特許第6875757号(P6875757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6875757電気手術の組織および脈管シールデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875757
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】電気手術の組織および脈管シールデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
   A61B18/14
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-523777(P2019-523777)
(86)(22)【出願日】2017年11月3日
(65)【公表番号】特表2019-532779(P2019-532779A)
(43)【公表日】2019年11月14日
(86)【国際出願番号】US2017059850
(87)【国際公開番号】WO2018144090
(87)【国際公開日】20180809
【審査請求日】2020年10月26日
(31)【優先権主張番号】62/419,227
(32)【優先日】2016年11月8日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517377684
【氏名又は名称】イノブレイティブ デザインズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リウー, ロバート エフ.
【審査官】 菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06770072(US,B1)
【文献】 国際公開第2016/006379(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0190760(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0080891(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/103986(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12−18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープルを用いてステープル留めされた組織または脈管の一部をシールするためのデバイスであって、前記デバイスは、
ハンドルであって、前記ハンドルは、近位端と、遠位端と、それを通して延在する少なくとも1つの管腔とを含む、ハンドルと、
前記ハンドルの遠位端から延在するエンドエフェクタアセンブリであって、前記エンドエフェクタアセンブリは、対向する顎部を備え、前記顎部のうちの少なくとも1つは、相互に対して移動し、各顎部は、
前記ハンドルの少なくとも1つの管腔と連通する複数の穿孔を含む変形可能クッションであって、前記変形可能クッションは、そこへの圧縮力の印加に応じて初期設定状態から変形状態に遷移し、かつそこからの前記圧縮力の除去に応じて前記初期設定状態に戻るように構成され、前記複数の穿孔は、前記ハンドルの管腔から前記変形可能クッションの外部表面への流体の通過を可能にするように構成されている、変形可能クッションと、
前記変形可能クッションの外部表面上に位置付けられた複数の伝導性ワイヤを備え、かつ前記ステープルを有する前記標的ステープル留めされた組織または脈管の前記一部のアブレーションもしくは凝固のためのエネルギーを伝導するように構成されている、電極アレイであって、前記電極アレイの前記伝導性ワイヤは、前記ステープルの上ではなく、前記ステープルの両側上におよび前記ステープルに直接隣接して、前記標的組織または脈管の一部まである近い距離に維持されるように構成されている、電極アレイと
を備える、エンドエフェクタアセンブリと
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記ハンドルは、開放位置と閉鎖位置との間の、相互に対する一方または両方の顎部の移動を制御するように構成されている、トリガを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
閉鎖位置において、前記対向する顎部は、その間の前記標的組織または脈管の前記ステープル留めされた一部を圧縮するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
各顎部の前記クッションの外部表面は、内向きに圧縮し、前記ステープルの表面および前記標的組織または脈管の表面に共形化し、それによって、前記ステープルもしくは前記標的組織または脈管の構造的な完全性を損なうことなく、前記標的組織または脈管のシールを可能にするように構成されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記各顎部のクッションは、非伝導性材料を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記各顎部のクッションは、形状記憶材料を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記各顎部のクッションは、弾性材料を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記流体は、伝導性流体である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記エンドエフェクタアセンブリへの、および前記各顎部のクッション上の前記複数の穿孔を通した流体の送達は、コントローラを介して制御可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
