特許第6875887号(P6875887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875887
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】多出力速度発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/38 20060101AFI20210517BHJP
   H02K 21/48 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   H02K21/38 G
   H02K21/48
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-42511(P2017-42511)
(22)【出願日】2017年3月7日
(65)【公開番号】特開2018-148713(P2018-148713A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003115
【氏名又は名称】東洋電機製造株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 章浩
(72)【発明者】
【氏名】八野 英美
(72)【発明者】
【氏名】角井 真哉
(72)【発明者】
【氏名】白崎 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中野 大輔
【審査官】 佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3000787(JP,B2)
【文献】 実開昭63−128465(JP,U)
【文献】 米国特許第06246561(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 21/00−21/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯車の周面に臨ませて設けられる多出力速度発電機であって、永久磁石と、永久磁石の一方の極と他方の極に夫々接続される第1と第2の一対の磁極片とを備え、第1と第2の各磁極片に、コイルを外嵌させた、歯車の周面に対し径方向に対向する複数の磁極部を設けるものにおいて、
永久磁石は、その着磁方向が歯車の軸方向に沿うように配置され、第1と第2の両磁極片が永久磁石を歯車の軸方向両側から挟むようにして歯車の周方向にのび、第1磁極片の各磁極部とこれと対を成す第2磁極片の各磁極部とが歯車の歯筋方向に並ぶことを特徴とする多出力速度発電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車の回転速度を検出するために、歯車の周面に臨ませて設けられる多出力速度発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の多出力速度発電機として、永久磁石と、永久磁石の一方の極と他方の極に夫々接続される第1と第2の一対の磁極片とを備え、第1と第2の各磁極片に、コイルを外嵌させた、歯車の周面に対し径方向に対向する複数の磁極部を設けるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このもので、永久磁石は、その着磁方向が歯車の周方向に沿うように配置される。そして、歯車の周方向一方を向く永久磁石の一方の極から歯車の周方向一方にのびるように第1磁極片を配置すると共に、歯車の周方向他方を向く永久磁石の他方の極から歯車の周方向他方にのびるように第2磁極片を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3000787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、歯車の回転に伴いコイルから出力される出力電圧を高くするには、コイルの巻数を増加させるか、永久磁石の各極と各磁極片との磁束が流入する接合面積を大きくして、各磁極片に流入する磁束を増やす必要がある。尚、ここからは歯車の周方向を磁極片の長手方向、歯車の軸方向を磁極片の厚さ方向、歯車の径方向を磁極片の高さ方向と呼ぶことにする。
【0005】
上記従来例のものにおいて、出力電圧向上のために、永久磁石の各極と各磁極片との磁束が流入する接合面積を大きくするには、永久磁石の着磁方向に直交する永久磁石の断面積を大きくすると共に、各磁極片の厚さ方向、または高さ方向の寸法を長くして各磁極片の断面積も大きくせざるを得なくなり、速度発電機の大型化を招く。また、永久磁石及び各磁極片の断面積を大きくせずに出力電圧を向上させるには、コイル巻数を増やすことが必要になるが、コイルが大型化するため、この場合も速度発電機の大型化を招く。