特許第6876161号(P6876161)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000002
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000003
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000004
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000005
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000006
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000007
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000008
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000009
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000010
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000011
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000012
  • 特許6876161-決済装置及びその制御プログラム 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6876161
(24)【登録日】2021年4月27日
(45)【発行日】2021年5月26日
(54)【発明の名称】決済装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20210517BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20210517BHJP
【FI】
   G07G1/12 321K
   G07G1/12 341A
   G06Q20/20 310
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-7347(P2020-7347)
(22)【出願日】2020年1月21日
(62)【分割の表示】特願2016-35714(P2016-35714)の分割
【原出願日】2016年2月26日
(65)【公開番号】特開2020-74175(P2020-74175A)
(43)【公開日】2020年5月14日
【審査請求日】2020年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藪 秀二
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5898360(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00− 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の販売登録機能を有した登録装置と、当該登録装置で販売登録された商品のデータを基に決済処理を実行する複数台の決済装置とを備え、前記複数台の決済装置の間でデータの転送順序を設定してなるチェックアウトシステムの決済装置であって、
前記複数台の決済装置に対して時間帯毎に設定された決済処理の優先順位を示す情報に基づき、自決済装置で前記決済処理を実行するか他の決済装置で前記決済処理を実行するかを判定する判定手段と、
前記複数台の決済装置の間で設定されたデータの転送順序に従い、前記判定手段により自決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合には自決済装置の識別情報を、他の決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を転送する転送手段と、
を具備する決済装置。
【請求項2】
前記転送手段は、自決済装置における転送順序が最後でない場合、前記判定手段により自決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合には自決済装置の識別情報を、他の決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を、決済装置よりも転送順序が下位の他の決済装置に転送する、請求項1記載の決済装置。
【請求項3】
前記転送手段は、自決済装置における転送順序が最後の場合、前記判定手段により自決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合には自決済装置の識別情報を、他の決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を前記登録装置に転送する、請求項1又は2記載の決済装置。
【請求項4】
前記登録装置で販売登録された商品のデータを記憶する記憶手段と、
前記判定手段により自決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合、前記転送順序が先の他の決済装置に対して前記データのクリアを指令する指令手段と、
他の決済装置から前記データのクリアが指令されると、前記記憶手段で記憶した前記データをクリアするクリア手段と、
をさらに具備する請求項1乃至3のうちいずれか1に記載の決済装置。
【請求項5】
商品の販売登録機能を有した登録装置と、当該登録装置で販売登録された商品のデータを基に決済処理を実行する複数台の決済装置とを備え、前記複数台の決済装置の間でデータの転送順序を設定してなるチェックアウトシステムの決済装置におけるコンピュータを、
前記複数台の決済装置に対して時間帯毎に設定された決済処理の優先順位を示す情報に基づき、自決済装置で前記決済処理を実行するか他の決済装置で前記決済処理を実行するかを判定する判定手段、及び、
前記複数台の決済装置の間で設定されたデータの転送順序に従い、前記判定手段により自決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合には自決済装置の識別情報を、他の決済装置で前記決済処理を実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を転送する転送手段、
として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チェックアウトシステム及びこのシステムに用いられる決済装置に関する。
【背景技術】
【0002】
