(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記スクライブユニットによりスクライブラインが形成された前記基板を前記第2位置で前記給材テーブルに吸着させた後、前記搬送部を駆動して前記給材テーブルを前記第1位置へと搬送し、前記第1位置において前記回転部を駆動して前記給材テーブルを上下に回転させて前記基板を表裏反転させる、請求項1ないし3の何れか一項に記載の基板加工装置。
前記搬送部により前記第2位置に位置付けられた前記給材テーブル上の前記基板を前記スクライブユニットに設けられたテーブルに搬送する搬送ユニットを備える、請求項1ないし4の何れか一項に記載の基板加工装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図には、便宜上、互いに直交するXYZ軸が付記されている。X−Y平面は水平面に平行で、Z軸正方向は鉛直下方向である。
【0020】
図1は、基板加工装置1の構成を示す斜視図である。
【0021】
基板加工装置1は、給材ユニット100と、搬送ユニット200と、スクライブユニット300と、ブレイクユニット400と、を備える。給材ユニット100は、基板加工装置1の上流側の装置から供給された基板10を受け取る。搬送ユニット200は、給材ユニット100から基板10を受け取り、受け取った基板10をスクライブユニット300とブレイクユニット400に受け渡す。スクライブユニット300は、基板10の表面にスクライブラインを形成する。ブレイクユニット400は、受け渡された基板10をスクライブラインに沿って分断する。基板10は、液晶パネル等の脆弱性基板である。
【0022】
なお、
図1では、便宜上、スクライブユニット300とブレイクユニット400との間隔が広くなるように図示されているが、実際には、
図5(a)に示すように、スクライブユニット300とブレイクユニット400は、互いに接近して設置されている。
【0023】
給材ユニット100は、給材テーブル110と、一対の搬送部120と、回転部130と、を備える。
【0024】
給材テーブル110は、平面視において略正方形の形状を有し、一方の面に基板10を吸着するための多数の孔を備えている。空圧源1b(
図4参照)によって給材テーブル110に圧力が付与される。孔に負圧が付与されることにより、基板10が給材テーブル110に吸着される。
【0025】
搬送部120は、支持部121と、支持部121をX軸方向に駆動するためのボールネジ122と、ボールネジ122を駆動するモータ101(
図4参照)と、支持部121に設置された支持部材123と、支持部材123に設置された収容部材124と、を備える。ボールネジ122は、スクライブユニット300よりもX軸負側の位置から、ブレイクユニット400よりもX軸正側の位置まで延びている。モータ101の駆動によりボールネジ122が駆動されると、支持部121がX軸方向に移送される。これにより、給材テーブル110と、支持部121と、支持部材123と、収容部材124と、回転部130とが、一体となってX軸方向に移送される。
【0026】
なお、搬送部120は、支持部121をY軸方向に平行に案内するためのガイドをさらに備えてもよい。また、ガイドが設けられる場合、搬送部120は、ボールネジ122に代えて、支持部121をX軸方向に駆動するためのリニアモータを備えてもよい。
【0027】
回転部130は、支持部材123に設置されており、収容部材124に覆われている。回転部130は、Y軸方向に延びた軸131を備える。また、回転部130は、
図2(a)〜(c)を参照して後述する円柱部材132と、シリンダ133と、ラックギア134と、ギア135と、を備える。軸131は、Y軸方向を回転の中心として回転する。給材テーブル110は、軸131の回転に応じてY軸方向を回転の中心として回転する。
【0028】
搬送ユニット200は、搬送レール210と、昇降機構220と、吸着部230と、を備える。
【0029】
搬送レール210は、X軸方向に延びる板状の部材からなっており、昇降機構220をX軸に平行な方向に案内する。昇降機構220は、支持台221と、支柱222と、移動体223と、を備える。支持台221は、搬送レール210のY軸方向の両端に係合する一対の溝221aを備える。一対の溝221aが搬送レール210に係合することにより、支持台221がX軸方向に案内される。支持台221は、ベルトコンベア211によってX軸方向に駆動される。
【0030】
支柱222は、支持台221に設置されている。移動体223は、上下方向に移動可能に支柱222に支持されている。移動体223の内部には、移動体223を支柱222に沿って移動させるための駆動部201(
