(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロッド冷却管(30)は、前記シリンダシャフト(71)もしくは前記上部シリンダ頭部(10)上で固定ラグ(25)に対して、または前記伝送ケーシング(8)のいずれかに対して、前記タイロッド(17)により直接または間接に締め付けて保持される管カラー(34)を有することを特徴とする、請求項2に記載の複動減圧シリンダ。
前記管カラー(34)は、バンジョー継手(38)を用いて前記固定ラグ(25)に対して前記タイロッド(17)によって締め付けて保持され、前記バンジョー継手(38)は一方で前記冷却流体源(40)に連結された少なくとも1つの径方向連結導管(39)を有し、他方で前記ロッド冷却管(30)の内部と連通することを特徴とする、請求項4に記載の複動減圧シリンダ。
前記ロッド封止手段(55)は、前記油循環チャンバ(58)の内側または外側に設置されたロッドガイドブッシング(62)と協働することを特徴とする、請求項15に記載の複動減圧シリンダ。
【背景技術】
【0003】
本出願人は、移動/膨張および再生熱機関に関する2つの仏国特許出願を保持していることに留意されよう。これらの出願の1番目は第1550762号として2015年1月30日に登録され、2番目は2015年2月25日を日付として第1551593号をもつ。
【0004】
当該エンジンは、通常使用される駆動タービンが減圧シリンダによって置換され、その減圧シリンダのエネルギー性能は、当該出願の「機能」の章に記載されたように特殊モードにより進入および排気絞り弁の作動によって最大にされるという意味で、従来のブレイトンサイクル再生エンジンとは区別される。
【0005】
具体的には、進入絞り弁の段階で、進入絞り弁が排気圧に下がるのを長引かせることにより、ガス膨張効率が最大になる。その上排気絞り弁の段階は、進入絞り弁が開く前に当該ガスの圧力および温度が燃焼器から出るガスの圧力および温度と再度等しくなるように、ピストンの上死点に据えられた死容積に捕捉された残留の排ガスを再圧縮するように設計される。この排気絞り弁の段階は、高圧下で死容積に放出するガスは低圧のままであることに起因して、あらゆる不可逆性を防ぐ。
【0006】
当該出願によれば、当該減圧シリンダを備えた当該駆動タービンの置換は、具体的には革新的なピストン封止手段により可能であり、ピストン封止手段は、ガスが圧力下で当該シリンダと、シリンダと協働する減圧ピストンとの間から逃れるのを防止する。これらの減圧ピストンの2つの要素は非常に高温まで上昇されるので、2つの要素は、断片の形であってもまたはリングの形であっても、あらゆる油性潤滑の使用を排除し、一方の高い減圧シリンダと他方の封止断片またはガスケットとの間のあらゆる接触を排除する。
【0007】
これが、特許出願第1550762号および第1551593号に提案された革新的な封止手段が、連続した穿孔リングと減圧シリンダとの間に据えられた空気膜の恩恵でいかなる潤滑および接触の必要なしに行うことを可能にする理由である。この空気の流量はさらに当該リングの冷却を確保する。
【0008】
同様に当該出願は、これまで解決されておらず、ひいては確認された必要性を満たし、タービン式ブレイトンサイクル再生エンジンの生産よりはるかに良好で、いかなる型の代替内燃機関のオットーまたはディーゼル熱機関の効率より著しく優れている効率をもつ、再生エンジンの生産を可能にすることが未解決になっている技法の問題を解決する、前例のない配置および技術的解決法を提案する。
【0009】
特許出願第1550762号および第1551593号では、同じ利点を提供できる他の封止手段の可能性が除外されないように、封止手段が二次的請求に表されていることに留意されよう。
【0010】
特許出願第1550762号および第1551593号に表されているような減圧シリンダ、またはあらゆる他の減圧シリンダに関与するかどうかに関わらず、これは当該シリンダが高温で作動すると記載されている限り、減圧シリンダは、端部(複数可)を閉鎖するシリンダ頭部(複数可)およびそれと協働するピストンのように、アルミニウム、炭化ケイ素、または二酸化ジルコニウムなどの高温で十分に上昇された機械的強度を有する材料から構成される必要がある。またステンレス鋼または超合金のある特定の等級を使用することもできる。しかしそれらの価格に対するそれらの機械的強度は、必ずしも最良の選択にならない。
【0011】
問題は、摂氏数千度近く、もしくはそれ以上まで温度を上昇させるこれらの要素および材料が、その作動温度が十分に低いままである、またはおよそ摂氏100度に過ぎない他の要素と相互作用することである。当該他の要素の中には、例えばそれにピストンを連結する動力伝達の機械的手段、または当該手段を閉囲し、それにシリンダ(減圧式であるかどうかに関わらず)およびその頭部(複数可)が直接または間接に固定される筐体がある。
【0012】
したがって異なる温度で作動し、恐らくその熱膨張の係数が異なる材料から構成される、これらの異なる要素間で連結または固定されるそれらの要素間の相互作用を可能にさせるに違いない。
【0013】
具体的には、単動または複動ピストン上のガスの圧力によって生成される力は、伝達の機械的手段が有益な形で機能を提供できるように、伝達の機械的手段によって収集されなければならない。シリンダ頭部(複数可)に同じ力を加える当該ガスはシリンダを閉じ、これらの同じ力は、当該シリンダ頭部(複数可)と伝達の機械的手段を閉囲する筐体との間に配置された機械的リンク機構によって回収される必要がある。各々がそれらの機能を実行する一方で、これらの異なる要素は、一様な方法であるかどうかに関わらず、膨張でき、自由に変形する必要がある。
【0014】
また要素がその一部である熱機関の最大効率を維持するために、高温要素は最小限の熱を低温要素に移すべきであることにも留意される。これは、本出願人に帰属する特許出願第1550762号および第1551593号の移動/膨張および再生熱機関の場合に明白である。実際に、当該機関の高温要素により低温要素に伝達されたあらゆる熱は回収不可能であり、もはや駆動エネルギーに変換できない。
【0015】
今は高温まで上昇され、高まった力を受ける高温部の固着は、好ましくは高い機械的強度をもつ低温鋼部を用いて達成される。この構成は、高温部から低温部に過剰な熱伝達をもたらすべきではない。
【0016】
これは、本発明による適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダが、具体的に高温で作動するピストンおよびシリンダを備えた代替容積熱機関のために設計される理由であり、高い力を回復する3つの要件を満たすために、機械的に相互作用し異なる作動温度まで上昇された異なる要素は、それらの機能を損なうことなく、高温部から低温部への熱伝達を限定することなく、膨張し変形できる。
【0017】
その上、本発明による適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダは、そのシリンダ(複数可)およびピストン(複数可)が例えば約摂氏900度〜摂氏1000度まで上昇される、代替機関の実現形態を促進するように設計される。このような温度は、シリンダ(複数可)およびピストン(複数可)が、その温度が約摂氏1100度〜摂氏1300度(このような温度は上昇した熱力学効果を達成するために必要である)であることがあるガスを圧縮し、かつ/または膨張させるという事実に起因する。
【発明の概要】
【0018】
