特許第6876085号(P6876085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876085
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】型締装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/67 20060101AFI20210517BHJP
   B29C 33/24 20060101ALI20210517BHJP
【FI】
   B29C45/67
   B29C33/24
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-66631(P2019-66631)
(22)【出願日】2019年3月29日
(65)【公開番号】特開2020-163707(P2020-163707A)
(43)【公開日】2020年10月8日
【審査請求日】2020年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227054
【氏名又は名称】日精樹脂工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】依田 穂積
(72)【発明者】
【氏名】星野 智
(72)【発明者】
【氏名】大久保 浩男
(72)【発明者】
【氏名】村田 敦
(72)【発明者】
【氏名】戸澤 啓一
【審査官】 ▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0237851(US,A1)
【文献】 特開2017−100301(JP,A)
【文献】 特開平08−336870(JP,A)
【文献】 特開平04−224910(JP,A)
【文献】 特開平05−200816(JP,A)
【文献】 特開2018−058314(JP,A)
【文献】 特開2018−140612(JP,A)
【文献】 特開2014−065307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
B29C 33/00−33/76
B22D 15/00−17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、このベースに固定され固定型を支える固定盤と、前記固定型に対応する可動型を支える可動盤と、前記固定型と前記可動型を型締めする型締手段と、前記固定盤から延びて前記可動盤及び前記型締手段を貫通する上下のタイバーと、前記タイバーに前記型締手段をロック状態にするハーフナットとを備えている型締装置であって、
この型締装置は、前記タイバーの先端部を支えるシャフト支持板を更に備えると共に、このシャフト支持板と前記可動盤とに掛け渡され前記可動盤を早送りする早送り手段を更に備えており、
前記シャフト支持板は、前記タイバーの先端部に固定されると共に前記ベースに移動可能に載せられ、
前記早送り手段は、前記シャフト支持板側から見て、左右に一対配置され、
前記一対の早送り手段の一方は、前記上下のタイバーの中間位置より上に配置され、前記一対の早送り手段の他方は、前記上下のタイバーの中間位置より下に配置されていることを特徴とする型締装置。
【請求項2】
ベースと、このベースに固定され固定型を支える固定盤と、前記固定型に対応する可動型を支える可動盤と、前記固定型と前記可動型を型締めする型締手段と、前記固定盤から延びて前記可動盤及び前記型締手段を貫通する上下のタイバーと、前記タイバーに前記型締手段をロック状態にするハーフナットとを備えている型締装置であって、
この型締装置は、前記タイバーの先端部を支えるシャフト支持板を更に備えると共に、このシャフト支持板と前記可動盤とに掛け渡され前記可動盤を早送りする早送り手段を更に備えており、
前記シャフト支持板は、前記ベースに固定されると共に前記タイバーの先端部が貫通する貫通穴を備え、前記貫通穴に挿入した前記タイバーが前記シャフト支持板に移動可能に支持され、
前記早送り手段は、前記シャフト支持板側から見て、左右に一対配置され、
前記一対の早送り手段の一方は、前記上下のタイバーの中間位置より上に配置され、前記一対の早送り手段の他方は、前記上下のタイバーの中間位置より下に配置されていることを特徴とする型締装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の型締装置であって、
