(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の畳表は、その上下に異なるイグサを使用するものであり、片面にはほとんど1種のイグサが出るように構成されているため、使用による畳表の摩耗や、畳表に飲食物等をこぼした際のシミが残った場合に、その摩耗跡や汚れ跡が目立ち、畳表の質感を損なうおそれがある。また、特許文献2に記載の製品では、柄要素が部分的に異なるように構成されているため、各柄要素に摩耗跡や汚れ跡が目立ち、製品の質感と共に意匠性を損なうおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、畳表の材料として用いられる畳表用パイプの構成に工夫を加えることにより、使用による畳表の摩耗や、畳表に飲食物等をこぼした際のシミが残った場合であっても、その摩耗跡や汚れ跡を目立ち難くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明では、3色以上の畳表用パイプを用いることとした。
【0007】
具体的には、第1の発明は、多色織り畳表に係り、互いに色調が近似した
、最も色調の濃い濃色と、最も色調の薄い薄色と、該濃色及び薄色の間の少なくとも1つの中間色とからなる3色以上の畳表用パイプで織られて
おり、前記濃色の畳表用パイプの摩耗前後における色差ΔEは、該濃色の畳表用パイプの色と、該濃色の畳表用パイプの色に比べて色調の薄い前記中間色の畳表用パイプの色との色差ΔEと同等、又はそれよりも小さく、且つ前記中間色の畳表用パイプの摩耗前後における色差ΔEは、該中間色の畳表用パイプの色と、該中間色の畳表用パイプの色に比べて色調の薄い前記薄色の畳表用パイプの色との色差ΔEと同等、又はそれよりも小さいことを特徴とする。
【0008】
第1の発明では、多色織り畳表は、互いに色調が近似した
濃色と、薄色と、濃色及び薄色の間の少なくとも1つの中間色とからなる3色以上の畳表用パイプで織られているため、摩耗跡や汚れ跡を目立ち難くすることができる。
また、濃色の畳表用パイプの摩耗前後における色差ΔEは、濃色の畳表用パイプの色と、濃色の畳表用パイプの色に比べて色調の薄い中間色の畳表用パイプの色との色差ΔEと同等、又はそれよりも小さく、且つ中間色の畳表用パイプの摩耗前後における色差ΔEは、中間色の畳表用パイプの色と、中間色の畳表用パイプの色に比べて色調の薄い薄色の畳表用パイプの色との色差ΔEと同等、又はそれよりも小さいため、摩耗跡をより一層目立ち難くすることができる。
【0009】
第
2の発明は、第
1の発明において、前記畳表用パイプのうち、配合割合が最も大きい基準畳表用パイプの基準色は、該基準畳表用パイプ以外の他の畳表用パイプに比べて、最も色調の濃い
濃色であることを特徴とする。
【0010】
第
2の発明では、多色織り畳表が摩耗した場合であっても、基準色が色調の薄い色に近似するため、摩耗跡をさらに目立ち難くすることができる。
【0011】
第
3の発明は、第
1の発明において、前記畳表用パイプのうち、配合割合が最も大きい基準畳表用パイプの基準色は、該基準畳表用パイプ以外の他の畳表用パイプに比べて、最も色調の薄い
薄色であることを特徴とする。
【0012】
第
3の発明では、多色織り畳表が摩耗した場合であっても、色調の濃い色が基準色に近似するため、摩耗跡をさらに目立ち難くすることができる。
【0013】
第
4の発明は、第
1の発明において、前記畳表用パイプのうち、配合割合が最も大きい基準畳表用パイプの基準色は、該基準畳表用パイプ以外の他の畳表用パイプのうち、最も色調の濃い
濃色と、最も色調の薄い
薄色との間の中間色であることを特徴とする。
【0014】
第
4の発明では、多色織り畳表が摩耗した場合であっても、基準色が最も色調の薄い
薄色に近似すると共に、最も色調の濃い
濃色が基準色に近似するため、摩耗跡をさらに目立ち難くすることができる。
【0015】
第
5の発明は、第
2〜第
4の発明の何れか1つにおいて、前記基準畳表用パイプの配合割合が34〜80%であり、前記他の畳表用パイプの配合割合がそれぞれ10〜33%であることを特徴とする。
【0016】
第
5の発明では、各畳表用パイプが所定の配合割合で構成されているため、ランダム調の外観が形成された意匠性の高い畳表を得ることができる。