図4参照)が設けられている。駆動部201は、たとえば、移動体223を上下に案内するスライダと、移動体223を上下に駆動するためのリニアモータと、を備える。移動体223には、Y軸正側およびZ軸正側に延びたアーム223aを介して、吸着部230が設置されている。ベルトコンベア211と駆動部201が駆動されることにより、吸着部230は、X軸方向およびZ軸方向に移動する。
【0031】
吸着部230は、平面視において略正方形の形状を有する。吸着部230は、下面に、基板10を吸着するための多数の孔を備えている。空圧源1b(
図4参照)によって吸着部230の孔に圧力が付与される。孔に負圧が付与されることにより、基板10が吸着部230に吸着される。
【0032】
スクライブユニット300は、テーブル310と、回転機構320と、移動機構330と、複数のスクライブヘッド340と、を備える。
【0033】
テーブル310は、平面視において略正方形の形状を有し、上面に、基板10を吸着するための多数の孔を備えている。空圧源1b(
図4参照)によってテーブル310の孔に圧力が付与される。孔に負圧が付与されることにより、基板10がテーブル310に吸着される。
【0034】
テーブル310は、回転機構320によってZ軸に平行な回転軸の周りに回転可能に支持されている。回転機構320は、テーブル310を回転可能に支持するための支持機構と、テーブル310を回転させるためのモータ301(
図4参照)と、を備える。回転機構320は、支持台321に設置され、支持台321とともに、移動機構330によってY軸方向に送られる。
【0035】
移動機構330は、支持台321をY軸方向に平行に案内するための一対のガイド331と、支持台321をY軸方向に平行に駆動するためのボールネジ332と、ボールネジ332を駆動するモータ302(
図4参照)と、を備える。
【0036】
複数のスクライブヘッド340は、アーチ状の支持機構341によって、X軸方向に平行に移動可能に支持されている。スクライブヘッド340は、モータ303(
図4参照)によってX軸方向に移送される。スクライブヘッド340の下端には、ホイールホルダが取り付けられており、このホイールホルダにカッターホイールが回転自在に保持されている。スクライブヘッド340は、内部に、ホイールホルダを上下方向に昇降させる昇降機構304(
図4参照)を備えている。
【0037】
スクライブ動作時には、スクライブヘッド340が、X軸方向の所定の位置に位置付けられ、複数のホイールホルダが所定の位置まで降下させられる。テーブル310に吸着された基板10が、移動機構330によって、スクライブヘッド340の下方を通ってY軸正方向に移送される。これにより、複数のカッターホイールが一定荷重で基板10の上面を押し付け、基板10の上面に、Y軸に平行な複数のスクライブラインが形成される。続いて、回転機構320によってテーブル310が90°回転される。そして、テーブル310に吸着された基板10が、移動機構330によって、スクライブヘッド340の下方を通ってY軸負方向に搬送される。これにより、基板10の上面にY軸に平行な複数のスクライブラインが形成される。こうして、基板10の上面には、格子状にスクライブラインが形成される。
【0038】
ブレイクユニット400は、テーブル410と、回転機構420と、移動機構430と、ブレイクバー440と、を備える。
【0039】
テーブル410は、平面視において略正方形の形状を有し、上面に、基板10を吸着するための多数の孔を備えている。空圧源1b(
図4参照)によってテーブル410の孔に圧力が付与される。孔に負圧が付与されることにより、基板10がテーブル410に吸着される。
【0040】
テーブル410は、回転機構420によってZ軸に平行な回転軸の周りに回転可能に支持されている。回転機構420は、テーブル410を回転可能に支持するための支持機構と、テーブル410を回転させるためのモータ401(
図4参照)と、を備える。回転機構420は、支持台421に設置され、支持台421とともに、移動機構430によってY軸方向に送られる。
【0041】
移動機構430は、支持台421をY軸方向に平行に案内するための一対のガイド431と、支持台421をY軸方向に平行に駆動するためのボールネジ432と、ボールネジ432を駆動するモータ402(
図4参照)と、を備える。
【0042】
ブレイクバー440は、アーチ状の支持機構441によって、上下に移動可能に支持されている。ブレイクバー440は、モータ442によってZ軸方向に移送される。ブレイクバー440は、一対の軸443によってZ軸方向に案内される。
【0043】
なお、給材テーブル110と、テーブル310と、テーブル410は、平面視においてX軸方向に直線状に並ぶよう配置されている。
【0044】
ブレイク動作時には、テーブル410に吸着された基板10が、移動機構430によって、ブレイクバー440の下方に位置づけられる。次に、ブレイクバー440が降下し、ブレイクバー440がスクライブラインの位置に押しつけられる。これにより、基板10は、スクライブラインに沿って分断される。こうして、各スクライブラインに沿って基板10が分断される。続いて、テーブル410が90°回転され、同様の動作によって各スクライブラインに沿って基板10が分断される。