前記シャフト支持板は、前記ベースから上へ延びる一対の柱部と、横に延びて前記柱部の上部同士を繋ぐ上部クロスメンバーと、横に延びて前記柱部の高さ方向中間部同士を繋ぐ下部クロスメンバーとを有していることを特徴とする型締装置。
【請求項4】
請求項3記載の型締装置であって、
前記柱部の下端に、底面視で、前記柱部の断面積より大きな底面積のシューを備えていることを特徴とする型締装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を型締めする型締装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形装置は、射出装置と型締装置とを要部とする。射出装置で金型へ樹脂材料を射出するが、射出圧で金型が開かないようにする必要がある。そこで、型締装置で金型を型締めする。
【0003】
従来、型締装置として、各種の形態のものが知られている(例えば、特許文献1(図1)参照)。
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図8は従来の技術の基本構成を説明する図であり、型締装置100は、ベース101と、このベース101の図右端に固定される固定盤102と、この固定盤102に対応してベース101に載せられる可動盤103と、この可動盤103を固定盤102へ押しだす型締シリンダ104と、固定盤102から延びて可動盤103及び型締シリンダ104を貫通するタイバー105と、ベース101の図左端に固定されるタイバー105の先端を支持するシャフト支持板106とを備えている。
【0005】
固定盤102は、金型を構成する固定型107を支える。
可動型103は、金型を構成する可動型108を支える。
型締シリンダ104は、ハーフナット109を備えている。
可動盤103とシャフト支持板106とに、早送りシリンダ111が掛け渡されている。
【0006】
ハーフナット109を解放(アンロック)状態にする。型締シリンダ104において、ピストンロッド104aを軸方向移動可能にする。その上で、早送りシリンダ111により、可動盤103を固定盤102側へ早送りし、固定型107に可動型108を当てる。
次に、ハーフナット109をタイバー105に噛み合わせて、タイバー105に型締シリンダ104をロック状態にする。そして、型締シリンダ104によりピストンロッド104aを前進させる。結果、強い力で固定型107と可動型108が型締めされる。
【0007】
この型締めの際に、固定盤102とハーフナット109との間において、タイバー105が、僅かではあるが引き伸ばされる。すなわち、固定盤102とハーフナット109との距離をL1とすると、L1がL1+α(αは伸び量、正の値)に変化する。
一方、ハーフナット109とシャフト支持板106との間において、ダイバー105が僅かであるが圧縮される。すなわち、ハーフナット109とシャフト支持板106との距離をL2とすると、L2がL2−αに変化する。
【0008】
タイバー105は、引き伸ばされると、外径が小さくなるが、直線性は維持される。
対して、タイバー105は、圧縮されると、線Aのように湾曲して、直線性が維持されなくなる。
タイバー105が湾曲すると、シャフト支持板106が、線Bのように湾曲化する。
【0009】
シャフト支持板106は、タイバー105の先端を支持することを主目的とするが、早送りシリンダ111の基点にもなっているため、湾曲化することは好ましくない。
対策として、シャフト支持板106の厚さ(図面左右方向)を増して、剛性を高めることが考えられる。
厚さを増すとシャフト支持板106が重くなり、型締装置100の重量増加を招く。
【0010】
型締装置の軽量化が求められる中、シャフト支持板の厚さを増すことは、好ましいことではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第2675425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、タイバーの曲がりを防止しつつ、重量増加を抑制することができる型締装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、ベースと、このベースに固定され固定型を支える固定盤と、前記固定型に対応する可動型を支える可動盤と、前記固定型と前記可動型を型締めする型締手段と、前記固定盤から延びて前記可動盤及び前記型締手段を貫通する上下のタイバーと、前記タイバーに前記型締手段をロック状態にするハーフナットとを備えている型締装置であって、
