特許第6875866号(P6875866)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6875866-電池状態検出装置 図000002
  • 特許6875866-電池状態検出装置 図000003
  • 特許6875866-電池状態検出装置 図000004
  • 特許6875866-電池状態検出装置 図000005
  • 特許6875866-電池状態検出装置 図000006
  • 特許6875866-電池状態検出装置 図000007
  • 特許6875866-電池状態検出装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875866
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】電池状態検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/36 20200101AFI20210517BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20210517BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20210517BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   G01R31/36
   H01M10/48 P
   H01M10/42 P
   H02J7/00 Q
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-8368(P2017-8368)
(22)【出願日】2017年1月20日
(65)【公開番号】特開2018-116011(P2018-116011A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏尚
(72)【発明者】
【氏名】王 簡
(72)【発明者】
【氏名】松本 圭
【審査官】 田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−219311(JP,A)
【文献】 特開2013−172614(JP,A)
【文献】 特開2007−102132(JP,A)
【文献】 特開2016−077054(JP,A)
【文献】 特開2015−014563(JP,A)
【文献】 特開2009−053012(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0057865(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/181812(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/36−31/396、
H01M 10/42−10/48、
H02J 7/00−7/12、
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の状態を検出する電池状態検出装置において、
第1コンデンサと、
第2コンデンサと、
前記第1コンデンサが保持する電圧と前記第2コンデンサが保持する電圧との差電圧に応じた電圧を出力する差動増幅部と、
前記第1コンデンサを用いて前記電池の電池電圧の第1サンプルホールドを行わせ、その後、所定の待機時間経過した後、前記第2コンデンサを用いて前記電池電圧の第2サンプルホールドを行わせるサンプルホールド処理を実行するサンプルホールド制御部と、
前記第1サンプルホールド中及び前記第2サンプルホールド中の双方で前記電池に流れる電池電流が一定であり、かつ、前記待機時間中に前記電池電流の変動がある、という条件を満たしたとき、前記差動増幅部の出力に基づいて電池の状態を検出する電池状態検出部と、を備え
前記待機時間において、前記電池は、前記第1コンデンサと第2コンデンサのいずれからも切り離されている、電池状態検出装置。
【請求項2】
前記サンプルホールド制御部は、前記条件を満たすまで、前記サンプルホールド処理を繰り返し実行することを特徴とする請求項1に記載の電池状態検出装置。
【請求項3】
前記サンプルホールド制御部は、前記サンプルホールド処理中に、前記条件を満たさないと判断したときは、前記第1サンプルホールドからやり直すことを特徴とする請求項1に記載の電池状態検出装置。
【請求項4】
車両に搭載され、
前記サンプルホールド制御部は、前記車両の停車に応じて、前記サンプルホールド処理を実行することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の電池状態検出装置。
【請求項5】
