特許第6875978号(P6875978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6875978
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】ボート用釣竿ケース
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/08 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
   A01K97/08
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-210689(P2017-210689)
(22)【出願日】2017年10月31日
(65)【公開番号】特開2019-80534(P2019-80534A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2019年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】福田 和也
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録実用新案第20−0379308(KR,Y1)
【文献】 米国特許第05277306(US,A)
【文献】 特開平11−276047(JP,A)
【文献】 特開2001−000089(JP,A)
【文献】 特開2017−140017(JP,A)
【文献】 特開2002−171888(JP,A)
【文献】 特開平04−232190(JP,A)
【文献】 米国特許第05960950(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中のボート上に載置される、釣竿を収容可能な開口部を有するケース本体を備えた釣竿ケースであって、
該ケース本体は、釣竿を保護する柔軟部材と、該ケース本体の内側の空間と外側の空間とを連通する多数の連通孔を有する連通部材とから構成され、
前記ケース本体の前記連通部材は、前記ケース本体の長手方向に垂直な断面でみて前記ケース本体の外周の長さの15−25%を占め、前記ケース本体の前記連通部材の前記ケース本体の長手方向の長さは、前記ケース本体の前記柔軟部材の前記釣竿の長手方向の長さの50−60%であることを特徴とする釣竿ケース。
【請求項2】
前記ケース本体の前記柔軟部材は、前記釣竿の長手方向に垂直な断面でみて略U字状に形成される、請求項1に記載の釣竿ケース。
【請求項3】
前記ケース本体の前記多数の連通孔を有する連通部材は、前記釣竿の長手方向に垂直な断面でみて前記柔軟部材の両端部を覆うように形成される、請求項1又は2に記載の釣竿ケース。
【請求項4】
前記ケース本体の前記柔軟部材は、EVA又は発泡ゴムにより形成される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の釣竿ケース。
【請求項5】
前記ケース本体の前記柔軟部材は、前記ケース本体の長手方向に垂直な断面でみて前記ケース本体の外周の長さの75−85%を占める、請求項1から4までのいずれか1項に記載の釣竿ケース。
【請求項6】
前記ケース本体の前記連通部材の、前記ケース本体の長手方向に垂直な断面でみて前記ケース本体の外周の長さに占める割合は、前記釣竿の長手方向位置により異なる、請求項1からまでのいずれか1項に記載の釣竿ケース。
【請求項7】
前記ケース本体の前記連通部材の、前記ケース本体の長手方向に垂直な断面でみて前記ケース本体の外周の長さに占める割合は、前記釣竿の先端側に向かうにつれ小さくなる、請求項1からまでのいずれか1項に記載の釣竿ケース。
【請求項8】
前記ケース本体の前記柔軟部材は、前記釣竿の釣糸ガイドを覆うように該釣竿の長手方向に延びている、請求項に記載の釣竿ケース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、高速で移動するボート上に取り付けられる、釣竿を収容可能な釣竿ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、釣竿を収納することが可能な種々のロッドケースが知られている。このようなロッドケースとして、例えば、ケース本体を備え、その内側に釣竿を収納し、内部での釣竿の移動を防止するため、釣竿を固定する紐を備えたものがある。
【0003】
搬送中のロッドの損傷を回避することができるロッドケースとして、特許文献1には、リールを装着した状態のロッド全体を収容することにより、搬送中のロッドの損傷を回避することができるロッドケースが開示されている。
【0004】