各対向する顎部は、非外傷性遠位先端を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記各顎部のクッションの外部表面は、前記電極アレイからのエネルギーを前記流体と結合させ、前記エネルギーが前記標的組織または脈管に印加されるときに非粘着性表面を提供するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記複数の伝導性ワイヤのうちの少なくとも1つは、前記複数の穿孔を通過する流体によって搬送されるべきエネルギーを前記変形可能クッションの外部表面に伝導し、それによって、仮想電極配列を提供するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記エネルギーは、無線周波数(RF)エネルギーである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記流体は、伝導性流体である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
前記伝導性流体は、生理食塩水である、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記複数の伝導性ワイヤのそれぞれは、前記複数の穿孔のうちの別個の個別の1つと整合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記複数の伝導性ワイヤのそれぞれ、または伝導性ワイヤの組み合わせの1つ以上のセットは、独立してエネルギー源から電流を受容し、かつ独立してエネルギーを伝導するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記複数の伝導性ワイヤは、少なくとも3つの伝導性ワイヤを含んでおり、前記複数の伝導性ワイヤは、前記変形可能クッションの外部表面の長さに沿って相互から等距離に離間されている、請求項17に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2016年11月8日に出願された米国仮出願第62/419,227号の利益、およびそれに対して優先権を主張する。上記文献の内容は、その全体としてここで参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(分野)
本開示は、概して、組織をシールするための医療用デバイスに関し、より具体的には、以前に縫合またはステープル留めされたものを含む脈管および血管組織をシール、焼灼、凝固、および/または乾燥するために、制御された圧縮およびエネルギー放射を提供するための、対向する顎部を含むエンドエフェクタアセンブリを含む、鉗子の形態の電気手術デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
大部分の外科手術手技は、脈管、創傷、または切開部のある形態の閉鎖を要求する。例えば、多くの手技において、外科医は、脈管を外科手術的に閉塞する、創傷を閉鎖する、ならびに組織の一部を相互に結合する(例えば、バイパス外科手術および吻合成形)手段として、縫合糸に依拠するであろう。ごく最近では、ステープル留めが、手動の縫合よりはるかに迅速であり得、またより正確かつ一貫し得るため、外科手術用ステープルおよびクリップが、適切な場合、縫合糸の代わりに一般的に使用されつつある。さらに、ステープル留めは、縫合が概して要求する経験および専門知識の程度を要求しない場合がある。ステープルは、ステープルラインが、より一貫しており、したがって、血液、空気、または腸の内容物を漏出させる可能性が低くあり得るため、主に腸および肺の外科手術において使用され得る。
【0004】
胸部外科手術のためのステープル使用は、幅広く容認され、安全な手技として見なされているが、ステープル留めが不十分であり、創傷、切開部、または脈管の完全な閉鎖を達成し得ない事例が、存在する。これは、特に、ある胸部手技、特に、空気および/または流体内容物の漏出が致命的であり得る、肺血管系を伴うものにおいて危機的であり得る。
【0005】
いくつかの手技では、外科医は、電気手術デバイスに依拠し、エネルギー(例えば、電流、無線周波数(RF)、熱エネルギー等)を標的組織または脈管に印加することによって、脈管、創傷、もしくは切開部をシールまたは焼灼し得る。いくつかの現行のデバイス、特に、電気手術用の鉗子は、対向する顎部の間の機械的作用を使用し、組織を収縮させ、さらに電気エネルギーを印加し、組織および血管を加熱することによって止血をもたらし、組織を凝固、焼灼、切断、および/またはシールする。現行の電気手術用の鉗子は、組織または脈管のシールを可能にするが、そのようなデバイスは、欠点を有し、縫合糸および/またはステープルと併用されることができない。例えば、いくつかの縫合糸およびステープルは、脆性であり得(例えば、生体吸収性材料から形成される)、したがって、現行の電気手術用の鉗子を介して送達される圧縮力および/またはエネルギーに耐えられない場合がある。したがって、縫合糸またはステープルを含む脈管もしくは創傷上での現行の電気手術用の鉗子の使用は、縫合糸またはステープルに損傷をもたらし得、シールの完全性を損なわせ得、さらに、創傷重症度の増加ならびに致命的な感染症等の深刻な合併症をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(要約)
