(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876089
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】エンコーダー及びそれを用いたモーター
(51)【国際特許分類】
G01D 5/347 20060101AFI20210517BHJP
G01D 5/245 20060101ALI20210517BHJP
H02K 11/215 20160101ALI20210517BHJP
H02K 11/22 20160101ALI20210517BHJP
【FI】
G01D5/347 110X
G01D5/245 110X
H02K11/215
H02K11/22
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-79806(P2019-79806)
(22)【出願日】2019年4月19日
(65)【公開番号】特開2020-34540(P2020-34540A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2019年6月6日
(31)【優先権主張番号】201810980608.3
(32)【優先日】2018年8月27日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502330713
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王宏洲
(72)【発明者】
【氏名】蔡明典
【審査官】
岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−001464(JP,A)
【文献】
特開2015−090305(JP,A)
【文献】
特開2015−090302(JP,A)
【文献】
特開2013−024572(JP,A)
【文献】
国際公開第2017/046854(WO,A1)
【文献】
特開2011−257166(JP,A)
【文献】
特開2011−112441(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0102895(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00− 5/62
H02K 11/00−11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアディスクと、
前記キャリアディスク上に配置された光学コードディスクと、
第一取付部及び第二取付部を備える回転シャフトと、
第一ベアリング内表面及び第一ベアリング外表面を備える第一ベアリングと、
ベアリング取付部及びブラケット湾曲部を備えるブラケットと、
ハウジング湾曲部を備えるハウジングと、
前記ハウジング上に且つ光学コードディスクの向かい側に配置された回路基板と、
前記回路基板上に配置され、光学コードディスクと対をなして光学検知を実行する光学検知アセンブリと、
係止要素と、
を備え、
前記第一取付部は、前記キャリアディスクを通じて部分的に貫入しており、
前記第一ベアリング内表面は、前記回転シャフトの前記第二取付部と接続されており、
前記ベアリング取付部は、前記第一ベアリングの前記第一ベアリング外表面と接続されており、
前記ハウジング湾曲部を通じて、前記ハウジングは、前記ブラケットの前記ブラケット湾曲部と接続されて、前記ブラケットと嵌合しており、
前記キャリアディスク、前記回転シャフト、前記第一ベアリング及び前記ブラケットは、回転重心軸に対して構造的に同軸であり、
前記係止要素は、前記回路基板、前記ハウジング及び前記ブラケットを通じて貫入されることで前記回路基板及び前記ハウジングが前記ブラケットに固定されており、
前記ブラケット湾曲部は、ハウジング湾曲部の外側エッジにあり、
前記ハウジング湾曲部を通じて、前記ハウジングは、前記ブラケットから前記ブラケット湾曲部と隣接されることで、前記ブラケットと嵌合している、
エンコーダー。
【請求項2】
前記キャリアディスクは、キャリアディスク湾曲部を備え、
前記キャリアディスク湾曲部を通じて、前記キャリアディスクは、前記回転シャフトの前記第一取付部と接続されて、前記回転シャフトと嵌合している、請求項1に記載のエン
コーダー。
【請求項3】
前記ブラケット湾曲部は、曲面を有する円環を形成している、請求項1に記載のエンコーダー。