また、ロッドと共に釣り用小物の出し入れを行い易くすることができるロッドケースとして、特許文献2には、複数本のロッドの収納・取り出しを容易にし、かつ携行時にロッドを損傷することなく持ち運ぶことができるロッドケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−171888号公報
【特許文献2】特開2017−140017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示のロッドケースでは、リールを装着したままロッド全体を収納することができるものの、ロッドの収納・取り出しに時間がかかってしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に開示のようなロッドケースを、高速で移動するボートなどの上に取り付けた場合には、ケースの開口部を通って風が流入し、その風圧のためにケースごと飛ばされてしまうという問題があることが分かっている。
【0008】
本発明の実施形態は、上記のような問題点に鑑み、釣竿の収納や取り外しを簡便なものとしつつ、高速で移動するボートなどの上に取り付けた場合であっても安定的に搬送することが可能なロッドケースを提供することを目的とする。
【0009】
本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣竿ケースは、移動中のボート上に載置される、釣竿を収容可能な開口部を有するケース本体を備え、該ケース本体は、釣竿を保護する柔軟部材と、該ケース本体の内側の空間と外側の空間とを連通する多数の連通孔を有する連通部材とから構成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係るケース本体の柔軟部材は、ケース本体の長手方向に垂直な断面でみて略U字状に形成される。
【0012】
本発明の一実施形態に係るケース本体の多数の連通孔を有する連通部材は、ケース本体の長手方向に垂直な断面でみて柔軟部材の両端部を覆うように形成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係るケース本体の柔軟部材は、EVA又は発泡ゴムにより形成される。
【0014】
本発明の一実施形態に係るケース本体の柔軟部材は、ケース本体の長手方向に垂直な断面でみてケース本体の外周の長さの75−85%を占めるよう構成される。
【0015】
本発明の一実施形態に係るケース本体の連通部材は、ケース本体の長手方向に垂直な断面でみてケース本体の外周の長さの15−25%を占めるよう構成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係るケース本体の連通部材の、ケース本体の長手方向に垂直な断面でみてケース本体の外周の長さに占める割合は、釣竿の長手方向位置により異なる。
【0017】
本発明の一実施形態に係るケース本体の連通部材のケース本体の長手方向における長さは、ケース本体の柔軟部材の釣竿の長手方向における長さの50−60%である。
【0018】
本発明の一実施形態に係るケース本体の連通部材の、ケース本体の長手方向に垂直な断面でみてケース本体の外周の長さに占める割合は、釣竿の先端側に向かうにつれ小さくなる。
【0019】
本発明の一実施形態に係るケース本体の柔軟部材は、釣竿の釣糸ガイドを覆うように該釣竿の長手方向に延びている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の様々な実施形態により、釣竿の収納や取り外しを簡便なものとしつつ、高速で移動するボートなどの上に取り付けた場合であっても安定的に搬送することが可能なロッドケースを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態における釣竿ケース1の使用が想定される態様を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による釣竿ケース1の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による釣竿ケース1の上面図である。
図4】本発明の一実施形態による釣竿ケース1の正面図である。
図5】本発明の一実施形態による釣竿ケース1の各位置における断面図である。
図6】本発明の他の実施形態による釣竿ケース1の斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態による釣竿ケース1の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない。以下、本発明の実施形態について図面に基づき説明する。
【0023】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態における釣竿ケース1の使用が想定される態様について説明する。釣竿ケース1は、釣竿を収容可能な開口部を有するケース本体2を備える。
