(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔実施形態〕
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態のコンパクトの装填装置は、3色の化粧料を充填した中皿と、ブラシとを容器に装填し、この容器にカバーを被覆することによって、最終製品としてのコンパクトを製造する装置である。まず、このコンパクトについて説明する。
【0029】
図1は、コンパクトを示す斜視図である。
コンパクト100は、
図1に示すように、容器20と、この容器20に装填された中皿DおよびブラシBとを備えている。また、コンパクト100は、容器20に被覆するカバーCを備えている。このカバーCについては後に詳細に説明する。
【0030】
容器20は、容器本体201と、容器本体201を蓋する蓋部材202とを備えている。この容器20については後に詳細に説明する。
容器本体201は、3色の化粧料D1〜D3を充填した中皿Dを収容する収容部201Aと、ブラシBを収容する収容部201Bとを備えている。
蓋部材202は、矩形板状のミラーMと、このミラーMを収容する収容部202Aとを備えている。
【0031】
図2は、コンパクトの装填装置を示す上面図である。具体的には、
図2は、コンパクトの装填装置1を鉛直上方側から見た模式図である。なお、
図2では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
コンパクトの装填装置1は、
図2に示すように、複数の容器20を収容したパレットPを所定方向(+X軸方向)に搬送することによって、複数の容器20を搬送するコンベア2を備えている。
【0032】
図3は、容器を示す図である。具体的には、
図3(A)は、閉蓋状態とした容器を示す図であり、
図3(B)は、開蓋状態とした容器を示す図である。
容器20は、
図3に示すように、底面略矩形状の第1収容部201Aおよび第2収容部201Bを有する容器本体201と、容器本体201の第1収容部201Aおよび第2収容部201Bを蓋する蓋部材202とを備えている。また、容器20は、容器本体201の一端および蓋部材202の一端を回動自在に接続するヒンジ部203と、容器本体201の他端および蓋部材202の他端を開閉自在に係合するフック部204とを有している。この容器20は、ヒンジ部203を回動させてフック部204を係合して閉蓋状態とすることによって、全体略直方体状となる。
【0033】
また、コンパクトの装填装置1は、
図2に示すように、容器搬送装置3と、ラベル貼付装置4と、容器供給装置5と、容器開蓋装置6と、中皿装填装置7と、ブラシ装填装置8と、カバー被覆装置9と、カバー扱き装置10と、容器排出装置11とを備え、これらの装置は、コンベア2の上流側から下流側に向かって配設されている。
なお、コンベア2および装置3〜11は、ガラス板を嵌め込まれたフレームにて密閉された領域の内部に収納されている。作業者は、コンベア2および装置3〜11の近傍にそれぞれ配設された扉を開くことによって、コンベア2および装置3〜11のメンテナンス等を実施できる。
【0034】
コンベア2は、3個の容器20を供給したパレットPを所定方向(+X軸方向)に搬送することによって、容器20を搬送する。まず、このコンベア2に用いられるパレットPについて説明する。
【0035】
図4は、コンベアに用いられるパレットの上面図および断面図である。具体的には、
図4(A)は、パレットPの上面図であり、
図4(B)は、
図4(A)のA−A断面図である。
パレットPは、
図4に示すように、矩形板状に形成された樹脂製のパレットである。このパレットPは、開蓋状態の容器20を載置できる大きさに形成された3つの載置部P1と、載置部P1の+Y軸方向側の2箇所に上下面を貫通して形成された2つの貫通穴P2と、載置部P1に対応する貫通穴P2をパレットPの−Y軸方向側の側面に連通させる連通穴P3とを備えている。
【0036】
載置部P1は、溝状に形成されるとともに、開蓋状態の容器20の面積(容器本体201および蓋部材202の合計面積)よりも僅かに大きい矩形状の開口を有するように形成されている。したがって、開蓋状態の容器20は、載置部P1に嵌まり込むようにして載置される。
なお、本実施形態では、パレットPは、3つの載置部P1を備えているが、1個または2個の載置部P1を備えていてもよく、4個以上の複数の載置部P1を備えていてもよい。
【0037】
コンベア2は、
図2に示すように、3個の容器20を供給したパレットPを所定方向(+X軸方向)に搬送することによって、容器20を搬送する往路用コンベア21と、往路用コンベア21と平行に配設されるとともに、3個の容器20を排出したパレットPを所定方向と反対方向(−X軸方向)に搬送することによって、パレットPを往路用コンベア21の上流側に搬送する復路用コンベア22とを備えている。
【0038】
また、コンベア2は、復路用コンベア22にて往路用コンベア21の上流側に搬送されてきたパレットPを往路用コンベア21に送り出す往路用送出機構23と、往路用コンベア21にて復路用コンベア22の上流側に搬送されてきたパレットPを復路用コンベア22に送り出す復路用送出機構24とを備えている。
【0039】
したがって、コンベア2は、パレットPを往路用コンベア21にて+X軸方向に搬送した後、復路用送出機構24にて復路用コンベア22に送り出し、復路用コンベア22にて−X軸方向に搬送した後、往路用送出機構23にて往路用コンベア21に再び送り出すので、パレットPをZ軸まわりに回転させるように巡回させて搬送する。
【0040】
容器搬送装置3は、容器20を載置する載置台31と、載置台31に載置された閉蓋状態の容器20をコンベア2に搬送する搬送路32とを備えている。この容器搬送装置3は、作業者によって載置台31に載置された容器20をラベル貼付装置4に搬送路32を介して搬送した後、容器供給装置5に搬送路32を介して搬送する。ここで、作業者は、閉蓋状態の容器本体201を鉛直上方側とし、蓋部材202を鉛直下方側とし、表裏反転させた容器20を載置台31に載置する。
【0041】
ラベル貼付装置4は、搬送路32を介して−Y軸方向に向かって搬送されている容器20に対して鉛直上方側からラベルを貼り付ける。ここで、容器20は、表裏反転しているので、ラベル貼付装置4は、容器本体201にラベルを貼り付けている。
容器供給装置5は、搬送路32を介して+X軸方向に向かって搬送されている容器20をパレットPに移載する移載機構51を備え、この移載機構51にて3個の容器20をパレットPに移載して供給する。
【0042】
容器開蓋装置6は、パレットPに供給された容器20のフック部204の係合を解除した後、ヒンジ部203を回動させることによって、容器20を開蓋する。この容器開蓋装置6については後に詳細に説明する。
中皿装填装置7は、中皿Dを載置する載置台71と、載置台71に載置された中皿Dを容器20に装填する装填機構72とを備えている。この装填機構72は、容器開蓋装置6にて開蓋状態とした容器20のそれぞれに中皿Dを装填する。具体的には、装填機構72は、容器20の第1収容部201Aにホットメルト接着剤を塗布した後、3色の化粧料D1〜D3を充填した中皿Dを装填する。
ブラシ装填装置8は、ブラシBを容器20に装填する装填機構81を備えている。この装填機構81は、中皿装填装置7にて中皿Dを装填した容器20のそれぞれにブラシBを装填する。具体的には、装填機構81は、容器20の第2収容部201BにブラシBを装填する。
【0043】
カバー被覆装置9は、開蓋状態の容器20の上面および側面を覆う形状を有する透明な薄い樹脂製のカバーCを搬送する搬送機構91と、搬送機構91にて搬送されるカバーCを容器20に被覆する被覆機構92とを備えている。具体的には、被覆機構92は、容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せることによって、カバーCを容器20に被覆する。このカバー被覆装置9については後に詳細に説明する。
カバー扱き装置10は、カバー被覆装置9にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せた後、カバーCの上面を扱くことによって、カバーCを容器20に密着させる。このカバー扱き装置10については後に詳細に説明する。
容器排出装置11は、容器20を排出する排出路111と、容器20をパレットPから排出路111に移載する移載機構112とを備え、この移載機構112にて容器20をパレットPから排出路111に移載して排出する。
以下、コンパクトの装填装置1を構成する各装置のうち、主要な装置について順に説明する。
【0044】
<容器開蓋装置>
図5は、容器開蓋装置を示す斜視図である。
容器開蓋装置6は、
図5に示すように、パレットPに載置された容器20を吸引して固定する容器吸引機61と、容器20のフック部204の係合を解除することによって、容器本体201の他端および蓋部材202の他端を離間させるフック係合解除機62と、フック係合解除機62にてフック部204の係合を解除された後、ヒンジ部203を回動させることによって、容器20を開蓋するヒンジ回動機63とを備えている。
【0045】
図6は、容器開蓋装置の上面図である。
容器吸引機61は、
図5および
図6に示すように、パレットPの連通穴P3(図示略)のそれぞれに挿入する3つのノズル611と、ノズル611をパレットPに対して進退させる吸引用進退機構612とを備えている。
【0046】
ノズル611は、パレットP側に向かうにしたがって縮径する円錐台状の先端部611Aと、吸引用進退機構612に固定された円筒状の胴部611Bと、胴部611Bから+Z軸方向側に折れ曲がるようにして延在する円筒状の基端部611Cとを有している。この基端部611Cは、可撓性を有するチューブ(図示略)を介して吸引装置(図示略)に接続されている。
吸引用進退機構612は、ノズル611の胴部611Bを固定する矩形枠状のフレーム612Aと、フレーム612AをパレットPに対して進退させるリニアアクチュエータ612Bとを備えている。したがって、吸引用進退機構612は、リニアアクチュエータ612Bにてフレーム612Aを進退させることによって、ノズル611をパレットPに対して進退させる。
【0047】
フック係合解除機62は、容器20のフック部204の係合部位のそれぞれに嵌挿する3つの嵌挿部材621と、嵌挿部材621をフック部204に対して進退させる解除用進退機構622と、解除用進退機構622の進退方向と平行な軸回りに嵌挿部材621を回動させる回動機構623とを備えている。
【0048】
嵌挿部材621は、円柱状の軸部621Aと、軸部621Aに固定された平板状のナイフ部621Bとを備えている。ナイフ部621Bは、フック部204の係合部位に嵌挿できる厚さに形成されている。また、ナイフ部621Bは、軸部621Aの軸方向で、−X軸方向側の一辺を軸部621Aの中心軸と一致させるようにして軸部621Aに固定されている。
【0049】
解除用進退機構622は、嵌挿部材621を支持する矩形板状のフレーム622Aと、フレーム622Aをフック部204に対して進退させるリニアアクチュエータ622Bとを備えている。したがって、解除用進退機構622は、リニアアクチュエータ622Bにてフレーム622Aを進退させることによって、嵌挿部材621をフック部204に対して進退させる。
フレーム622Aは、弾性部材622A1を介して嵌挿部材621の軸部621Aを支持している。したがって、フレーム622Aは、嵌挿部材621を揺動自在に支持している。
なお、本実施形態では、フレーム622Aは、嵌挿部材621を揺動自在に支持しているが、固定して支持していてもよい。
【0050】
回動機構623は、嵌挿部材621の軸部621Aのそれぞれに同心状に固定された3つのピニオン623Aと、X軸方向に沿って移動可能となるようにフレーム622Aに設けられるとともに、ピニオン623Aと噛み合うラック623Bと、フレーム622Aに取り付けられるとともに、ラック623BをX軸方向に沿って移動させるリニアアクチュエータ623Cと、ラック623Bを支持する支持台623Dとを備えている。したがって、回動機構623は、リニアアクチュエータ623Cにてラック623Bを移動させることによって、解除用進退機構622の進退方向と平行な軸回り(Y軸回り)に嵌挿部材621を回動させる。
【0051】
ここで、フレーム622Aは、嵌挿部材621を揺動自在に支持しているが、ピニオン623Aは、フレーム622Aに設けられたラック623Bと噛み合っているので、嵌挿部材621は、−Z軸方向側への移動を規制されている。
なお、本実施形態では、回動機構623は、ラックアンドピニオン機構を採用しているが、これ以外の機構を採用してもよい。要するに、回動機構は、解除用進退機構の進退方向と平行な軸回りに嵌挿部材を回動させることができればよい。例えば、回動機構は、モータを嵌装部材に直結して回動させるように構成してもよい。
【0052】
ヒンジ回動機63は、
図5に示すように、容器本体201および蓋部材202の間のそれぞれに挿入する円柱軸状の3つの挿入部材631と、挿入部材631を移動させる回動用移動機構632とを備えている。
回動用移動機構632は、挿入部材631の中心軸と平行な中心軸を有し、楕円盤632A1を介して挿入部材631を支持する軸部632Aと、軸部632Aを回動自在に軸支するフレーム632Bと、フレーム632Bに取り付けられるとともに、軸部632Aを回動させるモータ632Cと、フレーム632BをX,Y,Zの3軸方向に移動させるロボットアーム632Dとを備えている。したがって、回動用移動機構632は、モータ632Cにて軸部632Aを回動させることによって、挿入部材631を軸部632Aの中心軸回りに回動させることができる。また、回動用移動機構632は、ロボットアーム632Dにてフレーム632Bを移動させることによって、挿入部材631をX,Y,Zの3軸方向に移動させることができる。
【0053】
図7は、容器開蓋装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
容器開蓋装置6は、
図7に示すように、前述した容器吸引機61、フック係合解除機62、およびヒンジ回動機63を備えている他、これらを制御する開蓋用制御手段64を備えている。
開蓋用制御手段64は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどによって構成され、このメモリに記憶された所定のプログラムに従って情報処理を実行する。この開蓋用制御手段64は、吸引制御部641と、嵌挿制御部642と、解除制御部643と、回動制御部644とを備えている。
【0054】
吸引制御部641は、ノズル611に接続された吸引装置(図示略)と、吸引用進退機構612のリニアアクチュエータ612Bとを制御し、パレットPに載置された容器20を吸引することによって、容器20をパレットPに固定する。
