(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875892
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】封止装置
(51)【国際特許分類】
B65D 51/22 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
B65D51/22 120
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-53769(P2017-53769)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-154385(P2018-154385A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(74)【代理人】
【識別番号】100171848
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 裕美
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 孝光
(72)【発明者】
【氏名】亀田 克巳
(72)【発明者】
【氏名】船島 諒
(72)【発明者】
【氏名】金野 誠
【審査官】
家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/115857(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/083724(WO,A1)
【文献】
特開2017−024773(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0011697(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体とキャップとを備え、前記本体と前記キャップとの間に設けられた正ネジタイプの第1締結部によって、前記キャップの着脱を可能にするとともに、前記第1締結部よりも内側において前記本体と前記キャップとの間に設けられた逆ネジタイプの第2締結部によって、開封に際して前記本体から中栓を分離して前記キャップに捕捉させる封止装置であって、
開封前において前記本体に前記キャップを組付けた状態で、前記第2締結部を構成するキャップ内ネジと中栓内ネジとの間には、ネジ軸に沿った上下方向に関して対向するネジ山間の全体にクリアランスが設けられている、封止装置。
【請求項2】
前記キャップ内ネジは、前記キャップの天板から下に延びるキャップ円筒部の外側面に形成され、前記中栓内ネジは、前記中栓の封止体の外縁から上に延びる中栓円筒部の内側面に形成されている、請求項1に記載の封止装置。
【請求項3】
前記中栓と前記本体の外周部との間に、薄肉部を有する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項4】
前記キャップ円筒部の先端部の外周面と前記中栓円筒部の根元部の内周面とは、径方向に接している、請求項2及び3のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項5】
前記キャップ円筒部の根元部の外周面と前記中栓円筒部の先端部の内周面とは、径方向に接している、請求項2〜4のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項6】
前記キャップの天板から下に延びて前記中栓円筒部を周囲から覆う円筒状の外側サポート部をさらに備え、
前記外側サポート部の先端部の内周面と前記中栓円筒部の根元部の外周面とは、径方向に接している、請求項2〜5のいずれか一項に記載の封止装置。
【請求項7】
前記キャップ内ネジと前記中栓内ネジとは、前記中栓を前記キャップ側の支持部から引き抜くよりも前記中栓を前記支持部に押し込むことを容易にするかえり形状を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の封止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口部に装着される封止装置に関し、特に外ネジと内ネジとを有する封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器の口部に用いられる公知の封止装置として、本体と上蓋とを備え、本体において、ボトルの口部に嵌着される筒状部と、その内側にスコアーを介して連設されている分離部又は中栓とを設けたものが存在する(特許文献1参照)。
