特許第6876046号(P6876046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876046
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】インスリン・デリバリ量の調節
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/172 20060101AFI20210517BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20210517BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20210517BHJP
   A61B 5/145 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   A61M5/172 500
   A61M5/142 520
   A61M5/145
   A61B5/145
【請求項の数】12
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2018-530882(P2018-530882)
(86)(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公表番号】特表2019-509074(P2019-509074A)
(43)【公表日】2019年4月4日
(86)【国際出願番号】US2017013521
(87)【国際公開番号】WO2017124006
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2020年1月9日
(31)【優先権主張番号】62/278,978
(32)【優先日】2016年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/340,470
(32)【優先日】2016年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518205276
【氏名又は名称】ビッグフット バイオメディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BIGFOOT BIOMEDICAL, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100214259
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 睦也
(72)【発明者】
【氏名】レーン デスボロー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン マズリッシュ
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−523167(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0180240(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0125241(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/172
A61B 5/145
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスリンポンプと通信するとともに、前記インスリンポンプの動作方法を制御するように構成されるポンプコントローラであり、前記動作方法は、
前記ポンプコントローラが、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成する、第1生成ステップであり、前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれが、第1の時間間隔にわたる第1の一連のインスリン・デリバリ動作を含む、第1生成ステップと、
前記ポンプコントローラが、前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのうちの各インスリン・デリバリ・プロファイルについて、前記第1の時間間隔にわたる複数の時間に関する第1の複数の将来の血糖レベルを予測する、第1予測ステップであり、予測される将来の血糖レベルのそれぞれは、糖尿病を抱える人の少なくとも1つの最新の血糖レベルを用いて予測される、第1予測ステップと、
前記ポンプコントローラが、各インスリン・デリバリ・プロファイルについての前記第1の複数の将来の血糖レベルと少なくとも1つの目標血糖レベルとを比較することに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの第1のプロファイルを選択する、第1選択ステップと、
インスリンの1回用量をデリバリした後、前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔について、前記インスリン・ポンプを用いてインスリンの第1の1回用量をデリバリする、第1デリバリステップであり、インスリンの前記第1の1回用量は前記第1のプロファイルの第1の動作又は第1の一連の動作に相当する、第1デリバリステップと、
前記ポンプコントローラが、第3の時間間隔についての前記第2の時間間隔の終わりから延びる時間期間についての第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成する、第2生成ステップと、
前記ポンプコントローラが、前記第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのうちの各インスリン・デリバリ・プロファイルについて、前記第3の時間間隔にわたる複数の時間に関する第2の複数の将来の血糖レベルを予測する、第2予測ステップと、
前記ポンプコントローラが、各インスリン・デリバリ・プロファイルについての前記第2の複数の将来の血糖レベルと少なくとも一つの目標血糖レベルとを比較することに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの第2のプロファイルを選択する、第2選択ステップと、
前記第2の時間間隔の終わりの後、前記第3の時間間隔よりも短い第4の時間間隔について、前記インスリン・ポンプを用いて第2のインスリンの1回用量をデリバリする、第2デリバリステップと、
を含み、
前記第1及び第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの各プロファイルが、ベースライン基礎インスリン量の1つ以上の倍数又は割って得られる比率でインスリンをデリバリする一連のインスリン・デリバリ動作を含む、ポンプコントローラ
【請求項2】
前記第1及び第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの各プロファイルが、前記ベースライン基礎インスリン量の0倍及び3倍を含む、前記ベースライン基礎インスリン量の 0 倍から 3 倍の間のインスリン・デリバリ量を含む、請求項に記載のポンプコントローラ
【請求項3】
前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルが、5 つと 100 つとの間の数のプロファイルを含み、少なくとも1つのプロファイルが、少なくとも前記第2の時間間隔についてベースライン基礎インスリン量の0倍でインスリンをデリバリし、少なくとも1つのプロファイルが、少なくとも前記第2の時間間隔について前記ベースライン基礎インスリン量でインスリンをデリバリし、少なくとも1つのプロファイルが、少なくとも前記第2の時間間隔について前記ベースライン基礎インスリン量の2倍でインスリンをデリバリする、請求項に記載のポンプコントローラ
【請求項4】
前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのうちの少なくとも1つが、前記第1の一連のインスリン・デリバリ動作の第1の部分についての第1インスリン・デリ
バリ量と前記第1の一連のインスリン・デリバリ動作の第2の部分についての第2インスリン・デリバリ量との間に変曲点を含む、請求項1に記載のポンプコントローラ
【請求項5】
前記第1の時間間隔が少なくとも2時間であり、及び前記第2の時間間隔が少なくとも5分で90分以下である、請求項1に記載のポンプコントローラ
【請求項6】
前記第1の時間間隔が少なくとも3時間であり、前記第2の時間間隔が少なくとも10分で30分以下である、請求項に記載のポンプコントローラ
【請求項7】
前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの前記第1のプロファイルを、前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれについて計算されたコスト関数に基づいて選択する、請求項1に記載のポンプコントローラ
【請求項8】
前記第1のプロファイルを、最も低いコスト関数を有することに基づいて選択し、各予測される将来の血糖レベルと1つ以上の目標血糖レベルとの間の差が、各インスリン・デリバリ・プロファイルについて計算されたコスト関数値を増加させる、請求項に記載のポンプコントローラ
【請求項9】
前記予測される血糖レベルが前記目標血糖レベルよりも高い場合での違いの大きさと比較して、同じ違いの大きさで前記予測される血糖レベルが前記目標血糖レベルよりも低い場合に対して、前記コスト関数値の差に関する増加がより大きくなる、請求項に記載のポンプコントローラ
【請求項10】
前記コスト関数が、以前にデリバリされた量に等しい量でのインスリンのデリバリを維持するか、又はベースライン基礎インスリン量でインスリンをデリバリするインスリン・デリバリ・プロファイルに対するバイアスを含む、請求項に記載のポンプコントローラ
【請求項11】
将来の血糖を予測することが、
糖質による血糖レベルに対する影響を決定することと、
インスリンによる血糖レベルに対する影響を決定することと、
を含む、請求項10に記載のポンプコントローラ
【請求項12】
将来の血糖を予測することが、インスリン・オン・ボード及び糖質オン・ボードの影響を決定することを含む、請求項10に記載のポンプコントローラ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
35 U.S.C.§119(e)に準拠して、糖尿病管理システムにおける目標血糖値を変更するためのシステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS FOR CHANGING TARGET GLUCOSE VALUES IN DIABETES MANAGEMENT SYSTEM)と題する米国特許仮出願第 62/278,978 号(「’978 仮出願」)の出願日である 2016 年 1 月 14 日、及びインスリン・デリバリ量を調節するためのシステムと方法(SYSTEMS AND METHODS FOR ADJUSTING INSULIN DELIVERY RATES)と題する米国特許仮出願第 62/340,470 号(「’470仮出願」)の出願日である 2016 年 5 月 23 日について、ここで優先権の利益を主張する。「’978仮出願」及び「’470仮出願」で開示された全体は、本明細書に援用される。
【0002】
本明細書はインスリン・デリバリ量の調節に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病は、ヒトの膵臓が十分な量のホルモン(インスリン)を産生することができなくなり、ヒトの代謝において糖及びデンプンを適切に吸収できなくなることによって引き起こされる慢性の代謝障害である。この不全によって高血糖(即ち、血漿中に過剰量のグルコースが存在すること)となる。高血糖が続くことは、様々な重篤な症状、並びに脱水症、ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、心血管疾患、慢性腎不全、網膜損傷及び四肢の切断のリスク(risk)を伴う神経障害などの生命を脅かす長期の合併症と関連している。治癒はまだ可能ではないため、血糖レベルを正常範囲内に常に維持するためには、定期的に血糖コントロールを行う永続的な治療が必要である。このような血糖コントロールは、定期的に患者の体に外部から薬剤を投与し、それによって上昇した血糖レベルを低下させることによってなされる。
【0004】
歴史的には、糖尿病は、皮下注射器を介して、即効型及び持効型のインスリンを複数回、毎日注射することで治療されている。持効型インスリンを 1 日当たり1回又は2回の注射で投与することで基礎インスリン・レベルがもたらされるが、食事量に比例した量で、各食事の前、又は食事と供に、即効型インスリンを追加的に注射して投与される。インスリン療法はまた、基礎インスリン・レベルにするために、及び食事時に同じインスリンをより多量投与するために、周期的又は連続的に即効型インスリンを放出するインスリン・ポンプを使用して投与することができる。インスリン・ポンプは、自然に起こっている生理的プロセスに、より類似した様式でインスリンがデリバリされることを可能にし、標準的又は個別に修正したプロトコルに従うように制御することで、患者に対して、より良い血糖コントロールを可能にする。ある状況では、インスリン・ポンプ装置は、特定のユーザのために医師によってカスタマイズされたいくつかの設定(例えば、用量パラメータ又は他の設定)を(臨床医又はユーザからの入力を介して)保存することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
糖尿病を抱える人(People with diabetes)、その介護者、及びその保健医療提供者(HCPs)は、集中的な薬物治療を管理する上で、大きな認知的負担を負っている。正確な時間に正確な量の薬をデリバリすることは、極めて困難な努力である。そのようなデリバリでは、患者は1日に複数回、1回投薬を決定する必要となり、更に、患者とHCPの両方は、個人と個人で異なる、並びに年齢及び/又は行動(例えば、運動における変化、食事における変化)に基づいて個人内で異なる、症状過程の時間枠(episodic time frame)での治療の治療パラメータを再校正することが必要になる。
【0006】
適切な血糖コントロールを維持するための現在のシステム及び方法に関連する多くの欠点及び問題に照らしてみて、より良い解決策を見いだすことに莫大なリソースが投入されている。いくつかの新技術は、現在、集中的なインスリン療法が必要とする認知的負荷の一部を緩和することを期待させてくれている。しかし、簡単で、安全で、信頼性が高く、及び規制当局の承認を得ることができる、その問題に対する実行可能な解決策を開発することは、難しいと証明されてきている。研究者らは、糖尿病を抱える人の生活を支援するための「人工膵臓」を提供するために、連続的なグルコース・モニタリング・システムとインスリン・デリバリ・デバイスを組み合わせることを長年にわたって考えてきた。それらの努力はまだ商品とはなっていない。改善された薬剤デリバリ、並びに現実世界の状況において、簡単で、安全で及び信頼性の高い血糖コントロール、のための薬物デリバリ・デバイスを、自動的に制御するレベルでのシステム及び方法が必要とされてきている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で提供される方法及びシステムは、基礎インスリンの投与を簡単にし、ユーザ(例えば、患者、介護者、又は臨床医)が糖尿病を管理するための認知負荷を低減することができる。
【0008】
1つ以上の実施形態において、本明細書は、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成することを含む方法を含み得る。前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれは、第1の時間間隔にわたる第1の一連のインスリン・デリバリ動作を含み得る。前記方法はまた、前記第1の時間間隔にわたる複数の時間についての第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのうちの各インスリン・デリバリ・プロファイルについて、第1の複数の将来の血糖値を予測することを含むことができる。糖尿病を抱える人(PWD)にとって、少なくとも1つの最新の血糖値を用いて、各予測される将来の血糖値を予測することができる。前記方法は更に、各インスリン・デリバリ・プロファイルについての第1の複数の将来の血糖値と少なくとも1つの目標血糖レベル(target blood glucose level)とを比較することに少なくとも部分的に基づいて、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの第1のプロファイルを選択することを含むことができる。前記方法はまた、第1のプロファイルの第1の一連のインスリン・デリバリ動作中の最初動作(又は一連の最初の動作)に相当する前回のインスリンの1回用量の後、第2の時間間隔において、インスリン・ポンプを使用して、第1のインスリンの1回用量をデリバリすることも含む。前記第2の時間間隔は第1の時間間隔よりも短くても良い。前記方法はまた、第3の時間間隔のために第2の時間間隔の終わりから延びる時間期間についての第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成することも含み、前記第3の時間間隔にわたる複数の時間についての第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのうちの各インスリン・デリバリ・プロファイルについて第2の複数の将来の血糖値を予測することを含む。前記方法はまた、第2の時間間隔の終了後、第4の時間間隔で、インスリン・ポンプを使用して、第2のインスリンの1回用量をデリバリすることを含むことがある。第4の時間間隔は、第3の時間間隔より短くてもよい。
【0009】
本明細書の1つ以上の方法によれば、前記第1の一連のインスリン・デリバリ動作は、ベースライン基礎インスリン量の倍数、割って得られる比率(ratios)、又はそれらの組み合わせで、インスリンをデリバリすることを含んでもよい。
【0010】
本明細書の1つ以上の方法によれば、前記第1の一連のインスリン・デリバリ動作は、ベースライン基礎インスリン濃度(エンドポイントを含む)の 0x と 3x の間で、インスリンをデリバリすることを含んでもよい。
【0011】
本明細書の1つ以上の方法によれば、前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルは、5 つのプロファイルと 100 のプロファイルの間で含むことがある。そのような場合、少なくとも1つのプロファイルは、少なくとも前記第2の時間間隔についてのベースライン基礎量の 0x でインスリンをデリバリし、少なくとも1つのプロファイルは、少なくとも前記第2の時間間隔についてのベースライン基礎量でインスリンをデリバリし、及び少なくとも1つのプロファイルは、少なくとも前記第2の時間間隔についてのベースライン基礎量の2xでインスリンを投与してもよい。
【0012】
本明細書の1つ以上の方法によれば、前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの少なくとも1つは、前記第1の一連のインスリン・デリバリ動作の第1の部分に対する第1のインスリン・デリバリ量と前記第1の一連のインスリン・デリバリ動作の第2の部分に対するインスリン・デリバリ量との間に変曲点を含んでいてもよい。
【0013】
本明細書の1つ以上の方法によれば、第1の時間間隔は、少なくとも 2 時間で6 時間以下であってよく、第2の時間間隔は、少なくとも 5 分で90 分以下であってもよい。
【0014】
本明細書の1つ以上の方法によれば、第1の時間間隔は、少なくとも 2.5 時間で5.5 時間以下であってよく、第2の時間間隔は、少なくとも 7.5 分で60 分以下であってもよい。
【0015】
本明細書の1つ以上の方法によれば、第1の時間間隔は、少なくとも 3 時間で5 時間以下であってよく、第2の時間間隔は、少なくとも 10 分で30 分以下であってもよい。
【0016】
本明細書の1つ以上の方法によれば、前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの前記第1のプロファイルは、前記第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれについて計算されたコスト関数に基づいて選択してよい。
【0017】
本明細書の1つ以上の方法によれば、前記第1のプロファイルは、最も低いコスト関数を有することに基づいて選択されてもよい。そのような場合、各予測される将来の血糖レベルと1つ以上の目標血糖レベルとの間の差は、各インスリン・デリバリ・プロファイルについて計算されたコスト関数値を増加させることがある。
【0018】
本明細書の1つ以上の方法によれば、前記予測された血糖レベルが前記目標血糖レベルよりも高い場合での違いの大きさと比較して、同じ違いの大きさで予測された前記血糖レベルが前記目標血糖レベルよりも低い場合に対して、前記コスト関数値の増加はより大きくなる。
【0019】
本明細書の1つ以上の方法によれば、コスト関数は、以前にデリバリされた量に等しい量でのインスリンのデリバリを維持するか、又はベースライン基礎量でのインスリンをデリバリするバイアス又はインスリン・デリバリ・プロファイルを含むことができる。
【0020】
本明細書の1つ以上の方法によれば、将来の血糖を予測することは、糖質による血糖に対する影響を決定すること、及びインスリンによる血糖に対する影響を決定することを含むことができる。
【0021】
本明細書の1つ以上の方法によれば、糖質による血糖に対する効果は、下記の方程式を使用して決めることができる。
【数1】
【0022】
本明細書の1つ以上の方法によれば、インスリンによる血糖に対する効果は、下記の方程式を使用して決めることができる。
【数2】
【0023】
本明細書の1つ以上の方法によれば、将来の血糖を予測することは、インスリン・オン・ボード(insulin on board)及び糖質オン・ボード(carbohydrates on board)の影響を決定することを含むことができる。
【0024】
本明細書の1つ以上の方法によれば、複数のグルコース・センサ・データ・ポイントは、連続グルコース・モニタ(CGM)又は血糖モニタ(BGM)のうちの1つから取得することができる。
【0025】
1つ以上の実施形態において、本明細書は、複数のグルコース・センサ・データ・ポイントを生成するように構成したグルコース、及びコントロール・デバイスとを含むシステムを含むことができる。第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成するように前記コントロール・デバイスを構成してもよく、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれは、第1の時間間隔にわたる第1の一連のインスリン・デリバリ動作を含むことができる。前記コントロール・デバイスをまた、第1の時間間隔にわたり複数回、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの各インスリン・デリバリ・プロファイルについて、第1の複数の将来の血糖値を予測するように構成することができ、予測された各将来の血糖値は、グルコース・センサからの少なくとも1つの最新の血糖レベルを用いて予測されることができる。前記コントロール・デバイスを更に、各インスリン・デリバリ・プロファイルについての第1の複数の将来の血糖値と少なくとも1つの目標血糖レベルとの比較に少なくとも部分的に基づいて、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの第1のプロファイルを選択するように構成することができる。前記コントロール・デバイスをまた、インスリンの1回用量をデリバリした後、第2の時間間隔について、第1のインスリンの1回用量をデリバリをするための信号を生成するように構成することもできる。前記第1のインスリンの1回用量は、第1のプロファイルの第1の一連のインスリン・デリバリ動作における第1の動作に相当することがある。そして、第2の時間間隔は、第1の時間間隔よりも短くすることができる。前記コントロール・デバイスを更に、第3の時間間隔のために第2の時間間隔の終わりから延びる時間期間についての第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成し、第3の時間間隔にわたり複数の時間についての第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの各インスリン・デリバリ・プロファイルについて、第2の複数の将来の血糖値を予測するように構成することもできる。前記コントロール・デバイスをまた、各インスリン・デリバリ・プロファイルについての第2の複数の将来の血糖値と少なくとも1つの目標血糖レベルとを比較することに少なくとも部分的に基づいて、第2の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの第2のプロファイルを選択するように構成することもできる。前記コントロール・デバイスを更に、第2の時間間隔の終わりの後、第4の時間間隔について(第4の時間間隔は第3の時間間隔よりも短い)、インスリン・ポンプを用いて第2のインスリンの1回用量をデリバリするための信号を生成するように構成することもできる。前記システムはまた、コントロール・デバイスの信号に基づいてインスリンをデリバリするように構成されたインスリン・ポンプを含むことができる。