前記サンプルホールド制御部は、前記サンプルホールド処理を実行する前に、前記第1コンデンサを用いて前記電池電圧の事前サンプルホールドを行うことを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の電池状態検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池状態検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電動モータを用いて走行する電気自動車(EV)や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車(HEV)などの各種車両には、電動モータの動力源として、リチウムイオン充電池やニッケル水素充電池などの二次電池が搭載されている。
【0003】
このような二次電池は、充電及び放電を繰り返すことにより劣化が進み、蓄電可能容量(電流容量や電力容量など)が徐々に減少することが知られている。そして、二次電池を用いた電気自動車などにおいては、二次電池の劣化の度合を検出することにより蓄電可能容量を求めて、二次電池によって走行可能な距離や二次電池の寿命などを算出している。
【0004】
二次電池の劣化の度合を示す指標の一つとして、初期蓄電可能容量に対する現在蓄電可能容量の割合であるSOH(State of Health)がある。このSOHは二次電池の内部抵抗と相関があることが知られている。このため、二次電池の内部抵抗を検出することにより、この内部抵抗に基づいてSOHを求めることができる。
【0005】
一般的に、内部抵抗は非常に小さいため、十分な検出精度を得ることが困難であったが、特許文献1には、内部抵抗の検出精度を高めた電池状態検出装置が開示されている。
【0006】
図7は、特許文献1に記載された電池状態検出装置500の概略構成を示す図である。検出対象である二次電池Bは、電圧を生じる起電力部eと内部抵抗rとを有している。この内部抵抗rを検出することにより、二次電池BのSOHを求めることができる。
【0007】
二次電池Bは、両電極(正極Bpおよび負極Bn)間に電圧Vを生じ、この電圧Vは、起電力部eによる起電力によって生じる電圧Veと内部抵抗rに電流が流れることにより生じる電圧Vrとによって決定される(V=Ve+Vr)。二次電池Bの負極Bnは、基準電位Gに接続されている。
【0008】
電池状態検出装置500は、差動増幅部511と、切替スイッチ512と、第1コンデンサ513と、第2コンデンサ514と、充電部515と、第1アナログ−デジタル変換器(ADC)521と、第2アナログ−デジタル変換器(ADC)522と、マイクロコンピュータ(μCOM)540と、を有している。
【0009】
本図に示す構成において、μCOM540が出力ポートPO2を通じ、充電部515に充電開始の制御信号を送信すると、充電部515は、二次電池Bに予め定められた一定の充電電流Icを流し始める。これにより、二次電池Bの充電が開始される。
【0010】
充電が開始されると、μCOM540は、出力ポートPO1を通じて切替スイッチ512を制御し、二次電池Bの正極Bpと第1コンデンサ513とが接続されるようにする。これにより、第1コンデンサ513には充電中の二次電池Bの両電極間の電圧V1=Ve+r・Icが保持(サンプルホールド)される。
【0011】
次に、μCOM540は、入力ポートPI1を通じて取得する二次電池Bの両電極間の電圧が所定の状態検出電圧になると、出力ポートPO1を通じて切替スイッチ512を制御し、二次電池Bの正極Bpと第2コンデンサ514とが接続されるようにするとともに、出力ポートPO2を通じて充電部515に充電停止の制御信号を送信する。
【0012】
これにより、二次電池Bへの充電電流Icが停止し、第2コンデンサ514の蓄電状態が安定すると、第2コンデンサ514には充電停止中の二次電池Bの両電極間の電圧V2=Veがサンプルホールドされる。
【0013】
この状態で、μCOM540は、入力ポートPI2を通じて差動増幅部511が出力する差電圧Vmを検出する。そして、検出した差電圧Vmを、差動増幅部511の増幅率Avで除し、さらに充電電流Icで除することにより、二次電池Bの内部抵抗r(=(Vm/Av)/Ic)を検出する。
【0014】
最後に、μCOM540は、出力ポートPO2を通じて充電部515に対し充電開始の制御信号を送信する。充電部515はこの制御信号に応じて、二次電池Bに予め定められた一定の充電電流Icを再度流し始める。これにより充電が開始されて、電池状態検出処理を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2014−219311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
引用文献1に記載された電池状態検出装置500により、二次電池Bの内部抵抗rの検出精度を高めることができ、電池状態の検出精度の低下を抑制することができる。
【0017】
ところで、実際に電池状態検出装置500を車両に搭載する場合、二次電池Bの状態を検出するためだけに充電部515を制御して充電電流を変動させることは行わない。即ち、車両に搭載された二次電池Bは、電動モータへの電源供給開始やオルタネータからの充電開始などにより、電池電流が変動する。この電池電流が変動する時点前後に二次電池Bの両極間の電圧をサンプルホールドする必要がある。このため、電池電流が変動するタイミングを検出した後にサンプルホールドを実行しても、変動前後の2つの状態における二次電池Bの両極間電圧をサンプルホールドすることができない。
