特許第6875888号(P6875888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875888
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】給電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20210517BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20210517BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20210517BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20210517BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20210517BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   H02J7/00 302C
   H02J7/00 X
   H02J7/34 B
   H02J7/35 K
   H02J3/32
   H02J3/38 130
   H01M10/48 P
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-46951(P2017-46951)
(22)【出願日】2017年3月13日
(65)【公開番号】特開2018-152970(P2018-152970A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100119220
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091971
【弁理士】
【氏名又は名称】米澤 明
(74)【代理人】
【識別番号】100095120
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 亘彦
(74)【代理人】
【識別番号】100092495
【弁理士】
【氏名又は名称】蛭川 昌信
(74)【代理人】
【識別番号】100088041
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 龍吉
(72)【発明者】
【氏名】山根 俊博
【審査官】 佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−005930(JP,A)
【文献】 特開2016−163400(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/020645(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
H02J 3/32
H02J 3/38
H02J 7/34
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電圧制御されることで、給電ラインに対して給電を行う定電圧制御蓄電装置と、
定電流制御されることで、前記給電ラインに対して給電を行う定電流制御蓄電装置と、からなる給電システムであって、
前記定電圧制御蓄電装置をどの程度利用するかに係る値である利用率を設定する利用率設定手段と、
前記定電圧制御蓄電装置の蓄電残量を取得する定電圧制御蓄電装置蓄電残量取得手段と、
前記定電流制御蓄電装置の蓄電残量を取得する定電流制御蓄電装置蓄電残量取得手段と、
前記利用率設定手段で設定された利用率と、前記定電圧制御蓄電装置蓄電残量取得手段で取得された蓄電残量と、前記定電流制御蓄電装置蓄電残量取得手段で取得された蓄電残量と、から前記定電流制御蓄電装置によって給電ラインに対して給電する電力量を演算する演算手段と、からなることを特徴とする給電システム。
【請求項2】
前記定電流制御蓄電装置が複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立運転時に定電圧制御されることで給電を行う定電圧制御蓄電装置と、定電流制御されることで給電を行う定電流制御蓄電装置と、から構成される給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CO2削減を目的として太陽光発電や風力発電に代表される自然エネルギーの活用技術への取り組みが活発化している。太陽光発電を有効に活用する方法としては、通常時は商用系統と連系してピークカット運転を行い、商用系統停電等の非常時にBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)用の電源として利用することが考えられる。
【0003】
上記のような電源として、例えば、引用文献1(特開2016−25746号公報)には、自立運転システムにおける電力貯蔵部の利用効率を向上させるために、交流母線との間で電力の授受を行う複数の電力貯蔵装置を有する電力貯蔵システムであって、前記電力貯蔵装置は、電力貯蔵部と、前記交流母線と前記電力貯蔵部との間で電力の充放電を行う電力変換部と、前記電力変換部の充放電を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記電力貯蔵部の充電率が、前記複数の電力貯蔵部のそれぞれの充電率から算出される基準充電率よりも高いほど、前記電力変換部の交流電圧の周波数が高くなるように前記電力変換部を制御し、前記電力貯蔵部の充電率が前記基準充電率よりも低いほど前記交流電圧の周波数が低くなるように前記電力変換部を制御するものが提案されている。
