特許第6876088号(P6876088)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6876088マイクロリニアスライドレールアセンブリ及びそのスライダー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876088
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】マイクロリニアスライドレールアセンブリ及びそのスライダー
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/06 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
   F16C29/06
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-79295(P2019-79295)
(22)【出願日】2019年4月18日
(65)【公開番号】特開2019-190660(P2019-190660A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2019年8月6日
(31)【優先権主張番号】107113708
(32)【優先日】2018年4月23日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】512304009
【氏名又は名称】直得科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】許 明哲
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3213363(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第0474948(EP,A1)
【文献】 特開平9−264322(JP,A)
【文献】 特開平3−113117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 25/063,47/06
F16H 3/00, 61/00
B60K 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレールと、スライドレール上を跨いで設置されるスライダーと、前記スライドレールと前記スライダーの間に入れられるローリング部材を有するマイクロリニアスライドレールアセンブリの前記スライダーであって、
前記スライダーは、ベース体と、枠フレームと、2個の端とを有し、前記ローリング部材のローリングにより、前記スライドレール上をリニア移動し、
前記ベース体は、プラットフォーム及び前記プラットフォームより延伸する少なくとも1個の駆動脚を有し、前記駆動脚により前記スライドレール上を跨いで摺動可能に設置され、
前記スライドレールの第一負荷レール面と前記駆動脚の第二負荷レール面は、相互に接続し、負荷通路を形成し、前記駆動脚は第一無負荷レール面を有し、前記第一無負荷レール面は、収容設置区を取り囲み、前記収容設置区は、開口を有し、前記開口の幅と、前記ローリング部材の直径とは、等しく、前記開口は、上縁及び下縁を有し、前記ベース体は、前記開口の前記下縁において、前記収容設置区に隣り合う第一係合部を延伸し、前記第一係合部は横方向に延伸する凸部であり、
前記枠フレームは、突出したレール部及び第二係合部を有し、前記レール部上には、第二無負荷レール面を有し、前記第二係合部は凹部であり、前記凸部を収容し、前記枠フレームは、前記第二係合部を通して、前記第一係合部に係合され、前記ベース体上に取り付けられ、これにより前記第一無負荷レール面及び前記第二無負荷レール面は相互に接続し、無負荷通路を形成し、前記枠フレームは、前記第一係合部と前記第二係合部との係合により長手方向に拘束され、
前記2個の前記端蓋は、それぞれ前記ベース体の相対する二端に接続し、これによりUターン通路は前記負荷通路及び前記無負荷通路に連通することを特徴とする、スライダー。
【請求項2】
前記枠フレームは、2個の下方保持部材、及び前記2個の前記下方保持部材の両端に接続し、一体に結合される2個の接続部材を有し、これにより前記2個の前記下方保持部材は弾性展開し、下から上へと前記ベース体上に組み付けられることを特徴とする、請求項1に記載のスライダー。
