(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
開口を有する容器本体と、前記開口を塞ぐ状態で前記容器本体に装着されるキャップ部と、前記キャップ部に設けられたディップチューブと、を備え、前記キャップ部は、気液混合部と、前記気液混合部に液体を供給する液体供給路と、前記気液混合部に気体を供給する気体供給路と、吐出口と、を備え、前記容器本体が圧搾されることにより前記ディップチューブ及び前記液体供給路を介して前記気液混合部に液体が供給されるとともに前記気体供給路を介して前記気液混合部に気体が供給され、前記気液混合部にて生成された泡が前記吐出口を介して吐出されるように構成されたスクイズフォーマー容器であって、
前記容器本体は、前記気体供給路と連通していて前記気体を貯留する第1室と、前記液体を貯留する第2室と、を備え、
前記ディップチューブは、前記第1室と前記第2室とに亘って挿通され、
前記ディップチューブの外周面と前記容器本体の内周面との間の間隙を介して、前記第1室から前記第2室に前記気体が流通可能であり、
前記容器本体内で生じた泡が前記第2室から前記第1室へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部を備え、
前記容器本体における前記第1室と前記第2室との間の部分は、前記第1室及び前記第2室よりも内腔断面積が小さい括れ部となっており、
前記泡流入抑制構造部は、前記括れ部を含んで構成されているスクイズフォーマー容器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
【0013】
〔第1実施形態〕
先ず、
図1から
図3を用いて第1実施形態を説明する。
本実施形態において、スクイズフォーマー容器100の各構成要素の位置関係(上下関係等)の説明は、特に断りのない場合は、
図2に示すように容器本体10の底部12が下、口頸部13が上となるようにスクイズフォーマー容器100を配置した状態での位置関係を説明したものである。底部12が水平な載置面上に載置した際には、スクイズフォーマー容器100は、
図1及び
図2の姿勢で自立する。
ただし、スクイズフォーマー容器100の製造時及び使用時におけるスクイズフォーマー容器100の各構成要素の位置関係は、必ずしもこの説明における位置関係とは一致しない。
【0014】
図1ないしは
図2に示すように、本実施形態に係るスクイズフォーマー容器100は、開口13aを有する容器本体10と、開口13aを塞ぐ状態で容器本体10に装着されるキャップ部20と、キャップ部20に設けられたディップチューブ80と、を備えている。
キャップ部20は、気液混合部73と、気液混合部73に液体90を供給する液体供給路72と、気液混合部73に気体を供給する気体供給路71と、吐出口34aと、を備えている。
なお、気体とは、例えば空気である。
スクイズフォーマー容器100は、容器本体10が圧搾されることによりディップチューブ80及び液体供給路72を介して気液混合部73に液体90が供給されるとともに気体供給路71を介して気液混合部73に気体が供給され、気液混合部73にて生成された泡が吐出口34aを介して吐出されるように構成されている。
容器本体10は、気体供給路71と連通していて気体を貯留する第1室14と、液体90を貯留する第2室15と、を備えている。
ディップチューブ80は、第1室14と第2室15とに亘って挿通されている。
ディップチューブ80の外周面と容器本体10の内周面との間の間隙(例えば、ディップチューブ80の外周面と括れ部16の内周面との間の間隙19)を介して、第1室14から第2室15に気体が流通可能である。
スクイズフォーマー容器100は、容器本体10内で生じた泡が第2室15から第1室14へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部(例えば括れ部16)を備える。
ここで、容器本体10内で生じた泡とは、スクイズフォーマー容器100が振られることなどにより、容器本体10内の液体90が泡立つことにより生じた泡であり、気液混合部73で生じた泡は、容器本体10内で生じた泡には含まれないものとする。
【0015】
スクイズフォーマー容器100は、容器本体10内で生じた泡が第2室15から第1室14へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部を備えるため、容器本体10に対して圧搾操作が行われた際に、第2室15から第1室14へ泡が流入することが抑制される。よって、容器本体10内から気体供給路71への気体の入口71aを泡が塞いでしまうことも抑制される。よって、気液混合部73に十分な量の気体を供給できるため、より確実に液体90を泡化して吐出することが可能である。