この型締装置は、前記タイバーの先端部を支えるシャフト支持板を更に備えると共に、このシャフト支持板と前記可動盤とに掛け渡され前記可動盤を早送りする早送り手段を更に備えており、
前記シャフト支持板は、前記タイバーの先端部に固定されると共に前記ベースに移動可能に載せられ、
前記早送り手段は、前記シャフト支持板側から見て、左右に一対配置され、
前記一対の早送り手段の一方は、前記上下のタイバーの中間位置より上に配置され、前記一対の早送り手段の他方は、前記上下のタイバーの中間位置より下に配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、ベースと、このベースに固定され固定型を支える固定盤と、前記固定型に対応する可動型を支える可動盤と、前記固定型と前記可動型を型締めする型締手段と、前記固定盤から延びて前記可動盤及び前記型締手段を貫通する上下のタイバーと、前記タイバーに前記型締手段をロック状態にするハーフナットとを備えている型締装置であって、
この型締装置は、前記タイバーの先端部を支えるシャフト支持板を更に備えると共に、このシャフト支持板と前記可動盤とに掛け渡され前記可動盤を早送りする早送り手段を更に備えており、
前記シャフト支持板は、前記ベースに固定されると共に前記タイバーの先端部が貫通する貫通穴を備え、前記貫通穴に挿入した前記タイバーが前記シャフト支持板に移動可能に支持され、
前記早送り手段は、前記シャフト支持板側から見て、左右に一対配置され、
前記一対の早送り手段の一方は、前記上下のタイバーの中間位置より上に配置され、前記一対の早送り手段の他方は、前記上下のタイバーの中間位置より下に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の型締装置であって、
前記シャフト支持板は、前記ベースから上へ延びる一対の柱部と、横に延びて前記柱部の上部同士を繋ぐ上部クロスメンバーと、横に延びて前記柱部の高さ方向中間部同士を繋ぐ下部クロスメンバーとを有していることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の型締装置であって、
前記柱部の下端に、底面視で、前記柱部の断面積より大きな底面積のシューを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、シャフト支持板は、タイバーの先端部に固定されると共にベースに移動可能に載せられている。シャフト支持板と型締手段との間でタイバーに圧縮力が加わるときには、シャフト支持板がベース上を移動する。この移動により、圧縮力が解消される。結果、タイバーは湾曲化しない。タイバーが湾曲化しないため、シャフト支持板は湾曲化しない。湾曲化しないため、シャフト支持板の剛性を下げることができ、薄肉化及び軽量化が可能となる。
本発明により、タイバーの曲がりを防止しつつ、重量増加を抑制することができる型締装置が提供される。
加えて、本発明では、一対の早送り手段を対角に配置した。一方の早送り手段はベースから遠くなり、他方の早送り手段はベースから近くなる。両者の距離が異なるため、可動盤を早送りするときに発生が懸念されるしゃくり現象(動きがギクシャクすること)の解消が図れる。
【0018】
請求項2に係る発明では、シャフト支持板は、ベースに固定されると共にタイバーの先端部が貫通する貫通穴を備え、貫通穴に挿入したタイバーがシャフト支持板に移動可能に支持されている。シャフト支持板と型締手段との間でタイバーに圧縮力が加わるときには、シャフト支持板に対してタイバーが移動する。この移動により、圧縮力が解消される。結果、タイバーは湾曲化しない。タイバーが湾曲化しないため、シャフト支持板は湾曲化しない。湾曲化しないため、シャフト支持板の剛性を下げることができ、薄肉化及び軽量化が可能となる。
本発明により、タイバーの曲がりを防止しつつ、重量増加を抑制することができる型締装置が提供される。
加えて、本発明では、一対の早送り手段を対角に配置した。一方の早送り手段はベースから遠くなり、他方の早送り手段はベースから近くなる。両者の距離が異なるため、可動盤を早送りするときに発生が懸念されるしゃくり現象(動きがギクシャクすること)の解消が図れる。
【0019】