【0003】
この封止装置では、予め本体の分離部を上蓋に対して逆ネジで取り付けてあり、分離部等の取り付けを容易にしつつ取り外しを困難にするため、ネジ山の断面をかえり形状又はバーブ状としている。これにより、開封時にボトルの口部に対して順ネジで取り付けられた上蓋を外すようにねじ戻すことによって本体の分離部と上蓋とに移動差を生じさせ、或いは分離部を本体の外周側に対して強制的に回転させることができ、それによって本体の筒状部から分離部を分離するとともに、その分離部を上蓋に保持させることとしている。このキャップ構造によれば、上蓋を緩めるように回転させるだけで簡単に開封を行うことができ、開封によって分離された分離部を上蓋の上端内筒に保持させるので、分離後の分離部を開封後においてシールとして機能させることができ、分離部がいわゆるゴミとなることがない。
【0004】
しかしながら、上記封止装置では、分離部と本体の外周側との間に形成された薄肉部が開封前に破断し易くなる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2014/115857号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、開封前に分離部又は中栓と本体の外周側との間において切断予定部分に過度の力がかかることを防止して、切断予定部分の意図しない破断を生じにくくした封止装置を提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る封止装置は、本体とキャップとを備え、本体とキャップとの間に設けられた正ネジタイプの第1締結部によって、キャップの着脱を可能にするとともに、第1締結部よりも内側において本体とキャップとの間に設けられた逆ネジタイプの第2締結部によって、開封に際して本体から中栓を分離してキャップに捕捉させる封止装置であって、開封前において本体にキャップを組付けた状態で、第2締結部を構成するキャップ内ネジと中栓内ネジとの間には、ネジ軸に沿った
上下方向に関して対向するネジ山間の全体にクリアランスが設けられている。
【0008】
上記封止装置によれば、開封前において本体にキャップを組付けた状態で第2締結部を構成するキャップ内ネジと中栓内ネジとの間にネジ軸に沿った
上下方向に関して対向するネジ山間の全体にクリアランスが設けられているので、開封前に中栓と本体の外周側との間において切断予定部分に過度の力がかかることを防止して、切断予定部分の意図しない破断を生じにくくすることができる。
【0009】
本発明の具体的な態様又は観点では、上記封止装置において、キャップ内ネジは、キャップの天板から下に延びるキャップ円筒部の外側面に形成され、中栓内ネジは、中栓の封止体の外縁から上に延びる中栓円筒部の内側面に形成されている。
【0010】
本発明の別の観点では、中栓と本体の外周部との間に、薄肉部を有する。この場合、薄肉部が切断予定部分(切断される部分)となり、開封時に中栓を本体から切り離しやすくすることができる。
【0011】
本発明のさらに別の観点では、キャップ円筒部の先端部の外周面と中栓円筒部の根元部の内周面とは、径方向に接している。この場合、中栓とキャップとが径方向で接触し、キャップによって中栓を保持しているため、例えば紙カートンに注出口を超音波溶着する際に、薄肉部に対する超音波振動の影響が小さく抑えられるため、超音波振動による薄肉部の破れ、穴あき等を防ぐことができる。
【0012】
本発明のさらに別の観点では、キャップ円筒部の根元部の外周面と中栓円筒部の先端部の内周面とは、径方向に接している。この場合、中栓とキャップとが径方向で接触し、中栓が保持されているため、例えば紙カートンに注出口を超音波溶着する際に、薄肉部に対する超音波振動の影響が小さく抑えられるため、超音波振動による薄肉部の破れ、穴あき等を防ぐことができる。
【0013】
本発明のさらに別の観点では、キャップの天板から下に延びて中栓円筒部を周囲から覆う円筒状の外側サポート部をさらに備え、外側サポート部の先端部の内周面と中栓円筒部の根元部の外周面とは、径方向に接している。この場合、中栓とキャップとが径方向で接触し、キャップによって中栓を保持しているため、例えば紙カートンに注出口を超音波溶着する際に、薄肉部に対する超音波振動の影響が小さく抑えられるため、超音波振動による薄肉部の破れ、穴あき等を防ぐことができる。