【0016】
ここで、容器本体10に貯留される液体90(つまり吐出口34aから泡として吐出される液体90)の種類は特に限定されない。この液体90としては、染毛剤などの毛髪化粧料、ヘアスタイリング剤、ヘアケア剤、洗顔料、シェービング剤、洗剤、頭髪洗浄剤等が挙げられる。
【0017】
容器本体10は、上から順に、口頸部13、第1室14、括れ部16及び第2室15を備えている。
より詳細には、口頸部13の下側に第1室14が連接されており、第1室14の下側に括れ部16が連接されており、括れ部16の下側に第2室15が連接されている。そして、第2室15の下端が底部12によって閉塞されている。
第2室15には液体90が貯留される。
【0018】
口頸部13は、円筒状に形成されている。口頸部13の外周面にねじ山が形成されており、口頸部13は雄ねじ形状となっている。
口頸部13には、キャップ部20が装着される。
【0019】
第1室14の形状は特に限定されないが、例えば、以下のような形状とすることができる。
すなわち、例えば、第1室14の内腔の平断面積は、当該第1室14の上端から当該第1室14の高さ方向中央部に向けて徐々に拡大し、当該第1室14の高さ方向中央部から当該第1室14の下端に向けて徐々に縮小している。このような形状になっていることにより、ディップチューブ80が装着されたキャップ部20を容器本体10に装着する際に、ディップチューブ80の先端が第1室14の内周面に沿って移動して、当該ディップチューブ80の先端が括れ部16の中央の孔を通過するように導かれる。なお、第1室14の上端の内腔の平断面積は、例えば、第1室14の下端の内腔の平断面積よりも大きい。
第1室14は、例えば、正面形状が略円形となっている。
【0020】
第2室15の形状は特に限定されないが、例えば、以下のような形状とすることができる。
すなわち、例えば、第2室15の上部の内腔の平断面積は、下方に向けて徐々に拡大している。第2室15における上部を除く部分の内腔の平断面積は、第2室15の上部における下端の内腔の平断面積と同等であり、高さ位置にかかわらずほぼ一定となっている。
【0021】
このように、容器本体10は、底部12を有しているとともに、底部12が水平な載置面に載置された状態で自立可能であり、容器本体10の上端(口頸部13)にキャップ部20が装着され、第1室14が第2室15の上側に配置されている。
【0022】
括れ部16の内腔の平断面積は、第1室14の内腔の平断面積及び第2室15の内腔の平断面積よりも小さい。本実施形態の場合、泡流入抑制構造部は、括れ部16により構成されている。
すなわち、容器本体10における第1室14と第2室15との間の部分は、第1室14及び第2室15よりも内腔断面積が小さい括れ部16となっており、泡流入抑制構造部は、括れ部16を含んで構成されている。
より詳細には、括れ部16の内腔の平断面積は、第1室14の下端の内腔の平断面積、及び、第2室15の上端の内腔の平断面積と同等に設定されている。
【0023】
括れ部16を介して、第1室14から第2室15に液体(例えば、後述する第2液)が流通可能となっている。
なお、括れ部16を介して、第2室15から第1室14に気体及び液体が流通可能となっていてもよい。
【0024】
容器本体10は、例えば、括れ部16の両脇に、それぞれ平板状に形成された一対のリブ17を備えている。一対のリブ17の各々の板面は、前後方向(
図1の紙面に対する手前側及び奥側)を向いており、一対のリブ17は互いに同一平面上に配置されている(
図3参照)。
容器本体10が括れ部16の脇にリブ17を備えていることにより、容器本体10における括れ部16の近傍の部分の構造的強度を十分に確保でき、容器本体10が括れ部16において折れ曲がってしまうことを抑制できる。
【0025】
容器本体10は、合成樹脂により構成されている。
容器本体10の作製の仕方は、特に限定されないが、例えば、ブロー成形により容器本体10の全体が一体成形されている。
【0026】
図2に示すように、キャップ部20は、キャップ本体30と、キャップ本体30によって保持されている外側筒部40及び内側筒部50と、を備えている。
【0027】
キャップ本体30は、口頸部13に対して着脱可能に装着される円筒状の装着部31と、装着部31の上側に連接されている流路構成部32と、筒状壁部33と、流路構成部32から側方に向けて突出しているノズル部34と、を備えている。
【0028】
装着部31の内周面には、ねじ山が形成されており、装着部31は、口頸部13と螺合する雌ねじ形状となっている。
ノズル部34の先端には吐出口34aが形成されている。
流路構成部32の内部には泡流路32aが形成されている。泡流路32aは、ノズル部34の内部空間を介して吐出口34aと連通している。