量販店向けのチェックアウトシステムとして、取引毎にその取引の決済に必要な会計データを生成する登録装置と、会計データを基に取引の決済処理を実行する決済装置とを分離したタイプがある。登録装置は、商品販売に係るデータの入力を待ち受ける。そして、操作者によって商品販売に係るデータが入力されると、登録装置は、そのデータを基に会計データを生成し、この会計データを決済装置に送信する。決済装置は、会計データに対する支払いデータの入力を待ち受ける。そして、操作者によって支払いデータが入力されると、決済装置は、会計データと支払いデータとに基づいて取引の決済処理を実行する。このような登録装置と決済装置とを分離したタイプのチェックアウトシステムには、登録装置と決済装置とを別々の店員が操作する二人制と、登録装置を店員が操作し決済装置を買物客が操作する分担制、いわゆるセミセルフ方式とがある。
【0003】
セミセルフ方式の場合、決済装置の操作に買物客が手間取ると、後に続く買物客が決済を待つことになる。このような事態を避けるために、1台の登録装置に対して複数台の決済装置を接続する。そして登録装置が取引毎にいずれかの決済装置を選択して、その決済装置に会計データを送信していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−242839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、登録装置において会計データの送信先となる決済装置を選択しないチェックアウトシステム及びこのシステムに用いられる決済装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、決済装置は、商品の販売登録機能を有した登録装置と、当該登録装置で販売登録された商品のデータを基に決済処理を実行する複数台の決済装置とを備え、複数台の決済装置の間でデータの転送順序を設定してなるチェックアウトシステムの決済装置である。当該決済装置は、判定手段と、転送手段とを有する。判定手段は、複数台の決済装置に対して時間帯毎に設定された決済処理の優先順位を示す情報に基づき、自決済装置で決済処理を実行するか他の決済装置で前記決済処理を実行するかを判定する。転送手段は、複数台の決済装置の間で設定されたデータの転送順序に従い、判定手段により自決済装置で決済処理を実行すると判定した場合には自決済装置の識別情報を、他の決済装置で決済処理を実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を転送する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るチェックアウトシステムの模式図。
図2】登録装置及び決済装置の主要な回路構成を示すブロック図。
図3】優先リストメモリの構成を示す模式図。
図4】会計データ及び会計機応答コマンドの構成を示す模式図。
図5】登録装置のCPUが実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図。
図6】決済装置のCPUが実行する会計データ受信処理の主要な手順を示す流れ図。
図7】決済装置のCPUが実行する会計データ受信処理の主要な手順を示す流れ図。
図8】登録画面の一表示例を示す模式図。
図9】会計確認画面の一表示例を示す模式図。
図10】会計確認画面の一表示例を示す模式図。
図11】第2の実施形態における会計データの構成を示す模式図。
図12】第2の実施形態における決済装置のCPUが実行する会計データ受信処理の主要な手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係るチェックアウトシステム10の模式図である。チェックアウトシステム10は、複数台の登録装置11と決済装置12とを含む。決済装置12は、登録装置11よりも台数が多い。
登録装置11及び決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。1つのチェックアウトレーンに配置される登録装置11及び決済装置12の台数は任意である。図1においては、1台の登録装置11と3台の決済装置12とを2つのチェックアウトレーンにそれぞれ配置した場合を示している。詳しくは、1つのチェックアウトレーンに対して1台の登録装置11と3台の決済装置12(12-A、12-B、12-C)とが配置されている。決済装置12-Aは、登録装置11との距離が最も近く、決済装置12-Bは、登録装置11との距離が2番目に近く、決済装置12-Cは、登録装置11との距離が最も遠い。
【0009】
チェックアウトシステム10は、セミセルフ方式である。すなわち登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員21が、その操作者となる。決済装置12は、登録装置11にて買上商品の販売登録がなされた買物客22が、その操作者となる。
【0010】
登録装置11は、図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路(チェックアウトレーン)が形成される。
登録装置11は、商品の販売登録、会計データの作成及び会計データの決済装置12への転送の各機能を備える。商品の販売登録とは、買物客22が購入する商品のデータを登録装置11に登録することである。例えば、商品に付されたバーコードをスキャナでスキャンすることにより、当該商品の販売点数,販売金額等のデータが登録装置11に登録される。会計データとは、1つの取引として販売登録された商品の会計に係るデータである。販売登録された商品の商品コード、商品名、単価、販売点数及び販売金額とその合計点数、合計金額等が会計データに含まれる。
登録装置11は、同一のチェックアウトレーンに配置されている3台の決済装置12のうち1台を会計データの送信先として設定する。どの決済装置12を送信先とするかは任意である。登録装置11は、送信先に設定された1台の決済装置12に対し、会計データを送信する。
【0011】
決済装置12は、決済処理の機能を備える。すなわち決済装置12は、登録装置11から会計データを受信すると、その会計データを基に取引の決済を処理する。決済処理とは、会計データを基に商品売買行為である取引の決済を処理することである。決済には、現金、クレジットカード、電子マネー等が利用される。
【0012】
図2は、登録装置11及び決済装置12の主要な回路構成を示すブロック図である。各チェックアウトレーンの登録装置11及び決済装置12は、いずれも店舗内ネットワークであるLAN(local area network)13に接続されている。LAN13には、図示しないが、サーバが接続されている。サーバは、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、単価等の商品情報が設定された商品データベースを記憶する。サーバは、他のデータベースをさらに記憶してもよい。
【0013】