【0014】
本発明のさらに別の観点では、キャップ内ネジと中栓内ネジとは、中栓を支持部から引き抜くよりも中栓を支持部に押し込むことを容易にするかえり形状を有する。この場合、キャップを本体側に組付ける際には、例えばキャップを締め込むように回転させることで、かえり形状が、ネジ山の強制的な乗り越えによってキャップを所定の位置まで押し込むことを許容する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る封止装置を説明するための断面図である。
【
図2】(A)及び(B)は、第2締結部の周辺構造を説明する拡大断面図である。
【
図3】第2締結部のネジ山を説明する拡大断面図である。
【
図4】第2締結部の開封前の締結状態を説明する断面図である。
【
図5】第2締結部の周辺の配置関係等を説明する拡大断面図である。
【
図6】外側サポート部の先端周辺を説明する拡大断面図である。
【
図7】
図1に示す封止装置の使用方法を説明する断面図である。
【
図8】
図1に示す封止装置の使用方法を説明する断面図である。
【
図9】
図1に示す封止装置の使用方法を説明する断面図である。
【
図10】
図1に示す封止装置の使用方法を説明する断面図である。
【
図11】
図1に示す封止装置の変形例を説明する拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、本発明に係る容器の封止装置の一実施形態について説明する。図示の封止装置100は、紙パック、パウチ容器等である容器2の孔2aに取り付けられる本体10と、本体10を覆うようにして本体10に装着されるキャップ20とによって構成されている。
【0017】
本体10は、樹脂製の一体成形品であり、容器2の孔2aの周縁部2bに沿って固定された外周部11と、開封時に外周部11から分離される中栓12とを備える。以下、開封とは、中栓12が外周部11から分離されることを意味し、開封後にキャップ20を開けることについては開栓と呼ぶことにする。
【0018】
本体10の外周部11は、中栓12の分離後に容器2の内容物のための注出口を形成する部分であり、本体10の軸心であるネジ軸AXに沿って容器2の外側又は上側に延びる円筒状の部材である本体外周壁31を有している。さらに、外周部11は、本体外周壁31の下端において半径方向外方に張り出す肉厚の本体台座32と、本体台座32の周面から半径方向外方に張り出す肉薄の溶着部33とを有している。溶着部33の上面は、容器2の周縁部2bの下面に対して超音波融着や接着剤による接着等によって固定されている。本体台座32の周面には、周方向2〜8箇所に等間隔に係止部34が半径方向外方に張り出して形成されている。この係止部34は、溶着部33に対してネジ軸AXに沿った方向に関して間隔をもって形成され、その間隔に、容器2の周縁部2bの内縁を圧入させることで、外周部11の周縁部2bからの脱落を補助的に防止する。また、本体10の本体外周壁31には、外周面に、キャップ20に螺着するための本体外ネジ51が形成されている。なお、ネジ軸AXとは、本体10及びキャップ20の中心を通る軸又はキャップ20の回転軸を意味する。
【0019】
図1及び
図2(A)等に示すように、本体10の中栓12は、底部に配置された円板状の封止体41と、この封止体41の外縁から上方に延びる円筒状の中栓円筒部42とを備えている。この封止体41の外縁と中栓円筒部42の下端部とが連結されている外周側境界部17は、環状の薄肉部15によって本体10の外周部11に連結されている。薄肉部15の下面には、環状でV溝状のスコアー16が形成されている。薄肉部15は、本体10から中栓12を分離する開封時に切断される。中栓円筒部42は、外側の本体外周壁31の内側に同芯で離間して配置されている。中栓円筒部42の内周面(内側面)には、本体外ネジ51に対して螺旋方向が異なり逆ネジの関係にある中栓内ネジ52が形成されている。
【0020】