【請求項4】
前記ブラケット湾曲部は、複数の曲面セクションを備える、請求項1に記載のエンコーダー。
【請求項5】
磁石及び磁気検知アセンブリを更に備え、
前記磁石は、前記キャリアディスク上に配置され、
前記光学コードディスクは、前記磁石を囲むように配置され、
前記磁気検知アセンブリは、回路基板に配置され、磁気検知を実行するように磁石と対をなしている、請求項1に記載のエンコーダー。
【請求項6】
前記磁気検知アセンブリの中心は、回転重心軸上にある、請求項5に記載のエンコーダー。
【請求項7】
前記磁気検知アセンブリの中心は、回転重心軸からオフセットされている、請求項5に記載のエンコーダー。
【請求項8】
前記光学コードディスクは、インクリメンタルパターントラックを更に備え、
前記インクリメンタルパターントラックは、光学コードディスクの円周方向に沿って配置された複数のインクリメンタルパターンを備える、請求項1に記載のエンコーダー。
【請求項9】
前記光学検知アセンブリは、基板と、発光素子と、受光素子と、を備え、
前記基板は、前記回路基板上に配置され、
前記受光素子は、前記基板に配置され、
前記発光素子は、前記受光素子に配置されている、請求項1に記載のエンコーダー。
【請求項10】
係止要素を更に備え、
前記係止要素は、前記キャリアディスク及び前記回転シャフトを通じて貫入されることで前記キャリアディスクが前記回転シャフトに固定されている、請求項1に記載のエンコ
ーダー。
【請求項11】
第二ベアリングを更に備え、
前記第二ベアリングは、第二ベアリング内表面及び第二ベアリング外表面を備え、
前記第二ベアリング内表面は、前記回転シャフトの前記第二取付部と接続されており、
前記第二ベアリング外表面は、前記ブラケットの前記ベアリング取付部と接続されている、請求項1に記載のエンコーダー。
【請求項12】
モーターであって、前記モーターは、
エンコーダーと、
モーターベアリング内表面及びモーターベアリング外表面を備えるモーターベアリングと、
前記モーターベアリングの前記モーターベアリング外表面と接続された第二ブラケットと、
前記第二ブラケットと接続されたケーシングと、
前記ケーシングに配置されたローター部と、
前記ケーシングに配置され、前記ローター部と対をなしているステーター部と、
を備え、
前記エンコーダーは、
キャリアディスクと、
前記キャリアディスクに配置されたコードディスクと、
第一取付部及び第二取付部を備える回転シャフトと、
ベアリング内表面及びベアリング外表面を備えるベアリングと、
ベアリング取付部及びブラケット湾曲部を備える第一ブラケットと、
ハウジング湾曲部を備えるハウジングと、
前記ハウジング上に且つ前記コードディスクの向かい側に配置された回路基板と、
前記回路基板、前記ハウジング及び前記ブラケットを通じて貫入されることで前記回路基板及び前記ハウジングが前記ブラケットに固定されている係止要素と、
前記回路基板上に配置され、検知を実行するように前記コードディスクと対をなしている検知アセンブリと、
を備え、
前記第一取付部は、前記キャリアディスクを通じて部分的に貫入されており、
前記ベアリング内表面は、前記回転シャフトの前記第二取付部と接続されており、
前記ベアリング取付部は、前記ベアリングの前記ベアリング外表面と接続されており、
前記ハウジング湾曲部を通じて、前記ハウジングは、前記第一ブラケットの前記ブラケット湾曲部と接続されて、前記第一ブラケットと嵌合しており、
前記モーターベアリング内表面は、前記回転シャフトと接続されており、
前記ローター部は、前記回転シャフトを囲み、
前記キャリアディスク、前記回転シャフト、前記ベアリング、前記第一ブラケット、前記モーターベアリング及び前記第二ブラケットは、回転重心軸に対して構造的に同軸であり、
前記ケーシングは、前記第一ブラケット及び前記第二ブラケットと接続されている、
前記ブラケット湾曲部は、ハウジング湾曲部の外側エッジにあり、
前記ハウジング湾曲部を通じて、前記ハウジングは、前記ブラケットから前記ブラケット湾曲部と隣接されることで、前記ブラケットと嵌合している、
モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エンコーダー及びそれを用いたモーターに関するものであり、より詳しくは、ハウジング湾曲部がブラケット湾曲部に接続することで、ハウジングがアセンブルされてブラケットと嵌合している、エンコーダー及びそれを用いたモーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の発達で、エンコーダー技術は、精密計器制御(例えばモーターの回転数測定及び位置検出)の分野において広く使われている。従来型のエンコーダーはアブソリュートエンコーダー及びインクリメンタルエンコーダーを含む。そして、それはモーターの回転、回転方向及び回転位置の数を検出するために用いることができる。
【0003】
一般的に、エンコーダーの主要なアーキテクチャーは、シグナル読取りユニット、コードディスクユニット、回転シャフト及びハウジングを備える。シグナル読取りユニットは、コードディスクユニットと対になるように配置して、関連した位置シグナルを取得する。シグナル読取りユニット、コードディスクユニット、回転シャフト及びハウジングは、複数の固定クリップ、固定素子及び支持部材を通じて互いに接続されてアセンブルされている。
【0004】
しかしながら、従来のエンコーダー及び複雑な部品構築物に含まれる多数の部品のため、アセンブルステップは複雑である。さらに、エンコーダーのある部品がずれることによって、得られるシグナルが不確かになるため、エンコーダーの正確なアセンブルは容易ではない。
【0005】
従来技術の欠点を解決するために、迅速かつシンプルなアセンブルを成し遂げるために、改良型のエンコーダー及びそれを用いるモーターを提供するニーズが存在し、アセンブルの位置関係が正確になることによって、品質が良好なシグナルを取得することができる。
【発明の開示】
【0006】
本開示の目的は、先行技術が直面している問題に対処するエンコーダー及びそれを用いるモーターを提供する。
【0007】
本開示の態様によれば、エンコーダー及びそれを用いるモーターを提供する。ブラケットのブラケット湾曲部をハウジングのハウジング湾曲部にアセンブルして嵌合させることによって、エンコーダーのアセンブルは、迅速且つ容易となり、アセンブルの位置関係を正確にすることができる。
【0008】
本開示の他の態様によれば、エンコーダー及びそれを用いるモーターを提供する。ブラケット湾曲部と、ベアリング取付部と、ハウジング湾曲部と、キャリアディスク湾曲部と、回転シャフトとの間のアセンブル及び嵌合を通じて、光学検知アセンブリと光学コードディスクとの間のアセンブルの位置関係が比較的正確になることで、品質が良好なシグナルが取得される。
【0009】
本開示の他の態様によれば、エンコーダー及びそれを用いるモーターを提供する。ブラケットのブラケット湾曲部及びベアリング取付部は、単一のワークピースから加工されるため、それらの回転重心軸は、実質的に同一であり、その結果、良好且つ確かなシグナル出力が更に得られる。
【0010】
本開示の他の態様によれば、エンコーダー及びそれを用いるモーターを提供する。磁石と磁性検知アセンブリと間の正確な位置のアセンブル及び光学コードディスクと光学検知アセンブリとの間の正確な位置を通じて、確かな絶対位置シグナル及びインクリメンタル位置シグナルが得られることによって、高い精度の絶対位置が検出され、高い精度の絶対位置の情報が得られる。
【0011】
一実施形態において、エンコーダーは、キャリアディスク、光学コードディスク、回転シャフト、第一ベアリング、ブラケット、ハウジング、回路基板及び光学検知アセンブリを備える。光学コードディスクは、キャリアディスクに配置される。回転シャフトは、第一取付部及び第二取付部を備え、第一取付部は、キャリアディスクを通じて部分的に貫入している。第一ベアリングは、第一ベアリング内表面及び第一ベアリング外表面を備え、第一ベアリング内表面は、回転シャフトの第二取付部と接続される。ブラケットは、ベアリング取付部及びブラケット湾曲部を備え、ベアリング取付部は、第一ベアリングの第一ベアリング外表面と接続される。ハウジングは、ハウジング湾曲部を備え、ハウジング湾曲部を通じて、ハウジングは、ブラケットのブラケット湾曲部と接続されて、ブラケットと嵌合する。回路基板は、ハウジング上且つ光学コードディスクの向かい側に配置される。光学検知アセンブリは、回路基板に配置されて、光学コードディスクと対になって光学検知が実行される。キャリアディスク、回転シャフト、第一ベアリング及びブラケットは、回転重心軸に対して構造的に同軸である。
【0012】