【0018】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、車両に搭載された電池の状態検出に適した電池状態検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様である電池電圧検出装置は、電池の状態を検出する電池状態検出装置において、第1コンデンサと、第2コンデンサと、前記第1コンデンサが保持する電圧と前記第2コンデンサが保持する電圧との差電圧に応じた電圧を出力する差動増幅部と、前記第1コンデンサを用いて前記電池の電池電圧の第1サンプルホールドを行わせ、その後、所定の待機時間経過した後、前記第2コンデンサを用いて前記電池電圧の第2サンプルホールドを行わせるサンプルホールド処理を実行するサンプルホールド制御部と、前記第1サンプルホールド中及び前記第2サンプルホールド中の双方で前記電池に流れる電池電流が一定であり、かつ、前記待機時間中に前記電池電流の変動がある、という条件を満たしたとき、前記差動増幅部の出力に基づいて電池の状態を検出する電池状態検出部と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
第2の態様である電池電圧検出装置は、前記サンプルホールド制御部は、前記条件を満たすまで、前記サンプルホールド処理を繰り返し実行する。
【0021】
第3の態様である電池電圧検出装置は、前記サンプルホールド制御部は、前記サンプルホールド処理中に、前記条件を満たさないと判断したときは、前記第1サンプルホールドからやり直す。
【0022】
第4の態様である電池電圧検出装置は、車両に搭載され、前記サンプルホールド制御部は、前記車両の停車に応じて、前記サンプルホールド処理を実行する。
【0023】
第5の態様である電池電圧検出装置は、前記サンプルホールド制御部は、前記サンプルホールド処理を実行する前に、前記第1コンデンサを用いて前記電池電圧の事前サンプルホールドを行う。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように第1の態様によれば、サンプルホールド制御部が、サンプルホールド処理を実行し、電池状態検出部が、第1サンプルホールド中及び第2サンプルホールド中の双方で電池電流が一定であり、かつ、待機時間中に電池電流の変動がある、と言う条件を満たしたときに、電池の状態を検出する。これにより、車両に搭載された電池の状態検出に適した電池状態検出装置を得ることができる。
【0025】
第2の態様によれば、上記条件を満たすまでサンプルホールド処理が繰り返し実行される。これにより、より一層、車両に搭載された電池の状態検出に適した電池状態検出装置を得ることができる。
【0026】
第3の態様によれば、サンプルホールド処理中に、上記条件を満たさないと判断したときは、第1サンプルホールドからやり直す。これにより、より一層、車両に搭載された電池の状態検出に適した電池状態検出装置を得ることができる。
【0027】
第4の態様によれば、車両停車中、電池電流は一定値(例えば0)でその後、電池の充電又は放電が行われ、電池電流が変動する。よって、サンプルホールド制御部が、車両が停車に応じてサンプルホールド処理を実行することにより、迅速に電池電圧の状態を検出することができる。
【0028】
第5の態様によれば、第1コンデンサを用いて事前サンプルホールドする。これにより、セラミックコンデンサのDCバイアス特性の影響により第1コンデンサの両端電圧の低下を低減して、差電圧の測定精度の低下を抑制することができる。また、セラミックコンデンサを使用しているので、装置の低コスト化や小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1実施形態における本発明の電池状態検出装置を示す概略構成図である。
図2図1に示すμCOMの電池状態検出処理手順を示すフローチャートである。
図3図1に示す電池状態検出装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
図4】セラミックコンデンサのDCバイアス特性の例を示すグラフである。
図5】第2実施形態における本発明の電池状態検出装置を示す概略構成図である。
図6図5に示すセル電池間に接続される接触・配線抵抗を説明するための図である。
図7】従来の電池状態検出装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、第1実施形態における本発明の電池状態検出装置を示す概略構成図である。
【0031】
本実施形態の電池状態検出装置100は、例えば、電気自動車に搭載され、電気自動車が備える二次電池の電極間に接続されて、この二次電池の状態として二次電池の内部抵抗を検出するものである。もちろん、電気自動車以外の二次電池を備えた装置、システムなどに適用してもよい。
【0032】