筒状壁部33は、円筒状に形成されていて、流路構成部32から装着部31の内部空間に垂下している。
【0029】
外側筒部40は、それぞれ円筒状に形成されていて相互に連通している上部41、下部42及びチューブ保持部43を備えている。
内側筒部50は、それぞれ円筒状に形成されていて相互に連通している上部51及び下部52を備えている。
内側筒部50は、上部51がキャップ本体30の筒状壁部33に嵌入されることで、キャップ本体30によって保持されている。
外側筒部40は、上部41がキャップ本体30の筒状壁部33に外嵌されることで、キャップ本体30によって保持されている。
内側筒部50の下部52は、外側筒部40の下部42内に挿入されている。
【0030】
外側筒部40は、例えば、容器本体10の口頸部13内に配置されているか、又は、容器本体10の口頸部13内と第1室14内とに亘って配置されている。
内側筒部50は、例えば、容器本体10の口頸部13内に配置されているか、又は、容器本体10の口頸部13内と第1室14内とに亘って配置されている。
【0031】
外側筒部40のチューブ保持部43には、ディップチューブ80の上端部が設けられており、ディップチューブ80と外側筒部40の下部42の内部とが相互に連通している。
ディップチューブ80は、第1室14内から括れ部16内を介して第2室15内に亘って挿通されている。ディップチューブ80の下端は開口しており、第1室14の圧搾時には第2室15内の液体90がディップチューブ80の下端の開口からディップチューブ80を通して気液混合部73に供給される。
なお、ディップチューブ80の外周面と括れ部16の内周面との間の間隙19を介して、第1室14から第2室15に気体が流通可能となっている。
【0032】
外側筒部40の下部42の内周面と、内側筒部50の下部52の外周面との間には、複数の液体供給路72が形成されている。
また、外側筒部40の上部41の内周面と、筒状壁部33の外周面との間には、複数の気体供給路71が形成されている。例えば、気体供給路71の各々の上端には、容器本体10内から気体供給路71への気体の入口71aが形成されている。
外側筒部40における上部41と下部42との境界部の内周面と、内側筒部50における上部51と下部52との境界部の外周面との間には、気液混合部73が形成されている。
ディップチューブ80の内部空間は、液体供給路72を介して気液混合部73と連通している。
口頸部13の内部空間は、気体供給路71を介して気液混合部73と連通している。
また、内側筒部50には、気液混合部73と、上部51の内部空間である泡合流部74と、を相互に連通させる複数の連通孔が形成されている。
【0033】
内側筒部50の上部51の上端には第1メッシュ61が設けられている。
また、流路構成部32の泡流路32aとノズル部34の内部空間との境界部には、第2メッシュ62が設けられている。
【0034】
キャップ本体30は、更に、流路構成部32に設けられているボール弁ハウジング35と、ボール弁ハウジング35内において移動可能に保持されているボール弁36と、を備えている。
ボール弁ハウジング35には、吸気口35aが形成されている。
【0035】
なお、ここで説明したキャップ部20の構造は一例であり、その他の広く知られている構造のものを本実施形態に適用しても何ら差し支えが無い。
【0036】
ここで、
図3は
図1のA−A線に沿った断面図である。すなわち、
図3は、括れ部16の位置におけるスクイズフォーマー容器100の平断面図である。
図3に示すように、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面(本実施形態の場合、平断面)において、括れ部16の内腔断面形状が非円形となっている。
これにより、後述するように容器本体10に液剤を導入した際に、第1室14と第2室15との間で空気置換がスムーズに行われるため、液剤がスムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下することができるようになっている。
また、後述するスクイズフォーマー容器詰め品の製造の際にスクイズフォーマー容器100内に液剤を入れるときにも、液剤をスムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下させることができるため、製造効率の向上が期待できる。
なお、括れ部16の内腔領域は、上下に直線状に延在していることが好ましく、これにより、括れ部16内をよりスムーズに液剤が流下することができる。
【0037】
より詳細には、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面(本実施形態の場合、平断面)において、括れ部16の内腔断面形状のアスペクト比が1.5以上であることが好ましく、当該アスペクト比が2以上であることも好ましい。