概ねピストン(複数可)を備えた代替熱機械および具体的には熱機関を適用する領域では、本発明は以下のような適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダを提供する、すなわち
・当該シリンダの等方的または異方的膨張は、当該シリンダの機能または当該シリンダ内で動くピストンの機能を損なうことなく、また当該シリンダがその一部であるあらゆる熱機関または熱機械の容積率を大きく変えることなく、当該シリンダが固定された伝達筐体の膨張と異なることが可能であり、
・ピストンが高温に上昇されることもあり、その中に伝送手段が収納され、それに当該シリンダが固定される伝送筐体のように低温で作動する伝送手段に連結されることがあるにも関わらず、当該シリンダは、当該シリンダが協働するピストンを中心に常に留め、
・当該シリンダは、そのシリンダ頭部(複数可)と同様に、高い機械的強度をもつ鋼連結部を用いて、またこれはその強度を維持するために当該鋼に必要とされる低温に関わらず、また当該シリンダおよびその頭部(複数可)が高温を受けるにも関わらず、伝送筐体に一体的に固定されることが可能であり、
・当該シリンダは当該シリンダが協働する低温部にその熱をほとんど運ばず、したがって当該シリンダがその一部である、あらゆる熱機関またはあらゆる熱機械の効率を保ち、
・当該シリンダが作成されるその材料(複数可)は中温勾配を受け、これらの材料(複数可)が上昇された強度および優れた耐久性を与える。
【0019】
本発明による適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダは、高温で作用するかどうかに関わらず、少なくとも1つのシリンダを有するあらゆる機関または装置に適合可能であり、当該シリンダは低温で維持されたケーシングまたは筐体に連結されることが理解される。限定することなく当該発明の例示的出願の中には、本出願人に帰属する仏国特許出願第1550762号および第1551593号の移動/膨張および再生熱機関がある。
【0020】
本発明の他の特性は、主請求項に直接または間接に依存して、本明細書本文および二次的請求項に記載されている。
【0021】
適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダは、複動減圧ピストンと協働するシリンダシャフトを備え、当該ピストンは下部ピストンロッドにより伝送ケーシング内に設置された伝送手段に連結され、シリンダシャフトは伝送ケーシングに固定されるが、当該手段の側部から出現する当該シャフトの端部は、下部シリンダ頭部によって閉じられ、下部ピストンロッドは、複動減圧ピストンで高温ガスの下部チャンバを画定するために下部ロッド開口を介して下部シリンダ頭部を通過する一方で、当該シャフトの他端は、当該ピストンで高温ガスの上部チャンバを画定するために上部シリンダ頭部によって閉じられ、本発明によれば当該シリンダは、
・その長さの方向に全体をロッドトンネルが通過する少なくとも1つの中空ピラーであって、当該ピラーの第1のピラー端部は伝送ケーシング上に直接または間接に着座する一方で、当該ピラーの第2のピラー端部はシリンダシャフト、下部シリンダ頭部および上部シリンダ頭部を直接または間接に支持するが、当該第1の端部はボール継手を中心に枢動でき、かつ/または当該ケーシングに対して屈曲できる一方で、当該第2の端部はボール継手を中心に枢動でき、かつ/または当該シリンダシャフトに対して屈曲できる、少なくとも1つの中空ピラーと、
・ロッドトンネル内に設置された少なくとも1つのタイロッドであって、当該タイロッドの第1のロッド端部は伝送ケーシングに直接または間接に固定される一方で、当該タイロッドの第2のロッド端部はシリンダシャフトに、かつ/または下部シリンダ頭部に、かつ/または上部シリンダ頭部に固定され、第1の端部はボール継手を中心に枢動でき、かつ/または当該ケーシングに対して屈曲できる一方で、当該第2の端部はボール継手を中心に枢動でき、かつ/または当該シリンダに対して屈曲できる、少なくとも1つのタイロッドと、
・下部シリンダ頭部付近に位置付けられた下部シリンダセンタリング手段であって、当該手段は一方でシリンダシャフトまたは下部シリンダ頭部に、他方で伝送ケーシングに直接または間接に当接し、当該手段はシリンダシャフトをその長軸に平行に伝送ケーシングに対して自由に動くままにさせ、さらに当該シャフトが当該軸に垂直な面にやはり当該ケーシングに対して動くのを防ぐ、下部シリンダセンタリング手段と、
・上部シリンダ頭部付近に位置付けられた上部シリンダセンタリング手段であって、当該手段は一方でシリンダシャフトまたは上部シリンダ頭部に、他方で伝送ケーシングに堅固に固着され、少なくとも1つの堅固なフレームピラーにより上部シリンダ頭部の高さに近い高さで維持されるセンタリングフレームに当接し、当該手段はシリンダシャフトをその長軸に平行に伝送ケーシングに対して自由に動くままにさせ、さらに当該シャフトが当該軸に垂直な面にやはり当該ケーシングに対して動くのを防ぐ、上部シリンダセンタリング手段と、を備える。
【0022】
本発明による複動減圧シリンダは、少なくとも1つのロッド冷却管を備え、当該管はタイロッドを当該ロッドの長さのすべてまたは一部に対して密接に包囲し、冷却流体源に由来する冷却流体は、当該管の内壁と当該ロッドの外面との間に残っている自由空間内を循環することができる一方で、当該管の外面の可能な最大部分は、ロッドトンネルの内壁で空き空間を画定するように当該内壁に接触しない。
【0023】
本発明による複動減圧シリンダは、第1のロッド端部の付近にロッド冷却管の内部と連通する少なくとも1つの第1の管供給開口、および/または第2のロッド端部の付近にロッド冷却管の内部と連通する少なくとも1つの第2の管供給開口を備え、冷却流体は2つの当該開口の間を循環できる。
【0024】
本発明による複動減圧シリンダは、ロッド冷却管を備え、当該管はシリンダシャフトもしくは上部シリンダ頭部上の固定ラグに、または伝送ケーシングのいずれかに、タイロッドにより直接または間接に締め付けられて保持された管カラーを有する。
【0025】
本発明による複動減圧シリンダは、管カラーを備え、当該カラーはバンジョー継手を用いて固定ラグに対してタイロッドによって締め付けて保持され、当該継手は一方で冷却流体源に連結された少なくとも1つの径方向連結部を有し、他方でロッド冷却管の内部と連通する。
【0026】
本発明による複動減圧シリンダは、断熱スペーサーを備え、当該スペーサーは、管カラーと固定ラグとの間に挿入され、当該スペーサーは一端から他端にその長さの方向にスペーサートンネルによって横断され、当該トンネル内にタイロッドおよびロッド冷却管が設置され、当該管は当該ロッドを密接に包囲する一方で、当該管の外面の可能な最大部分は、スペーサートンネルの内壁で空き空間を画定するように、当該壁に接触しない。
【0027】
本発明による複動減圧シリンダは、ロッド冷却管を備え、当該管は当該管の軸部によって構成された少なくとも1つの管隆起部を有し、当該管の軸部の直径はその中に当該管が設置されるロッドトンネルの直径と基本的に等しいかまたはわずかに大きい。
【0028】
本発明による複動減圧シリンダは、ロッド冷却管を備え、当該管は、当該管の軸部によって構成された管の直径の少なくとも1つの収縮部を有し、当該管の直径は、タイロッドの本体の直径と基本的に等しいかまたはわずかに小さい。
【0029】
本発明による複動減圧シリンダは、ロッド冷却管を備え、当該管は少なくとも1つの径方向連通穴を有し、当該穴は冷却流体を当該管に入出させることができる。
【0030】