一実施形態において、モーターは、エンコーダー、モーターベアリング、第二ブラケット、ケーシング、ローター部及びステーター部を備える。エンコーダーは、キャリアディスク、コードディスク、回転シャフト、ベアリング、第一ブラケット、ハウジング、回路基板及び検知アセンブリを備える。コードディスクは、キャリアディスク上に配置される。回転シャフトは、第一取付部及び第二取付部を備え、第一取付部は、キャリアディスクを通じて部分的に貫入している。ベアリングは、ベアリング内表面及びベアリング外表面を備え、ベアリング内表面は、回転シャフトの第二取付部と接続される。第一ブラケットは、ブラケット湾曲部及びベアリング取付部を備え、ベアリング取付部は、ベアリングのベアリング外表面と接続される。ハウジングは、ハウジング湾曲部を備え、第一ブラケットのハウジング湾曲部を通じて、ハウジングは、ブラケット湾曲部と接続されて、第一ブラケットと嵌合する。回路基板は、ハウジング上且つコードディスクの向かい側に配置される。検知アセンブリは、回路基板に配置されて、コードディスクと対になって検知が実行される。モーターベアリングは、モーターベアリング内表面及びモーターベアリング外表面を備え、モーターベアリング内表面は、回転シャフトと接続される。第二ブラケットは、モーターベアリングのモーターベアリング外表面と接続され、ケーシングは、第一ブラケット及び第二ブラケットと接続される。ローター部は、ケーシング上に配置され、ローター部は、回転シャフトを囲む。ステーター部は、ケーシング上に配置され、ローター部と対になる。キャリアディスク、回転シャフト、ベアリング、第一ブラケット、モーターベアリング及び第二ブラケットは、回転重心軸に対して構造的に同軸である。
【0013】
本開示にかかる上記内容は、以下の詳細な説明及び添付の図面を精読することで、当業者に対してより容易に明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による、エンコーダーの断面構造を概略的に図示している。
【0015】
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態による、エンコーダーの分解断面構造を概略的に図示している。
【0016】
【
図3】
図3は、本開示の他の実施形態による、エンコーダーの部分的な構造を概略的に図示している。
【0017】
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態による、エンコーダーの回転シャフト及びブラケットの構造を概略的に図示している。
【0018】
【
図5】
図5は、本開示の他の実施形態による、エンコーダーの断面構造を概略的に図示している。
【0019】
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態による、エンコーダーを用いたモーターの断面構造を概略的に図示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、以下の実施形態によって、より詳しく記載している。この開示の好適な実施形態に関する以下の説明が解説及び説明のためだけに本願明細書に示されている点に留意するべきである。網羅的であることを意図するものでもなく、開示されている厳密な形態に限定されることを意図するものでもない。
【0021】
図1、
図2、
図3及び
図4を参照する。
図1は、本開示の一実施形態による、エンコーダーの断面構造を概略的に図示している。
図2は、本開示の一実施形態による、エンコーダーの分解断面構造を概略的に図示している。
図3は、本開示の他の実施形態による、エンコーダーの部分的な構造を概略的に図示している。
図4は、本開示の一実施形態による、エンコーダーの回転シャフト及びブラケットの構造を概略的に図示している。
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、本開示のエンコーダー1は、キャリアディスク10、光学コードディスク11、回転シャフト12、第一ベアリング13、ブラケット14、ハウジング15、回路基板16及び光学検知アセンブリ17を備える。
【0022】