ここでいうアスペクト比は、括れ部16の内腔断面形状の長径を短径で除した値である。
本実施形態の場合、上記断面における括れ部16の内腔断面形状は、
図3に示すように、略長方形状ないしは略六角形状となっている。そして、括れ部16の内腔断面形状の長径は、互いに対向する2つの辺16aどうしの距離(
図3の長さL1)とする。また、括れ部16の内腔断面形状の短径は、これら辺16aに対して平行な方向において、括れ部16の内腔領域の寸法が最大の部分の長さ寸法(
図3の長さL2)とする。括れ部16の内腔断面形状のアスペクト比は、L1/L2である。
【0038】
なお、上記断面における括れ部16の内腔断面形状の他の例としては、十字形、長方形や六角形以外の多角形状、菱形、楕円形状、長円形状などが挙げられる。
また、上記断面における括れ部16の内腔断面形状は、180度回転対称形であることが好ましい。
そして、上記断面における括れ部16の内腔断面形状が多角形状の場合、例えば、互いに対向する2つの辺どうしの距離のうち最大の距離が長径となる。
上記断面における括れ部16の内腔断面形状が菱形の場合、互いに対向する2つの頂点が2組存在し、互いに対向する2つの頂点間の距離のうち、長い方が長径、短い方が短径となる。
なお、上記断面における括れ部16の内腔断面形状が十字形の場合、当該内腔断面形状のアスペクト比が1.5未満であったり、1であったりしても、液剤がスムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下することができる。
【0039】
本実施形態の場合、スクイズフォーマー容器100は、第1室14が圧搾されることによりディップチューブ80及び液体供給路72を介して気液混合部73に液体90が供給されるとともに気体供給路71を介して気液混合部73に気体が供給され、気液混合部73にて生成された泡が吐出口34aを介して吐出されるように構成されている。
そして、第1室14よりも第2室15が高剛性である。すなわち、第1室14の剛性よりも第2室15の剛性の方が大きい。
これにより、第1室14に対する圧搾操作を容易に行うことができるようになっているとともに、第2室15に対する圧搾操作がし難くなっている。
【0040】
ここで、第1室14よりも第2室15が高剛性であるということは、第1室14よりも第2室15の方が、圧搾操作に対して変形しにくい(耐圧搾変形性が強い)ことを意味する。
本実施形態の場合、容器本体10において第1室14を構成する部分(第1室14の外殻)の肉厚よりも、容器本体10において第2室15を構成する部分(第2室15の外殻)の肉厚の方が厚いことにより、第1室14よりも第2室15が高剛性となっている。
ここで、第1室14の外殻の肉厚よりも、第2室15の外殻の肉厚の方が厚いとは、第1室14において内腔領域の平断面積が最も大きい部分での外殻の肉厚よりも、第2室15において内腔領域の平断面積が最も大きい部分での外殻の肉厚の方が大きいこととすることができる。なお、本実施形態の第2室15は、内腔領域の平断面積が最も大きい部分が高さ方向に幅を持つが、この場合、第2室15の内腔領域の平断面積が最も大きい部分の高さ方向における中央位置での外殻の肉厚が、第1室14の外殻の肉厚よりも大きい。
【0041】
なお、第2室15の外殻が、当該外殻の表面が凹凸形状を有する形状に成形されていることによって、第1室14よりも第2室15が高剛性となっていてもよい。この場合の第2室15の外殻の形状としては、より詳細には、例えば、当該外殻の外面が凹の部分では内面が凸となっていて、外面が凸の部分では内面が凹となっているエンボス形状が挙げられる。
【0042】
このように、本実施形態の場合、第1室14と第2室15とは互いに同じ材料の合成樹脂により構成されているが、第1室14と第2室15とで形状(肉厚や外殻の表面の形状)が互いに異なることにより、第1室14よりも第2室15が高剛性となっている。
ただし、本発明は、この例に限らず、第1室14の材料特性としてのヤング率よりも、第2室15の材料特性としてのヤング率の方が大きいことによって、第1室14よりも第2室15が高剛性となっていてもよい。
【0043】
ここで、本実施形態に係る容器本体10は、例えば、以下のように定義することができる。