嵌挿制御部642は、解除用進退機構622を制御し、嵌挿部材621を解除用進退機構622にてフック部204に対して進出させることによって、フック部204の係合部位にナイフ部621Bを嵌挿する。
解除制御部643は、回動機構623を制御し、嵌挿部材621を回動機構623にて回動させることによって、ナイフ部621Bにてフック部204の係合を解除する。
回動制御部644は、回動用移動機構632を制御し、挿入部材631を回動用移動機構632にて移動させることによって、挿入部材631を容器本体201および蓋部材202の間に挿入し、挿入部材631にて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させる。
【0055】
なお、本実施形態では、回動制御部644は、挿入部材631にて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させているが、挿入部材にて蓋部材を押し出してヒンジ部を回動させてもよい。要するに、回動制御部は、挿入部材にて容器本体または蓋部材を押し出してヒンジ部を回動させればよい。
【0056】
図8は、容器開蓋装置にて実行される容器開蓋処理のフローチャートを示す図である。
容器開蓋装置6にて容器20を開蓋する場合には、開蓋用制御手段64は、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、
図8に示すように、ステップST61〜ST65を実行する。
以下、ステップST61〜ST65の詳細について、図面を参照して説明する。
【0057】
図9は、ノズルをパレットに対して進出させた状態を示す図である。
まず、開蓋用制御手段64は、コンベア2にてパレットPが所定の位置(
図6参照)に搬送されてきたか否かを検出する(ST61:パレット検出ステップ)。開蓋用制御手段64は、ステップST61にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、ステップST62以降の処理を実行する。これに対して、開蓋用制御手段64は、ステップST61にてパレットPが所定の位置に搬送されてきていないと判定した場合には、ステップST62以降の処理を実行することなく、容器開蓋処理を終了する。
【0058】
ステップST61にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、
吸引制御部641は、
図9に示すように、リニアアクチュエータ612Bにてフレーム612AをパレットPに対して進出させることによって、ノズル611をパレットPの連通穴P3に挿入する(図中太矢印参照)。そして、吸引制御部641は、パレットPに載置された容器20をノズル611に接続された吸引装置(図示略)にてパレットPの連通穴P3を介して吸引することによって、容器20をパレットPに固定する(ST62:容器吸引ステップ)。
【0059】
図10は、嵌挿部材を容器のフック部に対して進出させた状態を示す容器開蓋装置の上面図である。
次に、嵌挿制御部642は、
図10に示すように、リニアアクチュエータ622Bにてフレーム622Aを容器20に対して進出させることによって(図中太矢印参照)、フック部204の係合部位に嵌挿部材621のナイフ部621Bを嵌挿する(ST63:ナイフ嵌挿ステップ)。
【0060】
図11は、嵌挿部材を回動させて容器のフック部の係合を解除した状態を示す容器開蓋装置の上面図である。
次に、解除制御部643は、
図11に示すように、リニアアクチュエータ623Cにてラック623Bを+X軸方向側に移動させることによって(図中太矢印参照)、Y軸回りに嵌挿部材621を回動させる。そして、解除制御部643は、嵌挿部材621を回動させることによって、ナイフ部621Bにてフック部204の係合を解除する(ST64:フック解除ステップ)。
【0061】
図12は、容器のフック部の係合を解除している状態を示す容器開蓋装置の側面図および断面図である。具体的には、
図12は、+Y軸方向側から容器開蓋装置6の要部を見た図(左図)、および左図のA−A断面図(右図)である。また、
図12(A)は、嵌挿部材621を回動させる前の状態を示す図であり、
図12(B)は、嵌挿部材621を回動させている途中の状態を示す図である。
ここで、前述した容器吸引ステップST62では、吸引制御部641は、
図12に示すように、パレットPに載置された容器20をノズル611に接続された吸引装置(図示略)にてパレットPの連通穴P3を介して吸引することによって(図中細矢印参照)、容器20をパレットPに固定している。
【0062】
また、前述したナイフ嵌挿ステップST63では、嵌挿制御部642は、
図12(A)に示すように、リニアアクチュエータ622Bにてフレーム622Aを容器20に対して進出させることによって、フック部204の係合部位に嵌挿部材621のナイフ部621Bを嵌挿する。
そして、前述したフック解除ステップST64では、解除制御部643は、
図12(B)に示すように、嵌挿部材621を回動させることによって、ナイフ部621Bにてフック部204の係合を解除する。
【0063】
この際、ナイフ部621Bは、前述したように、軸部621Aの軸方向で、−X軸方向側の一辺を軸部621Aの中心軸と一致させるようにして軸部621Aに固定されているので、この一辺を中心に回動することになる。
したがって、嵌挿部材621は、回動機構623の回動軸上に延在するとともに、解除用進退機構622の進退方向と平行な一辺を有している。また、回動機構623は、嵌挿部材621を容器20の開蓋方向(+Z軸方向)に対して進出させる方向に回動させている。換言すれば、回動機構623は、嵌挿部材621を容器20の開蓋方向と反対方向(−Z軸方向)に移動させることなく回動させている。
なお、本実施形態では、回動機構623は、嵌挿部材621を容器20の開蓋方向と反対方向に移動させることなく回動させているが、嵌挿部材621を容器20の開蓋方向と反対方向に移動させるように回動させてもよい。この場合には、容器を傷つけにくい材質の嵌挿部材を採用することが好ましい。
【0064】
図13は、挿入部材を容器本体および蓋部材の間に挿入した状態を示す容器開蓋装置の上面図および断面図である。具体的には、
図13(A)は、容器開蓋装置6の一部を示す上面図であり、
図13(B)は、
図13(A)のA−A断面図である。
次に、回動制御部644は、
図13に示すように、ロボットアーム632D(図示略)にてフレーム632Bを移動させることによって、挿入部材631を容器20のフック部204の近くに移動させる。そして、回動制御部644は、
図13(B)に示すように、モータ632Cにて軸部632Aを回動させることによって、図中二点鎖線の位置から図中実線の位置まで挿入部材631を軸部632Aの中心軸回りに回動させて容器本体201および蓋部材202の間に挿入する。
【0065】
なお、本実施形態では、回動制御部644は、モータ632Cにて軸部632Aを回動させることによって挿入部材631を軸部632Aの中心軸回りに回動させて容器本体201および蓋部材202の間に挿入しているが、挿入部材631を軸部632Aの中心軸回りに回動させることなく、容器本体201および蓋部材202の間に挿入してもよい。
【0066】
ここで、挿入部材631は、挿入部材631の軸と、ヒンジ部203の回動軸とが平行になるように容器本体201および蓋部材202の間に挿入される。
なお、本実施形態では、挿入部材631は、挿入部材631の軸と、ヒンジ部203の回動軸とが平行になるように容器本体201および蓋部材202の間に挿入されているが、平行になるように容器本体201および蓋部材202の間に挿入されていなくてもよい。要するに、挿入部材は、容器本体および蓋部材の間に挿入できればよい。
【0067】
図14は、挿入部材にて容器本体を押し出している状態を示す容器開蓋装置の上面図および断面図である。
次に、回動制御部644は、
図14に示すように、ロボットアーム632D(図示略)にてフレーム632Bを移動させることによって、挿入部材631にて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させる(
図14(B)細矢印参照)。
この際、嵌挿制御部642は、リニアアクチュエータ622Bにてフレーム622Aを容器20に対して後退させることによって(
図14(A)太矢印参照)、嵌挿部材621のナイフ部621Bを後退させる。
【0068】
このように、本実施形態では、ヒンジ回動機63は、フック係合解除機62にてフック部204の係合を解除された後、フック係合解除機62にて容器本体201の他端および蓋部材202の他端を離間させているときに、ヒンジ部203を回動させることによって、容器20を開蓋している。
【0069】
図15は、挿入部材にて容器本体を更に押し出している状態を示す容器開蓋装置の上面図および断面図である。
最後に、回動制御部644は、
図15に示すように、ロボットアーム632Dにてフレーム632Bを移動させることによって、挿入部材631にて容器本体201を更に押し出してヒンジ部203を回動させる(
図15(B)細矢印参照)。これによって、容器20は、完全に開蓋する(ST65:ヒンジ回動ステップ)。
この際、解除制御部643は、リニアアクチュエータ623Cにてラック623Bを−X軸方向側に移動させることによって(
図15(A)太矢印参照)、Y軸回りに嵌挿部材621を回動させる。そして、解除制御部643は、嵌挿部材621を回動させることによって、嵌挿部材621のナイフ部621Bを回動前の状態に戻す。
【0070】
なお、本実施形態では、嵌挿部材621のナイフ部621Bを後退させた後、嵌挿部材621を回動させることによって、嵌挿部材621のナイフ部621Bを回動前の状態に戻していたが、これとは逆に嵌挿部材621を回動させた後、嵌挿部材621のナイフ部621Bを後退させることによって、嵌挿部材621のナイフ部621Bを回動前の状態に戻してもよい。
【0071】
その後、開蓋用制御手段64は、容器吸引機61およびヒンジ回動機63を制御することによって、初期状態(
図6の状態)に戻し、次のパレットPに対して前述したステップST61を再び実行することによって、ステップST61〜ST65を繰り返し実行する。
【0072】
このように、本実施形態では、開蓋用制御手段64は、解除用進退機構622および回動機構623を制御する解除用制御手段として機能している。
なお、本実施形態では、フック係合解除機62は、嵌挿部材621と、解除用進退機構622と、回動機構623と、開蓋用制御手段64とを備えた構成を採用していたが、これ以外の構成を採用してもよい。要するに、フック係合解除機は、フック部の係合を解除することによって、容器本体の他端および蓋部材の他端を離間させることができれば、どのような構成を採用してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、開蓋用制御手段64は、回動用移動機構632を制御する回動用制御手段として機能している。
なお、本実施形態では、ヒンジ回動機63は、挿入部材631と、回動用移動機構632と、開蓋用制御手段64とを備えた構成を採用していたが、これ以外の構成を採用してもよい。要するに、ヒンジ回動機は、フック係合解除機にてフック部の係合を解除された後、ヒンジ部を回動させることによって、容器を開蓋することができれば、どのような構成を採用してもよい。
【0074】
<カバー被覆装置>
カバー被覆装置9は、前述したように、カバーCを搬送する搬送機構91と、搬送機構91にて搬送されるカバーCを容器20(被覆物)に被覆する被覆機構92とを備えている(
図2参照)。
【0075】
図16は、容器およびカバーを示す斜視図である。
カバーCは、
図16に示すように、可撓性を有し、開蓋状態の容器20の上面および側面を覆う形状を有する透明な薄い樹脂製のカバーである。
具体的には、カバーCは、容器20の上面を覆う平面状の上面部C1と、容器20の側面を覆う矩形枠状の側面部C2とを有している。
なお、本実施形態では、カバーCは、透明な薄い樹脂製のカバーを採用しているが、可撓性を有していれば、どのような色彩および材質のカバーを採用してもよい。
【0076】
上面部C1は、ヒンジ部203を覆う形状に形成されたヒンジ被覆部C11と、容器本体201のフック部204を覆う形状に形成された本体側フック被覆部C12と、蓋部材202のフック部204を覆う形状に形成された蓋側フック被覆部C13と、第1収容部201Aを覆う形状に形成された第1収容被覆部C14と、第2収容部201Bを覆う形状に形成された第2収容被覆部C15とを備えている。
ここで、第1収容被覆部C14および第2収容被覆部C15は、上方に向かって突出するように形成されている。また、第2収容被覆部C15は、第1収容被覆部C14よりも上方に向かって突出するように形成されている。
【0077】
側面部C2は、カバーCの内部に向かって突出するように形成された複数の突出部C21を備えている。この突出部C21は、カバーCを容器20に被覆したときに容器20の側面に当接する。
なお、コンパクトの装填装置1は、この前工程において、中皿装填装置7にて容器20の第1収容部201Aにホットメルト接着剤を塗布した後、3色の化粧料D1〜D3を充填した中皿Dを装填し、ブラシ装填装置8にて容器20の第2収容部201BにブラシBを装填している。
【0078】
以下の説明では、搬送機構91にて搬送されるカバーCを容器20(被覆物)に被覆する被覆機構92について先に説明し、次にカバーCを搬送する搬送機構91について説明する。
【0079】
図17は、カバー被覆装置の被覆機構を示す斜視図である。
被覆機構92は、
図17に示すように、カバーC(
図16参照)を保持するカバー保持手段93と、カバー保持手段93を移動させる被覆用移動機構94とを備えている。
【0080】
図18は、カバー保持手段を拡大して示す斜視図である。
図19は、カバー保持手段の下面図である。
カバー保持手段93は、
図17〜
図19に示すように、カバーCの一方の端部(容器本体201側の端部)を保持する一端保持手段931と、カバーCの他方の端部(蓋部材202側の端部)を保持する他端保持手段932と、一端保持手段931および他端保持手段932を支持するプレート933とを備えている。
【0081】
一端保持手段931は、略平板状の部材である。この一端保持手段931は、カバーCの容器本体201側の端部と対応する形状に形成された3つの凹部931Aと、Z軸方向に沿って貫通するように凹部931Aに形成された貫通穴931Bと、一端保持手段931の上面に取り付けられるとともに、貫通穴931Bに連通するように設けられた円筒状の筒状部931Cとを備えている。また、一端保持手段931は、バネ931Dおよびダンパー931Eを介してプレート933に対して揺動自在に取り付けられている。なお、筒状部931Cは、可撓性を有するチューブ(図示略)を介して吸引装置(図示略)に接続されている。