光学コードディスク11は、キャリアディスク10上に配置される。回転シャフト12は、第一取付部121及び第二取付部122を備え、第一取付部121は、キャリアディスク10に部分的に貫入して、キャリアディスク10と接続される。第一ベアリング13は、第一ベアリング内表面131及び第一ベアリング外表面132を備え、第一ベアリング内表面131は、回転シャフト12の第二取付部122と接続される。ブラケット14は、ベアリング取付部141及びブラケット湾曲部142を備え、ベアリング取付部141は、第一ベアリング13の第一ベアリング外表面132と接続される。ハウジング15は、ハウジング湾曲部151を備える。ハウジング湾曲部151を通じて、ハウジング15は、ブラケット14のブラケット湾曲部142と接続されることで、ハウジング15は、アセンブルされて、ブラケット14と嵌合する。回路基板16は、ハウジング15上且つ光学コードディスク11の向かい側に配置される。光学検知アセンブリ17は、回路基板16上に配置されて、光学コードディスク11と対になるため、光学コードディスク11がハウジング15に対して相対して動くと、光学コードディスク11に対する光学検知を実行する。加えて、キャリアディスク10、回転シャフト12、第一ベアリング13及びブラケット14は、回転重心軸Aに対して構造的に同軸である。
【0023】
いくつかの実施形態において、キャリアディスク10は、キャリアディスク湾曲部101を備える。キャリアディスク湾曲部101を通じて、キャリアディスク10は、回転シャフト12の第一取付部121と接続されることで、キャリアディスク10は、アセンブルされ、回転シャフト12と嵌合する。ある実施形態において、ブラケット湾曲部142は、ブラケット14の一面から延在した延在部であり、ハウジング湾曲部151は、ハウジング15の一面から延在した延在部であり、キャリアディスク特徴部101は、キャリアディスク10の一面から延在した延在部である。延在部の各々は、限定するものではないが、例えば、湾曲形状延在部又は円環形状延在部であることで、これらの延在部は、締まり嵌め又は締め付け方法を通じて互いにアセンブル及び嵌合することができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、
図1に示すように、ブラケット湾曲部142は、ハウジング湾曲部151の内側エッジに位置する。さらに、ハウジング湾曲部151を通じて、ハウジング15は、ブラケット14の外側からブラケット湾曲部142と接続されることで、ブラケット14と嵌合する。いくつかの実施形態において、
図3に示すように、ブラケット湾曲部142は、ハウジング湾曲部151の外側エッジで形成される。さらに、ハウジング湾曲部151を通じて、ハウジング15は、ブラケット14の内側からブラケット湾曲部142と接続されることで、ブラケット14と嵌合するが、本願明細書のものに制限されるものではない。いくつかの実施形態において、ブラケット湾曲部142は、単一且つ完全な曲面を有する円環構造を形成することで、整列配置及びアセンブルを容易に且つ迅速に実行することができる。いくつかの実施形態において、
図4に示すように、ブラケット湾曲部142は、複数の曲面セクションを備えている。これらのセクションは、互いに分離されているが、本願明細書のものに限定されるものではない。
【0025】
言い換えると、 本開示のエンコーダーにおいて、ブラケットのブラケット湾曲部とハウジングのハウジング湾曲部をアセンブルして嵌合させることによって、エンコーダーを迅速且つ容易にアセンブルすることができ、アセンブルの位置関係を正確にすることができる。さらに、ブラケット湾曲部と、ベアリング取付部と、ハウジング湾曲部と、キャリアディスク湾曲部と、回転シャフトとの間のアセンブル及び嵌合を通じて、光学検知アセンブリと光学コードディスクとの間のアセンブルの位置関係が比較的正確になることで、良好な品質のシグナルが得られる。一方、ブラケットのブラケット湾曲部及びベアリング取付部が単一のワークピースから加工されるため、それらの回転重心軸は、実質的に同一であるため、良好且つ確かなシグナル出力が更に得られる。上述したアセンブリに基づいて、全体の構造は、更に強固にすることもできる。
【0026】
いくつかの実施形態において、エンコーダー1は、磁石18及び磁気検知アセンブリ19を更に備える。磁石18は、キャリアディスク10上に配置され、光学コードディスク11は、磁石18を囲むように配置され、磁気検知アセンブリ19は、回路基板16に配置されて、磁石18と対になるため、磁石18がハウジング15に対して相対して動くと、磁石18に対する磁気検知を実行する。
【0027】