本発明による複動減圧シリンダは、タイロッドを備え、当該ロッドは、当該ロッドの長さに配置された内部ロッド冷却チャネルを形成するために中空であり、当該チャネルは当該ロッドから軸方向または半径方向に出現する一方で、冷却流体源に由来する冷却流体は当該チャネル内を循環することができる。
【0031】
本発明による複動減圧シリンダは、圧縮チャンバを備え、当該チャンバは圧縮空気源に連結され、センタリングフレームによって固定され、またはセンタリングフレームの上もしくは中に配置される一方で、高温ガスの上部チャンバの側部上の複動減圧ピストンを伸ばす上部ピストンロッドは、当該シリンダ頭部内に配置された上部ロッド開口を介して当該シリンダ頭部を通過し、センタリングフレームを通過するチャンバへのアクセス開口を介して圧縮チャンバ内に出現するので、当該ピストンから最も離れた当該ロッドの端部は、当該ピストンの位置に関わらず常に当該チャンバの内側に突入されたままである。
【0032】
本発明による複動減圧シリンダは、伝送ケーシングを備え、当該ケーシングは、伝送手段へのアクセス開口によって貫通されたセンタリングおよび封止板で覆われ、下部ピストンロッドは伝送手段に連結されるために伝送手段へのアクセス開口を通過し、当該板は当該ケーシングに堅固に固着される。
【0033】
本発明による複動減圧シリンダは、チャンバへのアクセス開口を備え、当該開口はロッド封止手段と協働し、または当該手段を備え、当該手段は当該開口と上部ピストンロッドとの間に封止を提供する。
【0034】
本発明による複動減圧シリンダは、伝送手段へのアクセス開口を備え、当該開口はロッド封止手段と協働し、または当該手段を備え、当該手段は当該開口と下部ピストンロッドとの間に封止を提供する。
【0035】
本発明による複動減圧シリンダは、ロッド封止手段を備え、当該手段は、上部ロッド封止と下部ロッド封止との間に油循環チャンバを形成するために、互いから十分に離間した2つの当該封止を含み、油循環チャンバの中に冷却および潤滑油用供給ラインが入り、当該チャンバから冷却および潤滑油用出口ラインが出現する。
【0036】
本発明による複動減圧シリンダは、ロッド封止手段を備え、当該手段は、油循環チャンバの内側または外側に設置されたロッドガイドブッシングと協働する。
【0037】
本発明による複動減圧シリンダは、シリンダの下部センタリング手段および/または上部センタリング手段を備え、当該シリンダは弾性センタリングディスクによって構成され、当該ディスクはその中心をディスク穴によって貫通させることが可能であり、下部ピストンロッドまたは上部ピストンロッドはそれぞれが当該穴を通過する一方で、その周辺はそれぞれ伝送ケーシングに、かつ/またはセンタリングフレームに堅固に固定されたディスク固定カラーから構成される。
【0038】
本発明による複動減圧シリンダは、センタリングおよび封止板を備え、当該板は、弾性センタリングディスクから構成される、シリンダの下部センタリング手段を担い、当該ディスクの周辺は当該板に堅固に固定されたディスク固定カラーを形成し、当該ディスクは、その中心で当該ディスクに接触することなく下部ピストンロッドを通過させるディスク穴によって貫通され、ディスク穴の縁部は円形接触パッドを有し、当該パッドは下部シリンダ頭部上でセンタリングおよび封止円錐部と密接な接触を維持され、当該円錐部は雄型または雌型のいずれかであり、当該パッドと当該円錐部との間の接触は軸方向にその中心から弾性センタリングディスクを変形する効果を有する。
【0039】
本発明による複動減圧シリンダは、シリンダの上部センタリング手段を備え、当該手段は弾性センタリングディスクから構成され、当該ディスクの周辺は、センタリングフレームに密接に固定されたディスク固定カラーを形成し、当該ディスクはその中心でディスク穴によって貫通され、当該穴の縁部は円形接触パッドを有し、当該パッドは上部シリンダ頭部上でセンタリングおよび封止円錐部と密接な接触を維持され、当該円錐部は雄型または雌型のいずれかであり、当該パッドと当該円錐部との間の接触は軸方向にその中心から弾性センタリングディスクを変形する効果を有する。
【0040】
非限定例として与えられた添付図面に関する以下の説明により、本発明、本発明が示す特性、および本発明が提供できる利点をよりよく理解できよう。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1〜
図7に、適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダ1、その構成要素の様々な詳細、その変形、およびその付属品が示されている。
【0043】
図2〜
図4に明確に示されているように、複動減圧シリンダ1は、複動減圧ピストン2と協働するシリンダシャフト71を備え、当該ピストン2は下部ピストンロッド46により伝送手段3に連結され、当該手段3は例えばクランク5上に接合されたリンク4から構成することができ、当該クランク5はクランクシャフト6上に配置され、当該リンク4は、ピストン軸により直接、またはクロスヘッド7を通して間接に複動減圧ピストン2に連結される。
【0044】
別法として、当該手段3はカム、油圧出力ポンプ、発電機、または当業者に公知のあらゆる他の伝送手段から構成されることも可能であることに留意されよう。
【0045】
図1〜
図5に示されたように、伝送手段3は低温に維持される伝送ケーシング8内に収納され、シリンダシャフト71は伝送ケーシング8に固定され、このシリンダシャフト71および複動減圧ピストン2はそれらの部品を高温で作動できることが留意される。
【0046】
やはり
図1〜
図5に示されたように、当該手段3の側部上に出現するシリンダシャフト71の端部は、下部シリンダ頭部9によって閉じられ、下部ピストンロッド46は、複動減圧ピストン2で高温ガスの下部チャンバ11を画定するために、下部ロッド開口51を介して下部シリンダ頭部9を通過する一方で、当該シャフト71の他端は、当該ピストン2で高温ガスの上部チャンバ12を画定するために、上部シリンダ頭部10によって閉じられ、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10は弁アクチュエータ70によって制御される少なくとも1つの弁50を有することができることが留意される。
【0047】
また
図1〜
図5は、本発明による適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダ1が、1端から他端にその長さの方向にロッドトンネル14によって横断された少なくとも1つの中空ピラー13を備え、ロッドトンネル14の全体を閉じることも、または貫通させることもできることを示す。
【0048】
中空ピラー13の第1のピラー端部15は伝送ケーシング8上に直接または間接に着座する一方で、当該ピラー13の第2のピラー端部16はシリンダシャフト71、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10を直接または間接に支持することに気付くであろう。
【0049】
その上、本発明による適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダ1は、ボール継手42を中心に枢動できる、かつ/または当該ケーシング8に対して屈曲することができる第1のピラー端部15を必要とする一方で、第2のピラー端部16はボール継手42を中心に枢動できる、かつ/または当該シリンダシャフト71に対して屈曲することができ、枢動もしくはカルダン型もしくはボール継手42の機械的リンクを用いて、または中空ピラー13の一部もしくはすべての屈曲により、または両方の手段のいずれかにより、当該端部15、16の枢動を起こすことができる。