すなわち、本実施形態に係る容器本体10は、スクイズフォーマー容器用の容器本体10であって、開口13aと、開口13aと連通している第1室14と、第1室14と連通していて液体90を貯留する第2室15と、当該容器本体10内で生じた泡が第2室15から第1室14へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部と、を備え、容器本体10における第1室14と第2室15との間の部分は、第1室14及び第2室15よりも内腔断面積が小さい括れ部16となっており、泡流入抑制構造部は、括れ部16を含んで構成されており、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面において、括れ部16の内腔断面形状が非円形である。
【0044】
また、本実施形態に係る容器本体10は、以下のように定義することもできる。
すなわち、本実施形態に係る容器本体10は、スクイズフォーマー容器用の容器本体10であって、開口13aと、開口13aと連通している第1室14と、第1室14と連通していて液体90を貯留する第2室15と、当該容器本体10内で生じた泡が第2室15から第1室14へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部と、を備え、第1室14よりも第2室15が高剛性である。
【0046】
ここでは、スクイズフォーマー容器100の使用の直前に容器本体10内で複数種類(例えば2種類)の液剤(それぞれ第1液、第2液と称する)を混合する場合を例に説明する。
まず、スクイズフォーマー容器100の容器本体10の第2室15内には、例えば、予め、上記2種類の液剤のうち、第2液が貯留されている。
ここで、容器本体10の流通時には、例えば、口頸部13には、上述のキャップ部20ではなく、口頸部13の開口13aを閉塞して内部の液体90の漏れを規制するための閉止キャップ(不図示)が装着されている。この閉止キャップは、例えば、一端が閉塞した筒状に形成された、一般的なスクリューキャップである。
また、第1液を貯留した別容器を準備する。
次に、スクイズフォーマー容器100の容器本体10から閉止キャップを取り外した状態で、別容器の第1液を、容器本体10の開口13aから容器本体10内に注ぎ入れる。
このとき、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面において、括れ部16の内腔断面形状が非円形となっていることにより、第1液がスムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下して第2液と合流する。
特に、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面において、括れ部16の内腔断面形状のアスペクト比が1.5以上であることにより、第1液が一層スムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下するようにできる。
【0047】
次に、口頸部13に、上記閉止キャップ又はキャップ部20を装着する。
次に、例えば、スクイズフォーマー容器100を上下逆にして元に戻す動作を、液体90が泡立たないように静かに繰り返し行うか、あるいは、第1室14を手で持って、第2室15を左右に振るようにして、第1液と第2液とを均一に混合する。
閉止キャップを装着して第1液と第2液とを混合した場合は、その後、口頸部13から閉止キャップを取り外して、該口頸部13にキャップ部20を装着する。
【0048】
次に、第1室14が第2室15の上側に位置する状態で第1室14を圧搾することによって、液体90が気液混合部73にて気体(空気)と混合することにより泡が生成される。更に、この泡が第1メッシュ61及び第2メッシュ62をこの順に通過することによって、よりきめ細かく均一な泡となり、該均一な泡が吐出口34aから吐出される。
より詳細には、例えばユーザーの手指により第1室14が圧搾されることによって、容器本体10の内部が加圧されるので、第1室14内の空気が入口71aから気体供給路71に導入され該気体供給路71を介して気液混合部73に供給されるとともに、第2室15内の液体90がディップチューブ80を通して押し上げられ液体供給路72を介して気液混合部73に供給される。
そして、気液混合部73にて液体90と空気とが混合されることにより泡が生成され、この泡は、内側筒部50の複数の連通孔を通して泡合流部74に導入されて合流し、泡流路32a及びノズル部34の内部空間を介して吐出口34aから吐出される。
なお、第1室14の圧搾時には、空気圧によりボール弁36が上に移動して、該ボール弁36がボール弁ハウジング35の内周面に対して気密に密着し、吸気口35aを介した空気の漏洩が抑制される。
一方、第1室14に対する圧搾操作が解除されると、第1室14が元の形状に復元する。この際に、容器本体10の内部が陰圧になるため、ボール弁36が下に移動して、ボール弁36とボール弁ハウジング35の内周面との間に間隙が生じ、吸気口35aとこの間隙とを介して外気が第1室14に導入される。これにより、容器本体10の内部が大気圧に復帰する。