【請求項3】
前記2個の前記下方保持部材の長さは、前記ベース体の長さより長く、これにより前記端蓋は前記ベース体と前記接続部材の間に組み付けられ、前記枠フレームは、第一固定部により、前記端蓋上の第二固定部上に対応して固定されてそれ以上展開できなくなり、前記ベース体、前記枠フレーム及び前記端蓋は堅固に結合されることを特徴とする、請求項2に記載のスライダー。
【請求項4】
前記枠フレームの第一固定部は、挿入ピンと、孔と、嵌合ブロックを有し、
前記端蓋の第二固定部は、前記挿入ピンに対応する挿入槽と、前記孔に対応する凸柱と、前記嵌合ブロックに対応する嵌合槽とを有し、前記挿入ピンと前記挿入槽の結合方向は、前記スライドレール延伸の軸方向に垂直で、前記孔と前記凸柱の結合方向は、前記スライドレール延伸の軸方向に相同で、前記嵌合ブロックと前記嵌合槽の結合方向は、前記スライドレール延伸の軸方向に垂直であることを特徴とする、請求項3に記載のスライダー。
【請求項5】
前記端蓋を前記枠フレームに組み付けると、前記端蓋の外Uターン通路面と前記挿入ピンの内Uターン通路面とは、相互に対応し、前記Uターン通路を組成することを特徴とする、請求項4に記載のスライダー。
【請求項6】
前記凸部は、横方向に徐々に縮小する形態を呈し、
前記凹部は、前記凸部に相対して、横方向に徐々に広がる形態を呈し、前記凸部を収容することを特徴とする、請求項に記載のスライダー。
【請求項7】
前記第一係合部は、前記スライドレール延伸の軸方向上で、前記ベース体上に全長にわたって設置され、
前記第二係合部は、前記枠フレーム上に相対して全長にわたって設置されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリのスライダー。
【請求項8】
前記ベース体は、前記開口の上縁において、下方へと傾斜する第一停止斜面を有し、また前記第一停止斜面を横方向に延伸し、前記枠フレーム上には、相対する第二停止斜面を有し、
前記枠フレームが前記ベース体上に組み付けられると、前記第一停止斜面と前記第二停止斜面とは相互に停止することを特徴とする、請求項1に記載のスライダー。
【請求項9】
前記端蓋上に位置する貯オイルブロックを有することを特徴とする、請求項1に記載のスライダー。
【請求項10】
スライドレールと、前記スライドレール上を跨いで設置されるスライダーと、前記スライドレールと前記スライダーの間に入れられるローリング部材とを有するマイクロリニアスライドレールアセンブリであって、
前記スライドレールは一方向に沿って延伸し、しかも前記スライドレール上には、第一負荷レール面を有し、
前記スライダーは、ベース体と、枠フレームと、2個の端蓋とを有し、前記ローリング部材のローリングにより、前記スライドレール上をリニア移動し、
前記ベース体は、プラットフォーム、及び前記プラットフォームより延伸する少なくとも1個の駆動脚を有し、前記駆動脚により前記スライドレール上を跨いで摺動可能に設置され、
前記スライドレールの第一負荷レール面と前記駆動脚の第二負荷レール面は、相互に接続し、負荷通路を形成し、前記駆動脚は第一無負荷レール面を有し、前記第一無負荷レール面は、収容設置区を取り囲み、前記収容設置区は、開口を有し、前記開口の幅と前記ローリング部材の直径とは、等しく、前記開口は、上縁及び下縁を有し、前記ベース体は、前記開口の下縁において、前記収容設置区に隣り合う第一係合部を延伸し、前記第一係合部は横方向に延伸する凸部であり、
前記枠フレームは、突出したレール部及び第二係合部を有し、前記レール部上には、第二無負荷レール面を有し、前記第二係合部は凹部であり、前記凸部を収容し、前記枠フレームは、前記第二係合部を通して、前記第一係合部に係合され、前記ベース体上に取り付けられ、これにより前記第一無負荷レール面及び前記第二無負荷レール面は相互に接続し、無負荷通路を形成し、前記枠フレームは、前記第一係合部と前記第二係合部との係合により長手方向に拘束され、
前記2個の前記端蓋は、それぞれ前記ベース体の相対する二端に接続し、これによりUターン通路は前記負荷通路及び前記無負荷通路に連通することを特徴とする、マイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【請求項11】