登録装置11及び決済装置12は、LAN13を介して情報を授受する。なお、ネットワークは、LAN13に代えてインターネットや無線LANなどの別の通信網を用いてもよい。また、登録装置11と決済装置12との間でサーバを介して会計データ等の情報を授受してもよい。
【0014】
登録装置11は、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、スキャナ11e、タッチパネル11f、プリンタ11g、通信ユニット11h及び伝送システム11iを含む。
CPU11aは、ROM11b、RAM11c及び補助記憶ユニット11dと伝送システム11iを介して接続されて、コンピュータを構成する。CPU11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0015】
ROM11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記ミドルウェア又はアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM11cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。またRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとしても利用される。
補助記憶ユニット11dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって作成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。ROM11b又は補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、登録装置11で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムを含む。
【0016】
スキャナ11eは、商品に付されたバーコードを読み取って、当該商品の商品コードを得る。タッチパネル11fは、表示デバイス及びタッチセンサを含む。タッチパネル11fには、店員用と客用とがある。店員用のタッチパネル11fは、表示画面が店員21の作業スペース側を向くように、作業テーブル23上に設けられる。客用のタッチパネル11fは、表示画面が買物客22用の通路側を向くように、作業テーブル23上に設けられる。プリンタ11gは、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像などを印刷することにより、レシートを発行する。通信ユニット11hは、LAN13を介して接続される複数の決済装置12とデータ通信を行う。通信ユニット11hは、他の登録装置11とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
【0017】
伝送システム11iは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、スキャナ11e、タッチパネル11f、プリンタ11g及び通信ユニット11hの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11iは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。このような登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
【0018】
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、スキャナ12e、タッチパネル12f、プリンタ12g、通信ユニット12h、カードリーダ・ライタ12j、自動釣銭機12k、時計部12m及び伝送システム12iを含む。
カードリーダ・ライタ12jは、カードに記録されたデータを読み取る機能と、上記カードへデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードを含む。自動釣銭機12kは、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また自動釣銭機12kは、釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。時計部12mは、現在の日付及び時刻を計時する。その他のCPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、スキャナ12e、タッチパネル12f、プリンタ12g、通信ユニット12h及び伝送システム12iは、登録装置11のものと同一の機能を有するものである。すなわちCPU12aは、ROM12b、RAM12c及び補助記憶ユニット12dと伝送システム12iを介して接続されて、コンピュータを構成する。そしてCPU12aは、ROM12b及びRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。ROM12b又は補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、決済装置12で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムを含む。このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフ方式に対応したPOS端末を利用することが可能である。
【0019】
かかる構成のチェックアウトシステム10は、登録装置11のRAM11cにデータメモリ領域M1及びM2を形成する。データメモリ領域M1は、1取引として販売登録される各商品の商品コード、商品名、単価、販売点数及び販売金額を格納するための領域である。商品コードは、各商品を個々に識別するための固有のコードである。各商品には、例えばバーコードによって表された商品コードが付されており、スキャナ11eでバーコードをスキャンすることにより、登録装置11は商品コードを取得できる。商品名及び単価は、対応する商品コードにより識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。以下、データメモリ領域M1を登録メモリM1と称する。
【0020】
データメモリ領域M2は、送信先情報を記憶する。送信先情報は、会計データの送信先となる決済装置12を識別するための情報である。本実施形態では、登録装置11と同一のチェックアウトレーンに配置された3台の決済装置12の間で会計データの転送順序が予め設定される。そしてこの転送順序が1番の決済装置12を識別可能な情報が送信先情報としてデータメモリ領域M2に記憶される。例えば補助記憶ユニット11dに、送信先情報のデフォルト値が記憶されており、CPU11aは、立ち上げ時にこのデフォルト値をデータメモリ領域M2に書き込む。各決済装置12には、固有のIDが予め設定されている。このIDを送信先情報として用いることができる。あるいは各決済装置12のIDにそれぞれ関連付けて番号、記号、コード等を割り当て、送信先情報としてもよい。以下、データメモリ領域M2を送信先メモリM2と称する。