【0026】
本明細書の1つ以上のシステムによれば、コントロール・デバイスは、複数のグルコース・センサ・データ・ポイントをコンピューティング・デバイスに送信するための通信・デバイスを含むことができる。
【0027】
本明細書の1つ以上のシステムによれば、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルは、5 つのプロファイルと 100 のプロファイルとの間を含むことができる。そのような場合、少なくとも1つのプロファイルは、少なくとも第2の時間間隔についてのベースライン基礎量の 0x でインスリンをデリバリすることができ、少なくとも1つのプロファイルは、少なくとも第2の時間間隔についてのベースライン基礎量でインスリンをデリバリすることができ、少なくとも1つのプロファイルは、少なくとも第2の時間間隔についてのベースライン基礎量の 2x のインスリンをデリバリすることができる。
【0028】
本明細書の1つ以上のシステムによれば、前記第1の時間間隔は、少なくとも 3 時間で5 時間以下であり、第2の時間間隔は、少なくとも 10 分で30 分以下であってもよい。
【0029】
1つ以上の実施形態では、本発明は、メモリに保存されたベースライン基礎インスリン量に基づいて第1の昼間時間期間にわたり、インスリン・ポンプ及びコントローラを使用して、インスリンをデリバリすることを含む方法を含むことができる。前記コントローラは、糖尿病を抱える人(PWD)の血糖レベルを制御するために、ベースライン基礎インスリン量から変動する量で、インスリン・ポンプを介してインスリンのデリバリを制御するために血糖データを受け取ることができる。この方法はまた、第1の昼間時間期間中に実際にデリバリされたインスリンの量に基づいて、第1の昼間時間期間の少なくとも 20 時間後である第2の昼間時間期間についての、メモリに保存されたベースライン基礎インスリン量を修正することを含み得る。
【0030】
本明細書の1つ以上の方法によれば、第2の昼間時間期間についての糖質/インスリン比(CR)(carbohydrate- to-insulin ratio)はまた、第1の昼間時間期間中に実際にデリバリされたインスリンの量に基づいて修正されることがある。
【0031】
本明細書の1つ以上の方法によれば、第2の昼間時間期間についてのインスリン効果値(ISF)はまた、第1の昼間時間期間中に実際にデリバリされたインスリンの量に基づいて修正されることがある。
【0032】
本明細書の1つ以上の方法によれば、第2の昼間時間期間は、別の日の同じ時間期間又は別の日の同じ時間期間の 2 時間前の時間期間のうちの1つを含むことができる。
【0033】
本発明の1つ以上の方法によれば、記第2の昼間時間期間についてのメモリに保存されるベースライン基礎インスリン量は、前記第1の昼間時間期間のベースライン基礎インスリン量によって決定される量に対する前記第1の昼間時間期間に実際にデリバリされたインスリンの量の比率が、所定の第1閾値を超える場合は、増やすことができる。更に、前記比率が、所定の第2閾値を下回る場合は、前記第2の昼間時間期間についてのメモリに保存されるベースライン基礎インスリン量を減らすことができる。
【0034】
本発明の1つ以上の方法によれば、前記第2の昼間時間期間についてのメモリに保存されるベースライン基礎インスリン量は、前記第1の昼間時間期間に実際にデリバリされたインスリン量と前記ベースライン基礎インスリン量によって決まる量との間の差よりも小さい固定した量又はパーセンテージ分、増加又は減少させることができる。
【0035】
本発明の1つ以上の方法によれば、メモリに保存されるベースライン基礎量は、約 1%から約 5% の間のパーセンテージ分、増加又は減少させることができる。
【0036】
本発明の1つ以上の方法によれば、前記ベースライン基礎量が修正されたとき、前記第2の昼間時間期間についての保存された CR 又は保存された ISF もまた、固定した量又は決められたパーセンテージ分、増加又は減少させることができる。
【0037】
本発明の1つ以上の方法によれば、メモリに保存されるベースライン基礎量、CR、及び ISF は、それぞれ、約 1%から約5%の間のパーセンテージで、増加又は減少させることができる。あるケースでは、CR、ISF、及びBBRのそれぞれがロック・ステップ(lock step)で増減される。即ち、CR 及び ISF のそれぞれは、BBR が減少した場合、BBR の減少パーセンテージとほぼ同じパーセンテージ分増加させる。そして、CR 及び ISF のそれぞれは、BBR が増加した場合、BBR の増加パーセンテージとほぼ同じパーセンテージ分減少させる。ある場合には、CR、ISF、及び BBR はすべて、事前に決めた関係に基づいて増減させることができる。
【0038】
本発明の1つ以上の方法によれば、メモリに保存されるベースライン基礎インスリン量は、前記比率に基づく量によって調節することができるが、第1の昼間時間期間中に実際にデリバリされたインスリン量とベースライン基礎インスリン量によって指示決定される量との間の差よりも小さい。
【0039】
本発明の1つ以上の方法によれば、第2の昼間時間期間についての保存された CR 及び保存された ISF は、前記基礎量が減少すると増加し、前記基礎量が増加すると減少することがある。
【0040】
本発明の1つ以上の方法によれば、インスリン・ポンプ及びコントローラを使用して、第1の昼間時間期間にわたって、インスリンをデリバリすることは、第1の時間間隔にわたる第1の一連のインスリン・デリバリ動作をそれぞれ含む、及び第1の時間間隔の内の複数の昼間時間期間についてのメモリに保存されるベースライン基礎インスリン量に基づく、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成することを含むことができる。インスリンをデリバリすることは、更に第1の時間間隔にわたる複数の時間についての第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの各インスリン・デリバリ・プロファイルについて、第1の複数の将来の血糖値を予測することを含むことができる。そして、予測される将来の血糖値のそれぞれを、PWD について少なくとも1つの最新の血糖レベルを用いて予測することができる。インスリンをデリバリすることはまた、各インスリン・デリバリ・プロファイルについての第1の複数の将来の血糖値と少なくとも1つの目標血糖レベルとを比較することに少なくとも部分的に基づいて、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの第1のプロファイルを選択することを含むことができる。インスリンとデリバリすることはまた、第2の時間間隔(第2の時間間隔は第1の昼間時間期間以下であり、任意選択的に、第1の昼間時間期間全体についてインスリンがデリバリされるまで、これらの工程を繰り返す)について、インスリン・ポンプを用いて、第1の昼間時間期間の少なくとも一部についてのインスリンの第1の1回用量をデリバリすることを含む。
【0041】
本発明の1つ以上の方法によれば、第1の一連のインスリン・デリバリ動作における各動作は、ベースライン基礎インスリン量の 0x、1x、又は2xをデリバリすることのうちの1つを含むことができる。
【0042】
本発明の1つ以上の方法によれば、複数の将来の血糖レベルは、第1の昼間時間期間についてのメモリに保存される ISF、CR 又はこれらの組み合わせを使用して決定することができる。
【0043】
本発明の1つ以上の方法によれば、前記コントローラは、インスリンのデリバリを制御するために、インスリン又は食物摂取データを受け取ることができる。
【0044】
1つ以上の実施形態において、本発明は、メッセージ、血糖データを生成するように構成されたグルコース・センサ、及びメモリを含むコントローラに基づいて、インスリンをデリバリするように構成されたインスリン・ポンプを含むシステムを含むことができる。前記コントローラを、メモリに保存されるベースライン基礎インスリン量に基づいて第1の昼間時間期間にわたってインスリンをデリバリするためのメッセージを生成するように構成することができる。前記コントローラを、糖尿病を抱える人(PWD)の血糖レベルを制御するために、ベースライン基礎インスリン量から変動した量でインスリンをデリバリするためのメッセージを生成することを制御するために、グルコース・センサから血糖データを受け取るように構成することもできる。更に、前記コントローラを、第1の昼間時間期間中に実際にデリバリされたインスリンの量に基づいて、第1の昼間時間期間の少なくとも20 時間後である第2の昼間時間期間についてのメモリに保存されたベースライン基礎インスリン量を修正するように構成することができる。
【0045】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記コントローラは、インスリン・ポンプの一部であってもよい。
【0046】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記コントローラは、インスリン・ポンプとは別個のデバイスであってもよい。
【0047】
1つ以上の実施形態では、本発明は、ユーザが低血糖の恐怖指数(fear of hypoglycemia index, FHI)を入力するインタフェースをユーザに表示することを含む方法を含むことができる。前記 FHI は、血糖レベルが血糖レベルの閾値未満であることの許容確率に相当する。前記方法は更に、糖尿病を抱える人(PWD)についての血糖データを受け取ることを含むことができる。前記方法は、更に、受け取った血糖データの変動に基づいて、閾値血糖レベル未満の血糖レベルを有する PWD の確率を計算することを含むことができる。前記方法はまた、血糖レベルが閾値血糖レベル未満である PWD の確率を、ユーザ入力 FHI と関連する許容確率に揃えるために、1つ以上の目標血糖レベルを設定することを含むことができる。前記方法は更に、目標血糖レベルに基づいて、インスリン・デリバリ・デバイスを使用して、インスリンをデリバリすることを含むことができる。
【0048】
本発明の1つ以上の方法によれば、複数の目標血糖レベルを、複数の昼間時間期間について設定し、その昼間時間期間中に閾値血糖レベル未満に血糖レベルが下がる PWD の計算された確率に基づいて、各昼間時間期間について独立して修正することができる。
【0049】
本発明の1つ以上の方法によれば、インスリン・デリバリ・デバイスが、インスリン・ポンプである。
【0050】
本発明の1つ以上の方法によれば、インスリン・ポンプを使用して、1つ以上の目標血糖値に基づいて、インスリンをデリバリすることが、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成することを含みことができる。ここで、各第1の複数の基礎インスリン・デリバリ・プロファイルは、第1の時間間隔にわたる第1の一連のインスリン・デリバリ動作を含み得る。インスリンをデリバリすることはまた、複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれについての予測された血糖レベルに基づいて、1つ以上の目標血糖レベルを近似する第1の複数の基礎インスリン・デリバリ・プロファイルの第1のプロファイルを選択することを含むことができる。インスリンをデリバリすることは、1回用量のインスリンをデリバリした後、第2の時間間隔について、インスリン・ポンプを用いて1回用量のインスリンをデリバリすることを追加的に含むことができる。インスリンの前記1回用量は、第1のプロファイルの第1の一連のインスリン・デリバリ動作における第1の動作に相当し、及び前記第2の時間間隔は前記第1の時間間隔よりも短い。
【0051】
本発明の1つ以上の方法によれば、第1の複数の基礎インスリン・デリバリ・プロファイルを、それぞれ、前記予測された血糖レベルと前記1つ以上の目標血糖レベルとの間の差を評価するコスト関数を使用して評価することができ、前記第1のプロファイルを、前記コスト関数に基づいて選択することができる。
【0052】
本発明の1つ以上の方法によれば、ユーザ・インタフェースは、複数の可能なFHI値の対話的機能を含むことができる。そして、その対話的機能によって、表示された可能な FHI を選択することによって前記ユーザが前記 FHI を入力する。
【0053】
本発明の1つ以上の方法によれば、表示される前記 FHI オプションは、数値血糖レベル、低閾値グルコース・レベルを下回る確率、高閾値グルコース・レベルを上回る確率、及び指向する血糖レベルのテキスト記載のうちの少なくとも1つを含む。これによって、前記ユーザは FHI を入力する。
【0054】
本発明の1つ以上の方法によれば、前記ユーザは、PWD、PWDへの介護者又は医療専門家であってもよい。
【0055】
1つ以上の実施形態において、本発明は、前記ユーザが低血糖の恐怖指数(FHI)を入力するインタフェースを表示するように構成された対話的表示デバイスを含むシステムを含むことができる。前記 FHI は、閾値血糖レベルを超える許容確率に相当することがある。前記システムはまた、メッセージに基づいてインスリンをデリバリするように構成されたインスリン・ポンプ、及びPWD の血糖レベルの変動に基づく閾値血糖レベルを下回る血糖レベルを有する糖尿病を抱える人(PWD)の確率を計算するように構成されたコントロール・デバイスを含むことができる。前記コントローラをまた、前記 FHI 及び閾値血糖レベルを超える PWD の確率に基づいて、閾値血糖レベル未満に低下する血糖レベルを有する PWD の確率を、ユーザが選択した FHI に関連する許容確率に揃えるために、1つ以上の目標血糖レベルを決定することができる。前記コントローラを更に、1つ以上の目標血糖レベルに基づいて、インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を決定するように構成することができ、その決定されたインスリン・デリバリ・プロファイル又は量に基づいて、インスリンをデリバリするようにインスリン・ポンプへのメッセージを生成するように構成することができる。
【0056】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記対話的表示デバイス及び前記コントロール・デバイスは、同じデバイスのコンポーネントであってもよい。
【0057】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記対話的表示デバイス及び前記コントロール・デバイスは、異なるデバイスのコンポーネントであってもよい。
【0058】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記コントローラは、複数の昼間時間期間についての複数の目標血糖レベルを保存し、その昼間時間期間中に閾値血糖レベル未満に低下する血糖レベルを有する PWD の計算された確率に基づいて各昼間時間期間を独立して修正することができる。
【0059】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記コントローラは、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成することによってインスリン・デリバリ・プロファイル又は量を決定することができ、第1の複数の基礎インスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれは、第1の時間間隔にわたる第1の一連のインスリン・デリバリ動作を含むことができる。前記コントローラはまた、複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれについての予測された血糖レベルに基づいて、1つ以上の目標血糖レベルを近似する第1の複数の基礎インスリン・デリバリ・プロファイルの第1のプロファイルを選択することによって、インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を決定することができる。そのような場合、前記メッセージを生成することは、第1のプロファイルの第1の一連のインスリン・デリバリ動作における第1の動作に相当する1回用量のインスリンに更に基づくことができ、前記第2の時間間隔は前記第1の時間間隔よりも短くてもよい。
【0060】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記第1の複数の基礎インスリン・デリバリ・プロファイルを、それぞれ、前記予測された血糖レベルと少なくとも1つ以上の目標血糖レベルとの間の差を評価するコスト関数を用いて評価することができ、前記第1のプロファイルを前記コスト関数に基づいて選択することができる。
【0061】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記ユーザ・インタフェースは、複数の可能なFHI値の対話的機能を含むことができ、複数の可能なFHI値によって前記ユーザは前記 FHI を入力する。
【0062】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記表示される FHI オプションは、数値血糖レベル、低閾値グルコース・レベルを下回る確率、高閾値グルコース・レベルを上回る確率、及び指向する血糖レベルのテキスト記載のうちの少なくとも1つを含み、この表示される FHI オプションによって前記ユーザは前記 FHI を入力する。
【0063】
1つ以上の実施形態では、本発明は、プロセッサによって実行されたときに、動作を実行するように構成された命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体を含むことができる。前記動作は、低血糖の恐怖指数(FHI)の選択を受け取ることを含み、前記 FHI は、閾値血糖レベルを超える許容確率に相当することがある。前記動作はまた、PWDの血糖値の変動に基づく閾値血糖レベルより低下する血糖レベルを有する糖尿病を抱えた人(PWD)の確率を計算することを含むこともできる。前記動作は更に、前記 FHI 及び閾値血糖レベル未満に低下する血糖レベルを有する PWD の確率に基づいて、ユーザが選択した FHI に関連する許容確率に、閾値血糖レベル未満に低下する血糖レベルを有する PWD の確率を揃えるための1つ以上の目標血糖レベルを設定することを含むことができる。前記動作は、更に、1つ以上の目標血糖レベルに基づいてインスリンをデリバリするためのインスリン・ポンプへのメッセージを生成することを含むことができる。
【0064】
1つ以上の実施形態では、本発明は、糖尿病を抱える人(PWD)の最新の血糖データを受け取ること、並びにその受け取った最新の血糖データ及びメモリに保存された少なくとも1つの目標血糖レベルとともに、コントローラ上のメモリに保存された1つ以上のベースライン基礎量に少なくとも部分的には基づいて、前記PWD の基礎インスリン量を決定することを含むことができる。前記方法はまた、1つ以上の決定した基礎インスリン用量を前記 PWD にデリバリすること、及び PWD の血糖データの変動に基づいて、メモリに保存された1つ以上の目標血糖レベルを修正することを含むことができる。前記方法はまた、前記 PWD が低血糖イベント(hypoglycemic event)を経験する可能性を減少させるユーザ指向性(user preference)、又は前記 PWD が高血糖イベント(hyperglycemic event)を経験する可能性を減少させるユーザ指向性(user preference)を示す、一時的なオーバーライド(override)について、電子デバイスで入力を受け取ることを含むことができる。前記方法はまた、受け取ったユーザ入力に基づいて、1つ以上の一時的な目標血糖レベルを決定することを含むことができる。ここで、もし、前記ユーザ指向性が前記 PWD が低血糖イベントを経験する可能性を減少させることである場合、前記一時的な目標血糖レベルは、修正した1つ以上の目標血糖レベルよりも高くてよい。代わりに、もし、前記ユーザ指向性が前記 PWD が高血糖イベントを経験する可能性を減少させることである場合、前記一時的な目標血糖レベルは、修正した1つ以上の目標血糖レベルよりも低くてよい。前記方法は更に、1つ以上の一時的な目標血糖レベルに基づいて、前記一時的な期間について、1つ以上の1回用量の基礎インスリンをデリバリすることを含むことができる。
【0065】
本発明の1つ以上の方法によれば、PWD についての基礎インスリン用量を、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成することによって決定することができる。ここで、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれは、第1の時間間隔にわたる1つ以上の保存されたベースライン基礎インスリン量に基づく第1の一連のインスリン・デリバリ動作を含むことができる。前記基礎インスリン用量はまた、第1の時間間隔にわたる複数の時間について、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルのうちの各インスリン・デリバリ・プロファイルについて、第1の複数の将来の血糖値を予測することによって決定することができる。ここで、各予測された将来の血糖値は、受け取った前記 PWD についての最新の血糖レベルの少なくとも1つを使用して予測される。前記基礎インスリン用量は更に、各インスリン・デリバリ・プロファイルについての第1の複数の将来の血糖値と1つ以上の目標血糖レベルとの比較に少なくとも部分的に基づいて、第1の複数のインスリン・デリバリ・プロファイルの第1のプロファイルを選択することによって決定することができる。
【0066】
本発明の1つ以上の方法によれば、前記第1の時間間隔は、同じプロセスを使用してインスリンの次の1回用量を決定する前にインスリンをデリバリするために、前記選択された第1のプロファイルが使用される時間間隔よりも長くてもよい。
【0067】
本発明の1つ以上の方法によれば、複数のインスリン・デリバリ・プロファイルを生成するプロセスを前記一時的な時間期間中に使用することができ、前記選択されたプロファイルは前記一時的な期間中の1つ以上の一時的な目標血糖レベルに基づくことがある。
【0068】
本発明の1つ以上の方法によれば、入力を受け取ることは、数値目標血糖レベルのうちの一つの選択、活動の選択、又は指向する血糖レベルのテキスト記載の選択を受け取ることを含むことができる。
【0069】
本発明の1つ以上の方法によれば、1つ以上の一時的な目標血糖レベルを、1つ以上の修正した目標血糖レベルから固定パーセントの増加又は減少で設定することができ、及び任意選択的に目標血糖レベルに対する事前に保存された又は特定の最大値若しくは最小値に制限することができる。
【0070】
本発明の1つ以上の方法によれば、1つ以上の一時的な目標血糖レベルを、1つ以上の修正した目標血糖レベルから固定した数値の増加又は減少で設定することができ、任意選択的に目標血糖レベルに対する事前に保存された又は特定の最大値若しくは最小値に制限することができる。
【0071】
本発明の1つ以上の方法によれば、全ての目標血糖レベルは、100 mg/dLと160 mg/dLとの間の値に制限される。
【0072】
本発明の1つ以上の方法によれば、入力を受け取ることは、前記一時的な時間期間の時間の長さを受け取ることを含むことができる。
【0073】
本発明の1つ以上の方法によれば、前記メモリは、複数の昼間時間期間のベースライン基礎量及び目標血糖レベルを保存することができる。
【0074】
本発明の1つ以上の方法によれば、1つ以上の目標血糖レベルを、複数の日数にわたって受け取った血糖データの変動に基づいて閾値血糖レベル未満の血糖値を有する PWD の確率を決定することに基づいて修正することができる。このような場合、閾値血糖レベル未満の血糖レベルを有する PWD の確率を、閾値血糖レベル未満に血糖レベルが低下する PWD の許容確率に揃えるために、1つ以上の目標血糖レベルを修正することができる。
【0075】
1つ以上の実施形態では、本発明は、メッセージに基づいてインスリンをデリバリするように設定されたインスリン・ポンプ、複数のグルコース・センサ・データ・ポイントを生成するように構成されたグルコース・センサ、糖尿病を抱える人(PWD)が低血糖イベントを経験する可能性を減少させるユーザ指向性、又は糖尿病を抱える人(PWD)が高血糖イベントを経験する可能性を減少させるユーザ指向性を受け取るインタフェース、及びコントローラを含むシステムを含むことができる。前記コントローラ、前記ユーザ・インタフェース、又はそれらの組み合わせを、前記グルコース・センサから最新の血糖データを受け取り、前記コントローラのメモリ(前記メモリには、受け取った最新の血糖データ、及び少なくとも1つの目標血糖レベルが保存されることがある)に保存された1つ以上のベースライン基礎量に少なくとも部分的に基づいて基礎インスリン用量を決定するように設定することができる。前記コントローラ、前記ユーザ・インタフェース、又はそれらの組み合わせを更に、前記決定された基礎インスリン用量をデリバリするために、前記インスリン・ポンプに対するメッセージを生成し、前記グルコース・センサからのグルコース・データの変動に基づいて前記メモリの保存される1つ以上の目標血糖レベルを修正し、前記ユーザ指向性を受け取るように構成することができる。前記コントローラ、前記ユーザ・インタフェース、又はそれらの組み合わせを、前記受け取ったユーザ指向性に基づいて1つ以上の一時的な目標血糖レベルを決定することもできる。ここで、もし、前記ユーザ指向性が PWD が低血糖イベントを経験する可能性を減少させることである場合、前記一時的な目標血糖レベルは、修正した1つ以上の目標血糖レベルよりも高くすることができる。他方、もし、前記ユーザ指向性が PWD が高血糖イベントを経験する可能性を減少させることである場合、前記一時的な目標血糖レベルは、修正された1つ以上の目標血糖レベルよりも低くすることができる。前記コントローラ、前記ユーザ・インタフェース、又はそれらの組み合わせを、1つ以上の一時的な目標血糖レベルに基づいて前記一時的な時間期間の1回用量の基礎インスリンをデリバリするために、前記インスリン・ポンプに対するメッセージを生成すると設定することもできる。