【0045】
図2(a)は、給材テーブル110の面111がZ軸負側に向けられたときの給材ユニット100の構成を模式的に示す平面図である。
【0046】
面111は、基板10を吸着するための吸着面である。面111には、基板10を吸着するための多数の孔が形成されている。Y軸正側に位置する支持部材123のY軸負側の面と、Y軸負側に位置する支持部材123のY軸正側の面には、それぞれ、リング部材125が設置されている。リング部材125の内部には、円柱部材132が嵌め込まれている。リング部材125と円柱部材132は、Y軸方向に見て円形状を有している。
【0047】
図2(b)は、Y軸負側に位置するリング部材125および円柱部材132をY軸負方向に見た場合の構成を模式的に示す側面図である。なお、Y軸正側に位置するリング部材125および円柱部材132の構成も
図2(b)に示す構成と同様であるため、以下、Y軸負側に位置するリング部材125および円柱部材132について説明する。
【0048】
図2(a)、(b)を参照して、リング部材125のZ軸負側の端部には、リング部材125の内部とリング部材125の外部とを繋ぐ筒部125aが設けられている。筒部125aには、チューブ141が接続されている。チューブ141の他端は、空圧源1b(
図4参照)に接続されている。円柱部材132は、中心に軸131を通すための孔が設けられており、この孔に軸131が固定されている。また、円柱部材132には、2つの筒部132aが設けられている。
図2(b)において点線矢印で示すように、2つの筒部132aは、円柱部材132の内部に形成された流路を介して、リング部材125の筒部125aに繋がっている。筒部132aには、チューブ142が接続されている。チューブ142の他端は、接続口112aまたは接続口151a(
図3(a)参照)に接続されている。
【0049】
図2(c)は、Y軸正側に位置する収容部材124の内部をY軸負方向に見た場合の構成を模式的に示す側面図である。なお、Y軸負側に位置する収容部材124の内部の構成も
図2(c)に示す構成と同様であるため、以下、Y軸正側に位置する収容部材124の内部の構成について説明する。
【0050】
図2(c)に示すように、収容部材124の内部において、支持部材123のY軸正側の側面には、シリンダ133と、ラックギア134と、ギア135と、が設置されている。シリンダ133は、エアシリンダであり、空圧源1b(
図4参照)からの圧力によって、駆動軸133aをX軸方向に移動させる。ラックギア134は、X軸方向に移動可能となるよう支持部材123の側面に設置されている。ラックギア134のZ軸負側の端部は、シリンダ133の駆動軸133aに接続されている。ラックギア134のZ軸正側の面には、X軸方向に沿って溝が形成されている。ギア135は、Y軸方向を回転の中心として回転可能となるよう支持部材123の側面に設置されている。ギア135の外周に形成された溝は、ラックギア134のZ軸正側に形成された溝と噛み合っている。ギア135の中心には、軸131が固定されている。
【0051】
シリンダ133により駆動軸133aがX軸方向に動かされると、ラックギア134がX軸方向に移動し、ラックギア134の移動に応じてギア135が回転される。これにより、軸131が回転し、軸131に固定された給材テーブル110が回転する。給材テーブル110は、軸131の回転に応じて、
図2(a)に示すように面111がZ軸負方向に向けられた状態から、
図3(a)に示すように面111がZ軸正方向に向けられた状態まで、180°回転する。
【0052】
図3(a)は、給材テーブル110の面112がZ軸負側に向けられたときの給材ユニット100の構成を模式的に示す平面図である。
図3(b)は、
図3(a)の給材テーブル110をY軸負方向に見た場合の構成を模式的に示す側面図である。
【0053】
面112には、面111に設けられた多数の孔に圧力を付与するために空気を出し入れするための4つの接続口112aが設けられている。接続口112aには、チューブ142が接続される。面112には、枠部材150が設置されている。枠部材150は、4つのシリンダ151によって面111に支持されている。軸131は、枠部材150に固定されている。シリンダ151は、エアシリンダであり、空圧源1b(
図4参照)からの圧力によって、駆動軸151bをZ軸方向に移動させる。シリンダ151には、シリンダ151の駆動軸151bをZ軸方向に動かすために空気を出し入れするための接続口151aが設けられている。接続口151aには、チューブ142が接続される。
【0054】