請求項3に係る発明では、シャフト支持板は、一対の柱部と、柱部の上部同士を繋ぐ上部クロスメンバーと、柱部の高さ方向中間部同士を繋ぐ下部クロスメンバーとを有している。井桁(いげた)構造体であるため、シャフト支持板の更なる軽量化が図れる。
【0020】
請求項4に係る発明では、柱部の下端に、シューを備えているので、シャフト支持板は安定的に起立する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る型締装置の側面図である。
図2図1の2矢視図である。
図3図1の3矢視図である。
図4】型締装置の作用説明図である。
図5】シューの形態を説明する図である。
図6】早送りシリンダの取付位置を変更した例を説明する図である。
図7】本発明の変更例に係る型締装置の側面図である。
図8】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0023】
図1に示すように、型締装置10は、ベース11と、このベース11の図右端に固定される固定盤12と、この固定盤12に対応してベース11に載せられる可動盤13と、この可動盤13を固定盤12へ押しだす型締手段14と、固定盤12から延びて可動盤13及び型締手段14を貫通するタイバー15と、ベース11の図左端に載せられタイバー15の先端を支持するシャフト支持板30とを備えている。
【0024】
固定盤12は、金型を構成する固定型17を支える。
可動型13は、金型を構成する可動型18を支える。
好ましくは、ベース11にレール19を敷設する。そして、このレール19に、第1スライド21と第2スライダ22を移動可能に載せ、第1スライダ21で可動盤13を支持し、第2スライダ22で型締手段14を支持させる。なお、可動盤13と型締手段14の両方又は一方を、直接ベース11に載せることは差し支えない。
【0025】
また、シャフト支持板30は、直接ベース11に載せる他、レールやスライダを介して間接的にベース11に載せるようにしてもよい。
【0026】
型締手段14は、ハーフナット23を備えている。
タイバー15は、ハーフナット23に対応する箇所に、鋸歯部24を備えている。
好ましくは、型締手段14と可動盤13とに、位置調整用アクチュエータ25を掛け渡す。
また、可動盤13とシャフト支持板30とに、早送り手段26が掛け渡されている。
【0027】
なお、型締手段14は、油圧シリンダが好適であるが、ボールねじを内蔵する電動シリンダやトグル手段であってもよい。
また、位置調整用アクチュエータ25は、ボールねじを内蔵する電動シリンダが好適であるが、油圧シリンダや空圧シリンダであってもよい。
また、早送り手段26は、油圧シリンダが好適であるが、ボールねじを内蔵する電動シリンダであってもよい。
【0028】
図2に示すように、シャフト支持板30は、ベース11から上へ延びる左右一対の柱部31と、横に延びて柱部31の上部同士を繋ぐ上部クロスメンバー33と、横に延びて柱部31の高さ方向中間部同士を繋ぐ下部クロスメンバー34とを有している。
シャフト支持板30は、上部クロスメンバー33と下部クロスメンバー34との間に矩形開口部35を有し、下部クロスメンバー34とベース11との間に横長開口部36を有している。
【0029】
シャフト支持板30は、単純な壁形状に比較して、矩形開口部35及び横長開口部36の分だけ肉抜きが図れ、軽量になる。ただし、シャフト支持板30を、単純な壁形状にすることは差し支えない。
【0030】
また、図2の表裏方向へ移動するシャフト支持板30の移動方向を規定するために、ベース11に、サイドガイド42を設けてもよい。ただし、移動が僅かであるため、サイドガイド42を省くことは差し支えない。
【0031】
図3に示すように、柱部31は、底面視で、下端に柱部31の断面積より大きな底面積のシュー37を備えている。すなわち、柱部31は、図1に示す固定盤12側へ張り出す張り出し部38を備えている。図1において、シャフト支持板30に水平の外力が加わった場合に、張り出し部38を備えているため、倒れにくくなる。
【0032】
以上の構成からなる型締装置10の作用を、図4に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、ハーフナット23を解放(アンロック)状態にする。型締手段14において、ピストンロッド14aを軸方向移動可能にする。その上で、早送り手段26により、可動盤13を固定盤12側へ早送りし、固定型17に可動型18を当てる。