電気手術デバイスは、組織部位に送達され、脈管および/または血管組織のシールを提供することができる。本デバイスは、縫合またはステープル留めを介した、脈管、創傷、もしくは切開部の最初の閉鎖を補完するために有用である。特に、本デバイスは、脈管、創傷、または切開部に制御された圧縮およびエネルギー放射を印加しながら、縫合糸もしくはステープルの完全性を維持する(すなわち、縫合糸またはステープルを損傷させることなく)ように構成される。故に、本開示の電気手術デバイスは、完全な閉鎖を提供し、それによって、空気、内容物、または流体の漏出を防止し、その後、感染症もしくは致命的な合併症を防止する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電気手術デバイスは、概して、鉗子の形態であり、ハンドルとして作用するプローブと、プローブの遠位端に位置付けられるエンドエフェクタアセンブリとを含む。エンドエフェクタアセンブリは、外科医からの対応する入力に応じて(すなわち、プローブ上のトリガからの制御を介して)開放位置と閉鎖位置との間で相互に対して移動するように構成される、対向する顎部を含む。各顎部は、その外部表面上に沿って位置付けられる電極アレイを含む、変形可能なパッドまたはクッションを含み、標的組織もしくは脈管上に制御された圧縮、および標的組織または脈管を効果的にシール、焼灼、凝固、および/または乾燥しながら、任意の縫合糸またはステープルの完全性を維持するための無線周波数(RF)エネルギーの後続の送達を提供するように構成される。
【0008】
特に、変形可能クッションは、概して、可撓性であり、かつ脈管または組織および対応する縫合糸もしくはステープルとの接触に応じて初期設定形状(例えば、略平面状の接触表面)から変形形状(例えば、接触表面の1つ以上の部分が、圧縮される)に遷移するように構成される、非伝導性材料を含んでもよい。クッションの圧縮は、電極アレイが縫合糸もしくはステープルの両側上の標的組織または脈管の輪郭により良好に共形化し、それによって、接触およびアブレーション/凝固性能を改善し、かつ縫合糸もしくはステープルの周囲を効果的にシールすることを可能にすることを可能にする。
【0009】
各クッション上の電極アレイは、脈管または組織をシール、焼灼、凝固、および/または乾燥するために、双極構成のRFエネルギー等の非イオン化放射を放射するように構成される。電極アレイは、クッションの外部表面の長さに沿って位置付けられる、1つ以上の伝導性部材(例えば、伝導性ワイヤ)から構成される。いくつかの実施形態では、複数の伝導性ワイヤのそれぞれまたは伝導性ワイヤの組み合わせの1つ以上のセットは、独立してエネルギー源(例えば、RF発生器)から電流を受容し、独立してエネルギー、すなわち、RFエネルギーを含むエネルギーを伝導するように構成されてもよい。これは、エネルギーが、指定された伝導性ワイヤまた伝導性ワイヤの組み合わせに選択的に送達されることを可能にする。本設計はまた、第1の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、アブレーション発生器を用いて、エネルギーを、その電気接続を通して囲繞組織に送達し得る一方、第2の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、アースもしくは中性の伝導性部材として機能し得るため、アブレーションデバイスが双極モードで機能することを可能にする。
【0010】
電気手術デバイスは、仮想電極配列を介してRFエネルギーを送達するように構成され、これは、各クッションの外部表面に沿った流体の分布を含み、電極アレイのアクティブ化に応じて、流体が、電極アレイから囲繞組織に放射されるエネルギーを搬送または別様に促進し得る。特に、各クッションは、流体源から生理食塩水等の流体を受容するように構成されるプローブシャフトの少なくとも1つの管腔と流体連通する、1つ以上の穿孔を含む。1つ以上の穿孔は、流体の、クッションの外部表面への通過を可能にする。対向する顎部を閉鎖位置に遷移させることに応じて、対応するクッションは、1つ以上の縫合糸もしくはステープルを含む標的組織または脈管の対向側面に係合する。外科医は、対向するクッションの間において標的組織または脈管を圧縮するように力を印加することができ、各クッションの外部表面は、概して、組織または脈管および縫合糸もしくはステープルの表面に共形化しながら、縫合糸またはステープルの完全性を維持する(すなわち、縫合糸またはステープルを損傷させない)。クッションの共形化する性質に起因して、各電極アレイは、縫合糸またはステープルに直接隣接する標的組織もしくは脈管の一部と接触し、それを効果的にシールすることができ、これは、概して、現行の電気手術用の鉗子では損なわれるものである。
【0011】
外科医は、次いで、それぞれがコントローラを介して制御され得る、流体送達および電極電極アレイの両方をアクティブ化してもよい。クッションの外部表面への穿孔を通した流体の流動は、電極アレイからのエネルギーを搬送し、それによって、仮想電極を作成し得る。穿孔を通した流体の流動に応じて、流体の貯留部または薄膜が、クッションの外部表面上に形成され、電極アレイから搬送されるRFエネルギーを介してそれと接触する標的組織または脈管の一部をシールするように構成される。故に、本開示の電気手術デバイスは、標的組織または脈管の完全な閉鎖を提供し、それによって、空気、内容物、もしくは流体の漏出のリスクを防止または低減させ、その後、そうでなければ単に縫合もしくはステープルの閉鎖とともに生じ得る感染症または致命的な合併症を防止する。
【0012】
本開示の電気手術デバイスは、多数の利点を提供する。特に、電気手術デバイスは、縫合またはステープル留めを介した脈管、創傷、もしくは切開部の最初の閉鎖を補完するために有用である。各対向する顎部上の変形可能クッションは、各クッションの外部表面が、組織または脈管表面および縫合糸もしくはステープルに共形化かつ対応するように、標的組織または脈管および縫合糸もしくはステープルに対して圧縮されることに応じて変形するように構成される。クッションは、それに物理的損害をもたらす、または縫合糸もしくはステープルの構造的な完全性を損なわせることなく、縫合糸またはステープルに対して圧縮され得る。さらに、クッションの共形化する性質に起因して、各電極アレイは、そのような鉗子の堅性かつ非適応のシールプレートの結果として、縫合糸またはステープルに直接隣接する標的組織もしくは脈管の一部と接触し、それを効果的にシールすることができ、これは、概して、現行の電気手術用の鉗子では損なわれるものである。本デバイスの仮想電極配列はさらに、生理食塩水が、概して、組織表面と伝導性ワイヤの表面との間の緩衝材として作用するため、シール手技の間、非粘着性表面を可能にする。さらに、仮想電極は、少なくとも経過時間および強度を含む、エネルギーの制御された放射を提供し、これは、ひいては、シールするために放出される熱エネルギーを効果的に制御し、囲繞組織への意図しない損傷を防止するように常に60℃〜100℃に維持され得る。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