いくつかの実施形態において、磁気検知アセンブリ19の中心は、回転軸A上にある(すなわち、軸上配置である)。磁石18が回転軸Aまわりに1回転すると、磁気検知アセンブリ19の位置において、磁気特性が、サイクルの間、それに応じて変化する。これは、磁束密度の強度の変化であるが、本願明細書のものに限定するものではない。磁気検知アセンブリ19は、磁気特性の変化を検出して、それを電気信号に変換することで、磁石18の1回転を1つの完全なサイクルとする絶対位置シグナルが発生し規定されて、シグナル処理ユニット(不図示)に提供される。シグナル処理及び統合を、シグナル処理ユニットによって更に実行して、高い精度を有する位置情報が得られる。
【0028】
いくつかの実施形態において、磁気検知アセンブリ19の中心は、磁気特性の変化を検出するように回転軸Aからオフセットされ(すなわち、軸を外して配置し)、磁石18の1回転を1つの完全なサイクルとする絶対位置シグナルが発生し規定される。いくつかの実施形態において、磁石18は、円環状の磁石であってもよく、磁気検知アセンブリ19が軸を外して配置される場合、中空円環状のエンコーダーアーキテクチャーとしてもよいが、本願明細書のものに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、磁石18は、中空円環状の磁石、円板型の磁石又は矩形状の磁石であってもよい。磁気特性が、1サイクルの間、1回転に応じて変化する限り、磁石18のタイプは限定されない。いくつかの実施形態において、磁気検知アセンブリ19は、磁気抵抗素子(不図示)を備える。磁気抵抗素子は、ホール素子、異方性磁気抵抗素子(AMR素子)、巨大磁気抵抗素子(GMR素子)、トンネル型磁気抵抗素子(TMR素子)又は上記素子を使用している集積回路素子であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、光学コードディスク11は、ガラス素材、金属素材、プラスチック素材又は光学的に低い反射係数と高い反射係数との交互のパターンを生み出すように処理した任意の素材でできていてもよいが、本願明細書のものに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、光学コードディスク11は、少なくとも一つのインクリメンタルパターントラックを備え、インクリメンタルパターントラックは、光学コードディスク11の円周方向に沿って配置された複数のインクリメンタルパターンを備える。インクリメンタルパターンは、光学的に低い反射係数と高い反射係数の特性が交互に配置されて形成されている。光学検知アセンブリ17は、光学検出を実行してインクリメンタル位置シグナルを得るように、光学コードディスク11の片面のインクリメンタルパターントラックに配置される。
【0030】
いくつかの実施形態において、光学検知アセンブリ17は、基板170、少なくとも一つの発光素子171及び少なくとも一つの受光素子172を備える。基板170は、回路基板16上に配置され、受光素子172は、基板170上に配置され、発光素子171は、受光素子172上に配置される。発光素子171は、発光ダイオード(LED)、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)又はレーザーダイオード(LD)を含むが、これに限定されるものではない。発光素子171の数は、1つであってもよく、発光素子171は、少なくとも一つの発光領域を備えているが、本願明細書のものに限定するものではない。
【0031】
発光素子171は、光学コードディスク11のインクリメンタルパターントラックに光を発し、そして、光は、インクリメンタルパターントラックによって反射され、様々な程度の反射効果が、個々のインクリメンタルパターン反射係数の差異に応じて発生することで、光エネルギーの強度分布が受光素子172の平面上に形成される。受光素子172は、光エネルギーの強度分布の変化を検出して、かかる変化を電気信号として変換又は規定することで、光学コードディスク11の1回転当たり複数のサイクルを有するインクリメンタル位置シグナルが発生してシグナル処理及び統合を実行するシグナル処理ユニットに提供される。
【0032】
言い換えると、本開示のエンコーダーにおいて、磁石と磁気検知アセンブリとの間の正確な位置及び光学コードディスクと光学検知アセンブリとの間の正確な位置のアセンブルを通じて、確かな絶対位置シグナル及びインクリメンタル位置シグナルが得られ、それによって、高い精度を有する絶対位置検出が成し遂げられ、高い精度の絶対位置情報が得られる。
【0033】