面112の4つの接続口112aは、Y軸正側の円柱部材132の筒部132aに接続されたチューブ142の他端に接続される。一方、各シリンダ151の接続口151aは、Y軸負側の円柱部材132の筒部132aに接続されたチューブ142の他端に接続される。このように、接続口112a、151aが円柱部材132の筒部132aに接続されると、給材テーブル110が回転したとしても、筒部132aに接続されたチューブ142が意図せず引っ張られることがない。これにより、チューブ142の破損等を抑制して、空圧源1bからの圧力を接続口112a、151aに確実に付与できる。
【0055】
枠部材150には、4つの突出部152が設けられている。突出部152には、バネ153が接続されている。バネ153の他端は、面112に接続されている。シリンダ151が駆動され駆動軸151bがZ軸正方向に移動すると、給材テーブル110は、バネ153に抗して枠部材150から離れてZ軸正方向に移動する。一方、シリンダ151の駆動が解除されると、給材テーブル110は、バネ153の縮む力により枠部材150に近づけられる。このようにシリンダ151の駆動にともなって、給材テーブル110が枠部材150に対して接近および離間する。
【0056】
図4は、基板加工装置1の構成を示すブロック図である。
【0057】
基板加工装置1は、制御部1aと、空圧源1bと、検出部1cと、給材ユニット100と、搬送ユニット200と、スクライブユニット300と、ブレイクユニット400と、を備える。給材ユニット100は、モータ101を含む。搬送ユニット200は、ベルトコンベア211と駆動部201を含む。スクライブユニット300は、モータ301〜303と昇降機構304を含む。ブレイクユニット400は、モータ401、402、442を含む。
【0058】
制御部1aは、CPU等の演算処理回路や、ROM、RAM、ハードディスク等のメモリを含んでいる。制御部1aは、メモリに記憶されたプログラムに従って各部を制御する。空圧源1bは、シリンダ133、151と給材テーブル110に接続されており、空気を送ることによりシリンダ133、151と給材テーブル110に圧力を付与する。検出部1cは、基板10の位置を検出するためのセンサ等の各種センサを含んでいる。
【0059】
次に、
図5(a)〜
図12(b)を参照して、基板加工装置1の動作について説明する。
図5(a)〜
図6(b)と
図9(a)〜
図12(b)は、基板加工装置1をY軸負方向に見た場合の構成を模式的に示す側面図である。
図7(a)〜
図8(b)は、ブレイクユニット400をZ軸正方向に見た場合の構成を模式的に示す平面図である。以下に示す基板加工装置1の動作は、制御部1aの制御により基板加工装置1の各部が駆動されて行われる。
【0060】
図5(a)に示すように、給材テーブル110が、面111を上に向けた状態で、給材テーブル110の移送範囲の最もX軸負側の位置に位置付けられる。給材テーブル110が移送範囲の最もX軸負側にあるときの位置は、第1位置に対応する。第1位置は、給材テーブル110に基板10を載置するための位置である。そして、給材テーブル110の面111上に、基板加工装置1の上流側から供給された基板10が載置される。また、このとき、スクライブユニット300のテーブル310は、テーブル310の移送範囲の最もY軸負側の位置に位置付けられる。搬送ユニット200の吸着部230は、給材テーブル110よりも高く、かつ、テーブル310の上方の位置に位置付けられる。
【0061】
続いて、
図5(b)に示すように、給材テーブル110が搬送部120の駆動によりX軸正方向に移送され、スクライブユニット300のテーブル310の上方に位置付けられる。給材テーブル110が、最もY軸負側の位置に位置付けられたテーブル310の上方にあるときの位置は、第2位置に対応する。第2位置は、スクライブユニット300に基板10を受け渡すための位置である。
【0062】
続いて、
図6(a)に示すように、駆動部201の駆動により吸着部230が下方向に移送され、給材テーブル110上の基板10が吸着部230に吸着され、吸着部230が上方向に移送されて基板10が持ち上げられる。そして、給材テーブル110がX軸負方向に移送され、給材テーブル110の移送範囲の最もX軸負側の位置、すなわち第1位置に位置付けられる。
【0063】
続いて、
図6(b)に示すように、吸着部230に吸着された基板10の下面が、スクライブユニット300のテーブル310に当接するまで、吸着部230が下方向に移送される。そして、吸着部230による基板10の吸着が解除され、基板10がテーブル310に載置される。その後、吸着部230は、給材テーブル110よりも高い位置まで移送される。これにより、
図7(a)に示すように、基板10がテーブル310上に載置される。
【0064】
続いて、
図7(a)に示すように、スクライブヘッド340が、X軸方向の所定の位置に位置付けられ、スクライブヘッド340に設けられたホイールホルダが所定の位置まで降下させられる。
【0065】
続いて、