【0024】
図示の例では、バスボート10のデッキ11に釣竿ケース1が載置された状態となっている。釣竿ケース1には釣竿12の少なくとも一部が収納されている。図示の例では、釣竿12のリール13が釣竿ケース1の開口部5から外部へ露出した状態で釣竿12が釣竿ケース1に収納された状態となっている。
【0025】
図1では、このような釣竿ケース1が図1の紙面でみて左右方向両側にそれぞれ複数載置されている。図示の例では、複数の釣竿ケース1がバスボート10のデッキ11上に固定具14によりまとめて固定されている。当該固定具14は一例であって、構造、形状、素材等に特段の限定はなく、適宜必要に応じて変更しても構わない。
【0026】
通常、バスボート10は、目的地により早く到着するため、高速(例えば、時速70−100km)で移動すると共に、目的地に到着してからデッキ11の前方にいる釣人がすぐに釣竿を取り出すことができるよう、釣竿12の後端がバスボート10の前方に向くよう配置されている。図1では、バスボート10を例に説明したが、これに限られず、高速で移動しかつ風の影響を受ける部分に釣竿ケースを載置するボート等の乗り物であってよく、特段の限定はなく、適宜選択可能である。
【0027】
また、前述の通り、釣竿12は、釣竿ケース1に一部が収納され、その他の部分は外部に露出しているため、釣竿12のグリップを掴んで簡便に取り出すことができる。あるいは、取り出す際、釣竿12がバスボート10から外部へ突出しないようにするため、固定具14を外し、釣竿ケース1を上方に持ち上げた上で取り出すことも可能である。このようにして、バスボート10の高さ方向を利用して、バスボート10から外部(横方向)へ突出させることなく、釣竿12を釣竿ケース1から取り出すことができる。
【0028】
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態における釣竿ケース1について説明する。本発明の一実施形態に係る釣竿ケース1は、移動中のボート上に載置され、釣竿12(図示しない)を収容可能な開口部5を有するケース本体2を備える。当該ケース本体は、釣竿12(図示しない)を保護する柔軟部材3と、該ケース本体2の内側の空間と外側の空間とを連通する多数の連通孔6を有する連通部材4とから構成される。
【0029】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の柔軟部材3は、例えば、EVAにより形成され得る。また、本発明の一実施形態に係る柔軟部材3は、EVA又は発泡ゴムにより形成される又は実質的に形成されてもよいが、これらに限定されるものではなく、適宜変更可能である。このようにして、ケース本体2の柔軟部材3により釣竿12を保護することが可能となる。
【0030】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の連通部材4は、例えば、メッシュ素材のナイロン生地により形成され得る。また、本発明の一実施形態に係る柔軟部材3は、により形成される又は実質的に形成されてもよいが、これらに限定されるものではなく、適宜変更可能である。このようにして、バスボート10が高速で移動する際に受ける風が、ケース本体2の開口部5を通って流入した場合であっても、ケース本体2の連通部材4から外部へ放出することができるようになっているため、風により釣竿ケース1がデッキ11から飛ばされてしまうことを防止することができる。
【0031】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の柔軟部材3は、前記釣竿の長手方向に垂直な断面でみて略U字状に形成される。また、本発明の一実施形態に係るケース本体2の柔軟部材3は、EVAにより形成されることができる。このようにして、ケース本体2の柔軟部材3が、釣竿12を的確に保護することを可能とする。
【0032】
また、本発明の一実施形態に係るケース本体2の多数の連通孔6を有する連通部材4は、釣竿12の長手方向に垂直な断面でみて前記柔軟部材の両端部を覆うように形成される。
【0033】
このようにして、バスボート10が高速で移動する際に受ける風が、ケース本体2の開口部5を通って流入した場合であっても、ケース本体2の連通部材4から外部へ放出することができるようになっているため、風により釣竿ケース1がデッキ11から飛ばされてしまうことを防止することができる。
【0034】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の柔軟部材3は、ケース本体2の長手方向に垂直な断面でみて当該ケース本体2の外周の長さの75−85%を占めるよう構成される。詳細は後述する。