前記枠フレームは、2個の下方保持部材、及び2個の前記下方保持部材の両端に接続し、一体に結合される2個の接続部材を有し、これにより前記2個の前記下方保持部材は弾性展開し、下から上へと前記ベース体上に組み付けられることを特徴とする、請求項10に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【請求項12】
前記2個の前記下方保持部材の長さは、前記ベース体の長さより長く、これにより前記端蓋は前記ベース体と前記接続部材の間に組み付けられ、前記枠フレームは、第一固定部により、前記端蓋上の第二固定部に対応して固定されてそれ以上展開できなくなり、前記ベース体、前記枠フレーム及び前記端蓋は堅固に結合されることを特徴とする、請求項11に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【請求項13】
前記枠フレームの第一固定部は、挿入ピンと、孔と、嵌合ブロックとを有し、
前記端蓋の第二固定部は、前記挿入ピンに対応する挿入槽と、前記孔に対応する凸柱と、前記嵌合ブロックに対応する嵌合槽とを有し、前記挿入ピンと前記挿入槽の結合方向は、前記スライドレール延伸の軸方向に垂直で、前記孔と前記凸柱の結合方向は、前記スライドレール延伸の軸方向に相同で、前記嵌合ブロックと前記嵌合槽の結合方向は、前記スライドレール延伸の軸方向に垂直であることを特徴とする、請求項12に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【請求項14】
前記端蓋を前記枠フレームに組み付けると、前記端蓋の外Uターン通路面と前記挿入ピンの内Uターン通路面とは、相互に対応し、前記Uターン通路を組成することを特徴とする、請求項13に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【請求項15】
前記凸部は、横方向に徐々に縮小する形態を呈し、
前記凹部は、前記凸部に相対して、横方向に徐々に広がる形態を呈し、前記凸部を収容することを特徴とする、請求項10に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【請求項16】
前記第一係合部は、前記スライドレール延伸の軸方向上で、前記ベース体上に全長にわたって設置され、
前記第二係合部は、前記枠フレーム上に相対して全長にわたって設置されることを特徴とする、請求項10に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【請求項17】
前記ベース体は、前記開口の上縁において、下方へと傾斜する第一停止斜面を有し、また前記第一停止斜面を横方向に延伸し、前記枠フレーム上には、相対する第二停止斜面を有し、
前記枠フレームが前記ベース体上に組み付けられると、前記第一停止斜面と前記第二停止斜面とは相互に停止することを特徴とする、請求項10に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【請求項18】
前記端蓋上に位置する貯オイルブロックを有することを特徴とする、請求項10に記載のマイクロリニアスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロリニアスライドレールアセンブリ及びそのスライダーに関する。
【背景技術】
【0002】
リニアスライドレールアセンブリのスライダーは、ローリング部材により、スライダーとスライドレールの間で循環ローリングを行い、これによりスライダーはスライドレール上で往復運動を行う。
【0003】
ローリング部材が循環ローリングできるようにするため、スライダーは、スライダーとスライドレールの間に負荷通路を形成するとともに、ローリング部材が戻ることができる無負荷通路を形成する必要がある。さらに、スライダー両端の端蓋には、負荷通路と無負荷通路に連通するUターン通路を形成し、封鎖された循環通路を形成する必要がある。
これにより、ローリング部材は循環ローリングを行い、スライダーの往復運動を連動する。
【0004】
通常のスライダーの無負荷通路の組み付け方式は、特許文献1(リニア伝動装置)、及び特許文献2(リニアスライドレール装置)に開示されている。