【0017】
第
6の発明は、第1〜第
5の発明の何れか1つにおいて、前記畳表用パイプは、筒状抄繊糸で構成されていることを特徴とする。
【0018】
第
6の発明では、畳表用パイプが筒状抄繊糸のみで構成されているため、畳表の耐摩耗性能及び耐汚染性能の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上に説明したように、本発明によれば、使用による畳表の摩耗や、畳表に飲食物等をこぼした際のシミが残った場合であっても、その摩耗跡や汚れ跡を目立ち難くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0022】
<実施形態1>
(多色織り畳表)
図1及び
図2は、本実施形態に係る多色織り畳表10を示す。この多色織り畳表10は、互いに色調が近似した3色の畳表用パイプ1,2,3を用い、様々な織り方で機織又は編織されたものである。なお、畳表用パイプ1,2,3は中空の糸状物であり、筒状抄繊糸で構成されている。
【0023】
筒状抄繊糸は、一定幅で長尺のテープをスパイラル状に巻きつつ撚った撚り糸状物に成形されている。なお、畳表用パイプ1,2,3は、筒状抄繊糸の他に、例えば、天然イ草、合成樹脂、上記テープを撚って紙紐(不図示)、樹脂による模造イ草等を用いることもできる。
【0024】
上記テープは、製造上適度な引張強力があり、伸度が低く、且つその端から巻込んで撚り糸状、又はその端から撚り込んで紙紐状に成形可能な適度な可撓性を有するものであれば、特にその素材が限定されない。テープの素材としては、例えば、針葉樹の木質繊維を主体とするパルプを秤量15〜35g/m
2程度で抄造した紙、可撓性樹脂からなるフイルム状物、シート状物、アルミ箔等の金属からなるフイルム状物、シート状物等を用いることができる。テープ幅は、例えば15〜40mm程度である。
【0025】
また、筒状抄繊糸は、例えば、その外径が0.7〜1.5mm程度であり、その中央部分には、必要に応じて、口径が0.2〜0.8mm程度の空洞が設けられている。筒状抄繊糸の巻数は、例えば4〜15巻程度に設定されている。
【0026】
また、筒状抄繊糸や紙紐は、必要に応じて、薄い緑色、濃い緑色、焦げ茶色、黒、黄色、その他さまざまな色に着色される。着色は、着色されたテープを用いるが、筒状抄繊糸に着色してもよい。これにより、所望の色に着色された筒状抄繊糸からなる畳表用パイプが得られる。そして、これら各色の畳表用パイプのうち、互いに色調が近似した3色の畳表用パイプ1,2,3で織ることで、多色織り畳表10を製造することができる。この多色織り畳表10は、その表面が3色の畳表用パイプ1,2,3により構成されて3色が混ざることで、摩耗やシミが残った場合であっても、その摩耗跡や汚れ跡が目立ち難くなる。
【0027】
また、筒状抄繊糸や紙紐の表面には、必要に応じて、例えば、浸漬法、吹き付け法、流し塗り法等によって撥水撥油処理が施される。この撥水撥油処理が施された筒状抄繊糸で畳表用パイプ1,2,3を構成することにより、多色織り畳表10の耐汚染性能が向上する。
【0028】
また、筒状抄繊糸や紙紐は、一般的に天然イ草と比較して強度に優れるため、筒状抄繊糸のみで畳表用パイプ1,2,3を構成することにより、多色織り畳表10の耐摩耗性能が向上する。
【0029】
ここで、本実施形態では、3色の畳表用パイプ1,2,3のうち、配合割合が最も大きい基準畳表用パイプ1の配合割合は34〜80%であり、基準畳表用パイプ1以外の他の畳表用パイプ2,3の配合割合はそれぞれ10〜33%である。このように、基準畳表用パイプ1と他の畳表用パイプ2,3との配合割合をそれぞれ所定の範囲に調整することにより、ランダム調の外観を有する多色織り畳表10が得られる。
【0030】
各畳表用パイプ1,2,3の配合割合は、例えば、各畳表用パイプ1,2,3の本数で調整することができる。より具体的には、例えば、2本の基準畳表用パイプ1と、各1本の他の畳表用パイプ2,3とからなる4本の畳表用パイプ1,1,2,3を組み合わせて多色織り畳表10を製造する場合、得られた多色織り畳表10における基準畳表用パイプ1の配合割合は50%になり、他の畳表用パイプ2,3の配合割合はそれぞれ25%になる。
【0031】