【0082】
他端保持手段932は、略平板状の部材である。この他端保持手段932は、カバーCの蓋部材202側の端部と対応する形状に形成された3つの凹部932Aと、Z軸方向に沿って貫通するように凹部932Aに形成された貫通穴932Bと、他端保持手段932の上面に取り付けられるとともに、貫通穴932Bに連通するように設けられた円筒状の筒状部932Cとを備えている。また、他端保持手段932は、バネ932Dおよびダンパー932Eを介してプレート933に対して揺動自在に取り付けられている。なお、筒状部932Cは、吸引装置(図示略)に接続されている。
【0083】
プレート933は、一端保持手段931および他端保持手段932の間に設けられた円柱軸体933Aと、円柱軸体933Aを固定する複数の固定平板933Bとを備えている。
円柱軸体933Aは、−Z軸方向側に形成されるとともに、X軸方向に沿って延在する凹部933A1を有している。この凹部933A1は、カバーCのヒンジ被覆部C11と対応する形状に形成されている。
【0084】
被覆用移動機構94は、
図17に示すように、プレート933を支持するスライダ941と、スライダ941をZ軸方向に沿って移動させるZ軸駆動部942と、Z軸駆動部942をY軸方向に沿って移動させるY軸駆動部943とを備えている。
【0085】
図20は、カバー被覆装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
カバー被覆装置9は、
図20に示すように、前述した搬送機構91および被覆機構92を備えている他、これらを制御する被覆用制御手段95を備えている。
被覆用制御手段95は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどによって構成され、このメモリに記憶された所定のプログラムに従って情報処理を実行する。この被覆用制御手段95は、搬送制御部951と、被覆制御部952とを備えている。
【0086】
搬送制御部951は、搬送機構91を制御し、搬送機構91にて所定の待機位置までカバーCを搬送する。具体的には、搬送制御部951は、被覆用移動機構94にてプレート933を移動させることによって、カバー保持手段93にて3つのカバーCを保持できる所定の待機位置まで搬送機構91にてカバーCを搬送する。なお、搬送機構91および搬送制御部951については後に詳細に説明する。
被覆制御部952は、被覆機構92を制御し、搬送機構91にて搬送されたカバーCを容器20に被覆する。具体的には、被覆制御部952は、被覆機構92にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せることによって、カバーCを容器20に被覆する。
【0087】
図21は、カバー被覆装置にて実行されるカバー被覆処理のフローチャートを示す図である。
カバー被覆装置9にてカバーCを容器20に被覆する場合には、被覆用制御手段95は、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、
図21に示すように、ステップST91〜ST93を実行する。
以下、ステップST91〜ST93の詳細について、図面を参照して説明する。
【0088】
まず、被覆用制御手段95は、コンベア2にてパレットPが所定の位置(
図17参照)に搬送されてきたか否かを検出する(ST91:パレット検出ステップ)。被覆用制御手段95は、ステップST91にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、ステップST92以降の処理を実行する。これに対して、被覆用制御手段95は、ステップST91にてパレットPが所定の位置に搬送されてきていないと判定した場合には、ステップST92以降の処理を実行することなく、カバー被覆処理を終了する。
【0089】
ステップST91にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、
搬送制御部951は、被覆用移動機構94にてプレート933を移動させることによって、カバー保持手段93にて3つのカバーCを保持できる所定の待機位置まで搬送機構91にてカバーCを搬送する(ST92:カバー搬送ステップ)。
【0090】
図22は、カバー保持手段にてカバーを保持した状態のカバー被覆装置を示す図である。具体的には、
図22は、カバー被覆装置9を+X軸方向側から見た図である。
次に、被覆制御部952は、ST93のカバー被覆ステップを実行する。このカバー被覆ステップでは、まず、被覆制御部952は、被覆用移動機構94にてプレート933を移動させることによって、カバー搬送ステップST92にてカバーCを搬送した所定の待機位置に移動させた後、筒状部931C,932Cに接続された吸引装置(図示略)にて貫通穴931B,932Bを介してカバーCを吸引することによって、カバー保持手段93にカバーCを保持させる。
そして、被覆制御部952は、
図22に示すように、被覆用移動機構94にてプレート933を移動させることによって、カバー保持手段93をパレットPの上方に移動させる。
【0091】
ここで、カバーCの容器本体201側の端部は、一端保持手段931の凹部931Aと嵌合し、カバーCの蓋部材202側の端部は、他端保持手段932の凹部932Aと嵌合する。換言すれば、一端保持手段931および他端保持手段932は、カバーCを保持するときにカバーCを収容する凹部931A,932Aを備えている。そして、凹部931A,932Aは、カバーCの上面および側面を覆う形状を有している。
なお、本実施形態では、一端保持手段931および他端保持手段932は、カバーCを保持するときにカバーCを収容する凹部931A,932Aを備えているが、これを備えていなくてもよい。要するに、一端保持手段は、カバーの一方の端部を保持することができればよく、他端保持手段は、カバーの他方の端部を保持することができればよい。
【0092】
また、カバーCのヒンジ被覆部C11は、円柱軸体933Aの凹部933A1と嵌合する。換言すれば、カバー被覆装置9は、カバーCの中央部を保持する中央保持手段としての円柱軸体933Aを備え、カバー保持手段93は、円柱軸体933Aを固定して保持している。
なお、本実施形態では、カバー被覆装置9は、カバーCの中央部を保持する中央保持手段を備えているが、これを備えていなくてもよい。要するに、カバー被覆装置は、一端保持手段および他端保持手段を備えていればよい。
【0093】
図23は、カバー保持手段を下降させた状態のカバー被覆装置を示す図である。
次に、被覆制御部952は、
図23に示すように、カバー保持手段93を被覆用移動機構94にて移動させることによって、容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せる(図中太矢印参照)。
【0094】
ここで、一端保持手段931は、前述したように、バネ931Dおよびダンパー931Eを介してプレート933に対して揺動自在に取り付けられている。他端保持手段932は、前述したように、バネ932Dおよびダンパー932Eを介してプレート933に対して揺動自在に取り付けられている。換言すれば、カバー保持手段93は、一端保持手段931および他端保持手段932を容器20の上面に向かって進退自在に支持している。
【0095】
したがって、被覆制御部952にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せる際、容器20の端部にカバーCが引っかかると、一端保持手段931および他端保持手段932は、容器20から離間するように上昇することになる。また、カバー保持手段93は、カバーCのヒンジ被覆部C11を保持する円柱軸体933Aを固定して支持するので、被覆制御部952にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せる際、円柱軸体933Aは、容器20から離間するように上昇することはない。
換言すれば、被覆制御部952にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せる際、容器20の端部にカバーCが引っかかると、カバーCは、両端を容器20から離間するように上昇させて撓むことになる(
図23参照)。
【0096】
なお、本実施形態では、カバー保持手段93は、一端保持手段931および他端保持手段932をカバーCの上面に向かって進退自在に支持しているが、一端保持手段931のみを容器20の上面に向かって進退自在に支持していてもよく、他端保持手段932のみを容器20の上面に向かって進退自在に支持していてもよい。要するに、カバー保持手段は、一端保持手段および他端保持手段の少なくともいずれか一方を容器の上面に対して進退自在に支持していればよい。
【0097】
図24は、カバー保持手段を更に下降させた状態のカバー被覆装置を示す図である。
次に、被覆制御部952は、
図24に示すように、カバー保持手段93を被覆用移動機構94にて移動させることによって、容器20の上面に向かってカバーCを更に下降させて覆い被せる(図中太矢印参照)。
そして、被覆制御部952は、筒状部931C,932Cに接続された吸引装置(図示略)の吸引を解除することによって、撓んでいたカバーCを容器20に被覆することができる。
その後、被覆用制御手段95は、被覆機構92を制御することによって、初期状態(
図17の状態)に戻し、次のパレットPに対して前述したステップST91を再び実行することによって、ステップST91〜ST93を繰り返し実行する。
【0098】
図25は、本発明の一実施形態に係るカバー被覆装置の搬送機構を示す上面図である。
搬送機構91は、
図25に示すように、搬送路961に載置されたカバーCを所定の搬送方向(−Y軸方向)に沿って搬送する前段搬送手段96と、被覆用移動機構94にてプレート933を移動させることによって、カバー保持手段93にて3つのカバーCを保持できる前述した所定の待機位置まで前段搬送手段96にて搬送されたカバーCを搬送する後段搬送手段97と、前段搬送手段96にて搬送されたカバーCを後段搬送手段97に移載する搬送用移載手段98とを備えている。
【0099】
このように、本実施形態では、搬送機構91は、搬送路961に載置されたカバーC(搬送物)を所定の搬送方向に沿って搬送する搬送装置として機能する。
なお、本実施形態では、搬送機構91は、カバーCを搬送しているが、これ以外の搬送物を搬送してもよい。
【0100】
図26は、前段搬送手段および搬送用移載手段を−X軸方向側から見た図である。
前段搬送手段96は、
図25および
図26に示すように、Y軸方向に沿って設けられるとともに、カバーCを載置する前述の搬送路961と、Y軸方向に沿って設けられるとともに、搬送路961の下方側(−Z軸方向側)に設けられた下方搬送路962(
図26参照)と、搬送路961の−Y軸方向側に設けられたシューター963とを備えている。
【0101】
搬送路961は、所定の搬送方向(−Y軸方向)に移動することによって、カバーCを所定の搬送方向に沿って搬送する。この搬送路961は、搬送方向に沿って搬送路961に設けられるとともに、複数のカバーCを重ねて収納する複数のバケット961A(収納手段)と、搬送路961のX軸方向の両側に設けられたガイドレール961Bと、搬送方向の上流側(+Y軸方向側)に設けられるとともに、バケット961Aに複数のカバーCを収納する収納領域961Cと、収納領域961Cに設けられるとともに、収納領域961Cのバケット961Aに複数のカバーCを収納したか否かを検出する収納用検出手段961Dとを備えている。
【0102】
バケット961Aは、搬送路961に固定された2枚の仕切り板961A1にて区画されることによって、複数のカバーCを重ねて収納することができるようにしている。このバケット961Aは、10枚程度のカバーCを収納することができる。換言すれば、バケット961Aは、複数のカバーCを上面部C1(板面)と直交する方向に沿って重ねて収納している。
なお、本実施形態では、収納手段は、2枚の仕切り板961A1にて区画されたバケット961Aを採用していたが、これ以外の形状のものを採用してもよい。要するに、収納手段は、搬送方向に沿って搬送路に設けられるとともに、複数の搬送物を重ねて収納することができればよい。
【0103】
ガイドレール961Bは、収納領域Cからシューター963にかけて設けられることによって、バケット961Aに収納されたカバーCの落下を防止する。
収納領域961Cは、バケット961Aに複数のカバーCを収納する領域であることを作業者に認識させるために、上流側および下流側のそれぞれに設けられた2本のポール961C1を備えている。また、2本のポール961C1にて区画された収納領域961Cの大きさは、バケット961Aの6個分の大きさに相当している。換言すれば、収納領域961Cは、6個のバケット961Aに複数のカバーCを収納できるようになっている。
作業者は、10枚程度のカバーCを収納領域961Cの6個のバケット961Aに収納することによって、搬送路961に複数のカバーCを載置する。
【0104】
収納用検出手段961Dは、収納領域961Cの6個のバケット961Aと対応する各位置に設けられている。換言すれば、各収納用検出手段961Dは、各バケット961Aに複数のカバーCを収納したか否かを検出することができるようになっている。具体的には、収納用検出手段961Dは、対象物に向かって光を出射し、その光の反射光を入射させることによって、対象物までの距離を検出する距離センサである。本実施形態では、収納用検出手段961Dは、搬送路961までの距離を検出すべく、搬送路961の上方側(+Z軸方向側)に設けられている。そして、収納用検出手段961Dは、搬送路961までの距離を検出し、所定の距離(収納用検出手段961Dから搬送路961までの距離)以上であった場合には、バケット961Aに複数のカバーCを収納していないことを検出し、所定の距離未満であった場合には、バケット961Aに複数のカバーCを収納していることを検出する。
【0105】
なお、本実施形態では、収納用検出手段961Dは、対象物までの距離を検出する非接触式の距離センサを採用しているが、例えば、接触式のセンサなどの他のセンサを採用してもよい。要するに、収納用検出手段は、搬送方向の上流側に設けられるとともに、複数の収納手段に複数の搬送物を収納したか否かを検出することができればよい。
【0106】
下方搬送路962は、所定の搬送方向(+Y軸方向)に移動することによって、カバーCを所定の搬送方向に沿って搬送する。この下方搬送路962は、下流側(+Y軸方向側)に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