上記の特許文献のスライダーは、ベース体、枠フレームを有する。ベース体上には、第一無負荷半レールを有する。第一無負荷半レールは、開口を呈し、ローリング部材の取り付けに便利である。枠フレームは、第二無負荷半レールを有する。枠フレームをベース体上に組み付け、これにより、第一無負荷半レール及び第二無負荷半レールは接続し、無負荷通路を形成する。
上記の構造において、枠フレームとベース体の組み付けは、ボルトを使用して固定する必要がある。しかし、マイクロスライダーに使用する時には、ベース体及び枠フレームの体積が小さいため、ボルトを螺合する堅固な平面を探すことは難しい。
【0005】
そのため、マイクロスライダー中において、枠フレームをベース体上に組み付けるには、ボルトを使用する以外の代替技術が必要である。
特許文献3(直線運動装置)では、そのような代替技術の一つが開示されている。特許文献3の枠フレームは、各構成部材上で、相互に係合する構造を用いて、ベース体上に結合する。
しかし、この種の方式では、枠フレームの構成部材が多く、しかも形状が複雑なため、射出成形製造が容易でなく、しかもマイクロスライダー上に使用する時には、組み付けが不便である、という欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中華民国特許第I535944号明細書
【特許文献2】欧州特許第EP0474948号明細書
【特許文献3】欧州特許第EP0494682号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記先行技術には、ボルトを螺合する堅固な平面が探し難く、また枠フレームの構成部材の射出成形製造が容易でなく、しかもマイクロスライダー上に使用する時には、組み付けが不便である、という欠点がある。
本発明の目的は、このような欠点を有しないマイクロリニアスライドレールアセンブリ及びそのスライダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はマイクロリニアスライドレールアセンブリ及びそのスライダーに関する。
【0009】
本発明によるマイクロリニアスライドレールアセンブリは、スライドレールと、スライドレール上を跨いで設置されるスライダーと、スライドレールとスライダーの間に入れられるローリング部材を有する。該スライダーは、スライドレール上を跨いで設置され、ベース体、枠フレーム、2個の端蓋、及び該スライドレールと該スライダーの間に入れられるローリング部材を有する。該ローリング部材のローリングにより、該スライダーは、該スライドレール上をリニア移動する。こうしてリニアスライドレールアセンブリが構成される。
該スライドレールは一方向に沿って延伸し、しかも該スライドレール上には第一負荷レール面を有する。
該スライダーは、ベース体、プラットフォーム、及び該プラットフォームより延伸する少なくとも1個の駆動脚を有する。
これにより、該ベース体は該スライドレール上に跨いで設置され、該スライドレールの第一負荷レール面と該駆動脚の第二負荷レール面は、相互に接続し、負荷通路を形成する。該駆動脚は第一無負荷レール面を有し、該第一無負荷レール面は、収容設置区を取り囲む。該収容設置区は、開口を有し、該開口幅と該ローリング部材の直径とは、等しく、該開口は、上縁及び下縁を有する。
該ベース体は、該開口の下縁において、該収容設置区に隣り合う第一係合部を延伸する。該第一係合部は、横方向に延伸する凸部である。
枠フレームは、突出したレール部及び第二係合部を有し、該レール部上には、第二無負荷レール面を有し、該第二係合部は、凹部であり、該凸部を収容する。該枠フレームは、該第二係合部を通して、該第一係合部に係合され、該ベース体上に取り付けられる。これにより該第一無負荷レール面及び該第二無負荷レール面は、相互に接続し、無負荷通路を形成する。該枠フレームは、該第一係合部と該第二係合部との係合により長手方向に拘束される。
2個の端蓋は、該ベース体の相対する二端に接続し、これによりUターン通路は該負荷通路及び該無負荷通路に連通する。
【0010】
らに、該凸部は、横方向に徐々に縮小する形態を呈し、該凹部は、相対して、徐々に広がる形態を呈し、該凸部を収容する。
【0011】
さらに、該第一係合部は、該スライドレール延伸の軸方向上で、該ベース体上に全長にわたって設置され、該第二係合部は、該枠フレーム上に相対して全長で設置される。
【0012】