組織または脈管をシールするためのデバイスであって、前記デバイスは、
ハンドルであって、前記ハンドルは、近位端と、遠位端と、それを通して延在する少なくとも1つの管腔とを含む、ハンドルと、
前記ハンドルの遠位端から延在するエンドエフェクタアセンブリであって、前記エンドエフェクタアセンブリは、対向する顎部を備え、前記顎部のうちの少なくとも1つは、相互に対して移動し、各顎部は、
前記ハンドルの少なくとも1つの管腔と連通する複数の穿孔を含む変形可能クッションであって、前記変形可能クッションは、そこへの圧縮力の印加に応じて初期設定状態から変形状態に遷移し、かつそこからの前記圧縮力の除去に応じて前記初期設定状態に戻るように構成され、前記複数の穿孔は、前記ハンドルの管腔から前記変形可能クッションの外部表面への流体の通過を可能にするように構成されている、変形可能クッションと、
前記変形可能クッションの外部表面上に位置付けられた複数の伝導性ワイヤを備え、かつ標的組織または脈管のステープル留めされた部分のアブレーションもしくは凝固のためのエネルギーを伝導するように構成されている、電極アレイと
を備える、エンドエフェクタアセンブリと
を備える、デバイス。
(項目2)
前記ハンドルは、開放位置と閉鎖位置との間の、相互に対する一方または両方の顎部の移動を制御するように構成されている、トリガを備える、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
閉鎖位置において、前記対向する顎部は、その間の前記標的組織または脈管の前記ステープル留めされた部分を圧縮する、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
各顎部の前記クッションの外部表面は、内向きに圧縮し、前記ステープルの表面および前記標的組織または脈管の表面に共形化し、それによって、前記ステープルもしくは前記標的組織または脈管の構造的な完全性を損なうことなく、前記標的組織または脈管のシールを可能にするように構成されている、項目3に記載のデバイス。
(項目5)
前記電極アレイの一部は、前記ステープルの両側上におよび前記ステープルに直接隣接して、前記標的組織または脈管の一部まである近い距離に維持されている、項目4に記載のデバイス。
(項目6)
前記各顎部のクッションは、非伝導性材料を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目7)
前記各顎部のクッションは、形状記憶材料を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記各顎部のクッションは、弾性材料を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記流体は、伝導性流体である、項目1に記載のデバイス。
(項目10)
前記各顎部のクッションの外部表面は、流体分布を向上させるために表面テクスチャリングの少なくとも一部分を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目11)
前記エンドエフェクタアセンブリへの、および前記各顎部のクッション上の前記複数の穿孔を通した流体の送達は、コントローラを介して制御可能である、項目1に記載のデバイス。
(項目12)
各対向する顎部は、非外傷性遠位先端を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
前記各顎部のクッションの外部表面は、前記電極アレイからのエネルギーを前記流体と結合させ、前記エネルギーが前記標的組織または脈管に印加されるときに非粘着性表面を提供するように構成されている、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
前記複数の伝導性ワイヤのうちの少なくとも1つは、前記複数の穿孔を通過する流体によって搬送されるべきエネルギーを前記変形可能クッションの外部表面に伝導し、それによって、仮想電極配列を提供するように構成されている、項目1に記載のデバイス。
(項目15)
前記エネルギーは、無線周波数(RF)エネルギーである、項目14に記載のデバイス。
(項目16)
前記流体は、伝導性流体である、項目14に記載のデバイス。
(項目17)
前記伝導性流体は、生理食塩水である、項目16に記載のデバイス。
(項目18)
前記複数の伝導性ワイヤのそれぞれは、前記複数の穿孔のうちの別個の個別の1つと整合されている、項目1に記載のデバイス。
(項目19)
前記複数の伝導性ワイヤのそれぞれ、または伝導性ワイヤの組み合わせの1つ以上のセットは、独立してエネルギー源から電流を受容し、かつ独立してエネルギーを伝導するように構成されている、項目1に記載のデバイス。
(項目20)
前記複数の伝導性ワイヤは、前記変形可能クッションの外部表面の長さに沿って相互から等距離に離間されている、項目19に記載のデバイス。
【0013】
請求される主題の特徴および利点は、添付図面を参照して考慮されるべきである、それと一致する実施形態の以下の発明を実施するための形態から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1Aおよび1Bは、本開示と一致する電気手術システムの概略図である。
図2図2は、図1Aのシステムに適応する、電気手術デバイスの一実施形態の斜視図である。
図3図3は、図2のデバイスのエンドエフェクタアセンブリのさらに詳細な拡大図である。
図4図4は、変形可能クッションの外部接触表面およびその上に位置付けられる電極アレイの平面図である。
図5図5Aおよび5Bは、それぞれ、開放および閉鎖位置における、図2の本デバイスのエンドエフェクタアセンブリの対向する顎部の正面図である。