検出対象である二次電池B(=電池)には、図示しない電動モータなどの負荷や、オルタネータなどの充電器が接続され、二次電池Bは負荷によって放電され、充電器によって充電される。また、二次電池Bは、電圧を生じる起電力部eと内部抵抗rとを有している。この内部抵抗rを検出することにより、二次電池BのSOHを求めることができる。
【0033】
二次電池Bは、両電極(正極Bpおよび負極Bn)間に電圧Vを生じ、この電圧Vは、起電力部eによる起電力によって生じる電圧Veと内部抵抗rに電流が流れることにより生じる電圧Vrとによって決定される(V=Ve+Vr)。二次電池Bの負極Bnは、基準電位Gに接続されている。
【0034】
本図に示すように、電池状態検出装置100は、差動増幅部111と、切換スイッチ112と、第1コンデンサ113と、第2コンデンサ114と、アナログ−デジタル変換器(ADC)121と、マイクロコンピュータ(μCOM)140と、を有している。
【0035】
差動増幅部111は、例えば、オペアンプなどで構成されており、2つの入力端子(第1入力端子In1および第2入力端子In2)と1つの出力端子(出力端子Out)を備え、これら2つの入力端子に入力された電圧の差分値を所定の増幅率Avで増幅した差電圧Vmを出力端子から出力する。
【0036】
切換スイッチ112は、例えば、アナログスイッチなどで構成された1回路2接点(SPDT(単極双投))のスイッチである。切換スイッチ112は、2つの切換端子a、bのうちの切換端子aが、差動増幅部111の第1入力端子In1に接続され、切換端子bが、差動増幅部111の第2入力端子In2に接続されている。また、切換スイッチ112は、共通端子cが、二次電池Bの正極Bpに接続されている。
【0037】
第1コンデンサ113は、差動増幅部111の第1入力端子In1と基準電位Gとの間に接続されている。すなわち、第1コンデンサ113は、第1入力端子In1と二次電池Bの負極Bnとの間に設けられている。これにより、第1コンデンサ113には、第1入力端子In1と二次電池Bの負極Bnとの間の電圧が保持される。
【0038】
第2コンデンサ114は、差動増幅部111の第2入力端子In2と基準電位Gとの間に接続されている。すなわち、第2コンデンサ114は、第2入力端子In2と二次電池Bの負極Bnとの間に設けられている。これにより、第2コンデンサ114には、第2入力端子In2と二次電池Bの負極Bnとの間の電圧が保持される。
【0039】
ここで、本実施形態の電池状態検出装置100では、第1コンデンサ113及び第2コンデンサ114はセラミックコンデンサから構成されている。また、本実施形態の電池状態検出装置100では、第1コンデンサ113の容量と第2コンデンサ114の容量とに差を付けており、先に電荷を蓄積する第1コンデンサ113の容量が第2コンデンサ114の容量よりも大きくなるように設計されている。一般に、コンデンサでは、容量が大きいほどリーク電流による電圧低下の影響を小さくすることができ、容量が小さいほどサンプルホールドに必要な時間を短くすることができる。なお、第1コンデンサ113と第2コンデンサ114の容量は同じであってもよい。
【0040】
ADC121は、差動増幅部111から出力された差電圧Vmに対応するデジタル値を示す信号を出力する。
【0041】
μCOM140は、CPU、ROM、RAMなどを内蔵して構成されており、サンプルホールド制御部、電池状態検出部として機能して電池状態検出装置100全体の制御を司る。μCOM140は、切換スイッチ112に接続された第1出力ポートPO1などを備えている。μCOM140は、第1出力ポートPO1を通じて切換スイッチ112に制御信号を送信して、切換スイッチ112を制御する。また、μCOM140には、車速センサからの車両の速度情報、電流センサからの二次電池Bに流れる電池電流情報などが入力されている。
【0042】
μCOM140は、ADC121から出力された信号が入力される第1入力ポートPI1を有している。μCOM140は、第1入力ポートPI1から入力された差動増幅部111の差電圧Vmに基づいて二次電池Bの内部抵抗rを検出する。
【0043】
次に、上述した電池状態検出装置100の動作について図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
μCOM140は、車両のイグニッションオンなどに応じて図2に示す動作を開始する。まず、μCOM140は、速度情報に基づいて車両の速度が0であり、停車しているか否かを判定する(ステップS1)。
【0045】
停車中であれば(ステップS1でY)、μCOM140は、第1コンデンサ113を用いて電池電圧(=二次電池Bの両電極間の電圧)の第1サンプルホールドを行う(ステップS2)。ステップS2において、μCOM140は、第1出力ポートPO1を通じて切換スイッチ112に対して切換端子aと共通端子cとを接続する制御信号を送信する。
【0046】
切換スイッチ112は、この制御信号に応じて切換端子aと共通端子cとを接続することにより、二次電池Bの正極Bpと差動増幅部111の第1入力端子In1を接続する。
【0047】
これにより、第1コンデンサ113が二次電池Bの正極Bpおよび負極Bnの間に接続されて、第1コンデンサ113に二次電池Bからの電荷が流れ込む。そして、ある程度時間が経過すると、第1コンデンサ113には電池電圧が第1電圧として保持される。