さらに、該枠フレームは、2個の下方保持部材及び2個の該下方保持部材の両端に接続し、一体に結合する2個の接続部材を有する。
これにより、該2個の下方保持部材は弾性展開し、下から上へと該ベース体上に組み付けられる。
【0013】
さらに、該2個の下方保持部材の長さは、該ベース体の長さより長く、これにより、該端蓋はちょうど該ベース体と該接続部材の間に組み付けられ、該枠フレームは、第一固定部により、該端蓋上の第二固定部上に対応して固定され、該枠フレームは拘束されてそれ以上展開できなくなる。これにより、該ベース体、該枠フレーム及び該端蓋は堅固に結合される。
さらに、該枠フレームの第一固定部は、挿入ピンと、孔と、嵌合ブロックとを有し、該端蓋の第二固定部は、該挿入ピンに対応する挿入槽と、該孔に対応する凸柱と、該嵌合ブロックに対応する嵌合槽とを有する。
該挿入ピンと該挿入槽の結合方向は、該スライドレール延伸の軸方向に垂直であり、、該孔と該凸柱の結合方向は、該スライドレール延伸の軸方向に相同であり、該嵌合ブロックと該嵌合槽の結合方向は、該スライドレール延伸の軸方向に垂直である。
該端蓋を該枠フレームに組み付けると、該端蓋の外Uターン通路面と該挿入ピンの内Uターン通路面は、相互に対応し、該Uターン通路を組成する。
【0014】
さらに、該端蓋上に位置する貯オイルブロックを有する。
【0015】
さらに、該ベース体は、該開口の上縁において横方向延伸し、下方へと傾斜する第一停止斜面をさらに有する。
該枠フレーム上には、相対する第二停止斜面を有し、該枠フレームが該ベース体上に組み付けられると、該第一停止斜面と該第二停止斜面とは相互に停止する。
【0016】
上述の技術特徴により、以下の効果が達成される。
1.本発明の枠フレーム構造はシンプルで、射出成形製造が容易で、しかも枠フレームとベース体の間は第一係合部と第二係合部の相互係合による簡単な嵌着方式結合を採用し、ボルトを使用しないため、スライダーの微小化に有利で、マイクロスライダー上での使用に便利である。
2.本発明の枠フレームは弾性展開し、下から上へとベース体上に組み付けられ、端蓋の組み付けを通して枠フレームを制限するため、枠フレームは拘束されてそれ以上展開できなくなり、ベース体、枠フレーム、端蓋は堅固に結合され、スライドレールを離脱しない。
3.本発明の2個の下方保持部材は接続部材を利用し、枠フレームを接続し、枠フレームを両側へと伸ばして展開すれば、2個の下方保持部材は第一係合部及び第一停止斜面を避け、枠フレームをベース体上に組み付けできるため、枠フレームをベース体に便利に組み付けできるとの効果を備える。
4.本発明の第一係合部はベース体上に全長にわたって設置され、しかも第二係合部は枠フレーム上に全長で設置されるため、枠フレームがベース体上に組み付けられると、十分な結合強度を備える。
5.本発明の第二係合部は第一係合部に係合され、枠フレームは縦方向で拘束され、同時に第一停止斜面と第二停止斜面の相互停止を通して、枠フレームは横方向で拘束されるため、ローリング部材のローリング過程において、縦方向及び横方向に枠フレームを拘束し、枠フレームは緩んだり変形したりしにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第一実施形態のマイクロリニアスライドレールアセンブリの分解斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態のマイクロリニアスライドレールアセンブリの組合せ斜視図である。
図3A】本発明の第一実施形態のスライダーのベース体構造の側面図である。
図3B】本発明の第一実施形態のスライダーの枠フレーム構造の斜視図である。
図4A】本発明の第一実施形態の枠フレームをベース体上に組み付ける時に、枠フレームを伸ばして展開させる様子を示す上面図である。
図4B】本発明の第一実施形態の枠フレームをベース体上に組み付ける時に、枠フレームが伸ばされ展開される様子を示す組み付け断面図である。
図5A図2のVA−VA位置でカットした断面図である。
図5B図2のVB−VB位置でカットした断面図である。
図5C図2のVC−VC位置でカットした断面図である。
図6A図2のVI−VI位置でカットした断面図である。
図6B図6Aの局所拡大断面図である。
図7図2のVII−VII位置でカットした断面図である。
図8】本発明の第二実施形態の枠フレームの局所拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第一実施形態)