また、本実施形態では、基準畳表用パイプ1の基準色は、他の畳表用パイプ2,3のうち、最も色調の濃い色(以下「濃色」ともいう)と、最も色調の薄い色(以下「薄色」ともいう)との間の中間色である。この場合、多色織り畳表10が摩耗した場合であっても、基準畳表用パイプ1の基準色が他の畳表用パイプ2の薄色により一層近似すると共に、他の畳表用パイプ3の濃色が基準畳表用パイプ1の基準色により一層近似するため、摩耗跡が目立ち難くなる。
【0032】
また、本実施形態では、畳表用パイプ1,2,3の摩耗前後における各色差ΔEは、対応する畳表用パイプ1,2,3の色と、該畳表用パイプ1,2,3の色に比べて色調の薄い色との色差(以下「畳表用パイプ間の色差」ともいう)ΔEと同等、又はそれよりも小さい。
【0033】
より具体的には、中間色(基準色)の基準畳表用パイプ1の摩耗前後における色差ΔEは、該中間色と、該中間色に比べて色調の薄い畳表用パイプ2の色(薄色)との色差ΔEよりも小さく、且つ濃色の畳表用パイプ3の摩耗前後における色差ΔEは、該濃色と、該濃色に比べて色調の薄い基準畳表用パイプ1の中間色との色差ΔEよりも小さい。
【0034】
換言すると、多色織り畳表10は、畳表用パイプ1,2,3の摩耗前後における各色差ΔEに比べて、対応する畳表用パイプ間の色差ΔEが大きくなるように、畳表用パイプ1,2,3の色がそれぞれ調整されている。これにより、多色織り畳表10では、摩耗前後における畳表用パイプ1,2,3の色の変化が目立ち難くなり、その結果、摩耗跡がより一層目立ち難くなる。
【0035】
なお、色差ΔEは、所望の色に着色された筒状抄繊糸からなる各畳表用パイプ1,2,3で織られた1色織り畳表の表面を後述する実施例に記載の方法に基づいて測定した色の明度(L)、色相と彩度を示す色度(a,b)から、下記の数式(1)により算出した値である。
【0036】
[数1]
ΔE
*ab=[(ΔL
*)
2+(Δa
*)
2+(Δb
*)
2]
1/2 (1)
なお、畳表用パイプ間の色差ΔEを算出する場合、数式(1)中のΔL
*、Δa
*、Δb
*は、それぞれ、第1の畳表用パイプ(本実施形態では、基準畳表用パイプ1)の色のL
*、a
*、b
*値と、第2,第3,…の畳表用パイプ(本実施形態では、他の畳表用パイプ2,3)の色のL
*、a
*、b
*値との明度差、色度差を示す。また、摩耗前後における色差ΔEを算出する場合、数式(1)中のΔL
*、Δa
*、Δb
*は、それぞれ、畳表用パイプ1,2,3における摩耗部のL
*、a
*、b
*値と、摩耗部以外の部分(非摩耗部)のL
*、a
*、b
*値との明度差、色度差を示す。
【0037】
(多色織り畳表の製造方法)
3色の筒状抄繊糸からなる畳表用パイプ1,2,3を製織することにより、本発明に係る多色織り畳表10を製造することができる。なお、畳表用パイプ1,2,3の製織は、市販の織機、例えば、〔電子ジャガード式織込花ゴザ織機(合資会社浅越機械製作所製、RFC−22HV型(化学表))〕を使用して行う。
【0038】
上記製造方法により得られた多色織り畳表10は、
図2に示すように、例えば、柔軟性を有するホットメルト等の接着剤層4を介して基布5の表面全面に接着することもできる。これによって、畳表の解れを防止できる。なお、基布5は、例えば、オレフイン、PVC、PET等の一般的に使用される樹脂素材の織布又は不織布で形成されたものである。基布5の厚みは、例えば0.5〜1.0mm程度である。
【0039】
(効果)
以上のように構成される多色織り畳表10は、互いに色調が近似した3色の畳表用パイプ1,2,3で織られているため、該畳表10の表面は該3色が混ざることで、通常の和紙畳表や、1色又は2色の畳表用パイプで織られた畳表と比較して、摩耗跡や汚れ跡を目立ち難くすることができる。
【0040】
また、3色の畳表用パイプ1,2,3の色調が互いに近似しているため、意匠的に違和感のない外観を有する多色織り畳表10を得ることができる。
【0041】
また、畳表用パイプ1,2,3はいずれも撥水撥油処理が施された筒状抄繊糸で構成されているため、該畳表用パイプ1,2,3で織られた多色織り畳表10は、耐摩耗性能及び耐汚染性能にも優れる。
【0042】
