以上を得ることができ、別途確定診断を行わなければならない被験者を短時間で選別することができるようになる。しかも、多数の被験者についての複数の消化器官の内視鏡画像からなるテストデータに対する疾患の陽性及び/又は陰性の確率、過去の疾患の確率、疾患の重症度のレベル、又は、撮像された部位に対応する情報の少なくとも1つを自動診断することができるため、内視鏡専門医によるチェック/修正が容易になるだけでなく、疾患と関連づけられた画像の集合を作成する作業の省略化も図ることができる。
また、訓練されていないニューラルネットワークでは、具体的な消化器官の内視鏡画像が如何なる部位の画像であるかを識別するのが困難な場合がある。ニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、それぞれの部位によって分類された内視鏡画像を用いて訓練されたニューラルネットワークとなっているので、ニューラルネットワークに対し、それぞれの部位に応じたきめ細かい訓練が可能であるため、第2内視鏡画像に対する疾患の陽性及び陰性のそれぞれの陰性の確率、過去の疾患の確率、疾患の重症度のレベル等の検出精度が向上する。
また、複数の被験者のそれぞれについて予め得られている複数の消化器官の内視鏡画像からなる第1の内視鏡画像の数が部位毎に大きく異なる場合がある。本態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、そのような場合においても、その部位の第1の内視鏡画像を適宜に回転、拡大、縮小、画素数の変更、明暗部の抽出、又は、色調変化部位の抽出の少なくとも1つを使用することによってニューラルネットワークを訓練するための画像数を増やすことができるので、部位の相違に基づく疾患の陽性及び陰性のそれぞれの確率、過去の疾患の確率、疾患の重症度のレベル等の検出精度のばらつきが減少する。なお、第8の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援方法においては、各部位毎の内視鏡画像の数が必ずしも同一となるようにする必要はなく、数のばらつきが少なくなればよい。
【0021】
また、本発明の第2の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第1の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記ニューラルネットワークを訓練するステップは、さらに前記第1の内視鏡画像は、コントラストの調整が行なわれる工程を有することを特徴とする。
【0022】
第2の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、全ての第1の内視鏡画像のコントラストが実質的に同一の階調となるように調整されているため、疾患の陽性及び陰性のそれぞれの確率ないし重症度のレベルの検出精度が向上する。
【0025】
また、本発明の第3の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第1又は2の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記
撮像された部位は、咽頭、食道、胃又は十二指腸の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0026】
第3の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、咽頭、食道、胃及び十二指腸の部位毎の分類が正確にできるので、それぞれの部位に対する疾患の陽性及び陰性のそれぞれの陰性の確率、過去の疾患の確率、疾患の重症度のレベル等の検出精度が向上する。
【0027】
また、本発明の第4の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第3のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記
撮像された部位は、前記複数の消化器官の少なくとも1つにおいて複数箇所に区分されていることを特徴とする。
【0028】
消化器官はそれぞれ複雑な形状をしているため、
撮像された部位の分類数が少ないと具体的な内視鏡画像が当該消化器官の如何なる部位の画像であるかを認識するのが困難な場合がある。第4の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、複数の消化器官のそれぞれにおいて複数箇所に区分されているので、短時間に高精度の診断結果を得ることができるようになる。
【0029】
また、本発明の第5の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第4の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、
撮像された部位が胃である場合には、前記区分は、上部胃、中部胃又は下部胃の少なくとも1つを含むことを特徴とする。また、本発明の第6の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第4の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記
撮像された部位が胃である場合には、前記区分は、噴門部、胃底部、胃体部、胃角部、前庭部、幽門洞又は幽門部の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0030】
本発明の第5又は第6の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、胃の各区分ないし部位毎の分類が正確にできるので、それぞれの区分ないし部位に対する疾患の陽性及び陰性のそれぞれの陰性の確率、過去の疾患の確率、疾患の重症度のレベル等の検出精度が向上する。なお、胃の区分ないし部位の選択は、必要に応じて適宜に選択すればよい。
【0033】
また、本発明の第7の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第1〜第6のいずれかの態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記出力するステップは、前記訓練されたニューラルネットワークが、前記第2の内視鏡画像が撮像された部位に対応する情報を出力する工程を有することを特徴とする。
【0034】
通常、一人の被検者に対して多くの消化器官の内視鏡画像ないし連続撮影画像が得られる。第7の態様の係る態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、第2の内視鏡画像毎に疾患の陽性及び陰性のそれぞれの確率と部位名とが出力されるので、疾患の陽性部位や分布を理解しやすくなる。