図7(b)に示すように、テーブル310が、移動機構330によって、スクライブヘッド340の下方を通ってY軸正側の端部まで移送される。これにより、複数のスクライブヘッド340のカッターホイールにより、基板10の上面に、Y軸方向に平行な複数のスクライブライン11が形成される。
【0066】
続いて、
図8(a)に示すように、テーブル310が、回転機構320によって90°回転される。これにより、基板10が水平面内において90°回転される。
【0067】
続いて、
図8(b)に示すように、テーブル310が、移動機構330によって、スクライブヘッド340の下方を通ってY軸負側の端部まで移送される。これにより、複数のスクライブヘッド340のカッターホイールにより、基板10の上面に、Y軸方向に平行な複数のスクライブライン11が形成される。こうして、スクライブユニット300によるスクライブラインの形成が終了する。
【0068】
続いて、
図9(a)に示すように、第1位置に位置付けられた給材テーブル110が、軸131を回転の中心として180°回転され、給材テーブル110の面111が下方向に向けられる。なお、
図9(a)〜
図12(b)において、スクライブユニット300によってスクライブラインが形成された基板10の面は、便宜上、太線で示されている。
【0069】
続いて、
図9(b)に示すように、給材テーブル110が、X軸正方向に移送され、最もY軸負側の位置に位置付けられたテーブル310の上方、すなわち第2位置に位置付けられる。
【0070】
続いて、
図10(a)に示すように、シリンダ151が駆動されて、給材テーブル110が軸131から離れるように下方向に移送される。これにより、給材テーブル110の面111が、テーブル310上の基板10の上面に当接する。そして、給材テーブル110の面111に設けられた多数の孔に圧力が付与され、テーブル310上の基板10の上面が面111に吸着される。
【0071】
続いて、
図10(b)に示すように、シリンダ151の駆動が解除されて、給材テーブル110が軸131に近づくように上方向に移送される。これにより、面111に吸着された基板10が、上方向に持ち上げられる。
【0072】
続いて、
図11(a)に示すように、給材テーブル110が、X軸負方向に移送され、最もX軸負側の位置、すなわち第1位置に位置付けられる。
【0073】
続いて、
図11(b)に示すように、給材テーブル110が、軸131を回転の中心として180°回転される。これにより、基板10も180°回転して表裏反転され、基板10に形成されたスクライブラインが下側に向けられる。また、このとき、ブレイクユニット400のテーブル410は、テーブル410の移送範囲の最もY軸負側の位置に位置付けられる。
【0074】
続いて、
図12(a)に示すように、給材テーブル110が、X軸正方向に移送され、ブレイクユニット400のテーブル410の上方に位置付けられる。給材テーブル110が、最もY軸負側の位置に位置付けられたテーブル410の上方にあるときの位置は、第3位置に対応する。第3位置は、ブレイクユニット400に基板10を受け渡すための位置である。また、このとき、吸着部230も、第3位置に位置付けられた給材テーブル110の上方に位置付けられる。
【0075】
続いて、
図12(b)に示すように、吸着部230が下方向に移送され、給材テーブル110上の基板10が吸着部230に吸着され、吸着部230が上方向に移送されて基板10が持ち上げられる。そして、給材テーブル110がX軸負方向に移送され、最もX軸負側の位置、すなわち第1位置に位置付けられる。
【0076】
その後、
図6(b)と同様にして、吸着部230が下方向に移送され、吸着部230に吸着していた基板10が、ブレイクユニット400のテーブル410上に載置される。その後、ブレイクユニット400において、スクライブラインに沿って基板10が分断される。
【0077】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
【0078】
図5(a)、(b)に示すように、第1位置と第2位置との間で給材テーブル110が搬送されることにより、基板加工装置1の上流側から供給された基板10がスクライブユニット300に受け渡される。また、スクライブユニット300によりスクライブラインが形成された基板10は、
図10(a)、(b)に示すように給材テーブル110に吸着された後、
図11(b)に示すように給材テーブル110の回転により表裏反転される。このように、給材テーブル110によりスクライブユニット300への基板10の受け渡しだけでなく基板10の表裏反転も行われると、基板10の表裏反転を行うための装置を別途設ける必要がなくなる。よって、基板加工装置1の設置面積および基板加工装置1にかかる費用を抑制できる。
【0079】
図9(a)、(b)に示すように、給材テーブル110が下側に向けられた状態で、搬送部120が駆動されて給材テーブル110が第2位置へと搬送される。そして、