図6図6は、本開示と一致する電気手術デバイスに適応する、エンドエフェクタアセンブリの別の実施形態の拡大図である。
図7図7は、変形可能クッションおよびその上に提供される電極アレイを図示する、図6のエンドエフェクタアセンブリの対向する顎部のうちの1つの平面図である。
図8図8Aは、開腹外科手術環境における肺組織(葉)のステープル留めされた部分をシールするための、図2のエンドエフェクタアセンブリの位置を図示する。図8Bは、ステープルが損なわれていないままである間の、ステープルを直接囲繞する組織のそれらの部分を含む、シールされた状態におけるステープル留めされた部分の組織を示す、図8Aのシール手技後の肺組織のステープル留めされた部分の状態を図示する。
図9図9Aおよび9Bは、初期設定形状(図9A)から変形形状(図9B)に遷移し、組織表面に共形化し、ステープルに適応である、対向する顎部のクッションを図示する、ステープル留めされた肺組織の一部(図8A)に対する、それぞれ、開放位置および閉鎖位置における、図2のエンドエフェクタアセンブリの側面図である。
図10図10は、腹腔鏡下手技を介してステープル留めされた気管支通路のシールのための、図6のエンドエフェクタアセンブリの位置を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の完全な理解のために、上述の図面と併せて、添付の請求項を含む、以下の発明を実施するための形態を参照されたい。本開示は、例示的実施形態に関連して説明されるが、本開示は、本明細書に記載される具体的形態に限定するように意図されない。種々の省略および均等物の代用が、状況が示唆または好都合と見なし得る場合、検討されることを理解されたい。
【0016】
(詳細な説明)
大要として、本開示は、概して、組織部位に送達され、脈管および/または血管組織のシールを提供し得る、電気手術デバイスを対象とする。本デバイスは、縫合またはステープル留めを介した、脈管、創傷、もしくは切開部の最初の閉鎖を補完するために有用である。特に、本デバイスは、脈管、創傷、または切開部に制御された圧縮およびエネルギー放射を印加しながら、縫合糸もしくはステープルの完全性を維持する(すなわち、縫合糸もしくはステープルを損傷させることなく)ように構成される。故に、本開示の電気手術デバイスは、完全な閉鎖を提供し、それによって、空気、内容物、または流体の漏出を防止し、その後、感染症もしくは致命的な合併症を防止する。
【0017】
電気手術デバイスは、概して、鉗子の形態であり、ハンドルとして作用するプローブと、プローブの遠位端に位置付けられるエンドエフェクタアセンブリとを含む。エンドエフェクタアセンブリは、外科医からの対応する入力に応じて(すなわち、プローブ上のトリガからの制御を介して)開放位置と閉鎖位置との間で相互に対して移動するように構成される、対向する顎部を含む。各顎部は、その外部表面上に沿って位置付けられる電極アレイを含む、変形可能なパッドまたはクッションを含み、標的組織もしくは脈管上に制御された圧縮と、標的組織または脈管を効果的にシール、焼灼、凝固、および/または乾燥しながら、任意の縫合糸またはステープルの完全性を維持するための無線周波数(RF)エネルギーの後続の送達とを提供するように構成される。電気手術デバイスは、仮想電極配列を介して無線周波数(RF)エネルギーを送達するように構成され、これは、各クッションの外部表面に沿った流体の分布を含み、電極アレイのアクティブ化に応じて、流体が、電極アレイから囲繞組織に放射されるエネルギーを搬送または別様に促進し得る。特に、各クッションは、流体源から生理食塩水等の流体を受容するように構成されるプローブシャフトの少なくとも1つの管腔と流体連通する、1つ以上の穿孔を含む。1つ以上の穿孔は、流体のクッションの外部表面への通過を可能にする。対向する顎部を閉鎖位置に遷移させることに応じて、対応するクッションは、1つ以上の縫合糸もしくはステープルを含む標的組織または脈管の対向側面に係合する。外科医は、対向するクッションの間において標的組織または脈管を圧縮するように力を印加することができ、各クッションの外部表面は、概して、組織または脈管および縫合糸もしくはステープルの表面に共形化しながら、縫合糸またはステープルの完全性を維持する(すなわち、縫合糸またはステープルを損傷させない)。クッションの共形化する性質に起因して、各電極アレイは、縫合糸またはステープルに直接隣接する標的組織もしくは脈管の一部と接触し、それを効果的にシールすることができ、これは、概して、現行の電気手術用の鉗子では損なわれるものである。
【0018】
外科医は、次いで、それぞれがコントローラを介して制御され得る、流体送達および電極電極アレイの両方をアクティブ化してもよい。クッションの外部表面への穿孔を通した流体の流動は、電極アレイからのエネルギーを搬送し、それによって、仮想電極を作成することが可能である。穿孔を通した流体の流動に応じて、流体の貯留部または薄膜が、クッションの外部表面上に形成され、電極アレイから搬送されるRFエネルギーを介してそれと接触する標的組織もしくは脈管の一部をシールするように構成される。故に、本開示の電気手術デバイスは、標的組織または脈管の完全な閉鎖を提供し、それによって、空気、内容物、もしくは流体の漏出のリスクを防止または低減させ、その後、そうでなければ単に縫合もしくはステープルの閉鎖とともに生じ得る感染症または致命的な合併症を防止する。
【0019】
図1Aおよび1Bは、患者12の脈管および/または組織のシールを提供するための電気手術システム10の概略図である。電気手術システム10は、概して、エンドエフェクタアセンブリ16と、エンドエフェクタアセンブリ16が結合される伸長カテーテルシャフト17とを含むプローブを含む、電気手術デバイス14を含む。カテーテルシャフト17は、本明細書にさらに詳細説明されるであろうように、概して、少なくとも流体送達管腔を含む、非伝導性伸長部材を含んでもよい。電気手術デバイス14はさらに、デバイスコントローラ18と、電気接続(図2に示される電気ライン30)を経由して、無線周波数(RF)発生器20と、流体接続(図2に示される流体ライン34)を経由して、潅注ポンプまたは点滴装置22とに結合されてもよい。