【0021】
チェックアウトシステム10は、決済装置12のRAM12cにデータメモリ領域M3、M4及びM5を形成する。データメモリ領域M3は、会計データを格納する領域である。以下、データメモリ領域M3を会計バッファM3と称する。
【0022】
データメモリ領域M4は、転送先情報を記憶する。転送先情報は、会計データの転送先となる他の決済装置12、すなわち転送順序が自らの次の順番の決済装置12を識別するための情報である。なお、転送順序が最後の決済装置12においては、転送先情報は設定されない。例えば補助記憶ユニット12dに、転送先情報のデフォルト値が記憶されており、CPU12aは、立ち上げ時にこのデフォルト値をデータメモリ領域M4に書き込む。各決済装置12には、固有のIDが予め設定されている。このIDを転送先情報として用いることができる。あるいは各決済装置12のIDにそれぞれ関連付けて番号、記号、コード等を割り当て、転送先情報としてもよい。以下、データメモリ領域M4を転送先メモリM4と称する。
【0023】
データメモリ領域M5は、優先リストテーブルを記憶する。優先リストテーブルは、1つのチェックアウトレーンに配置された複数台の決済装置12に対して時間帯毎に設定される決済処理の優先順位を示す。
図3は、図1に示すように1つのチェックアウトレーンに3台の決済装置12が配置された場合の優先リストテーブルTの一例である。優先リストテーブルTは、1時間単位の時間帯毎に、優先順位1位、2位及び3位の各決済装置12をそれぞれ識別する情報を記憶する。情報は、例えば各決済装置固有のIDである。因みに図3では、決済装置12-AのIDを「A」とし、決済装置12-BのIDを「B」とし、決済装置12-CのIDを「C」とする。なお、時間帯が1時間単位に限定されないのは言うまでもないことである。
【0024】
図5は、登録装置11のCPU11aが、制御プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。図6及び図7は、決済装置12のCPU12aが、会計データ受信時に制御プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。図8乃至図10は、登録装置11のタッチパネル11fに表示される画面の一例を示す平面図である。以下、図5乃至図10を用いて、チェックアウトシステム10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0025】
はじめに、登録装置11の動作について説明する。
登録装置11が、買上商品の登録処理を行うモードで起動されると、CPU11aは、図5の流れ図に示す手順の制御処理を開始する。先ずCPU11aは、Act1としてタッチパネル11fの画面の一部に登録画面SC1(図8を参照)を表示させる。
登録画面SC1は、登録メモリM1の内容を表し、登録処理の実施状況を店員21に確認させるものである。登録画面SC1の一例を図8に示す。登録画面SC1は、表示エリアR1、R2を含む。表示エリアR1は、最も新しく買上登録がなされた商品に関する商品名、単価、販売点数(個数)及び販売金額と、その商品を登録した後の買上商品の合計点数および合計金額とを表示する。表示エリアR2は、表示エリアR1に示された商品よりも前に買上登録がなされた商品に関する商品名、単価、販売点数(個数)及び販売金額のリストを表示する。
なお、図示は省略するが、CPU11aは、タッチパネル11fの画面のうちの登録画面SC1とする領域外に、店員21が商品を指定するための商品ボタンや、小計ボタンなどの各種の機能ボタンを表示する。
【0026】
店員21は、タッチパネル11fに登録画面SC1が表示されていることを確認したならば、買上商品の販売登録が可能であると認識する。そこで買物客22が買上商品を持って作業テーブル23まで来たならば、店員21は、例えばスキャナ11e又は商品ボタンを操作して、買上商品の商品コードを順次入力する。そして、全ての買上商品の商品コードを入力し終えると、店員21は、小計ボタンにタッチする。以上の操作により、一人の買物客が買い上げる商品の販売登録が終了する。
【0027】
このような販売登録操作に対し、登録装置11のCPU11aは、以下の情報処理を実行する。先ずCPU11aは、Act2として商品登録を待ち受ける。スキャナ11e又は商品ボタンを介して商品コードが入力されると(Act2にてYES)、CPU11aは、Act3として商品販売データの登録処理を実行する。すなわちCPU11aは、商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、単価等の商品情報を取得する。またCPU11aは、この単価に販売点数を乗算して販売点数分の金額、いわゆる販売金額を算出する。販売点数は、商品コードが入力される前にテンキー等によって置数されている場合にはその数値であり、置数されていない場合には“1”である。かくしてCPU11aは、商品コード、商品名、単価、販売点数及び販売金額を含む商品販売データを作成する。そしてCPU11aは、商品販売データを登録メモリM1に格納する。このときCPU11aは、登録メモリM1のデータを基に登録画面SC1を更新する。
【0028】
CPU11aは、Act4として販売商品の登録終了が宣言されたか否かを確認する。例えば小計ボタンがタッチされると、CPU11aは登録終了が宣言されたと判断する。登録終了が宣言されていない場合(Act4にてNO)、CPU11aは、Act2に戻り、商品登録を待ち受ける。登録終了が宣言された場合には(Act4にてYES)、CPU11aは、Act5として登録メモリM1のデータを基に会計データを生成する。ここにCPU11aは、Act2乃至Act5の処理により、入力されたデータ(商品販売に係るデータ)を基に取引の決済に必要な会計データを生成する生成手段を構成する。
【0029】
会計データを生成すると、CPU11aは、Act6としてタッチパネル11g1の画面の一部に会計確認画面SC2(図9を参照)を表示させる。