【0035】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の連通部材4は、ケース本体2の長手方向に垂直な断面でみて当該ケース本体2の外周の長さの15−25%を占めるよう構成される。同様に、詳細は後述する。
【0036】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の連通部材4の、ケース本体2の長手方向に垂直な断面でみてケース本体2の外周の長さに占める割合は、ケース本体2の長手方向位置により異なるよう構成される。また、連通部材は必ずしも連続的に形成されることを意図するものではなく、断続的に形成されてもよい。その場合、連通部材の長さは、複数の連通部材の長さの合計として表すことができる。このこのようにして、バスボート10が高速で移動する際に受ける風が、ケース本体2の開口部5を通って流入した場合であっても、ケース本体2の連通部材4から外部への望ましい放出量に合わせて、適宜決定することができるため、風により釣竿ケース1がデッキ11から飛ばされてしまうことをより確実に防止することができる。
【0037】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の連通部材4のケース本体2の長手方向でみた長さは、当該ケース本体2の柔軟部材3のケース本体2の長手方向でみた長さの50−60%であるように構成される。また、連通部材は必ずしも連続的に形成されることを意図するものではなく、断続的に形成されてもよい。その場合、連通部材の長さは、複数の連通部材の長さの合計として表すことができる。このようにして、バスボート10が高速で移動する際に受ける風が、ケース本体2の開口部5を通って流入した場合であっても、ケース本体2の連通部材4から外部への望ましい放出量に合わせて、適宜決定することができるため、風により釣竿ケース1がデッキ11から飛ばされてしまうことを確実に防止することができる。
【0038】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の連通部材4の、ケース本体2の長手方向に垂直な断面でみて当該ケース本体2の外周の長さに占める割合は、ケース本体2の開口部5とは反対方向に向かうにつれ小さくなるよう構成される。このようにして、ケース本体2の連通部材4から外部への放出量に合わせて、連通部材4の面積を調整ことができるため、風により釣竿ケース1がデッキ11から飛ばされてしまうことをより確実に防止することができる。
【0039】
本発明の一実施形態に係るケース本体2の柔軟部材3は、釣竿12の釣糸ガイド(図示しない)を覆うようにケース本体2の長手方向に延びている。このようにして、このようにして、ケース本体2の柔軟部材3が、釣竿12を釣竿12の釣糸ガイドを含めて的確に保護することが可能となる。
【0040】
図3は、図2の釣竿ケース1を上面からみた状態を示す。図示の例では、ケース本体2の柔軟部材3は、釣竿12の長手方向におけるサイズや釣糸ガイドの大きさに合わせて、ケース本体の後端部分21から先端部分20へ向けて略テーパするように構成されている。このようにして、釣竿12の長手方向におけるサイズや釣糸ガイドの大きさに合わせて、ケース本体2の柔軟部材3が、釣竿12を釣竿12の釣糸ガイドを含めて的確に保護することが可能となる。
【0041】
図3では、ケース本体2の後端に固定部材22が取り付けられ、当該固定部材22は、開口部5から外部へ露出する釣竿12のリール(図示しない)を当該開口部5とは反対側で釣竿ケース1をデッキ11へ固定する役割を果たす。
【0042】
次に、図4は、図2の釣竿ケース1を正面からみた状態を示す。図示の例では、ケース本体2の柔軟部材3は、釣竿12(図示しない)の長手方向におけるサイズや釣糸ガイドの大きさに合わせて、ケース本体の後端部分21の開口部5から先端部分20へ向けて略テーパするように構成されている。そのため、例えば、図示の位置における連通部材4の、図4の紙面の左右方向における長さB1は、図示の位置における連通部材4の、図4の紙面の左右方向における長さB2の %程度となっている。当該B1やB2は、収納する釣竿12ないし釣糸ガイドの大きさに合わせて適宜決定することができ、特定の長さに限定することを意図するものではない。
【0043】
ここで、ケース本体2の長手方向長さをW、連通部材4の同方向の長さをYとする。連通部材4の長さYは、ケース本体2の長手方向長さWの60−65%の範囲で適宜設定することができる。なお、連通部材4は必ずしも連続的に形成されることを意図するものではなく、断続的に形成されてもよい。その場合、連通部材4の長さは、複数の連通部材の長さの合計として表すことができる。
【0044】
