(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体とキャップとを備え、前記本体と前記キャップとの間に設けられた正ネジタイプの第1締結部によって、前記キャップの着脱を可能にするとともに、前記第1締結部よりも内側において前記本体と前記キャップとの間に設けられた逆ネジタイプの第2締結部によって、開封に際して前記本体から中栓を分離して前記キャップに捕捉させる封止装置であって、
開封前において前記本体に前記キャップを組付けた状態で、前記キャップを緩める方向に回転させた場合に、前記キャップが前記本体の外周部から離れる上方向に移動を開始するタイミングが、前記中栓が前記本体の外周部から離れる上方向に移動を開始するタイミングと同じ又は遅くなるように設定され、
前記第1締結部の緩み方向のネジ山間のクリアランスと、前記第1締結部のリードとに基いて決定される第1緩み解消角度が、前記第2締結部の締め方向のネジ山間のクリアランスと、前記第2締結部のリードとに基いて決定される第2緩み解消角以上となるように設定され、
前記第1緩み解消角度は、前記第2緩み解消角に対して、前記キャップを緩める回転に伴う前記本体の前記中栓の外縁に設けた薄肉部の厚み分だけ前記中栓を上昇させることに相当するズレ生成角を加算した量以上に大きい、封止装置。
前記第1緩み解消角度は、前記第2緩み解消角に対して、前記キャップを緩める回転に伴う前記本体の前記中栓の引き上げ開始から前記中栓の外縁に設けた薄肉部が切れるまでの引き上げ量に相当する破断生成角を加算した量以上に大きい、請求項1に記載の封止装置。
前記第2締結部を構成するキャップ内ネジ及び中栓内ネジのうち前記キャップ内ネジは、前記キャップの天板から下に延びるキャップ円筒部の外側面に形成され、前記中栓内ネジは、前記中栓の封止体の外縁から上に延びる中栓円筒部の内側面に形成されている、請求項1〜2のいずれか一項に記載の封止装置。
開封前において前記本体に前記キャップを組付けた状態で、前記第2締結部を構成する中栓内ネジを設けた中栓円筒部の先端と前記キャップとのネジ軸方向に関するクリアランスは、前記キャップの天板から下に延びて前記中栓円筒部を周囲から覆う円筒状の外側サポート部の先端と前記本体とのネジ軸方向に関するクリアランスよりも大きく、
前記外側サポート部の先端部の内周側に段差状に窪んだバリ収納部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止装置。
前記第2締結部を構成するキャップ内ネジと中栓内ネジとは、前記中栓を前記キャップ側の支持部から引き抜くよりも前記中栓を前記支持部に押し込むことを容易にするかえり形状を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の封止装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、本発明に係る容器の封止装置の一実施形態について説明する。図示の封止装置100は、紙パック、パウチ容器等である容器2の開口部2aに取り付けられる本体10と、本体10を覆うようにして本体10に装着されるキャップ20とによって構成されている。
【0017】
本体10は、樹脂製の一体成形品であり、容器2の開口部2aの周縁部2bに沿って固定された外周部11と、開封時に外周部11から分離される中栓12とを備える。以下、開封とは、中栓12が外周部11から分離されることを意味し、開封後のキャップ20の開け閉めについては開栓又は閉栓と呼ぶことにする。
【0018】
本体10の外周部11は、中栓12の分離後に容器2の内容物のための注出口を形成する部分であり、本体10の軸心であるネジ軸AXに沿って容器2の外側又は上側に延びる円筒状の部材である本体外周壁31を有している。さらに、外周部11は、本体外周壁31の下端において半径方向外方に張り出す肉厚の本体台座32と、本体台座32の周面から半径方向外方に張り出す肉薄の溶着部33とを有している。溶着部33の上面は、容器2の周縁部2bの下面に対して超音波融着によって固定されている。本体台座32の周面には、周方向2〜8箇所に等間隔に係止部34が半径方向外方に張り出して形成されている。この係止部34は、溶着部33に対してネジ軸AXに沿った方向に関して間隔をもって形成され、その間隔に、容器2の周縁部2bの内縁を圧入させることで、外周部11の周縁部2bからの脱落を補助的に防止する。また、本体10の本体外周壁31には、外周面に、キャップ20に螺着するための本体外ネジ51が形成されている。なお、ネジ軸AXとは、本体10及びキャップ20の中心を通る軸又はキャップ20の回転軸を意味する。