【0049】
ここで、ユーザーが誤ってスクイズフォーマー容器100を激しく振ったり、長い時間振るなどにより、液体90が容器本体10内で泡立った状態で、第1室14の圧搾操作が行われることも想定される。
ただし、本実施形態に係るスクイズフォーマー容器100は、容器本体10内で生じた泡が第2室15から第1室14へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部(例えば括れ部16)を備える。よって、第1室14に対して圧搾操作が行われた際に、容器本体10内から気体供給路71への気体の入口71aを泡が塞いでしまうことが抑制される。よって、気液混合部73に十分な量の気体を供給できるため、より確実に液体90を泡化して吐出することが可能である。
【0050】
このため、互いに分離しやすい複数種類の液体を使用の直前にユーザーによる混合操作(スクイズフォーマー容器100を激しく振ったり、長い時間振るなどの操作)によって第2室15内で混合させるようにしてもよい。この場合も、混合操作により生じた泡が第2室15から第1室14へ流入することを抑制されるため、気液混合部73に十分な量の気体を供給することができ、確実に液体90を泡化して吐出することが可能である。
【0051】
なお、第2室15の容積は、容器本体10の全体の容積よりも小さく、したがって、第2室15内において液体90が占める領域以外の領域(つまり第2室15内において空気が占める領域)の大きさを小さくすることができる。
よって、スクイズフォーマー容器100が振られた際に、第2室15内における液体90の泡立ちを抑制できるという効果も得られる。
【0052】
また、ユーザーが誤って第2室15を圧搾しようとしても、第2室15は高剛性であるため第2室15の変形が抑制される。よって、第2室15から第1室14への泡の流入が抑制されるので、容器本体10内から気体供給路71への気体の入口71aを泡が塞いでしまうことも抑制される。
【0053】
なお、スクイズフォーマー容器100は、例えば、店舗での販売時などの流通時には、第2室15に第2液が充填されたスクイズフォーマー容器詰め品の形態となっている。
スクイズフォーマー容器詰め品の形態では、容器本体10の口頸部13には上述の閉止キャップが装着されており、例えば、閉止キャップ付きの容器本体10と、上述のキャップ部20とがセットになっている。
本実施形態では、スクイズフォーマー容器詰め品の形態のスクイズフォーマー容器100の第2室15には、液体90の一部分である第2液が充填され、第1液は充填されていない例を説明したが、本発明は、この例に限らず、スクイズフォーマー容器詰め品の形態のスクイズフォーマー容器100の第2室15に液体90が充填されていてもよい。すなわち、スクイズフォーマー容器100は、使用の直前に複数種類の液剤を混合して得られた液体90を泡にして吐出するものでなくともよく、1種類の液剤である液体90を泡にして吐出するものであってもよい。
このように、本実施形態に係るスクイズフォーマー容器詰め品は、本実施形態に係るスクイズフォーマー容器100と、第2室15に充填されていて液体90の少なくとも一部分を構成する液剤(第2液)と、を備える。
【0054】
以上のような第1実施形態によれば、スクイズフォーマー容器100は、容器本体10内で生じた泡が第2室15から第1室14へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部を備えるので、容器本体10に対して圧搾操作が行われた際に、容器本体10内から気体供給路71への気体の入口71aを泡が塞いでしまうことが抑制される。よって、気液混合部73に十分な量の気体を供給できるため、より確実に液体90を泡化して吐出することが可能である。
【0055】
〔第2実施形態〕
次に、
図4を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係るスクイズフォーマー容器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るスクイズフォーマー容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るスクイズフォーマー容器100と同様に構成されている。
【0056】
図4に示すように、本実施形態の場合、第1室14の高さ寸法H1及び容積が、第2室15の高さ寸法H2及び容積よりも小さい。すなわち、第1室14の高さ寸法H1が第2室15の高さ寸法H2よりも小さく、且つ、第1室14の容積が第2室15の容積よりも小さい。
なお、第1室14の正面形状は、特に限定されないが、例えば、横に長い楕円ないしは長円形状となっている。
【0057】