図1及び図2に示す通り、本実施形態は、スライドレール1、スライドレール1上を跨いで設置されるスライダーを有する。
スライダーは、ベース体2、及びベース体2下方に組み付けられる枠フレーム3を有し、さらに2個の端蓋4を有し、ベース体2両端に組み付けられ、ローリング部材5により、スライドレール1とスライダーの間に入れられる。
ローリング部材5のローリングにより、スライダーは、スライドレール1上でリニア移動する。
【0019】
スライドレール1は、一方向に沿って長さを延伸し、スライドレール1の長さは、使用場所に応じて決める。
しかも、在スライドレール1の相対する両側には、第一負荷レール面11をそれぞれ有する。
【0020】
ベース体2は、プラットフォーム23及びプラットフォーム23より下方へと延伸する相互に対応する2個の駆動脚24を有する。
駆動脚24により、ベース体2は、スライドレール1上に跨いで設置される。
駆動脚24は、相対する両側に位置する第二負荷レール面241、位置する第一無負荷レール面242を有する。
相互に対応する2個の駆動脚24の第二負荷レール面241は、スライドレール1の相対する両側の第一負荷レール面11にそれぞれ対応する。
【0021】
枠フレーム3は、2個の下方保持部材31、及び2個の下方保持部材31両端に接続する2個の接続部材32を有する。
これにより、2個の下方保持部材31を一体に接続し、この後に、2個の下方保持部材31をベース体2上に直接、一次的に組み付ける際の便を図る。
下方保持部材31は、突出したレール部311を有する。
レール部311上には、第二無負荷レール面312を有する。
第二無負荷レール面312は、駆動脚24の第一無負荷レール面242に対応し、枠フレーム3上に、さらに第一固定部を有する。
第一固定部は、挿入ピン33、孔34及び嵌合ブロック37を有する。
【0022】
図3Aに示す通り、第一無負荷レール面242は、収容設置区243を取り囲む。
収容設置区243は、開口244を有する。
開口244の幅dとローリング部材5の直径Dとは、実質的に等しい(本発明でいう「実質的に等しい」とは、ローリング部材5を、第一無負荷レール面242と第二無負荷レール面312が組成する無負荷通路Bに入れる時、わずかに間隙を残し、このわずかな間隙によりローリング部材5はスムーズにローリングでき、ベース体2の震動を引き起こさない、ということを指すものとする。この部分は図6A参照)。
開口244は、上縁2441及び下縁2442を有する。
ベース体2は、該開口244の下縁2442において、収容設置区243に隣り合う第一係合部245を延伸する。
第一係合部245は、横方向に延伸する凸部で、凸部は、横方向に徐々に縮小する形態を呈する。
ベース体2は、開口244の上縁2441において、下方へと傾斜する第一停止斜面246を横方向に延伸する。
【0023】
図3Bに示す通り、枠フレーム3は、第一係合部245に対応する第二係合部35を有する。
本実施形態では、第二係合部35は凹部で、しかも凹部は、徐々に広がる形態を呈し、枠フレーム3上には、第一停止斜面246に相対する第二停止斜面36を有する。
【0024】
図4A及び図4Bに示す通り、枠フレーム3をベース体2上に組み付ける時には、枠フレーム3は、ベース体2の第一係合部245及び第一停止斜面246と干渉する状況を有するが、枠フレーム3は一般にプラスチック材質により製造されるため、組み付け時には、先ず枠フレーム3の2個の下方保持部材31を、両側へと伸ばして展開する。
これにより、2個の下方保持部材31は、第一係合部245及び第一停止斜面246を回避できる。
その後、2個の下方保持部材31をリリースすると、枠フレーム3は、ベース体2上に組み付けられる。
この方式により、枠フレーム3を簡単にベース体2に組み付ける効果を達成できる。
【0025】
図5A図5Cに示す通り、2個の下方保持部材31の長さは、ベース体2の長さより長い。
これにより、端蓋4はちょうどベース体2と接続部材32の間に組み付けられる。
端蓋4を、ベース体2と接続部材32の間に組み付けると、端蓋4上には、枠フレーム3の第一固定部に対応する第二固定部を有する。
第二固定部は、挿入槽42、凸柱43及び嵌合槽45を有する。
枠フレーム上の挿入ピン33は、端蓋4上の挿入槽42に対応して固定される。
