(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876139
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】コレットコントラストディスク
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20210517BHJP
【FI】
H05K13/04 B
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-547283(P2019-547283)
(86)(22)【出願日】2018年3月5日
(65)【公表番号】特表2020-509594(P2020-509594A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】US2018020838
(87)【国際公開番号】WO2018164982
(87)【国際公開日】20180913
【審査請求日】2019年8月29日
(31)【優先権主張番号】15/452,264
(32)【優先日】2017年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,クリストファー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ベンダー,クリストファー エス.
【審査官】
大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−504882(JP,A)
【文献】
特開2004−069612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピックアンドプレースマシンモジュールであって:
本体と、ヘッドと、前記本体と前記ヘッドとの間に延在する管状要素とを備えるノズル、
を有し、
前記ヘッドは、当該ヘッドによる部品のピックアップを可能にするために、管状要素を介して前記本体と連通しており、
さらに、前記管状要素のまわりで前記ヘッドに面する前記本体の表面に固定されたコレットディスクであり、当該コレットディスクの上に入射する光を前記部品を取り囲むベースの領域に向けて反射するように構成され、前記本体に対する軸方向移動可能性及び形状変化性のうち少なくとも1つを備えたコレットディスク、
を有するピックアンドプレースマシンモジュール。
【請求項2】
前記コレットディスクは、明色又は鏡面着色を有する平坦ディスクを有する、請求項1に記載のピックアンドプレースマシンモジュール。
【請求項3】
前記コレットディスクは、明色又は鏡面着色を有する前記本体の前記表面のためのカバーを有する、請求項1に記載のピックアンドプレースマシンモジュール。
【請求項4】
前記コレットディスクは、湾曲した表面を有することを特徴とする請求項1に記載のピックアンドプレースマシンモジュール。
【請求項5】
前記コレットディスクは、集束機能を有することを特徴とする請求項1に記載のピックアンドプレースマシンモジュール。
【請求項6】
部品をベースからピックアップするピックアンドプレースマシンであって、ピックアンドプレースマシンモジュールを含み、
前記ピックアンドプレースマシンモジュールが、
引力を伝達するように構成された本体と;
ヘッドと;
前記本体と前記ヘッドとの間に延在する管状要素であり、当該管状要素により前記ヘッドが前記ヘッドによる前記部品のピックアップを可能にするために、引力と連通する、管状要素と;
前記管状要素のまわりで前記ヘッドに面する前記本体の表面に固定されたコレットディスクであり、当該コレットディスクの上に入射する光を前記部品を取り囲む前記ベースの領域に向けて反射するように構成され、前記本体に対する軸方向移動可能性及び形状変化性のうち少なくとも1つを備えたコレットディスクと;
を有する、
ピックアンドプレースマシン。
【請求項7】
請求項6に記載のピックアンドプレースマシンであり、さらに
前記部品の周囲の前記ベースに配置され、前記コレットディスクに入射する光を放射するように構成された光源と;
前記コレットディスクによって前記ベースの領域に向けて反射された光から、前記ベース上の前記部品の3次元位置を識別するように構成された光学的ターゲティング機構と;
前記本体に結合され、前記本体を3次元的に操作するように構成されたサーボ機構と;
前記光学的ターゲティング機構からの3次元位置を反映する情報を受信し、該情報に従って前記サーボ機構を制御するように構成されたコントローラと;
を含むピックアンドプレースマシン。
【請求項8】
前記引力は吸引力を含む、請求項6に記載のピックアンドプレースマシン。
【請求項9】
前記コレットディスクは、明色又は鏡面着色を有する平坦ディスクを有する、請求項6に記載のピックアンドプレースマシン。
【請求項10】
前記コレットディスクは、明色又は鏡面着色を有する前記本体の前記表面のためのカバーを有する、請求項6に記載のピックアンドプレースマシン。
【請求項11】
前記コレットディスクは、湾曲した表面を有することを特徴とする請求項6に記載のピックアンドプレースマシン。
【請求項12】
前記コレットディスクは、集束機能を有することを特徴とする請求項6に記載のピックアンドプレースマシン。