【0019】
図1及び
図2(A)等に示すように、本体10の中栓12は、底部に配置された円板状の封止体41と、この封止体41の外縁から上方に延びる円筒状の中栓円筒部42とを備えている。この封止体41の外縁と中栓円筒部42の下端部とが連結されている外周側境界部17は、環状の薄肉部15によって本体10の外周部11に連結されている。薄肉部15の下面には、環状でV溝状のスコアー16が形成されている。薄肉部15は、本体10から中栓12を分離する開封時に切断される。中栓円筒部42は、外側の本体外周壁31の内側に同芯で離間して配置されている。中栓円筒部42の内周面(内側面)には、本体外ネジ51に対して螺旋方向が異なり逆ネジの関係にある中栓内ネジ52が形成されている。
【0020】
キャップ20は、樹脂製の一体成形品であり、外側の部分として、円板状のキャップ天板21と、円筒状のキャップ外周壁22とを備える。キャップ外周壁22の周囲には、ローレットが形成されている。キャップ20は、キャップ外周壁22と同芯で内側に、最も内側に配置された内側支持部であるキャップ円筒部23と、キャップ円筒部23の外側に配置された外側サポート部24とを備える。また、キャップ外周壁22と外側サポート部24との間には、同様に同芯で円筒状であるがネジ軸AX方向に比較的短いインナーリング25が設けられている。このインナーリング25によって容器2の開口部11aのシールが図られている。キャップ円筒部23と、外側サポート部24と、インナーリング25とは、キャップ天板21によって連設されている。そして、キャップ外周壁22の内周側面には、本体10の本体外周壁31の外周側面に形成された本体外ネジ51に螺合するキャップ外ネジ53が形成され、キャップ円筒部23の外周面(外側面)には、本体10に設けた中栓12の中栓円筒部42の内周側面に形成された中栓内ネジ52に螺合するキャップ内ネジ54が形成されている。
【0021】
以上において、本体10の本体外周壁31の本体外ネジ51と、キャップ20のキャップ外周壁22のキャップ外ネジ53とは、キャップ20の本体10に対する着脱を可能にする第1締結部50aを構成している。また、本体10の中栓円筒部42の中栓内ネジ52と、キャップ20のキャップ円筒部23のキャップ内ネジ54とは、本体10のうち中栓12をキャップ20のキャップ円筒部23に締め付けて固定するための第2締結部50bを構成している。つまり、キャップ20のキャップ円筒部23は、第2締結部50bによって中栓12を捕捉して当該中栓12を本体10又は外周部11から分離するための支持部として機能している。第1締結部50aと第2締結部50bとは、互いに逆の螺進関係にある。具体的には、第1締結部50aは、反時計方向の回転で緩む正ネジタイプの螺合部であり、第2締結部50bは、反時計方向の回転で締まる逆ネジタイプの螺合部である。すなわち、キャップ20のキャップ外周壁22を上側から見て反時計方向に回転させることで第1締結部50aが緩むようにねじ戻されて上昇する場合、キャップ20のキャップ円筒部23を上側から見て反時計方向に回転させることになって第2締結部50bが締め込まれてさらに上昇する。ここで、例えば第2締結部50bのねじ込み方向又は螺進方向等について詳細に説明する。本体10の中栓円筒部42にとっては、ネジ軸AXに沿った上側が、キャップ20のキャップ円筒部23に対して下側から見て反時計方向の回転によってねじ込みを行う螺進方向になっており、ネジ軸AXに沿った下側がキャップ円筒部23に対してねじ戻しを行う反螺進方向になっている。また、キャップ円筒部23にとっては、ネジ軸AXに沿った下側が中栓円筒部42に対して上側から見て反時計方向の回転によってねじ込みを行う螺進方向になっており、ネジ軸AXに沿った上側が中栓円筒部42に対してねじ戻しを行う反螺進方向になっている。