【0020】
デバイスコントローラ18は、シールされるように意図される、または初めに縫合もしくはステープル留めされた組織または脈管へのエネルギー出力を制御するような様式で、電気手術デバイス14への電気出力を制御するための能力をユーザに提供するように構成される、ハードウェア/ソフトウェアを含んでもよい。例えば、本明細書にさらに詳細に説明されるであろうように、電気手術デバイスは、ユーザ(例えば、外科医、臨床医等)からの入力に基づいて、少なくとも「双極モード」で動作し、双極構成の無線周波数(RF)エネルギーの放射をもたらすように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス14は、本明細書にさらに詳細に説明されるであろうように、シール手技の間に組織の状態の推定を提供するように、コントローラ18によって行われ、かつさらに使用され得る、ある測定値(例えば、温度、伝導率(インピーダンス)等)等のデータが収集され得る、「測定モード」等の他のモードで動作するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイスコントローラ18は、電気手術デバイス14内に格納されてもよい。RF発生器20はまた、患者12の皮膚に取り付けられる別個の帰還電極15に接続されてもよい。
【0021】
本明細書にさらに詳細に説明されるであろうように、シール手技の間、発生器20は、概して、デバイスコントローラ18によって制御されるように、RFエネルギー(例えば、無線周波数(RF)範囲(例えば、350〜800kHz)の電気のエネルギー)を電気手術デバイス14の電極アレイに提供してもよい。同時に、生理食塩水もまた、エンドエフェクタアセンブリ16に提供され、かつそこから放出されてもよい。いくつかの実施形態では、RFエネルギーは、患者12の血液および組織を通して帰還電極に進行し、そのプロセスにおいて、エネルギー放射(例えば、シール、焼灼、凝固、および/または乾燥)を、アクティブ化された電極アレイの一部に隣接する組織に提供する。
【0022】
図2は、電気手術デバイス14の斜視図である。前述されたように、電気手術デバイス14は、ハンドルとして構成され、手動操作のために適合される伸長シャフトを含む、プローブ17を含む。故に、図2に示されるように、プローブ17は、エンドエフェクタアセンブリ16が結合される遠位端26と、近位端28とを含む、ハンドルの形態である。プローブ17は、概して、本明細書により詳細に説明されるであろうように、例えば、鉗子に似ていてもよく、したがって、さらに、外科医がエンドエフェクタアセンブリ16の動作を制御する(すなわち、対向する顎部38a、38bの開放および閉鎖を制御する)ことを可能にする、トリガ40を含んでもよい。示されるように、プローブ17の近位端28は、接続ラインまたは付属器具を介して、発生器20および潅注ポンプ22に結合されてもよい。例えば、プローブ17は、電気ライン30を介して発生器20に結合され、流体ライン34を介して潅注ポンプ22に結合される。電気ライン30および流体ライン34のそれぞれは、発生器20および潅注ポンプ22上の個別のインターフェースに関連付けられるラインを結合するように構成される、アプリケータ端部32および36を含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施例では、電気手術デバイス14はさらに、デバイスコントローラ18としての役割を果たし、かつ発生器20、潅注ポンプ22、および電気手術デバイス14のうちの少なくとも1つと電気通信するユーザインターフェース(図示せず)を含んでもよい。ユーザインターフェースは、本明細書にさらに詳細に説明されるであろうように、例えば、デバイス14のエネルギー放射出力の制御に関する1つ以上の動作モードをオペレータに提供するための、選択可能なボタンを含んでもよい。例えば、選択可能なボタンは、ユーザが、組織または脈管の一部のシール、焼灼、凝固、および/または乾燥を制御するような様式で、電気手術デバイス14への電気出力を制御することを可能にしてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、選択可能なボタンは、オペレータに、潅注ポンプ22からの流体の送達の制御を提供してもよい。示されるように、エンドエフェクタアセンブリ16は、相互に略対向し、トリガ40を用いたユーザの相互作用に応答して相互に対して移動するように構成される、第1および第2の顎部38a、38bを含む。
【0024】
図3は、エンドエフェクタアセンブリ16のさらに詳細な拡大図である。示されるように、各顎部38a、38bは、その外部表面に沿って位置付けられる電極アレイ44を含む、変形可能なパッドまたはクッション(以降、「クッション42」と称される)を含む。各クッション42は、標的組織または脈管上に制御された圧縮と、標的組織または脈管を効果的にシール、焼灼、凝固、および/または乾燥しながら、標的組織または脈管上の任意の縫合糸もしくはステープルの完全性を維持するための無線周波数(RF)エネルギーの後続の送達とを提供するように構成される。
【0025】
特に、変形可能クッションは、概して、可撓性である非伝導性材料を含み、脈管または組織および対応する縫合糸もしくはステープル(図9Aおよび9B参照)との接触に応じて、初期設定形状(例えば、略平面状の接触表面)から変形形状(例えば、接触表面の1つ以上の部分が、圧縮される)に遷移するように構成されてもよい。故に、非伝導性変形可能クッション42は、弾性材料または形状記憶材料を含んでもよい。クッション42の圧縮は、電極アレイ44が縫合糸またはステープルの両側上の標的組織もしくは脈管の輪郭により良好に共形化することを可能にし、それによって、接触およびアブレーション/凝固性能を改善し、かつ縫合糸もしくはステープルの周囲を効果的にシールすることを可能にする。
【0026】