【請求項13】
部品をベースからピックアップするピックアンドプレースマシンであって、ピックアンドプレースマシンモジュールを含み、
前記ピックアンドプレースマシンモジュールが、
引力を伝達するように構成された本体と;
対向する前方面及び後方面を有し、前方表面から延びる貫通孔を画成するように形成されたヘッドと;
前記本体と前記ヘッドとの間に延在する管状要素であり、当該管状要素により前記貫通孔が前記ヘッドによる前記部品のピックアップを可能にするために、引力と連通する、管状要素と;
前記管状要素のまわりで前記ヘッドの前記後方面に面する前記本体の前方対向面に固定されたコレットディスクであり、当該コレットディスクの上に入射する光を前記部品を取り囲む前記ベースの領域に向けて反射するように構成され、前記本体に対する軸方向移動可能性及び形状変化性のうち少なくとも1つを備えたコレットディスクと;
を有する、
ピックアンドプレースマシン。
【請求項14】
請求項13に記載のピックアンドプレースマシンであり、さらに
前記部品の周囲の前記ベースに配置され、前記コレットディスクに入射する光を放射するように構成された光源と;
前記コレットディスクによって前記ベースの領域に向けて反射された光から、前記ベース上の前記部品の3次元位置を識別するように構成された光学的ターゲティング機構と;
前記本体に結合され、前記本体を3次元的に操作するように構成されたサーボ機構と;
前記光学的ターゲティング機構からの3次元位置を反映する情報を受信し、該情報に従って前記サーボ機構を制御するように構成されたコントローラと;
を含むピックアンドプレースマシン。
【請求項15】
前記コレットディスクは、明色又は鏡面着色を有する平坦ディスクを有する、請求項13に記載のピックアンドプレースマシン。
【請求項16】
前記コレットディスクは、明色又は鏡面着色を有する前記本体の表面のためのカバーを有する、請求項13に記載のピックアンドプレースマシン。
【請求項17】
前記コレットディスクは、湾曲した表面を有することを特徴とする請求項13に記載のピックアンドプレースマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コレットコントラストディスク(collet contrast disk)に関し、より具体的には、コレットコントラストディスクを備えたピックアンドプレースマシンモジュール(pick-and-place machine module)に関し、ピックアンドプレース能力及び精度を改善する。
【背景技術】
【0002】
表面実装技術(SMT)部品配置システムは、一般に、ピックアンドプレースマシン又はP & Psと呼ばれる。ピックアンドプレースマシンは、表面実装デバイス(SMD)をプリント基板(PCB)上に配置するために、或いは小さなフィーチャ(feature)をピックアップし、移動し、別のフィーチャ上に配置する他の同様の動作のために使用されるロボットマシンである。いずれの場合でも、キャパシター、抵抗器及び集積回路のような広範囲の電子部品をPCB上に高速、高精度に配置するために使用されることが多い。PCBは、産業用、医療用、自動車用、軍事用及び通信機器用と同様に、コンピュータ及び家電製品用にも使用される。
【0003】
ピックアンドプレースマシンは、典型的には、吸引(suction)を使用してフィーチャ(feature)をベースからリフティング(lifting)し、そのフィーチャを高所に保持するノズルを有する。ノズルは、光学的に位置決めされ、かくして、リフティングされるべきフィーチャ及びターゲットを「見る」すなわち光学的に検出する必要がある。このように、フィーチャとフィーチャをそこからリフティングするベースとが同様の色を有する場合、ピックアンドプレースマシンは、フィーチャを「見る」又は光学的に検出することが困難であり、吸引及びリフティングのためにノズルを確実に位置することができない。この困難な状況は、特に、リフティングされるフィーチャが黒色部品であり、そこからリフティングするベースが黒又は濃灰色である場合に当てはまる。
【0004】
上述のような理由でピックアンドプレースマシンを使用できない場合、手動ピックアンドプレースメントが代替として採用され、ヒューマンエラーによる位置ずれ及び全体の組み立て時間の増加の原因となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、ピックアンドプレースマシンモジュールが提供される。ピックアンドプレースマシンモジュールは、ノズル及びコレットディスクを含む。ノズルは、本体と、ヘッドと、本体とヘッドとの間に延在する管状要素とを備え、それによりヘッドは、当該ヘッドによる部品のピックアップを可能にするために、管状要素を介して本体と連通している。コレットディスクは、管状要素のまわりでヘッドに面する本体の表面に固定され、たコレットディスクであり、当該コレットディスクの上に入射する光を部品を取り囲むベースの領域に向けて反射するように構成されている。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、ベースから部品をピックアップするためのピックアンドプレースマシンモジュールが提供される。ピックアンドプレースマシンモジュールは、引力を伝達するように構成された本体と、ヘッドと、管状要素と、コレットディスクとを含む。