【0076】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記コントローラは前記インスリン・ポンプの一部とすることができる。
【0077】
本発明の1つ以上のシステムによれば、前記コントローラは、前記インスリン・ポンプとは別のデバイスとすることができる。
【0078】
様々な実施形態のうち1つ以上を実施することの詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。様々な実施形態の他の特徴、目的及び利点は、発明の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0079】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、単に例示的且つ説明的であり、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1図1は糖尿病管理システム(DMS)の例を示す。
図2図2は基礎インスリン用量を調節する技術の例の流れ図である。
図3図3は将来の血糖値を計算するモデルの例を示す。
図4図4は本願で提供される方法とシステムを使用する糖尿病を抱える人をシミュレーションし、その記録されたデータを示す。
図5A図5A図1の DMS の追加的な例の詳細を示す。
図5B図5B図1の DMS の追加的な例の詳細を示す。
図6図6はインスリン・デリバリ・プロファイルを使用する方法の例の流れ図を示す。
図7図7はインスリン・デリバリ量を調節する方法の例の流れ図を示す。
図8図8は低血糖の恐怖指数を使用する方法の例の流れ図を示す。
図9図9は一時的なオーバーライドを使用する方法の例の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
例示的な実施形態は、以下の添付の図面の使用により、追加の特定性及び詳細とともに記載され、説明される。
【0082】
本明細書において提供される医薬品投与システム及び方法を、ユーザ(例えば、糖尿病を抱える人(PWD))によって、それぞれ使用し、実行することができる。前記 PWDは、1型、2型、又は妊娠糖尿病を抱えて生活していることがある。ある場合は、ユーザは、PWDの医療専門家又は介護者であることがある。
【0083】
本明細書で提供される方法及びシステムは、基礎インスリン・デリバリ量の調節の仕方を決定するために、前記 PWD の最新の血糖データ(例えば、毎時複数の血糖データ・ポイント)を有するグルコース測定デバイス(例えば、連続グルコース・モニタ)からの情報を使用することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、1つ以上の連続グルコース・モニタ、及び1つ以上の血糖メータの両方からの血糖データを使用することができる。本明細書で提供される方法及びシステムは、ハイブリッド閉ループ・システム(hybrid closed loop system)の一部であってもよい(例えば、基礎量を自動的に調節することができ、PWD はマニュアルで(manually)ボーラス(bolus)を入力することができ、ボーラスをデリバリすることができる)。ある場合において、本明細書で提供される方法及びシステムは、完全閉ループ・システム(fully closed loop system)の一部とすることができる(例えば、基礎量を自動的に調節することができ、ボーラスを自動的にデリバリすることができる)。ある場合において、「最新」とは、過去 1 時間未満、過去 30 分未満、又は過去 15 分未満を意味することがある。
【0084】
本明細書で提供される方法及びシステムは、モデルを使用して、複数の異なる基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は基礎インスリン量についての将来の複数の血糖レベルを予測し、どのプロファイル又は量が目標血糖レベルに近くなるかという予測に基づいて、基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は基礎インスリン用量のうちの1つを選択するが、より具体的には、予測した将来の血糖値と1つ以上の目標血糖値との間の差を最小にするプロファイルを選択する。ある場合には、将来の1つ以上の目標血糖レベルからの変動を最小限に抑え、減少、又は低下させるプロファイルを選択することができる。次いで、選択した基礎プロファイルを、少なくとも異なる基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を評価するプロセスが繰り返されるまでは、PWDにデリバリすることができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、複数の将来予測される血糖値の時間間隔よりも短い時間間隔で、複数の異なる基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は基礎インスリン・デリバリ量を評価するプロセスを繰り返すことができる。例えば、ある場合には、複数の異なる基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は基礎インスリン・デリバリ量からの評価と選択との間の時間間隔は1時間未満とすることができるが、複数の将来の予測血糖値によって、将来に向かって少なくとも 2 時間の時間間隔に拡げることができる。本明細書で提供される方法及びシステムのいくつかの場合において、評価された基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量の各々は、評価プロセス間の時間間隔よりも長い時間間隔に拡げることができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、将来に向かって少なくとも 2 時間拡がるインスリン・デリバリ・プロファイル及び量を評価することができる。将来に向かって少なくとも 2 時間拡がる時間間隔にわたって、予測血糖値を予測することもできる。ある場合には、前記プロファイル/量及び予測される将来の血糖値の時間間隔は、将来に向かって少なくとも3時間拡がる。ある場合には、前記プロファイル/量及び予測される将来の血糖値の時間間隔は、ある期間(例えば、少なくとも4時間)拡がる。ある場合には、前記プロファイル/量及び予測される将来の血糖値の時間間隔は、将来に向かって、少なくとも5時間拡がる。本明細書で使用されるように、用語「血糖レベル」は、間質液、尿又は他の体液又は組織におけるグルコース・レベルの検出のような、血糖レベルを見積もったり又は相関する任意の測定値を含むことができる。
【0085】
各評価プロセスについて異なる基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量、任意の適切な技術を使用して生成することができる。ある場合では、複数のプロファイル又はデリバリ量が、1つ以上のユーザ固有の用量パラメータを用いて生成される。ある場合には、1つ以上のユーザ固有の用量パラメータをユーザによって入力することができるし、ユーザによって入力された情報によって計算することができるし、及び/又はPWDから生成されたモニタリング・データ(例えば、前記 PWD が開ループ・モード(open loop mode)でポンプを使用している間に、インスリン・デリバリ量及び血糖データをモニタリングする)によって計算することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、1つ以上の選択された基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量、及び/又はPWDから得られる他のデータに基づいて、時間の経過と共にユーザ固有の用量パラメータを修正することができる。ある場合には、ユーザ固有の用量パラメータは、平均一日総インスリン、一日総基礎(TDB)インスリン、平均基礎量、インスリン効果値(ISF)及び糖質/インスリン比(CR)(carbohydrate- to-insulin ratio)などの糖尿病の治療に一般的に使用される用量パラメータとすることができる。例えば、ある場合には、異なる時間間隔にわたって使用される平均基礎量の倍数又は分数に基づいて、複数の異なる基礎インスリン・デリバリ・プロファイルを計算するために、PWD の平均基礎量を使用することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、時間間隔固有の、ユーザ固有の用量パラメータ(例えば、時間間隔固有のベースライン基礎量)を使用することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、デリバリした基礎量がその時間間隔についてのベースライン基礎量から変動する各時間間隔について、時間間隔固有の、ユーザ固有の用量パラメータを調節することができる。ある場合には、ユーザ固有の用量パラメータは、2 時間以下、1 時間以下、30 分以下、又は15 分以下の時間間隔に固有である。例えば、ある場合に本明細書で提供される方法及びシステムは、午後 1 時から午後 2 時の間のベースライン基礎量を保存することができ、もし前記方法又はシステムがその時間中により多くの基礎インスリンをデリバリする場合、その時間のベースライン基礎量を多くして調節することができ、もし前記方法又はシステムがその時間中により少ない基礎インスリンをデリバリする場合、その時間のベースライン基礎量を少なくして調節することができる。ある場合には、ユーザ固有の用量パラメータの調節を閾値の変動に基づくものとすることができ、及び/又はユーザ固有の用量パラメータが過剰に調節されることを防ぐために制限することができる。例えば、ある場合には、毎日のユーザ固有の用量パラメータの調節を、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、又は約 1%に制限することができる。ある場合には、ベースライン基礎量の調節は、実際にデリバリされた基礎インスリン量とある特定の時間期間のベースライン基礎量との差よりも小さい(例えば、ベースライン基礎量が 1U/時間であり、本明細書で提供されるシステム又は方法が前の 1 時間に 2U を実際にデリバリした場合、その差異に基づくいずれのベースライン基礎量の調節は 1U/時間未満になる)。
【0086】
本明細書で提供される方法及びシステムは、任意の適切なモデルを使用して、複数の将来の血糖値を予測することができる。ある場合には、予測モデルは、(例えば、血糖メータ及び/又は連続グルコース・モニタからの)1つ以上の現在又は最近の血糖測定値、血糖レベルの変化率の推定値、作用していない糖質の推定値、及び/又は作用していないインスリンの推定値を使用することができる。ある場合には、予測モデルは、将来の時間間隔にわたる複数の異なる基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量のための、同じ将来の時間間隔にわたる複数の血糖値を予測する際に、1つ以上のユーザ固有の用量パラメータを使用することができる。上述したように、その将来の時間間隔は、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、又は少なくとも5時間などとすることができる。ユーザ固有の用量パラメータ(時間間隔固有なものとすることができる)はまた、作用していない糖質の推定値、及び/又は作用していないインスリンの推定値を決定する際に使用することができる。ある場合には、作用していない糖質の推定値、及び/又は作用していないインスリンの推定値は単純な減衰関数を使用することができる。ある場合には、作用していないインスリンの推定値は、インスリン・オン・ボード((IOB)、残留インスリン量)の計算を使用して決定することができ、これは糖尿病の治療分野において一般的である。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムにおいて使用される予測モデルにおいて使用されるIOB計算は、ボーラスのデリバリ中に PWD にデリバリされるインスリンを考慮することができる。ある場合には、前記 IOB 計算は更に、ベースライン基礎量からの基礎インスリン・デリバリ量の変化に基づいて、前記 IOB に足したり又は引いたりすることができる。ある場合には、作用していない糖質の推定値は、糖質オン・ボード(COB)計算を使用して決定することができるが、それは減衰関数と報告された食事に基づいたものとすることができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムで使用される予測モデルは、食事の非糖質成分も考慮することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、最新の血糖データのスパイク(spike)に起因して、報告されていない食事に由来する糖質の量を推測することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムで使用される予測モデルは、追加的な健康データ又は入力も追加的に考慮することができる。この追加的な健康データ又は入力は、PWDが病気であること、運動していること、月経を経験していること、又はインスリン及び/又は糖質に対するPWDの反応を変化させる可能性のある他の状態を示すことがある。ある場合には、少なくともIOB、COB、インスリン効果値(ISF)及び糖質/インスリン比(CR)を、各評価された基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量の将来の血糖値を予測するために使用することができる。
【0087】
本明細書で提供される方法及びシステムは、任意の適切な技術を用いて1つ以上の目標血糖を設定することができる。ある場合には、目標血糖を、ユーザによって、又はシステムに予めプログラムされることで固定することができる。ある場合には、目標血糖レベルを時間間隔固有とすることができる(例えば、昼間の時間セグメントに基づいて)。ある場合には、ユーザは一時的又は永続的に目標血糖レベルを調節することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、特定の曜日に対して、及び/又は他の生理的パターンに基づいて血糖データの変動性を分析し、その特定の曜日又は他の生理的パターンに基づいて、その個人の目標血糖を調節することができる。例えば、PWDは特定の曜日に運動をしてもよく、及び/又は月経周期に基づいてPWDが異なるインスリン要求性を有していてもよい。
【0088】
本明細書で提供される方法及びシステムは、任意の適切な方法を使用して、各基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を評価して、1つ以上の目標血糖からの変動を最小にするプロファイル又は量を選択することができる。ある場合には、昼間時間セグメントに可能性として固有なものとして、本明細書で提供される方法及びシステムは、コスト関数を使用して、基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量それぞれについて予測された血糖値と目標血糖値との差を評価することができる。本明細書で提供される方法及びシステムは、最低コスト関数値を生成する基礎プロファイル又は量を選択することができる。本明細書で提供される方法及びシステムは、任意の適切なコスト関数を使用することができる。ある場合には、コスト関数は、各予測血糖値と各目標血糖との間の差の絶対値を合計することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムで使用されるコスト関数は、前記差の二乗を使用することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムで使用されるコスト関数は、低血糖イベントのリスクを低減するために、目標血糖値よりも低い血糖値に対してより高いコストを割り当てることができる。ある場合には、コスト関数は、複数の予測偏差の絶対値、二乗偏差、対数二乗偏差、又はそれらの組み合わせの合計を含むことができる。ある場合には、コスト関数は、予測される血糖値と無関係の変数を含むことができる。例えば、コスト関数は、BBRの 100 %をデリバリしないプロファイルに対してペナルティ(penalty)を含むことができ、その結果、BBRの 100 %を使用することに、わずかな指向性を追加する。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、他の間隔(例えば、もう一つ別の 15 分のセグメント)ごとの既存の基礎修正を維持することにわずかな指向性を提供するコスト関数を含むことができる。このコスト関数により、典型的な状況での基礎インスリン・デリバリ量における変動を減らすことができるが、より重要な調節を可能とすることができる。
【0089】
本明細書で提供される方法及びシステムは、基礎インスリンのデリバリに関係するユーザからの様々な入力を受け取ることができる。ある場合には、ユーザが低血糖の恐怖指数(FHI)を入力することができる。前記 FHI は、PWD によって特定の血糖レベルを経験することへの指向性、又は忌避性を示すことがある。例えば、前記 FHI は、PWD が「高」血糖レベル(例えば、閾値を超える血糖レベル)を指向することを示すことができる。又は別の例として、前記 FHI は、PWD が「低」血糖レベル(例えば、閾値未満の血糖レベル)になることを心配していることを示すことができる。ある場合には、前記 FHI は、閾値、及び閾値を超える許容確率に相当することがあり、閾値より高くなることを重視するために閾値を使用すること、若しくは閾値よりも低くなることを重視するために閾値を使用すること、又は両方などを含む。ある場合は、閾値を超える PWD の確率を決定することができる。そして、ベースライン基礎インスリン量を修正し、閾値を超える許容確率を閾値を超える実際の確率により密接に揃えることができる。追加的に又は代替的に、前記 FHI を、本発明の方法及びシステムにおいて他の方法で使用することができる。例えば、昼間期間のベースライン基礎インスリン量を修正することは、高 FHI についてはある方法で修正し、低 FHI については別の方法で修正することができる。別の例として、インスリン・デリバリ工程の複数のプロファイルは、高い FHI に対して可能な工程のあるセット、及び低い FHI に対して可能な工程の別のセットを使用することができる。
【0090】
本明細書で提供される方法及びシステムは、任意の数の方法で、インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を修正又は変更することができる。ある場合には、ユーザは、一時的なオーバーライドを選択して、特定の血糖値に対するユーザの指向性を示すことができる。例えば、PWDは、彼らが長いドライブに行っているところで、血糖レベルが一定レベルより下に低下することを望まず、したがって、目標血糖レベルを通常の目標血糖レベルよりも高く指定することができる。これを、特定又は不定の時間長に設定することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、一時的なオーバーライドからの血糖レベルに対応する複数のプロファイルから新しいプロファイル又は量を修正、又は修正しない場合は選択することができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、血糖値が低下するリスクについて許容範囲が狭くなったことをユーザが単に示すことを許容することができるし、前日(任意選択的にある特定の昼間時間セグメント)のそのPWDの血糖データの変動性に基づいて一時的な血糖レベルを決定することができる。
【0091】
本明細書で提供される方法及びシステムは、複数の異なる昼間時間セグメントの異なる値として、複数のユーザ固有の用量パラメータ(例えば、BBR、CR 及び ISF)を保存することができる。本明細書で使用されるように、各日の中での“昼間時間セグメント”時間期間に、もし記憶される昼間固有のユーザ固有の用量パラメータを修正、又は変更しない場合、前記方法及びシステムは、後の日の同じ時間中に、各昼間固有のユーザ固有の用量パラメータを繰り返し使う。その結果、保存した昼間固有のユーザ固有の用量パラメータの使用は、各日に及ぶ。しかしながら、本明細書で提供される方法及びシステムを、システムの動作に基づいて、各昼間固有のユーザ固有の用量パラメータを毎日(若しくはより高頻度又は低頻度で)調節するように、適合させることができる。本明細書で提供される方法及びシステムは、特定の曜日又は他の反復サイクルのための設定又は調節を更に保存することができる。
【0092】
基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を選択した後、本明細書で提供される方法及びシステムは、任意の適切な期間の選択した基礎インスリン・プロファイル又は量に従って、基礎インスリンをPWDへデリバリすることを含むことができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、評価した基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量の時間間隔よりも短い所定時間の間、選択した基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量に従って基礎インスリンを供給することができる。例えば、本明細書で提供される方法及びシステムは、次の 4 時間にわたって持続する基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量についての予測された血糖値を分析することができるが、15 分ごとに新しい基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を選択するプロセスを繰り返すことができる。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムは、ボーラスのデリバリ中に基礎インスリン・デリバリを遅らせる、又は停止させることができる。このことを、ボーラスを要求するユーザがトリガをかけることができる。
【0093】
本明細書中で使用される場合、「基礎インスリン・デリバリ」は、糖尿病の治療の分野において、その通常及び慣習的な意味を有する。基礎量は、経時的にインスリンを連続的に供給することを表すが、基礎インスリン・デリバリは、規則的な又は不規則な間隔で、インスリンを複数回、別々にデリバリすることを意味することがある。ある場合には、本明細書で提供される方法及びシステムによって、別々に分割した単位でのみ、インスリンをデリバリすることができる。例えば、あるインスリン・デリバリ・デバイスは、0.05 単位又は 0.1 単位の整数倍である用量でのみ、インスリンをデリバリすることができる。ある場合には、基礎インスリンのデリバリは、15 分間隔以下、10 分間隔以下、又は5 分間隔以下の事前に決めた時間間隔で、インスリンをデリバリすることを含むことができる。ある場合には、別々に分かれた基礎インスリン・デリバリ間の時間間隔は、基礎インスリン・デリバリ量に基づいて決定することができる(例えば、1.0 単位/時間の基礎量を、6 分ごとに0.1 単位をデリバリする、とすることができる)。本明細書中で使用される場合、用語「ボーラス(bolus)」は、糖尿病の治療の分野での、その通常及び慣習的な意味を有する。そして、食事を打ち消すため(すなわち、食事時間ボーラス)、及び/又は上昇した血糖レベルを校正するため(すなわち、補正ボーラス)に投与されるボーラスのことを意味する。
【0094】
本明細書で提供される方法及びシステムは、ある場合には、複数のデリバリ・モードを含む。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、1つ以上の血糖測定デバイス又は方法を使用して血糖の存在をモニタし、薬剤の投与をコントロール又はモニタすることができ、動作モードに関わりなくユーザ固有の用量パラメータを決定する、及び/又は更新することができる。例えば、可能な動作モードは:
連続グルコース・モニタリング・データ(CGM)及び他のユーザ固有の用量パラメータ(例えば、ベースライン基礎量(BBR)、インスリン効果値(ISF)及び糖質/インスリン比(CR))、に基づいて、自動的に基礎量を調節する、閉ループ又はハイブリッド閉ループ・モード;
より長い時間期間にわたる異なる時間ブロックに対するユーザ固有の用量パラメータ(例えば、BBR、ISFs 及び CRs)を更新するために、血糖モニタ(BGM)データを使用することができるモード;
患者がインスリン・ポンプを使用する治療プログラムをマニュアルで制御することを必要とするマニュアル・モード;並びに
インスリン・ペン又は注射器を使用して PWD が注射するための用量を推奨するアドバイザリ・モード;