【0004】
また、引用文献2(特開2011−5567号公報)においては、負荷変動に対する応答性能が異なる複数の分散型電源を統合的に制御する分散型電源の制御方法であって、分散型電源は、蓄電装置を備え、蓄電装置の残存容量と目標残存容量との差分値に基づいて、蓄電装置と比較して応答性能が同等以下の電源で補償するべき成分を求め、該補償するべき成分を蓄電装置と比較して応答性能が同等以下の電源で補償する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2016−25746号公報
【特許文献2】特開2011−5567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の引用文献1及び引用文献2記載のように、電源を構成する上では、蓄電装置の充放電制御が不可欠となる。ここで、図4を参照して、複数の蓄電装置から構成される従来の給電システムの一例について説明する。
【0006】
図4は、停電時に蓄電装置と太陽光発電を組み合わせて電力供給を行うためのシステム構成の一例を示すものである。
【0007】
商用系統との連系運転時は、給電ライン遮断器191が投入状態となっており、太陽光発電や電力負荷の変動に応じて蓄電装置137の出力制御を行うことにより、ピークカット運転を行う。停電時は給電ライン遮断器191を開放し、蓄電装置137と、太陽光発電(太陽電池140)による自立運転により給電ラインを介して重要負荷150に電力を供給する。
【0008】
自立運転時に蓄電装置137を複数台利用する場合(図4では3台)、いずれか1台を定電圧制御として装置自身が出力制御を行い、その他は定電流制御として主制御部110から出力制御することが一般的に行われる。
【0009】
しかしながら、このような従来の蓄電装置137の出力制御方法によっては、各蓄電装置137の蓄電残量(以下、SOCともいう)にアンバランスが生じ、蓄電電力を最後まで使いきれない可能性がある、という問題があった。
【0010】
引用文献1記載のものにおいては、複数の蓄電池の出力を電圧制御により制御し、SOC値により各蓄電池の出力周波数を調整してSOCのアンバランスを防止しているが、蓄電装置自体の改造が必要となりコストアップにつながる、という問題があった。
【0011】
また、引用文献2記載のものにおいては、蓄電容量が小さな電気2重層キャパシタなどのSOC低下を防止するための管理を行うが、複数の蓄電装置が同程度の蓄電容量の場合には対応することができない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するものであって、本発明に係る給電システムは、定電圧制御されることで、給電ラインに対して給電を行う定電圧制御蓄電装置と、定電流制御されることで、前記給電ラインに対して給電を行う定電流制御蓄電装置と、からなる給電システムであって、前記定電圧制御蓄電装置をどの程度利用するかに係る値である利用率を設定する利用率設定手段と、前記定電圧制御蓄電装置の蓄電残量を取得する定電圧制御蓄電装置蓄電残量取得手段と、前記定電流制御蓄電装置の蓄電残量を取得する定電流制御蓄電装置蓄電残量取得手段と、前記利用率設定手段で設定された利用率と、前記定電圧制御蓄電装置蓄電残量取得手段で取得された蓄電残量と、前記定電流制御蓄電装置蓄電残量取得手段で取得された蓄電残量と、から前記定電流制御蓄電装置によって給電ラインに対して給電する電力量を演算する演算手段と、からなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る給電システムは、前記定電流制御蓄電装置が複数設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る給電システムによれば、商用系統が停電となった際、自立運転を行うことができる電源系統を、コストを抑制しつつ構築できると共に、各蓄電装置の蓄電電力をバランス良く利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る給電システム100が含まれる電力系統の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る給電システム100の制御処理のフローチャートを示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る給電システム100の利用率変更処理のフローチャートを示す図である。
図4】従来の給電システムが含まれる電力系統の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る給電システム100が含まれる電力系統の一例を示す図である。
【0017】
図1は本発明の実施形態に係る給電システムの概要を示す図である。図1において、100は給電システム、110は主制御部、130は蓄電池、133は制御部、135はインバーター、137は蓄電装置、140は太陽電池、145はパワーコンディショナー、150は重要負荷、180は一般負荷、191は給電ライン遮断器、192は受電点遮断器、200は商用電源をそれぞれ示している。
【0018】
なお、図1には単相分即ち一相分の結線と制御系だけを図示してある。また、本実施形態に係る給電システム100においては、最も重要な負荷(150)を含み停電直後においても自立する範囲である範囲(R)が定義されている。