【0048】
ステップS2において、μCOM140は、第1コンデンサ113に電池電圧が保持されると、第1コンデンサ113と二次電池Bとの接続を切り離して第1サンプルホールドを終了する。即ち、μCOM140は、第1出力ポートPO1を通じて切換スイッチ112に対して切換端子a及び切換端子bの双方を共通端子cから切り離す制御信号を送信する。
【0049】
なお、第1コンデンサ113に電池電圧が保持されたか否かの判定は、第1コンデンサ113に二次電池Bを接続してからの経過時間から判断するようにしてもよいし、電池電圧Bの電池電圧から判断するようにしてもよい。その後、μCOM140は、所定の待機時間だけ待機する(ステップS3)。
【0050】
待機時間(例えば1s)が経過すると、μCOM140は、第2コンデンサ114を用いて電池電圧の第2サンプルホールドを行う(ステップS4)。ステップS4において、μCOM140は、第1出力ポートPO1を通じて切換スイッチ112に対して切換端子bと共通端子cとを接続する制御信号を送信する。
【0051】
これにより、第2コンデンサ114が二次電池Bの正極Bpおよび負極Bnの間に接続されて、第2コンデンサ114に二次電池Bからの電荷が流れ込む。そして、ある程度時間が経過すると、第2コンデンサ114には電池電圧が第2電圧として保持される。
【0052】
ステップS4において、μCOM140は、第2コンデンサ114に電池電圧が保持されると、第2コンデンサ114と二次電池Bとの接続を切り離して第2サンプルホールドを終了する。即ち、μCOM140は、第1出力ポートPO1を通じて切換スイッチ112に対して切換端子a及び切換端子bの双方を共通端子cから切り離す制御信号を送信する。第2コンデンサ114に電池電圧が保持されたか否かの判定は、第2コンデンサ114に二次電池Bを接続してからの経過時間から判断するようにしてもよいし、電池電圧Bの電池電圧から判断するようにしてもよい。
【0053】
その後、μCOM140は、上記ステップS2〜S4で行われたサンプルホールド処理が1回目のサンプルホールド処理であれば(ステップS5でY)、ステップS1に戻る。これにより、ステップS1〜S4のサンプルホールド処理が繰り返し実行される。
【0054】
μCOM140は、上記ステップS2〜S4で行われたサンプルホールド処理が2回目以降の処理であれば(ステップS5でN)、第1サンプルホールド中及び第2サンプルホールド中の双方で電池電流が一定であったか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6においてμCOM140は、電流センサからの電池電流情報を用いて判定する。
【0055】
否と判定した場合(ステップS6でN)、μCOM140は、ステップS1に戻る。第1サンプルホールド中及び第2サンプルホールド中の双方で電池電流が一定であれば(ステップS6でY)、μCOM140は、第1サンプルホールド中及び第2サンプルホールド中、二次電池Bに定電流I1、I2が流れていたと判定して、ステップS7に進む。
【0056】
ステップS7においてμCOM140は、待機時間中に電池電流の変動があったか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7においてμCOM140は、電流センサからの電池電流情報を用いて判定する。否と判定した場合(ステップS7でN)、μCOM140は、ステップS1に戻る。待機時間中に電池電流の変動があった場合(ステップS7でY)、μCOM140は、第1サンプルホールド中に二次電池Bに流れた定電流I1と、第2サンプルホールド中に二次電池Bに流れた定電流I2が互いに異なると判定して、次のステップS8に進む。
【0057】
ステップS8において、μCOM140は、差動増幅部111からの差電圧Vmを取り込む。得られた差電圧Vmが異常値でなければ(ステップ9でN)、μCOM140は、取り込んだ差電圧Vmを有効として扱い、差電圧Vmに基づいて二次電池Bの内部抵抗rを検出して(ステップS10)、処理を終了する。ステップS10における内部抵抗rは、差電圧Vmだけでなく電流センサにより測定された第1サンプルホールド中の定電流I1、第2サンプルホールド中の定電流I2を下記の式(1)に代入して算出し求める。
r=(Vm/Av)/(I1−I2)…(1)
【0058】
尚、上記式(1)中のI1、I2は、充電方向の電流を+、放電方向の電流を−としている。また、本実施形態では、停車すると処理を開始しているので、定電流I1としては0が測定される。
【0059】
一方、異常値であれば(ステップS9でY)、μCOM140は、取り込んだ差電圧Vmを無効として扱い、内部抵抗rを求めることなく、ステップS1に戻る。
【0060】
次に、図3を参照して上述した電池状態検出装置100の動作を説明する。同図に示すように、車速が0になると、μCOM140は、1回目の第1コンデンサ113を用いた第1サンプルホールド、待機、1回目の第2コンデンサ114を用いた第2サンプルホールドを順次、実行する。μCOM140は、1回目の第1サンプルホールド及び第2サンプルホールドが行われた後の差電圧Vmからは内部抵抗rを求めない。即ち、1回目の第1サンプルホールド及び第2サンプルホールドが事前サンプルホールドとなる。そして、μCOM140は、2回目以降の第1サンプルホールド及び第2サンプルホールドが実行された後の差電圧Vmから内部抵抗rを求める。