【0022】
なお、第2締結部50b、すなわち本体10の中栓12に形成される中栓内ネジ52と、それに噛合するキャップ20のキャップ円筒部23に形成されるキャップ内ネジ54とは、中栓12を支持部としてのキャップ円筒部23から引き抜くよりも中栓12を支持部としてのキャップ円筒部23に押し込むことを容易にするかえり形状の突起となっている。具体的には、
図3に示すように、第2締結部50bを構成する雌ネジである中栓内ネジ52は、ネジ軸AXを通る図示のような断面において、先端側又は内側で本体10のネジ軸AXに沿ったねじ戻し方向又は反螺進方向(下側)に偏った断面形状を有するねじ山となっている。見方を変えれば、中栓内ネジ52は、中栓12を上方に変位させる際のキャップ内ネジ54との反螺進側の係合面であるネジ山下面52bが水平に近い角度(角度θ1)に形成され、基部の厚み(H1a)よりも先端部の厚み(H1b)が薄く設定されている。つまり、中栓内ネジ52は、螺進側の係合面であるネジ山上面52tが、反螺進側の係合面であるネジ山下面52bよりも少なく傾斜(角度φ1<θ1)するものとなっている。一方、第2締結部50bを構成する雄ネジであるキャップ内ネジ54は、ネジ軸AXを通る図示のような断面において、先端側又は外側で本体10のネジ軸AXに沿ったねじ戻し方向又は反螺進方向(上側)に偏った断面形状を有するねじ山となっている。見方を変えれば、キャップ内ネジ54は、中栓12を上方に変位させる際の中栓内ネジ52との反螺進側の係合面であるネジ山上面54tが水平に近い角度(角度θ2)に形成され、基部の厚み(H2a)よりも先端部の厚み(H2b)が薄く設定されている。つまり、キャップ内ネジ54は、螺進側の係合面であるネジ山下面54bが、反螺進側の係合面であるネジ山上面54tよりも少なく傾斜(角度φ2<θ2)するものとなっている。以上から明らかなように、本体10の中栓円筒部42に設けた中栓内ネジ52と、キャップ20のキャップ円筒部23に設けたキャップ内ネジ54とは、縦断面において点対称的に形成されている。なお、中栓内ネジ52のネジ山下面52bの角度θ1やキャップ内ネジ54のネジ山上面54tの角度θ2は90°を超える場合もある。
【0023】
図4に示すように、開封前において本体10にキャップ20を組付けた状態で、第2締結部50bを構成する中栓内ネジ52とキャップ内ネジ54との間には、ネジ軸AXに沿った上下の双方向に関して全体的にクリアランスが設けられている。つまり、中栓内ネジ52のネジ山上面52tと、これに対向するキャップ内ネジ54のネジ山下面54bとは、全周に亘って離間しており、中栓内ネジ52のネジ山下面52bと、これに対向するキャップ内ネジ54のネジ山上面54tとは、全周に亘って離間している。なお、ネジ山上面52tとネジ山下面54bとの間にのみクリアランスを設け、ネジ山下面52bとネジ山上面54tとの間にクリアランスを設けない状態とでき、逆に、ネジ山上面52tとネジ山下面54bとの間にクリアランスを設けず、ネジ山下面52bとネジ山上面54tとの間にのみクリアランスを設ける状態にもできる。
【0024】
図5に示すように、開封前において本体10にキャップ20を組付けた状態で、第2締結部50bを構成する中栓内ネジ52を設けた中栓円筒部42の先端とキャップ20とのネジ軸AX方向に関するクリアランスHは、キャップ20のキャップ天板21から下に延びて中栓円筒部42を周囲から覆う円筒状の外側サポート部24の先端と本体10とのネジ軸AX方向に関するクリアランスd2(最少のクリアランス)よりも大きい。クリアランスHは、例えば薄肉部15の厚みt以上3mm以下となっている。一方、クリアランスd2は、例えば0mm以上0.5mm以下となっている。クリアランスHを薄肉部15の厚みt以上とすることは、中栓12のキャップ20に対する上昇を確保する観点で望ましい。
【0025】