を含むことができる。デリバリ・モードにまたがって機能する最適化されたコントロール・パラメータを決定することにより、本明細書で提供されるシステム及び方法は、PWDが異なるデリバリ・モードに切り替える場合でも優れたアナライト・コントロールを提供することができる。例えば、本明細書で提供される方法及びシステムは、もし、連続グルコース・モニタが誤動作するか、又は前記システムが連続データへのアクセスを失う場合に、BBR から離れた基礎インスリン・デリバリを調節するハイブリッド閉ループ・デリバリ・モードから強制的に切り替えて離れるようにすることができる。ある場合では、システムがアドバイザリ又はマニュアル・モードにあるときに、データを収集して、PWDがハイブリッド閉ループ・システムに切り替えるための準備としてコントロール・パラメータを最適化することができる(たとえば、PWDが連続グルコース・モニタ(CGM)及び/又はインスリン・ポンプの使用を始める準備をする。)。
【0095】
本明細書で提供される方法及びシステムは、インスリン・ポンプと、インスリン・ポンプと通信する少なくとも1つの血糖測定デバイスとを含むことができる。ある場合では、血糖測定デバイスは、少なくとも 15 分ごとに血糖測定値を提供するように適合された CGM であってもよい。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、少なくとも 10 分毎に血糖測定値を提供するように適合された CGM を含む。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、5 分ごとに血糖測定値を提供するように適合されたCGMを含む。本明細書で提供される方法及びシステムは、PWDへデリバリする基礎インスリンの量を決定するのに適合したコントローラ及び複数のユーザ固有の用量パラメータを保存するメモリを追加として含む。ある場合では、前記コントローラをインスリン・ポンプの一部とすることができる。ある場合では、コントローラは、リモート・デバイスの一部とすることができ、このリモート・デバイスはインスリン・ポンプと無線通信することができる。ある場合では、コントローラは CGM と無線で通信することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、データを表示し、及び/又はユーザ・コマンドを受け取るためのユーザ・インタフェースを更に含むことができ、そのユーザ・インタフェースをここで提供されるシステムの任意のコンポーネントに含めることができる。ある場合では、前記ユーザ・インタフェースをスマートフォンの一部にすることができる。ある場合では、ユーザは、インスリンのボーラスをデリバリするために、本明細書で提供される方法及びシステムにトリガをかける情報を、前記ユーザ・インタフェース上に入力することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、血糖測定デバイスとして検査ストリップ(test strip)を使用するように適合された血糖メータを使用することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、追加的にインスリン・ペンを含むことができ、インスリン・ペンは任意選択的にコントローラと無線で通信することができる。
【0096】
<糖尿病管理システムの例>
図1は、インスリン用のポンプ・アセンブリ 15 及び連続グルコース・モニタ 50 を含む、糖尿病管理システム 10 の例を示している。図示のように、連続グルコース・モニタ 50 は、ポンプ・アセンブリ 15 と無線通信している。ある場合には、連続グルコース・モニタは、ポンプ・アセンブリ 15 と有線通信することができる。図示していないある場合では、連続グルコース・モニタをインスリン・ポンプ・アセンブリに組み込むことができる。図示のように、ポンプ・アセンブリ 15 は、ポンプ・アセンブリ 15 の一部を形成する再使用可能なポンプ・コントローラ 200 を含むことができる。ある場合では、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、1つ以上の基礎量を決定するように適合される。ある場合では、連続グルコース・モニタ 50 は、ポンプ・アセンブリ 15 に基礎デリバリ量を伝達するように適合されたコントローラとして機能することができる。
【0097】
ポンプ・アセンブリ 15 は、図示のように、再使用可能なポンプ・コントローラ 200、及び使い捨てポンプ 100 を含むことができ、インスリンを保持するためのリザーバを含むことができる。リザーバからインスリンを押し出すための駆動システムを、コントローラ・ハウジング 210 内の使い捨てポンプ 100 又は再使用可能なポンプ・コントローラ 200 のいずれかに含めることができる。再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、無線通信デバイス 247 を含むことができ、連続グルコース・モニタ 50 の無線通信デバイス 54、及びシステム内の他の糖尿病デバイス(例えば、以下に説明するものなど)と通信するように適合させることができる。ある場合では、ポンプ・アセンブリ 15 を、手 5 の手のひら内に収まるようなサイズにすることができる。ポンプ・アセンブリ 15 は、注入セット 146 を含むことができる。注入セット 146 は、使い捨てポンプ 100 から皮下カニューレ 149 へと延びる可撓性ホース 147 を含むことができる。皮下カニューレ 149 は注入部位に固定する皮膚貼付パッチ(図示せず)によって保持されてもよい。皮膚貼付パッチは、カニューレ 149 をPWDの組織又は血管系と流体連通状態として保持し、チューブ 147 を通して投与された薬剤がカニューレ 149 を通過して PWD の身体内に入るようにすることができる。キャップ・デバイス 130 は、インスリン・カートリッジ(図示せず)の出力端と注入セット 146 のチューブ 147 との間の流体連通を提供することができる。ポンプ・アセンブリ 15 は2つの部分で構成されるインスリン・ポンプとして示されているが、1つの部分で構成されるインスリン・ポンプも考えられる。更に、本明細書で提供される方法及びシステムで使用されるインスリン・ポンプ・アセンブリは、代わりにパッチ・ポンプであってもよい。
【0098】
連続グルコース・モニタ 50(例えば、グルコース・センサ)は、ハウジング 52 、無線通信デバイス 54 及びセンサ・シャフト 56 とを含むことができる。無線通信デバイス 54 は、ハウジング 52 内に収容することができ、センサ・シャフト 56 はハウジング 52 から外側へ延びることができる。使用時には、センサ・シャフト 56 は、ユーザの皮膚 20 を穿刺して、PWDの血糖レベル等を示すものの測定を行うことができる。ある場合では、センサ・シャフト 56 は、間質液又は他の液体中のグルコース又は他のアナライトを測定し、その測定値を血糖レベルと相関させることができる。連続グルコース・モニタ 50 は、センサ・シャフト 56 によって行われた測定に応答して、ワイヤレス通信デバイス 54 を使用して、ポンプ・アセンブリ 15 に収容された通信を担当する無線通信デバイス 247 にデータを送信することができる。ある場合では、連続グルコース・モニタ 50 は、センサ信号(例えば、センサ・シャフト 56 からのデータ)を無線通信デバイス 54 に通信することを可能にする回路を含むことができる。無線通信デバイス 54 は、収集したデータを再使用可能なポンプ・コントローラ 200 に(例えば、無線通信デバイス 247 への無線通信によって)に転送することができる。追加的又は代替的に、前記システム10 は、PWD の血糖レベルを示す情報を取得し、その情報を再使用可能なポンプ・コントローラ 200 に転送する様々な方法のいずれかを利用することができる別のグルコース・モニタリング・デバイスを含むことができる。例えば、代替的なモニタリング・デバイスとしては、レーザー穿孔機によって PWD の皮膚の最上層に微小孔を形成する微小孔システムを使用することができる。そして、これを通じて、パッチを使用して間質のグルコースを測定する。あるいは、前記モニタリング・デバイスは、イオントフォレシス法(iontophoretic methods)を使用して、測定のために間質のグルコースを非侵襲的に抽出することができる。他の例では、前記モニタリング・デバイスは、近赤外、超音波又は分光法、及びグルコース感知コンタクト・レンズの特定の実施形態を使用する非侵襲的検出システムを含むことができる。他の例では、モニタリング・デバイスは、平衡蛍光検出器(例えば、フルオロフォアを結合したジボロン酸受容体を含むセンサ)を用いてグルコース・レベルを検出することを含むことができる。更に、ある別の実施形態では、連続グルコース・モニタ 50 は、有線接続を介して再使用可能なポンプ・コントローラ 200 又は別のコンピューティング・デバイスと通信することができることを理解されたい。ある場合では、規則的又は不規則な時間間隔で PWD が使用している際に、PWD の血糖測定値を提供するように連続グルコース・モニタ 50 を適合させることができる。ある場合では、連続グルコース・モニタ 50 は、少なくとも 30 分毎、少なくとも 15 分毎、少なくとも 10 分毎、少なくとも 5分毎、又は約1 分毎に血糖測定値を検出することができる。ある場合では、連続グルコース・モニタ 50 は、本明細書で提供される方法を使用して基礎デリバリ量を決定し、その基礎量をポンプ・アセンブリ 15 に通信することができる。ある場合では、連続グルコース・モニタ 50 は、血糖測定値データを再使用可能なポンプ・コントローラ 200 に送信することができ、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、本明細書で提供される方法を使用して、基礎デリバリ量を決定することができる。ある場合では、リモート・コントローラは、連続グルコース・モニタ 50 からグルコース・データを受け取り、本明細書で提供される方法を使用して基礎デリバリ量を決定し、基礎量をポンプ・アセンブリ 15 に伝達することができる。
【0099】
糖尿病管理システム 10 は、任意選択的に、血糖メータ 70(例えば、グルコース・センサ)を含むことができる。ある場合では、血糖メータ 70 は、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 と無線通信することができる。血糖メータ 70 は、1つ以上の検査ストリップ(test strips)(例えば、血液検査ストリップ)を使用して血糖測定を行うことができる。検査ストリップを、血糖メータ 70 のストリップ・リーダー部分に挿入し、次いで、PWD の血液を受け取り、PWD の血糖レベルを決定することができる。ある場合では、血糖メータ 70 は、PWDの血液の特徴を分析し、その情報を再使用可能なポンプ・コントローラ 200 に(例えば、Bluetooth(登録商標)無線通信接続を介して)通信するように構成されている。ある場合では、ユーザはグルコース・メーターの測定値をマニュアルで入力することができる。血糖メータ 70 を、ユーザはマニュアルで操作することができ、出力サブシステム(例えば、ディスプレイ、スピーカ)を含むことができる。その出力サブシステムはユーザに血糖測定値を提供し、続いて、その血糖測定値をコントローラ又はユーザ・インタフェースに入力して、接続されていない BGM からシステムへデータを集める。前記血糖メータ 70 を、取得したデータ(例えば、血糖測定値)を、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 及び/又はモバイル・コンピューティング・デバイス 60(例えば、コントロール・デバイス)などの他のデバイスに通信するように構成することができる。そのような通信は、有線及び/又は無線接続を介して行うことができ、そのデータを、システム 10 によって、多数の機能(例えば、連続グルコース・モニタ 50 を校正すること、連続グルコース・モニタ 50 からの測定値を確認すること、ボーラス計算のためにより正確な血糖測定値を決定すること、連続グルコース・モニタ 50 が誤動作しているときの血糖レベルの検出)のために使用することができる。
【0100】
ある場合では、システム 10 は、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 との無線及び/又は有線接続を介して(例えば、BLUETOOTH(登録商標)無線通信接続又は近距離通信接続)再使用可能なポンプ・コントローラ 200 と通信することができるモバイル・コンピューティング・デバイス 60 を更に含むことができる。ある場合では、モバイル・コンピューティング・デバイス 60 は、システム 10 の他の糖尿病デバイスと無線で通信する。モバイル・コンピューティング・デバイス 60 は、スマートフォン、タブレット・コンピューティング・デバイス、ウェアラブル・コンピューティング・デバイス、スマートウォッチ、フィットネス・トラッカー、ラップトップ・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、及び/又は他の適切なコンピューティング・デバイスなどの様々な適切なコンピューティング・デバイスの何れであってもよい。ある場合では(例えば、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 が基礎量を決定しない場合)、モバイル・コンピューティング・デバイス 60 は、システム 10 の他の要素からデータを受け取る、及び記録することができ、並びに本明細書で提供される方法を用いて基礎デリバリ量を決定することができる。ある場合では、ユーザは関連するデータをモバイル・コンピューティング・デバイス 60 に入力することができる。ある場合では、モバイル・コンピューティング・デバイス60 を使用して、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 から別のコンピューティング・デバイス(例えば、バックエンド・サーバ又はクラウドベースのデバイス)にデータを転送することができる。ある場合では、本明細書で提供される1つ以上の方法を、他のコンピューティング・デバイスによって実行する、又は部分的に実行することができる。ある場合、モバイル・コンピューティング・デバイス 60 は、ユーザ・インタフェース(例えば、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)、会話ベースのユーザ・インタフェース、動きコントロール・ユーザ・インタフェース(motion- controlled user interface))を提供し、そのユーザ・インタフェースを通じて、ユーザは情報を提供し、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 及びシステム 10 の動作を制御することができる。例えば、前記モバイル・コンピューティング・デバイス 60 は、短距離無線接続(例えば、BLUETOOTH(登録商標)接続、Wi-Fi Direct(登録商標)接続、近距離無線接続など)を介して再使用可能なポンプ・コントローラ 200 と通信するモバイル・アプリケーションを実行するモバイル・コンピューティング・デバイスであることがあり、システム 10 にステータス情報を提供し、及びシステム 10 の動作を制御すること(例えば、デリバリ・モード間で切り替えること、設定を調節すること、食物摂取を記録すること、低血糖の恐怖指数(FHI)を変更すること、ボーラス量の確認/修正/キャンセルをすることなど)をユーザに可能とすることができる。
【0101】
任意選択的に、システム 10 は、ボーラス量をマニュアルで PWD に投与することができるボーラス投与デバイス 80(例えば、注射器、インスリン・ペン、デバイス通信能力を備えたスマート注射器など)を含むことができる。ある場合では、ボーラス投与デバイス 80 を使用して投与されるボーラスの提案用量を、再使用可能なポンプ・コントローラ200 のユーザ・インタフェース及び/又はモバイル・コンピューティング・デバイス 60 のユーザ・インタフェースを介して、ユーザに出力することができる。ある場合では、ボーラス投与デバイス 80 は、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 及び/又はモバイル・コンピューティング・デバイス 60 との有線及び/又は無線接続を介して通信することができる。ある場合では、システム10 は、注射器又はインスリン・ペンを用いて行われたインスリン・デリバリを、ユーザが入力することを可能にする。
【0102】
<糖尿病管理システムの動作>
図2は、図1に示すシステム 10 などの糖尿病管理システムの動作のための例示的な方法 202 を示す。図2に示すように、システムは、ブロック 251 及び 252 でのユーザ入力などの、ユーザ入力を受け取ることができる。そして、このユーザ入力を、ブロック 261 で使われる、若しくは決定される1つ以上の目標血糖値、及び/又はブロック 262 で使われる、若しくは決定される1つ以上のユーザ固有の用量パラメータなどの、初期設定を提供するのに使用することができる。ある場合では、ブロック 251 及び 252 におけるユーザ入力を、PWD、PWD の介護者、又は医療専門家は入力することができる。ある場合では、ブロック 251 及び 252 におけるユーザ入力を、スマートフォンのようなモバイル・コンピューティング・デバイス 60 に入力することができる。ユーザ固有の用量パラメータに基づいて、方法 202 は、ブロック 263 において、複数の基礎インスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量を生成することができる。ある場合では、複数の基礎インスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量は、1つ以上のベースライン基礎量に基づくことがある。ブロック 264 において、前記方法 202 は、ブロック 271 で生成されたような、連続グルコース・モニタ(CGM)又は血糖メータ(BGM)からの血糖データを使用して、(ブロック 261 からの目標血糖値などの)1つ以上の目標血糖値から予測される将来の血糖値の変動に基づいて、ブロック 263 で生成された各基礎デリバリ・プロファイル又は量を分析することができる。ある場合では、血糖データは図1のシステム 10 の連続グルコース・モニタ 50 からのものであってもよい。以下に説明するように、各生成された基礎デリバリ・プロファイル又は量についての予測された血糖値は、ユーザ固有の用量パラメータ(例えば、ブロック 262 で決定される、又は、決定されない場合、調節された用量パラメータ)を使用することができる。更に、予測血糖値は、以前のインスリン用量及び/又は食物摂取(例えば、摂取された糖質の推定値)に関する入力を含むことができる。ある場合では、ブロック 264 で使用される予測血糖値は、運動、病気、又はPWDの血糖値に影響を及ぼし得る他の身体的状態を示すデータを考慮することができる。ブロック 264 で実行される予測血糖レベルの変動の分析に基づいてブロック 263 で生成された基礎デリバリ・プロファイル又は量を、ブロック 265 で選択することができる。そして、ブロック 272 において、システムは、その選択された基礎デリバリ・プロファイル又は量に従って、PWD に、選択された期間の間、基礎インスリンをデリバリすることができる。ある場合では、図1のシステム 10 のポンプ・アセンブリ 15 をインスリンをデリバリするのに使用することができる。ある場合では、ブロック 263、264、265 及び 272 を、システム 10 の再使用可能なポンプ・コントローラ 200 によってそれぞれ行うことができる。ある場合では、ブロック 271、263、264 及び 265 をすべて、システム 10 の連続グルコース・モニタ 50 によって、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 に送られた選択されたデリバリ量に関するデータを使って、実行することができる。ある場合では、ブロック 251、252、261、262、263、264 及び 265 のすべてを、モバイル・コンピューティング・デバイス 60 から再使用可能なポンプ・コントローラ 200 に送られた選択されたデリバリ量に関するデータを使って、図1のシステム 10 のモバイル・コンピューティング・デバイス 60 上で実行することができる。
【0103】
本明細書で提供される方法及びシステムは、ブロック 262 でユーザ固有の用量パラメータを追加的に更新又は調節し、ブロック 265 で選択された選択された基礎デリバリ・プロファイル及び/若しくは量に基づいて、又はブロック 271 で得られる血糖データに基づいて、ブロック 261 で目標血糖値を更新又は調節することができる。ある場合では、ブロック 281 において、選択された基礎デリバリがベースライン基礎量と異なっている時間期間を検出することができる。これらの選択時間期間(例えば、昼間時間セグメント)について、ブロック 262 において、前記ユーザ固有の用量パラメータをその時間期間にあわせて調節することができる。例えば、ある時間ブロックについて選択された基礎デリバリが、その時間ブロックのベースライン基礎量を超える場合、ブロック 262 において、システム 10 は、その時間ブロック(例えば、昼間時間)又は他の何らかの関連する時間ブロック(前日の昼間時間など)について、ベースライン基礎量を増加させることができる。例えば、午後2時から午後3時の選択された基礎デリバリが、その時間のベースライン基礎量を超えた場合、システム 10 は、午後2時から午後3時のベースライン基礎量を増加させるか、又は午後1時から午後2時、午後12時から午後1時、及び/又は午前11時から午後12時のベースライン基礎量を調節することができる。ある場合では、ベースライン基礎量に対する各調節は、ベースライン基礎量と選択された基礎デリバリとの間の差よりも小さい。ある場合では、各調節を、所定の量(例えば、0.5 単位/時間、0.3 単位/時間、0.1 単位/時間単位で増減して調節されたベースライン基礎量)又はパーセンテージ(例えば、5%、3%、1% )、とすることができる。そして、このことにより、不規則なイベントに起因するユーザ固有の用量パラメータの変更を制限することができる。ブロック 283 で、血糖データの変動を分析して、ブロック 261 で目標血糖を調節することができる。例えば、ブロック 283 で、血糖データ分布を昼間時間(午前 1時と午前 2時の間)について決定し、その昼間時間中の PWD の血糖値の分散度を決定することができる。そして、ブロック 261 で、前記分散度に基づいて、その昼間時間期間及び/又は隣接する時間期間の目標血糖を調節することができる。
【0104】
図2に関して議論した各プロセスは、以下で更に詳しく説明する。
【0105】
<最初のユーザ固有の用量パラメータの設定>
本明細書で提供されるシステム及び方法は、基礎インスリン・デリバリ量及び任意選択的にボーラス・インスリン・デリバリ量を決定するために、1人の PWDについて複数のユーザ固有の用量パラメータを使用することができる。ある場合では、最初のユーザ固有の投与量パラメータを医療専門家が設定することができる。ある場合では、ユーザ(例えば、PWD、PWDの介護者、又は医療専門家)が入力したデータを使用して、1つ以上のユーザ固有の用量パラメータを推定することができる。例えば、図2は、ブロック 252 において、ユーザが少なくとも1つの用量パラメータを入力する方法を示す。
【0106】
ある場合では、複数のユーザ固有の用量パラメータを、複数の昼間時間セグメントに対して設定することができる。ある場合では、異なるユーザ固有の用量パラメータは、同じ長さの時間又は異なる長さの時間の昼間時間セグメントを有することができる。ある場合では、各ユーザ固有の用量パラメータの初期設定を、各昼間時間セグメントについて同じ値に設定することができるが、各昼間時間セグメントについてのユーザ固有の用量パラメータを、本明細書で提供される方法及びシステムにおいて、独立して調節することができる。ある場合では、ユーザ(例えば、医療専門家)は、異なる昼間時間セグメントに対して異なるユーザ固有の用量パラメータ値を入力することができる。
【0107】
本明細書で提供される方法及びシステムは、ある場合では、糖尿病の治療において一般的に使用されるユーザ固有の用量パラメータを使用することができる。例えば、本明細書で提供される方法及びシステムは、ユーザに、1つ以上の平均の1日総インスリン量(TDD)、1日総基礎インスリン量(TDB)、平均基礎量(ABR)(本明細書で提供される方法及びシステムでは、最初のベースライン基礎量(BBR)として用いる)、インスリン効果値(ISF)、及び/又は糖質/インスリン比(CR)を、入力することを求めることができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、1つ以上のユーザ固有の用量パラメータを推定するために、PWDの体重、年齢、又はそれらの組み合わせを求めることができる。ある場合では、方法及びシステムは、BBR、ISF、及びCRを保存し、それらをそれぞれ、反復する時間期間にわたって、複数の異なる時間ブロック(例えば、15、30、60 又は 120 分の昼間期間)について設定することができる。以下に更に詳細に説明するように、本明細書で提供される方法及びシステムは、PWDのリスクを最小限に抑えるために、PWDに対するインスリンのデリバリを個別化するために、各昼間時間期間についてのユーザ固有の用量パラメータを調節することができる。
【0108】