また、本実施形態の場合、第1室14の剛性と第2室15の剛性とが互いに同等に設定されている。すなわち、第1室14と第2室15とで耐圧搾変形性が互いに同等に設定されている。
より詳細には、例えば、第1室14の外殻の肉厚と第2室15の外殻の肉厚とが互いに同等になっている。また、第2室15の平断面形状は、例えば、楕円形状、長円形状、円形状などのオーバルな形状となっている。
【0058】
そして、本実施形態の場合、例えば、ユーザーが第2室15に対する圧搾操作を行うことによって、吐出口34aから泡が吐出される。
すなわち、第1室14が第2室15の上側に位置する状態で第2室15が圧搾されることによって、容器本体10の内部が加圧されるので、第2室15内の液体90がディップチューブ80を通して押し上げられ液体供給路72を介して気液混合部73に供給されるとともに、第1室14内の空気が入口71aから気体供給路71に導入され該気体供給路71を介して気液混合部73に供給される。
そして、気液混合部73にて生成された泡が吐出口34aから吐出される。
なお、第2室15の圧搾時には、空気圧によりボール弁36が上に移動して、該ボール弁36がボール弁ハウジング35の内周面に対して気密に密着し、吸気口35aを介した空気の漏洩が抑制される。
一方、第2室15に対する圧搾操作が解除されると、第2室15が元の形状に復元する。この際に、容器本体10の内部が陰圧になるため、ボール弁36が下に移動して、ボール弁36とボール弁ハウジング35の内周面との間に間隙が生じ、吸気口35aとこの間隙とを介して外気が第1室14に導入される。また、第1室14内の空気の一部が第2室15内に導入される。これにより、容器本体10の内部が大気圧に復帰する。
【0059】
ここで、第1室14の高さ寸法H1が第2室15の高さ寸法H2よりも小さいため、ディップチューブ80内における液体90の液面から気液混合部73までの距離をより短く設定することができる。よって、第2室15が圧搾された際に液体90が気液混合部73に到達するまでの時間が短縮されるので、圧搾操作が開始された直後から気液混合部73において液体90と空気との混合がなされるようにできる。これにより、吐出口34aからの泡の吐出開始時から、所定の混合比の良好な泡を吐出することができる。
また、容器本体10の容積の無駄を抑制できるため、すなわち液体90の貯留に必要な容積以外の容積を低減できるため、第2室15を圧搾したときの容器本体10内の圧力上昇が素早くなる。よって、圧搾操作に応じて吐出口34aから泡が吐出されるまでの応答性が向上する。
また、第2室15の高さ寸法H2は十分に確保できるため、第2室15の圧搾操作を容易に行うことができ、且つ、液体90の液面を第2室15内に位置させる(液面が第1室14に達しないようにする)ことが容易となる。
【0060】
なお、本実施形態の場合、第1室14に対する圧搾操作によっても吐出口34aから泡を吐出させることが可能であってもよい。
【0061】
更に、本実施形態の場合、泡流入抑制構造部は、第2室15から第1室14に流入した泡が気体供給路71に向かうことを阻害する阻害構造部110を含んで構成されている。
阻害構造部110は、第1室14内に配置されている。阻害構造部110は、第2室15から第1室14に流入した泡の向きを変えて、当該泡を水平方向に広がらせ、当該泡が気体供給路71への気体の入口71aに向かう勢いを低減させる。
なお、第2室15に対する圧搾操作が解除されて第2室15が元の形状に復元する際には、第1室14内に流入した泡の殆どが第2室15に戻るようにできる。
【0062】
阻害構造部110の形状は特に限定されないが、阻害構造部110は、例えば、ディップチューブ80の外周面に固定される円筒状の固定部111と、固定部111の上側に連接されていて上方に向けて拡径している錐状(例えば円錐状)のテーパー部112と、を備えて構成されている。
平面視において、テーパー部112の外形線の内側に括れ部16の内腔領域の全体が収まっていることが好ましい。
阻害構造部110は、硬質のものであってもよいし、軟質のものであってもよい。阻害構造部110が硬質の場合、テーパー部112の外径は、口頸部13の内径よりも小さい。
阻害構造部110は、容器本体10の内周面(第1室14の内周面)に対して非接触に配置されている。
【0063】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0064】
例えば、上記の第2実施形態では、泡流入抑制構造部が括れ部16と阻害構造部110とを含んで構成されている例を説明したが、本発明は、この例に限らず、泡流入抑制構造部は、括れ部16と阻害構造部110とのうち阻害構造部110のみを含んで構成されていてもよい。