会計確認画面SC2の一例を図9に示す。会計確認画面SC2は、表示エリアR3、R4及びボタンB1、B2、B3、B4を含む。表示エリアR3は、登録メモリM1に格納された商品の合計点数、合計金額等を表示する。ボタンB1、B2は、合計金額に対して値引又は割引を適用することを店員21が指定するための小計値引ボタンB1、小計割引ボタンB2である。ボタンB3は、タッチパネル11g1の画面の一部領域を登録画面SC1に戻すことを店員21が指定するための戻るボタンB3である。ボタンB4は、1つの取引に対する商品の登録が終了し会計への移行を店員21が指示するための会計ボタンB4である。表示エリアR4は、各決済装置12の状態を表示する。決済装置12の状態には、「会計中」、「警告有」、「待機中」等がある。「会計中」とは、当該決済装置12にて決済処理が実施されている状態である。決済処理を実施している決済装置12のCPU12aは、処理中信号を発生する機能を有する。この処理中信号は、通信ユニット12hからLAN13を介して登録装置11に出力される。「警告有」とは、当該決済装置12にて例えば釣銭金額の不足あるいはレシート用紙の不足が発生している状態である。自動釣銭機12kは、釣銭として収容されている貨幣の残量が閾値よりも少なくなると釣銭金額不足の警告信号を発生する機能を有する。プリンタ12gは、レシート用紙の残量が閾値よりも少なくなるとレシート用紙不足の警告信号を発生する機能を有する。これらの警告信号は、通信ユニット12hからLAN13を介して登録装置11に出力される。「待機中」とは、当該決済装置12にて決済処理を待機している状態である。決済処理を実施しておらず、レシートの不足や釣銭の不足などの警告がない決済装置12のCPU12aは、待機中信号を発生する機能を有する。この待機中信号は、通信ユニット12hからLAN13を介して登録装置11に出力される。
登録装置11のCPU11aは、各決済装置12から発せられた処理中信号、警告信号または待機中信号を受信すると、表示エリアR4の状態情報を更新する。
【0030】
会計確認画面SC2を確認した店員21は、買物客22を会計に移行させてよい場合、会計ボタンB4にタッチする。
会計ボタンB4がタッチされた場合(Act7にてYES)、CPU11aは、Act8として送信先メモリM2に格納されている送信先情報を取得する。またCPU11aは、Act9として会計機情報を初期値“0”とする。会計機情報は、会計処理を優先的に実行する決済装置12を識別する情報である。各決済装置12には、固有のIDが予め設定されている。このIDを会計機情報として用いることができる。現時点では、会計処理を優先的に実行する決済装置12は決まっていない。このため、会計機情報は初期値“0”となる。
【0031】
CPU11aは、Act10として、Act5の処理で生成された会計データと、Act8の処理で取得した送信先情報と、Act9の処理で設定した会計機情報とを通信ユニット11hに出力する。そしてCPU11aは、通信ユニット11hに対して、送信先情報で識別される決済装置12を宛先として会計データと会計機情報とを含むデータ伝文を送信するように指令する。この指令を受けて、通信ユニット11hでは、図4(a)に示すように、送信先アドレスと送信元アドレスと会計データと会計機情報とが含まれる会計データ伝文が作成され、LAN13上に送信される。送信先アドレスは、送信先情報で識別される決済装置12の通信アドレスである。送信元アドレスは、当該登録装置11の通信アドレスである。会計データ伝文は、LAN13に接続された複数台の決済装置12のうち、送信先アドレスが通信アドレスとして設定された1台の決済装置で受信される。すなわち決済装置12の通信ユニット12hは、LAN13上を伝送される会計データ伝文のうち、送信先アドレスが自らの通信アドレスである会計データ伝文を受信する。ここに、登録装置11のCPU11aは、Act8乃至Act10の処理により、通信ユニット11hと協働して、複数台の決済装置12のうち送信先に設定された1台の決済装置12に対して会計データを初期値“0”の会計機情報とともに送信する送信手段を構成する。一方、決済装置12のCPU12aは、通信ユニット12hと協働して、受信手段を構成する。
【0032】
決済装置12のCPU12aは、通信ユニット12hを介して会計データ伝文を受信すると、図6及び図7の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ずCPU12aは、Act21としてエラーが発生しているか否かを確認する。エラーとは、例えば自動釣銭機12kにおいて釣銭用の貨幣が無くなった場合(釣銭無エラー)である。あるいは、例えばプリンタ12gにおいて、レシート用紙がなくなった場合(用紙切れエラー)である。なお、エラーは、上記態様のものに限定されるものではない。例えば釣銭用の貨幣が所定量よりも少なくなった場合(釣銭ニアエンド)、レシート用紙の残量が所定量よりも少なくなった場合(用紙ニアエンド)にエラーが発生していると認定してもよい。エラーが発生している場合(Act21にてYES)、CPU12aは、Act30の処理に進む。
【0033】
エラーが発生していない場合(Act21にてNO)、CPU12aは、Act22としてビジィフラグFが“0”にリセットされているか否かを判断する。ビジィフラグは、決済装置12が決済処理を実行していない間は“0”にリセットされており、決済処理が開始されると、終了するまで“1”にセットされる1ビットの情報である。ビジィフラグFは、例えばRAM12cに記憶されている。ビジィフラグFが“1”にセットされている場合(Act22にてNO)、当該決済装置12において他の会計データの決済処理が実行されているため、会計データ伝文に含まれる会計データの決済処理を行うことができない。この場合、CPU12aは、Act30の処理に進む。
【0034】
ビジィフラグFが“0”にリセットされている場合(Act22にてYES)、CPU12aは、Act23として会計データ伝文の会計機情報が“0”であるか否かを判定する。会計機情報が“0”の場合(Act23にてYES)、CPU12aは、Act27の処理に進む。
会計機情報が“0”以外、すなわち他の決済装置12の識別情報であった場合、CPU12aは、Act24として時計部12mで計時されている現在時刻を取得する。そしてCPU12aは、Act25として優先リストテーブルTを検索し、現在時刻を含む時間帯での各決済装置の優先順位を認識する。CPU12aは、Act26として会計機情報によって識別される他の決済装置と比較し、自らの方が優先順位の上位であるか否かを判定する。
【0035】
この判定の結果、自らの方が優先順位の上位である場合(Act26にてYES)、当該決済装置は、会計機情報によって識別される他の決済装置、つまりは転送順序が先の他の決済装置に対して優先的に決済処理を実行する。この場合、CPU12aは、Act27の処理に進む。一方、自らの方が優先順位の下位である場合には(Act26にてNO)、転送順序が先の他の決済装置の方が優先的に決済処理を実行する。この場合、CPU12aは、Act30の処理に進む。ここにCPU12aは、Act23乃至Act26の処理により、判定手段を構成する。具体的には、会計データ伝文に含まれる会計機情報が初期値“0”の場合には、会計データの決済処理を自らが優先的に実行すると判定する。上記会計機情報が他の決済装置の識別情報である場合には、時計部12mで計時される現在時刻の情報と優先リストテーブルTに設定されたデータとを基に、他の決済装置と比較して自らが優先的に実行するか否かを判定する。
【0036】