また、畳表用パイプ1,2,3の摩耗前後における各色差ΔEは、対応する畳表用パイプ1,2,3の色と、該畳表用パイプ1,2,3の色に比べて色調の薄い色との各色差ΔEと同等、又はそれよりも小さいため、摩耗跡をより一層目立ち難くすることができる。
【0043】
また、基準畳表用パイプ1の配合割合は34〜80%であり、他の畳表用パイプ2,3の配合割合はそれぞれ10〜33%であるため、ランダム調の外観が形成された意匠性の高い畳表を得ることができる。
【0044】
<その他の実施形態>
上記実施形態1では、互いに色調が近似した3色の畳表用パイプ1,2,3が用いられているが、これに限定されず、該3色以外に、該3色と色調が近似した畳表用パイプ、及び/又は該3色とは色調が異なる畳表用パイプがさらに用いられていてもよい。また、色調が異なる畳表用パイプを用いて、多色織り畳表10に様々な模様を描くこともできる。
【0045】
上記実施形態1では、畳表用パイプ1,2,3が筒状抄繊糸のみで構成されているが、これに限定されず、必要に応じて、組み合わせる筒状抄繊糸の色と色調が近似した色に着色された紙紐や合成樹脂製の模造イ草が畳表用パイプに含まれていてもよい。また、互いに緑色系の色調に近似した3色以上の畳表用パイプを構成する場合、天然イ草や合成樹脂製の模造イ草が該畳表用パイプに含まれていてもよい。
【0046】
上記実施形態1では、基準畳表用パイプ1の基準色は、中間色であるが、これに限定されず、濃色(他の畳表用パイプ2,3に比べて、最も色調の濃い色)であってもよく、薄色(他の畳表用パイプ2,3に比べて、最も色調の薄い色)であってもよい。但し、摩耗跡や汚れ跡をより一層目立ち難くする観点から、基準色は、好ましくは中間色である。なお、基準色が濃色であれば、多色織り畳表10が摩耗した場合であっても、基準色が他の2色(中間色及び薄色)に近似するため、摩耗跡が目立ち難くなる。一方、基準色が薄色であれば、多色織り畳表10が摩耗した場合であっても、他の2色(中間色及び濃色)が基準色に近似するため、摩耗跡が目立ち難くなる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は例示であり、本発明を何ら限定しない。
【0048】
(1)1色織り畳表の製造
多色織り畳表の材料として用いられる、緑色系、灰色系、茶色系、及び黒色系の色調が互いに近似するように所望の色に着色された筒状抄繊糸からなる各畳表用パイプを、織り込み密度0.85kg/m
2で、電子ジャガード式織込花ゴザ織機(合資会社浅越機械製作所製、RFC−22HV型(化学表)により製織することにより、1色織り畳表1〜10を製造した。なお、各筒状抄繊糸の外径は、約1.0〜1.1mmである。
【0049】
(2)畳表用パイプ間の色差ΔEの算出
上記で得られた1色織り畳表1〜10の表面のL
*、a
*、b
*値を色彩色差計〔コニカミノルタ(株)製、型式:CM−600d〕により測定した。なお、測定条件は標準光源D65、視野角10°とした。測定後、畳表用パイプ間の色差ΔEを上記数式(1)により算出した。その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
(3)多色織り畳表の製造
畳表用パイプ1〜10(上記1色織り畳表1〜10と同じ番号を付す。以下同じ。)として、表1に示す、互いに緑色系の色調に近似した3色の畳表用パイプ1〜3、互いに灰色系の色調に近似した3色の畳表用パイプ4〜6、互いに茶色系の色調に近似した3色の畳表用パイプ7〜9、互いに黒色系の色調に近似した3色の畳表用パイプ8,10及び5をそれぞれ用い、上記と同様にして、多色織り畳表1〜4を製造した。より具体的には、各色調において、表1に示す基準畳表用パイプ(基準色:中間色)を2本とし、他の畳表用パイプ(濃色及び薄色)を各1本とする合計4本の畳表用パイプを組み合わせて用いることにより、基準畳表用パイプの配合割合が50%であり、他の畳表用パイプの各配合割合が25%である多色織り畳表1〜4を製造した。
【0052】
(4)耐摩耗試験
JIS L−0849の摩擦に対する染色堅牢度試験方法に準拠し、学振型摩耗試験機を用いて、上記で得られた多色織り畳表1〜4(実施例1〜4)、及び1色織り畳表1〜10(比較例1〜10)の各表面を擦った。耐摩耗試験後、1色織り畳表1及び4〜10の各表面における摩耗部のL
*、a
*、b