【0050】
本発明による複動減圧シリンダ1の1つの具体的実現形態によれば、中空ピラー13を二酸化ジルコニウム、または「ジルコン」から作成することができ、このセラミックは高温での良好な機械的強度、わずかな熱伝導率、および鋼の膨張係数に近い膨張係数を提供する。
【0051】
好都合なことに、高温ガスの下部チャンバ11および高温ガスの上部チャンバ12の容積率がシリンダシャフト71を加熱中に大きく変化し過ぎるのを防ぐために、シリンダシャフト71は、複動減圧ピストン2がその移動の中間に位置付けられたときに、ほぼ複動減圧ピストン2の高さで第2のピラー端部16上に着座することができることに留意されたい。したがってシリンダシャフト71がその温度の上昇の影響下で膨張すると、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10は、複動減圧ピストン2の中央位置に対してほぼ同じ距離だけ離れる。
【0052】
同様に
図1〜
図5は、本発明による適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダ1は、ロッドトンネル14内に設置された少なくとも1つのタイロッド17を備え、当該タイロッド17の第1のロッド端部18は伝送ケーシング8に直接または間接に固定される一方で、当該タイロッド17の第2のロッド端部19はシリンダシャフト71に、かつ/または下部シリンダ頭部9に、かつ/または上部シリンダ頭部10に固定され、当該第1の端部18はボール継手42を中心に枢動でき、かつ/または当該ケーシング8に対して屈曲できる一方で、当該第2の端部19はボール継手42を中心に枢動でき、かつ/または当該シリンダ1に対して屈曲できることを示す。
【0053】
枢動もしくはカルダン型もしくはボール継手42の機械的リンクを用いて、またはタイロッド17のすべてもしくは一部の屈曲により、または両方のいずれかにより、当該端部18、19の枢動を起こすことができることに留意されたい。
【0054】
シリンダシャフト71に、かつ/または当該シリンダ頭部9、10に固定するために、第2のロッド端部19は、当該シャフト71および/または当該シリンダ頭部9、10上の固定ラグ25のラグ開口24を通過することができる一方で、タイロッド17上に配置されたロッドネジ山29の上に螺合されたロッド頭部28またはロッドナット26は、どちらも当該頭部28または当該ナット26と中空ピラー13との間で当該ラグ25を締め付けるように、当該ラグ25に当接することが留意されよう。
【0055】
第1のロッド端部18を、同様にロッド頭部28、またはロッドネジ山29の上に螺合されたロッドナット26を用いて伝送ケーシング8に固定することができることにさらに留意されよう。別法として、当該ロッドネジ山29を伝送ケーシング8内に直接または間接に作成されたネジ山27の中に螺合することができる。
【0056】
本発明による複動減圧シリンダ1の1つの具体的実現形態によれば、圧縮バネをロッド頭部28もしくはロッドナット26と固定ラグ25との間、または当該頭部28もしくはロッドネジ山29に螺合されるあらゆる他のネジ山部と、あらゆる他の支持部との間のいずれかに挿入することができる。当該圧縮バネを例えば1つまたは複数のベルビルワッシャーから構成することができる。
【0057】
このような圧縮バネは、タイロッド17をともに締め付ける様々な要素がそれらの温度上昇の影響下で膨張するときに、タイロッド17が受ける引張を特に制限することができる。いずれの場合でも、好都合なことにシリンダシャフト71、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10は、好ましくは周囲でこれらの要素71、9、および10からの熱放射を制限する熱遮蔽で少なくとも覆われるべきであり、当該遮蔽は、例えばそれぞれ金属箔の間に空気膜を残す釘を有する、わずかな厚さの数層の金属箔から構成され、または熱遮蔽に適し、当業者に公知のあらゆる他の方法で構成される。
【0058】
本発明による複動減圧シリンダ1に等しい変形の技法として、タイロッド17を中空ピラー13と並置することができ、この場合、当該ロッド17および当該ピラー13の同じ機能は変わらないままであり、当該ロッド17および当該ピラー13と協働するボール継手42は同じ効果を生み出すので、当該ピラー13は1端から他端までその長さの方向にロッドトンネル14によって横断される必要はないことに留意されよう。
【0059】
図2、
図3、
図4および
図6は、本発明による複動減圧シリンダ1が、下部シリンダ頭部9付近に位置付けられたシリンダの下部センタリング手段20を備え、当該手段20は、一方でシリンダシャフト71または下部シリンダ頭部9に、他方で伝送ケーシング8上に直接または間接に当接し、当該手段20は、シリンダシャフト71がその長軸に平行に伝送ケーシング8に対して自由に動くままにさせるが、当該シャフト71を当該軸に垂直な平面にやはり当該ケーシング8に対して動くことを防ぐことを明確に示す。
【0060】
図2、
図3、
図4および
図7は、本発明による複動減圧シリンダ1が、上部シリンダ頭部10付近に位置付けられたシリンダの上部センタリング手段21も有し、当該手段21は、一方でシリンダシャフト71または上部シリンダ頭部10に、他方で伝送ケーシング8に堅固に固着され、少なくとも1つの剛性フレームピラー23により上部シリンダ頭部10の高さに近い高さが維持されるセンタリングフレーム22に当接し、当該手段21は、シリンダシャフト71がその長軸に平行に伝送ケーシング8に対して自由に動くままにさせるが、当該シャフト71を当該軸に垂直な平面にやはり当該ケーシング8に対して動くことを防ぐことを示す。
【0061】
図4および
図5は、少なくとも1つのロッド冷却管30を示し、当該管30は本発明による複動減圧シリンダ1内に構成することができ、当該管30はタイロッド17を当該ロッド17の長さのすべてまたは一部に対して密接に包囲し、冷却流体源40に由来する冷却流体31は、当該管30の内壁と当該ロッド17の外面との間に残っている自由空間内を循環することができる一方で、当該管30の外面の可能な最大部分は、このロッドトンネル14の内壁で空き空間を画定するように、当該内壁に接触しない。
【0062】
図4および
図5は、本発明による複動減圧シリンダ1が、第1のロッド端部18付近でロッド冷却管30の内部と連通する少なくとも1つの第1の管供給開口32、および/または第2のロッド端部19付近でロッド冷却管30の内部と連通する少なくとも1つの第2の管供給開口33を備えることができ、冷却流体31は2つの当該開口32と33との間を循環することができる一方で、当該流体31は当該流体31がロッド冷却管30に入るときは出るときより低温であることを示す。
【0063】
ロッド冷却管30内で循環するように冷却流体31を押し進めるために、流体ポンプ(図示せず)を提供することができ、当該ポンプは、その中に本発明による複動減圧シリンダ1が加えられた熱機械を停止した後、ある特定の時間機能を続けることができることに留意されたい。
【0064】
この当該シリンダ1の配置は、例えばシリンダシャフト71およびそのシリンダ頭部9、10がそれらを冷却中に引き続きタイロッド17に確実に伝送する熱を排出させることができる。さらに一旦ロッド冷却管30から出ると、冷却流体31は、当該管30に再度取り込まれるまたは補給される前に、熱交換器によって冷却されることが可能であることに留意されたい。
【0065】
再度
図4および