本明細書で提供される方法及びシステムは、1つ以上のユーザ固有の用量パラメータ及び/又は目標血糖の初期設定の値を決定するために、ユーザに、様々な異なるユーザ固有の用量パラメータ又は用量プロキシ(dosage proxies)を入力するように求めることができる、又は許可することができる。ある場合では、入力を1日総基礎インスリン量(TDB)と低血糖の恐怖指数(FHI)に制限することができる。ある場合では、入力を1日総インスリン量(TDD)と FHI に制限することができる。ある場合では、TDB 又は TDD を使用して、初期ベースライン基礎量(BBR)、初期糖質/インスリン比(CR)、及び初期インスリン効果値(ISF)を、BBR、CR、ISF、TDB 及び TDD の間の数学的関係に基づいて決定することができる。ある場合では、ユーザはまた、最初の ISF と CR も設定することもできる。ある場合では、ユーザ(例えば、医療専門家)は、任意選択的に、BBR、CR、ISF、TDB及びTDDの任意の組み合わせを入力することができ、少なくとも初期BBR、初期CR及び初期ISFを、入力した数字に基づくものとすることができる。例えば、ある場合では、初期TDB、TDD、BBR、CR及びISFの間の関係を、以下のように表すことができる:
TDD [u/日] = 2×TDB [u/日] = 1800 / ISF [mg/dL/u又は[mmol/u] = 400 / CR [g/u] = 48時間/日×BBR [u/時間]。
ある場合では、ISF、CR及びBBRを推定するために使用される数式は、BBR、ISF及びCR間の非線形関係を使用できる。
【0109】
本明細書で提供される方法及びシステムはまた、最初に使用する前にユーザが入力したユーザ固有の用量パラメータを調節することもできる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、初期BBR、CR 及び ISF 値の間の数学的関係に基づいて、ユーザが入力した初期BBR、CR 及び/又は ISF 値を調節する。ある場合では、もし、入力した ISF 及び入力した CR が BBR、CR 及び ISF の間の所定の関係の外にある場合、本明細書で提供される方法及びシステムは、CR 及び ISF を計算し、ISF と CR の入力値からの全体的な変更を最小限に抑えながら、BBR、CR 及び ISF 間の所定の関係を満たすようにする。ある場合には、所定の関係は、各 ISF 値に対する CR 値の範囲を許可し、各 CR 値に対する ISF 値の範囲を許可し、各 BBR 値に対する ISF 及び CR 値の範囲を許可する。ある場合では、所定の関係は、PWDの母集団についての基礎量、ISF 及び CR 値間の関係に関する経験的データの信頼区間を表す。ある場合では、入力した ISF、BBR 及び/又は CR がBBR、CR 及び ISFの間の所定の関係の外にある場合、本発明の方法及びシステムは、所定の関係からの逸脱をユーザに通知することができる。追加的又は代替的に、ヘルスケア・プロバイダ・オーバーライドは、初期のユーザ固有の用量パラメータとして、所定の関係の外の ISF、BBR 及び/又は CR 値を含めるために、必要とされることがある。
【0110】
<初期目標血糖値の設定>
初期目標血糖値を、任意の適切な技術を用いて設定又は決定することができる。ある場合では、目標血糖値を、本明細書で提供されるシステム又はデバイス内のメモリ上に予めプログラムすることができる。ある場合では、変更しないシステムに予めプログラムされた単一の目標血糖値が存在することがある。ある場合では、昼間時間セグメントは、それぞれ予めプログラムされた目標血糖値を有することができる。ある場合では、ユーザは、1つ以上の目標血糖値をプログラムすることができ、目標血糖値を異なる時間期間について異なるように設定することができる。ある場合では、ユーザは、PWDの典型的な睡眠スケジュール、運動スケジュール及び/又は食事スケジュールをプログラムすることができる。本明細書で提供される方法及びシステムは、睡眠時間に対してはより低い目標血糖値を、及び食事時間及び/又は運動時間の辺りではより高い目標血糖値を選択することができる。ある場合では、前記システムを使用する PWD の前の PWD に関する過去の連続グルコース・モニタ・データを使用して(特定の昼間時間期間又は 1 日全体のいずれかの)初期目標血糖値を設定することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される方法及びシステムが、BBR 以外の量でインスリンをデリバリすることから、PWDの血糖変動データを検出して、1つ以上の初期目標血糖値を設定することが可能になるのに先立つ準備的な時間期間(例えば、少なくとも 24 時間、少なくとも 48 時間、少なくとも 5 日間又は少なくとも 10 日間)に、PWD に CGM を装着させることができる。
【0111】
ある場合では、図2に示すように、ブロック 251 において、ユーザは、低血糖の恐怖指数(FHI)を入力し、目標血糖値を決定及び/又は調節するために使用することができる。FHI は、さまざまな方法でユーザに提示することができる。ある場合では、前記 FHI を積極性指標としてユーザに提示することができ、「高い血糖値を指向する」、「低い血糖値を指向する」、又は「中程度の血糖値を指向する」に設定することができる。ある場合では、前記 FHI を、目標血糖レベル又は目標平均血糖レベル(例えば、100mg/dl、120mg/dl、又は 140mg/dl)としてユーザに提示することができる。ある場合では、前記 FHI を、目標 A1C レベルとしてユーザに提示することができる。ある場合では、前記 FHI を、ある閾値を上回る、又は下回る確率(例えば、80mg/dl を下回る確率が 5%、又は 200mg/dl を超える確率が 3%)として、ユーザに提示することができる。これらの場合及び他の場合では、ユーザ・インタフェースを対話的機能(例えば、ラジオ・ボタン、チェック・ボックス、ハイパーリンクされた画像/テキスト、ドロップダウン・リストなど)を有するものとして生成することができ、ユーザは対話的機能とやりとりして FHI を選択することができる。ある場合では、PWD はインタフェースとやりとりをして FHI を選択することができ、また、ある場合は、ユーザを FHI を選択する医療専門家とすることができる。
【0112】
ある場合では、各可能な FHI 値が、予めプログラムされた初期目標血糖値に対応することがある。例えば、「高い血糖値を指向する」の FHI は、140mg/dl の予めプログラムされた初期目標血糖値に対応し、「中程度の血糖値を指向する」の FHI は、120mg/dl の予めプログラムされた初期目標血糖値に対応し、「低い血糖値を指向する」の FHI は、100mg/dlの予めプログラムされた初期目標血糖値に対応することがある。以下に論じるように、初期目標血糖値を、本明細書で提供される方法及びシステムで収集されたデータに基づいて経時的に調節することができる。
【0113】
<動作モード>
本明細書で提供される方法及びシステムは、ある場合では、複数のデリバリ・モードを含むことができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、1つ以上の血糖測定デバイス又は方法を使用して血糖の存在をモニタし、インスリンの投与をコントロール又はモニタし、動作モードに関わらずユーザ固有の用量パラメータを決定及び/又は更新することができる。例えば、可能な動作モードは:
・連続グルコース・モニタリング・データ(CGM)及び他のユーザ固有の用量パラメータ(例えば、BBR、ISF 及び CR)に基づいて、自動的に基礎量を調節する、閉ループ又はハイブリッド閉ループ・モード;
・より長い時間期間にわたる異なる時間ブロックに対するユーザ固有の用量パラメータ(例えば、BBR、ISFs 及び CR)を更新するために、血糖モニタ(BGM)データを使用することができるモード;
・患者がインスリン・ポンプを使用する治療プログラムをマニュアルで制御することを必要とするマニュアル・モード;並びに
・インスリン・ペン又は注射器を使用してユーザが注射するための用量を推奨するアドバイザリ・モード;
を含むことができる。デリバリ・モードにまたがって機能する最適化されたコントロール・パラメータを決定することにより、本明細書で提供されるシステム及び方法は、PWDが異なるデリバリ・モードに切り替える場合でも優れた血糖コントロールを提供することができる。例えば、本明細書で提供される方法及びシステムは、もし、連続グルコース・モニタが誤動作するか、又は前記システムが連続データへのアクセスを失う場合に、BBR から離れた基礎インスリン・デリバリを調節するハイブリッド閉ループ・デリバリ・モードから強制的に切り替えて離れるようにすることができるが、依然として個別化した ISF 及び CR を補正及び/又は食事ボーラス量を計算するのに使用することができる。ある場合では、システムがアドバイザリ又はマニュアル・モードにあるときに、データを収集して、PWDがハイブリッド閉ループ・システムに切り替えるための準備として(たとえば、PWDが連続グルコース・モニタ(CGM)及び/又はインスリン・ポンプの使用を始める準備をする)、コントロール・パラメータを最適化することができる。ある場合では、BBR から離れた基礎インスリン・デリバリを調節する閉ループ・デリバリ・モードを、十分な量の現在の血糖データが利用可能になるまで使用することができないことがある(例えば、図2のブロック 263、264、265 及び 272 で発生することがある複数のプロファイルに従う、インスリン・デリバリは、図2のブロック 271 で十分な CGM 及び/又はBGM データが収集されるまでは発生することがない)。ある場合では、本明細書で提供されるシステム及び方法は、十分な血糖データが利用可能でないときに、各昼間時間期間のBBR量でインスリンをデリバリすることができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、所定の時間期間内に連続グルコース・モニタから所定の数の認証された血糖測定値が存在するかどうか(例えば、直近の 20 分内に、少なくとも2つの認証された血糖データ・ポイント)に基づいて、開ループ・モードと閉ループ・モードとの間で切り替わることができる。
【0114】
<基礎インスリン・デリバリを自動化する>
本明細書で提供されるシステム及び方法は、1つ以上の保存されたユーザ固有の用量パラメータ(例えば、BBR、ISF、CR)、1つ以上の目標血糖、及び/又は血糖データに基づいて基礎インスリン・デリバリを自動化することができる。図2に示された例示的な方法は、基礎インスリン・デリバリを自動化する例示的なプロセスをブロック 263、264、265 及び 272 として示す。本明細書で提供される方法及びシステムは、将来の時間期間にわたる複数の可能性のある基礎インスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量について、その将来の時間期間についての複数の将来の血糖レベルを予測し、並びに複数の可能性のある基礎インスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量のうちのどれが1つ以上の目標血糖値に近似する将来の血糖値を生成するかを決定する、モデル予測コントロール・システムを使用することができる。複数の可能性のある基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を評価しないで基礎インスリン・デリバリを調節するだけのコントロール・アルゴリズムと比較して、本明細書で提供される方法及びシステムは、改善されたコントロールを生みだすことができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、将来の血糖値を、将来に向かって少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、又は少なくとも5時間予測することができ、BBR と比べて基礎インスリン・デリバリを増加又は減少させることの長期的な影響を適切に考慮することができる。量又はプロファイルが選択された後、その量又はプロファイルが、新しい基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を選択するプロセスにおいて1つ以上の工程を繰り返す前に、所定のデリバリ時間期間、デリバリされることがある(例えば、図2のブロック 272)。ある場合では、この所定のデリバリ時間期間は、生成された基礎インスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量の時間の長さよりも短く、将来の血糖値を推定する時間よりも短くてもよい。したがって、本明細書で提供される方法及びシステムは、最近の血糖データに基づいて基礎インスリン・デリバリを動的に変更することができる。例えば、ブロック 263 で基礎デリバリ・プロファイルを生成することが 15 分毎に繰り返されてもよく、ブロック 264 で評価される時間期間は 4 時間のウィンドウであってもよく、基礎デリバリ・プロファイルについて解析する新しい 4 時間のウィンドウは 15 分毎に生成される。このように、各デリバリ動作は、その動作だけではなく、将来の 4 時間についての血糖レベルに影響を与えるために、どのようにして先のデリバリ動作が決定されるかについての予測にも基づいている。
【0115】
<評価のための可能な基礎デリバリ・プロファイル及び/又は量を生成する>
可能性のある基礎インスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量を、任意の適切な技術を用いて生成することができる。ある場合では、生成されたプロファイル又は量のそれぞれは、ユーザ固有の用量パラメータに基づくことがある。ある場合では、生成されたプロファイル又は量のそれぞれは、特定の昼間時間期間に特有の1つ以上のユーザ固有の用量パラメータに基づくことがある。ある場合では、生成されたプロファイル又は量のそれぞれは、図2のブロック 263 に示すように、保存されたベースライン基礎量(BBR)との所定の関係に基づいている。ある場合では、生成された分析のためにプロファイル及び/又は量は、少なくとも 2 時間、少なくとも 3 時間、又は少なくとも 4 時間にわたってある。ある場合では、生成されたプロファイルは、1 日(例えば、24 時間)以下にわたってある場合もある。ある場合では、生成されたプロファイル又は量のそれぞれは、1つ以上の保存された BBR の所定の倍数又は分数に基づく基礎インスリン・デリバリ量を含む。ある場合では、複数のインスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量は、複数の昼間時間ブロック固有の BBR に基づく。ある場合では、生成された基礎インスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれは、1つ以上の保存された BBR の整数倍のような(例えば、0xBBR、1xBBR、2xBBR 及び 3xBBR)BBRの比率でインスリンをデリバリする。ある場合では、インスリン・デリバリ・プロファイルは、1つ以上の保存された BBRの分数及び倍数の両方を含み得る比率でインスリンをデリバリすることができる(例えば、0xBBR、0.5xBBR、1xBBR、1.5xBBR 及び 2xBBR)。ある場合では、生成された基礎インスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれは、0 から 3 の倍数又は分数のみでインスリンをデリバリする。ある場合では、生成された基礎インスリン・デリバリ・プロファイルのそれぞれは、0 から 2 の倍数又は分数のみでインスリンをデリバリする。ある場合では、複数の生成された基礎デリバリ・プロファイルは、BBR の 0%、BBR の 100%、又は BBR の 200% における基礎インスリンのデリバリのみを含み得る。ある場合では、各生成された基礎デリバリ・プロファイルのパーミュテイションは、固定した将来の時間期間を有する。ある場合では、パーミュテイションについての異なる将来の時間期間は、異なる長さを有することがある。ある場合では、生成される評価のための基礎デリバリ・プロファイル又は量の数は、100 未満、50 未満、30 未満、25 未満、又は20 未満である。保存された BBR に基づいて評価されたプリセット・パーミュテイションの数を制限することによって、本明細書で提供される方法及びシステムは、基礎デリバリ量を決定するコントローラを作動させるために使用されるエネルギー消費を制限することができる。
【0116】
ある場合では、1つ以上のプロファイルは、デリバリ動作の第1部分についての第1インスリン・デリバリ量とデリバリ動作の第2部分についての第2インスリン・デリバリ量との間の変曲点を含むことができる。例えば、プロファイルは 0% と 100% との間、3.5 時間と 4 時間との間に変曲点を含むことができる(例えば、変曲点の前の部分については、BBR の 0% がデリバリ動作としてデリバリされ、変曲点の後の部分については、BBR の 100% がデリバリ動作としてデリバリされる)。別の例として、別のプロファイルは、100% と 200% との間、1 時間と 1.5 時間との間に変曲点を含むことができる(例えば、変曲点の前の部分については、BBR の 100% がデリバリ動作としてデリバリされ、変曲点の後の部分については、BBR の 200% がデリバリ動作としてデリバリされる)。ある場合では、各プロファイルは、3つの可能なデリバリ動作(例えば、0%、100%、200%)の間に1つの変曲点を含む(又は変曲点を含まない)パーミュテイションであることがある。ある場合では、1つ以上の変曲点を使用して、追加のプロファイルを生成することができる。ある場合では、プロファイルの数が 30 より少なくなることがある。ある場合では、0%、100% 又は 200% をデリバリするかどうかを選択するために、3つのプロファイルのみが分析される。ある場合では、基礎インスリン又は最大基礎インスリンを継続的に供給することがないと想定する追加的なプロファイルを含むことによって、前記システムは、予測低血糖イベントが近づいてきていること、又は予測高血糖イベントが近づいてきていることを検出することが可能となる。そして、追加的なプロファイルを、将来の決定が期待するプロファイルと適合していない状況を検出するために選択し、及び記録することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、もし、信頼できる最新の血糖データが失われた場合に、基礎デリバリ量の変更を含めて、ブロック 272 での選択時間期間後に選択されたプロファイルに従ってインスリンをデリバリし続けることができる。他の場合では、もし、信頼できる最新の血糖データが失われた場合に、本明細書で提供される方法及びシステムは、別のモード又はアラームに戻り、インスリン・デリバリを停止する。
【0117】
ある場合では、所与のプロファイルに対する BBR の可能な値の範囲を、前記 FHI に応じて調節又は修正することができる。例えば、ある場合では、前記 FHI が「低い血糖値を指向する」(例えば、システムが積極的に PWD の血糖値を範囲内に維持し、高くしないようにするという指向を示す)場合、目標血糖値は約 100mg/dl に設定され、デリバリの範囲は、0%、50%、100%、200% 及び 300% の BBR を含むことができる。別の例として、前記 FHI が「高い血糖値を指向する」(例えば、PWD はたとえ高血糖イベントのリスクがより高まったとしても、低血糖イベントを避けることを指向する、ということを示す)場合、目標血糖値は約 140mg/dl に設定され、デリバリの範囲は、0%、100% 及び 200% の BBRを含むことができる。
【0118】
<生成された基礎デリバリ・プロファイル及び/又は量を評価する>
再び図2について述べると、複数の生成された基礎インスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量の評価は、将来の血糖レベルを予測し、それらを目標血糖値と比較することを含む。ある場合では、複数のパーミュテイションを生成して分析することができる。
【0119】
<将来の血糖値を予測する>
本明細書で提供されるシステム及び方法は、任意の適切な生理モデルを使用して、将来の血糖値を予測することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、過去及び現在の糖質、インスリン及び血糖値を使用して将来の血糖値を予測することができる。
【0120】
本明細書で提供されるシステム及び方法は、ある場合では、図3に示すようなモデルによって、第1の将来の血糖値を推定することができる。ある場合では、血糖を、自己回帰(AR2)撹乱(disturbance)モデルと組み合わせて、糖質とインスリンの効果についての2つの決定論者積分一次プラス無駄時間(FOPDT)(two determinist Integrating first order plus dead time)モデルを使用して近似することができる。その結果、時間(t)における血糖値(BG)は、以下の式を使用して推定することができる:
【数3】
上記の式から、第1項は、糖質による血糖値への影響を表すことができる:
【数4】
ここで:
B は後方シフト演算子であり、
【数5】
である。
【数6】
は、糖質ゲインである(mg/dl/g の単位による)。
【数7】
ここでτc は糖質時定数(例えば、約 30 分)であり、
ts はサンプリング時間(例えば、GCM は 5 分毎のサンプリング時間間隔を使うことができる)である。
【数8】
ここで、τdc は糖質無駄時間(例えば、約 15 分)である。
上記の式から、第2項は、インスリンによる血糖値への影響を表すことができる:
【数9】
ここで、ki = -ISF はインスリン・ゲインである(mg/dl/単位 の単位による)。
【数10】
ここで τi はインスリン時定数(例えば、約 120 分)である。
【数11】
ここで τdi はインスリン無駄時間(例えば、約 30 分)である。
上記の式から、第3項は、撹乱による血糖値への影響を表すことができる(例えば、AR2 撹乱モデル):
【数12】
第3項は以下の対数変換 AR2 モデルに基づくことができる:
【数13】
これを変形すると以下のようになる:
【数14】
ここで、ある例では、
【数15】
及び
【数16】

【数17】
及び
【数18】
である。
よって、
【数19】
上記の表記法を使用して、最初の式を BGt について展開すると以下の式で表わすことができる:
【数20】
【0121】
本明細書で提供されるシステム及び方法は、ある場合では、将来の血糖値を予測するために、インスリン・オン・ボード量(IOB)及び/又は糖質オン・ボード量(COB)を計算することができる。IOB 及び COB は、それぞれ注入及び/又は消費されたがまだ代謝されていないインスリン及び糖質の量を表す。IOB 及び COB についての知識は、インスリン・スタッキングを防止するためのボーラスを決定するに際して、本明細書で提供される方法又はシステムの使用者にとって有用であり得るが、IOB 及び COB についての知識はまた、将来の血糖値を予測するために、本明細書で提供される方法及びシステムにおいて使用されることもある。
【0122】
IOB 及び COB は、注入及び/又は消費されたがまだ代謝されていないインスリン及び糖質の量をそれぞれ表す。IOB の知識は、インスリン・スタッキングを防止するために、ボーラスを補正することの決定に有用であることがある。IOB 及び COB の知識は、血糖を予測及び制御するのに有用であることがある。インスリン注入及び糖質消費の両方は、無駄時間又は輸送遅延(transportation delay)(例えば、インスリン及び/又は糖質が血糖に影響し始めるのに10 から 40 分かかることがある)を伴うことがある。身体に入った直後の期間の中(例えば、無駄時間の期間中)には、ボーラスを投与する(bolusing)などの任意の決定において、IOB 及び COB を説明することが有益なことがある。これを「決定」IOB/COB と呼ぶことができる。他方、「作用」IOB/COB は、血糖値に対する作用に利用可能なインスリン及び/又は糖質を表すことができる。ある場合では、決定 IOB は表示された IOB になることがあり、作用 IOB は本明細書で提供される方法及びシステムで基礎デリバリ量又はプロファイルを選択する際に使用するために決定される IOB になることがある。
【0123】
上記の式から、
【数21】
ここで
【数22】
【数23】
ここで、τi はインスリン時定数(例えば、約 120 分)である。
【数24】
ここで τdi はインスリン無駄時間(例えば、約 30 分)であり、 ts はサンプリング時間(例えば CGM は 5 分毎のサンプリング時間間隔を使うことができる)である。
【0124】
<「決定」IOB>
ある実施形態では、時刻 (t) (IOB_Dt) での決定 IOB を以下の数学的過程に従って計算することができる:
【数25】
又は、代替として、
【数26】
BGit についての上記の式を、
【数27】
又は
についての式に代入すると以下となる。
【数28】
又は、代替として、
【数29】
【0125】
<「作用」IOB>
ある実施形態では、時刻 (t) (IOB_At) での作用 IOB を以下の数学的過程に従って計算することができる:
【数30】
任意の一連のインスリン注入について、
【数31】
を無現級数の展開を使用すると、
【数32】

以下のように表わすことができる。
【数33】
別の方法で記載すると、
【数34】
【0126】
COB についての式を、作用 COB 及び 決定 COB を含めて、Gc に関する上記式を使用して、同様に展開することができる。
【数35】
【0127】