Act27では、CPU12aは、会計データ伝文の会計機情報を、自らの識別情報(ID)に書き換える。またCPU12aは、Act28として会計データ伝文に含まれる会計データを会計バッファM3に格納する。さらにCPU12aは、Act29として通信ユニット12hに対してクリアコマンドを送信するように指令する。この指令を受けて、通信ユニット12hでは、クリアコマンドが作成され、LAN13上に送信される。クリアコマンドは、LAN13に接続された決済装置にて受信可能である。ここにCPU12aは、Act27の処理によりRAM12cと協働して、記憶手段を構成する。またCPU12aは、Act29の処理により通信ユニット12hと協働して、指令手段を構成する。なお、Act27乃至Act29の各処理の順序は上記説明の順序に限定されるものではない。処理の順序が適宜入れ替わってもよい。Act27乃至Act29の各処理を終えると、CPU12aは、Act30の処理に進む。
【0037】
Act30では、CPU12aは、転送先メモリM4に格納されている転送先情報を取得する。そしてCPU12aは、Act31として転送先の有無を判定する。転送先情報が他の決済装置の識別情報である場合、CPU12aは、転送先有りと判定する。転送先情報が設定されていない場合、CPU12aは、転送先無しと判定する。
【0038】
転送先有りの場合(Act31にてYES)、CPU12aは、Act32として転送先情報を通信ユニット12hに出力する。そしてCPU12aは、通信ユニット12hに対して会計データ伝文の転送を指令する。この指令を受けて、通信ユニット12hでは、図4(a)に示すように、送信先アドレスと送信元アドレスと会計データと会計機情報とが含まれる会計データ伝文が作成され、LAN13上に送信される。送信先アドレスは、転送先情報で識別される他の決済装置の通信アドレスである。送信元アドレスは、当該決済装置12の通信アドレスである。会計データは、受信した会計データ伝文の会計データがそのまま転用される。会計機情報は、Act27の処理にて会計機情報が更新されていた場合には、その更新後の会計機情報、つまりは当該決済装置12の識別情報となる。更新されていない場合には、受信した会計データ伝文の会計機情報がそのまま転用される。ここにCPU12aは、Act30乃至Act32の処理により通信ユニット12hと協働して、転送手段を構成する。
【0039】
一方、転送先無しの場合には(Act31にてNO)、CPU12aは、Act33として通信ユニット12hに対して会計機応答コマンドの送信を指令する。この指令を受けて、通信ユニット12hでは、図4(b)に示すように、送信先アドレスと送信元アドレスと会計機情報とが含まれる会計機応答コマンドが作成され、LAN13上に送信される。送信先アドレスは、登録装置11及び他の決済装置が全て受信可能な通信アドレスである。送信元アドレスは、当該決済装置12の通信アドレスである。会計機情報は、Act27の処理にて会計機情報が更新されていた場合には、その更新後の会計機情報、つまりは当該決済装置12の識別情報となる。更新されていない場合には、受信した会計データ伝文の会計機情報がそのまま転用される。ここにCPU12aは、Act33の処理により通信ユニット12hと協働して、通知手段を構成する。
【0040】
Act32にて会計データを転送したCPU12aは、Act41としてコマンドの受信を待機する。LAN13を介してコマンドを受信した場合(Act41にてYES)、CPU12aは、そのコマンドが会計機応答コマンドであるか否かを確認する。会計機応答コマンドである場合(Act42にてYES)、CPU12aは、Act45の処理に進む。
【0041】
受信したコマンドが会計機応答コマンドでない場合(Act42にてNO)、CPU12aは、そのコマンドがクリアコマンドであるか否かを確認する。クリアコマンドである場合(Act42にてYES)、CPU12aは、Act44として会計バッファM3の会計データをクリアする。以上で、CPU12aは、会計データの受信処理を終了する。クリアコマンドは、自らが優先的に会計処理を実行すると判定した決済装置12から送信される。したがって、当該決済装置12よりも転送順序が前の決済装置12では、会計バッファM3から会計データがクリアされる。ここにCPU12aは、Act44の処理により、クリア手段を構成する。なお、会計バッファM3に会計データが格納されていない状態でクリアコマンドを受信した場合、CPU12aは実質的には何も処理を行わない。
【0042】
Act33にて会計機応答コマンドを送信するか、Act42にて会計機応答コマンドを受信した場合、CPU12aは、Act45としてその会計機応答コマンドに含まれる会計機情報が自己の識別情報と一致するか否かを確認する。一致しない場合(Act45にてNO)、CPU12aは、会計データの受信処理を終了する。
【0043】
会計機応答コマンドに含まれる会計機情報が自己の識別情報と一致する場合(Act45にてYES)、当該決済装置12は会計機として確定される。この場合、CPU12aは、Act46としてビジィフラグFを“1”にセットする。またCPU12aは、Act47としてタッチパネル12fに決済画面を表示させる。そしてCPU12aは、Act48として会計バッファM3に格納された会計データを基に取引の決済処理を実行する。決済画面は、買物客22による決済操作を支援する画面である。決済画面には、例えば買上商品の合計金額が表示される。また、現金、クレジットカード、電子マネー等の支払方法を選択するボタン等も表示される。決済処理は、買物客22による操作に応じて会計データに示された取引を決済するための処理であり、既存のセルフPOS端末などで行われている処理と同様なので、詳しい説明は省略する。決済処理が終了すると、CPU12aは、Act49としてビジィフラグFを“0”にリセットする。以上で、CPU12aは、会計データの受信処理を終了する。
【0044】
Act10にて会計データを送信した登録装置11のCPU11aは、Act11として会計機応答コマンドを待機する。会計機応答コマンドを受信すると(Act11にてYES)、CPU11aは、Act12としてその応答コマンドに含まれる会計機情報が初期値“0”であるか否かを確認する。会計機情報が初期値“0”でない場合、すなわちいずれかの決済装置の識別情報であった場合、CPU11aは、Act13として会計確認画面SC2に対して誘導表示を行う。
【0045】
図10は、誘導表示がなされた会計確認画面SC2の一例を示す。この例は、決済装置12-Cから会計可能の応答コマンドが送信された場合である。誘導表示は、決済処理が可能であることを通知した決済装置12-Cへと客を案内する表示である。誘導表示は、表示エリアR4にて行われる。この誘導表示を確認した店員21は、誘導表示によって報知された決済装置12-Cで会計を行うように買物客22を誘導する。例えば決済装置12-Cへと誘導を受けた買物客22は、決済装置12-Cが設置されている場所まで移動する。ここに、CPU11aは、Act11乃至Act13の処理により、タッチパネル11fと協働して、報知手段を構成する。