【0035】
また、本発明の第8の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第7の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記出力するステップは、前記訓練されたニューラルネットワークが、前記確率ないし前記重症度を前記部位に対応する情報とともに出力する工程を有することを特徴とする。
【0036】
第8の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、疾患の陽性の確率ないし重症度の高い順に当該確率ないし重症度及び部位名が出力されるので、精密に検査しなければならない部位が理解しやすくなる。
【0037】
また、本発明の第9の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第1〜第8のいずれかの態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記第1の内視鏡画像は胃内視鏡画像を含み、前記疾患がヘリコバクター・ピロリ感染又はヘリコバクター・ピロリ除菌の有無の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0038】
第9の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、日本消化器内視鏡学会専門医と同等の精度で被験者のヘリコバクター・ピロリ感染の陽性又は陰性のそれぞれの確率ないしヘリコバクター・ピロリ除菌の有無を予測することができ、別途確定診断を行わなければならない被験者を短時間で正確に選別することができるようになる。なお、確定診断は、選別された被験者に対して血液又は尿の抗H.ピロリIgGレベル測定、糞便抗原検査、又は尿素呼気検査を行うことにより行うことができる。
【0039】
また、本発明の第10の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第1〜第8のいずれかの態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記第1の内視鏡画像は大腸内視鏡画像を含み、前記疾患が少なくとも潰瘍性大腸炎を含み、前記訓練されたニューラルネットワークは前記潰瘍性大腸炎の重症度に応じた複数の段階に区分して出力することを特徴とする。
【0040】
第10の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、日本消化器内視鏡学会専門医と同等の精度で被験者の潰瘍性大腸炎の重症度を予測することができるので、別途さらなる精密検査を行わなければならない被験者を短時間で正確に選別することができるようになる。
【0041】
また、本発明の第11の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第1〜第8のいずれかの態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記第1の内視鏡画像は超拡大内視鏡による食道内視鏡画像を含み、前記疾患が食道癌、胃食道逆流症、又は、食道炎の少なくとも1つを含み、前記訓練されたニューラルネットワークは、前記食道癌、胃食道逆流症、又は、食道炎の少なくとも1つを区分して出力することを特徴とする。
【0042】
第11の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、超拡大内視鏡による食道内視鏡画像に基づいて非癌性の病変を癌性であるとする過剰診断を最小限に押さえることができるので、組織生検を行う必要がある被験者の数を減らすことができるようになる。
【0043】
また、本発明の第12の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第1〜第11のいずれか態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記第2の内視鏡画像は、内視鏡で撮影中の画像、通信ネットワークを経由して送信されてきた画像、遠隔操作システム又はクラウド型システムによって提供される画像、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された画像、又は、動画の少なくとも1つであることを特徴とする。
【0044】
第12の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、入力された第2の内視鏡画像に対する消化器官の疾患陽性及び陰性のそれぞれの確率ないし重症度を短時間で出力することができるので、第2の内視鏡画像の入力形式によらず、例えば遠隔地から送信された画像であっても、動画であっても利用可能となる。
【0045】
なお、通信ネットワークとしては、周知のインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等を利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体も周知のIEEE1394シリアルバス、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線回線、ADSL回線等の有線、赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11等の無線、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線等を利用できる。これらによって、いわゆるクラウドサービスや遠隔支援サービスの形態として利用可能である。
【0046】
また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、周知の磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、コンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード、メモリカード、光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系等を用いることができる。これらによって、いわゆる医療機関や検診機関に簡便にシステムを移植又は設置できる形態を提供することができる。
【0047】
また、本発明の第13の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法は、第1〜第12のいずれかの態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法において、前記ニューラルネットワークとして畳み込みニューラルネットワーク用いることを特徴とする。