シューター963は、−Y軸方向側に膨らむように湾曲した形状を有する板状の部材である。このシューター963は、搬送路961の移動に伴って搬送路961の下流側から排出されたカバーCを下方搬送路962の上流側まで案内する。
【0107】
図27は、搬送用移載手段を拡大して−X軸方向側から見た図である。
搬送用移載手段98は、
図27に示すように、前段搬送手段96にて作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCを1つずつ保持する複数の搬送用保持部982と、複数の搬送用保持部982を支持する矩形板状の搬送用基部983と、搬送用基部983を支持するとともに、搬送用基部983をXYZの各軸方向に移動させるロボットアーム984とを備えている。
【0108】
なお、本実施形態では、搬送用移載手段98は、前段搬送手段96にて作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCを1つずつ保持して移載するが、複数個ずつ保持して移載してもよい。要するに、搬送用移載手段は、搬送用移動手段にて作業領域に搬送された複数の収納手段のそれぞれに収納された搬送物を少なくとも1つずつ保持して移載すればよい。
【0109】
ここで、作業領域981の大きさは、バケット961Aの6個分の大きさに相当している。なお、本実施形態では、作業領域981の大きさは、バケット961Aの6個分の大きさに相当しているが、少なくとも2つのバケット961Aの大きさに相当していればよい。
【0110】
したがって、本実施形態では、前段搬送手段96は、搬送方向に沿って搬送路961を移動させることによって、所定の作業領域981に少なくとも2つのバケット961Aを搬送する搬送用移動手段として機能している。
なお、ガイドレール961Bは、作業領域981の6個のバケット961Aと対応する各位置に形成された窓部961B1を有している。作業者は、これらの窓部961B1を介して作業領域981の6個のバケット961Aの内部を確認することができる。
【0111】
搬送用基部983は、複数の搬送用保持部982のそれぞれをZ軸方向に沿って進退自在に支持している。具体的には、各搬送用保持部982は、Z軸方向に沿って進退自在に搬送用基部983に支持された円筒状のロッド982Aと、ロッド982Aを−Z軸方向側に向かって付勢するバネ982Bと、ロッド982Aの−Z軸方向側の先端に取り付けられるとともに、カバーCの上面を吸引して保持する吸引盤982Cとを備えている。
なお、ロッド982Aの基端部は、可撓性を有するチューブ(図示略)を介して吸引装置(図示略)に接続されている。これによって、吸引盤982Cは、カバーCの上面を吸引して保持することができる。
【0112】
図28は、バケットの内部を+Z軸方向側から見た図である。
搬送用保持部982は、
図28に示すように、略矩形板状に形成されたカバーCの上面部C1(板面)の長手方向に沿って2箇所に設けられている。換言すれば、カバーCは、一対の搬送用保持部982にて保持される。
また、搬送用移載手段98は、バケット961Aに収納されたカバーCを保持して移載する際にカバーCの板面の端縁に接触する接触部985を備えている。
【0113】
なお、本実施形態では、搬送用保持部982は、カバーCの板面の長手方向に沿って2箇所に設けられているが、1箇所に設けられていてもよく、3箇所以上に設けられていてもよい。要するに、搬送用保持部は、搬送用移動手段にて作業領域に搬送された複数の収納手段のそれぞれに収納された搬送物を少なくとも1つずつ保持することができればよい。
また、本実施形態では、搬送用移載手段98は、複数の搬送用保持部982と、搬送用基部983と、ロボットアーム984とを備えた構成としていたが、これ以外の構成であってもよい。要するに、搬送用移載手段は、搬送用移動手段にて作業領域に搬送された複数の収納手段のそれぞれに収納された搬送物を少なくとも1つずつ保持して移載することができるように構成されていればよい。
【0114】
図29は、搬送用基部をロボットアームにて下降させた状態を示す図である。
複数の搬送用保持部982にてバケット961Aに収納されたカバーCを1つずつ保持する場合には、ロボットアーム984は、
図29に示すように、搬送用基部983を−Z軸方向に向かって下降させて吸引盤982CをカバーCに近接させることによって、吸引盤982CにてカバーCを吸引して保持する。
【0115】
ここで、前述したように、作業者は、10枚程度のカバーCを収納領域961Cの6個のバケット961Aに収納することによって、搬送路961に複数のカバーCを載置しているので、前段搬送手段96にて作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCの個数は、一定の個数ではなく、不定の個数になっている。
これに対して、搬送用基部983は、複数の搬送用保持部982のそれぞれをZ軸方向に沿って進退自在に支持しているので、各搬送用保持部982は、各バケット961Aに収納されたカバーCの個数に応じて上昇し、カバーCに負荷をかけることなく吸引盤982CにてカバーCを吸引して保持することができる。
なお、本実施形態では、搬送用基部983は、複数の搬送用保持部982のそれぞれをZ軸方向に沿って進退自在に支持しているが、進退自在に支持していなくてもよい。
【0116】
図30は、搬送用保持部にてカバーを保持した状態を示す図である。
その後、ロボットアーム984は、
図30に示すように、搬送用基部983を+Z軸方向に向かって上昇させて吸引盤982Cにて吸引されたカバーCを上昇させることによって、複数の搬送用保持部982にてバケット961Aに収納されたカバーCを1つずつ保持する。この際、各搬送用保持部982は、ロッド982Aをバネ982Bにて付勢することによって、元の状態に戻ることになる。
したがって、本実施形態では、ロボットアーム984は、搬送用基部983を複数のバケット961Aに対して進退させる搬送用進退機構として機能する。また、搬送用基部983は、この搬送用進退機構の進退方向に沿って進退自在に搬送用基部983に支持されている。
【0117】
図31は、搬送用基部を上昇させている状態を拡大して+Y軸方向側から見た図である。
接触部985は、
図31に示すように、搬送用基部983を+Z軸方向に向かって上昇させて吸引盤982Cにて吸引されたカバーCを上昇させるときに(図中太矢印参照)、カバーCの板面の端縁に接触するので、吸引盤982Cにて吸引されたカバーCと噛み合ってしまって一緒に上昇していたカバーC(吸引盤982Cにて吸引されていないカバーC)は、バケット961Aに落下することになる(図中細矢印および二点鎖線参照)。
ここで、接触部985は、
図28に示すように、吸引盤982CにてカバーCを吸引して保持したときに、吸引盤982Cの吸引面の一辺と直交する直線上に位置するカバーCの板面の端縁に接触している。具体的には、吸引盤982Cの吸引面は、互いに平行な二辺を有する略楕円形状に形成されている。そして、接触部985は、この吸引面の二辺のうち、接触部985に近い一辺と直交する直線上に位置するカバーCの板面の端縁(カバーCの板面の隅部)に接触している。
【0118】
なお、本実施形態では、接触部985は、吸引盤982CにてカバーCを吸引して保持したときに、吸引盤982Cの吸引面の一辺と直交する直線上に位置するカバーCの板面の端縁に接触しているが、これ以外の位置に接触してもよい。要するに、接触部は、収納手段に収納された搬送物を保持して移載する際に搬送物の板面の端縁に接触すればよい。
また、本実施形態では、搬送用移載手段98は、バケット961Aに収納されたカバーCを保持して移載する際にカバーCの板面の端縁に接触する接触部を備えていたが、搬送物の形状や種類によっては、これを備えていなくてもよい。
【0119】
また、搬送用移載手段98は、
図27に示すように、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCの有無を検出する作業用検出手段986を備えている。
作業用検出手段986は、作業領域981の6個のバケット961Aと対応する各位置に設けられている。各作業用検出手段986は、支持台986Aに固定されるとともに、ガイドレール961Bを貫通して設けられている(
図25,28参照)。換言すれば、各作業用検出手段986は、各バケット961Aに収納されたカバーCの有無を検出することができるようになっている。具体的には、作業用検出手段986は、対象物に向かって光を出射し、その光の反射光を入射させることによって、対象物までの距離を検出する距離センサである。本実施形態では、作業用検出手段986は、バケット961Aに収納されたカバーCのうち、最下段にあるカバーCまでの距離を検出すべく、搬送路961に対して僅かに上方側(+Z軸方向側)に位置するようにガイドレール961Bに取り付けられている。そして、作業用検出手段986は、カバーCまでの距離を検出し、所定の距離以上であった場合には、バケット961AにカバーCを収納していないことを検出し、所定の距離未満であった場合には、バケット961AにカバーCを収納していることを検出する。
【0120】
なお、本実施形態では、作業用検出手段986は、対象物までの距離を検出する非接触式の距離センサを採用しているが、例えば、接触式のセンサなどの他のセンサを採用してもよい。要するに、作業用検出手段は、作業領域に搬送された複数の収納手段のそれぞれに収納された搬送物の有無を検出することができればよい。
【0121】
図32は、後段搬送手段および搬送用移載手段を+Z軸方向側から見た図である。
後段搬送手段97は、
図32に示すように、搬送用移載手段98にて移載された複数のカバーCを+X軸方向に向かって搬送するベルトコンベア971と、ベルトコンベア971にて搬送された複数のカバーCを−X軸方向に向かって1個(第1の個数)ごとに間欠的に搬送するピッチコンベア972と、ベルトコンベア971にて搬送された複数のカバーCを1個ごとにピッチコンベア972に送出する送出手段973とを備えている。そして、前述したように、被覆機構92は、ピッチコンベア972にて搬送された複数のカバーCを3個ごとにパレットPに移載する。したがって、本実施形態では、被覆機構92は、ピッチコンベア972にて搬送された複数のカバーCを3個(第2の個数)ごとに搬送機構91の外部に移載する外部用移載手段として機能する。
したがって、本実施形態では、第1の個数(1個)は、第2の個数(3個)の約数個となっている。なお、第1の個数は、第2の個数の約数個になっていれば、これ以外の個数であってもよい。
【0122】
また、後段搬送手段97は、ベルトコンベア971にて搬送される複数のカバーCの不良を検出する不良検出手段としてのカメラ974と、カメラ974にて不良と判定されたカバーCをベルトコンベア971から排出する排出手段975とを備えている。
なお、本実施形態では、後段搬送手段97は、カメラ974と、排出手段975とを備えているが、カバーCの不良判定を実施しない場合には、これらを備えていなくてもよい。
【0123】
図33は、送出手段および排出手段を拡大して−Y軸方向側から見た図である。
送出手段973は、
図32および
図33に示すように、Y軸方向に沿ってピストンを進退させるエアシリンダ973Aと、エアシリンダ973Aのピストンの先端に取り付けられたパット973Bとを備えている。このパット973BのX軸方向の幅は、カバーCの短手方向の幅よりも僅かに小さい幅に設定されている。換言すれば、送出手段973は、エアシリンダ973Aにてパット973Bを−Y軸方向に向かって前進させることによって、ベルトコンベア971にて搬送された複数のカバーCを1個ごとにピッチコンベア972に送出することができる。
なお、送出手段973は、エアシリンダ973Aにてパット973Bを+Y軸方向に向かって後退させることによって、元の位置に戻ることができる。
【0124】
排出手段975は、ベルトコンベア971にて搬送されるカバーCに当接することによって、カバーCを静止させるストッパ975Aと、ストッパ975AをZ軸方向に沿って昇降させる昇降機975Bとを備えている。このストッパ975Aは、カバーCと接触したことを検出することによって、カバーCを静止させたか否かを検出する接触センサ975A1を備えている(
図33参照)。
なお、ストッパ975Aは、送出手段973にてカバーCをピッチコンベア972に送出できる位置にカバーCを静止させる。
【0125】
排出手段975は、
図33(A)に示すように、昇降機975Bにてストッパ975Aを下降させておくことによって、ベルトコンベア971にて搬送されるカバーCを静止させることができる。また、排出手段975は、
図33(B)に示すように、昇降機975Bにてストッパ975Aを上昇させることによって、ベルトコンベア971にて搬送されるカバーCをベルトコンベア971の外部に排出することができる。
なお、排出手段975は、前述したように、カメラ974にて不良と判定されたカバーCをベルトコンベア971から排出する。
【0126】
図34は、搬送制御部の詳細構成を示す機能ブロック図である。
搬送制御部951は、
図34に示すように、移動判定部951Aと、移動制御部951Bと、移載判定部951Cと、移載制御部951Dと、不良判定部951Eと、送排出制御部951Fとを備えている。
【0127】
移動判定部951Aは、収納用検出手段961Dおよび作業用検出手段986の検出結果に基づいて、前段搬送手段96に搬送路961を移動させるか否かを判定する。
移動制御部951Bは、移動判定部951Aの判定結果に基づいて、前段搬送手段96に搬送路961を移動させる。
【0128】
移載判定部951Cは、作業用検出手段986の検出結果に基づいて、搬送用移載手段98にカバーCを移載させるか否かを判定する。
移載制御部951Dは、移載判定部951Cの判定結果に基づいて、搬送用移載手段98にカバーCを移載させる。
【0129】
不良判定部951Eは、カメラ974の検出結果に基づいて、ベルトコンベア971にて搬送される複数のカバーCの不良を検出する。
送排出制御部951Fは、不良判定部951Eにて不良でないと判定されたカバーCを送出手段973にてピッチコンベア972に送出し、不良判定部951Eにて不良と判定されたカバーCを排出手段975にてベルトコンベア971から排出する。
【0130】
このように、本実施形態では、搬送制御部951は、搬送機構91を制御する搬送用制御手段として機能している。
【0131】
図35は、カバー被覆装置にて実行されるカバー搬送ステップのフローチャートを示す図である。
カバー搬送ステップST92では、被覆用制御手段95は、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、