*値を上記と同様にして測定した。測定後、1色織り畳表1及び4〜10で用いられた各畳表用パイプの摩耗部の色と、摩耗部以外の部分の色との色差(即ち、摩耗前後における色差)ΔEを上記数式(1)により算出した。その結果を表2に示す。また、耐摩耗試験後における、多色織り畳表4(実施例4)及び1色織り畳表10(比較例10)の表面をデジタルカメラで撮影した写真をそれぞれ
図3及び
図4に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
(5)耐汚染性試験
多色織り畳表1〜4(実施例1〜4)、1色織り畳表1,4,7,8(比較例1,4,7,8:各色調の中間色)、及び通常のイ草畳表(比較例11)の各表面に、砂糖とミルク入りのコーヒーを汚染物質として約1mL滴下した。所定時間経過後、アルカリイオン水で汚染物質を拭き取り、拭き取り後の各畳表のシミ(汚れ跡)の程度を目視で3段階(○:汚れ跡なし,△:薄い汚れ跡あり,×:汚れ跡あり)に評価した。その結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
(まとめ)
図3及び
図4より、多色織り畳表4(実施例4)は、この多色織り畳表4に用いられ、耐摩耗性能に優れる畳表用パイプ(濃色:墨染色)で織られた1色織り畳表10(比較例10)と比べて、摩耗跡が目立ち難いことが分かる。
【0057】
ここで、多色織り畳表4(黒色系)では、表2に示す中間色(栗色)の基準畳表用パイプ8の摩耗前後における色差ΔE(7.35)は、表1に示す基準畳表用パイプ8の基準色(中間色:栗色)と、それよりも色調の薄い他の畳表用パイプ5の薄色(銀鼠色)との色差ΔE(23.65)よりも小さい。また、表2に示す濃色(墨染色)の畳表用パイプ10の摩耗前後における色差ΔE(5.78)は、表1に示す畳表用パイプ10の濃色(墨染色)と、それよりも色調の薄い基準畳表用パイプ8の基準色(栗色)との色差ΔE(5.99)よりも若干小さい。これにより、多色織り畳表4では、摩耗前後における畳表用パイプ8,10及び5の色の変化が目立ち難くなり、その結果、摩耗跡が目立ち難くなるものと考えられる。
【0058】
なお、多色織り畳表4は、この多色織り畳表4に用いられている基準畳表用パイプ8(中間色:栗色)で織られた1色織り畳表8(比較例8)と比べても、摩耗跡が目立ち難いことが分かった。
【0059】
また、他の多色織り畳表1〜3(実施例1〜3)についても、この多色織り畳表1〜3に用いられている畳表用パイプで織られた1色織り畳表と比べて、摩耗跡が目立ち難いことが分かった。
【0060】
以上により、表1及び表2の結果から、多色織り畳表では、表2に示す中間色(基準色)の畳表用パイプの摩耗前後における色差ΔEは、表1に示す中間色及び薄色の畳表用パイプ間の色差ΔEよりも小さく、且つ表2に示す濃色の畳表用パイプの摩耗前後における色差ΔEは、表1に示す濃色及び中間色の畳表用パイプ間の色差ΔEよりも小さいことが分かった。
【0061】
また、これら多色織り畳表では、それぞれ値の異なる摩耗前後における色差ΔEを有するため、該色差ΔEが大きい(換言すると、摩耗前後における色の変化が大きい)畳表用パイプが含まれている場合であっても、摩耗部の3色と摩耗部以外の部分の3色とが混ざることで、該畳表用パイプの色の変化が目立ち難くなり、その結果、摩耗跡が目立ち難くなるものと考えられる。
【0062】
表3より、多色織り畳表1〜4(実施例1〜4)は、耐汚染性能に優れる畳表用パイプで織られているため、イ草畳表(比較例11)と比べて、汚れ跡が目立ち難いことが分かる。また、多色織り畳表1〜4は、畳表用パイプで織られた1色織り畳表1,4,7及び8(比較例1,4,7及び8)と比べて、汚れ跡がより一層目立ち難いことが分かる。なお、7時間経過後の評価結果において、多色織り畳表1〜4は、1色織り畳表1,4,7及び8と同じ「△」になっているが、その汚れ跡は、1色織り畳表1,4,7及び8と比べて薄く、より一層目立ち難いことが分かった。
【0063】
これは、畳表の表面にシミ等が付着して色の変化が生じた場合であっても、多色織り畳表1〜4では、シミが付着した部分の3色とそれ以外の部分の3色とが混ざり、シミ周辺の各畳表用パイプの色の変化が互いに目立ち難くなり、その結果、汚れ跡が目立ち難くなるものと考えられる。