管状要素は本体とヘッドとの間に延び、それによりヘッドが引力と連通し、ヘッドによる部品のピックアップを可能にする。コレットディスクは、管状要素のまわりでヘッドに面する本体の表面に固定され、コレットディスクの上に入射する光を部品を取り囲むベースの領域に向かって反射するように構成される。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、ベースから部品を取り出すためのピックアンドプレースマシンモジュールが提供される。ピックアンドプレースマシンモジュールは、引力を伝達するように構成された本体と、対向する前方面及び後方面を有し、前方面から延びるスルーホールを画定するように形成されたヘッドと、管状要素と、コレットディスクとを含む。管状要素は、本体とヘッドとの間に延在し、それにより貫通孔が吸引と連通して、ヘッドの前方面による部品のピックアップを可能にする。コレットディスクは、管状要素のまわりのヘッドの後方面に面する本体の前方対向面に固定され、コレットディスクの上に入射する光を部品を取り囲むベースの領域に向かって反射するように構成されている。
【0008】
追加の特徴及び利点は、本発明の技術によって実現される。本発明の他の実施形態及び態様は、本明細書に詳細に記載されており、特許請求の範囲に係る発明の一部とみなされる。利点及び特徴を有する本発明のより良い理解については、説明及び図面を参照されたい。
発明とみなされる主題事項は、明細書の末尾にある特許請求の範囲において特に指摘され、かつ、明確に請求されている。本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に従ったピックアンドプレースマシンの側面図である。
【
図2】
図1のピックアンドプレースマシンの平面図である。
【
図3】
図1のピックアンドプレースマシンのピックアンドプレースマシンモジュールのノズル本体及びコレットディスクの拡大図である。
【
図4】
図3のコレットディスクの軸方向の図である。
【
図5】コレットディスクなしのピックアンドプレースマシンモジュールによってピックアップされるべき部品の光学的読み取りのグラフ図である。
【
図6】コレットディスクを有するピックアンドプレースマシンモジュールによってピックアップされるべき部品の光学的読み取りのグラフ図である。
【
図7】代替実施形態に従ったノズル本体及びコレットディスクの拡大図である。
【
図8】さらなる実施形態に従った曲面を有するコレットディスクの側面概略図である。
【
図9】さらなる実施形態に従った管状要素に沿って移動可能なコレットディスクの側面概略図である。
【
図10】さらなる実施形態に従った形状変化能力を有するコレットディスクの側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明するように、ピックアンドプレースマシンモジュール又はツールのノズル本体には、コレットディスクが設けられる。コレットディスクは、その上に入射する光又は周囲光を、部品が配置されたベースに向かって反射するように働く。これは、ピックアンドプレースマシンがピックアップ手順のために部品を光学的に検出する又は「見る」能力を増大又は改善するハロー効果(halo-effect)を構成する。従って、コレットディスクを使用することにより、このような部品ピックアップ手順のためにピックアンドプレースマシンを手動で位置決めする必要性(及び関連するコスト)又は部品を直接手動でピックアップする必要性を回避することができる。
【0011】
図1〜
図4及び
図6を参照すると、ピックアンドプレースマシン10が設けられ、ベース12から部品11をピックアップするように構成されている。ピックアンドプレースマシン10は、引力、例えば、吸引力を発生するように構成されたマシンフィクスチャ(machine fixture)13、ノズル14及びコレットディスク15を含む。明瞭化・簡単化のために、以下の説明は引力が吸引力である場合に関するが、例えば電磁力、接着力などの代替的な他の引力であってもよいことを理解されたい。
【0012】
ノズル14は、引力(例えば、吸引力)をそこを通って伝達するように構成されたノズル本体20と、ヘッド21と、管状要素22とを含む。ヘッド21は、前方に向けられた面210と後方に向けられた面211とを有する。後方に向けられた面211は、前方に向けられた面210とは反対にあり、前方に向けられた面210からヘッド21を通って延びる貫通孔23を画定するように形成されている。管状要素22は、ノズル本体20の前方対向面201とヘッド21との間に延在し、ノズル本体20とヘッド21との間に管状経路を形成する。この管状経路は、前方に向けられた面210と部品11の相補的な面との間の接触によって部品11のベース12からのピックアップを可能にするために、スルーホール23が吸引と連通するように、設けられている。
【0013】
実施形態に従えば、ノズル本体20は、前方対向面201に向けて距離が短くなっていくように狭くなるテーパを有する円錐台形の形状を有してもよく、フランジ202及びOリング203を含んでもよい。フランジ202は、ハンドリング及びツールの目的でノズル本体20に設けられ、Oリング203は、機械取付け具13との圧力シールを維持するように配置される。