【0065】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<1>開口を有する容器本体と、前記開口を塞ぐ状態で前記容器本体に装着されるキャップ部と、前記キャップ部に設けられたディップチューブと、を備え、前記キャップ部は、気液混合部と、前記気液混合部に液体を供給する液体供給路と、前記気液混合部に気体を供給する気体供給路と、吐出口と、を備え、前記容器本体が圧搾されることにより前記ディップチューブ及び前記液体供給路を介して前記気液混合部に液体が供給されるとともに前記気体供給路を介して前記気液混合部に気体が供給され、前記気液混合部にて生成された泡が前記吐出口を介して吐出されるように構成されたスクイズフォーマー容器であって、
前記容器本体は、前記気体供給路と連通していて前記気体を貯留する第1室と、前記液体を貯留する第2室と、を備え、
前記ディップチューブは、前記第1室と前記第2室とに亘って挿通され、
前記ディップチューブの外周面と前記容器本体の内周面との間の間隙を介して、前記第1室から前記第2室に前記気体が流通可能であり、
前記容器本体内で生じた泡が前記第2室から前記第1室へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部を備えるスクイズフォーマー容器。
<2>前記容器本体における前記第1室と前記第2室との間の部分は、前記第1室及び前記第2室よりも内腔断面積が小さい括れ部となっており、
前記泡流入抑制構造部は、前記括れ部を含んで構成されている<1>に記載のスクイズフォーマー容器。
<3>前記第1室から前記第2室に向かう方向に対して直交する断面において、
前記括れ部の内腔断面形状が非円形である<2>に記載のスクイズフォーマー容器。
<4>前記断面において、前記括れ部の内腔断面形状のアスペクト比が1.5以上である<3>に記載のスクイズフォーマー容器。
<5>前記泡流入抑制構造部は、前記第2室から前記第1室に流入した泡が前記気体供給路に向かうことを阻害する阻害構造部を含んで構成されている<1>から<4>のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器。
<6>前記容器本体は、底部を有しているとともに、前記底部が水平な載置面に載置された状態で自立可能であり、
前記容器本体の上端に前記キャップ部が装着され、前記第1室が前記第2室の上側に配置されている<1>から<5>のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器。
<7>前記第1室の高さ寸法及び容積が前記第2室の高さ寸法及び容積よりも小さい<6>に記載のスクイズフォーマー容器。
<8>前記第1室が圧搾されることにより前記ディップチューブ及び前記液体供給路を介して前記気液混合部に前記液体が供給されるとともに前記気体供給路を介して前記気液混合部に気体が供給され、前記気液混合部にて生成された泡が前記吐出口を介して吐出されるように構成され、
前記第1室よりも前記第2室が高剛性である<1>から<7>のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器。
<9><1>から<8>のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器と、
前記第2室に充填されていて前記液体の少なくとも一部分を構成する液剤と、
を備えるスクイズフォーマー容器詰め品。
<10>スクイズフォーマー容器用の容器本体であって、
開口と、
前記開口と連通している第1室と、
前記第1室と連通していて液体を貯留する第2室と、
当該容器本体内で生じた泡が前記第2室から前記第1室へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部と、
を備え、
前記容器本体における前記第1室と前記第2室との間の部分は、前記第1室及び前記第2室よりも内腔断面積が小さい括れ部となっており、
前記泡流入抑制構造部は、前記括れ部を含んで構成されており、
前記第1室から前記第2室に向かう方向に対して直交する断面において、前記括れ部の内腔断面形状が非円形であるスクイズフォーマー容器用の容器本体。
<11>前記第1室から前記第2室に向かう方向に対して直交する断面において、前記括れ部の内腔断面形状のアスペクト比が1.5以上である<10>に記載のスクイズフォーマー容器用の容器本体。
<12>スクイズフォーマー容器用の容器本体であって、
開口と、
前記開口と連通している第1室と、
前記第1室と連通していて液体を貯留する第2室と、
当該容器本体内で生じた泡が前記第2室から前記第1室へ流入することを抑制する泡流入抑制構造部と、
を備え、
前記第1室よりも前記第2室が高剛性であるスクイズフォーマー容器用の容器本体。