【0019】
一般負荷180は、商用電源200が停電その他の異常状態に陥った時には給電が遮断される。一方、重要負荷150は、例えばサーバーなどの重要度の高い負荷である。
【0020】
この重要負荷150の接続ラインには、商用電源200が停電しても、非常用発電機190が停止しても自立運転を可能にするため、インバーター(INV)135を介して蓄電池130が接続されるとともに、パワーコンディショナー(PCS)145を介して太陽電池140が接続される。
【0021】
給電システム100は、複数の蓄電装置137によって構成されている。本実施形態では、給電システム100は、N台の蓄電装置137から構成されるが、本発明に係る給電システム100においては、設ける蓄電装置137は2台以上であり、このうち1台が定電圧制御されるものであり、その他1台以上は定電流制御されるものであることが必須の構成要件となる。
【0022】
本実施形態ではn=1の蓄電装置137は定電圧制御されるものであり、n=2〜Nの蓄電装置137は定電流制御されるものである。
【0023】
各蓄電装置137は、電力が蓄電される二次電池である蓄電池130と、蓄電池130に蓄電された電力を所定周波数の電力に変換すると共に、蓄電池130に蓄電するための電力を直流に変換するインバーター135(充放電制御回路)が設けられている。
【0024】
インバーター135は、交流と直流との間を双方向に電力変換する双方向型の電力変換装置であり、商用電源200や太陽光電池140から蓄電池130を充電するときの動作モードでは交流を直流に変換し、重要負荷150に蓄電池130から放電するときの動作モードでは直流を交流に変換する。
【0025】
また、インバーター135は、制御部133からの指令に基づいて、蓄電池130の充放電を制御する。一方、制御部133は、上位装置である主制御部110からの出力制御信号に受信し、インバーター135に対して制御指令を発するように構成されている。一方、蓄電池130の蓄電残量(SOC)は、適当な方法により検出されると共に、n=1〜Nの蓄電装置137のSOCデータ(SOCCV,SOCCC-2,・・,SOCCC-n,・・,SOCCC-N)は、上位装置である主制御部110に対して送信されるようになっている。
【0026】
主制御部110は本発明に係る給電システム100の各制御を行うためのメインコントローラである。このような主制御部110としては、CPUやRAM、ROM等を備える汎用の情報処理装置を用い、入力された所定情報に基づいて所定ブロックへの命令を出力する動作を前記CPUに実行させるプログラムを予め前記ROMに記憶させることによって実現することが可能である。
【0027】
太陽光電池140は、パワーコンディショナー145を介して重要負荷150の接続ラインに接続して、一般負荷180や重要負荷150に独立して発電出力を供給することができる。パワーコンディショナー145は、重要負荷150の接続ラインの所定の周波数や電圧に適合していない太陽光電池140の直流出力を所定の交流電力に変換し、周波数や電圧を給電ラインの電力に適合させる。パワーコンディショナー145の出力部には、例えば電力を最大限に供給できるように電流制御方式のインバーターを備えている。
【0028】
なお、本発明に係る給電システム100においては、太陽光電池140は必ずしも必須の構成要件ではない。
【0029】
給電ライン遮断器191は、一般負荷180が接続される商用電源200の給電ラインが給電状態にある通常の負荷運転時に投入され、商用電源200の給電ラインが停電状態になると開放(遮断)される。
【0030】
商用電源200の給電ラインが停電状態になると、給電システム100は自立運転時の動作モードとなり、主制御部110が各蓄電装置137に対して出力制御信号を送信する。
【0031】
ここで、本発明に係る給電システム100が採用されている電力系統では、自立運転中に定電圧制御の蓄電装置137(n=1)が停止すると、全ての蓄電装置からの電力供給が完全停止する。これは、定電圧制御の蓄電装置137(n=1)が自立運転範囲の電圧・周波数を生成する役割を有しており、定電流制御の蓄電装置137(n=2〜N)のみでは電力供給は出来ないためである。
【0032】
逆に定電流制御の蓄電装置137(n=2〜N)のうちの何台かがSOC低下により停止した場合は、電力供給を継続可能である。ただし、この場合、蓄電装置から供給可能な最大電力が低下するため、必要に応じて電力供給を行う負荷を選定する必要がある。
【0033】
上記を鑑み、本発明に係る給電システム100においては、特に定電圧制御の蓄電装置137(n=1)の利用率αを設定し、これにより特に定電圧制御の蓄電装置137(n=1)のSOCが極端に低下することを防止するようにしている。
【0034】
利用率αは、0≦α≦1を満たす定数である。α=0とすると定電流制御の蓄電装置137(n=2〜N)のみから放電し、定電圧制御の蓄電装置137(n=1)の放電はほぼゼロになる。定電圧制御の蓄電装置137(n=1)の蓄電電力を温存し、定電流制御の蓄電装置のSOC低下による停止後も特定の重要負荷150(サーバなどの特に重要な負荷)への電力供給を継続できる。
【0035】
α=1とした場合、自立運転時に各SOCCC-nはSOCCVと同程度の値となり、全ての蓄電装置137についてSOCのアンバランスを防止することが可能となる。停電が継続した場合、全ての蓄電装置137のSOCはほぼ同時に0%となり、電力供給を停止する。重要負荷150内の負荷に特に優先順位がない場合などにα=1とすればよい。