また、外側サポート部24の先端部24dの内周側には、段差状に窪んだバリ収納部24rが形成されている。バリ収納部24rのネジ軸AX方向に関する段差量hは、本体10の薄肉部15の厚みtよりも大きい。厚みtは、例えば0.05mm以上0.3mm以下である。
【0026】
図5に示すように、開封前において本体10にキャップ20を組付けた状態で、キャップ円筒部23の先端部23dの外周面23jと中栓円筒部42の根元部42pの内周面42jとは、ネジ軸AXに直交する径方向(図面上で左右方向に対応)に接している。外周面23jと内周面42jとは、周方向に沿って互いに分離する複数の円弧状の箇所で径方向に接していてもよい。また、キャップ円筒部23の根元部23pの外周面23kと中栓円筒部42の先端部42dの内周面42kとは、ネジ軸AXに直交する径方向(図面上で左右方向に対応)に接している。外周面23kと内周面42kとは、周方向に沿って互いに分離する複数の円弧状の箇所で径方向に接していてもよい。さらに、外側サポート部24の先端部24dの内周面24mと中栓円筒部42の根元部42pの外周面42mとは、ネジ軸AXに直交する径方向(図面上で左右方向に対応)に接している。内周面24mと外周面42mとは、周方向に沿って互いに分離する複数の円弧状の箇所で径方向に接していてもよい。
【0027】
図1を参照して、封止装置100の組み立て方法の一例について説明する。本体10とキャップ20とは、キャップ20に本体10を収納するようにキャップ20のキャップ外ネジ53に本体10の本体外ネジ51を係合させ、本体10を本体10側から見て時計方向に回転させ或いはキャップ20をキャップ20側から見て時計方向に回転させることによって、第1締結部50aは、ねじ込むように締め付けられ、螺合される。その際、別の箇所に形成された本体10の中栓内ネジ52とキャップ20のキャップ内ネジ54とは、逆ねじに形成されているが、両内ネジ52,54は上述のように押し込みに際して変形し易いかえり形状に形成されているので、互いに変形しながら両内ネジ52,54のネジ山を乗越えて互いに噛合される。この際、外側サポート部24の先端部24dは、薄肉部15の外側の連結部31aの上面に当接又は近接する。
【0028】
このようにして本体10とキャップ20とが互いに係合された状態では、本体10とキャップ20との間隔が調整され、
図1等に示すように、外側サポート部24とキャップ円筒部23との基部に形成される凹部Eに、中栓円筒部42の先端部42dが収容される。また、本体外周壁31の先端に形成されたリップ部31bがキャップ20のキャップ天板21の下面21tに当接した状態に位置される。本体10とキャップ20とを正規の位置に巻き締めた状態において、中栓円筒部42の先端部42dとキャップ20のキャップ天板21との間には上記クリアランスHに対応する隙間Gが形成されている。隙間Gを有することにより、後述する開封動作において、第2締結部50bの中栓内ネジ52とキャップ内ネジ54とが螺合し、中栓12を引き上げる力が働き、薄肉部15が破断するまでの間に、中栓12がキャップ20のキャップ天板21方向に移動する。つまり、薄肉部15の一対の破断面が上下方向にずれることになる。これにより、中栓12を分離した後のキャップ20を再度閉めても当該破断面が触れ合うことがない。そのため、破断面同士が擦れることによる破断面付近の薄肉のバリの剥がれを防ぐことができる。また、中栓12自体が緩んでキャップ20から外れることを防ぐことができる。
【0029】
上述のようにして組立てられた封止装置100(本体10及びキャップ20)は、
図1に示すように、紙パック等の容器2の孔2aに裏側から挿入され、その孔2aの内周面に本体10の本体台座32の外周面が嵌合され、超音波接着や接着剤による接着等によって容器2に接合される。
【0030】
以下、上記実施形態の封止装置100の開封動作について、
図1、
図6〜
図9等を参照しながら説明する。
【0031】
まず、
図1に示すように、キャップ20が締結部50a,50bの回転動作前の基準位置又は初期位置(奥までねじ込んだ状態)にあり、中栓12と本体外周壁31とが結合状態にあって、容器2の開口部11aが封止された状態にある。
【0032】
図6に示すように、