図4は、変形可能クッション42の外部接触表面およびその上に位置付けられる電極アレイ44の平面図である。クッション42は、2〜10cmの範囲内の長さLを有してもよく、いくつかの実施形態では、長さLは、3〜5cmであってもよい。クッション42は、0.5mm〜3mmの範囲内の幅を有してもよく、いくつかの実施形態では、0.7〜1mmの範囲内である。各クッション42上の電極アレイ44は、脈管または組織をシール、焼灼、凝固、および/または乾燥するために、双極構成のRFエネルギー等の非イオン化放射を放射するように構成される。電極アレイ44は、クッション42の外部表面の長さに沿って位置付けられる、1つ以上の伝導性部材46(例えば、以降、「伝導性ワイヤ46」と称される)から構成される。いくつかの実施形態では、複数の伝導性ワイヤ46のそれぞれまたは伝導性ワイヤ46の組み合わせの1つ以上のセットは、独立してエネルギー源(例えば、RF発生器20)から電流を受容し、独立してエネルギー、すなわち、RFエネルギーを含むエネルギーを伝導するように構成されてもよい。これは、エネルギーが、指定された伝導性ワイヤ46また伝導性ワイヤ46の組み合わせに選択的に送達されることを可能にする。本設計はまた、第1の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、RF生成器とのその電気接続を通して、エネルギーを囲繞組織に送達し得る一方、第2の伝導性ワイヤ(または伝導性ワイヤの組み合わせ)が、接地もしくは中性の伝導性部材として機能し得るため、電気手術デバイス14が双極モードで機能することを可能にする。伝導性ワイヤ46は、任意の好適な伝導材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属)から形成されることができる。
【0027】
電極アレイ44内の各伝導性ワイヤ46が、電気的に独立的であるため、各伝導性ワイヤ46は、双極インピーダンス測定回路を使用してインピーダンス測定を可能にする方式で接続されることができる。例えば、伝導性ワイヤは、四極または四極ガード電極構成が使用され得るような方式で構成されることができる。例えば、一対の伝導性ワイヤが、電流駆動部および電流帰還部として機能し得る一方で、別の対の伝導性ワイヤが、電圧測定対として機能し得る。故に、分散型接地パッドが、電流帰還部および電圧基準として機能することができる。
【0028】
電気手術デバイス14は、仮想電極配列を介してRFエネルギーを送達するように構成され、これは、各クッション42の外部表面に沿った流体の分布を含み、電極アレイ44のアクティブ化に応じて、流体が、電極アレイ44から囲繞組織に放射されるエネルギーを搬送または別様に促進し得る。特に、各クッション42は、流体源(例えば、潅注点滴装置22)から生理食塩水等の流体を受容するように構成されるプローブシャフトの少なくとも1つの管腔と流体連通する、1つ以上の穿孔48を含む。1つ以上の穿孔48は、流体のクッション42の外部表面への通過を可能にする。示されるように、穿孔48のそれぞれは、概して、関連付けられる伝導性ワイヤ46と整合される。故に、本明細書により詳細に説明されるように、穿孔48を通した流体の流動に応じて、流体の貯留部または薄膜が、クッション42の外部表面上に形成され、電極アレイ44の1つ以上の伝導性ワイヤ46によって伝導される電流を介して、アブレートおよび/または凝固するように構成される。
【0029】
図5Aおよび5Bは、それぞれ、開放および閉鎖位置における、エンドエフェクタアセンブリ16の対向する顎部38a、38bの正面図である。いくつかの実施形態では、顎部38a、38bは両方とも、相互およびプローブシャフトに対して移動してもよい。他の実施形態では、顎部38の一方が、プローブシャフトに対して定位置に固定されてもよい一方、他方の顎部38が、固定された顎部およびプローブシャフトの両方に対して移動するように構成される。図5Aおよび5Bに示されるように、対向する顎部38a、38bは、トリガ40を用いたユーザ入力に応答して、開放位置と閉鎖位置との間を遷移するように構成される。例えば、初期設定開放位置において、トリガ40が圧縮されていないとき、顎部は両方とも、距離D離間されている。顎部38a、38bの間の距離Dは、その間の組織または脈管のステープル留めされた部分を受容するためにほぼ十分であり得る。開放位置にあるとき、いったん組織または脈管の標的部分が対向する顎部38a、38bの間に位置付けられると、外科医は、トリガ40を圧縮させることのみが必要であり、これは、ひいては、顎部38a、38bの相互に向かった移動をもたらし、少なくとも組織または脈管の標的部分が顎部38a、38bの間で圧縮される距離Dが到達されるまで、その間の距離が減少するにつれて、組織または脈管の標的部分は、顎部38a、38bとの間で保持もしくは把持されることができる。本明細書により詳細に説明されるであろうように、顎部38a、38bの閉鎖位置への遷移に応じて、組織または脈管の標的部分のシール、焼灼、凝固、および/または乾燥が、生じ得る。
【0030】
図6は、本開示と一致する電気手術デバイス14に適応する、エンドエフェクタアセンブリ16aの別の実施形態の拡大図である。図2、3、4、および5A−5Bのエンドエフェクタアセンブリ16と異なり、エンドエフェクタアセンブリ16aは、対向する顎部38a、38bが、非外傷性先端を含み、かつはるかにより狭小な外形を有する、腹腔鏡下手技を行うように構成される。図7は、変形可能クッションおよびその上に提供される電極アレイを図示する、エンドエフェクタアセンブリ16aの対向する顎部38aの平面図である。
【0031】
図8Aは、開腹外科手術環境における肺組織(葉)のステープル留めされた部分をシールするための、エンドエフェクタアセンブリ16の位置を図示する。図8Bは、ステープルが損なわれていないままである間の、ステープルを直接囲繞する組織のそれらの部分を含む、シールされた状態におけるステープル留めされた部分の組織を示す、図8Aのシール手技後の肺組織のステープル留めされた部分の状態を図示する。
【0032】