【0036】
以上を踏まえ、商用電源200が停電となり、本発明に係る給電システム100が自立運転時の動作モードとなったときの制御処理のアルゴリズムを説明する。図2は本発明の実施形態に係る給電システム100の制御処理のフローチャートを示す図である。
【0037】
図2において、ステップS100で制御処理が開始されると、続いて、ステップS101では、全ての蓄電装置137のSOCCV,SOCCC-2,・・,SOCCC-n,・・,SOCCC-Nが取得される。
【0038】
続いて、ステップS102に進み、定電流制御の蓄電装置137(n=2〜N)が給電ラインに対して給電を行う電力量であるBATCC-2,・・,BATCC-n,・・,BATCC-Nを下式(1)により演算する。
【0039】
【数1】
【0040】
ここで、Load[kW]は重要負荷150の負荷の値であり、PV[kW]は太陽電池140が給電ラインに対して供給する電力量である。Load[kW]やPV[kW]は直接検出し、検出した値を式(1)に適用することができるし、或いは、Load[kW]やPV[kW]の値を予め設定しておき、設定した値を式(1)に適用することもできる。本発明に係る給電システム100において、式(1)による演算を実行することを演算手段と称することとする。
【0041】
続く、ステップS103では、これまでのステップで演算されたBATCC-2,・・,BATCC-n,・・,BATCC-Nを各蓄電装置137に送信する。
【0042】
ステップS104では、制御処理を終了する。
【0043】
一方、定電圧制御の蓄電装置137(n=1)が給電ラインに対して給電を行う電力量であるBATCVは下式(2)となる。
【0044】
【数2】
【0045】
ここで、本発明に係る給電システム100が自立運転時の動作モードとなったとき、利用率αを適宜変更しつつ、定電圧制御の蓄電装置137(n=1)のSOCを温存する利用率変更処理のアルゴリズムについて説明する。図3は本発明の実施形態に係る給電システム100の利用率変更処理のフローチャートを示す図である。このような利用率変更処理は、給電システム100において自立運転時の動作モード中に実行されるものである。
【0046】
図3において、ステップS200で利用率変更処理が開始されると、ステップS201では、α=1がセットされる。すなわち、給電システム100の自立運転時の初期においては、定電圧制御の蓄電装置137(n=1)も、他の定電流制御の蓄電装置137(n=2〜N)と同様の条件で、放電を行うような設定とされる。
【0047】
ステップS202では、SOCCVが取得され、ステップS203では、SOCCV<SOCAが真であるか否かが判定される。ここで、SOCAは定数であり、第1の閾値として利用されるものである。
【0048】
ステップS203の判定がNOである間は、ステップS202に戻りループする。一方、ステップS203の判定がYESであると、ステップS204に進み、α=0.5に設定し、定電圧制御の蓄電装置137(n=1)の利用率を抑制する。
【0049】
続く、 ステップS205では、SOCCVが取得され、ステップS206では、SOCCV<SOCBが真であるか否かが判定される。ここで、SOCB<SOCAを満たす定数であり、第2の閾値として利用されるものである。
【0050】
ステップS206の判定がNOである間は、ステップS205に戻りループする。一方、ステップS206の判定がYESであると、ステップS204に進み、α=0.1に設定し、定電圧制御の蓄電装置137(n=1)の利用率をさらに抑制する。
【0051】
なお、α=1、α=0.5、α=0.1は一つの数値例に過ぎない。また、判定条件で用いた閾値の数も、本実施形態のように2つに限定されるものでない。
【0052】
以上のような本発明に係る給電システム100によれば、商用系統が停電となった際、自立運転を行うことができる電源系統を、コストを抑制しつつ構築できると共に、各蓄電装置137の蓄電電力をバランス良く利用することが可能となる。
【0053】
本発明に係る給電システム100によれば、自立運転時、複数の蓄電装置137のSOCのアンバランスが防止できるため、蓄電装置に蓄電された電力を無駄なく最後まで使い切ることができる。 これにより、蓄電装置137による自立運転の運転時間を最大化できる。
【0054】
また、サーバーなどの特に重要な特定の負荷がある場合は、特定負荷のみさらに運転時間を延長することも可能である。
【0055】
また、本発明に係る給電システム100で用いる蓄電装置137の機能は、自立運転機能と出力制御のみであり、市販の一般的な蓄電装置137に適用可能(自立運転時の周波数の制御は不要)である。
【0056】
なお、実施形態の式(1)において、例えばBATCC-2が蓄電装置137(n=2)の最大出力BATMAX CC-2を上回った場合、BATCC-2= BATMAX CC-2とし、BAT CC-3〜BATCC-Nを下式(3)にて再計算する。
【0057】
【数3】
【0058】
同様に全ての蓄電装置出力が最大出力以下となるように逐次再計算を繰り返すようにするようにすればよい。
【符号の説明】
【0059】
100・・・給電システム
110・・・主制御部
130・・・蓄電池
133・・・制御部
135・・・インバーター
137・・・蓄電装置
140・・・太陽電池
145・・・パワーコンディショナー
150・・・重要負荷
180・・・一般負荷
191・・・給電ライン遮断器
192・・・受電点遮断器
200・・・商用電源
図1
図2
図3
図4