図10(a)、(b)に示すように、第2位置において、スクライブユニット300によりスクライブラインが形成された基板10が、給材テーブル110に吸着される。これにより、スクライブラインが形成された基板10を、上側から円滑に給材テーブル110に吸着できる。
【0080】
第2位置で給材テーブル110からスクライブユニット300に基板10が受け渡された後、
図6(a)に示すように、搬送部120により給材テーブル110が第1位置に搬送される。そして、
図9(a)に示すように、第1位置において、回転部130により給材テーブル110が回転されて、給材テーブル110が下側に向けられる。このように、給材テーブル110を第2位置から第1位置に退避させた後、第1位置において給材テーブル110を回転させると、装置内のレイアウトの制約なく円滑に給材テーブル110を回転させることができる。
【0081】
給材テーブル110は、シリンダ151を介して枠部材150に設置されており、枠部材150は、回転部130の軸131に固定されている。したがって、給材テーブル110は、シリンダ151により搬送部120に対して昇降可能に支持されている。
図10(a)、(b)に示すように、第2位置において給材テーブル110がシリンダ151により上下移動されて、スクライブラインが形成された基板10が給材テーブル110に吸着される。これにより、給材テーブル110に基板10を吸着させるためにスクライブユニット300側で基板10を上下移動させる必要がないため、スクライブラインが形成された基板10を、円滑に給材テーブル110に吸着させることができる。
【0082】
シリンダ151は、枠部材150に対して給材テーブル110を昇降させ、枠部材150は、回転部130の軸131に固定されている。これにより、簡素な構成で給材テーブル110を回転および昇降させることができる。
【0083】
スクライブラインが形成された基板10は、第2位置で給材テーブル110に吸着された後、
図11(a)に示すように、搬送部120により第1位置へと搬送される。そして、
図11(b)に示すように、第1位置において回転部130により給材テーブル110が上下に回転されて、基板10が表裏反転される。これにより、スクライブユニット300から離れた位置において、スクライブラインが形成された基板10を円滑に表裏反転できる。
【0084】
搬送ユニット200は、
図5(b)に示すように第2位置に位置付けられた給材テーブル110上の基板10を、
図6(a)、(b)に示すようにテーブル310に搬送する。これにより、給材テーブル110からテーブル310へと基板10を円滑に搬送できる。
【0085】
搬送ユニット200は、給材テーブル110上の基板10を上側から吸着するための吸着部230と、吸着部230を上下に移動させるための駆動部201と、を備える。これにより、給材テーブル110上の基板10を吸着部230により上に持ち上げたあと、駆動部201により吸着部230を下に移動させることで、給材テーブル110上の基板10をテーブル310に円滑に搬送できる。
【0086】
スクライブラインが形成され表裏反転された基板10を支持した給材テーブル110は、
図12(a)に示すように第3位置に搬送される。このように給材テーブル110により表裏反転された基板10をブレイクユニット400に受け渡すことができるため、スクライブユニット300からブレイクユニット400に受け渡すための装置を別途設ける必要がなくなる。よって、基板加工装置1の設置面積および基板加工装置1にかかる費用をさらに抑制できる。
【0087】
搬送ユニット200は、
図12(a)に示すように第3位置に位置付けられた給材テーブル110上の基板10を、ブレイクユニット400のテーブル410に搬送する。これにより、給材テーブル110からテーブル410へと基板10を円滑に搬送できる。
【0088】
<変更例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も上記以外に種々の変更が可能である。
【0089】
たとえば、上記実施形態では、給材テーブル110は、Y軸方向を回転の中心として回転されたが、これに限らず、水平方向に平行な方向を回転の中心として回転されてもよい。たとえば、給材テーブル110は、X軸方向を回転の中心として回転されてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、スクライブラインが形成され表裏反転された基板10は、ブレイクユニット400に搬送されたが、これに限らず、スクライブユニット300とブレイクユニット400との間に配されたベルトコンベアに搬送されてもよい。また、基板加工装置1は、ブレイクユニット400を備えたが、必ずしもブレイクユニット400を備えなくてもよい。この場合、たとえば、スクライブラインが形成された基板10は、給材テーブル110の回転により表裏反転された後、基板加工装置1の後段に配されたベルトコンベアに載置され、ベルトコンベアの後段に配されたブレイクユニットに搬送される。