したがって、現在又は最近の血糖データ、糖質が消費された時のデータ、並びに/又はインスリンが投与されたとき、及び/若しくは将来投与されるときに関するデータを使用して、将来の血糖データを推定することができる。更に、評価されたインスリン・デリバリ・プロファイル及び/又は量は、BBR の上及び下の基礎インスリン・デリバリ量を含むので、BBR より上のインスリン・デリバリ量を前記 IOB 計算に加えることができ、及び BBR より下のインスリン・デリバリ量を前記 IOB から差し引くことができる。ある場合では、BBR からの実際の変動による決定 IOB の変動を、ユーザが過度のボーラスに入ることを防止するために、正の逸脱に制限することができる。
【0128】
<血糖データからグルコース・レベルを推定する>
図1について戻って述べると、連続グルコース・モニタ 50 及び血糖メータ 70 は、共にシステム 10 に血糖データを提供することができる。しかしながら、血糖データは不正確のこともある。ある場合では、連続グルコース・モニタ 50 を、規則的又は不規則な間隔(例えば、3 日毎、5 日毎、7 日毎又は 10 日毎)で、交換することができる(又はセンサ・シャフト 56 を交換することができる)。ある場合では、血糖メータ 70 からのデータを、規則的又は不規則な間隔(例えば、3 時間毎、6 時間毎、12 時間毎、毎日など)で、連続グルコース・モニタ 50 を校正するために使用することができる。ある場合では、本明細書で提供されるシステム及び方法は、連続グルコース・モニタ 50 からのデータに基づいて、及び/又は定期的に、連続グルコース・モニタ 50 を変更すること、又は血糖メータ 70 を使用する連続グルコース・モニタ 50 を校正することをユーザに思い出させることができる。例えば、インスリン・デリバリのパターンが、以前に予測されたインスリン・デリバリのパターンから大きく変化する場合、連続グルコース・モニタ 50 をメンテナンスし及び/又は交換する必要があることを示すことがある。
【0129】
ある場合では、方法及びシステムは、特定の連続グルコース・モニタ・センサ・シャフト56 が最初に PWD に適用されたとき、及び/又は特定の連続グルコース・モニタ 50 が血糖メータ 70 からの血糖データを使用して最後に校正されたとき、に基づいて、連続グルコース・モニタ 50 からの血糖データの精度係数を決定することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、低血糖のリスクを低減するために、連続グルコース・モニタ 50 からのデータについて計算された精度係数に基づいて、将来の目標血糖値を調節する。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、低血糖のリスクを低減するために、前記精度係数に基づいて、連続グルコース・モニタ 50 から受け取るデータを下回る、所定の数の標準偏差(例えば、0.5 標準偏差、1 標準偏差、2 標準偏差)を持つものとして、現在の血糖値を推定することができる。
【0130】
しかしながら、連続グルコース・モニタ 50 を校正するか、若しくは新しい連続グルコース・モニタに置換した後、又は新しいセンサ・シャフト 56 を設置した後、連続グルコース・モニタ 50 からの報告されるグルコース・データに不連続が生じる可能性がある。しかし、ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、インスリン基礎量及び/又はプロファイルの選択において、過去の血糖値を使用及び報告することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、異なる連続グルコース・モニタ・センサ間、及び/又は校正後に生成されたデータに、移行するために、1つ以上の連続グルコース・モニタからのデータに基づいて、保存及び/又は報告された血糖レベルを修正することができる。ある場合では、連続グルコース・モニタ 50 は、各血糖値に推定される変更量を提供することができ、変更量の情報を、連続グルコース・モニタ 50 からのデータから推定した1つ以上の過去の血糖値を、遡及的に調節するのに使用することができる。例えば、校正前の変更量は、同じ変更量を仮定して推定される校正後の血糖値を決定するために血糖値を報告した。それから、校正後の報告血糖値と推定された校正後の血糖値との比を使用して、その比に基づいて複数の過去の血糖値を線形補間することができる。ある場合では、校正間のすべての測定値を線形補間することができる。ある場合では、校正前の所定の時間量からのデータを線形的に補間することができる(例えば、15 分、30 分、1 時間、2 時間、3 時間又は 6 時間)。
【0131】
<目標値からの変動を解析する>
本明細書で提供される方法及びシステムは、基礎デリバリ・プロファイルについて血糖を予測することによって、及び目標血糖値から予測血糖値の変動指数を計算することによって、将来の各基礎デリバリ・プロファイルを評価することができる。それから、本明細書で提供される方法及びシステムは、最も低い変動指数に対応する基礎量デリバリ動作のプロファイルを選択することができる。変動指数は、異なるタイプの変動を重み付けするために、さまざまな異なる数式を使用することができる。変動指数はコスト関数とすることができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、複数の昼間時間セグメントの目標血糖値からの予測血糖値の差の二乗を合計するコスト関数を使用することができる。本明細書で提供される方法及びシステムは、任意の適切なコスト関数を使用することができる。ある場合では、コスト関数は、各予測血糖値と各目標血糖値との間の差の絶対値を合計することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムで使用されるコスト関数は、その差の二乗を使用することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムで使用されるコスト関数は、各予測血糖レベルの対数と目標血糖の対数との間の差の二乗を使用することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムで使用されるコスト関数は、低血糖イベントのリスクを低減するために、目標血糖よりも低い血糖値により高いコストを割り当てることができる。ある場合では、損失について最も低い値を有するプロファイルを選択することができる。ある場合では、本明細書で提供されるコスト関数は、以前に投与された基礎量を維持する、及び/又はベースライン基礎量をデリバリするプロファイルの方へ、選択されたプロファイルを追加的にバイアスをかける要素を含むことができ、このことによって、システムが基礎デリバリ・プロファイル又は量がブロック 265 で選択されるたびに、デリバリ量を変えることを防ぐことができる。ある場合では、コスト関数は、予測された高値よりも予測された低値に対してより高いコストを提供するために、値の対数の間の差を二乗することができる。
【0132】
<基礎インスリン・デリバリ・プロファイル又は量を選択する>
本明細書で提供される方法及びシステムは、それから、最低コスト関数値を生成する基礎プロファイル又は量を選択することができる。次に図2を参照すると、ブロック 272 において、インスリンは、ある時間量について選択されたプロファイルに従ってデリバリされ得る。ある場合では、前記時間量は所定の時間量である。ある場合では、所定の時間量は、推定された将来の血糖値についての時間範囲、及び選択された基礎デリバリ・プロファイルの時間の長さよりも短い。ある場合では、所定の時間量は、90 分以下、60 分以下、45 分以下、30 分以下、20 分以下、15 分以下、10 分以下又は 5 分以下である。前記時間期間の後、システムはブロック 263、264,265 及び 272 での動作を再び繰り返して、後の時間期間について基礎インスリンを選択してデリバリすることができる。
【0133】
<ユーザ固有の用量パラメータを調節する>
本明細書で提供される方法及びシステムは、ユーザ固有の用量パラメータを調節することができる。例えば、図2は、デリバリされた基礎インスリン量が BBR とは異なっている時間期間を検出するためのブロック 281 を含み、ブロック 262 において、ユーザ固有の用量パラメータを調節するために使うことができる。これらの更新されたユーザ固有の用量パラメータは、ブロック 263 で新しい基礎デリバリ・プロファイルを生成し、異なる基礎デリバリ・プロファイルを評価するためにブロック 264 で使用される。例えば、1.46U/時間のBBR(35U/日のTDBに結び付く)に対して、もし、検討中の昼間時間期間が 1 時間であり、最初の 45 分間に、インスリンが 2.92U/時間の量でデリバリされ(例えば、2xBBR)であり、最後の 15 分間のみが 1.46U/時間の量でデリバリされた(例えば、1xBBR)場合、関連する昼間時間期間(例えば、将来別の日の同じ時間、又は将来ある日の先行する昼間時間期間)についてのユーザ固有の用量パラメータを調節することができる。
【0134】
ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、複数の昼間時間期間についての BBR、ISF 及び/又は CR を調節することができるが、その調節は、その昼間時間期間のベースライン基礎インスリン量と比較した、その昼間時間期間に実際にデリバリされたインスリン量の変動に基づく。ある場合では、昼間時間期間は、選択されたインスリン・デリバリのデリバリについての所定の長さの時間と、同じ長さの時間を有することができる。ある場合では、昼間時間期間は、選択されたインスリン・デリバリのデリバリについての所定の長さの時間よりも長いことがあり、例えば、単一の昼間時間期間の間に複数の1回分用量のインスリンがデリバリされることがある。ある場合では、昼間期間は、15 分、30 分、1 時間、2 時間などとすることができる。ある場合では、昼間時間期間のインスリンの実際のデリバリは、ユーザ固有の用量パラメータ(例えば、BBR、ISF、CR)がその昼間時間期間について調節されるようにするために、その昼間時間期間の BBR より上又は下の所定の閾値を超えなければならない。例えば、昼間時間期間は 1 時間にすることができるが、ここで提供される方法及びシステムが新しい基礎インスリン・デリバリ・プロファイルを決定する前に、各基礎デリバリ・プロファイルを 15 分間デリバリすることができる。そして、本明細書で提供される方法及びシステムは、前記昼間時間期間の総基礎インスリン・デリバリが、その昼間時間期間の BBR を増加させるために BBR の少なくとも 50% を超えるか、又はその昼間時間期間の BBR を減少させるために BBR の50% 以下でなければならないことを要求することができる。上記の例を使用すると、BBR が 1.46U/時間の場合、もし、検討中の昼間時間期間が 1 時間で、最初の 45 分間(例えば、プロファイル生成及びデリバリ動作が3回繰り返される)、インスリンを2.92U/時の量(例えば、2xBBR)で、及び最後の 15 分間(例えば、プロファイル生成及びデリバリ動作が1回繰り返される)1.46U/時の量(例えば、1xBBR)でデリバリした場合、デリバリされる総量は、1時間の昼間時間期間のBBRの 175%、又は 1.75xBBR の平均比率になる。ある場合では、BBR の 175% が BBR の 150% を超えたため、本明細書の方法及びシステムは、ユーザ固有の用量パラメータを調節することができる。同じ 1.46U/時間の BBR、2 時間の昼間時間期間及び 15 分毎に再構成されたデリバリ・プロファイルを使用する別の例として、もし、最初の 45 分間にインスリンをデリバリせずに(0xBBR)、最後の 1 時間 15 分に 1.46U/時 でデリバリする場合、デリバリされる総量は、BBRの 62.5%、又は 0.625xBBR であるとすることができる。ある場合では、前記 BBR の 62.5% が BBR の 50% 未満に低下しなかったため、本明細書の方法及びシステムがユーザ固有の用量パラメータを調節することができず、特定の昼間時間期間のユーザ固有の用量パラメータを維持することができる。
【0135】
CR、ISF 及び BBRの調節は、任意の適切な量ですることができる。ある場合では、BBR の調節は、デリバリされた基礎インスリンと前にプログラムされた BBR との差よりも小さい。ある場合では、各ユーザ固有の用量パラメータ(例えば、BBR、ISF 及び CR)の変更は、所定のパーセンテージ又は値である。例えば、ある場合では、デリバリされた基礎インスリンの量が BBR を少なくとも 25% 上回る毎に、BBR 及び ISFのそれぞれを 5%、3% 又は 1% 増加させることができ、並びに CR を同じパーセント減少させることができる。ある場合では、デリバリされた基礎インスリンの量が BBR を少なくとも 25% 上回る毎に、BBR 及び ISFのそれぞれを 5%、3% 又は 1% 減少させることができ、並びに CR を同じパーセント増加させることができる。各調節を低レベルに設定することにより、本明細書の方法及びシステムは、通常とは異なる日に基づいてシステムを過度に調節することを防ぎ(例えば、短期間の外乱が生理的パラメータの変化と誤認されるリスクを軽減する)、最終的に PWD のために個別化することができる。ある場合では、CR、ISF 及び BBRの調節は、一定量又は割合ではなく、CR、ISF 及び BBR間の関係に基づくことがある。ある場合では、CR、ISF 及び BBRを、それらの対数変換値間の所定の関係に基づいて調節することができる。ある場合では、CR、ISF 及び BBRの調節を独立して行うことができる。これらの場合及び他の場合において、本明細書で提供されるシステム及び方法は、CR、ISF 及び BBRの関係から離れた CR、ISF 及び/又は BBR に対する調節における変動をモニタすることができる。そのような場合、本明細書のシステム及び方法が、1つ以上のユーザ固有の用量ガイドラインを、CR、ISF 及び BBR の外側又は離れて調節したことをユーザ(PWD 又は医療専門家)に通知することができる。
【0136】
ある場合では、本明細書で提供されるシステム及び方法は、24 時間毎に選択時間ブロックについてのユーザ固有の動作パラメータを更新又は調節することができる。ある場合では、昼間時間期間を動的に更新することができる(例えば、基礎デリバリ・プロファイル又は量が選択された直後など)。ある場合では、再使用可能なポンプ・コントローラ 200、モバイル・コンピューティング・デバイス 60 、又はクラウド内のリモート・サーバを使用して、昼間時間期間を更新することができる。ある場合では、昼間時間期間の長さは、時刻に応じて(例えば、夜間の昼間時間期間が長くなる可能性がある)、又はユーザ固有の用量パラメータに応じて変化することがある(例えば、BBRは 15 分間の昼間時間期間を有し、ISFは 1 時間の昼間時間期間を有することがある)。
【0137】
ある場合では、調節を行うときに、関連する昼間時間期間を、所与の昼間時間期間の BBR からの変動に基づいて調節することができる。例えば、午後 2 時から午後 3 時までのデリバリが BBR の 150% を超えたために調節が行われた場合、将来別の日の同じ時間(例えば、次の日の午後2 時から午後 3 時)又は将来別の日の先行する時間(例えば、次の日の午後 1 時から午後 2 時、次の日の午後12 時から午後 1 時など)についてのユーザ固有の用量パラメータの調節を行うことができる。ある場合では、インスリンのデリバリ後の効果が遅延する、及び/又は糖質の摂取後の効果が遅延するための、BBR 及び/又は他のユーザ固有の用量パラメータにおける変動に対して、先行する昼間時間期間の修正をより適切に調節することができる(例えば、PWD の血糖値が、午後 2 時から午後 3 時の間に繰り返し高値になると、PWD は午後 1 時から午後 2 時に追加インスリンが必要になることがある)。
【0138】
ある場合では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、他の昼間時間期間と関連するある昼間時間期間においてユーザ固有の用量パラメータの調節を滑らかにすることができる。例えば、ある場合では、第1昼間時間期間の BBR の提案された調節を、1つ以上の先行する昼間時間期間及び1つ以上の後続の昼間時間期間と比較することができる。提案された調節が、1つ以上の先行又は後続の昼間時間期間値とは異なる閾値量である場合、提案された調節を、昼間時間期間の間での急激なジャンプを避けるように修正することができる。例えば、先行する昼間時間期間の BBR が 1.06U/時間であり、提案された調節が 1.4U/時間の BBR から1.90U/時間の BBR までであった場合、先行する昼間時間期間からの移行を滑らかにするために、調節を減少させることができる。ある場合では、滑らかにすることは、検討中の昼間時間期間に加えて、先行する、又は後続する昼間時間期間を調節することを含むことができる。これら及び他の場合には、このような調節は、1日に1回又は他の定期的な時間に実行され、その結果、後続する昼間時間期間が既に起こっている可能性があり、滑らかにすることは予測に基づいては行われない。例えば、午後 1 時から午後 2 時までの昼間時間期間を、午後 4 時に、可能性がある調節のために解析することができるが、その結果、午前 11 時から午後 12 時、午後 12 時から午後 1 時、午後 2 時から午後 3 時及び午後 3 時から午後 4 時までの昼間時間期間を、午後 1 時から午後 2 時までの昼間時間期間のユーザ固有の用量パラメータについて実行する調節及び/又は平滑化を考慮する際に利用することができる。
【0139】
ある場合では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、前記 FHI に基づいて、昼間時間期間のユーザ固有の用量パラメータを調節することができる。例えば、前記 FHI が高い場合(例えば、PWD の血糖値が低くならないという指向性を示す場合)、BBRを調節するための範囲を、比較的小さな変化(例えば、0.5%、1%、1.5% など)に制限することができる。別の例として、前記 FHI が低い場合(例えば、PWD の血糖値が低くなることを懸念しないことを示す)、BBR を調節する範囲は、より広い範囲の変更(例えば、最大5%の変更)を含むことができる。
【0140】
<目標血糖値を調節する>
本明細書で提供される方法及びシステムは、目標血糖値を調節することができる。例えば、図2に示されているシステムは、CGM 及び/又は BGM データ(例えば、図1の CGM50 及び/又は BGM 70 からのデータ)の変動を解析するためのブロック 283 を含むが、その後、ブロック 261 で目標血糖値を調節するために使用することができる。ある場合では、目標血糖値が昼間時間期間について設定される。ある場合では、目標血糖値の昼間時間期間は、少なくとも 15 分、少なくとも 30 分、少なくとも 1 時間又は少なくとも 2 時間である。ある場合では、目標血糖値を制限された範囲にすることができる。ある場合では、目標血糖値は、少なくとも 80mg/dL、少なくとも 90mg/dL、少なくとも 100mg/dL、少なくとも 110mg/dL、又は少なくとも 120mg/dLでなければならない。ある場合では、血糖目標は、200mg/dL 以下、180mg/dL 以下、160mg/dL 以下、140mg/dL 以下又は 125mg/dL 以下でなければならない。ある場合では、制限範囲は 100mg/dL と 160mg/dL との間である。次いで、これらの更新された目標血糖値をブロック 264 で使用して、異なる基礎デリバリ・プロファイルを評価することができる。
【0141】
特定の昼間時間期間についての目標血糖値の更新を、PWDの過去の血糖パターン、及び1日を通しての PWD の低血糖リスクに基づいて行うことができる。更新された目標血糖値は、FHI セットを考慮することもできる。例えば、FHI 選択に基づいて、初期目標血糖値を控えめなレベル(例えば、120mg/dl)に設定することができ、変動パターンに関してより多くの情報が得られるにつれて、日及び/又は週の期間にわたって、目標血糖値を調節することができる。遅い調節は、ブロック 283 及び 261 が短期間の撹乱に過度に反応するのを防ぐことができるが、依然として、経時的な PWD の生活様式及び習慣に対する血糖目標の個別化は可能である。
【0142】
ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、低血糖の恐怖指数(FHI)を調節することによって、ユーザが一時的又は永続的に目標血糖値を調節することを可能にすることもできる。ある場合では、ユーザが FHI を調節することにより、目標血糖値を、一次的又は永続的に、複数の昼間時間期間のCGM(及び任意選択的に BGM)データの変動に基づく目標血糖値に合わせることができる。ある場合では、ユーザが FHI を調節することにより、以前に使用された目標血糖値から所定の値を加算又は減算することができる(例えば、「低い血糖値を指向する」から「中程度の血糖値を指向する」への調節は、保存された目標血糖値それぞれについて 20mg/dL を加えることができる)。ある場合では、FHI を一時的に調節することにより、複数の時間ブロックの変動データを分析し、その時間ブロックの変動データに基づいて、各昼間時間期間についての新しい目標血糖値を設定することができる(たとえば、「低い血糖値を指向する」から「中程度の血糖値を指向する」への調節は、各昼間時間期間の目標血糖値を、PWDを約 5% の時間、70mg/dL の閾値未満にすると見積もられるレベルから、PWDを約 3% の時間、70mg/dL の閾値未満にすると見積もられるレベルへと、調節することがある。)。
【0143】
PWD が一時的な時間期間の FHI を変更することを可能にするか、又は変更しない場合何らかの形の一時的なオーバーライドを使用することを可能にすることは、PWD に、PWD が血糖レベルに影響を及ぼす可能性のある活動又は状態に近づいているか、又はそれらを経験していることを、システムに伝えることを可能にすることができる。例えば、運動しようとしているPWDは、「高い血糖値を指向する」の一時的な FHI を設定して、運動によって、その期間に PWD が低血糖になるリスクを相殺することができる。ある場合では、PWD が具合が悪いと感じる場合、具合が悪いことで高血糖値になるリスクを相殺するために、PWDは、「低い血糖値を指向する」の一時的な FHI を設定することができる。ある実施形態では、そのような一時的なオーバーライドは、FHI 以外の別個の設定又は入力登録であってもよい。これら及び他の場合、指向する範囲(例えば、「高血糖」又は「低血糖」)に加えて、ユーザは、目標血糖レベル又は範囲(例えば、約 120mg/dL 又は 120mg/dL と 200mg/dL との間など)を一時的にオーバーライドすること、又は PWD が参加する、又は経験している特定の活動又は状況(例えば、運動、病気、月経、車の運転など)を選択することができる。
【0144】
ある場合では、一時的なオーバーライドを入力した後、本明細書の方法及びシステムは、一時的なオーバーライドとより密接に揃うプロファイルに基づいて、従うべき新しいプロファイルを選択することができる。これら及び他の場合では、新しいプロファイルを選択する前に、新しいプロファイルのセットを生成することができる。追加的又は代替的に、一時的なオーバーライドを入力した後、本明細書の方法及びシステムは、BBR を一時的に修正することができる。ある場合では、BBR を修正した後、一時的に変更した BBR に基づいて新しいプロファイルのセットを生成することができる。
【0145】
ある場合では、一時的なオーバーライドの記録を生成することができる。例えば、ユーザ(例えば、PWD)がオーバーライドを入力するたびに、何のオーバーライドが選択されたか、開始時間と終了時間はいつか、及び/又はオーバーライドの理由は何か、を含む記録に入力登録が作成されることがある。これら及び他の場合において、前記記録を、例えば、電子メール又はその他の電子メッセージを介して、定期的に医療専門家に提供することができる。追加的又は代替的に、ある場合では、パターンについてに記録を解析することができる。例えば、PWDは、PWDが運動をする毎週月曜日、水曜日及び金曜日の午後 6 時から午後 7 時までに、一時的なオーバーライドを入力することができる。前記記録を、このようなオーバーライドのパターンを見つけるために解析することができる。これら及び他の場合において、本明細書の方法及びシステムは、パターンに基づいて BBR を修正することができる。例を続けると、PWD が運動しているが低血糖にならない昼間時間期間の間に、PWD が一時的なオーバーライドを繰り返し入力するため、月曜日、水曜日及び金曜日の午後6 時から午後 7 時の昼間時間期間、BBRが低下することがある。
【0146】
<全体システム>
本明細書で提供される方法及びシステムは、経時的に基礎インスリン・デリバリを制御し、経時的にユーザ固有の用量パラメータを個別化するために、複数の昼間時間期間の基礎量のユーザ固有の用量パラメータ及び目標血糖値を調節することができる。例えば、図4は、本発明の様々な態様を表示するユーザ・インタフェースの様々な例(例えば、400、410、420 及び 430)を示す。
【0147】
ある場合では、図4は、本明細書で提供される方法のシミュレーションを示し、本明細書で提供される方法及びシステムが、BBR401、CR402、ISF403 及び複数の時間ブロックに対して設定された目標血糖値 404 を示すことができるユーザ・インタフェース 400 を生成することができる方法を示す。例えば、システム(例えば、図1のシステム 10)が 30 日後に PWD 上で動作した後、ユーザ固有の用量パラメータを、ユーザ固有の用量パラメータに対して行われた調節に基づいて個別化することができる。例えば、ユーザ・インタフェース 400 は、1 日全体の中の様々な昼間時間期間にわたって様々なユーザ固有の用量パラメータを揃えることができる。例えば、BBR401 は、食事時間(例えば、午前 9 時、午後 12 時、及び午後 7 時)付近でより高く、PWD が寝ている間(例えば、午後 11 時から午前 5 時)はより低いことがある。追加の例として、CR402 及び ISF403 は、BBR401 について説明したのと同様の変動の軌跡をたどることがある。