図1の状態からキャップ20を緩める方向、即ち反時計回りに回転させると、キャップ20は所定の回転角度分空回りし、その間に中栓内ネジ52のネジ山下面52bとキャップ内ネジ54のネジ山上面54tが当接する。更にキャップ20を反時計回りに回転させると、
図7に示すように、キャップ外ネジ53が本体外ネジ51に当接する。この時、中栓12は、キャップ20と逆ネジによって螺合されているので、第2螺合部50bの締め付けが開始され、中栓12が上方に移動させられ、それに伴い薄肉部15が上方に伸ばされる。つまり、第2締結部50bの締め付けが若干進行し、中栓12は、外周部11に対して上から見て反時計回りに回転しながら上方に移動させられる。更にキャップ20を反時計回りに回転させると、キャップ外ネジ53と本体外ネジ51の螺合によりキャップ20は上方に移動し、その間に本体10の薄肉部15が更に伸びて破断されて、
図8に示すように、中栓12は本体外周壁31から離脱され、開封される。
【0033】
この状態においては、中栓12は、
図8に示すように、中栓12のキャップ内ネジ54のネジ山上面54tが中栓円筒部42の中栓内ネジ52のネジ山下面52bに当接するとともに、中栓円筒部42の先端部42dが凹部Eにおいてキャップ天板21の下面21tに近接又は当接し、それによって螺合による係止状態が維持され、キャップ20に保持される。さらに、薄肉部15の中栓12側の破断部15bは、バリ収納部24rに全体的に収納されて凹所にあり、連結部31a側の破断部15aと触れ合うことが回避される。
【0034】
さらに、キャップ20を緩める方向に回転させると、キャップ20は本体外周壁31から離れ、それによって容器2内の内容物を注ぐことができるようになる。その際、中栓12は、キャップ20に確保されキャップ20に対してある程度締め付けられた状態となっているので、離脱するおそれはない。つまり、一旦開封が行われた後は、本体10側に固定されていた中栓12がキャップ20側に固定されることになる。
【0035】
図9を参照して開封後について説明すると、キャップ20のキャップ外ネジ53を本体10の本体外ネジ51に螺合させ、キャップ20を時計方向に回転させると、本体外周壁31の上端に形成されているリップ部31bがキャップ20のキャップ天板21の下面21tに当接し、かつ、外側サポート部24の先端部24dが薄肉部15の外側面に密着する。中栓12はキャップ20のキャップ天板21の方向に引き上げられているため、薄肉部15の破断面は、上下にずれていて互いに触れ合わない。また、キャップ20を締め込んでも、中栓12側の破断部15bがバリ収納部24rに全体的に収納されており、かつ、外側サポート部24の先端部24dが薄肉部15の外側面に当たるため、中栓12側の破断部15bと外周部11側の破断部15aとが触れることはない。
【0036】
本実施形態の封止装置100では、開封前において本体10にキャップ20を組付けた状態で、キャップ20を緩める方向に回転させた場合に、キャップ20が本体10の外周部11から離れる上方向に移動を開始するタイミングが、中栓12が本体10の外周部11から離れる上方向に移動を開始するタイミングと同じ又は遅くなるように設定している。
【0037】
以下、キャップ20が上方向に移動を開始するタイミングが、中栓12が上方向に移動を開始するタイミングと同じ又は遅くなるようにする条件について説明する。開封前の状態、つまり本体10にキャップ20を組付けた状態では、第1締結部50aにおいて、キャップ20に設けたキャップ外ネジ53のネジ山の上側と本体10に設けた本体外ネジ51のネジ山の下側とが接触し干渉している。その反対側(つまり、キャップ外ネジ53の下側と本体外ネジ51の上側との間)には間隙があり、キャップ20を反時計方向に回転させ緩み始め時においてキャップ20は空回りし、キャップ20には浮上する力は働かない。キャップ20をさらに緩めるように回転させると、キャップ20のキャップ外ネジ53の下側が、本体10の本体外ネジ51の上側に接し、キャップ20が外周部11に対して浮上し始める。ここで、キャップ20が回転を開始して浮上するまでの空回り(遊び)の角度は、次式(1)で与えられる。