【0091】
また、上記実施形態では、給材テーブル110を搬送部120に対して上下移動させるためにシリンダ151が用いられたが、これに限らず、ボールネジ等の他の構成が用いられてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、給材テーブル110を昇降させる際に、回転部130を昇降させずに、給材テーブル110を回転部130に対してシリンダ151により昇降させた。しかしながら、これに限らず、搬送部120に対して給材テーブル110を昇降させられればよく、たとえば、回転部130を昇降させることにより給材テーブル110を昇降させてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、1台の搬送ユニット200が、X軸方向に移動して、第2位置および第3位置に位置付けられた給材テーブル110上の基板10を、それぞれ、スクライブユニット300とブレイクユニット400に搬送した。しかしながら、これに限らず、第2位置と第3位置に、それぞれ別々の搬送ユニットが配置され、各搬送ユニットが、基板10を、それぞれスクライブユニット300とブレイクユニット400に搬送してもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、
図5(a)に示すように、スクライブラインを形成する面が上に向けられた状態で、基板10が給材テーブル110に載置されたが、これに限らず、スクライブラインを形成する面が下に向けられた状態で、基板10が給材テーブル110に載置されてもよい。この場合、基板10が給材テーブル110に載置された後、給材テーブル110に基板10が吸着され、
図13(a)に示すように、給材テーブル110が180°回転される。そして、
図13(b)に示すように、給材テーブル110がテーブル310の上方、すなわち第1位置に移送され、その後、シリンダ151が駆動されて基板10がテーブル310上に載置される。このように給材テーブル110が駆動されると、上流側から供給された基板10をテーブル310へと直接移送できるため、スクライブユニット300に基板10を受け渡す際に搬送ユニット200を用いる必要がなくなる。
【0095】
また、上記実施形態では、
図5(b)に示す状態から吸着部230が上下に移動することにより、
図6(a)に示すように給材テーブル110から吸着部230へと基板10が受け渡された。しかしながら、これに限らず、
図5(b)に示す状態から、シリンダ151が駆動されて給材テーブル110が上方向に移動することにより、給材テーブル110から吸着部230へと基板10が受け渡されてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、
図10(a)、(b)に示すように、テーブル310上のスクライブラインが形成された基板10は、給材テーブル110により上に持ち上げられた。しかしながら、これに限らず、以下の
図14(a)〜
図15(b)に示すように、吸着部230が、テーブル310上のスクライブラインが形成された基板10を上に持ち上げてもよい。
【0097】
この変更例では、スクライブユニット300によるスクライブラインの形成が終了すると、
図14(a)に示すように、吸着部230は、テーブル310上のスクライブラインが形成された基板10を上に持ち上げる。続いて、
図14(b)に示すように、給材テーブル110が上側に向けられた状態で基板10の真下、すなわち第2位置に移送される。そして、吸着部230が上下に移送され、吸着部230に吸着していた基板10が、給材テーブル110上に載置され、給材テーブル110に吸着される。
【0098】
続いて、
図15(a)に示すように、給材テーブル110がX軸負方向に移送され、第1位置において給材テーブル110が180°回転される。これにより、基板10が表裏反転され、スクライブラインが形成された面が下に向けられる。続いて、
図15(b)に示すように、給材テーブル110が、X軸正方向に移送され、テーブル410の上方、すなわち第3位置に位置付けられる。そして、
図15(b)に示す状態から給材テーブル110が上下に移動することにより、スクライブラインが下に向けられた状態で、基板10がテーブル410に載置される。このように給材テーブル110が駆動されると、テーブル310上のスクライブラインが形成された基板10を、テーブル410へと直接移送できるため、ブレイクユニット400に基板10を受け渡す際に搬送ユニット200を用いる必要がなくなる。
【0099】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。