図35に示すように、ステップST921〜ST929を実行する。
以下、ステップST921〜ST929の詳細について、図面を参照して説明する。
【0132】
まず、移動判定部951Aは、ステップST921において、収納用検出手段961Dおよび作業用検出手段986の検出結果に基づいて、前段搬送手段96に搬送路961を移動させるか否かを判定する(移動判定ステップ)。
【0133】
図36は、作業領域に搬送された6個のバケットのうち、3つ以上の箇所のカバーの無いバケットを作業用検出手段にて検出し、収納領域の6個のバケットに複数のカバーを収納したことを収納用検出手段にて検出した状態を示す図である。
具体的には、移動判定部951Aは、
図36に示すように、収納領域961Cの6個のバケット961Aに複数のカバーCを収納したことを収納用検出手段961Dにて検出し、かつ、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ以上の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、前段搬送手段96に搬送路961を移動させると判定する。
【0134】
被覆用制御手段95は、移動判定ステップST921にて前段搬送手段96に搬送路961を移動させると判定した場合には、ステップST922において、移動制御ステップを実行する。
移動制御ステップST922では、移動制御部951Bは、前段搬送手段96に搬送路961を移動させる(図中太矢印参照)。これによって、前段搬送手段96は、作業領域981に次の6個のバケット961Aを搬送することができる。
なお、前段搬送手段96に搬送路961を移動させる前において、作業領域981に残っていたカバーCは、シューター963にて下方搬送路962の上流側まで案内された後、下方搬送路962にて収納領域961Cまで戻されることになる。
【0135】
図37は、作業領域に搬送された6個のバケットのうち、3つ以上の箇所のカバーの無いバケットを作業用検出手段にて検出し、収納領域の6個のバケットに複数のカバーを収納したことを収納用検出手段にて検出しなかった状態を示す図である。
これに対して、移動判定部951Aは、
図37に示すように、収納領域961Cの6個のバケット961Aに複数のカバーCを収納したことを収納用検出手段961Dにて検出しなかった場合、または作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ未満の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、前段搬送手段96に搬送路961を移動させないと判定する。
なお、
図37は、前述したように、収納領域961Cの6個のバケット961Aに複数のカバーCを収納したことを収納用検出手段961Dにて検出しなかった場合であって、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ以上の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合を示す図である。
【0136】
被覆用制御手段95は、移動判定ステップST921にて前段搬送手段96に搬送路961を移動させないと判定した場合には、移動制御ステップST922を実行することなく、ステップST923以降の処理を実行する。
【0137】
なお、本実施形態では、移動判定部951Aは、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ以上の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、前段搬送手段96に搬送路961を移動させると判定しているが、1つ、または2つの箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合や、4つ以上の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、前段搬送手段96に搬送路961を移動させると判定してもよい。要するに、移動判定部は、作業領域に搬送された複数の収納手段のうち、所定の閾値以上の箇所の搬送物の無い収納手段を作業用検出手段にて検出した場合に、搬送用移動手段に搬送路を移動させると判定すればよく、作業用検出手段の検出結果に基づいて、搬送路を搬送用移動手段に移動させるか否かを判定することができればよい。
【0138】
また、本実施形態では、移動判定部951Aは、複数のバケット961Aに複数のカバーCを収納したことを収納用検出手段961Dにて検出した場合に、前段搬送手段96に搬送路961を移動させると判定しているが、作業用検出手段986の検出結果のみに基づいて、搬送路961を前段搬送手段96に移動させるか否かを判定してもよい。
【0139】
ステップST923では、移載判定部951Cは、作業用検出手段986の検出結果に基づいて、搬送用移載手段98にカバーCを移載させるか否かを判定する(作業領域検出ステップ)。
【0140】
具体的には、移載判定部951Cは、
図26に示すように、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ未満の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCを移載させると判定する。
被覆用制御手段95は、作業領域検出ステップST923にて搬送用移載手段98に作業領域981に搬送された複数のカバーCを移載させると判定した場合には、ステップST924において、作業領域移載ステップを実行する。
作業領域移載ステップST924では、移載制御部951Dは、作業領域981に搬送された複数のカバーCを搬送用移載手段98に移載させる(
図29〜
図31参照)。
【0141】
これに対して、移載判定部951Cは、
図37に示すように、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ以上の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、作業領域981の上流側に位置する予備作業領域987に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納された複数のカバーCを移載させると判定する。
ここで、予備作業領域987は、作業領域981と隣接して作業領域981の上流側に設けられている。また、予備作業領域987の大きさは、作業領域981と同様にバケット961Aの6個分の大きさに相当している。
【0142】
図38は、予備作業領域に搬送された複数のカバーを搬送用移載手段に移載させている状態を示す図である。
被覆用制御手段95は、作業領域検出ステップST923にて搬送用移載手段98に予備作業領域987に搬送された複数のカバーCを移載させると判定した場合には、ステップST925において、予備作業領域移載ステップを実行する。
予備作業領域移載ステップST925では、移載制御部951Dは、
図38に示すように、ロボットアーム984にて搬送用基部983を+Y軸方向に向かって移動させた後(図中太矢印参照)、予備作業領域987に搬送された複数のカバーCを搬送用移載手段98に移載させる。
【0143】
なお、本実施形態では、移載判定部951Cは、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ以上の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、作業領域981の上流側に位置する予備作業領域987に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納された複数のカバーCを移載させると判定しているが、移動制御部951Bにて搬送路961を前段搬送手段96に移動させるのを待つようにしてもよい。要するに、移載判定部は、作業用検出手段の検出結果に基づいて、搬送用移載手段に搬送物を移載させるか否かを判定すればよい。
【0144】
図39は、搬送用移載手段にて複数のカバーを移載させている状態を示す図である。
移載制御部951Dは、前述したように、作業領域移載ステップST924または予備作業領域移載ステップST925において、作業領域981または予備作業領域987に搬送された複数のカバーCを搬送用移載手段98に移載させる。具体的には、移載制御部951Dは、
図39に示すように、作業領域981または予備作業領域987に搬送された複数のカバーCをベルトコンベア971の上流側(−X軸方向側)に移載する(図中二点鎖線矢印参照)。なお、移載制御部951Dは、複数のカバーCをベルトコンベア971の上流側に移載した後、搬送用移載手段98を作業領域981に戻す。
【0145】
そして、後段搬送手段97は、搬送用移載手段98にて移載された複数のカバーCを+X軸方向に向かってベルトコンベア971に搬送させる。
なお、
図39は、作業領域981に搬送された6個のカバーCを搬送用移載手段98に移載させている状態を示す図である。
【0146】
ステップST924の処理またはステップST925の処理を実行した後、不良判定部951Eは、ステップST926において、カメラ974の検出結果に基づいて、ベルトコンベア971にて搬送される複数のカバーCの不良を検出する(不良検出ステップ)。
具体的には、不良判定部951Eは、カメラ974にて検出されたカバーCの画像と、被覆用制御手段95のメモリに予め記憶された良品のカバーCの画像とを比較することによって、ベルトコンベア971にて搬送される複数のカバーCの不良を検出する。
ここで、不良判定部951Eは、カバーCの形状の変形の他、長手方向の向きや、表裏などの不良を検出している。
【0147】
図40は、カバーの不良を検出しなかった場合の後段搬送手段を示す図である。
被覆用制御手段95は、不良検出ステップST926にてカバーCの不良を検出しなかった場合には、ステップST927において、送出ステップを実行する。
具体的には、送排出制御部951Fは、接触センサ975A1の検出結果に基づいて、ストッパ975Aにてベルトコンベア971にて搬送される複数のカバーCを静止させたことを検出する。そして、送排出制御部951Fは、
図40に示すように、不良判定部951Eにて不良でないと判定されたカバーCをストッパ975Aにて静止させた場合には、エアシリンダ973Aにてパット973Bを−Y軸方向に向かって前進させることによって、カバーCを1個ごとにピッチコンベア972に送出する(図中細矢印参照)。
そして、被覆用制御手段95は、送出ステップST927を実行した後、ピッチコンベア972にて複数のカバーCを−X軸方向に向かって1個ごとに間欠的に搬送する。
【0148】
これに対して、被覆用制御手段95は、不良検出ステップST926にてカバーCの不良を検出した場合には、ステップST928において、排出ステップを実行する。
具体的には、送排出制御部951Fは、不良判定部951Eにて不良でないと判定されたカバーCをストッパ975Aにて静止させた場合には、昇降機975Bにてストッパ975Aを上昇させることによって、カバーCを排出する(
図33参照)。
【0149】
ステップST927の処理またはステップST928の処理を実行した後、被覆用制御手段95は、ステップST929において、カバー保持手段93にて3つのカバーCを保持できる所定の待機位置まで搬送機構91にてカバーCを搬送したか否かを判定する。換言すれば、被覆用制御手段95は、ピッチコンベア972にて3個のカバーCを−X軸方向に向かって間欠的に搬送したか否かを判定する(搬送終了判定ステップ)。
【0150】
被覆用制御手段95は、ピッチコンベア972にて3個のカバーCを−X軸方向に向かって間欠的に搬送したと判定した場合には、カバー搬送ステップST92を終了する。
これに対して、被覆用制御手段95は、ピッチコンベア972にて3個のカバーCを−X軸方向に向かって間欠的に搬送していないと判定した場合には、ステップST921の処理を再び実行する。
【0151】
<カバー扱き装置>
図41は、カバー扱き装置を示す斜視図である。
図42は、カバー扱き装置を示す断面図である。
カバー扱き装置10は、カバー被覆装置9にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せた後、カバーCの上面を扱くことによって、カバーCを容器20に密着させる。このカバー扱き装置10は、
図41および
図42に示すように、カバーCの中央部から一方の端部(容器本体201の端部)に向かってカバーCの上面部C1を扱く一端用ローラ機構101と、カバーCの中央部から他方の端部(蓋部材202の端部)に向かってカバーCの上面部C1を扱く他端用ローラ機構102とを備えている。また、カバー扱き装置10は、一端用ローラ機構101および他端用ローラ機構102を支持するローラヘッド103と、ローラヘッド103を昇降させる扱き用移動機構104とを備えている。
【0152】
一端用ローラ機構101は、カバーCの上面部C1における一方の端部側に当接する一端用扱き部材101Aと、X軸回りに一端用扱き部材101Aを回転自在に軸支するとともに、カバーCの中央部よりもカバーCの他方の端部側に設けられた一端用軸支部材101Bとを備えている。
このように、一端用軸支部材101Bは、一端用扱き部材101Aの扱き方向(−Y軸方向)と直交し、カバーCの上面部C1に平行な軸回りに一端用扱き部材101Aを回転自在に軸支している。
したがって、本実施形態では、一端用ローラ機構101は、一端扱き手段として機能している。
【0153】
一端用扱き部材101Aは、角柱状に形成された棒状部材101A1と、棒状部材101A1の先端部(−Z軸方向側の端部)に設けられるとともに、X軸(中心軸)回りに回転自在に軸支された円柱状のローラ101A2とを備えている。この一端用扱き部材101Aは、ローラ101A2の側面をカバーCの上面部C1に当接させている。
棒状部材101A1の基端部(+Z軸方向側の端部)は、ローラヘッド103に形成されたスリット103Aを介してローラヘッド103の鉛直上方側に突出し、バネ101A3を介してローラヘッド103に固定されている。
【0154】
ここで、前述したように、第1収容被覆部C14および第2収容被覆部C15は、上方に向かって突出するように形成されている。また、第2収容被覆部C15は、第1収容被覆部C14よりも上方に向かって突出するように形成されている。
したがって、ローラ101A2は、第1収容被覆部C14に当接する大径のローラと、第2収容被覆部C15に当接する小径のローラとを組み合わせて構成されている。
【0155】