【0014】
ノズル本体20、ヘッド21、管状要素22及びコレットディスク15は、ピックアンドプレースマシン10のピックアンドプレースマシンモジュール100を協働して形成する。
【0015】
コレットディスク15は、コレットディスク15に入射する光の少なくとも一部を、部品11を取り囲むベース12の領域に向かって反射するように構成されている。コレットディスク15は、第1の面151と第1の面151に対向する第2の面152とを有するディスク本体150を含む。第1の面151は、接着剤又は他の類似の固定又は接着ツールによって、ノズル本体20の前方対向面201に固定され、第2の面152は、ヘッド21の後方に向けられた面211に面している。ディスク本体150は、管状要素22の周囲に配置され、第1の面151から第2の面152までディスク本体150を貫通して延在する開口153を画定するように形成される。開口部153は、コレットディスク15が管状要素22の周囲にしっかりと又はゆるく嵌まるような寸法にされている。
【0016】
実施形態に従えば、ディスク本体150は、環状形状を有してもよく、フランジ202と同様の又はわずかに小さい直径を有してもよい。さらに、ディスク本体150は、実質的に平坦化されたディスク又は平坦なディスクとして提供されてもよく、また、光着色(例えば、白色又は黄色着色)又は鏡面色(例えば、銀色着色又は鏡面化)を有してもよい。
【0017】
図1及び
図2に示すように、ピックアンドプレースマシン10のピックアンドプレースマシンモジュール100のマシンフィクスチャ13は、光源30と、光学的ターゲティング機構40と、ノズル本体20が結合されたサーボ機構50と、コントローラ60とを含む。光源30は、部品11のまわりのベース12に配置された1つ以上の光源30として提供されてもよい。光源30は、光を放射し、その光はコレットディスク15に入射し、かくして、部品11を取り囲むベース12の領域へと反射される。また、マシンフィクスチャ13の周囲に追加の光源を設けてもよく、周辺光と共に追加の光を生成する。光学的ターゲティング機構40をヘッド21内の光学センサとして設けてもよく、部品11又はベース12に対する明瞭な視線を有する他の部品として設けてもよい。光学的ターゲティング機構40は、コレットディスク15によって反射された光から、ベース12上の部品11の3次元位置を光学的に識別するように構成される。サーボ機構50は、ロボットアーム又はガントリとして提供されてもよく、このガントリは、3次元で操作可能であり、最大6の自由度を有するので、サーボ機構50は、ノズル本体20を3次元(例えば、
図1ではz、x次元、
図2ではx、y次元)で操作するように構成されることにより、ノズル本体20を部品11に向かって下方に向けることができ、部品11を保持しながらノズル本体20をベース12から上方に向けることができる。サーボ機構50はまた、上述した吸引を発生するように構成されてもよい。
【0018】
コントローラ60は、
図1に示すように、サーボ機構50内に収容されていてもよく、サーボ機構50上に支持されてもよく、或いは、サーボ機構50から離れていてもよい。いずれの場合にも、コントローラ60は、プロセッサ61、メモリユニット62、及び通信ユニット63を含み、通信ユニット63によってプロセッサ61は、光学的ターゲティング機構40及びサーボ機構50と通信する。メモリユニット62は、その上に記憶された実行可能命令を有し、命令が実行されると、プロセッサ61は、本明細書中に記載した動作を実行する。すなわち、プロセッサ61は、通信ユニット63を介して、少なくとも光学的ターゲティング機構40及びサーボ機構50に動作可能に結合され、かくして、光学的ターゲティング機構40から、ベース12上の部品11の3次元位置の反射である情報を受信し、該情報に従ってサーボ機構50の様々な動作を制御するように構成される。
【0019】
ピックアンドプレースマシン10及びそのピックアンドプレースマシンモジュール100の動作中、光学的ターゲティング機構40は、ベース12上の部品11の3次元位置を光学的に検出し、その反射情報を通信ユニット63を介してコントローラ60のプロセッサ61へと送信する。続いて、プロセッサ61は、該情報から、ベース12上の部品11の3次元位置を決定し、通信ユニット63を介して制御コマンドをサーボ機構50に発行する。制御コマンドは、部品11の上方にヘッド21を位置決めし、次いで、ヘッド21を部品11の上に下降させるように、サーボ機構50に指示する。この時点で、又はこの時点より前に、プロセッサ61は、ヘッド21が部品11上に下降したときにヘッド21が部品11を拾い上げる(ピックアップする)ことができるように、吸引を作動させる。最後に、ヘッド21が吸引とともに部品11に接触すると、プロセッサ61は、通信ユニット63を介して、サーボ機構50にさらなる制御コマンドを発行する。さらなる制御コマンドは、サーボ機構50にヘッド21を持ち上げ、それによって部品11をベース12から持ち上げるように指示する。
【0020】
図5及び
図6を参照すると、サーボ機構50の移動の信頼性は、ベース12上の部品11の3次元位置を光学的に検出する光学的ターゲティング機構40の能力に基づいているので、光学的ターゲティング機構40が、ベース12上の部品11の3次元位置を明瞭かつ容易に光学的に検出することができることが重要である。しかしながら、