【0148】
ある場合では、図4のユーザ・インタフェース 410 に示すように、本明細書の方法及び/又はシステム(例えば、バックエンド・コンピュータ・システムを含む)は、経時的に血糖レベルをモニタ及び/又は追跡することができる。例えば、ユーザ・インタフェース 410 は、180 日間のグルコース・レベルを示し、最近の 30 日間を示すバーを伴うことができる。ある場合では、ユーザ固有の用量パラメータを調節する場合、本明細書の方法及びシステムは、30 日より古い測定値を無視してもよく、又は古い測定値よりも最近の測定値に重く重み付けすることができる。
【0149】
ある場合では、ユーザ・インタフェース 420 は、ユーザ・インタフェース 410 に示されるタイムラインの 6 時間ウィンドウを示すことができる時間を揃えたチャート(チャート 421、チャート 422 及びチャート423 を含む)を含むことができる。図4で示したように、チャート 421 は、その特定のデリバリ時間について経時的に行われた予測値と同様現在の血糖値を表示する。例えば、「現在」バー 424 に達すると、各時間セグメントに対して複数の予測が行われることがある。ウィンドウが将来の方向に拡大するにつれて、予測の数が少なくなることがある。チャート 422 は、PWD に関して計算された IOB 及び計算された COB を示す。チャート 423 は、方法又はシステムが、15 分の時間セグメントの間、BBR の 0%、BBR の 100%、又は BBR の 200% をデリバリしたかどうかを示す。
【0150】
図4で示すように、ユーザ・インタフェース 430 は、PWD のモバイル・デバイス(例えば、図1のモバイル・コンピューティング・デバイス 60)上に表示され得るいくつかのデータを示す、PWD の可能なユーザ・インタフェースを示す。ある場合では、バー 424 の前のデータ(例えば、過去データ)のみがユーザ・インタフェース 430 に示されることがある。ユーザ・インタフェース 430 の第1部分 431 では、過去の血糖データを表示することができる。第2セクション 432 では、公表された食事及びボーラス・インスリン・デリバリを表示することができる。第3のセクション 433 では、基礎デリバリ量を表示することができる。セクション 433 は、デリバリされた基礎量の BBR に対する比率ではなく、実際の基礎デリバリ量を表示することによって、チャート423 とは異なる場合がある。セクション 434 は、現在の血糖測定値、現在の IOB及び/又はシステムが自動であるかどうかの表示を表示することができる。ある場合では、図4に示すよりも多い、又は少い情報をユーザ・インタフェース 430 に表示することができる。例えば、ユーザ・インタフェース 430 は、ユーザ・インタフェース 400、410、及び/又は 420 からの情報のいずれかを任意の組み合わせで含むことができる。
【0151】
<例示的なポンプ・アセンブリについて追加的な詳細>
図5A及び図5Bは、図1に関して上述した例示的なポンプ・アセンブリ 15 についての追加的な詳細を提供する。図5Bは、例示的な再使用可能なポンプ・コントローラ 200 の詳細を示す。
【0152】
次に図5Aについて述べると、この実施形態における使い捨てポンプ 100 は、液体カートリッジ 120 を収容することができるキャビティ 116 を画定するポンプ・ハウジング構造 110 を含む。使い捨てポンプ 100 はまた、ポンプ・ハウジング構造 110 のキャビティ 116 内に液体カートリッジ 120 を保持するキャップ・デバイス 130 を含むことができる。使い捨てポンプ 100 は、液体カートリッジ 120 内でプランジャ 125 を前進させてそこから流体を排出する、駆動システム(例えば、バッテリ駆動アクチュエータ、ギア・システム、駆動軸及び図5Aに示されていない他のものなどを含む)を含むことができる。この実施形態では、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、使い捨てポンプ 100 と通信して、駆動システムの動作を制御する。例えば、ある場合では、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、使い捨てポンプ 100 に向けたメッセージを生成して、使い捨てポンプ 100 にある量のインスリンをデリバリするように指示するか、或る割合でインスリンをデリバリさせることができる。ある場合では、そのようなメッセージは、使い捨てポンプ 100 にプランジャ 125 をある距離だけ前進させるように指示することができる。図示されていないある場合では、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、使い捨てポンプ 100 の動作を制御するユーザ・インタフェースを含むことができる。ある場合では、使い捨てポンプ 100 を、一回使用後に廃棄することができる。例えば、使い捨てポンプ 100 は、その中の液体カートリッジ 120 が使い尽くされた後に廃棄される「ワン・タイム・ユーズ」コンポーネントであってもよい。その後、ユーザは、新しい液体カートリッジからの流体の排出のために、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 に新しい使い捨てポンプ 100(新しい液体カートリッジを有する)を取り外し可能に取り付けることができる。その結果、ユーザは、各使用後に比較的低コストの使い捨てポンプ 100 を廃棄しながら、再使用可能なポンプ・コントローラ 200(充電バッテリと同様、複雑な又は貴重な電子機器を含むことができる)を再使用することができる。そのようなポンプ・アセンブリ 15 は、新しいポンプ装置(及びその中の駆動システム)がそれぞれの新しい液体カートリッジと共に使用されるので、ユーザの安全性を高めることができる。
【0153】
ポンプ・アセンブリ 15 は、液体カートリッジ 120 から薬剤を制御可能に投与するように構成された医療用注入ポンプ・アセンブリのことがある。このように、液体カートリッジ 120 は、患者又は畜患のような対象個体の組織又は血管系内に注入される薬剤 126 を含むことができる。例えば、使い捨てポンプ 100 は、糖尿病の治療に使用するために、インスリン又は別の薬剤(例えば、エクセナチド(Exenatide(BYETTA(登録商標)、BYDUREON(登録商標)))及びリラグルチド(liraglutide(VICTOZA(登録商標)))、シムリン(SYMLIN(登録商標))又はその他)を予め充填したカープルの形態の液体カートリッジ 120 を受け入れるように適合させることができる。このような液体カートリッジ 120 は、例えば、インディアナ州インディアナポリスのイーライ・リリー社(Eli Lilly and Co. (登録商標))によって供給されることがある。液体カートリッジ 120 は、他の構成を有してもよい。例えば、液体カートリッジ 120 は、ポンプ・ハウジング構造 110 と一体のリザーバを備えてもよい(例えば、液体カートリッジ 120 は、薬が注入されるか、又は受け入れられるリザーバを定めるプランジャを囲むポンプ・ハウジング構造 110 の1つ以上の壁によって画定される。)。
【0154】
ある実施形態では、使い捨てポンプ 100 は、流体カートリッジ 120 がキャビティ 116 に挿入された後に液体カートリッジ 120 の取り外しを妨害する1つ以上の構造 を含むことができる。例えば、ポンプ・ハウジング構造 110 は、1つ以上のリテーナ・ウィング(retainer wing)(図示せず)を含むことができる。リテーナ・ウィングは、少なくとも部分的に、液体カートリッジ 120 が装入されるときに液体カートリッジ 120 の一部に係合するキャビティ 116 まで延びて入り込む。このような構成は、使い捨てポンプ 100の「ワン・タイム・ユーズ」の機能を高めることができる。いくつかの実施形態では、リテーナ・ウィングは、使い捨てポンプ 100 から流体カートリッジ 120 を取り外す試みを妨害することができ、そうすることで、液体カートリッジ 120 が空になったり、期限切れしたり、あるいは消耗した後に、液体カートリッジ 120と共に使い捨てデバイス 100 が廃棄されることを確実にする。別の例では、キャップ・デバイス 130 を、キャビティ 116 の開口部を覆うようにポンプ・ハウジング構造 110 に不可逆的に取り付けられるように構成することができる。例えば、キャップ・デバイス 130 の頭部構造は、回転するように構成され、キャップ・デバイス 130 を、キャビティ 116 の内壁に沿ってある嵌合構造とねじ式で係合させるが、前記頭部構造はキャップ・デバイスが逆方向に回転して、ねじが外れることが防止することができる。その結果、使い捨てデバイス 100 を、所定の余命(例えば、液体カートリッジ 120 が空になったり、期限切れになったり、あるいは消耗した後に、ポンプ・デバイス.が廃棄されるという、「ワン・タイム・ユーズ」の機能)を持つように設計することができるので、使い捨てデバイス 100 はみだりにいじられることなく、安全な方法で動作させることができる。
【0155】
更に図5Aについて述べると、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、使い捨てポンプ 100 に取り外し可能状態で取り付けられ、2つのコンポーネントが機械的に互いに固定された関係で取り付けられるようにすることができる。ある場合では、このような機械的な取り付けは、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 と使い捨てポンプ 100 との間に電気的な接続を形成することもできる(例えば、使い捨てポンプ 100 の電気コネクタ 118)。例えば、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、使い捨てポンプ 100 の駆動システム(図示せず)の一部と電気的に通信することができる。ある場合では、使い捨てポンプ 100 は、液体カートリッジ 120 から薬剤又は他の液体を制御して排出する駆動システムを含むことができる。ある場合では、駆動システムは、ピストンロッド(図示せず)を液体カートリッジ 120 内を長手方向に漸進的に進めて、液体を出力端 122 から押し出す。キャップ・デバイス 130 がポンプ・ハウジング構造 110 に接続している場合、液体カートリッジ 120 の出力端 122 にある隔膜 121には孔が開けられ、液体を排出することができる。例えば、キャップ・デバイス 130 は、ハウジング構造 110 にキャップ・デバイス 130 が取り付けられている間に隔膜 121 に孔を開ける貫通針を含むことができる。したがって、使い捨てポンプ 100 と再使用可能なポンプ・コントローラ 200 とが機械的に取り付けられ、それによって電気的に接続されると、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、ハードワイヤ接続(例えば、コネクタ 118 に沿った電気的な接触など)を介して、電気コントロール信号をやりとりし、システム又は使い捨てポンプ 100 の他のコンポーネントを駆動させる。再使用可能なポンプ・コントローラ 200 からの電気コントロール信号に応答して、使い捨てポンプ 100 の駆動システムは、液体カートリッジ 120 から薬剤を徐々に排出する。パワー信号(再使用可能なポンプ・コントローラ 200 のバッテリ(図示せず)及び使い捨てポンプ 100 の電源(図示せず)からの信号など)もまた、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 と使い捨てポンプ 100 との間で受け渡しされることがある。
【0156】
再び図1−5Aについて述べると、ポンプ・アセンブリ 15 は携帯可能に構成することができ、装着可能かつ隠すことが可能とすることができる。例えば、PWD は、PWD の衣服の下の PWD の皮膚上にポンプ・アセンブリ 15 を便宜的に着用することができ(例えば、皮膚貼付剤)、又は使い捨てポンプ 100 から排出された薬剤を受けながらPWD のポケット(又は他の携帯場所)中の使い捨てポンプ 100 を便宜的に持ち運ぶことができる。いくつかの実施形態に即してポンプ・アセンブリ15 のサイズを示すために、PWD の手 5 に保持されるものとして図1にポンプ・アセンブリ 15 を示す。ポンプ・アセンブリ 15 のこの実施形態はコンパクトであるため、別個のモジュールを持ち運ぶ、及び動作させる必要なしに、PWD はポータブル・ポンプ・アセンブリ 15 を装着することが可能である(例えば、PWD のポケット内に、ベルトクリップに接続して、PWD の皮膚に貼付してなど)。このような例では、使い捨てポンプ 100 のキャップ・デバイス 130 を、注入セット 146 と対になるように構成することができる。一般に、注入セット 146 を、ポンプ・アセンブリ 15 を PWD の組織又は血管系に接続するチューブ・システムとすることができる(例えば、薬剤をPWD の皮膚の下の組織又は血管系内にデリバリする)。注入セット 146 は、使い捨てポンプ 100 から皮下カニューレ 149 に延びる可撓性チューブ 147 を含むことができ、この皮下カニューレ 149 は、皮下カニューレ 149 を注入部位に固定する皮膚貼付パッチ(図示せず)によって保持される。皮膚貼付パッチは、PWD の組織又は血管系と液体のやりとりができる注入カニューレ 149 を保持することができ、チューブ 147 を通して投与された薬剤がカニューレ 149 を通過して PWD の体内に入る。キャップ・デバイス 130 は、液体カートリッジ 120 の出力端 122(図2)と注入セット 146 のチューブ 147 との間で液体のやりとりができるようにすることができる。
【0157】
ある実施形態では、ポンプ・アセンブリ 15 は、ポケットサイズにすることができ、使い捨てポンプ 100 及び再使用可能なポンプ・コントローラ 200 を、PWD のポケット又は PWD の衣類の別の部分に着用することができる。ある場合では、PWD は、ポンプ・アセンブリ 15 を、より分離して着用することを望むかもしれない。その結果、PWD は、ポケットから、PWD の衣服の下に、及び貼付パッチを配置することができる注射部位へ、チューブ 147 を通すことができる。そうすることで、ポンプ・アセンブリ 15 を、ポータブルで、隠した状態で、及び分離した状態で PWD の組織又は血管系に薬剤をデリバリするために使用することができる。
【0158】
ある実施形態では、ポンプ・アセンブリ 15 を、薬剤注入のために穿刺されている皮膚の位置で、直接 PWD の皮膚に貼付するように構成することができる。例えば、使い捨てポンプ100 の背面には皮膚貼付パッチを含むことができ、その結果、使い捨てポンプ 100 を、特定の場所のユーザの皮膚に物理的に貼付することができる。これらの実施形態では、キャップ・デバイス 130 を、薬剤がキャップ・デバイス 130 から PWD の皮膚に穿刺している注射セット 146 へと通っていくように構成することができる。ある例では、PWD は、ユーザ・インタフェース 220 を見て、やり取りするために、(使い捨てポンプ 100 は皮膚に貼付されたままでありながら)再使用可能なポンプ・コントローラ 200 を一時的に取り外すことができる。
【0159】
ある実施形態では、ポンプ・アセンブリ 15 は、本明細書で提供される方法に従って基礎インスリンをデリバリするために、自動モード中に動作することができる。ある場合では、ポンプ・アセンブリ 15 は、開ループ・モードで動作して、インスリンを BBR でデリバリすることができる。基礎量のインスリンを、選択された基礎インスリン・デリバリ・プロファイルに従って漸増的にデリバリすることができる(例えば、1 時間当たり 1.2U の量に対して、5 分ごとに 0.10U をデリバリする)。ユーザは、モバイル・コンピューティング・デバイス 60 上のユーザ・インタフェースを使用して、1つ以上のボーラス・デリバリを選択し、例えば、食物摂取によって引き起こされる血糖効果を相殺し、望ましくない高い血糖値を補正し、急速に血糖値が増加することを補正する、などをすることができる。ある状況において、基礎量デリバリ・パターンを、長い時間期間にわたって実質的に一定の量のままにすることができる(例えば、午前中の数時間の第1基礎量、及び午後及び夜の数時間の第2基礎量)。対照的に、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 又はモバイル・コンピューティング・デバイス 60 (その後再使用可能なポンプ・コントローラ 200 と通信する)によって行われる計算に基づいて、ボーラス量をより頻繁に投与することができる。例えば、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、(例えば、連続グルコース・モニタ 50 から受け取ったデータを解釈することによって)PWD の血糖レベルが急速に増加していると判定することができ、及び(ユーザ・インタフェース 220 を介して、又はモバイル・コンピューティング・デバイス 60 を介して)ユーザに警告を発することができるので、ユーザが、選択されたボーラス用量のインスリンの投与をマニュアルで開始して、血糖レベルの急激な増加を補正することができる。一例では、ユーザは、PWD が摂取しようと計画している提案された食事に、少なくとも一部は、基づいて、提案されるボーラス量の計算(例えば、ユーザ及び再使用可能なポンプ・コントローラ 200 から受け取った情報に基づいてモバイル・コンピューティング・デバイス 60 で計算される、又は代わりに、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 で計算され、ユーザに表示するためにモバイル・コンピューティング・デバイス 60 に返信される)を、(モバイル・コンピューティング・デバイス 60 のユーザ・インタフェースを介して)要求することができる。
【0160】
次に図5Bについて述べると、再使用可能なポンプ・コントローラ 200(分解図に示す)は、一連の使い捨てポンプ 100 と供に再使用可能ないくつかのコンポーネントを収容している。特に、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 は、コントロール回路 240(例えばコントロール・デバイス)及び充電式バッテリ・パック 245を含むことができ、それぞれはコントローラ・ハウジング 210 の中に配置される。充電式バッテリ・パック 245 は、コントロール回路 240 のコンポーネント、コントローラ・デバイスの他のコンポーネント(例えば、ディスプレイ・デバイス 222 及び他のユーザ・インタフェース・コンポーネント、センサなど)、又は使い捨てポンプ 100 のコンポーネントに電気エネルギーを供給することができる。コントロール回路240 を、コントロール信号又は電力信号を使い捨てポンプ 100 の駆動システムに伝達するように、又は電力又はフィードバック信号を使い捨てポンプ 100 から受け取るように構成することができる。
【0161】
再使用可能なポンプ・コントローラ 200 のコントロール回路 240 は、本明細書で説明するいずれの制御動作を達成するように、1つ以上のメモリ・デバイス 242 に保存されたコンピュータ可読命令を実行するように構成された1つ以上のマイクロプロセッサ 241 を含むことができる。コントロール回路の少なくとも1つのメモリ・デバイス 242 を、いくつかのユーザ固有の用量パラメータを保存するように構成することができる。ユーザは、1つ以上のユーザ固有の用量パラメータを、ユーザ・インタフェース 220 を介して入力することができる。更に図2と関連して以下に記載するように、様々なユーザ固有の用量パラメータを自動的に決定し、及び/又は再使用可能なポンプ・コントローラ 200 のコントロール回路 240 によって実行される制御動作によって自動的に更新することができる。例えば、コントロール回路 240 は、二次フィードバック・ループを実行することができ、閉ループ・デリバリ・モードで動作している注入ポンプ・システム 1 と並行して、ユーザ固有の用量パラメータを決定及び/又は更新する。モバイル・コンピューティング・デバイス 60 を介して(又は再使用可能なポンプ・コントローラ 200 のユーザ・インタフェース 220 を介して)自動的に決定されるか、又は受け取られるかに関わらず、コントロール回路240 は、メモリ・デバイス 242 に、閉ループ及び開ループ・デリバリ・モードなどの複数のデリバリ・モードによって動作中に、将来使用するために、ユーザ固有の用量パラメータを保存させることができる。更に、コントロール回路 240 は、モバイル・コンピューティング・デバイス 60 による動作中に、将来使用するために、又はクラウドベースのコンピュータ・ネットワークへのその後の通信のために、再使用可能なポンプ・コントローラ 200 に、モバイル・コンピューティング・デバイス 60 へ、ユーザ固有の用量パラメータを定期的に伝達させることができる。
【0162】
そのようなユーザ固有の用量パラメータは、以下の1つ以上を含むことができる。
・1日総インスリン基礎量の限度(例えば、最大単位数/日);
・様々な他の時間期間での基礎量の限度(例えば、最大基礎量/時、最大基礎量/6時間);
・インスリン効果値(例えば、mg/dL/インスリン単位の単位による);
・糖質比(例えば、g/インスリン単位の単位による);
・インスリン開始時間(例えば、分及び/又は秒の単位による);
・インスリン・オン・ボード継続時間(例えば、分及び/又は秒の単位による);
・基礎量プロファイル(例えば、インスリン単位/時間の単位で表わされる、平均基礎量又は1つ以上のセグメントでの基礎量プロファイル)
しかしながら、これらに限定されない。また、コントロール回路 240 は、ポンプ使用の履歴情報から導かれる以下のパラメータ:
・用量の記録;
・1日総1回用量の平均;
・1日総基礎1回用量の平均;
・1日総ボーラス1回用量の平均;
・1日食事ボーラス量に対する1日補正ボーラス量の比率;
・1日補正ボーラス量;
・1日総1回用量の平均に対する1日補正ボーラス量の比率;
・総ボーラス1回用量の平均に対する総基礎1回用量の平均の比率;
・1日最大ボーラス量の平均;及び
・1日あたりのカニューレ及びチューブ・プライム(tube prime)の頻度;
のいずれかをメモリ・デバイス 242 に保存させることができる(及び再使用可能なポンプ・コントローラ 200 をモバイル・コンピューティング・デバイス 60 に定期的に通信させることができる)。これらの前述の用量パラメータ又は履歴パラメータがメモリ・デバイス 242 に保存されない範囲で、コントロール回路 240 を、メモリ・デバイス 242 に保存された他のデータから、又はモバイル・コンピューティング・デバイス 60との通信を介した入力から、これらの前述の用量パラメータ又は履歴パラメータのいずれをも計算するように構成することができる。
【0163】
図6は、インスリン・デリバリ・プロファイルを使用する例示的な方法 600 の流れ図を示す。方法 600 は、任意の適切なシステム、装置、又はデバイスによって実行することができる。例えば、図1のシステム 10、ポンプ・アセンブリ 15、モバイル・コンピューティング・デバイス 60、及び/又はリモート・サーバは、方法 600 に関連する動作のうちの1つ以上を実行することができる。別個のブロックで図示されているが、方法 600 の1つ以上のブロックに関連する工程及び動作を、所望の実施形態に応じて、追加的なブロックに振り分ける、より少数のブロックに結合する、又は除去することができる。
【0164】
ブロック 610 において、1セットのインスリン・デリバリ・プロファイルを生成することができ、それぞれ一連のインスリン・デリバリ動作を有する。例えば、ポンプ・アセンブリ 15 は、デリバリ動作における1つ以上の潜在的な変曲点に基づいて、パーミュテイションを含む一連の潜在的なデリバリ動作を生成することができる。
【0165】
ブロック 620 において、各デリバリ・プロファイルについて将来の血糖レベルの予測を行うことができる。例えば、図1のポンプ・アセンブリ 15 及び/又はモバイル・コンピューティング・デバイス 60 は、特定のプロファイルに従う場合、様々な時点で将来の血糖レベルの予測を生成することができる。そのような予測は、グルコース、インスリン、糖質、及び/又は様々な時点における血糖レベルについて予測される他の攪乱の影響に基づくことができる。
【0166】
ブロック 630 において、各プロファイルについての目標血糖レベルからの変動について決定を行うことができる。例えば、図1のポンプ・アセンブリ 15 及び/又はモバイル・コンピューティング・デバイス 60 は、予測された血糖レベルを、各々の様々な時点の目標血糖レベルと比較することができる。ある場合では、目標血糖レベルは一定であってもよく、他の場合には、目標血糖レベルは経時的に変化してもよい。これらの場合及び他の場合において、変動を、上述のように、目標血糖レベルと予測血糖レベルとの間の距離、又はその差の 2 乗などとして測定することができる。
【0167】
ブロック 640 において、目標血糖レベルを近似するプロファイルを選択することができる。ある場合では、目標血糖レベルからの変動を最小にするプロファイルを選択することができる。例えば、コスト関数を利用することができ、コストの最も低いプロファイルを目標血糖レベルに近似するプロファイルとして選択することができる。