【0046】
これに対し、会計機情報が初期値“0”であった場合には、CPU11aは、Act14として、会計確認画面SC2の一部の領域、例えば表示エリアR4に、会計データを送信できないことを示す送信エラーのメッセージを表示させる。その後、CPU11aは、送信不可処理を実行する。送信不可処理は、例えば会計データに一意の識別コードを付してサーバ宛に送信するとともに、プリンタ11gを駆動して、当該識別コードを示すバーコードが印刷された会計券を発行する。会計券は買物客に渡される。買物客は、例えばチェックアウトレーンとは別の場所に用意された決済装置12のスキャナ12eで会計券のバーコードを読み取らせる。そうすると、決済装置12のCPU12aは、バーコードから得られる識別コードで付された会計データをサーバから取得する。そしてCPU12aは、この会計データを基に決済処理を実行する。
【0047】
例えば今、登録装置11に接続される3台の決済装置12-A、12-B、12-Cに対して決済装置12-A、決済装置12-B、決済装置12-Cの順に転送順序が設定されていたとする。また、各決済装置12-A、12-B、12-Cのメモリ領域M5には、図3に示すデータの優先リストテーブルTが設定されていたとする。この例において、各決済装置12-A、12-B、12-Cがいずれも決済処理可能なとき、午前10時の時間帯では、決済装置12-Aから決済装置12-Bに対しては、決済装置12-Aの識別情報「A」がセットされた会計データ伝文が転送される。決済装置12-Bから決済装置12-Cに対しても、決済装置12-Aの識別情報「A」がセットされた会計データ伝文が転送される。そして決済装置12-Cからは、決済装置12-Aの識別情報「A」がセットされた会計機応答コマンドが登録装置11及び他の決済装置12-A、12-Bに対して送信される。その結果、登録装置11では、決済装置12-Aへの誘導表示が行われる。また決済装置12-Aでは決済画面が表示され、決済処理が可能となる。
【0048】
これに対し、午前11時の時間帯では、決済装置12-Aから決済装置12-Bに対しては、決済装置12-Aの識別情報「A」がセットされた会計データ伝文が転送されるものの、決済装置12-Bから決済装置12-Cに対しては、決済装置12-Bの識別情報「B」がセットされた会計データ伝文が転送される。そして決済装置12-Cからは、決済装置12-Bの識別情報「B」がセットされた会計機応答コマンドが登録装置11及び他の決済装置12-A、12-Bに対して送信される。その結果、登録装置11では、決済装置12-Bへの誘導表示が行われる。また決済装置12-Bでは決済画面が表示され、決済処理が可能となる。
【0049】
なお、午前10時の時間帯であっても、図9に示すように、決済装置12-Aにてエラーが発生しており、かつ決済装置12-Bがビジィ中である場合には、会計機情報が初期値“0”のままの会計データ伝文が、決済装置12-Cまで転送される。そして決済装置12-Cからは、自らの識別情報「C」がセットされた会計機応答コマンドが登録装置11及び他の決済装置12-A、12-Bに対して送信される。その結果、登録装置11では、図10に示すように、決済装置12-Cへの誘導表示が行われる。また決済装置12-Cでは決済画面が表示され、決済処理が可能となる。
【0050】
このようにチェックアウトシステム10によれば、登録装置11は、送信先メモリM2に記憶されている送信先情報で識別される決済装置12に対して会計データを送信すればよいので、取引毎に会計データの送信先となる決済装置を選択する必要はない。このため、例えば登録装置11を操作する店員21が取引毎に会計データの送信先となる決済装置12を選択する場合と比べて、店員21の作業負担を軽減できる。また、登録装置11が各決済装置12の状態を基に取引毎に会計データの送信先を選択する仕組みと比較して、登録装置11の処理負荷を軽減できる。しかも店員は、誘導表示にしたがって買物客22を誘導すればよいので、どの決済装置12で決済処理が可能かということを目視で確認する面倒もなくなる。
【0051】
しかも、各決済装置12では、他の決済装置と比較して自らが優先的に決済処理を実行するか否かを判定するための判定条件である優先順位を時間帯毎に変更する。したがって、決済処理を実行する決済装置が、優先順位が上位の機種に集中しないので、釣銭無エラー又は用紙切れエラー等のエラーが発生する頻度を少なくすることができる。
【0052】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を説明する。なお、この第2の実施形態も図1に示すチェックアウトシステム10に適用した場合である。よって、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
【0053】
図11は、会計データ伝文のデータ構造を示す模式図である。図4(a)と図11とを比較すれば分かるように、第2の実施形態では、会計データ伝文に項目「比較値」が追加される。比較値は、決済装置12で発生するエラーの要因となる比較対象物の値である。例えば決済装置12では、プリンタ12gのレシート用紙が無くなると用紙切れエラーとなる。そこで本実施形態では、レシート用紙の残量を比較対象物の値とする。
【0054】
図12は、決済装置12のCPU12aが実行する会計データ受信処理の主要な手順を示す流れ図であり、図6と共通の処理ブロックには同一符号が付してある。図12に示すように、CPU12aは、Act23として会計データ伝文の会計機情報が“0”であるか否かを判定する。そして会計機情報が“0”の場合(Act23にてYES)、CPU12aは、Act51として比較対象物の実測値を検出する。すなわちCPU12aは、プリンタ12gに搭載されている残量センサからレシート用紙の残量を検出する。その後、CPU12aは、Act27の処理に進む。
【0055】
会計機情報が“0”以外、すなわち他の決済装置12の識別情報であった場合には、CPU12aは、Act52として会計データ伝文から比較値を取得する。またCPU12aは、Act53として比較対象物の実測値を検出する。そしてCPU12aは、Act54として実測値が比較値よりも大きいか否かを判定する。実測値が比較値よりも大きい場合(Act54にてYES)、すなわち転送順序が先の他の決済装置よりも自らの方がレシート用紙の残量が多い場合には、当該決済装置は転送順序が先の他の決済装置に対して優先的に決済処理を実行する。この場合、CPU12aは、Act27の処理に進む。一方、実測値が比較値以下の場合(Act54にてNO)、すなわち転送順序が先の他の決済装置よりも自らの方がレシート用紙の残量が少ないか同じの場合、転送順序が先の他の決済装置の方が優先的に決済処理を実行する。この場合、CPU12aは、Act30の処理に進む。
【0056】