図5では、ロッド冷却管30は、シリンダシャフト71もしくは上部シリンダ頭部10上で固定ラグ25に対して、または伝送ケーシング8のいずれかに対して、タイロッド17により直接または間接に締め付けて保持される管カラー34を備えることができることが留意される。
【0066】
本発明による複動減圧シリンダ1の1つの具体的に変形した実施形態によれば、管カラー34は、一方で冷却流体源40に連結された少なくとも1つの径方向連結導管39を有し、他方ではロッド冷却管30の内部と連通するバンジョー継手38を用いて、固定ラグ25に対してタイロッド17によって締め付けて保持されることが可能である。
【0067】
径方向連結導管39は冷却流体源40に、または本発明による複動減圧シリンダ1を作り上げる異なる要素の熱膨張によって生じる距離の変化に適合できる可撓性もしくは変形可能な導管を用いて、他のロッド冷却管30に対してバンジョー継手38の他の径方向連結導管39に連結されることが可能であることに留意されたい。
【0068】
図1〜
図5で気付くように、管カラー34と固定ラグ25との間に断熱スペーサー68を挿入することができ、当該スペーサー68を一端から他端までその長さの方向にスペーサートンネル69によって横断され、その中にタイロッド17およびそれを密接に包囲するロッド冷却管30が収納される一方で、当該管30の外面の可能な最大部分は、スペーサートンネル69の内壁で空き空間を画定するようにこの内壁に接触しない。
【0069】
断熱スペーサー68は好都合なことに上昇した温度に耐性があり、低い熱伝導率を表す、二酸化ジルコニウムなどの材料から実現することができることに留意されたい。
【0070】
図4および
図5は、ロッド冷却管30が当該管30の軸部によって構成された少なくとも1つの管隆起部35を備えることができ、当該管30の直径はその中に当該管30が設置されたロッドトンネル14の直径と実質的に等しいか、またはわずかに大きく、したがって当該管30が局所で当該トンネル14の中心に留まることを保証し、必要であれば当該管30と当該トンネル14との間に封止を実現することを示す。
【0071】
ロッド冷却管30は、さらに当該管30の軸部から構成された管の直径の少なくとも1つの収縮部36を備えることができ、当該管30の直径は、当該管30と当該ロッド17との間に局所的に封止を実現するために、タイロッド17の本体の直径と実質的に等しいか、またはわずかに小さい。
【0072】
また
図4および
図5に示されたように、ロッド冷却管30は、少なくとも1つの径方向連通穴37を有することもでき、冷却流体31を当該管30に入出させることができることにも留意されよう。
【0073】
表されていない変形として、タイロッド17は、当該ロッド17の長さに配置された内部ロッド冷却チャネルを形成するために中空であることが可能であり、当該チャネルは当該ロッド17から軸方向または半径方向に出現する一方で、冷却流体源40に由来する冷却流体31は当該チャネル内を循環することができることに留意されよう。
【0074】
図2、
図3および
図7は、本発明による複動減圧シリンダ1が、圧縮空気源45に連結された圧縮チャンバ44を備え、圧縮空気源45はセンタリングフレーム22に固定され、またはセンタリングフレーム22の上もしくは中に配置される一方で、高温ガスの上部チャンバ12の側部上の複動減圧ピストン2を伸ばす上部ピストンロッド47は、上部シリンダ頭部10内に配置された上部ロッド開口43を介して当該シリンダ頭部10を横断し、センタリングフレーム22を通過するチャンバへのアクセス開口52を介して圧縮チャンバ44の中に出現するので、当該ピストン2から最も離れた当該ロッド47の端部は、当該ピストン2の位置に関わらず常に当該チャンパ44の中に突入されたままであることを明確に示す。
【0075】
本発明による複動減圧シリンダ1のこの具体的な構成は、例えば複動減圧ピストン2の付近に配置されたリング溝内に収納された、エアークッションを備えた連続した穿孔リング49などの封止手段48に対して、特に圧縮チャンバ44および上部ピストンロッド47の内部チャネルを介して、圧縮空気を供給することを可能にし、当該手段48は本出願人に帰属し、移動/膨張および再生熱機関の実現化が可能な仏国特許出願第1550762号および第1551593号に指定されている手段と類似し、または同一である。
【0076】
図1〜
図4および
図6は、伝送ケーシング8が、伝送手段へのアクセス開口54によって貫通されたセンタリングおよび封止板53で覆われることが可能であり、伝送手段3に連結されるために下部ピストンロッド46は当該開口54を通過し、当該板53は当該ケーシング8にネジによって、または当業者に公知のあらゆる他の手段によって堅固に固着されることを示す。別法として、当該板53は当該ケーシング8の一体部品であることが可能である。
【0077】
図2、
図3および
図7では、チャンバへのアクセス開口52が、ロッド封止手段55と協働する、または備えることができ、当該手段55は当該開口52と上部ピストンロッド47との間に封止を生成することに留意されよう。
【0078】
同様のやり方で、
図2、
図3および
図6は、伝送手段へのアクセス開口54は、ロッド封止手段55と協働し、または備えることができ、当該手段55は当該開口54と下部ピストンロッド46との間に封止を生成することを示す。
【0079】
ロッド封止手段55が、油循環チャンバ58を上部ロッド封止56と下部ロッド封止57との間に作成するために、互いから十分に離間した2つの当該封止56、57を備えることができ、当該チャンバ58の中に冷却および潤滑油用供給ライン59が入り、そこから冷却および潤滑油用出口ライン60が出現することを最も明確に示すのは、
図6および
図7である。
【0080】
当該図面では、油循環チャンバ58が下部ピストンロッド46および/または上部ピストンロッド47の潤滑および冷却の二重機能を提供することに留意されよう。上部ロッド封止56および/または下部ロッド封止57は、具体的にはリングの1つまたは2つの断面から構成することができ、リングの断面は重ねられ、斜線で強調されているので、下部ピストンロッド46および/または上部ピストンロッド47の外面に二重螺旋パターンでわずかな深さの半径を提供でき、これは一連の油貯蔵部および流体力学の揚力面を生成することにさらに留意されたい。
【0081】
図6では、上部ロッド封止56を備えるリング(複数可)は、リング離間バネ61により下部ロッド封止57を作り上げるリングからの離間を保つことができ、当該バネ61は、特に当該バネ61が開口または通路を有するので、潤滑および冷却油用供給ライン59と潤滑および冷却油用出口ライン60との間に確立された冷却および潤滑油の流れを通すように同様に設計されることが留意される。
【0082】
図7では、ロッド封止手段55は、油循環チャンバ58の内側または外側に収納されたロッドガイドブッシング62と協働することができ、当該ブッシング62は、青銅あるいは減摩性および/または流体力学の軸受もしくはブッシングを作成するために一般に使用されるあらゆる他の材料から作成される一方で、当該ブッシング62は、伝送手段へのアクセス開口54内の下部ピストンロッド46、および/またはチャンバへのアクセス開口52内の上部ピストンロッド47の径方向誘導を確実にすることが見られる。
【0083】
伝送手段3がクロスヘッド7を備える場合、ロッド封止手段55は、上部ピストンロッド47に加えられると、好ましくはロッドガイドブッシング62を提供されるのに対して、下部ピストンロッド46の径方向誘導は当該クロスヘッド7のみによって提供されることにさらに留意されたい。