なお、本実施形態では、一端用扱き部材101Aは、棒状部材101A1と、ローラ101A2とを備えた構成を採用していたが、これ以外の構成を採用してもよい。例えば、一端用扱き部材は、ローラに代えて円柱部材を備え、この円柱部材を棒状部材の先端部に固定して設けてもよい。要するに、一端用扱き部材は、カバーの上面における一方の端部側に当接し、カバーの中央部から一方の端部に向かってカバーの上面を扱くことができればよい。
【0156】
また、本実施形態では、一端用ローラ機構101(一端扱き手段)は、一端用扱き部材101Aと、一端用軸支部材101Bとを備えた構成を採用していたが、これ以外の構成を採用してもよい。要するに、一端扱き手段は、カバーの中央部から一方の端部に向かってカバーの上面を扱くことができればよい。
【0157】
他端用ローラ機構102は、カバーCの上面部C1における他方の端部側に当接する他端用扱き部材102Aと、X軸回りに他端用扱き部材102Aを回転自在に軸支するとともに、カバーCの中央部よりもカバーCの一方の端部側に設けられた他端用軸支部材102Bとを備えている。
このように、他端用軸支部材102Bは、他端用扱き部材102Aの扱き方向(+Y軸方向)と直交し、カバーCの上面部C1に平行な軸回りに他端用扱き部材102Aを回転自在に軸支している。
したがって、本実施形態では、他端用ローラ機構102は、他端扱き手段として機能している。
【0158】
他端用扱き部材102Aは、角柱状に形成された棒状部材102A1と、棒状部材102A1の先端部(−Z軸方向側の端部)に設けられるとともに、X軸(中心軸)回りに回転自在に軸支された円柱状のローラ102A2とを備えている。この他端用扱き部材102Aは、ローラ102A2の側面をカバーCの上面部C1に当接させている。
棒状部材102A1の基端部(+Z軸方向側の端部)は、ローラヘッド103に形成されたスリット103Aを介してローラヘッド103の鉛直上方側に突出し、バネ102A3を介してローラヘッド103に固定されている。
【0159】
なお、本実施形態では、他端用扱き部材102Aは、棒状部材102A1と、ローラ102A2とを備えた構成を採用していたが、これ以外の構成を採用してもよい。例えば、他端用扱き部材は、ローラに代えて円柱部材を備え、この円柱部材を棒状部材の先端部に固定して設けてもよい。要するに、他端用扱き部材は、カバーの上面における他方の端部側に当接し、カバーの中央部から他方の端部に向かってカバーの上面を扱くことができればよい。
【0160】
また、本実施形態では、他端用ローラ機構102(他端扱き手段)は、他端用扱き部材102Aと、他端用軸支部材102Bとを備えた構成を採用していたが、これ以外の構成を採用してもよい。要するに、他端扱き手段は、カバーの中央部から他方の端部に向かってカバーの上面を扱くことができればよい。
【0161】
したがって、ローラヘッド103は、一端用軸支部材101Bおよび他端用軸支部材102Bを支持する扱きヘッドとして機能している。
なお、
図42は、スリット103Aを通るYZ平面に沿ってカバー扱き装置10の一部(ローラヘッド103)を切断した部分断面図である。
【0162】
ここで、一端用ローラ機構101は、一端用扱き部材101Aと、一端用軸支部材101Bとを備えているので、一端用扱き部材101Aは、カバーCの上面部C1から離間するにしたがって、カバーCの上面部C1における一方の端部側から他方の端部側に位置するように傾斜して配設されることになる。また、他端用ローラ機構102は、他端用扱き部材102Aと、他端用軸支部材102Bとを備えているので、他端用扱き部材102Aは、カバーCの上面部C1から離間するにしたがって、カバーCの上面部C1における他方の端部側から一方の端部側に位置するように傾斜して配設されることになる。換言すれば、一端用扱き部材101Aおよび他端用扱き部材102Aは、交差するようにして配設されることになる。
なお、本実施形態では、一端用扱き部材101Aおよび他端用扱き部材102Aは、交差するようにして配設されているが、交差しないようにして配設されていてもよい。
【0163】
図43は、カバー扱き装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
カバー扱き装置10は、
図43に示すように、前述した扱き用移動機構104を備えている他、これを制御する扱き用制御手段105を備えている。
扱き用制御手段105は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどによって構成され、このメモリに記憶された所定のプログラムに従って情報処理を実行する。この扱き用制御手段105は、扱き制御部1051を備えている。
【0164】
扱き制御部1051は、ローラヘッド103を扱き用移動機構104にて移動させることによって、一端用ローラ機構101および他端用ローラ機構102にてカバーCの上面部C1を同時に扱く。
【0165】
図44は、カバー扱き装置にて実行されるカバー扱き処理のフローチャートを示す図である。
カバー扱き装置10にてカバーCの上面部C1を扱く場合には、扱き用制御手段105は、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、
図44に示すように、ステップST101〜ST102を実行する。
以下、ステップST101〜ST102の詳細について、図面を参照して説明する。
【0166】
まず、扱き用制御手段105は、コンベア2にてパレットPが所定の位置(
図41参照)に搬送されてきたか否かを検出する(ST101:パレット検出ステップ)。扱き用制御手段105は、ステップST101にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、ステップST102以降の処理を実行する。これに対して、扱き用制御手段105は、ステップST101にてパレットPが所定の位置に搬送されてきていないと判定した場合には、ステップST102以降の処理を実行することなく、カバー扱き処理を終了する。
【0167】
ステップST101にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、扱き制御部1051は、ローラヘッド103を扱き用移動機構104にて移動させることによって、一端用ローラ機構101および他端用ローラ機構102にてカバーCの上面部C1を同時に扱く(ST102:カバー扱きステップ)。具体的には、扱き制御部1051は、ローラヘッド103を扱き用移動機構104にて下降させる。
【0168】
図45は、ローラヘッドを下降させた状態のカバー扱き装置を示す図である。
ローラヘッド103を扱き用移動機構104にて下降させると、棒状部材101A1は、
図45に示すように、一端用軸支部材101Bを中心に回動し、ローラ101A2は、カバーCの中央部から一方の端部に向かってカバーCの上面部C1を扱く。
また、棒状部材102A1は、他端用軸支部材102Bを中心に回動し、ローラ102A2は、カバーCの中央部から他方の端部に向かってカバーCの上面部C1を扱く。
【0169】
その後、扱き用制御手段105は、扱き用移動機構104を制御することによって、初期状態(
図42の状態)に戻し、次のパレットPに対して前述したステップST101を再び実行することによって、ステップST101〜ST102を繰り返し実行する。
【0170】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)容器開蓋装置6は、容器20のフック部204の係合を解除するフック係合解除機62と、フック係合解除機62にてフック部204の係合を解除された後、容器20のヒンジ部203を回動させるヒンジ回動機63とを備えている。換言すれば、容器開蓋装置6は、フック部204の係合の解除と、ヒンジ部203の回動とを別々の機器にて実施している。したがって、容器開蓋装置6は、フック部204の係合を解除しやすく容器20を傷つけにくい構造のフック係合解除機62を採用し、ヒンジ部203を回動させやすく容器20を傷つけにくい構造のヒンジ回動機63を採用することができるので、容器20を傷つけることなく開蓋することができ、最終製品としてのコンパクトの製造効率を向上させることができる。
【0171】
(2)フック係合解除機62は、平板状の嵌挿部材621を解除用進退機構622にてフック部204に対して進出させることによって、フック部204の係合部位に嵌挿した後、嵌挿部材621を回動機構623にて回動させることによって、フック部204の係合を解除するので、フック係合解除機62の構成を簡素にすることができる。
(3)回動機構623は、嵌挿部材621を容器20の開蓋方向と反対方向に移動させることなく回動させるので、容器20に負荷をかけることなくフック部204の係合を解除することができる。換言すれば、回動機構623は、容器20を傷つけることなくフック部204の係合を解除することができる。
【0172】
(4)嵌挿部材621は、回動機構623の回動軸上に延在するとともに、解除用進退機構622の進退方向と平行な一辺を有し、回動機構623は、嵌挿部材621を容器20の開蓋方向に対して進出させる方向に回動させるので、嵌挿部材621を容器20の開蓋方向と反対方向に移動させることなく回動させることができる。したがって、回動機構623は、容器20に負荷をかけることなくフック部204の係合を解除することができる。
【0173】
(5)ヒンジ回動機63は、フック係合解除機62にてフック部204の係合を解除された後、フック係合解除機62にて容器本体201の他端および蓋部材202の他端を離間させているときに、ヒンジ部203を回動させることによって、容器20を開蓋するので、フック係合解除機62およびヒンジ回動機63を連動させて容器20を開蓋することができ、コンパクトの製造効率を更に向上させることができる。
(6)ヒンジ回動機63は、挿入部材631を回動用移動機構632にて移動させることによって、挿入部材631を容器本体201および蓋部材202の間に挿入し、挿入部材631にて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させるので、ヒンジ回動機63の構成を簡素にすることができる。
【0174】
(7)ヒンジ回動機63は、挿入部材631にて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させるので、挿入部材631に阻害されることなく容器20を完全に開蓋することができる。
(8)ヒンジ回動機63は、フック係合解除機62にて容器本体201の他端および蓋部材202の他端を離間させているときに、ヒンジ部203を回動させることによって、容器20を開蓋するので、フック係合解除機62にて容器本体201の他端および蓋部材202の他端を離間させた後、自重によって再び閉蓋状態になってしまうような容器20に対しても挿入部材631を容器本体201および蓋部材202の間に確実に挿入することができる。
【0175】
(9)挿入部材631は、円柱軸状に形成されるとともに、この挿入部材631の軸と、ヒンジ部203の回動軸とが平行になるように容器本体201および蓋部材202の間に挿入されるので、容器本体201に周面を当接させてヒンジ部203を回動させることができる。したがって、ヒンジ回動機63は、容器20を傷つけることなくヒンジ部203を回動させることができる。
【0176】
(10)カバー保持手段93は、一端保持手段931および他端保持手段932を容器20の上面に対して進退自在に支持するので、被覆制御部952にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せる際、容器20の端部にカバーCが引っかかると、一端保持手段931および他端保持手段932は、容器20から離間するように上昇することになる。換言すれば、カバー保持手段93は、カバーCの両方の端部を上昇させて撓ませることによって、容器20にカバーCを覆い被せることができる。したがって、カバー被覆装置9は、カバーCを容器20に効率よく覆い被せることができる。
【0177】
(11)カバー保持手段93は、カバーCの中央部を保持する円柱軸体933Aを固定して支持するので、被覆制御部952にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せる際、円柱軸体933Aは、容器20から離間するように上昇することはない。したがって、カバー被覆装置9は、カバーCの端部を上昇させて撓ませやすくなるので、カバーCを容器20に更に効率よく覆い被せることができる。
(12)一端保持手段931および他端保持手段932は、カバーCを保持するときにカバーCを収容する凹部931A,932Aを備えているので、被覆制御部952にて容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せる際、一端保持手段931および他端保持手段932に対するカバーCの移動を規制することができる。したがって、カバー被覆装置9は、カバーCを容器20に更に効率よく覆い被せることができる。
【0178】
(13)搬送制御部951は、作業用検出手段986の検出結果に基づいて、搬送路961を前段搬送手段96に移動させるか否かを判定する移動判定部951Aと、移動判定部951Aの判定結果に基づいて、前段搬送手段96に搬送路961を移動させる移動制御部951Bとを備えているので、移動判定部951Aにて搬送路961を前段搬送手段96に移動させると判定した場合には、移動制御部951Bは、前段搬送手段96に搬送路961を移動させることができる。したがって、搬送機構91は、作業領域981に複数のカバーCを重ねて収納した6個のバケット961Aを確保しておくことができる。
【0179】
(14)搬送制御部951は、作業用検出手段986の検出結果に基づいて、搬送用移載手段98にカバーCを移載させるか否かを判定する移載判定部951Cと、移載判定部951Cの判定結果に基づいて、搬送用移載手段98にカバーCを移載させる移載制御部951Dとを備えているので、移載判定部951Cにて搬送用移載手段98にカバーCを移載させると判定した場合には、移載制御部951Dは、搬送用移載手段98にカバーCを移載させることができる。したがって、搬送機構91は、作業領域981に確保された6個のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCを少なくとも1つずつ保持して移載することができる。これによれば、搬送機構91は、作業者に頼ることなく、複数のカバーCを一度に移載することができ、カバーCを効率よく搬送することができる。
【0180】
(15)移動判定部951Aは、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ以上の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、前段搬送手段96に搬送路961を移動させると判定するので、搬送機構91は、作業領域981に複数のカバーCを重ねて収納した6個のバケット961Aを確保しておくことができる。