このようにして、ケース本体2の連通部材4から外部への放出量に合わせて、連通部材4の面積を適宜調整することで、風により釣竿ケース1がデッキ11から飛ばされてしまうことをより確実に防止することができる。同図の固定部材22については既述の通りであるため、ここでは省略する。
【0045】
図5は、図3における各位置における釣竿ケースの断面図を示す。図5(a)は、ケース本体2の先端部分20の付近におけるA−A断面図を示している。
【0046】
図示のように、ケース本体2の柔軟部材3が四方を取り囲むように形成され、連通部材4は形成されていない。このようにして、ケース本体2の先端部分20における釣竿12の保護性をより高めることができる。図5(a)の例では、ケース本体2は、連通部材4を形成しない構成を示したが、連通部材4をケース本体2の一部に形成するようにしてもよい。
【0047】
図5(b)は、ケース本体2の中央付近におけるB−B断面図を示している。図5(b)の例では、ケース本体2は、U字状の柔軟部材3を形成し、当該柔軟部材3の両端部は、連通部材4で覆うように構成することができる。図示のように、当該柔軟部材3の長さをA1、当該連通部材4の長さをB1とし、ケース本体2の外周をX1とする。すなわち、ケース本体2の外周X1はA1+B1となる。
【0048】
この場合、ケース本体2の中央付近における、ケース本体2の外周X1に占める柔軟部材3の長さA1は、70−80%とすることができる。また、ケース本体2の中央付近における、ケース本体2の外周X1に占める連通部材4の長さB1は、20−30%とすることができる。また、これらの割合は、ケース本体2の中央付近におけるケース本体2の長手方向位置により異なるものとすることができる。
【0049】
このようにして、釣竿12の保護性能を確保すると共に、バスボート10が高速で移動する際に受ける風が、ケース本体2の開口部5を通って流入した場合であっても、ケース本体2の連通部材4から外部へ放出されるため、風により釣竿ケース1がデッキ11から飛ばされてしまうことを確実に防止することができる。
【0050】
図5(c)は、ケース本体2の後部部分21におけるC−C断面図を示している。図5(c)の例では、図5(b)の場合と同様、ケース本体2は、U字状の柔軟部材3を形成し、当該柔軟部材3の両端部は、連通部材4で覆うように構成することができる。図示のように、当該柔軟部材3の長さをA2、当該連通部材4の長さをB2とし、ケース本体2の外周をX2とする。すなわち、ケース本体2の外周X2はA2+B2となる。
【0051】
この場合、ケース本体2の中央付近における、ケース本体2の外周X2に占める柔軟部材3の長さA2は、75−85%とすることができる。また、ケース本体2の中央付近における、ケース本体2の外周X2に占める連通部材4の長さB2は、15−25%とすることができる。また、これらの割合は、ケース本体2の中央付近におけるケース本体2の長手方向位置により異なるものとすることができる。
【0052】
このようにして、釣竿12の保護性能を確保すると共に、バスボート10が高速で移動する際に受ける風が、ケース本体2の開口部5を通って流入した場合であっても、ケース本体2の連通部材4から外部へ放出されるため、風により釣竿ケース1がデッキ11から飛ばされてしまうことを確実に防止することができる。
【0053】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本体ケース2における柔軟部材3ないし連通部材4が形成される領域は、上述した実施形態に限定されるものではなく、連続的か断続的か等を問わず、適宜種々変更可能であることはいうまでもない。
【0054】
図6、7に、本発明の他の実施形態における釣竿ケース1の斜視図を示す。図6における釣竿ケース1のケース本体2は、連通部材4が断続的に2箇所形成されており、元ガイドが接触する領域付近に保護性が高い柔軟部材3を設けることで、風抜けと保護性をより両立するように構成するようにしてもよい。また、複数の釣糸ガイドの位置に合わせて柔軟部材3を複数形成するようにしてもよい。その場合、連通部材4と柔軟部材が交互に形成されることとなる。
【0055】
図7における釣竿ケース1は、連通部材4が本体ケース2に螺旋状に形成されている。このように、風抜けと保護性の双方を考慮して、螺旋状の連通部材4の面積の合計が所定の値となるよう螺旋の寸法や形状を適宜選択・決定することができる。
【0056】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0057】
1 釣竿ケース
2 ケース本体
3 柔軟部材
4 連通部材
5 開口部
10 バスボート
11 デッキ
12 釣竿
13 リール
14 固定具
20 先端部分
21 後端部分
22 固定具


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7