次に、位置調整用アクチュエータ25で、ハーフナット23の山と、鋸歯部24の谷が合致するまで、可動盤13を基準にして、型締手段14を水平に移動する。
【0033】
移動が完了したら、図4(b)に示すように、ハーフナット23を鋸歯部24に噛み合わせて、タイバー15に型締手段14をロック状態にする。次に、型締手段14によりピストンロッド14aを前進させる。結果、固定型17と可動型18が型締めされる。
【0034】
この型締めの際に、固定盤12とハーフナット23との間において、タイバー15が僅かではあるが引き伸ばされる。同時に、ハーフナット23とシャフト支持板30との間において、タイバー15が僅かであるが圧縮されそうになる。
しかし、本発明では、ベース11上をシャフト支持板30が移動するため、圧縮現象は起こらない。圧縮されないため、タイバー15が湾曲化することはなく、シャフト支持板30が湾曲化することもない。
【0035】
図5に基づいて、シュー37の別の形態を説明する。
図5(a)に示すように、張り出し部38を固定盤(図1、符号12)と逆側へ延ばしてもよい。
図5(b)に示すように、張り出し部38を固定盤側と反固定盤側の双方へ延ばしてもよい。
図5(c)に示すように、柱部31の全周を囲うように張り出し部38を設けてもよい。
【0036】
すなわち、図5(a)〜(c)に示すように、柱部31の下端に、柱部31の断面積より大きな底面積のシュー37を備えているため、柱部31はベースに安定して起立する。
なお、図5(d)に示すように、張り出し部38が無い形態でもよい。
【0037】
ところで、図2において、早送りシリンダ26を上下のタイバー15の中間(ほぼ中間を含む。)位置に配置した。希ではあるが、可動盤(図1、符号13)を早送りするときに、しゃくり現象が起こることがある。しゃくり現象は、動きがギクシャクすることである。
【0038】
対策の一例を、図6に基づいて説明する。
図6に示すように、一対の早送りシリンダ26の一方を、上下のタイバー15の中間位置より上に配置し、他方を上下のタイバー15の中間位置より下に配置する。すなわち、一対の早送りシリンダ26を対角に配置する。一方の早送りシリンダ26はベース11から遠くなり、他方の早送りシリンダ26はベース11から近くなる。両者の距離が異なるため、しゃくり現象の解消が図れる。
【0039】
次に、本発明の変更例を、図7に基づいて説明する。なお、図1と共通の要素には図1の符号を流用する。
図7に示す型締装置10は、シャフト支持板30がベース11にボルト39等で固定されている点と、タイバー15がシャフト支持板30を貫通している点が、図1に示す型締装置10と相違する。
【0040】
すなわち、シャフト支持板30は、タイバー15の先端部が貫通する貫通穴41を備え、貫通穴41に挿入したタイバー15がシャフト支持板30に移動可能に支持されている。
【0041】
この型締めの際に、固定盤12とハーフナット23との間において、タイバー15が僅かではあるが引き伸ばされる。同時に、ハーフナット23とシャフト支持板30との間において、タイバー15が僅かであるが圧縮されそうになる。
しかし、本発明では、タイバー15がシャフト支持板30内を移動するため、圧縮現象は起こらない。圧縮されないため、タイバー15が湾曲化することはなく、シャフト支持板30が湾曲化することもない。
【0042】
本発明は、図1及び図7に基づいて説明したように、シャフト支持板30は、タイバー15の軸方向における移動を妨げない。そのため、シャフト支持板30に水平外力が加わることはない。シャフト支持板30は、タイバー15の先端部を支持する役割のみを果たす。シャフト支持板30は、タイバー15の重量の一部を支える役割を果たせばよいので、大きな剛性は求められない。結果、シャフト支持板30は、低剛性で、薄肉で、軽量にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、シャフト支持板を備える型締装置に好適である。
【符号の説明】
【0044】
10…型締装置、11…ベース、12…固定盤、13…可動盤、14…型締手段、15…タイバー、17…固定型、18…可動型、23…ハーフナット、26…早送り手段(早送りシリンダ)、30…シャフト支持板、31…柱部、33…上部クロスメンバー、34…下部クロスメンバー、37…シュー、38…張り出し部、41…貫通穴。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8