挿入ピン33と挿入槽42の結合方向は、スライドレール1延伸の軸方向に垂直である。
枠フレーム3の孔34は、端蓋4の凸柱43に対応して固定される。
孔34と凸柱43の結合方向は、スライドレール1延伸の軸方向に相同である。
枠フレーム3の嵌合ブロック37は、端蓋4の嵌合槽45に対応して固定される。
嵌合ブロック37と嵌合槽45の結合方向は、スライドレール1延伸の軸方向に垂直である。
これにより、端蓋4をベース体2両端に堅固に固定できる他に、枠フレーム3を固定でき、枠フレーム3は拘束されてそれ以上展開できない。
端蓋4上には、貯オイルブロック44を有し、ベース体2がスライドレール1上で運行時に、潤滑の作用を提供する。
【0026】
図6A及び図6Bに示す通り、枠フレーム3を、ベース体2上に取り付ける時には、枠フレーム3は、第二係合部35を通して、第一係合部245に係合され、ベース体2上に取り付けられる。
しかも、第一停止斜面246と第二停止斜面36は、相互に停止する。
好ましくは、第一係合部245は、スライドレール1延伸の軸方向上において、ベース体2上に全長で設置され、第二係合部35は、枠フレーム3上に相対して全長で設置される。
これにより、枠フレーム3とベース体2は、全長で結合され、結合強度を提供する。
そのため、枠フレーム3は、第一固定部を通して、端蓋4の第二固定部に結合される他に、第二係合部35を通して、第一係合部245に係合される。
これにより、枠フレーム3は縦方向で拘束され、同時に第一停止斜面246と第二停止斜面36の相互停止を通して、枠フレーム3は横方向で拘束される。
よって、ローリング部材5のローリング過程において、端蓋4の枠フレーム3の端部における結合固定、及びベース体2と枠フレーム3の、縦方向及び横方向における拘束を通して、ベース体2、枠フレーム3及び端蓋4の三者は堅固に結合し、脱落や変形は起こりにくくなる(枠フレーム3への端蓋4の結合状態は図5A図5C参照)。
【0027】
図7に示す通り、スライドレール1の第一負荷レール面11及びベース体2の第二負荷レール面241は相互に接続し、負荷通路を形成する。
ベース体2の第一無負荷レール面242及び枠フレーム3の第二無負荷レール面312は、相互に接続し、無負荷通路Bを形成する(負荷通路Aと無負荷通路Bの組合せ状態は図6A及び図6B参照)。
さらに、端蓋4がベース体2両端を覆うことで、端蓋4のUターン通路41は、負荷通路A及び無負荷通路Bに連通し、循環通路を形成する。
端蓋4を枠フレーム3に組み付けると、端蓋4の外Uターン通路面46と挿入ピン33の内Uターン通路面331は、相互に対応しUターン通路41を組成する。
【0028】
(第二実施形態)
図8に示す通り、ベース体の第一係合部、及び枠フレームの第二係合部の第二形態では、この図式中では、ベース体の符号は2A、第一係合部の符号は21A、枠フレームの符号は3A、及び第二係合部の符号は31Aである。
ベース体2Aの第一係合部21Aは、横方向に延伸する水平凸部で、枠フレーム3の第二係合部31Aは、水平凹部を形成し、水平凸部を収容する。
本実施形態に示す通り、第一係合部と第二係合部がどのような形態であろうと、ベース体と枠フレームとを相互に係合できれば、本発明により保護される範囲に属する。
【0029】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0030】
1 スライドレール、
11 第一負荷レール面、
2 ベース体、
23 プラットフォーム、
24 駆動脚、
241 第二負荷レール面、
242 第一無負荷レール面、
243 収容設置区、
244 開口、
2441 上縁、
2442 下縁、
245 第一係合部、
246 第一停止斜面、
3 枠フレーム、
31 下方保持部材、
311 レール部、
312 第二無負荷レール面、
32 接続部材、
33 挿入ピン、
331 内Uターン通路面、
34 孔、
35 第二係合部、
36 第二停止斜面、
37 嵌合ブロック、
4 端蓋、
41 Uターン通路、
42 挿入槽、
43 凸柱、
44 貯オイルブロック、
45 嵌合槽、
46 外Uターン通路面、
5 ローリング部材、
A 負荷通路、
B 無負荷通路、
d 開口幅、
D ローリング部材直径。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8