キャップ20は、樹脂製の一体成形品であり、外側の部分として、円板状のキャップ天板21と、円筒状のキャップ外周壁22とを備える。キャップ外周壁22の周囲には、ローレットが形成されている。キャップ20は、キャップ外周壁22と同芯で内側に、最も内側に配置された内側支持部であるキャップ円筒部23と、キャップ円筒部23の外側に配置された外側サポート部24とを備える。また、キャップ外周壁22と外側サポート部24との間には、同様に同芯で円筒状であるがネジ軸AX方向に比較的短いインナーリング25が設けられている。このインナーリング25によって容器2の開口部11aのシールが図られている。キャップ円筒部23と、外側サポート部24と、インナーリング25とは、キャップ天板21によって連設されている。そして、キャップ外周壁22の内周側面には、本体10の本体外周壁31の外周側面に形成された本体外ネジ51に螺合するキャップ外ネジ53が形成され、キャップ円筒部23の外周面(外側面)には、本体10に設けた中栓12の中栓円筒部42の内周側面に形成された中栓内ネジ52に螺合するキャップ内ネジ54が形成されている。
【0021】
以上において、本体10の本体外周壁31の本体外ネジ51と、キャップ20のキャップ外周壁22のキャップ外ネジ53とは、キャップ20の本体10に対する着脱を可能にする第1締結部50aを構成している。また、本体10の中栓円筒部42の中栓内ネジ52と、キャップ20のキャップ円筒部23のキャップ内ネジ54とは、本体10のうち中栓12をキャップ20のキャップ円筒部23に締め付けて固定するための第2締結部50bを構成している。つまり、キャップ20のキャップ円筒部23は、第2締結部50bによって中栓12を捕捉して当該中栓12を本体10又は外周部11から分離するための支持部として機能している。第1締結部50aと第2締結部50bとは、互いに逆の螺進関係にある。具体的には、第1締結部50aは、反時計方向の回転で緩む正ネジタイプの螺合部であり、第2締結部50bは、反時計方向の回転で締まる逆ネジタイプの螺合部である。すなわち、キャップ20のキャップ外周壁22を上側から見て反時計方向に回転させることで第1締結部50aが緩むようにねじ戻されて上昇する場合、キャップ20のキャップ円筒部23を上側から見て反時計方向に回転させることになって第2締結部50bが締め込まれてさらに上昇する。ここで、例えば第2締結部50bのねじ込み方向又は螺進方向等について詳細に説明する。本体10の中栓円筒部42にとっては、ネジ軸AXに沿った上側が、キャップ20のキャップ円筒部23に対して下側から見て反時計方向の回転によってねじ込みを行う螺進方向になっており、ネジ軸AXに沿った下側がキャップ円筒部23に対してねじ戻しを行う反螺進方向になっている。また、キャップ円筒部23にとっては、ネジ軸AXに沿った下側が中栓円筒部42に対して上側から見て反時計方向の回転によってねじ込みを行う螺進方向になっており、ネジ軸AXに沿った上側が中栓円筒部42に対してねじ戻しを行う反螺進方向になっている。
【0022】
なお、第2締結部50b、すなわち本体10の中栓12に形成される中栓内ネジ52と、それに噛合するキャップ20のキャップ円筒部23に形成されるキャップ内ネジ54とは、中栓12を支持部としてのキャップ円筒部23から引き抜くよりも中栓12を支持部としてのキャップ円筒部23に押し込むことを容易にするかえり形状の突起となっている。具体的には、
図3に示すように、第2締結部50bを構成する雌ネジである中栓内ネジ52は、ネジ軸AXを通る図示のような断面において、先端側又は内側で本体10のネジ軸AXに沿ったねじ戻し方向又は反螺進方向(下側)に偏った断面形状を有するネジ山となっている。見方を変えれば、中栓内ネジ52は、中栓12を上方に変位させる際のキャップ内ネジ54との反螺進側の係合面であるネジ山下面52bが水平に近い角度(角度θ1)に形成され、基部の厚み(H1a)よりも先端部の厚み(H1b)が薄く設定されている。つまり、中栓内ネジ52は、螺進側の係合面であるネジ山上面52tが、反螺進側の係合面であるネジ山下面52bよりも少なく傾斜(角度φ1<θ1)するものとなっている。一方、第2締結部50bを構成する雄ネジであるキャップ内ネジ54は、ネジ軸AXを通る図示のような断面において、先端側又は外側で本体10のネジ軸AXに沿ったねじ戻し方向又は反螺進方向(上側)に偏った断面形状を有するネジ山となっている。見方を変えれば、キャップ内ネジ54は、中栓12を上方に変位させる際の中栓内ネジ52との反螺進側の係合面であるネジ山上面54tが水平に近い角度(角度θ2)に形成され、基部の厚み(H2a)よりも先端部の厚み(H2b)が薄く設定されている。つまり、キャップ内ネジ54は、螺進側の係合面であるネジ山下面54bが、反螺進側の係合面であるネジ山上面54tよりも少なく傾斜(角度φ2<θ2)するものとなっている。以上から明らかなように、本体10の中栓円筒部42に設けた中栓内ネジ52と、キャップ20のキャップ円筒部23に設けたキャップ内ネジ54とは、縦断面において点対称的に形成されている。なお、中栓内ネジ52のネジ山下面52bの角度θ1やキャップ内ネジ54のネジ山上面54tの角度θ2は90°を超える場合もある。