(16)移動判定部951Aは、複数のバケット961Aに複数のカバーCを収納したことを収納用検出手段961Dにて検出した場合に、前段搬送手段96に搬送路961を移動させると判定するので、作業領域981の上流側に位置する複数のバケット961Aは、常に複数のカバーCを収納した状態を維持することができる。また、例えば、作業者によって複数のバケット961Aへの複数のカバーCの収納を実施する場合には、移動制御部951Bは、複数のバケット961Aへの複数のカバーCの収納を待って搬送路961を前段搬送手段96に移動させることができ、カバーCを効率よく搬送することができる。
【0181】
(17)移載判定部951Cは、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのうち、3つ以上の箇所のカバーCの無いバケット961Aを作業用検出手段986にて検出した場合に、作業領域981の上流側に位置する予備作業領域987に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCを移載させると判定するので、移動制御部951Bにて搬送路961を前段搬送手段96に移動させるのを待つことなく、予備作業領域987に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCを移載させることができ、カバーCを効率よく搬送することができる。
【0182】
(18)搬送用基部983は、複数の搬送用保持部982のそれぞれをロボットアーム984の進退方向(Z軸方向)に沿って進退自在に支持するので、作業領域981に搬送された複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCの個数が異なっていて搬送路961から最上段のカバーCまでの高さが異なっていても、その高さに合わせて各搬送用保持部982を進退させてカバーCを保持させることができる。したがって、搬送機構91は、複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCの個数が異なっていてもカバーCを効率よく搬送することができる。
【0183】
(19)搬送用移載手段98は、1つのカバーCに対してカバーCの板面の長手方向に沿って設けられた一対の搬送用保持部982を備えているので、カバーCの変形や傾斜に合わせて各搬送用保持部982を進退させてカバーCを保持させることができる。したがって、搬送機構91は、複数のバケット961Aのそれぞれに収納されたカバーCの個数が異なっていてもカバーCを効率よく搬送することができる。
(20)搬送用移載手段98は、バケット961Aに収納されたカバーCを保持して移載する際にカバーCの板面の端縁に接触する接触部985を備えているので、バケット961Aに収納された複数のカバーCを確実に分離して保持することができ、カバーCを効率よく搬送することができる。
【0184】
(21)接触部985は、略矩形状の吸引面を有する吸引盤982CにてカバーCを吸引して保持したときに、吸引盤982Cの吸引面の一辺と直交する直線上に位置するカバーCの板面の端縁に接触するので、カバーCは、吸引盤982Cの吸引面の一辺に沿って撓むことができる。したがって、接触部985は、例えば、円形状の吸引面を有する吸引盤にてカバーCを吸引して保持する場合と比較して吸引盤982CからカバーCを脱落させにくくすることができ、カバーCを効率よく搬送することができる。
【0185】
(22)送出手段973は、被覆機構92にて搬送機構91の外部に移載される複数のカバーCの個数(3個:第2の個数)の約数個(1個:第1の個数)ごとに、ベルトコンベア971にて搬送された複数のカバーCをピッチコンベア972に送出するので、搬送用移載手段98にてベルトコンベア971に移載された複数のカバーCの個数(6個)と、被覆機構92にて搬送機構91の外部に移載される複数のカバーCの個数(3個:第2の個数)とが異なる場合であってもカバーCを効率よく搬送することができる。
(23)排出手段975は、カメラ974にて不良と判定されたカバーCをベルトコンベア971から排出するので、ピッチコンベア972に送出されたカバーCを全て良品とすることができる。
【0186】
(24)カバー扱き装置10は、容器20の上面に向かってカバーCを下降させて覆い被せた後、カバーCの上面を扱くので、カバーCの端部を上昇させて撓ませることによって、カバーCについた癖をカバーCの上面部C1を扱いて取り除くことができ、容器20の端部にカバーCが引っかかっていたとしてもカバーCを容器20に確実に覆い被せることができる。
(25)扱き制御部1051は、カバーCの中央部から一方の端部に向かってカバーCの上面部C1を扱く一端用ローラ機構101およびカバーCの中央部から他方の端部に向かってカバーCの上面部C1を扱く他端用ローラ機構102にてカバーCの上面部C1を同時に扱くので、カバーCについた癖を効率よく取り除くことができる。
【0187】
(26)一端用扱き部材101Aおよび他端用扱き部材102Aは、交差するようにして配設されているので、カバー扱き装置10は、例えば、一端用扱き部材101Aおよび他端用扱き部材102Aを交差しないようにして配設した場合と比較して容器20やカバーCにかかる負荷を軽減することができる。
(27)一端用扱き部材101Aおよび他端用扱き部材102Aは、ローラ101A2,102A2の側面をカバーCの上面部C1に当接させるので、カバー扱き装置10は、容器20やカバーCにかかる負荷を更に軽減することができる。
【0188】
〔参考形態〕
以下、本発明の参考形態を図面に基づいて説明する。
図46は、本発明の参考形態に係る容器開蓋装置を示す斜視図である。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0189】
前記実施形態では、容器開蓋装置6は、容器吸引機61と、フック係合解除機62と、ヒンジ回動機63とを備え、これらは一箇所に設置されていた。
これに対して、本参考形態では、容器開蓋装置6Aは、フック係合解除機62Aと、ヒンジ回動機63Aとを備え、これらはコンベア2の上流側および下流側の二箇所に設置されている点で前記実施形態と異なる。なお、容器吸引機61は、フック係合解除機62Aおよびヒンジ回動機63Aのそれぞれに設置されている。
【0190】
容器開蓋装置6Aは、
図46に示すように、パレットPに載置された容器20を吸引して固定する2つの容器吸引機61と、容器20のフック部204の係合を解除することによって、容器本体201の他端および蓋部材202の他端を離間させるフック係合解除機62Aと、フック係合解除機62Aにてフック部204の係合を解除された後、ヒンジ部203を回動させることによって、容器20を開蓋するヒンジ回動機63Aとを備えている。
【0191】
図47は、容器吸引機およびフック係合解除機の上面図である。
容器吸引機61は、
図46および
図47に示すように、パレットPの連通穴P3のそれぞれに挿入する3つのノズル611と、ノズル611をパレットPに対して進退させる吸引用進退機構612とを備えている。
なお、本参考形態では、フック係合解除機62Aに併設されたノズル611の基端部611Cは、胴部611Bから−Z軸方向側に折れ曲がるようにして延在している点でヒンジ回動機63Aに併設されたノズル611の基端部611Cと異なっている。
【0192】
フック係合解除機62Aは、フック部204の係合部位のそれぞれに嵌挿する3つの嵌挿部材624と、嵌挿部材624をフック部204に対して進退させる解除用進退機構622と、解除用進退機構622の進退方向と平行な軸回りに嵌挿部材624を回動させる回動機構623と、容器20のヒンジ部203側への移動を規制する規制手段625とを備えている。
なお、本参考形態では、フック係合解除機62Aは、容器20のヒンジ部203側への移動を規制する規制手段625を備えているが、これを備えていなくてもよい。
【0193】
嵌挿部材624は、円柱状の軸部624Aと、軸部624Aに固定された平板状のナイフ部624Bとを備えている。ナイフ部624Bは、フック部204の係合部位に嵌挿できる厚さに形成されている。また、ナイフ部624Bは、X軸方向の幅の中央を軸部624Aの中心軸と一致させるようにして軸部624Aに固定されている。
【0194】
解除用進退機構622は、嵌挿部材624を支持する矩形板状のフレーム622Aと、フレーム622Aをフック部204に対して進退させるリニアアクチュエータ622Bとを備えている。したがって、解除用進退機構622は、リニアアクチュエータ622Bにてフレーム622Aを進退させることによって、嵌挿部材624をフック部204に対して進退させる。
フレーム622Aは、弾性部材622A1を介して嵌挿部材624の軸部624Aを支持している。したがって、フレーム622Aは、嵌挿部材624を揺動自在に支持している。
【0195】
回動機構623は、嵌挿部材624の軸部624Aのそれぞれに同心状に固定された3つのピニオン623Aと、X軸方向に沿って移動可能となるようにフレーム622Aに設けられるとともに、ピニオン623Aと噛み合うラック623Bと、フレーム622Aに取り付けられるとともに、ラック623BをX軸方向に沿って移動させるリニアアクチュエータ623Cと、ラック623Bを支持する支持台623Dとを備えている。したがって、回動機構623は、リニアアクチュエータ623Cにてラック623Bを移動させることによって、解除用進退機構622の進退方向と平行な軸回り(Y軸回り)に嵌挿部材624を回動させる。
ここで、フレーム622Aは、嵌挿部材624を揺動自在に支持しているが、ピニオン623Aは、フレーム622Aに設けられたラック623Bと噛み合っているので、嵌挿部材624は、−Z軸方向側への移動を規制されている。
【0196】
規制手段625は、容器20のヒンジ部203側の端部に当接する当接部材625Aと、当接部材625Aを固定する断面L字状のフレーム625Bと、フレーム625BをパレットPに対して進退させるリニアアクチュエータ625Cとを備えている。したがって、規制手段625は、リニアアクチュエータ625Cにてフレーム625Bを進退させることによって、当接部材625AをパレットPに対して進退させる。
【0197】
当接部材625Aは、矩形板状の部材であり、容器20のヒンジ部203側の端部に当接して収容する形状に形成された3つの凹部625A1を有している。
フレーム625Bは、X軸方向の両端に取り付けられた2つのジョイント625B1を介して当接部材625Aを固定している。
したがって、規制手段625は、容器20のヒンジ部203側の端部に当接することによって、容器20のヒンジ部203側への移動を規制している。
【0198】
ヒンジ回動機63Aは、
図46に示すように、容器本体201および蓋部材202の間のそれぞれに挿入する円柱軸状の3つの挿入部材631Aと、挿入部材631Aを移動させる回動用移動機構632とを備えている。また、ヒンジ回動機63Aは、容器本体201を吸引して保持する保持手段としての3つのバキュームパット633と、バキュームパット633および挿入部材631Aを支持する3つの支持部材634とを備えている。
なお、本参考形態では、挿入部材631Aは、前記実施形態における挿入部材631と比較して大径となっている。
【0199】
回動用移動機構632は、挿入部材631Aの中心軸と平行な中心軸を有し、支持部材634を介して挿入部材631Aおよびバキュームパット633を支持する軸部632Aと、軸部632Aを回動自在に軸支するフレーム632Bと、フレーム632Bに取り付けられるとともに、軸部632Aを回動させるモータ632Cと、フレーム632BをX,Y,Zの3軸方向に移動させるロボットアーム632Dとを備えている。したがって、回動用移動機構632は、モータ632Cにて軸部632Aを回動させることによって、挿入部材631Aおよびバキュームパット633を軸部632Aの中心軸回りに回動させることができる。また、回動用移動機構632は、ロボットアーム632Dにてフレーム632Bを移動させることによって、挿入部材631Aおよびバキュームパット633をX,Y,Zの3軸方向に移動させることができる。
【0200】
図48は、容器開蓋装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
容器開蓋装置6Aは、
図48に示すように、前述した容器吸引機61、フック係合解除機62A、およびヒンジ回動機63Aを備えている他、これらを制御する開蓋用制御手段64Aを備えている。
開蓋用制御手段64Aは、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどによって構成され、このメモリに記憶された所定のプログラムに従って情報処理を実行する。この開蓋用制御手段64Aは、吸引制御部641と、規制制御部645と、嵌挿制御部642と、解除制御部643と、保持制御部646と、第1回動制御部647と、第2回動制御部648とを備えている。
【0201】
吸引制御部641は、ノズル611に接続された吸引装置(図示略)と、吸引用進退機構612のリニアアクチュエータ612Bとを制御し、パレットPに載置された容器20を吸引することによって、容器20をパレットPに固定する。
規制制御部645は、リニアアクチュエータ625Cを制御し、フレーム625Bを進退させることによって、当接部材625AをパレットPに対して進退させる。
嵌挿制御部642は、解除用進退機構622を制御し、嵌挿部材624を解除用進退機構622にてフック部204に対して進出させることによって、フック部204の係合部位にナイフ部624Bを嵌挿する。
解除制御部643は、回動機構623を制御し、嵌挿部材624を回動機構623にて回動させることによって、ナイフ部624Bにてフック部204の係合を解除する。
【0202】
保持制御部646は、回動用移動機構632を制御し、支持部材634を回動用移動機構632にて移動させることによって、バキュームパット633を容器本体201に近接させる。そして、保持制御部646は、バキュームパット633に容器本体201を吸引させることによって、バキュームパット633に容器本体201を保持させる。
第1回動制御部647は、支持部材634を回動用移動機構632にて移動させることによって、容器本体201をバキュームパット633にて引き出してヒンジ部203を回動させる。
第2回動制御部648は、第1回動制御部647にてヒンジ部203を回動させた後、支持部材634を回動用移動機構632にて移動させることによって、挿入部材631Aを容器本体201および蓋部材202の間に挿入し、挿入部材631Aにて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させる。