【0084】
図2〜
図4ならびに
図6および
図7では、本発明による複動減圧シリンダ1の具体的な構成では、シリンダの下部センタリング手段20および/またはシリンダの上部センタリング手段21は、弾性センタリングディスク63から構成されることが可能であり、当該ディスク63はその中心でディスク穴64によって貫通されてもよく、下部ピストンロッド46または上部ピストンロッド47のそれぞれが当該ディスク穴64を通過する一方で、その周辺は伝送ケーシング8に、かつ/またはセンタリングフレーム22に密接に固定されたディスク固定カラー65を構成することが留意される。
【0085】
図2〜
図4および
図6は、センタリングおよび封止板53がシリンダの下部センタリング手段20を担うことができ、当該手段20は弾性センタリングディスク63から構成され、当該ディスク63の周辺は当該板53に密接に固定されたディスク固定カラー65を形成し、当該ディスク63はその中心でディスク穴64によって貫通され、下部ピストンロッド46が当該ディスク63に接触することなく当該ディスク穴64を通過し、ディスク穴64の縁部は円形接触パッド67を有し、当該パッド67は下部シリンダ頭部9上でセンタリングおよび封止円錐部66と密接な接触が保持され、当該円錐部66は雄型または雌型のいずれかであり、当該パッド67と当該円錐部66との間の接触は軸方向にその中心から弾性センタリングディスク63を変形する効果を有することを示す。
【0086】
ディスク固定カラー65をセンタリングおよび封止板53に少なくとも1つのネジ、クリップ、または当業者に公知のあらゆる他の固定手段を用いて固定することができることが留意される。好都合なことに弾性センタリングディスク63は、上昇した温度に耐性があり、低い熱伝導率を表す、二酸化ジルコニウムなどの材料から作成することができることに留意されたい。
【0087】
別法として、弾性センタリングディスク63を下部シリンダ頭部9に固着することができる一方で、センタリングおよび封止円錐部66は、センタリングおよび封止板53の上または中に配置される。
【0088】
同様のやり方で、
図2〜
図4および
図7において、シリンダの上部センタリング手段21は弾性センタリングディスク63から構成されることが可能であり、当該ディスク63の周辺はセンタリングフレーム22に密接に固定されたディスク固定カラー65を形成し、当該ディスク63はその中心でディスク穴64によって貫通され、当該穴64の縁部は円形接触パッド67を有し、当該パッド67は上部シリンダ頭部10上でセンタリングおよび封止円錐部66と密接な接触を維持され、当該円錐部66は雄型または雌型であり、当該パッド67と当該円錐部66との間の接触は軸方向にその中心から弾性センタリングディスク63を変形する効果を有することが留意される。
【0089】
ディスク固定カラー65をセンタリングフレーム22に少なくとも1つのネジ、クリップ、または当業者に公知のあらゆる他の固定手段を用いて固定することができることに留意されよう。
【0090】
複動減圧ピストン2が、高温ガスの上部チャンバ12の側部上で上部ピストンロッド47によって伸ばされる場合、当該ロッド47は弾性センタリングディスク63に接触することなくディスク穴64を通過することにも留意されたい。
【0091】
好都合なことに弾性センタリングディスク63は、上昇した温度に耐性があり、低い熱伝導率を表す、二酸化ジルコニウムなどの材料から作成することができることにさらに留意されよう。
【0092】
別法として、弾性センタリングディスク63を上部シリンダ頭部10に固着させることができる一方で、センタリングおよび封止円錐部66はセンタリングフレーム22の上または中に配置される。
【0093】
またまさに記載されたものの別法として、シリンダの下部センタリング手段20またはシリンダの上部センタリング手段21に関与するかどうかに関わらず、ディスク穴64の接触パッドに類似した接触パッドを、それぞれ下部シリンダ頭部9または上部シリンダ頭部10に設けることができる一方で、当該シリンダ頭部9、10のセンタリングおよび封止円錐部に類似したセンタリングおよび封止円錐部を、弾性センタリングディスク63の上または中に設けることにも留意することができる。
【0094】
変形として、弾性センタリングディスク63を、それぞれが120度だけ離間され、封止リングと協働するバネによって駆動される少なくとも3つのピンの、金属またはセラミックの同じ片から作成され、半径方向に堆積された膨張可能なワッシャー(多数の折り目を有するかどうかに関わらず)の例えば鋼または超合金トーラス(切込みがあるかどうかに関わらず)から構成でき、概してあらゆる技法は所望の作動条件下でセンタリングおよび封止を提供できる一方で、あらゆる高温部品からあらゆる低温部品への熱損失を制限することに留意されたい。
【0095】
発明の機能
本発明による適合可能な支持部を備えた複動減圧シリンダ1の機能は、
図1〜
図7を見ることにより容易に理解されよう。
【0096】
この機能を説明するために、ここでは複動減圧シリンダ1が、本出願人に帰属する仏国特許出願第1550762号および第1551593号の移動/膨張および再生熱機関内で使用されると仮定する。本出願は一例に過ぎず、本発明による複動減圧シリンダ1のあらゆる他の使用を決して排除しない。
【0097】
当該機関が開始されると、本発明による複動減圧シリンダ1のシリンダシャフト71は、当該シャフト71が固定される伝送ケーシング8に比べて温度が急激に上昇し、当該ケーシング8は伝送手段3を収納する。当該シャフト71と協働する複動減圧ピストン2に対して、ならびに伝送手段3の側部上のシャフト71の端部を閉じる下部シリンダ頭部9に対して、またシャフト71の他端を閉じる上部シリンダ頭部10に対しても同じことが当てはまる。
【0098】
図2および
図3では、そこに表された本発明による複動減圧シリンダ1の具体的な例示的実施形態において、伝送手段3は、複動減圧ピストン2のシリンダシャフト71内の往復運動をクランクシャフト6の連続回転運動に変換するために提供されることに留意されたい。このために、また再度この非限定的な例によれば、当該手段3は、クロスヘッド7を用いて複動減圧ピストン2に連結されたリンク4から構成され、当該リンク4はクランクシャフト6上に配置されたクランク5を中心に接合される。
【0099】
シリンダシャフト71、複動減圧ピストン2、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10の温度が、例えば摂氏900度に達する一方で、伝送ケーシング8および当該ケーシング8が収納する伝送手段3は摂氏100度に制限されたままであるとここで仮定しよう。
【0100】
上昇された温度の当該シャフト71、当該ピストン2、および当該シリンダ頭部9、10には、最良の可能な効率をもつ移動/膨張および再生熱機関を提供する必要がある一方で、伝送ケーシング8および伝送手段3を比較的低い温度に維持することは、それらが構成される様々な要素の上昇した機械的強度および潤滑を維持するために、いかなる潤滑油もコークス化する危険なしに可能であることが必要である。
【0101】
シリンダシャフト71、複動減圧ピストン2、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10は、例えば高温で上昇された機械的強度を有する炭化ケイ素から主に生成されるのに対して、伝送ケーシング8をアルミニウムから作成することができ、伝送手段3を鋳鉄または鋼から作成することができることに留意されたい。
【0102】