CPU12aは、Act31として転送先の有無を判定する。そして転送先有りの場合(Act31にてYES)、CPU12aは、Act55として会計データ伝文の比較値を、Act51またはAct53の処理で取得した実測値に書き換える。その後、CPU12aは、Act32以降の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0057】
第2の実施形態によれば、複数台の決済装置12の間で設定された転送順序に係らず、決済処理を実行可能な決済装置の中でレシート用紙の残量が最も多い決済装置が優先的に会計機として決定される。したがって、登録装置11が取引毎に会計データの送信先となる決済装置を選択する必要がない上、用紙切れエラーの発生頻度を減らすことできる。
【0058】
[他の実施形態]
前記第1の実施形態では、優先リストテーブルTを各決済装置12が記憶した。他の実施形態としては、優先リストテーブルTをLAN13上のサーバで記憶する。各決済装置12は、サーバにアクセスして優先リストテーブルTのデータを取得する。このような構成を採用することにより、優先リストテーブルTの変更が容易である。
【0059】
前記第2の実施形態では、レシート用紙の残量を比較対象物の値とした。他の実施形態としては、自動釣銭機12kにおける釣銭の残量を比較対象物の値とする。こうすることにより、釣銭無エラーの発生頻度を抑制できる。なお、比較対象物の値は、レシート用紙の残量及び釣銭の残量に限定されないのは言うまでもない。
【0060】
前記各実施形態では、会計機応答コマンドの送信先アドレスを登録装置11及び他の決済装置12が全て受信可能な通信アドレスとした。他の実施形態としては、会計機応答コマンドの送信先アドレスを登録装置11の通信アドレスとする。この場合、会計機応答コマンドを受信した登録装置11のCPU11aは、会計機応答コマンド送信元の決済装置12に対して会計実行コマンドを送信する。この会計実行コマンドを受信した決済装置12のCPU12aは、図7のAct46〜Act49の処理を実行する。
【0061】
なお、登録装置11及び決済装置12の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]入力されたデータを基に取引の決済に必要な会計データを生成する登録装置と、前記会計データを基に決済処理を実行する複数台の決済装置とをネットワークで接続してなり、前記登録装置で生成された前記会計データを前記複数台の決済装置の間で設定された転送順序に従い前記ネットワークを介して順番に送信するチェックアウトシステムであって、前記複数台の決済装置は、前記ネットワークを介して伝送される前記会計データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した会計データの前記決済処理を前記転送順序が先の他の決済装置と比較して自らが優先的に実行するか否かを所定の判定条件を基に判定する判定手段と、自らに設定された前記転送順序が最後でない場合、前記判定手段により自らが優先的に実行すると判定した場合には自らの識別情報を、前記転送順序が先の他の決済装置が優先的に実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を、前記会計データとともに転送する転送手段と、自らに設定された前記転送順序が最後の場合、前記判定手段により自らが優先的に実行すると判定した場合には自らの識別情報を、前記転送順序が先の他の決済装置が優先的に実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を、前記登録装置に通知する通知手段と、を具備し、前記登録装置は、前記通知手段により通知された識別情報で識別される前記決済装置へと客を案内する報知を行う報知手段、を具備したことを特徴とするチェックアウトシステム。
[2]前記判定手段は、前記複数台の決済装置の間で割り当てられる時間帯別優先順位の情報を参照し、前記時間帯別優先順位が上位の方を前記決済処理を優先的に実行すると判定する、付記[1]記載のチェックアウトシステム。
[3]前記複数台の決済装置は、当該決済装置が有する比較対象物の実測値を検出する検出手段、をさらに具備し、前記判定手段は、前記転送順序が先の他の決済装置の前記検出手段で検出された前記比較対象物の実測値と自らの前記検出手段で検出された前記比較対象物の実測値とを比較して実測値が多い方を優先的に実行すると判定する、付記[1]記載のチェックアウトシステム。
[4]前記決済装置は、前記受信手段により受信した会計データを記憶する記憶手段と、前記判定手段により自らが優先的に実行すると判定した場合、前記転送順序が先の他の決済装置に対して前記会計データのクリアを指令する指令手段と、他の前記決済装置から前記会計データのクリアが指令されると前記記憶手段で記憶した前記会計データをクリアするクリア手段と、をさらに具備したことを特徴とする付記[1]乃至[3]のうちいずれか1に記載のチェックアウトシステム。
[5]入力されたデータを基に取引の決済に必要な会計データを生成する登録装置と、前記会計データを基に決済処理を実行する複数台の決済装置とをネットワークで接続してなり、前記登録装置で生成された前記会計データを、前記複数台の決済装置の間で設定された転送順序に従い前記ネットワークを介して順番に送信するチェックアウトシステムの決済装置であって、前記ネットワークを介して伝送される前記会計データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した会計データの決済処理を前記転送順序が先の他の決済装置と比較して自らが優先的に実行するか否かを所定の判定条件を基に判定する判定手段と、自らに設定された前記転送順序が最後でない場合、前記判定手段により自らが優先的に実行すると判定した場合には自らの識別情報を、前記転送順序が先の他の決済装置が優先的に実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を、前記会計データとともに転送する転送手段と、自らに設定された前記転送順序が最後の場合、前記判定手段により自らが優先的に実行すると判定した場合には自らの識別情報を、前記転送順序が先の他の決済装置が優先的に実行すると判定した場合には当該他の決済装置の識別情報を、前記登録装置に通知する通知手段と、を具備することを特徴とする決済装置。
【符号の説明】
【0062】
11…登録装置、12…決済装置、11a,12a…CPU、11b,12b…ROM、11c,12c…RAM、11d,12d…補助記憶ユニット、11e…スキャナ、11f,12f…タッチパネル、11g,12g…プリンタ、11h,12h…通信ユニット、11i,12i…伝送システム、12j…カードリーダ・ライタ、12k…自動釣銭機、12m…時計部、M1…登録メモリ、M2…送信先メモリ、M3…会計バッファ、M4…転送先メモリ、T…優先リストテーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12