【0023】
図4に示すように、開封前において本体10にキャップ20を組付けた状態で、第2締結部50bを構成する中栓内ネジ52とキャップ内ネジ54との間には、ネジ軸AXに沿った上下の双方向に関して全体的にクリアランスが設けられている。つまり、中栓内ネジ52のネジ山上面52tと、これに対向するキャップ内ネジ54のネジ山下面54bとは、全周に亘って離間しており、中栓内ネジ52のネジ山下面52bと、これに対向するキャップ内ネジ54のネジ山上面54tとは、全周に亘って離間している。
【0024】
第2締結部50bのクリアランスは、上側方向と下側方向とでそれぞれ0mmより大きく、1.0mm以下となっている。具体的には、第2締結部50bのリードが4mmの場合、上下の総クリアランスは2.0mm以下となっている。このときの第2締結部50bの遊び角度については、+10度以上+90度以下及び/又は−90度以上−10度以下となっている。また、第1締結部50aの下側方向のクリアランスは、0.2mm以上1.0mm以下となっていることが好ましい。第2締結部50bの上側方向のクリアランスは、第1締結部50aの下側方向のクリアランスより少なく、かつ0.8mm以下となっていることが好ましい。
【0025】
図5に示すように、開封前において本体10にキャップ20を組付けた状態で、第2締結部50bを構成する中栓内ネジ52を設けた中栓円筒部42の先端とキャップ20とのネジ軸AX方向に関するクリアランスHは、キャップ20のキャップ天板21から下に延びて中栓円筒部42を周囲から覆う円筒状の外側サポート部24の先端と本体10とのネジ軸AX方向に関するクリアランスd2(最少のクリアランス)よりも大きい。クリアランスHは、例えば薄肉部15の厚みt以上3mm以下となっている。一方、クリアランスd2は、例えば0mm以上0.5mm以下となっている。
【0026】
また、
図6に示すように、外側サポート部24の先端部24dの内周側には、段差状に窪んだバリ受容部であるバリ収納部24rが形成されている。バリ収納部24rの径方向すなわちAB方向の外縁REは、薄肉部15の破断予定箇所RPよりも径方向すなわちAB方向の外側にある。これにより、バリ収納部24rによる破断部15a(
図9参照)の収納又は受容がより確実となる。また、バリ収納部24rのネジ軸AX方向に関する段差量hは、本体10の薄肉部15の厚みtよりも大きい。厚みtは、例えば0.05mm以上0.3mm以下である。
【0027】
図5に示すように、開封前において本体10にキャップ20を組付けた状態で、キャップ円筒部23の先端部23dの外周面23jと中栓円筒部42の根元部42pの内周面42jとは、ネジ軸AXに直交する径方向(図面上で左右方向に対応)に接している。外周面23jと内周面42jとは、周方向に沿って互いに分離する複数の円弧状の箇所で径方向に接していてもよい。また、キャップ円筒部23の根元部23pの外周面23kと中栓円筒部42の先端部42dの内周面42kとは、ネジ軸AXに直交する径方向(図面上で左右方向に対応)に接している。外周面23kと内周面42kとは、周方向に沿って互いに分離する複数の円弧状の箇所で径方向に接していてもよい。さらに、外側サポート部24の先端部24dの内周面24mと中栓円筒部42の根元部42pの外周面42mとは、ネジ軸AXに直交する径方向(図面上で左右方向に対応)に接している。内周面24mと外周面42mとは、周方向に沿って互いに分離する複数の円弧状の箇所で径方向に接していてもよい。
【0028】
図1を参照して、封止装置100の組み立て方法の一例について説明する。本体10とキャップ20とは、キャップ20に本体10を収納するようにキャップ20のキャップ外ネジ53に本体10の本体外ネジ51を係合させ、本体10を本体10側から見て時計方向に回転させ或いはキャップ20をキャップ20側から見て時計方向に回転させることによって、第1締結部50aは、ねじ込むように締め付けられ、螺合される。その際、別の箇所に形成された本体10の中栓内ネジ52とキャップ20のキャップ内ネジ54とは、逆ネジに形成されているが、両内ネジ52,54は上述のように押し込みに際して変形し易いかえり形状に形成されているので、互いに変形しながら両内ネジ52,54のネジ山を乗越えて互いに噛合される。この際、外側サポート部24の先端部24dは、薄肉部15の外側の連結部31aの上面に近接又は当接する。