【0048】
ニューラルネットワークとしての畳み込みニューラルネットワークは、脳の視覚野の特性をシミュレーションした数理モデルであり、画像に対する学習能力が非常に優れている。そのため、第13の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援
システムの作動方法によれば、より高感度で、より高特異度となるので、有用性が非常に大きくなる。
【0049】
さらに、本発明の第14の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、
内視鏡画像入力部と、出力部と、ニューラルネットワークが組み込まれたコンピュータと、を有する消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムであって、
前記コンピュータは、
消化器官の第1の内視鏡画像を記憶する第1の記憶領域と、
前記第1の内視鏡画像に対応する、前記消化器官の前記疾患の陽性若しくは陰性、過去の疾患、重症度のレベル、又は、撮像された部位に対応する情報の少なくとも1つの確定診断結果を記憶する第2の記憶領域と、
前記ニューラルネットワークプログラムを記憶する第3の記憶領域と、
を備え、
前記ニューラルネットワークプログラムは、
前記第1の記憶領域に記憶されている前記第1の内視鏡画像と、前記第2の記憶領域に記憶されている確定診断結果とに基いて訓練されており、
前記第1の内視鏡画像は、それぞれが撮像された部位に関連付けられており、
前記撮像された部位における前記第1の内視鏡画像の数が他の部位に比して少ない場合には、前記第1の内視鏡画像を回転、拡大、縮小、画素数の変更、明暗部の抽出又は色調変化部位の抽出の少なくとも1つを使用することによって、全ての部位における訓練/検証データの数が実質的に等しくなるようにされ、
前記内視鏡画像入力部から入力された消化器官の第2の内視鏡画像に基いて、前記第2の内視鏡画像に対する消化器官の疾患の陽性及び/又は陰性の確率、過去の疾患の確率、疾患の重症度のレベル、又は、撮像された部位に対応する情報の少なくとも1つを前記出力部に出力することを特徴とする。
【0050】
また、本発明の第
15の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、第
14の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記訓練/検証データは、コントラストの調整が行なわれていることを特徴とする。
【0052】
また、本発明の第
16の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、第
15の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記部位は、咽頭、食道、胃又は十二指腸の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0053】
また、本発明の第
17の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、
第16の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記部位は、前記複数の消化器官の少なくとも1つにおいて複数箇所に区分されていることを特徴とする。
【0054】
また、本発明の第
18の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、第
17の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記部位が胃である場合には、前記区分は、上部胃、中部胃又は下部胃の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0055】
また、本発明の第
19の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、第
17の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記部位が胃である場合には、前記区分は、噴門部、胃底部、胃体部、胃角部、前庭部、幽門洞又は幽門部の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0057】
また、本発明の第
20の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、
第14〜第19のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記訓練されたニューラルネットワークプログラムは、前記第2の内視鏡画像が撮像された部位に対応する情報が出力可能であることを特徴とする。
【0058】
また、本発明の第
21の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、第
20の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記訓練されたニューラルネットワークプログラムは、前記確率ないし前記重症度を前記部位に対応する情報とともに出力することを特徴とする。
【0059】
また、本発明の第
22の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、
第14〜第21のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記第1の内視鏡画像は胃内視鏡画像を含み、前記疾患がヘリコバクター・ピロリ感染又はヘリコバクター・ピロリ除菌の有無の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0060】
また、本発明の第
23の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、
第14〜第21のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記第1の内視鏡画像は大腸内視鏡画像を含み、前記疾患が少なくとも潰瘍性大腸炎を含み、前記訓練されたニューラルネットワークプログラムは前記潰瘍性大腸炎の重症度に応じた複数の段階に区分して出力することを特徴とする。
【0061】
また、本発明の第
24の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、