【0061】
その後、μCOM140は、車速が0で放電電流が一定値(例えば0)の間は、スラップS2〜S4から構成されるサンプルホールド処理(第1サンプルホールド、待機、第2サンプルホールド)を繰り返し実行する。その後、車両が動き出し、待機中に二次電池Bの放電電流が変動すると、μCOM140は、第2サンプルホールド終了後、差動増幅部111の出力から内部抵抗rを求める。
【0062】
上述した実施形態によれば、μCOM140は、第1サンプルホールド中及び第2サンプルホールド中の双方で電池電流が一定であり、かつ、待機時間中に電池電流の変動がある、という条件を満たしたとき、内部抵抗rの状態を検出する。これにより、内部抵抗rを検出できるタイミングを逃さずに、簡単に内部抵抗rを検出することができる。
【0063】
また、上述した実施形態によれば、μCOM140は、上記条件を満たすまで、ステップS2〜S4のサンプルホールド処理を繰り返し実行する。これにより、より一層、内部抵抗rを検出できるタイミングを逃さずに、簡単に内部抵抗rを検出することができる。
【0064】
また、車両停車中、電池電流は一定値(例えば0)でその後、車両が走行すると二次電池Bの充電又は放電が行われ、電池電流が変動する。よって、μCOM140は、車両が停車に応じてステップS2〜S4のサンプルホールド処理を実行することにより、サンプルホールド処理をあまり繰り返すことなく、迅速に内部抵抗rの検出を行うことができる。
【0065】
ところで、実際のコンデンサでは微小なリーク電流により、蓄積した電荷が抜け出す現象が発生する。このため、第1コンデンサ113でサンプルホールドした後、第2コンデンサ114でサンプルホールドが終了するまでの時間で、第1コンデンサ113が蓄積した電荷がリーク電流により僅かに抜け出すことになる。第1コンデンサ113から電荷が抜け出すと電池電圧が実際よりも低く測定され、測定精度の低下を招くこととなる。
【0066】
また、この種の装置の低コスト化や小型化を図るためには、第1コンデンサ113や第2コンデンサ114にセラミックコンデンサを使用するのが好適である。しかし、セラミックコンデンサは、電圧が高くなると静電容量が減少するという特有なDCバイアス特性により、サンプルホールドした電荷がリーク電流により抜けると保持電圧が低下することにより静電容量が増大するため、保持電圧の低下がより一層進んでしまい測定精度がさらに低下するという問題があった。
【0067】
上述した実施形態によれば、μCOM140は、サンプルホールド処理(2回目以降のサンプルホールド)を実行する前に、第1コンデンサ113を用いて電池電圧の事前サンプルホールド(1回目のサンプルホールド)を行う。これにより、セラミックコンデンサのDCバイアス特性の影響により、内部抵抗rの検出精度が低下してしまうことを少なくすることができる。
【0068】
図4にセラミックコンデンサのDCバイアス特性の例を示す。図4は、縦軸が静電容量変化率、横軸が直流電圧となっている。図4の実線は、事前サンプルホールドを行わない場合の特性、点線は事前サンプルホールドを行った場合の特性をそれぞれ示している。
【0069】
図4に示したように、セラミックコンデンサは、直流電圧を印加すると実効的な静電容量が減少してしまうことが知られている。また、セラミックコンデンサは、一度電圧印加をして充電後に放電をすると、点線のように減少した容量を基準とした特性に変化する現象があることも知られている。
【0070】
したがって、一度セラミックコンデンサに直流電圧を印加して充電し、一旦停止後にリーク電流により放電させることで、特性を図4の実線から点線に変化させることができる。図4からも明らかなように、点線の特性の方が、実線の特性よりも、電圧変化による静電容量変化率の変化が緩やかである。つまり、事前サンプルホールド動作により特性を変化させて、実測定用のサンプルホールドを行うことで、リーク電流による電圧低下に伴う静電容量の増大が抑えられ、第1コンデンサ113、第2コンデンサ114の電圧低下の影響を少なくすることができる。
【0071】
なお、上述した実施形態によれば、第1コンデンサ113を用いた事前サンプルホールドと第2コンデンサ114を用いた事前サンプルホールドとの間にも待機時間を設けていたが、これに限ったものではない。待機時間を設けずに第1コンデンサ113を用いた事前サンプルホールドに続けて第2コンデンサ114を用いた事前サンプルホールドを行うようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態によれば、第2コンデンサ114を用いた事前サンプルホールドを行っていたが、これに限ったものではない。差電圧Vmを取り込むときに、リーク電流によるコンデンサの電圧低下が問題となるのは先にサンプルホールドが行われる第1コンデンサ113の方である。そこで、第1コンデンサ113を用いた事前サンプルホールドを行えばよく、第2コンデンサ114を用いた事前サンプルホールドは行わなくてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態によれば、事前サンプルホールドを行っていたが、これに限ったものではない。事前サンプルホールドは必須ではなく、行わなくてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態によれば、μCOM140は、車両の停車に応じてステップS2〜S4のサンプルホールド処理を実行していたが、これに限ったものではない。例えば、二次電池Bに流れる電流が一定になるタイミングで、ステップS2〜S4のサンプルホールド処理を実行するようにしてもよい。