炭化ケイ素の熱膨張係数はアルミニウムまたは鋼の熱膨張係数より少ないにも関わらず、摂氏900度まで上昇される構成要素は、摂氏100度までしか上昇されない構成要素より多く膨張する。したがって炭化ケイ素から作成された構成要素が、炭化ケイ素または他の材料のいずれの中にも過剰な機械的応力を誘発することなく、アルミニウム、鋳鉄、または鋼から作成された構成要素に比べて自由に膨張できることが必要である。
【0103】
これを行うことが可能である一方で、高温ガスの下部チャンバ11内に次いで高温ガスの上部チャンバ12内に交互に広がる圧力により、複動減圧ピストン2に加えられる力は、依然として下部ピストンロッド46によりクロスヘッド7を介してリンク4に適切に伝送されるべきである。
【0104】
当該力は、ガス圧が高温ガスの上部チャンバ12内で高いとき、伝送ケーシング8から離間したシリンダシャフト71を動かす傾向があり、複動減圧ピストン2は比較的強い圧縮力をリンク4に加える一方で、当該力は、ガス圧が高温ガスの下部チャンバ11内で高いとき、当該シャフト71を当該ケーシング8に近づける傾向があり、当該ピストン2は比較的強い牽引力をリンク4に加えることに留意されたい。
【0105】
シリンダシャフト71に、より詳細には当該シャフト71と協働する下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10に加えられたこれらの牽引力および圧縮力を回復するために、当該シャフト71は、
図1〜
図5に表されたように、また非現実的例として
図4では容易に数えることができる4個である、中空ピラー13により伝送ケーシング8に連結される。
【0106】
図5に特に明確に示されたように、各中空ピラー13は2つのボール継手42を有し、中空ピラー13はボール継手42にヒンジで連結される。当該
図5の領域Dでは、当該ピラー13の第1のピラー端部15と伝送ケーシング8との間に第1のボール継手42が設置されている一方で、同
図5の領域Cは、当該ピラー13の第2のピラー端部16と下部シリンダ頭部9との間に第2のボール継手42が設置されていることが留意される。
【0107】
同様に
図5は、各中空ピラー13は一端から他端にその長さの方向にロッドトンネル14により横断され、ロッドトンネル14内にタイロッド17が収納される。当該
図5の領域Dに示されたように、タイロッド17の第1のロッド端部18は、第1のボール継手42を用いて伝送ケーシング8に固定される。その一部に対する
図5の領域Aは、第2のロッド端部19が、第2のボール継手42を用いて上部シリンダ頭部10に間接的に固定されることを示す。
【0108】
図1〜
図5に示されたように本発明による複動減圧シリンダ1の例示的実施形態では、タイロッド17の第2のロッド端部19は、ロッド頭部28を有し、当該頭部28は、一緒に圧縮されるシリンダシャフト71、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10を当該頭部28と中空ピラー13との間に維持する。これにより、特に当該シャフト71および当該シリンダ頭部9、10上の固定ラグ25の恩恵で、第2のロッド端部19によって横断されるラグ開口24を有するこれらのラグ25を作成することが可能になる。
図5の領域Bおよび領域Cは、この配置を特に明確に示す。
【0109】
図4および
図5は、タイロッド17の第1のロッド端部18は、この非限定の例示的実施形態によれば、ボール継手42内に配置されたネジ山27の中に螺合されたロッドネジ山29によって終了され、ボール継手42は伝送ケーシング8に当接し、当該第1の端部18は当該ケーシング8の周囲に接合されることを示す。
【0110】
したがって、4つの中空ピラー13がその周囲に接合される様々なボール継手42、および当該ピラー13と協働するタイロッド17により、シリンダシャフト71、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10が自由に膨張できる。しかしこれは、中空ピラー13が一方でシリンダシャフト71、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10と他方で伝送ケーシング8との間に牽引力および圧縮力を伝送することができるように起こる。
【0111】
さらにこの配置は、シリンダの下部センタリング手段20およびシリンダの上部センタリング手段21なしに作動することはできず、各手段はシリンダシャフト71をその長軸に平行に伝送ケーシング8に対して自由に動かすことができるが、当該シャフト71が当該軸に垂直な面でこれも当該ケーシング8に対して動くことを防ぐことに留意されよう。
【0112】
図3および
図4に示されている、本発明による複動減圧シリンダ1の非限定の例示的実施形態によれば、伝送ケーシング8と堅固に一体化されるセンタリングおよび封止板53およびセンタリングフレーム22は、それぞれがシリンダの下部センタリング手段20およびシリンダの上部センタリング手段21のそれぞれを担い、当該下部手段20および上部手段21は、それぞれが弾性センタリングディスク63によって構成される。
【0113】
シリンダの下部センタリング手段20を構成する弾性センタリングディスク63はとりわけ
図6で見られる一方で、シリンダの上部センタリング手段21を構成する当該ディスク63はとりわけ
図7で見られる。
【0114】
弾性センタリングディスク63は、シリンダシャフト71、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10によって構成された堅固な組立体の伝送ケーシング8に対して、センタリングおよび配向を確保する機能を有する。
【0115】
弾性センタリングディスク63の機能を示すために、とりわけ
図6に明確に表されているシリンダの下部センタリング手段20を構成するものを検討しよう。
【0116】
この
図6では、当該ディスク63はそのディスク固定カラー65により密接に、
図4において数えられる8個の固定ネジを用いてセンタリングおよび封止板53に固着されることが留意される。
【0117】
当該ディスク63はその中心にディスク穴64によって貫通され、下部ピストンロッド46は当該ディスク63に接触することなくディスク穴64を通過し、ディスク穴64の縁部は円形雄型接触パッド67を有し、当該パッド67は、下部シリンダ頭部9上で雌型センタリングおよび封止円錐部66と密接に接触を保持されることがわかる。当該パッド67と当該円錐部66との間の密接な接触を確保するために、当該円錐部66は当該パッド67に力を加え、当該パッド67は弾性センタリングディスク63を軸方向にその残余部の位置に比べてその中心から変形させる。
【0118】
容易に推察できるように、接触パッド67の雄型円錐形状とセンタリングおよび封止円錐部66の雌型円錐形状との間の接触は、下部シリンダ頭部9をセンタリングおよび封止板53上で中心に置く傾向がある。その上当該接触は、高温ガスの下部チャンバ11内に含有された圧縮ガスがそのチャンバ11から出ることを防ぐ封止を生成する。
【0119】
主として温度差の影響下でシリンダシャフト71、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10によって形成された組立体の寸法の増加が、伝送ケーシング8、センタリングフレーム22および堅固なフレームピラー23によって形成された組立体の寸法より大きいとき、下部シリンダ頭部9の雌型センタリングおよび封止円錐部66により雄型接触パッド67に加えられる圧力は増加し、これにより弾性センタリングディスク63を若干より軸方向にその中心から変形させる。