α=D×360/R … (1)
α:第1緩み解消角度、第1締結部50aが動作しキャップ20が浮上を開始するまでの回転角度(°)
D:キャップ20の回転前におけるキャップ外ネジ53の下側と本体外ネジ51の上側との間のクリアランス(mm)
R:第1締結部50a又はキャップ外ネジ53のリード(mm/回転)
なお、上記クリアランスDは、第1締結部50aの緩み方向のネジ山間のクリアランスを意味する。また、第1締結部50aを構成するネジ51,53は、1条ネジであっても多条ネジであってもよく、周方向に分割されたネジであってもよい。
【0038】
一方、キャップ20のキャップ内ネジ54と本体10の中栓内ネジ52とからなる第2締結部50bは、第1締結部50aに対して逆ネジで螺合又は嵌合しているので、第1締結部50aつまり両ネジ52,54は、既述のようにキャップ20を反時計方向に緩めるように回転させると、逆に締め込まれる。スコアー16を設けた薄肉部15を切断して外周部11から中栓12を分離するためには、キャップ20のキャップ内ネジ54の上側と、本体10の中栓内ネジ52の下側とが当接し、キャップ20のキャップ円筒部23によって中栓12を外周部11に対して上に引張りながらネジ切る必要がある。中栓12の締め込みや分離がキャップ20の上昇又は緩み始めと同時にならないようにすることで、トルクのピークがズレて、中栓12を上昇させ分離する開封が比較的容易になる。また、中栓12の締め込みを早めることで、中栓12側の破断部15bをバリ収納部24rに確実に収納することができ、再封後に中栓12側の破断部15bと外周部11側の破断部15aとが触れることを回避しやすくなる。このような状態を達成するためには、キャップ20が締め込まれた状態で、キャップ20のキャップ内ネジ54の上側と、本体10の中栓内ネジ52の下側との間のクリアランスを所定以下にする必要があり、キャップ20の緩み始め時から、本体10の中栓12を引き上げ始める時までのズレ(キャップ20の回転角度)は、次式(2)で与えられる。
β=d×360/r … (2)
β:第2緩み解消角、第2締結部50bが動作し中栓12を引き上げ始めるまでの回転角度(°)
d:キャップ20の回転前におけるキャップ内ネジ54の上側と本体10の中栓内ネジ52の下側とのクリアランス
r:第2締結部50b又はキャップ内ネジ54のリード
なお、上記クリアランスdは、第2締結部50bの締め方向のネジ山間のクリアランスを意味する。また、第2締結部50bを構成するネジ52,54は、1条ネジであっても多条ネジであってもよく、周方向に分割されたネジであってもよい。
【0039】
以上の前提で、キャップ20が本体10の外周部11から離れる上方向に移動を開始するタイミングを、中栓12が本体10の外周部11から離れる上方向に移動を開始するタイミングと同じ又遅くなるようにすることは、以下の条件設定に対応する。すなわち、第1締結部50aの緩み方向のネジ山間のクリアランスDと、第1締結部50aのリードRとに基いて決定される第1緩み解消角度αは、第2締結部50bの締め方向のネジ山間のクリアランスdと、第2締結部50bのリードrとに基いて決定される第2緩み解消角β以上となるように設定される。この条件設定は、
α≧β … (3)
なる関係を意味し、これを書き換えると、
D×360/R≧d×360r
D≧R×d/r … (4)
なる関係が満たされるようにすることになる。このような条件が満たされる場合、キャップ20が上方向に移動を開始するタイミングを中栓12上方向に移動を開始するタイミングと同じか遅くすることができ、再封時に中栓12側の破断部15bと外周部11側の破断部15aとの接触を回避する観点で有利である。
【0040】
実際には、薄肉部15が切れるまで薄肉部15が伸びるので、薄肉部15が切れるまでの中栓12の引き上げ量は、次式(5)で与えられる。
β'=C×360/r … (5)
β':破断生成角、中栓12の引き上げ開始から薄肉部15が破断するまでの回転角度
C:中栓12の引き上げ開始から薄肉部15が破断するまでの中栓12の引き上げ量
上記式(5)は、以下のように書き換えることができる。