【0075】
また、上述した実施形態によれば、μCOM140は、第1サンプルホールド中及び第2サンプルホールド中の双方で電池電流が一定であり、かつ、待機時間中に電池電流の変動がある、という条件を満たすまで、サンプルホールド処理を繰り返し行っていたが、これに限ったものではない。例えば、第1サンプルホールド中に電池電流が一定でなくなれば、μCOM140は、再びステップS2に戻り、第1サンプルホールドからやり直してもよい。また、待機時間中に電池電流が変化しなければ、μCOM140は、再びステップ2に戻り、第1サンプルホールドからやり直してもよい。また、第2サンプルホールド中に電池電流が一定でなくなれば、μCOM140は、再びステップS2に戻り、第1サンプルホールドからやり直してもよい。即ち、サンプルホールド処理中に上記条件が満たせないと判断したときは、サンプルホールド処理をそのまま続けずに、最初の第1サンプルホールドからやり直すようにしてもよい。この場合も、より一層、内部抵抗rを検出できるタイミングを逃さずに、簡単に内部抵抗rを検出することができる。
【0076】
また、上述した実施形態によれば、μCOM140は、条件を満たさないときステップS2〜S4のサンプルホールド処理を繰り返し行っていたが、これに限ったものではない。サンプルホールド処理を繰り返さずに、また別のタイミングでサンプルホールド処理を行うようにしてもよい。
【0077】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図5は、第2実施形態における本発明の電池状態検出装置を示す概略構成図である。第2の実施形態の電池状態検出装置200は、電池状態検出装置100の技術を応用したものであり、複数個のセル電池(Ce1〜Ce4;電池)が組み合わされた組電池BSを測定対象の電圧源としている。
【0078】
本図に示すように、電池状態検出装置200は、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、μCOM210、切換スイッチ230、差動増幅部240、ADC250、検出対象選択スイッチ261、基準電位設定スイッチ262、保護用スイッチ270を備えている。
【0079】
第1コンデンサC1は、第1状態の組電池BSにおける測定対象箇所の電圧を第1電圧として保持する。第2コンデンサC2は、第2状態の組電池BSにおける測定対象箇所の電圧を第2電圧として保持する。ここで、第1コンデンサC1の容量が第2コンデンサC2の容量よりも大きくなるように設計されている。なお、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2の容量は同じでもよい。
【0080】
切換スイッチ230は、第1状態の組電池BSにおける測定対象箇所の電圧(第1電圧)を第1コンデンサC1に導くSW31と、第2状態の組電池BSにおける測定対象箇所の電圧(第2電圧)を第2コンデンサC2に導くSW32とを備えている。
【0081】
検出対象選択スイッチ261は、組電池BSを構成する各セル電池(Ce1〜Ce4)の端部と切換スイッチ230との間に設けられている。具体的には、組電池BSの正極側に相当するセル電池Ce1の端部と切換スイッチ230との間にSW11が設けられ、セル電池Ce1とセル電池Ce2との接続点と切換スイッチ230との間にSW12が設けられ、セル電池Ce2とセル電池Ce3との接続点と切換スイッチ230との間にSW13が設けられ、セル電池Ce3とセル電池Ce4との接続点と切換スイッチ230との間にSW14が設けられている。
【0082】
基準電位設定スイッチ262は、第1コンデンサC1・第2コンデンサC2の基準電位を設定するためのスイッチである。具体的には、第1コンデンサC1・第2コンデンサC2の基準電位を基準電位Gに設定するためのSW24、第1コンデンサC1・第2コンデンサC2の基準電位をセル電池Ce4の電圧に設定するSW23、第1コンデンサC1・第2コンデンサC2の基準電位をセル電池Ce4+セル電池Ce3の電圧に設定するSW22、第1コンデンサC1・第2コンデンサC2の基準電位をセル電池Ce4+セル電池Ce3+セル電池Ce2の電圧に設定するSW21が設けられている。
【0083】