【0120】
問題の寸法差はわずか10分の数ミリメートルに過ぎないので、弾性センタリングディスク63の軸変形は当該ディスク63の完全性を損なわず、当該ディスク63は弾性のその範囲内で変形される。その上センタリングおよび封止円錐部66ならびに接触パッド67の円錐形状は、これら2つの部品66と67の拡張差に当該拡張の方向に関わらず適合する。
【0121】
図7では、センタリングフレーム22と一体化された弾性センタリングディスク63は同様のやり方で作動するように設計されることに留意されよう。
【0122】
したがってシリンダの下部センタリング手段20およびシリンダの上部センタリング手段21は、シリンダシャフト71を常に複動減圧ピストン2を中心とし、常に当該ピストン2に平行であることを保つために協働する。
【0123】
図6では、ロッド封止手段55は高温ガスの下部チャンバ11と下部ピストンロッド46との間に封止を確保する一方で、当該手段55によって構成された上部ロッド封止56および下部ロッド封止57の潤滑を確保することに留意される。
【0124】
また当該手段55は油循環チャンバ58を用いて下部ピストンロッド46の冷却も確保し、冷却および潤滑油用供給ライン59が当該チャンバ58に入り、冷却および潤滑油用出口ライン60が当該チャンバ58から出ることに気付く。当該ライン59と60との間を循環する油の流れは、下部ピストンロッド46と永久に接触するので、当該流れはそのロッド46を例えば摂氏100度よりわずかに高い温度に維持できるがそれ以上に上昇しないことに容易に気付く。
【0125】
再度
図6では、好都合なことに上部ロッド封止56は、断面の斜線がずれている2つの重ね合わせた薄切りのリングによって構成されている一方で、下部ロッド封止57は単一の薄切りのリングから構成され、2つの当該封止56、57はリングスペーサーバネ61により互いから離間して維持され、当該バネ61は、油循環チャンバ58を介して冷却および潤滑油用供給ライン59と冷却および潤滑油用出口ライン60との間に冷却および潤滑油の流れを通す開口を有する。
【0126】
図7は同じ配置を示し、主な差はリング離間バネ61がロッドガイドブッシング62に変わることであり、当該ブッシング62は上部ピストンロッド47の径方向誘導を確実にし、本発明による複動減圧シリンダ1の作動を示すためにここに示した非制限例では、当該ロッド47はセンタリングフレーム22内に設けられた圧縮チャンバ44の中に出現し、当該ロッド47は、上部ピストンロッド47の内部チャネルを介して、複動減圧ピストン2の周辺に配置されたリング溝内に設置された、エアークッションを備えた忠実の穿孔リング49などの封止手段48に圧縮空気を供給することができることが見られる。
【0127】
例示的適用として本明細書に取り込まれた移動/膨張および再生熱機関が停止されると、油循環チャンバ58を供給する油ポンプは、下部ピストンロッド46および上部ピストンロッド47を冷却するために油を備えた油循環チャンバ58を供給し続ける一方で、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10は、当該チャンバ58に熱を伝送し続け、当該チャンバ58内に含有された油をコークス化する温度まで変化させる傾向がある。
【0128】
シリンダシャフト71、下部シリンダ頭部9および上部シリンダ頭部10によって形成された堅固な組立体を自由に膨張できる上に、本発明による複動減圧シリンダ1の具体的な構造は、下部シリンダ頭部9から伝送ケーシング8への熱の伝達を著しく限定する。このような伝達は、移動/膨張および再生熱機関の効果に悪影響を及ぼすことを念頭に置かれたい。したがって中空ピラー13は、
図1〜
図5に示されたように非常に長いだけでなく、好ましくは二酸化ジルコニウムなどの低い熱伝導率をもつ材料から作成される。
【0129】
図5では、低温に留める必要がある鋼タイロッド17の使用を可能にするために、各ピラーは、当該ロッド17の長さの主要部に対して、当該管30と協働する当該タイロッド17を密接に包囲するロッド冷却管30を備える。冷却流体源40に由来する冷却流体31は、当該管30の内壁と当該ロッド17の外面との間に残っている自由空間内を循環するが、当該管30の外面の可能な最大部分は、ロッドトンネル14の内壁で断熱を構成する空き空間を画定するように、当該トンネル14の内壁に接触しない。
【0130】
図5の領域Aでは、ロッド冷却管30は、当該管30がロッドトンネル14内で局所的に中心に留まることを確保する管隆起部35を有することに留意される。さらに領域Dおよび第1のロッド端部18の付近で、2つの他の管隆起部35は、それぞれが当該管30と当該トンネル14との間にセンタリングおよび封止の両方を構成することが見られる。これらの2つの他の隆起部35は管の直径の収縮部36と協働し、当該収縮部36はロッド冷却管30とタイロッド17との間に封止を局所的に生成する。
【0131】
図4では、ロッド冷却管30が2つの他の隆起部35の間に配置された第1の管供給開口32を有し、当該第1の開口32は一方で第1のロッド端部18付近でロッド冷却管30の内側と連通し、他方で伝送ケーシング8内に配置されたチャネルを用いて、冷却流体源40の流れラインに連結されることに留意される。
【0132】
図4および
図5の領域Aでは、ロッド冷却管30は第2のロッド端部19の領域で、管カラー34と上部シリンダ頭部10の固定ラグ25との間に挿入された断熱スペーサー68に対して、ロッド頭部28により堅固に保持された管カラー34内で終了することに気付く。またここでは、バンジョー継手38はロッド頭部28と当該カラー34との間に挿入され、当該継手38は、一方で冷却流体源40の戻りラインに連結された径方向連結ライン39を有し、他方で管カラー34を受領するロッド冷却管30の端部を介してロッド冷却管30の内側と連通することにも気付く。
【0133】
断熱スペーサー68は、好ましくは二酸化ジルコニウムから作成され、摂氏約900度まで上昇される上部シリンダ頭部10からほんの摂氏100度に維持されるロッド頭部28に熱が伝達しないように追加の障害を構成することを理解されよう。
【0134】
いずれの場合でも、タイロッド17を冷却させることができるこの特定の構成は、当該ロッド17が「ジルコン」、炭化ケイ素、アルミニウム、またはこの型の使用のために特別に開発されたあらゆる超合金などの高温に耐性のある材料から作成される場合は役に立たない。
【0135】
図6および
図7では、弾性センタリングディスク63のディスク固定カラー65とその接触パッド67との間で、弾性センタリングディスク63上に残った比較的大きい半径長さに気付くであろう。この長さは、当該ディスク63をその中心から半径方向に変形させるために必要である一方で、センタリングおよび封止円錐部66から当該カラー65に熱が伝達するのをできる限り制限するのに有益でもある。このために、弾性センタリングディスク63の本体は、好ましくはわずかな厚さであり、低い熱伝導率で公知の二酸化ジルコニウムから作成される。またセンタリングおよび封止円錐部66と接触パッド67との間のわずかな幅の線形接触は、それ自体の中に同様に好都合な熱障壁を構成することにも留意されよう。
【0136】
本発明による複動減圧シリンダ1の可能性は、単に説明された本出願に限定されず、先の説明は一例として与えられたに過ぎず、あらゆる他の等価物により実施形態の詳述を置換して行ってはならないと当該発明の範囲を決して限定するものではないことをさらに理解するべきである。