C=r×β'/360 … (6)
ところで、キャップ20が本体10の外周部11から離れる上方向に移動を開始するよりも、中栓12が本体10の外周部11から破断によって分離される方が早くなるようにするためには、
α≧β+β' … (7)
なる関係が満たされるようにすることを意味し、
D×360/R≧d×360/r+C×360/r
D≧R×(d+C)/r … (8)
なる関係が満たされるようにする。つまり、中栓12の分離をより容易にし、再封時に破断部15b,15a同士が接触することを回避する観点からは、第1緩み解消角度αは、第2緩み解消角βに対して、キャップ20を緩める回転に伴う本体10の中栓12の引き上げ開始から外縁の薄肉部15が切れるまでの引き上げ量に相当する破断生成角β'を加算した量以上に大きくなるように設定されることが望ましい。
【0041】
中栓12の引き上げ開始から薄肉部15が破断するまでの破断生成角β'についは、必ずしも明確な量ではなく、破断生成角β'に代えて、薄肉部15の厚みt分だけ中栓12を上昇させることに相当するズレ生成角β”を用いることもできる。この場合、
β”=t×360/r … (9)
であり、
α≧β+β” … (10)
なる関係が満たされるようにすることを意味し、
D≧R×(d+t)/r … (11)
なる関係が満たされるようにする。つまり、中栓12の分離を容易にする観点からは、第1緩み解消角度αは、第2緩み解消角βに対して、キャップ20を緩める回転に伴う薄肉部15の厚み分だけ中栓12を上昇させることに相当するズレ生成角β”を加算した量以上に大きくなるように設定することもできる。
【0042】
以上説明した容器の封止装置によれば、キャップ20を緩める際に、キャップ20が本体10の外周部11から離れる上方向に移動を開始するタイミングが、中栓12が本体10の外周部11から離れる上方向に移動を開始するタイミングと同じ又は遅くなるように設定されているので、開封後にキャップ20に対して中栓12を相対的に上方に移動させることが容易になり、キャップ20を再封した場合にも、中栓12の破断部15bと本体の外周部の破断部15aとが触れにくくなる。
【0043】
以上、本実施形態に係る封止装置について説明したが、本発明に係る封止装置は上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、第1締結部50aを構成している本体外ネジ51及びキャップ外ネジ53のピッチ、巻き数、ねじ山高さ等の仕様は、適宜用途に応じて変更することができる。また、第2締結部50bを構成しているキャップ内ネジ54及び中栓内ネジ52のピッチ、巻き数、ねじ山高さ等の仕様も、適宜用途に応じて変更することができる。
【0044】
また、上記実施形態において、キャップ20の外側サポート部24については、これを省略することもできる。
【0045】
また、上記実施形態において、本体10の中栓円筒部42とキャップ20のキャップ円筒部23とは、内外を入れ替えることもできる。この場合も、中栓円筒部42の雄ネジとキャップ円筒部23の雌ネジとは、第1締結部50aに対して逆の螺進関係の第2締結部50bを構成する。
【0046】
上記実施形態において、第2締結部50bを構成する中栓内ネジ52及びキャップ内ネジ54の形状は、
図1等に例示するものに限らず、押し込むことを容易にするかえり形状を有するネジ山であればよく、様々な断面形状とできる。また、第2締結部50bを構成する中栓内ネジ52やキャップ内ネジ54は、連続的に螺旋状に形成されるものに限らず、分離した複数の部分からなるものとできる。
【0047】
上記実施形態において、外側サポート部24の先端部24dには、段差状に窪んだバリ収納部24rが形成されているが、段差状の窪みを設けず、平坦な面としてもよい。この場合、先端部24dは薄肉部15に当接しない構成とすることが好ましい。
【0048】
上記実施形態において、本体10の溶着部33の上面を、容器2の周縁部2bの下面に対して固定したが、溶着部33の下面を、周縁部2bの上面に対して固定してもよい。この場合、本体10の本体台座32と溶着部33とを同じ厚みとし、係止部34を省略してもよい。