保護用スイッチ270は、差動増幅部240を保護し、且つ、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2に接続される差動増幅部240へのリーク電流を低減するためのスイッチである。保護用スイッチ270は、第1コンデンサC1・第2コンデンサC2でのサンプルホールドが完了した後で、差動増幅部240に第1電圧・第2電圧を導くためのスイッチであり、第1コンデンサC1と第1入力端子In1との間に設けられたSW41と、第2コンデンサC2と第2入力端子In2との間に設けられたSW42とを備えている。SW41、SW42ともサンプルホールド中はオフとし、サンプルホールドが終了するとオンにして第1電圧、第2電圧を差動増幅部240に導くようにする。
【0084】
差動増幅部240は、2つの入力端子(第1入力端子In1および第2入力端子In2)と1つの出力端子(出力端子Out)を備え、これら2つの入力端子に入力された電圧の差分値を所定の増幅率Avで増幅した差電圧Vmを出力端子から出力する。
【0085】
ADC250は、差動増幅部240から出力された差電圧Vmに対応するデジタル値を示す信号を出力する。
【0086】
μCOM210は、CPU、ROM、RAMなどを内蔵して構成されており、制御部として機能して差電圧測定装置200全体の制御を司る。μCOM210は、電流出力部220に接続された第1出力ポートPO1、ADC250から出力された信号が入力される第1入力ポートPI1、各スイッチを制御するスイッチ制御部211を備えている。
【0087】
電池状態検出装置200は、例えば、各セル電池の内部抵抗を測定することで、セル電池毎のSOHを求めることができる。セル電池Ce1の内部抵抗を測定する場合には、検出対象選択スイッチ261をSW11のみオンとし、基準電位設定スイッチ262をSW21のみをオンにする。これにより、セル電池Ce1の両端子間の電圧が第1コンデンサC1・第2コンデンサC2に導かれることになる。
【0088】
保護用スイッチ270をオンにして、差動増幅部240に第1電圧と第2電圧とを導くと、μCOM210に電圧差が入力される。μCOM210は、第1実施形態と同様の原理により、セル電池Ce1の内部抵抗r1をr1=(Vm/Av)/(I1−I2)で求めることができる。他のセル電池の内部抵抗についても同様に求めることができる。
【0089】
なお、第2実施形態では、スイッチ制御部211が、検出対象選択スイッチ261と、基準電位設定スイッチ262を操作することにより、種々の電位差を測定することができる。
【0090】
例えば、基準電位設定スイッチ262をSW21のみをオンにした状態で、検出対象選択スイッチ261をSW11のみオンとして第1電圧を取得し、その後、検出対象選択スイッチ261をSW12のみオンとして第2電圧を取得して第1電圧と第2電圧との差電圧を測定すると、測定結果は、セル電池Ce1の両端の電位差、すなわちセル電池Ce1の電圧を示すことになる。他のセル電池の電圧についても同様に求めることができる。
【0091】
第2実施形態においても、μCOM140は、第1サンプルホールド中及び第2サンプルホールド中の双方で電池電流が一定であり、かつ、待機時間中に電池電流の変動がある、という条件を満たしたとき、内部抵抗rの状態を検出する。
【0092】
ところで、上述した第2実施形態によれば、セル電池Ce1〜Ce4にはそれぞれ隣り合うセル電池Ce1〜Ce4と接続するためのバスバとの接触抵抗、配線抵抗が生じている。即ち、図6に示すように、セル電池Ce1〜Ce4間に接触・配線抵抗R11〜R13が発生している。そして、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2に保持される第1電圧、第2電圧は、セル電池Ce1〜Ce4の両端電圧だけではなく、この接触・配線抵抗R11〜R13で生じる電圧降下分も含まれてしまう。このため、セル電池Cen(nは1〜3の任意の整数)の差動増幅部240出力後の差電圧Vmは、セル電池Cenの両端電圧の差電圧ΔVだけではなく、下記の式(2)に示すように接触・配線抵抗R1nで生じる電圧降下の差分も含まれる。
Vm=Av{ΔV+R1n(I1−I2)} …(2)
【0093】
そこで、出荷前にこの接触・配線抵抗R11〜R13を計測して、図示しないメモリに格納し、μCOM210はこのメモリに格納した接触・配線抵抗R11〜R13を下記の式(3)に代入して、内部抵抗rnを求めるようにしてもよい。
rn={(Vm/Av)−R1n(I1−I2)}/(I1−I2) …(3)
【0094】
これにより、より一層、内部抵抗rnの検出精度向上を図ることができる。
【0095】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0096】
100 電池状態検出装置
111 差動増幅部
113 第1コンデンサ
114 第2コンデンサ
140 μCOM(サンプルホールド制御部、電池状態検出部)
200 電池状態検出装置
210 μCOM(サンプルホールド制御部、電池状態検出部)
240 差動増幅部
B 二次電池(電池)
C1 第1コンデンサ
C2 第2コンデンサ
Ce1〜Ce4 セル電池(電池)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7