【0029】
このようにして本体10とキャップ20とが互いに係合された状態では、本体10とキャップ20との間隔が調整され、中栓内ネジ52とキャップ内ネジ54との間には、ネジ軸AXに沿った上下の双方向に関して全体的にクリアランスが設けられている(
図4参照)。さらに、このような開封前の係合状態では、
図1等に示すように、外側サポート部24とキャップ円筒部23との基部に形成される凹部Eに、中栓円筒部42の先端部42dが収容される。また、本体外周壁31の先端に形成されたリップ部31bがキャップ20のキャップ天板21の下面21tに当接した状態に位置される。本体10とキャップ20とを正規の位置に巻き締めた状態において、中栓円筒部42の先端部42dとキャップ20のキャップ天板21との間には上記クリアランスHに対応する隙間Gが形成されている。隙間Gを有することにより、後述する開封動作において、第2締結部50bの中栓内ネジ52とキャップ内ネジ54とが螺合し、中栓12を引き上げる力が働き、薄肉部15が破断するまでの間に、中栓12がキャップ20のキャップ天板21方向に移動する。つまり、薄肉部15の一対の破断面が上下方向にずれることになる。これにより、中栓12を分離した後のキャップ20を再度閉めても当該破断面が触れ合うことがない。そのため、破断面同士が擦れることによる破断面付近の薄肉のバリの剥がれを防ぐことができる。また、中栓12自体が緩んでキャップ20から外れることを防ぐことができる。
【0030】
上述のようにして組立てられた封止装置100(本体10及びキャップ20)は、
図1に示すように、紙パック等の容器2の孔2aに裏側から挿入され、その孔2aの内周面に本体10の本体台座32の外周面が嵌合され、超音波接着や接着剤による接着等によって容器2に接合される。
【0031】
以下、上記実施形態の封止装置100の開封動作について、
図1、
図7〜
図10等を参照しながら説明する。
【0032】
まず、
図1に示すように、キャップ20が第1及び第2締結部50a,50bの回転動作前の基準位置又は初期位置(奥までねじ込んだ状態)にあり、中栓12と本体外周壁31とが結合状態にあって、容器2の開口部11aが封止された状態にある。
【0033】
図7に示すように、
図1の状態からキャップ20を緩める方向、即ち反時計回りに回転させると、キャップ20は所定の回転角度分空回りし、その間に中栓内ネジ52のネジ山下面52bとキャップ内ネジ54のネジ山上面54tが当接する。更にキャップ20を反時計回りに回転させると、
図8に示すように、キャップ外ネジ53が本体外ネジ51に当接する。この時、中栓12は、キャップ20と逆ネジによって螺合されているので、第2締結部50bの締め付けが開始され、中栓12が上方に移動させられ、それに伴い薄肉部15が上方に伸ばされる。つまり、第2締結部50bの締め付けが若干進行し、中栓12は、外周部11に対して上から見て反時計回りに回転しながら上方に移動させられる。更にキャップ20を反時計回りに回転させると、キャップ外ネジ53と本体外ネジ51の螺合によりキャップ20は上方に移動し、その間に本体10の薄肉部15が更に伸びて破断されて、
図9に示すように、中栓12は本体外周壁31から離脱され、開封される。
【0034】
この状態においては、中栓12は、
図9に示すように、中栓12のキャップ内ネジ54のネジ山上面54tが中栓円筒部42の中栓内ネジ52のネジ山下面52bに当接するとともに、中栓円筒部42の先端部42dが凹部Eにおいてキャップ天板21の下面21tに近接又は当接し、それによって螺合による係止状態が維持され、キャップ20に保持される。さらに、薄肉部15の中栓12側の破断部15bは、バリ収納部24rに全体的に収納されて凹所にあり、連結部31a側の破断部15aと触れ合うことが回避される。
【0035】
さらに、キャップ20を緩める方向に回転させると、キャップ20は本体外周壁31から離れ、それによって容器2内の内容物を注ぐことができるようになる。その際、中栓12は、キャップ20に確保されキャップ20に対してある程度締め付けられた状態となっているので、離脱するおそれはない。つまり、一旦開封が行われた後は、本体10側に固定されていた中栓12がキャップ20側に固定されることになる。