図9Aおよび9Bは、初期設定形状(図9A)から変形形状(図9B)に遷移し、組織表面に共形化し、ステープルに適応である、対応する対向する顎部38a、38bのクッション42a、42bを図示する、ステープル留めされた肺組織の一部(図8A)に対する、それぞれ、開放位置および閉鎖位置における、エンドエフェクタアセンブリ16の側面図である。
【0033】
示されるように、いったん外科医が、シールされるべき標的組織に対してエンドエフェクタアセンブリ16を位置付けると、外科医は、次いで、その間の標的組織を挟着するように顎部38a、38bを閉鎖してもよい。対向する顎部38a、38bの閉鎖位置への遷移に応じて、対応するクッション42a、42bは、1つ以上の縫合糸もしくはステープルを含む標的組織の対向側面に係合する。外科医は、対向するクッション38a、38bの間において標的組織を圧縮するように力を印加することができ、各クッション42a、42bの外部表面は、概して、組織およびステープルの表面に共形化しながら、ステープルの完全性を維持する(すなわち、ステープルを損傷させない)。クッション38a、38bの共形化する性質に起因して、各電極アレイ44、具体的には、伝導性ワイヤ46は、ステープルに直接隣接する標的組織の一部と接触し、それを効果的にシールすることができ、これは、概して、現行の電気手術用の鉗子では損なわれるものである。示されるように、エンドエフェクタアセンブリ16は、概して、対向する顎部38a、38bの間で受容されるべき肺組織(葉)の横断面全体を収容することができる。
【0034】
外科医は、前述されたように、次いで、それぞれがコントローラ18を介して独立して制御され得る、流体送達および電極電極アレイ44の両方をアクティブ化してもよい。クッション42a、42bの外部表面への穿孔48を通した流体の流動は、電極アレイ44からのエネルギーを搬送し、それによって、仮想電極を作成し得る。穿孔48を通した流体の流動に応じて、流体の貯留部または薄膜が、クッション38a、38bの外部表面上に形成され、電極アレイ44から搬送されるRFエネルギーを介してそれと接触する標的組織の一部をシールするように構成される。故に、本開示の電気手術デバイス14は、標的組織の完全な閉鎖を提供し、それによって、空気、内容物、もしくは流体の漏出のリスクを防止または低減させ、その後、そうでなければ単に縫合もしくはステープルの閉鎖とともに生じ得る感染症もしくは致命的な合併症を防止する。
【0035】
図10は、腹腔鏡下手技を介してステープル留めされた気管支通路のシールのための、エンドエフェクタアセンブリ16aの位置を図示する。示されるように、エンドエフェクタアセンブリ16aは、対向する顎部38a、38bが、非外傷性先端を含み、エンドエフェクタアセンブリ16の構成と比較されるとはるかにより狭小な外形を有する、腹腔鏡下手技を行うように構成される。
【0036】
本開示の電気手術デバイスは、多数の利点を提供する。特に、電気手術デバイスは、縫合またはステープル留めを介した脈管、創傷、もしくは切開部の最初の閉鎖を補完するために有用である。各対向する顎部上の変形可能クッションは、各クッションの外部表面が、組織または脈管表面および縫合糸もしくはステープルに共形化かつ対応するように、標的組織または脈管および縫合糸もしくはステープルに対して圧縮されることに応じて変形するように構成される。クッションは、それに物理的損害をもたらす、または縫合糸もしくはステープルの構造的な完全性を損なわせることなく、縫合糸もしくはステープルに対して圧縮され得る。さらに、クッションの共形化する性質に起因して、各電極アレイは、そのような鉗子の堅性かつ非適応のシールプレートの結果として、縫合糸またはステープルに直接隣接する標的組織もしくは脈管の一部と接触し、それを効果的にシールすることができ、これは、概して、現行の電気手術用の鉗子では損なわれるものである。本デバイスの仮想電極配列はさらに、生理食塩水が、概して、組織表面と伝導性ワイヤの表面との間の緩衝材として作用するため、シール手技の間、非粘着性表面を可能にする。さらに、仮想電極は、少なくとも経過時間および強度を含む、エネルギーの制御された放射を提供し、これは、ひいては、シールするために放出される熱エネルギーを効果的に制御し、囲繞組織への意図しない損傷を防止するように常に60℃〜100℃に維持され得る。
【0037】
本明細書全体を通して、「一実施形態」または「ある実施形態」という言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、もしくは特性が、少なくとも、一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の場所における語句「一実施形態では」または「ある実施形態では」の表出は、必ずしも、全て同一の実施形態を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。
【0038】
本明細書で採用される用語および表現は、限定ではなく、説明の観点において使用され、そのような用語および表現の使用において、図示かつ説明される特徴(またはその一部)のいかなる均等物も除外することを意図するものではなく、種々の修正が、請求項の範囲内で可能性として考えられることが認識される。故に、請求項は、全てのそのような均等物を網羅するものと意図される。
【0039】
(参照による引用)
特許、特許出願、特許刊行物、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツ等の他の文書の参照および引用が、本開示全体を通して行なわれる。そのような文書は全て、あらゆる目的のために、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。
【0040】
(均等物)
種々の修正およびさらなる実施形態が、本明細書に図示かつ説明されるもの以外に、可能性として考えられる。本明細書における主題は、種々の他の実施形態を作成するように適合され得る情報、例示、および指針を含有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10