図5に示すように、上述のコレットディスク15を含まない従来のピックアンドプレースマシンは、例示的なベース上の例示的な部品を明確かつ容易に光学的に検出することができない。これは、例示的な部品及び例示的なベースの着色が類似している場合に特に当てはまる。
【0021】
対照的に、
図6に示すように、ピックアンドプレイマシン10のピックアンドプレイマシンモジュール100のコレットディスク15は、光源30によって放射された光を、部品11を取り囲むベース12の領域へと反射し、かくして、ベース12のイメージと部品11との間のコントラストを実質的に増大させる。すなわち、コレットディスク15は、ハロー効果を部品11の周囲に生成する。ハロー効果は、中央暗領域601、外側暗領域602、及び内側明(light)領域603として、光学的ターゲティング機構40によって明瞭かつ容易に読み取ることができる。中央暗領域601は、部品11に対応する。外側暗領域602は、部品11から離れたベース12の部分に対応する。内側明領域603は、中央暗領域601と外側暗領域602との間に径方向に挟まれ(介在し)、中央暗領域601及び外側暗領域602の両方と著しく対比される。
【0022】
代替の実施形態に従えば、
図7を参照すると、コレットディスク15は、明色又は鏡面着色を有する、ノズル本体20の表面のためのカバー701として提供されてもよい。ここで、カバー701は、ノズル本体20に接着又は他の方法で固定されてもよく、かくして、ノズル本体20の形状に類似した外部形状(例えば、円錐台形)を有してもよい。このような形状では、カバー701の少なくとも前面702は、その上に入射する光を部品11を取り囲むベース12の領域に向かって反射する。
【0023】
追加の又はさらなる実施形態によれば、
図8、9及び10を参照して、コレットディスク15は、中心暗領域601を伴う内側明領域603と外側暗領域602との間のコントラストのシャープネス(sharpness)を増大又は減少させるように、部品11を取り囲むベース12の領域に反射される光を収束するように構成してもよい。この目的のために、コレットディスク15は、曲面801(
図8参照)を含んでもよく、管状要素22の軸方向長さに沿って移動可能であってもよく(
図9参照)、或いは形状変化能力(
図10参照)を有してもよい。
図8及び
図10に凹曲率として描かれているが、光源30からの光及び周辺光がベース12に向かって反射されるようなある場合には、コレットディスク15の湾曲面は凸状であってもよいことを理解されたい。
図9の管状要素22の軸方向長さに沿ったコレットディスク15の移動は、スライド(摺動)又は回転移動/螺合移動として提供することができ、それによってコレットディスク15は、ハロー効果を増大又は減少させるために、軸方向長さに沿って手動又は自動的に位置づけされる。形状変更能力は、コレットディスク15の加熱又はコレットディスク15への電圧の印加に応答して提供されてもよい。かくして、コレットディスク15は、そのような刺激に応答して変化を成形するように設計された材料(例えば、スマート材料、圧電材料、又は異なる熱膨張係数を有する層状複合材料)から作られてもよい。
【0024】
図8〜10の実施形態は、単独で、又は互いに協力して、又は上述の実施形態の1つ以上と協調して提供され得ることが理解されるべきである。
【0025】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書中で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」もまた、文脈が他のことを明確に示さない限り、複数形を含むことが意図されている。本明細書で使用される場合、用語「含む」及び/又は「含む」は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は部品の存在を特定するが、これらの他の特徴、整数、ステップ、動作、要素部品、及び/又は群の1つ以上の存在又は追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0026】
特許請求の範囲に記載した機能要素に加え全ての手段又はステップの対応する構造、材料、行為等は、特許請求の範囲に規定された他の構成要件との結合において当該機能を発揮する任意の構造、材料又は行為を含むものである。本発明の説明は、説明及び記述の目的で提示されたが、開示された形態の本発明を網羅的に又は限定することを意図したものではない。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には多くの修正及びバリエーションが明らかであろう。本実施形態は、本発明の原理及び実際の用途を最もよく説明し、当業者が、考えられる特定の用途に適した様々な修正を施した様々な実施形態について本発明を理解することを可能にするために選択され、説明された。
【0027】
本発明の実施形態を説明したが、当業者は、現在及び将来において、以下の特許請求の範囲の範囲内にある種々の改善及び強化を行うことができることが理解されるであろう。これらの請求項は、最初に記載された発明に対する適切な保護を維持すると解釈されるべきである。