【0203】
図49は、容器開蓋装置にて実行されるフック解除処理のフローチャートを示す図である。
容器開蓋装置6Aにて容器20を開蓋する場合には、開蓋用制御手段64Aは、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、
図49に示すように、ステップST611〜ST615を実行する。
以下、ステップST611〜ST615の詳細について、図面を参照して説明する。
【0204】
図50は、ノズルをパレットに対して進出させた状態を示す容器開蓋装置の上面図である。
まず、開蓋用制御手段64Aは、コンベア2にてパレットPが所定の位置(
図47参照)に搬送されてきたか否かを検出する(ST611:パレット検出ステップ)。開蓋用制御手段64Aは、ステップST611にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、ステップST612以降の処理を実行する。これに対して、開蓋用制御手段64Aは、ステップST611にてパレットPが所定の位置に搬送されてきていないと判定した場合には、ステップST612以降の処理を実行することなく、フック解除処理を終了する。
【0205】
ステップST611にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、吸引制御部641は、
図50に示すように、リニアアクチュエータ612Bにてフレーム612AをパレットPに対して進出させることによって、ノズル611をパレットPの連通穴P3に挿入する(図中太矢印参照)。そして、吸引制御部641は、パレットPに載置された容器20をノズル611に接続された吸引装置(図示略)にてパレットPの連通穴P3を介して吸引することによって、容器20をパレットPに固定する(ST612:容器吸引ステップ)。
【0206】
図51は、規制手段をパレットに対して進出させた状態を示す容器開蓋装置の上面図である。
次に、規制制御部645は、
図51に示すように、リニアアクチュエータ625Cにてフレーム625Bを進出させることによって、当接部材625AをパレットPに対して進出させる(図中太矢印参照)。これによって、規制手段625は、容器20のヒンジ部203側の端部に当接し、容器20のヒンジ部203側への移動を規制する(ST613:容器規制ステップ)。
【0207】
図52は、嵌挿部材を容器のフック部に対して進出させた状態を示す容器開蓋装置の上面図である。
次に、嵌挿制御部642は、
図52に示すように、リニアアクチュエータ622Bにてフレーム622Aを容器20に対して進出させることによって(図中太矢印参照)、フック部204の係合部位に嵌挿部材624のナイフ部624Bを嵌挿する(ST614:ナイフ嵌挿ステップ)。
【0208】
図53は、嵌挿部材を回動させて容器のフック部の係合を解除した状態を示す容器開蓋装置の上面図である。
次に、解除制御部643は、
図53に示すように、リニアアクチュエータ623Cにてラック623Bを+X軸方向側に移動させることによって(図中太矢印参照)、Y軸回りに嵌挿部材624を回動させる。そして、解除制御部643は、嵌挿部材624を回動させることによって、ナイフ部624Bにてフック部204の係合を解除する(ST615:フック解除ステップ)。
【0209】
図54は、容器のフック部の係合を解除している状態を示す容器開蓋装置の側面図および断面図である。具体的には、
図54は、+Y軸方向側から容器開蓋装置6Aの要部を見た図(左図)、および左図のA−A断面図(右図)である。また、
図54(A)は、嵌挿部材624を回動させる前の状態を示す図であり、
図54(B)は、嵌挿部材624を回動させている途中の状態を示す図である。
ここで、前述した容器吸引ステップST612では、吸引制御部641は、
図54に示すように、パレットPに載置された容器20をノズル611に接続された吸引装置(図示略)にてパレットPの連通穴P3を介して吸引することによって(図中細矢印参照)、容器20をパレットPに固定している。
【0210】
また、前述したナイフ嵌挿ステップST614では、嵌挿制御部642は、
図54(A)に示すように、リニアアクチュエータ622Bにてフレーム622Aを容器20に対して進出させることによって、フック部204の係合部位に嵌挿部材624のナイフ部624Bを嵌挿する。
そして、前述したフック解除ステップST615では、解除制御部643は、
図54(B)に示すように、嵌挿部材624を回動させることによって、ナイフ部624Bにてフック部204の係合を解除する。
【0211】
この際、フレーム622Aは、前述したように、嵌挿部材624を揺動自在に支持しているので、嵌挿部材624は、容器20の開蓋方向(+Z軸方向)に対して進出する(図中太矢印参照)。このように、回動機構623は、嵌挿部材624を回動させるときに、嵌挿部材624を容器20の開蓋方向に対して進出させている。換言すれば、回動機構623は、嵌挿部材624を容器20の開蓋方向と反対方向(−Z軸方向)に移動させることなく回動させている。
なお、本参考形態では、回動機構623は、嵌挿部材624を容器20の開蓋方向と反対方向に移動させることなく回動させているが、嵌挿部材624を容器20の開蓋方向と反対方向に移動させるように回動させてもよい。この場合には、容器を傷つけにくい材質の嵌挿部材を採用することが好ましい。
【0212】
その後、解除制御部643は、リニアアクチュエータ623Cにてラック623Bを−X軸方向側に移動させることによって、Y軸回りに嵌挿部材624を回動させる。そして、解除制御部643は、嵌挿部材624を回動させることによって、嵌挿部材624のナイフ部624Bを回動前の状態に戻す。
また、嵌挿制御部642は、リニアアクチュエータ622Bにてフレーム622Aを容器20に対して後退させることによって、嵌挿部材624のナイフ部624Bを後退させる。
さらに、規制制御部645は、リニアアクチュエータ625Cにてフレーム625Bを後退させることによって、当接部材625AをパレットPに対して後退させる。
【0213】
その後、開蓋用制御手段64Aは、容器吸引機61を制御することによって、初期状態(
図47の状態)に戻し、次のパレットPに対して前述したステップST611を再び実行することによって、ステップST611〜ST615を繰り返し実行する。
【0214】
図55は、容器開蓋装置にて実行されるヒンジ回動処理のフローチャートを示す図である。
容器開蓋装置6Aにて容器20を開蓋する場合には、開蓋用制御手段64Aは、メモリに記憶された所定のプログラムに従って、
図55に示すように、ステップST621〜ST625を実行する。
以下、ステップST621〜ST625の詳細について、図面を参照して説明する。
【0215】
まず、開蓋用制御手段64Aは、コンベア2にてパレットPが所定の位置(
図46参照)に搬送されてきたか否かを検出する(ST621:パレット検出ステップ)。開蓋用制御手段64Aは、ステップST621にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、ステップST622以降の処理を実行する。これに対して、開蓋用制御手段64Aは、ステップST621にてパレットPが所定の位置に搬送されてきていないと判定した場合には、ステップST622以降の処理を実行することなく、ヒンジ回動処理を終了する。
【0216】
ステップST621にてパレットPが所定の位置に搬送されてきたと判定した場合には、吸引制御部641は、リニアアクチュエータ612Bにてフレーム612AをパレットPに対して進出させることによって、ノズル611をパレットPの連通穴P3に挿入する。そして、吸引制御部641は、パレットPに載置された容器20をノズル611に接続された吸引装置(図示略)にてパレットPの連通穴P3を介して吸引することによって、容器20をパレットPに固定する(ST622:容器吸引ステップ)。
【0217】
図56は、容器のヒンジ部を回動させている状態を示すヒンジ回動機の側面図である。具体的には、
図56は、ヒンジ回動機63Aを−X軸方向側から見た図である。また、
図56(A)は、バキュームパット633にて容器本体201を保持した状態を示す図であり、
図56(B)は、バキュームパット633にて容器20のヒンジ部203を回動させている状態を示す図であり、
図56(C)は、挿入部材631Aを容器本体201に当接させた状態を示す図であり、
図56(D)は、挿入部材631Aにて容器20のヒンジ部203を回動させている状態を示す図である。
【0218】
次に、保持制御部646は、
図56(A)に示すように、支持部材634を回動用移動機構632にて移動させることによって、バキュームパット633を容器本体201に近接させる。そして、保持制御部646は、バキュームパット633に容器本体201を吸引させることによって、バキュームパット633に容器本体201を保持させる(ST623:容器保持ステップ)。
【0219】
その後、第1回動制御部647は、
図56(B)の細矢印に示すように、支持部材634を回動用移動機構632にて移動させることによって、容器本体201をバキュームパット633にて引き出してヒンジ部203を回動させる(ST624:第1回動ステップ)。
この際、第1回動制御部647は、モータ632Cにて軸部632Aを回動させることによって、容器本体201の位置に応じてバキュームパット633を軸部632Aの中心軸回りに回動させている。
【0220】
次に、第2回動制御部648は、
図56(C)に示すように、第1回動制御部647にてヒンジ部203を回動させた後、モータ632Cにて軸部632Aを回動させることによって、挿入部材631Aを容器本体201に当接させる(図中細矢印参照)。
【0221】
そして、第2回動制御部648は、
図56(D)の細矢印に示すように、挿入部材631Aにて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させる(ST625:第2回動ステップ)。
この際、第2回動制御部648は、モータ632Cにて軸部632Aを回動させることによって、容器本体201の位置に応じて挿入部材631Aを軸部632Aの中心軸回りに回動させている。
【0222】
なお、本参考形態では、第2回動制御部648は、挿入部材631Aにて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させているが、挿入部材にて蓋部材を押し出してヒンジ部を回動させてもよい。要するに、第2回動制御部は、挿入部材にて容器本体または蓋部材を押し出してヒンジ部を回動させればよい。
【0223】
また、本参考形態では、ヒンジ回動機63Aは、第1回動制御部647および第2回動制御部648を備え、容器本体201をバキュームパット633にて引き出してヒンジ部203を回動させた後、挿入部材631Aにて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させていた。これに対して、ヒンジ回動機63Aは、第1回動制御部647のみを備え、容器本体201をバキュームパット633にて引き出してヒンジ部203を回動させることのみによって、容器20を開蓋してもよい。
【0224】
その後、開蓋用制御手段64Aは、ヒンジ回動機63Aを制御することによって、初期状態に戻し、次のパレットPに対して前述したステップST621を再び実行することによって、ステップST621〜ST625を繰り返し実行する。
【0225】
このような本参考形態によれば、前記実施形態における(1)〜(3),(6),(7),(9)〜(27)と同様の作用・効果を奏することができる他、以下の作用・効果を奏することができる。
(28)回動機構623は、嵌挿部材624を回動させるときに、嵌挿部材624を容器20の開蓋方向に対して進出させるので、嵌挿部材624を容器20の開蓋方向と反対方向に移動させることなく回動させることができる。したがって、回動機構623は、容器20に負荷をかけることなくフック部204の係合を解除することができる。
【0226】
(29)フック係合解除機62Aは、容器20のヒンジ部203側への移動を規制する規制手段625を備えているので、平板状の嵌挿部材624を解除用進退機構622にてフック部204に対して進出させることによって、フック部204の係合部位に嵌挿したときに、容器20のヒンジ部203側への移動を規制することができる。したがって、フック係合解除機62Aは、容器20の位置を変動させることなくフック部204の係合を解除することができるので、後段の装置(例えば、カバー被覆装置9)は、効率よく行程を実施することができ、最終製品としてのコンパクトの製造効率を向上させることができる。
【0227】
(30)ヒンジ回動機63Aは、バキュームパット633に容器本体201を保持させた後、バキュームパット633を回動用移動機構632にて移動させることによって、容器本体201をバキュームパット633にて引き出してヒンジ部203を回動させるので、ヒンジ回動機63Aの構成を簡素にすることができる。
(31)バキュームパット633は、容器本体201を吸引して保持するので、ヒンジ回動機63Aは、容器20を傷つけることなくヒンジ部203を回動させることができる。
【0228】
(32)ヒンジ回動機63Aは、バキュームパット633に容器本体201を保持させた後、支持部材634を回動用移動機構632にて移動させることによって、容器本体201をバキュームパット633にて引き出してヒンジ部203を回動させることができる。そして、ヒンジ回動機63Aは、容器本体201をバキュームパット633にて引き出してヒンジ部203を回動させた後、支持部材634を回動用移動機構632にて移動させることによって、挿入部材631Aを容器本体201および蓋部材202の間に挿入し、挿入部材631Aにて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させることができる。すなわち、ヒンジ回動機63Aは、容器本体201をバキュームパット633にて引き出して容器本体201および蓋部材202の間に挿入部材631Aを挿入するのに十分な隙間を形成し、この隙間に挿入部材631Aを挿入し、挿入部材631Aにて容器本体201を押し出してヒンジ部203を回動させることができる。したがって、ヒンジ回動機63Aは、容器20を傷つけることなくヒンジ部203を回動させることができる。
【0229】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、コンパクトの装填装置1に搬送機構91を採用していたが、これ以外の装置に本発明の搬送装置を採用してもよい。