第14〜第21のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記第1の内視鏡画像は超拡大内視鏡による食道内視鏡画像を含み、前記疾患が食道癌、胃食道逆流症、又は、食道炎の少なくとも1つを含み、前記訓練されたニューラルネットワークは、前記食道癌、胃食道逆流症、又は、食道炎の少なくとも1つを区分して出力することを特徴とする。
【0062】
また、本発明の第
25の態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、
第14〜第24のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記第2の内視鏡画像は、内視鏡で撮影中の画像、通信ネットワークを経由して送信されてきた画像、遠隔操作システム又はクラウド型システムによって提供される画像、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された画像、又は、動画の少なくとも1つであることを特徴とする
【0063】
また、本発明の第
26の態様の内視鏡画像による疾患の診断支援システムは、
第14〜第25のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおいて、前記ニューラルネットワークが畳み込みニューラルネットワークであることを特徴とする。
【0064】
本発明の
第14〜第26のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムによれば、それぞれ第1〜
第13のいずれかの態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援方法と同様の効果を奏することができる。
【0065】
さらに、本発明の第
27の態様の消化器官の内視鏡画像による診断支援プログラムは、
第14〜第26のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおける各手段としてコンピュータを動作させるためのものであることを特徴とする。
【0066】
本発明の第
27の態様の消化器官の内視鏡画像による診断支援プログラムによれば、
第14〜第26のいずれかの態様の消化器官の内視鏡画像による疾患の診断支援システムにおける各手段としてコンピュータを動作させるための、消化器官の内視鏡画像による診断支援プログラムを提供することができる。
【0067】
また、本発明の第
28の態様の消化器官の内視鏡画像による診断支援プログラムは、第
27の態様の消化器官の内視鏡画像による診断支援プログラムを記録したことを特徴とする。
【0068】
本発明の第
28の態様の消化器官の内視鏡画像による診断支援プログラムによれば、第
27の態様の消化器官の内視鏡画像による診断支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0071】
また、本発明の第
29の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別システムは、
内視鏡画像入力部と、出力部と、ニューラルネットワークが組み込まれたコンピュータと、を有する消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別システムであって、
前記コンピュータは、
消化器官の第1の内視鏡画像を記憶する第1の記憶領域と、
前記第1の内視鏡画像に対応する、前記消化器官の撮像された部位に対応する情報の確定情報を記憶する第2の記憶領域と、
前記ニューラルネットワークプログラムを記憶する第3の記憶領域と、
を備え、
前記ニューラルネットワークプログラムは、
前記第1の記憶領域に記憶されている前記第1の内視鏡画像と、前記第2の記憶領域に記憶されている確定情報とに基いて訓練されており、
前記撮像された部位における前記第1の内視鏡画像の数が他の部位に比して少ない場合には、前記第1の内視鏡画像を回転、拡大、縮小、画素数の変更、明暗部の抽出又は色調変化部位の抽出の少なくとも1つを使用することによって、全ての部位における訓練/検証データの数が実質的に等しくなるようにされ、
前記内視鏡画像入力部から入力された消化器官の第2の内視鏡画像に基いて、前記第2の内視鏡画像に対する消化器官の撮像された部位に対応する情報を前記出力部に出力することを特徴とする。
【0072】
本発明の第29の態様のニューラルネットワークを用いた消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別システムによれば、
ニューラルネットワークが消化器官の第1の内視鏡画像と、前記第1の内視鏡画像に対応する、撮像された部位に対応する情報の確定情報を用いて訓練されているので、短時間で、実質的に内視鏡専門医に匹敵する精度で被験者の撮像された部位に対応する情報を得ることができ、診断対象の消化器官の部位を短時間で判別することができるようになる。しかも、多数の被験者についての複数の消化器官の内視鏡画像からなるテストデータに対する撮像された部位に対応する情報を自動判別することができるため、内視鏡専門医によるチェック等が容易になるだけでなく、疾患と関連づけられた画像を解析する作業の省略化も図ることができる。
【0073】
また、本発明の第
30の態様の消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別プログラムは、第
29の態様の消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別システムにおける各手段としてコンピュータを動作させるためのものであることを特徴とする。
【0074】
本発明の第
30の態様の消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別プログラムによれば、第
29の態様の消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別システムにおける各手段としてコンピュータを動作させるための、消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別プログラムを提供することができる。
【0075】
また、本発明の第
31の態様のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、第
30の態様の消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別プログラムを記録したことを特徴とする。
【0076】
本発明の第
31の態様のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に
よれば、第
30の態様の消化器官の内視鏡画像による消化器官の部位の判別プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。