いくつかの実施形態において、エンコーダー1は、第一係止要素2を更に備える。第一係止要素2は、キャリアディスク10及び回転シャフト12を通じて貫入することにより、キャリアディスク10が回転シャフト12に固定される。いくつかの実施形態において、エンコーダー1は、少なくとも一つの第二係止要素3を更に備え、第二係止要素3の数は、3であってもよく、本願明細書のものに限定されるものではない。第二係止要素3の各々は、回路基板16、ハウジング15及びブラケット14を通じて貫入することにより、回路基板16及びハウジング15がブラケット14に固定される。第一係止要素2及び第二係止要素3は、ロックネジ又は他の固定要素であってもよいが、本願明細書のものに限定されるものではない。
【0034】
図1、
図2及び
図5を参照する。
図5は、本開示の他の実施形態による、エンコーダーの断面構造を概略的に図示している。
図1、
図2及び
図5に示すように、いくつかの実施形態において、エンコーダー1は、第二ベアリング4を備え、第二ベアリング4は、第二ベアリング内表面41及び第二ベアリング外表面42を備える。第二ベアリング内表面41は、回転シャフト12の第二取付部122と接続され、第二ベアリング外表面42は、ブラケット14のベアリング取付部141と接続されることで、モジュール型エンコーダーアーキテクチャーが構成される。
【0035】
図1、
図2及び
図6を参照する。
図6は、本開示の一実施形態による、エンコーダーを使用しているモーターの断面構造を概略的に図示している。
図1、
図2及び
図6に示すように、本開示のモーター5は、エンコーダー1、モーターベアリング6、第二ブラケット7、ケーシング8、ローター部80及びステーター部81を備える。エンコーダー1は、キャリアディスク10、光学コードディスク11、回転シャフト12、第一ベアリング13、第一ブラケット14、ハウジング15、回路基板16及び光学検知アセンブリ17を備える。エンコーダー1の詳細な構造は、前述の実施形態に記載されているため、ここでは重複して記載していない。加えて、ローター部80は、磁石セットを備え、ステーター部81は、コイルセットを備える。
【0036】
モーターベアリング6は、モーターベアリング内表面61及びモーターベアリング外表面62を備える。モーターベアリング内表面61は、回転シャフト12と接続され、第二ブラケット7は、モーターベアリング外表面62と接続される。第一ブラケット14及び第二ブラケット7は、ケーシング8を通じて接続される。ローター部80は、ケーシング8に配置され、ローター部80は、回転シャフト12を囲むように配置される。ステーター部81は、ケーシング8に配置され、ローター部80と対になっている。キャリアディスク10、回転シャフト12、第一ベアリング13、第一ブラケット14、モーターベアリング6及び第二ブラケット7は、回転重心軸Aに対して構造的に同軸である。従って、高い精度の位置センサーを備えるモーターが構成される。その中でも、モーターは、サーボモーターとすることができるが、本願明細書のものに限定されるものではない。
【0037】
上記記載から、本開示は、エンコーダー及びそれを用いるモーターを提供する。ブラケットのブラケット湾曲部とハウジングのハウジング湾曲部をアセンブルして嵌合させることによって、エンコーダーのアセンブルを迅速且つ容易に行うことができ、アセンブルの位置関係を正確にすることができる。さらに、ブラケット湾曲部と、ベアリング取付部と、ハウジング湾曲部と、キャリアディスク湾曲部と、回転シャフトとの間のアセンブル及び嵌合を通じて、光学検知アセンブリと光学コードディスクとの間のアセンブルの位置関係が比較的正確になることで、品質が良好なシグナルが得られる。加えて、ブラケットのブラケット湾曲部及びベアリング取付部が単一のワークピースで加工されているため、それらの回転重心軸は、実質的に同一であることから、良好且つ確かなシグナル出力が更に得られる。一方、磁石と磁気検知アセンブリと間の正確な位置及び光学コードディスクと光学検知アセンブリとの間の正確な位置のアセンブルを通じて、確かな絶対位置シグナル及びインクリメンタル位置シグナルが得られることによって、高い精度の絶対位置検出が成し遂げられ、高い精度の絶対位置情報が得られる。
【0038】
本開示は、最も実用的で好ましい実施形態であると現時点で考えられるものに関して記載している一方、開示のニーズが開示された実施形態に限られないことを理解すべきである。逆に、全ての改変及び類似の構造を含むように最も幅広い解釈と一致する添付の請求項の範囲内に含まれる様々な改変及び類似の配置をカバーすることを目的とする。