【0168】
ブロック 650 において、インスリンを、選択されたプロファイルにおける次の動作に基づいてデリバリすることができる。例えば、ポンプ・アセンブリ 15 のコントロール回路 240 は、選択されたプロファイルの次の動作に基づいてインスリンをデリバリするように、ポンプ・アセンブリのポンプ部分にメッセージを送信することができる。例えば、次の動作が、ポンプが BBR の 0x、1x、又は 2x をデリバリすることを示すことができる。次の動作が、プロファイルの動作のセットにおける最初のデリバリ動作のことがある。
【0169】
ある場合では、ブロック 860 の後、方法 600 はブロック 610 に戻り、インスリン・デリバリ・プロファイルの別のセットを生成し、将来の血糖レベルを予測し、目標血糖レベルからの変動を決定すること等をすることができる。ある場合では、方法 600 を、PWD が基礎インスリン1回用量を受けるたびに反復的に行うことができる。これら及び他の場合において、方法 600 は、PWD の血糖レベルの繰り返し更新した予測、及び特定のデリバリ動作が血糖レベルに及ぼす影響に基づいて、デリバリ動作を定期的に更新することができる。ある場合では、本明細書で提供される方法及びシステムは、現時点で信頼できる CGM データがない場合、モードを変更することができる(例えば、システムが BBR がデリバリされるモードにモードを変更し、システムが自動モードを終了したことを通知することができる)。
【0170】
本明細書の範囲から逸脱することなく、方法 600 に対して修正、追加、又は省略を行うことができる。例えば、方法 600 の動作を、異なる順序で実施することができる。追加的に又は代替的に、又は、2つ以上の動作を同時に実行することができる。更に、概説された操作及び動作は例として提供され、いくつかの操作及び動作は任意選択的であり、少数の操作及び動作に結合されるか、又は開示される実施形態の本質を損なうことなく追加の操作及び動作に拡張され得る。
【0171】
図7は、インスリン・デリバリ量を調節する例示的な方法 700 の流れ図を示す。方法 700 を、任意の適切なシステム、装置、又はデバイスによって実行することができる。例えば、図1のシステム 10、ポンプ・アセンブリ 15、モバイル・コンピューティング・デバイス 60、及び/又はリモート・サーバは、方法 700 に関連する1つ以上の動作を実行することができる。別個のブロックで図示されているが、方法 700 の1つ以上のブロックに関連する工程及び動作を、所望の実施形態に応じて、追加的なブロックに振り分ける、より少数のブロックに結合する、又は除去することができる。
【0172】
ブロック 710 において、インスリンを、昼間時間期間にわたってデリバリすることができる。例えば、図1のポンプ・アセンブリ 15 は、昼間時間期間の BBR に基づいてインスリンを PWD にデリバリすることができる。ある場合では、インスリンを、BBR の比率(0x、1x 及び 2xなど)として、昼間時間期間中の複数の時点で実際にデリバリすることができる。
【0173】
ブロック 720 では、実際にデリバリされたインスリン値と昼間時間期間の BBR との間の変動を決定することができる。例えば、昼間時間期間中のデリバリ動作がBBR の比率をデリバリする場合、実際のデリバリ動作を、昼間時間期間にわたって平均化し、昼間時間期間の平均比率を見出すことができる。これら及び他の場合において、実際にデリバリされたインスリン値を、定期的に予測される血糖レベル及び BBR に基づくものとすることができる。例えば、本明細書に記載されるように(例えば、図6に記載されるように)、1セットのインスリン・デリバリ・プロファイルを生成し、デリバリ動作を選択することができる。
【0174】
ブロック 730 では、実際にデリバリされたインスリン値とベースライン基礎インスリン量との間の変動が閾値を超えているかどうかの決定が行われる。変動が閾値を超える場合、方法 700 はブロック 740 に進むことができる。変動が閾値を超えない場合、方法 700 はブロック 710 に戻ることができる。ある場合では、閾値は、ベースライン基礎デリバリ量の比率に基づくことができる。例えば、閾値は、昼間時間期間にわたる実際のデリバリ値について、昼間時間期間にわたる平均比率が BBR の 150% を超えるか、又は BBR の 50% 未満であることを含むことができる。
【0175】
ブロック 740 において、ベースライン基礎インスリン量を、関連する昼間時間期間について調節することができる。例えば、変動が閾値を超えた場合、BBR を一定量(例えば、1%、2% 又は 5%)だけ高く調節することができ、変動が閾値未満の場合、BBR を一定量(例えば、1%、2% 又は 5%)だけ低く調節することができる。ある場合では、関連する昼間時間期間を将来の別の日の同じ時間ブロックにすることができ(例えば、午後 2 時から午後 3 時の昼間時間期間、変動が閾値を超えた場合、翌日の午後 2 時から午後 3 時の間の BBR を調節することができる。)、及び、ある場合では、関連する昼間時間期間を別の日の異なる時間にすることができる(例えば、午後 2 時から午後 3 時の昼間時間期間、変動が閾値を超えた場合、翌日の午後 1 時から午後 2 時の間の BBR を調節することができる)。ある場合では、このような調節を、その日のすべての昼間時間期間に対して 1 日に 1 回行うことができる。
【0176】
ある場合では、ブロック 740 における調節は、調節を滑らかにすることを含むことができる。例えば、潜在的な修正を、先行する昼間時間期間又はその後の昼間時間期間の BBR と比較することができ、他の昼間時間期間に近づくように調節を修正することができる。追加的又は代替的に、前の日の同じ時刻の BBR の潜在的な修正と比較することによって、BBR を滑らかにして、潜在的な修正がいつもと違う日に応答できるかどうかを判定することができる。
【0177】
ある場合では、ブロック 740 における調節は、他の要因を考慮することができる。例えば、調節を、低血糖イベントを経験する PWD の確率を増加させる修正にペナルティを与えることに基づくことができる(例えば、PWD の血糖レベルが閾値低血糖レベルを下回る可能性を増加させる修正にペナルティを与えることによる)。これら及び他の場合には、BBR の調節に加えて、又はその代わりに、他のユーザ固有の用量ガイドラインを調節することができる。例えば、ISF 及び CR を、本明細書に従って調節することもできる。ある場合では、BBR をより高く調節すると、ISF を同じ又はほぼ比例するパーセンテージでより高く調節することができ、CR を BBRの同じ又はほぼ比例するパーセンテージでより低く調節することができる。
【0178】
ブロック 750 において、調節されたベースライン基礎インスリン量に基づいて、関連する昼間時間期間中にインスリンをデリバリすることができる。例えば、インスリン・ポンプは、調節されたベースライン基礎インスリン量に基づいてインスリンをデリバリすることができる。ある場合では、そのようなデリバリは、インスリンをデリバリするためにインスリン・ポンプにメッセージを送るコントロール・デバイス(例えば、図2のコントロール回路 240)を含むことがある。
【0179】
本明細書の範囲から逸脱することなく、方法 700 に対して修正、追加、又は省略を行うことができる。例えば、方法 700 の動作を、異なる順序で実施することができる。追加的に又は代替的に、2つ以上の動作を同時に実行することができる。更に、概説された操作及び動作は例として提供され、いくつかの操作及び動作は任意選択的であり、少数の操作及び動作に結合されるか、又は開示される実施形態の本質を損なうことなく追加の操作及び動作に拡張され得る。
【0180】
図8は、低血糖の恐怖指数を使用する例示的な方法 800 の流れ図を示す。方法 800 を、任意の適切なシステム、装置、又はデバイスによって実行することができる。例えば、図1のシステム 10、ポンプ・アセンブリ 15、モバイル・コンピューティング・デバイス 60、及び/又はリモート・サーバは、方法 1000 に関連する1つ以上の動作を実行することができる。別個のブロックで図示されているが、方法 800 の1つ以上のブロックに関連する工程及び動作を、所望の実施形態に応じて、追加的なブロックに振り分ける、より少数のブロックに結合する、又は除去することができる。
【0181】
ブロック 810 において、FHI を入力するために、インタフェースがユーザに対して表示されることがある。例えば、インタフェースは、モバイル・コンピューティング・デバイス上(例えば、図1のモバイル・コンピューティング・デバイス 60)及び/又はインターネットなどのネットワークを介してリモート・サーバに接続された端末に表示することができる。ある場合では、ユーザ(例えば、PWD 又は医療専門家)に、ユーザが前記 FHI を選択することができる対話的機能を提示することができる。これらの場合及び他の場合において、前記インタフェースは、指向する血糖レベル、特定の閾値を上回る又は下回る指向する確率、血糖レベルのテキスト記述(「高い血糖値を指向する」)などの前記 FHI をユーザが入力することができる様々な方法を含むことができる。これら及び他の場合において、FHI は、閾値血糖レベル及び閾値血糖レベルを超える許容可能な確率に対応することができる。例えば、「高い血糖値を指向する」を、150mg/dl の目標血糖レベル、220mg/dl の高閾値血糖レベル、低又は高閾値を超えることに対して 5% の許容確率として、低閾値血糖レベルを 100mg/dl のように指定することができる。
【0182】
ブロック820において、閾値血糖レベルを超える PWD の確率が計算される。例えば、PWD が前記 FHI に対応する閾値血糖レベルをどれだけ超える可能性があるかについての計算を行うことができる。これらの場合及び他の場合において、前記閾値を超える確率を、前記閾値を超える許容可能な確率と比較することもできる。例えば、前記 FHI が、前記閾値を超える 5% の確率が許容可能であることを示す場合、前記閾値を超える計算された確率は、5% の許容可能な確率と比較することができる。
【0183】
ブロック 830 において、目標血糖レベルを修正して、前記閾値を超える確率を前記 FHI とより近くに揃えることができる。例えば、閾値を下回る確率が許容可能な確率よりも高い場合、その確率が許容可能な確率に近づくように、目標血糖レベルをより高く調節することができる。ある場合では、閾値を超える確率が許容可能な確率と同じになるように、目標血糖レベルを調節することができる。これら及び他の場合において、ベースライン基礎インスリン量の修正を、昼間時間期間の BBR と比較した、デリバリされる実際のインスリンに基づくこともできる。例えば、昼間の期間に 4 つのデリバリ動作が発生し、それぞれが BBR の 2x をデリバリする場合、FHI と 2xのデリバリ量の両方に基づいて BBR を修正することができる。この例を続けると、ユーザが低い FHI を選択した場合(例えば、PWD は血糖が低くなることを心配していない)、目標血糖レベルを大きく(例えば0% と 5% の間)変更させることができ、一方で、ユーザが高い FHI を選択した場合(例えば、PWD は血糖が低くなることを心配している)、前記 BBR をより小さく(例えば、0% と 2% の間)変更することができる。これら及びその他の場合では、変更量が上方又は下方に調節されているかどうかによって変更量が異なることがある。例えば、高血糖レベルを指向する PWD の場合、本開示の方法及びシステムは、BBR を上方に調節する場合にはより大きな変更を使用し、BBR を下方に調節する場合にはより小さい変更を使用することができる。ある場合では、目標血糖レベルの増加は制約されないが、減少は 5% 以下、3% 以下、2% 以下、又は 1% 以下に制約される。
【0184】
ブロック840において、インスリンを修正した目標血糖レベルに基づいてデリバリすることができる。例えば、コントロール・デバイスは、上述の方法を含む任意の適切な方法を用いて、目標血糖レベルに基づいてインスリン・デリバリ・プロファイル又は量を決定することができる。ある場合では、前記インスリンのデリバリは、生成され得る1つ以上のインスリン・デリバリ・プロファイルに基づくことがあり、及び目標血糖レベルに最も近似するプロファイルのうちの1つを選択することに基づくことがある。これら及び他の場合、デリバリ・プロファイルの動作は、修正した BBR の比率であることがある。例えば、デリバリ動作には、変更した BBR の0x、1x 又は 2x 量のデリバリの内の1つを含むことができる。
【0185】
ある場合では、デリバリ・プロファイルのデリバリ動作も FHI に基づいて行うことができる。例えば、第1の FHI(例えば、PWD は血糖が低くなることを心配している)について、プロファイルのデリバリ動作に使用されうる比率は、BBRの0x、0.5x、1x 及び 1.5x を含むことができ(例えば、低めの血糖を指向する PWD に対して)、第2の FHI について、プロファイルのデリバリ動作で使用されうる比率は、0x、1x、2x 及び 3xを含むことができる(たとえば、高めの血糖を指向する PWDに対して)。
【0186】
本明細書の範囲から逸脱することなく、方法 800 に対して、修正、追加、又は省略を行うことができる。例えば、方法 800 の動作を、異なる順序で実施することができる。追加的に又は代替的に、2つ以上の動作を同時に実行することができる。更に、概説された操作及び動作は例として提供され、いくつかの操作及び動作は任意選択的であり、少数の操作及び動作に結合されるか、又は開示される実施形態の本質を損なうことなく追加の操作及び動作に拡張され得る。
【0187】
図9は、一次的なオーバーライドを使用する例示的な方法 900 の流れ図を示す。方法 900 を、任意の適切なシステム、装置、又はデバイスによって実行することができる。例えば、図1のシステム 10、ポンプ・アセンブリ 15、モバイル・コンピューティング・デバイス 60、及び/又はリモート・サーバは、方法 900 に関連する1つ以上の動作を実行することができる。別個のブロックで図示されているが、方法 900 の1つ以上のブロックに関連する工程及び動作を、所望の実施形態に応じて、追加的なブロックに振り分ける、より少数のブロックに結合する、又は除去することができる。
【0188】
ブロック 910 において、1セットのインスリン・デリバリ・プロファイルを生成することができ、それぞれ一連のインスリン・デリバリ動作を有する。例えば、電子デバイス(例えば、図1のポンプ・アセンブリ 15、モバイル・コンピューティング・デバイス 60、及び/又はリモート・サーバ)は、本開示に従って1セットのプロファイルを生成することができる。
【0189】
ブロック 920 において、一時的なオーバーライドを示す入力を受け取ることができる。一時的なオーバーライドは、1つ以上の昼間時間期間のユーザが指向する血糖レベルを示すことができる。例えば、ユーザ(例えば、PWD)に、設定された時間期間についての血糖レベルの数字を、ユーザが入力することができるフィールド又は他の入力コンポーネントを、提示することができる。別の例として、ユーザには、複数のアクティビティ(例えば、運動、長時間期間にわたる車の運転など)と供に、及びアクティビティが実行されるであろうときに提示することができる。別の例として、ユーザに、指向する血糖レベルの一連のテキスト記述(例えば、「血糖値を低くしない」又は「血糖値を高くしない」)を提示することができる。これら及び他の場合では、ユーザを、将来のある時点の時間期間(例えば、将来の少なくとも 30 分間)について、一時的なオーバーライドを選択することにおいて、制限することができる。
【0190】
ブロック 930 において、一時的なオーバーライドの記録を生成することができる。例えば、電子デバイスは、一時的なオーバーライドのために選択されたこと(例えば、目標血糖レベル、特定の活動など)、いつ、及び/又はどのくらいの期間を記録することができる。ある場合では、ユーザが一時的なオーバーライドを入力するたびに記録を更新することができる。
【0191】
ブロック 940 において、ベースライン基礎インスリン量(BBR)は一時的なオーバーライドに基づいて一時的に修正することができる。例えば、BBR を、ユーザが指向する血糖レベルに BBR がより近く揃うように修正することができる。例えば、BBR を、一時的なオーバーライドが正常な血糖レベルよりも低いことを示す場合に、より高く調節することができる。別の例として、BBR を、一時的なオーバーライドが正常な血糖レベルよりも高いことを示す場合には、より低く調節することができる。ある場合では、ブロック 920 からの一時的なオーバーライドを受け取り、及びプロファイルのセットを生成する前に前記 BBR を修正することができ、又は一時的なオーバーライドの受け取り後、及び/又は前記 BBR を変更後にプロファイルのセットを更新することができる。
【0192】
ブロック 950 において、プロファイルのセットからどのプロファイルが、昼間時間期間中にユーザが指向する血糖レベルに近似するかについての決定を行うことができる。例えば、各プロファイルに基づいて、様々な時点の予測血糖レベルを予測することができる。ユーザが指向する血糖レベルからの変動を、例えば、経時的な変化を累積し、ユーザが指向する血糖レベルから最も低い変動を有するプロファイルを見つけることによって、分析することができる。これら及び他の場合、インスリンのデリバリ動作の基礎として、ユーザが指向する血糖レベルに最も近似するプロファイルを選択することができる。
【0193】
ブロック 960 において、選択されたプロファイルの次の動作に基づいてインスリンをデリバリすることができる。例えば、選択された所与のプロファイルは、4 時間にわたる 16 回のデリバリ動作を有することがあり、インスリンをデリバリするために 16 回の動作のうちの最初の動作が取られることがある。ある場合では、ブロック 960 は、選択されたプロファイル内の次の動作に従ってインスリンをデリバリするためにポンプに提供されるメッセージを生成するコントロール回路又は別のコントロール・デバイスを含むことができる。
【0194】
ブロック 970 において、前記記録を定期的に医療専門家に提供することができる。例えば、ブロック 930 で生成及び/又は更新された記録は、電子メール、テキスト・メッセージ、アプリケーションを介して、などを使用して医療専門家に送られ、その結果、医療専門家は PWD に発生したオーバーライドを検討することができる。
【0195】
ブロック 980 において、前記記録を解析して、前記一時的なオーバーライドにパターンが存在するかどうかを判定することができる。例えば、PWD は、運動をする毎月曜日、水曜日、金曜日の午後 6 時から午後 7 時まで、一時的なオーバーライドを入力することができる。別の例として、PWD は、仕事から車で帰宅する月曜日から金曜日の午後 5 時 30 分から午後 6 時 15 分まで、一時的なオーバーライドを入力することができる。このようなオーバーライドのパターンを見つけるためにログを解析することができる。
【0196】
ブロック 990 において、ベースライン基礎インスリン量を、パターンに基づいて所与の昼間期間について修正することができる。ブロック 980 で与えられた第1の例に従うと、本明細書の方法及びシステムは、月曜日、水曜日及び金曜日の午後 6 時から午後 7 時の間、それらの時間期間に発生する繰り返されたオーバーライドに基づいて、BBR を調節することができる。ブロック 980 で与えられた第2の例に従うと、本明細書の方法及びシステムは、月曜日から金曜日の午後 5 時 30 分から午後 6 時 15 分まで、その時間期間にわたり繰り返されたオーバーライドに基づいて、BBR を調節することができる。
【0197】
本明細書の範囲から逸脱することなく、方法 900 に対して、修正、追加、又は省略を行うことができる。例えば、方法 900 の動作を、異なる順序で実施することができる(例えば、ブロック 920 をブロック 910 の後に実行することができ、及び/又はブロック 970 及び/又は 980 をブロック 930 の後の任意の時間に実行することができる)。追加的に又は代替的に、2つ以上の動作を同時に実行することができる。更に、概説された操作及び動作は例として提供され、いくつかの操作及び動作は任意選択的であり(例えば、ブロック 930、940、970、980 及び/又は 990)、少数の操作及び動作に結合されるか、又は開示される実施形態の本質を損なうことなく追加の操作及び動作に拡張され得る。
【0198】
本明細書で説明される実施形態は、以下により詳細に説明するように、様々なコンピュータ・ハードウェア又はソフトウェア・モジュールを含む専用又は汎用のコンピュータの使用を含むことができる。
【0199】
本明細書に記載された実施形態は、コンピュータ実行可能な命令又はデータ構造を保持又は保存させるためのコンピュータ可読メディアを使用して実施することができる。そのようなコンピュータ可読メディアは、汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能メディアであって良い。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読メディアは、非一時的なコンピュータ可読記憶メディアを含むことができ、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory (EEPROM))、コンパクト・ディスク・リードオンリー・メモリ(Compact Disc Read-Only Memory(CD-ROM))又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶デバイス、フラッシュ・メモリ・デバイス(例えば、固体メモリ・デバイス)、又はコンピュータ実行可能な命令若しくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを保持若しくは格納するのに使用することができ、及び汎用又は専用コンピュータによってアクセスすることができる、他の如何なる保存媒体などを含むことができる。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読メディアの範囲内に含むことができる。
【0200】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は専用プロセシング・デバイス(例えば、1つ以上のプロセッサ)に、特定の機能又は機能群を実行させる命令及びデータを含む。ここでの主題は、構造的特徴及び/又は方法論的作用に対して特有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲に定義された主題は、必ずしも上述の特定の特徴又は作用に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴及び作用は、請求項を実施する例示的な形態として開示される。
【0201】
本明細書で使用する用語「モジュール」又は「コンポーネント」は、モジュール若しくはコンポーネントの動作を実行するように構成された特定のハードウェアの実施形態、並びに/又は、コンピューティング・システムの汎用目的のハードウェア(例えば、コンピュータ可読メディア、プロセシング・デバイスなど)上に保存されることがある、及び/若しくはコンピューティング・システムの汎用目的のハードウェアによって実行されることがある、ソフトウェア・オブジェクト若しくはソフトウェア・ルーチンのことをいうことがある。ある実施形態では、本明細書で説明されている様々なコンポーネント、モジュール、エンジン、及びサービスを、コンピューティング・システム上で(例えば、別々のスレッドとして)実行するオブジェクト又はプロセスとして実施することができる。本明細書に記載されたシステム及び方法のいくつかは、一般に、ソフトウェア(汎用ハードウェアによって保存及び/又は実行される)で実施されるものとして説明されているが、特定のハードウェアによる実施又はソフトウェアと特定ハードウェアの組み合わせによる実施も可能であり、期待される。本明細書では、「コンピューティング・エンティティ(computing entity)」は、本明細書で前に定義した任意のコンピューティング・システム、又はコンピューティング・システム上で動作する任意のモジュール又はモジュールの組み合わせであってもよい。
【0202】
本明細書(特許請求の範囲を含む)に記載された範囲は、可能な限り広範な解釈が可能であると考えられる。例えば、明示的に言及しない限り、範囲はそれらの終点を含む(例えば、「X と Y との間」の範囲は X と Y を含む)。更に、「約(approximately)」又は「約(about)」という用語を使用して記載された範囲は、当業者の理解と一致する最も広い意味を有すると理解されるべきである。更に、用語「約(approximately)」には、10% 又は 5% 以内の、又は製造上又は一般的な許容範囲内のいかなるものも含まれる。
【0203】
本明細書に列挙されたすべての例及び条件を含ませた言葉使いは、読者が本発明の開示を理解するのを助けるための教育的なものであり、発明者が技術を促進することに寄与する概念は、そのような特定して列挙した例や条件に限定されることなく、解釈されるべきである。本開示の実施形態を詳細に説明してきたが、本明細書の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換及び調節を行うことができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9