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、速度発電機の大型化を招くことなく出力電圧を向上できるようにした多出力速度発電機を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、歯車の周面に臨ませて設けられる多出力速度発電機であって、永久磁石と、永久磁石の一方の極と他方の極に夫々接続される第1と第2の一対の磁極片とを備え、第1と第2の各磁極片に、コイルを外嵌させた、歯車の周面に対し径方向に対向する複数の磁極部を設けるものにおいて、永久磁石は、その着磁方向が歯車の軸方向に沿うように配置され、第1と第2の両磁極片が永久磁石を歯車の軸方向両側から挟むようにして歯車の周方向にのび、第1磁極片の各磁極部とこれと対を成す第2磁極片の各磁極部とが歯車の歯筋方向に並ぶことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、各磁極片がその長手方向に沿う側面で永久磁石の各極に接続されることになる。そのため、各磁極片の厚さ方向、または高さ方向の寸法を長くして各磁極片の断面積を大きくしなくても、永久磁石の各極と各磁極片との磁束が流入する接合面積を大きくすることができる。従って、各磁極片の断面積増加による速度発電機の大型化を招くことなく、永久磁石の各極と各磁極片との接合面積を大きくして、出力電圧を向上させることができる。そのため、コイル巻数を増やす必要がなく、小型・軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の多出力速度発電機の構成図。
図2図1のII−II線で切断した断面図。
図3】実施形態の多出力速度発電機の要部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図3を参照して、多出力速度発電機1は、歯車Gの回転速度を検出するために、歯車Gの周面に臨ませて設けられている。多出力速度発電機1は、永久磁石2と、永久磁石2の一方の極と他方の極に夫々接続される第1と第2の一対の磁極片3,3とを備えている。
【0011】
第1と第2の各磁極片3,3には、所定巻数のコイル4を外嵌させた、歯車Gの周面に対し径方向に対向する複数、例えば、第1と第2の2つの磁極部3a,3b、3a,3bが設けられている。
【0012】
永久磁石2は、その着磁方向が歯車Gの軸方向に沿うように配置されている。そして、第1と第2の両磁極片3,3が、永久磁石2を歯車Gの軸方向両側から挟むようにして、歯車Gの周方向にのびるように配置されている。
【0013】
また、第1磁極片3の第1磁極部3aとこれと対を成す第2磁極片3の第1磁極部3aとが歯車Gの歯筋方向に並ぶと共に、第1磁極片3の第2磁極部3bとこれと対を成す第2磁極片3の第2磁極部3bとが歯車Gの歯に対する位相を第1磁極部3a,3aとは異ならせた状態で歯車Gの歯筋方向に並んでいる。そして、第1磁極片3の第1磁極部3aに外嵌させたコイル4と第2磁極片3の第1磁極部3aに外嵌させたコイル4を直列接続して、このコイル組から歯車Gの歯数と歯車Gの回転数とで定まる周波数の交流電圧が出力され、更に、第1磁極片3の第2磁極部3bに外嵌させたコイル4と第2磁極片3の第2磁極部3bに外嵌させたコイル4を直列接続して、このコイル組から上記交流電圧と同一周波数で且つ位相の異なる交流電圧が出力されるようにしている。尚、第1磁極片3の第1磁極部3aに外嵌させたコイル4と第2磁極片3の第1磁極部3aに外嵌させたコイル4を直列接続せずに夫々単体で、また、第1磁極片3の第2磁極部3bに外嵌させたコイル4と第2磁極片3の第2磁極部3bに外嵌させたコイル4を直列接続せずに夫々単体で電力出力するようにしてもよい。
【0014】
また、本実施形態において、歯車Gははすば歯車であるため、第1と第2の両磁極片3,3の第1磁極部3a,3a同士と第2磁極部3b,3b同士は、夫々歯車Gの軸方向に対し歯筋の傾斜角分だけ傾斜した方向に並んでいる。歯車Gが平歯車である場合は、歯筋が歯車の軸方向に平行になるため、これら第1磁極部3a,3a同士と第2磁極部3b,3b同士は、夫々歯車の軸方向に並べればよい。
【0015】
ところで、歯車Gの回転に伴いコイル4から出力される出力電圧を高くするには、永久磁石2から磁束が流れ込む各磁極片3,3の磁束流入面積、即ち、永久磁石2の各極と各磁極片3,3の接合面積を大きくする必要がある。ここで、本実施形態では、永久磁石2は、その着磁方向が歯車Gの軸方向に沿うように配置され、第1と第2の両磁極片3,3が永久磁石2を歯車Gの軸方向両側から挟むようにして歯車Gの周方向にのびるため、各磁極片3,3がその長手方向に沿う側面で永久磁石2の各極に接続されることになる。そのため、各磁極片3,3の厚さ方向、または高さ方向の寸法を長くして断面積を大きくしなくても、永久磁石2の各極と各磁極片3,3との接合面積を大きくすることができる。従って、各磁極片3,3の断面積増加による速度発電機の大型化を招くことなく、永久磁石2の各極と各磁極片3,3との接合面積を大きくして、出力電圧を向上させることができる。
【0016】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、各磁極片3,3に2個の磁極部を設けているが、磁極部を3個以上設けてもよい。
【符号の説明】
【0017】
G…歯車、1…多出力速度発電機、2…永久磁石、3,3…磁極片、3a〜3b…磁極部、4…コイル。
図1
図2
図3