【0036】
図10を参照して開封後について説明すると、キャップ20のキャップ外ネジ53を本体10の本体外ネジ51に螺合させ、キャップ20を時計方向に回転させると、本体外周壁31の上端に形成されているリップ部31bがキャップ20のキャップ天板21の下面21tに当接し、かつ、外側サポート部24の先端部24dが薄肉部15の外側面に密着する。中栓12はキャップ20のキャップ天板21の方向に引き上げられているため、薄肉部15の破断面は、上下にずれていて互いに触れ合わない。また、キャップ20を締め込んでも、中栓12側の破断部15bがバリ収納部24rに全体的に収納されており、かつ、外側サポート部24の先端部24dが薄肉部15の外側面に当たるため、中栓12側の破断部15bと外周部11側の破断部15aとが触れることはない。
【0037】
以上説明した容器の封止装置によれば、開封前において本体10にキャップ20を組付けた状態で第2締結部50bを構成するキャップ内ネジ54と中栓内ネジ52との間にネジ軸AXに沿った上下の双方向に関して全体的にクリアランスが設けられているので、開封前に中栓12と本体10の外周側、すなわち外周部11との間に形成された切断予定部分である薄肉部15に過度の力がかかることを防止して、薄肉部15の意図しない破断を生じにくくすることができる。
【0038】
以上、本実施形態に係る封止装置について説明したが、本発明に係る封止装置は上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、第1締結部50aを構成している本体外ネジ51及びキャップ外ネジ53のピッチ、巻き数、ネジ山高さ等の仕様は、適宜用途に応じて変更することができる。また、第2締結部50bを構成しているキャップ内ネジ54及び中栓内ネジ52のピッチ、巻き数、ネジ山高さ等の仕様も、適宜用途に応じて変更することができる。
【0039】
また、上記実施形態において、キャップ20の外側サポート部24については、これを省略することもできる。
【0040】
また、上記実施形態において、本体10の中栓円筒部42とキャップ20のキャップ円筒部23とは、内外を入れ替えることもできる。この場合も、中栓円筒部42の雄ネジとキャップ円筒部23の雌ネジとは、第1締結部50aに対して逆の螺進関係の第2締結部50bを構成する。
【0041】
上記実施形態において、第2締結部50bを構成する中栓内ネジ52及びキャップ内ネジ54の形状は、
図1等に例示するものに限らず、押し込むことを容易にするかえり形状を有するネジ山であればよく、様々な断面形状とできる。また、第2締結部50bを構成する中栓内ネジ52やキャップ内ネジ54は、連続的に螺旋状に形成されるものに限らず、分離した複数の部分からなるものとできる。
【0042】
上記実施形態において、外側サポート部24の先端部24dには、段差状に窪んだバリ収納部24rが形成されているが、
図11に示すように、段差状の窪みを設けず、平坦な面としてもよい。この場合、先端部24dは薄肉部15に当接しない構成とすることが好ましい。また、外側サポート部24の先端と本体10とのネジ軸AX方向に関するクリアランスd2は、本体10の薄肉部15の厚みtよりも大きい。
【0043】
上記実施形態において、本体10の溶着部33の上面を、容器2の周縁部2bの下面に対して固定したが、溶着部33の下面を、周縁部2bの上面に対して固定してもよい。この場合、本体10の本体台座32と溶着部33とを同じ厚みとし、係止部34を省略してもよい。
【符号の説明】
【0044】
2…容器、 2a…孔、 2b…周縁部、 10…本体、 11…外周部、 11a…開口部、 12…中栓、 15…薄肉部、 16…スコアー、 17…外周側境界部、 20…キャップ、 21…キャップ天板、 22…キャップ外周壁、 23…キャップ円筒部、 23d…先端部、 24…外側サポート部、 24d…先端部、 24r…バリ収納部、 25…インナーリング、 31…本体外周壁、 31a…連結部、 31b…リップ部、 32…本体台座、 33…溶着部、 34…係止部、 41…封止体、 42…中栓円筒部、 42d…先端部、 50a…第1締結部、 50b…第2締結部、 51…本体外ネジ、 52…中栓内ネジ、 53…キャップ外ネジ、 54…キャップ内ネジ、 100…封止装置、 AX…ネジ軸